JP2015119680A - コンバイン - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン20にできるだけ近い位置に排気ガス浄化ケース50を配置するものでありながら、狭小なエンジンルーム43内において各配管を適切に取り回しできるようにする。
【解決手段】エンジン20の上方には、エアクリーナ49と排気ガス浄化ケース50とを配置し、エンジン20において出力軸20aと交差する一側方には、エンジン水冷用のラジエータ47を配置する。
排気ガス浄化ケース50に連通する排気出口管82、ラジエータ47とエンジン20とをつなぐ冷却水供給管122及び冷却水戻り管123、並びにエアクリーナ47から延びる給気管108を備える。排気出口管82の下方に給気管108を位置させる。給気管108の下方に冷却水戻り管123を位置させる。排気出口管82と給気管108との間に冷却水供給管122を通す。
【選択図】図14
【解決手段】エンジン20の上方には、エアクリーナ49と排気ガス浄化ケース50とを配置し、エンジン20において出力軸20aと交差する一側方には、エンジン水冷用のラジエータ47を配置する。
排気ガス浄化ケース50に連通する排気出口管82、ラジエータ47とエンジン20とをつなぐ冷却水供給管122及び冷却水戻り管123、並びにエアクリーナ47から延びる給気管108を備える。排気出口管82の下方に給気管108を位置させる。給気管108の下方に冷却水戻り管123を位置させる。排気出口管82と給気管108との間に冷却水供給管122を通す。
【選択図】図14
Description
本発明は、刈取装置によって圃場の未刈り穀稈を刈取りながら、脱穀装置によってその刈取り穀稈を脱穀して穀粒を収穫するコンバインに係り、より詳しくは、エンジンの排気ガスを浄化処理する排気ガス浄化ケース搭載のコンバインに関するものである。
従来のコンバインは、走行機体の前側に昇降可能に配設した刈取装置側に排気ガス浄化ケースの一部を突出させ、刈取装置寄りに偏倚させて排気ガス浄化ケースを配置している(例えば特許文献1参照)。また、エンジンルーム天板部を段付き形状に形成し、運転座席下方部よりも高い位置に排気ガス浄化ケースを配置している(例えば特許文献2参照)。
ところで、コンバインでは刈取装置や脱穀装置等の様々な装置を備えるため、刈取装置の右側方にある運転部の下方にエンジンルームを形成し、当該エンジンルーム内にエンジンを搭載している。近年は、コンバインのコンパクト化・軽量化の要請で、エンジンルームの大きさに制約があることが多い(エンジン搭載スペースが狭小であることが多い)。制約の多いエンジンルーム内には、エンジンだけでなく、エアクリーナやラジエータといった様々な部品を配置している。
一方、エンジンから排気ガス浄化ケースまでの排気系の配管長さが長くなるほど、排気ガス浄化ケースに到達したときの排気ガスの温度は当然に低下する。排気ガス浄化ケースを通過する排気ガスの温度は所定温度以上であることが望ましいため、エンジンにできるだけ近い位置に排気ガス浄化ケースを配置したいという要請がある。
エンジンに排気ガス浄化ケースを取り付ける場合は、エンジンルーム内に、排気ガス浄化ケースに連通する排気出口管、ラジエータとエンジンとをつなぐ冷却水供給管及び冷却水戻り管、並びにエアクリーナから延びる給気管をエンジンルーム内に収容することになるが、エンジン、排気ガス浄化ケース及び排気出口管は駆動によって高温になる。このため、エンジン等の高温部に冷却水供給管、冷却水戻り管及び給気管等の各配管が直接触れないように、狭小なエンジンルーム内において各配管の取り回しに配慮が必要になる。
本願発明は、これらの現状を検討して改善を施したコンバインを提供することを技術的課題としている。
請求項1の発明は、圃場の未刈穀稈を刈り取る刈取装置と、前記刈取装置で刈り取った刈取穀稈を脱穀する脱穀装置と、前記刈取装置及び前記脱穀装置を搭載した走行機体と、前記走行機体上のエンジンルーム内に配置したエンジンと、前記エンジンの排気系に配置した排気ガス浄化ケースと、前記エンジンへの空気を清浄化するエアクリーナとを備えるコンバインにおいて、前記エンジンの上方には、前記エアクリーナと前記排気ガス浄化ケースとを配置し、前記エンジンにおいて前記出力軸と交差する一側方には、エンジン水冷用のラジエータを配置し、前記排気ガス浄化ケースに連通する排気出口管、前記ラジエータと前記エンジンとをつなぐ冷却水供給管及び冷却水戻り管、並びに前記エアクリーナから延びる給気管を備え、前記排気出口管の下方に前記給気管を位置させ、前記給気管の下方に前記冷却水戻り管を位置させ、前記排気出口管と前記給気管との間に前記冷却水供給管を通しているというものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記エアクリーナと前記排気ガス浄化ケースとは、前記エンジンの上方において、平面視で前記エンジンの出力軸の軸線方向と平行状に延びるように位置させ、前記エンジンにおいて出力軸と交差する一側部に冷却ファンを配置し、前記出力軸と交差する一側部と反対側の他側部にフライホイールを配置し、前記排気ガス浄化ケースの排気入口側を前記フライホイール寄りに位置させ、前記排気ガス浄化ケースの排気出口側を前記冷却ファン寄りに位置させているというものである。
請求項1の発明によると、圃場の未刈穀稈を刈り取る刈取装置と、前記刈取装置で刈り取った刈取穀稈を脱穀する脱穀装置と、前記刈取装置及び前記脱穀装置を搭載した走行機体と、前記走行機体上のエンジンルーム内に配置したエンジンと、前記エンジンの排気系に配置した排気ガス浄化ケースと、前記エンジンへの空気を清浄化するエアクリーナとを備えるコンバインにおいて、前記エンジンの上方には、前記エアクリーナと前記排気ガス浄化ケースとを配置し、前記エンジンにおいて前記出力軸と交差する一側方には、エンジン水冷用のラジエータを配置し、前記排気ガス浄化ケースに連通する排気出口管、前記ラジエータと前記エンジンとをつなぐ冷却水供給管及び冷却水戻り管、並びに前記エアクリーナから延びる給気管を備え、前記排気出口管の下方に前記給気管を位置させ、前記給気管の下方に前記冷却水戻り管を位置させ、前記排気出口管と前記給気管との間に前記冷却水供給管を通しているから、前記排気出口管と前記給気管と前記冷却水戻り管とを、側面視で互いに交差させることなく上下に適切な配置間隔で取り回しできる。このため、これら配管構造の組付け作業性やメンテナンス性の向上を図れる。また、前記排気出口管と前記給気管との間の距離が前記冷却水供給管を通せるほど離れることになり、前記排気ガス浄化ケースや前記排気出口管の排熱等による前記給気管の劣化を抑制できる。
請求項2の発明によると、前記エアクリーナと前記排気ガス浄化ケースとは、前記エンジンの上方において、平面視で前記エンジンの出力軸の軸線方向と平行状に延びるように位置させ、前記エンジンにおいて出力軸と交差する一側部に冷却ファンを配置し、前記出力軸と交差する一側部と反対側の他側部にフライホイールを配置し、前記排気ガス浄化ケースの排気入口側を前記フライホイール寄りに位置させ、前記排気ガス浄化ケースの排気出口側を前記冷却ファン寄りに位置させているから、前記冷却ファンからの冷却風は、前記排気ガス浄化ケースにおいて浄化処理後の排気ガスが通過する排気出口側に当たって、浄化処理後の排気ガス温度を低下させる。前記排気ガス浄化ケースにおいて浄化処理前の排気ガスが通過する排気入口側は、前記冷却ファンから遠く冷却風が当たり難い。従って、浄化処理前の排気ガスは高温にして、前記排気ガス浄化ケースの浄化性能を適正に維持できる。浄化処理後の排気ガス温度を低下させて外部に排出でき、例えば圃場の藁屑等の発火を防止できる。
以下、本願発明に係るコンバインを具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。図1乃至図4を参照して、実施形態のコンバインを説明する。図1乃至図4に示す如く、左右一対の走行クローラ2(走行部)にて支持された走行機体1を備えている。走行機体1の前部には、穀稈を刈り取る四条刈り用の刈取装置3が、単動式の昇降用油圧シリンダ4によって刈取回動支点軸4a回りに昇降調節可能に装着されている。走行機体1には、フィードチェン6を有する脱穀装置5と、脱穀後の穀粒を貯留するグレンタンク7とが横並び状に搭載されている。なお、脱穀装置5が走行機体1の前進方向に向かって左側に配置され、グレンタンク7が走行機体1の前進方向に向かって右側に配置されている(図3参照)。
グレンタンク7の後方から上方にかけてグレンタンク7内の穀粒を機体外部に排出する排出オーガ8が配設されている。排出オーガ8の縦オーガ8aを中心として、グレンタンク8の前部を機体側方へ回動できるように構成されている。グレンタンク7の前方で走行機体1の右側前部には、運転部10が設けられている。運転部10には、オペレータが搭乗するステップ10aと、運転座席10bと、操向ハンドル10cを設けるハンドルコラム11と、主変速レバー12または副変速レバー13または作業クラッチレバー14またはスイッチ類等を備えたサイドコラム15を配置している。
図1及び図2に示す如く、走行機体1において運転座席10bの下方側には、各駆動部の動力源としてのディーゼルエンジン20が配置されている。また、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム21を配置している。トラックフレーム21には、走行クローラ2にエンジン20の動力を伝える駆動スプロケット22と、走行クローラ2のテンションを維持するテンションローラ23と、走行クローラ2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ24とを設けている。駆動スプロケット22によって走行クローラ2の前側を支持し、テンションローラ23によって走行クローラ2の後側を支持し、トラックローラ24によって走行クローラ2の接地側を支持する。
図1乃至図3に示す如く、刈取装置3には、圃場の未刈り穀稈を引起す4条分の穀稈引起装置31と、圃場の未刈り穀稈の株元を切断するバリカン式の刈刃装置32と、穀稈引起装置31からフィードチェン6の前端部(送り始端側)に刈取り穀稈を搬送する穀稈搬送装置33とが備えられている。穀稈引起装置31によって圃場の未刈り穀稈が引起され、刈刃装置32によって未刈り穀稈の株元が切断され、穀稈引起装置31によってフィードチェン6の前端部に刈取り穀稈が搬送される。
脱穀装置5には、穀稈脱穀用の扱胴51と、扱胴51の下方に落下する脱粒物を選別する揺動選別機構としての揺動選別盤52と、揺動選別盤52に選別風を供給する唐箕ファン53と、扱胴51の後部から取出される脱穀排出物を再処理する処理胴54と、揺動選別盤52の後部の排塵を機外に排出する排塵ファン61とを備えている。
図1及び図2に示す如く、フィードチェン6の後端側(送り終端側)には、排藁チェン62が配置されている。フィードチェン6の後端側から排藁チェン62に受け継がれた排藁(穀粒が脱粒された稈)は、長い状態で走行機体1の後方に排出されるか、又は脱穀装置5の後方側に設けた排藁カッタ63にて適宜長さに短く切断されたのち、走行機体1の後方下側に排出される。
揺動選別盤52の下方側には、揺動選別盤52にて選別された穀粒(一番選別物)を取出す一番コンベヤ55と、穀粒や藁屑や枝梗付き穀粒等が混合した二番選別物を取出す二番コンベヤ56とが設けられている。なお、走行機体1の進行方向前側から一番コンベヤ55、二番コンベヤ56の順で、側面視で走行クローラ2の後部上方に横方向に延びるように設けている。
揺動選別盤52は、扱胴51の下方に落下した脱穀物を、揺動選別(比重選別)するように構成している。揺動選別盤52から落下した穀粒(一番選別物)は、その穀粒中の粉塵が唐箕ファン53からの選別風によって除去され、一番コンベヤ55に落下する。一番コンベヤ55のうち脱穀装置5におけるグレンタンク7寄りの一側壁(実施形態では右側壁)から外向きに突出した終端部には、上下方向に延びる一番揚穀筒57が連通接続されている。一番コンベヤ55から取出された穀粒は、一番揚穀筒57に内設された一番揚穀コンベヤ(図示省略)によってグレンタンク7に搬入され、グレンタンク7の内部に収集される。
揺動選別盤52は、揺動選別(比重選別)によって、枝梗付き穀粒等の二番選別物(穀粒と藁屑等が混在した再選別用の還元再処理物)を二番コンベヤ56に落下させるように構成されている。二番コンベヤ56によって取出された二番選別物は、二番還元筒58及び二番処理部59を介して揺動選別盤52の上面側に戻されて再選別される。また、扱胴51からの脱粒物中の藁屑及び粉塵等は、唐箕ファン53からの選別風と排塵ファン61の吸排塵作用とによって、走行機体1の後部から圃場に向けて排出される。
次に、図4〜図9を参照して、ディーゼルエンジン20の搭載構造を説明する。図6〜図8に示す如く、走行機体1における運転座席10bの下方側に、エンジンベッド41を介してディーゼルエンジン20を防振支持させる。トラックフレーム21前部の走行駆動用ミッションケース42や脱穀装置5等の各部に、プーリ・ベルト伝動系を介してディーゼルエンジン20の駆動力を伝達している。ディーゼルエンジン20の前面側及び上面側をエンジンルームカバー44によって覆っている。加えて、サイドコラム15の下方に仕切り板体16を張設し、仕切り板体16によってディーゼルエンジン20の上面側の一部を覆っている。エンジンルーム43の前面側をエンジンルームカバー44によって形成し、エンジンルーム43の上面側をエンジンルームカバー44と仕切り板体16とによって形成している。
また、図8に示す如く、走行機体1における運転部10の右側端部に、開閉支点軸45を介して箱状の風洞ケース46を立設させている。走行機体1上面側における風洞ケース46機内側に水冷用ラジエータ47を立設させ、ディーゼルエンジン20の冷却ファン48にラジエータ47を対峙させている。風洞ケース46上部の機外側開口46aから風洞ケース46内に外気(冷却風)を取り入れ、風洞ケース46下部の機内側開口46bからラジエータ47を介して、冷却ファン48の回転によって除塵済の冷却風をエンジンルーム43内に送り込み、除塵済の冷却風によってディーゼルエンジン20等を冷却する。なお、風洞ケース46上部の機外側開口46aには除塵網を張設している。除塵網の存在によって、風洞ケース46内部ひいてはエンジンルーム43内部への藁屑等の侵入を防止している。
更に、図6及び図7に示す如く、走行機体1上面における運転部10後側に、左右一対のエンジンルーム支柱71を立設させ、左右のエンジンルーム支柱71間に、背面板体72を張設している。すなわち、仕切り板体16、エンジンルームカバー44、風洞ケース46及び背面板体72によってエンジンルーム43を形成(区画)している。左右のエンジンルーム支柱71はエンジンルーム43の骨組を構成している。ディーゼルエンジン20の出力軸20a(クランク軸)を左右に向けた状態で、エンジンルーム43内にディーゼルエンジン20を配置している。なお、ディーゼルエンジン20の左側方に出力軸20aの左側端部を突出させ、出力軸20aの左側端部(突出端部)に走行駆動ベルト73及び脱穀駆動ベルト74を連結している。出力軸20aから走行駆動ベルト73を介して、ディーゼルエンジン20の駆動力を走行クローラ2に向けて出力し、出力軸20aから脱穀駆動ベルト74を介して、ディーゼルエンジン20の駆動力を脱穀装置5に向けて出力している。
一方、図4〜図8に示す如く、ディーゼルエンジン20に新気を供給するエアクリーナ49と、ディーゼルエンジン20の排気ガスを処理する排気ガス浄化ケース50とを備える。エンジンルームカバー44の上面側を階段状に多段に形成し、エンジンルームカバー44上面側のうち前部上面44aを低く形成し、後部上面44bを高く形成する。エンジンルームカバー44の後部上面44b後端側と左右のエンジンルーム支柱71上端部との間に補助カバー体44cを設けている。補助カバー体44cの下面にエアクリーナ49を固着することによって、エンジンルームカバー44の後部上面44b及び補助カバー体44cの下方に、エアクリーナ49を位置させている。
補助カバー体44cの上面側には消音箱体40を搭載している。風洞ケース46に新気取込みパイプ体39を介して消音箱体40内部を連通させ、消音箱体40内部にエアクリーナ49を連通させる。エアクリーナ49を介して、ディーゼルエンジン20の吸気マニホールド19に風洞ケース46内の空気を取り込むように構成している。風洞ケース46、新気取込みパイプ体39及び消音箱体40は、エンジンルーム43外に位置する外気導入部に相当する。なお、消音箱体40の上面側に電装ボックス38を設けている。電装ボックス38にエンジンコントローラ等を内蔵している。
一方、エンジンルームカバー44における前部上面44aの上面側には、シート支持機構10dを介して運転座席10bを支持させている。エンジンルームカバー44の前部上面44a及び仕切り板体16の下方側に排気ガス浄化ケース50を配置している。排気ガス浄化ケース50は長尺円筒状の外形形状に形成していて、ディーゼルエンジン20の上面側に支持させている。換言すると、ディーゼルエンジン20の出力軸20a軸線方向と、排気ガス浄化ケース50内部の排気ガス移動方向を一致させている。排気ガス浄化ケース50の長手方向は、ディーゼルエンジン20の出力軸20aと平行状になっている。
図7及び図8に示す如く、仕切り板体16の下方側に、排気ガス浄化ケース50の排気ガス取入れ側(排気入口側)を位置させ、エンジンルームカバー44の前部上面44aの下方側に、排気ガス浄化ケース50の排気ガス取出し側(排気出口側)を位置させている。排気ガス浄化ケース50の排気ガス取入れ側に排気入口管81を設け、排気ガス浄化ケース50の排気ガス取出し側には排気出口管82を設けている。排気ガス浄化ケース50の排気入口管81は、後述するターボ過給機105のタービンケース106を介して、ディーゼルエンジン20の排気マニホールド83に連結し、排気入口管81と排気マニホールド83とを連通させている。脱穀装置5とグレンタンク7の間にテールパイプ84を延設させ、テールパイプ84に排気出口管82を連通させている。ディーゼルエンジン20の排気マニホールド83から排出される排気ガスは、排気ガス浄化ケース50からテールパイプ84を介して機外に排出される。
図6、図7及び図9に示すように、排気出口管82は、走行機体1の左右中央側に向けてL字状に折れ曲がり、更に、仕切り板体16の下方側(脱穀装置5とグレンタンク7との間への入口付近)で後方に向けてL字状に折れ曲がっている。すなわち、排気出口管82は平面視クランク形状になっている。従って、排気ガス浄化ケース50と排気出口管82の長手中途部とは、平面視でディーゼルエンジン20の出力軸20a軸線方向と平行状に延びるように隣り合っている。排気出口管82の後端側とテールパイプ84の前端側とが連通している。この場合、排気出口管82の他端側に、ディーゼルエンジン20の出力軸20a軸線方向と交差する方向(前後方向)に延びるテールパイプ84の前端側を連通させている。テールパイプ84は前端側を下向きに折り曲げ、中途部を下向きに延長させ、後端側を走行クローラ2の後部上方側で後方に延びるように折り曲げている。すなわち、テールパイプ84は側面視クランク形状になっている。左右の走行クローラ2の間において後方斜め下向きに、テールパイプ84の後端側を開口させている。
図8に示す如く、サイドコラム15の下方側で且つ仕切り板体16の上方側に、作業クラッチレバー14等を支持するレバー支点軸機構17を配置している。仕切り板体16や排気ガス浄化ケース50の左側方には、作業クラッチレバー14操作等に連動して脱穀駆動ベルト74等を緊張させたり弛緩させたりするクラッチ操作リンク機構18を配置している。レバー支点軸機構17及びクラッチ操作リンク機構18等の左側を覆うサイドコラムカバー15aを備える。実施形態では、サイドコラム15の左側面下部にサイドコラムカバー15aの上端部を連結している。仕切り板体16及び排気ガス浄化ケース50とサイドコラムカバー15aとの間に、クラッチ操作リンク機構18が位置している。
次に、図10〜図15を参照しながら、ディーゼルエンジン20の構造を説明する。図10〜図12に示す如く、ディーゼルエンジン20のシリンダヘッド91の一側面(後側面)には吸気マニホールド19を配置している。シリンダヘッド91は、出力軸20aとピストン(図示省略)を内蔵したシリンダブロック92に上載している。シリンダヘッド91の他側面(前側面)に排気マニホールド83を配置している。すなわち、ディーゼルエンジン20において出力軸20aを挟んだ両側部に、吸気マニホールド19と排気マニホールド83とを振り分けて配置している。シリンダブロック92の左右両側面から出力軸20aを左右外向きに突出させている。
図4〜図7に示す如く、シリンダブロック92の左側面にフライホイールハウジング93を固着している。フライホイールハウジング93内にフライホイール94を設ける。フライホイール94を軸支した出力軸20aの左端側からミッションケース42に向けてディーゼルエンジン20の駆動力を取り出すように構成している。更に、シリンダブロック92の下面にオイルパン95を配置している。シリンダブロック92の右側方に冷却ファン48を配置し、冷却ファン48に対向させてラジエータ47を設置している(図8及び図9参照)。
すなわち、ディーゼルエンジン20において出力軸20aと交差する一側部(シリンダブロック92の右側面側)に冷却ファン48を配置し、出力軸20aと交差する一側部と反対側の他側部(シリンダブロック92の左側面)にフライホイール94を配置している。排気ガス浄化ケース50の排気ガス取入れ側(排気入口側)はフライホイール94寄りに位置し、排気ガス浄化ケース50の排気ガス取出し側(排気出口側)は冷却ファン48寄りに位置している。従って、排気ガス浄化ケース50の排気ガス取入れ側(排気入口側)は、走行機体1の左右中央側に位置している。排気ガス浄化ケース50の排気ガス取出し側(排気出口側)は、走行機体1の左右外側に位置している。
このように構成すると、冷却ファン48からの冷却風は、排気ガス浄化ケース50において浄化処理後の排気ガスが通過する排気ガス取出し側(排気出口側)に当たって、浄化処理後の排気ガス温度を低下させる。排気ガス浄化ケース50において浄化処理前の排気ガスが通過する排気ガス取入れ側(排気入口側)は、冷却ファン48から遠く冷却風が当たり難い。従って、浄化処理前の排気ガスは高温にして、排気ガス浄化ケース50の浄化性能を適正に維持できる。そして、浄化処理後の排気ガス温度を低下させて外部に排出でき、例えば圃場の藁屑等の発火を防止できる。
図11及び図12に示すように、吸気マニホールド19には、再循環用の排気ガスを取り込む排気ガス再循環装置(EGR装置)96を配置している。エアクリーナ49は、後述するターボ過給機105のコンプレッサケース107及び排気ガス再循環装置96を介して吸気マニホールド19に接続される。エアクリーナ49に吸い込まれて除塵及び浄化された新気(外部空気)は、ターボ過給機105のコンプレッサケース107及び排気ガス再循環装置96を介して吸気マニホールド19に送られ、ディーゼルエンジン20の各気筒に供給される。
上記の構成において、ディーゼルエンジン20から排気マニホールド83に排出した排気ガスの一部は、排気ガス再循環装置96及び吸気マニホールド19を介してディーゼルエンジン20の各気筒に還流される。このため、ディーゼルエンジン20の燃焼温度が下がり、ディーゼルエンジン20からの窒素酸化物(NOx)の排出量が低減され、且つディーゼルエンジン20の燃費が向上する。
図11に示す如く、ディーゼルエンジン20の4気筒分の各インジェクタ97に、燃料タンク(図示省略)に接続する燃料ポンプ98とコモンレール99とを接続している。シリンダヘッド91の吸気マニホールド19設置側に、コモンレール99及び燃料フィルタ100を配置し、シリンダブロック92において吸気マニホールド19の下方側に燃料ポンプ98を配置している。なお、各インジェクタ97は、電磁開閉制御型の燃料噴射バルブ(図示省略)を有している。燃料ポンプ98の吐出側にコモンレール99を接続し、円筒状のコモンレール99にディーゼルエンジン20の各インジェクタ97をそれぞれ接続している。高圧燃料はコモンレール99内に一時貯留され、コモンレール99経由でディーゼルエンジン20の各気筒(シリンダ)内部に供給される。
上記の構成において、ディーゼルエンジン20の燃料は燃料ポンプ98によってコモンレール99に圧送され、高圧の燃料としてコモンレール99に蓄えられる。そして、各インジェクタ97の燃料噴射バルブをそれぞれ開閉制御することによって、コモンレール99内の高圧燃料がディーゼルエンジン20の各気筒に噴射される。すなわち、各インジェクタ97の燃料噴射バルブを電子制御することによって、燃料の噴射圧力、噴射時期、噴射期間(噴射量)が高精度にコントロールされる。従って、ディーゼルエンジン20から排出される窒素酸化物(NOx)を低減できる。
図10に示すように、シリンダヘッド5の前側方で排気マニホールド83の上方には、ターボ過給機105を配置している。ターボ過給機105は、タービンホイール内蔵のタービンケース106と、ブロアホイル内蔵のコンプレッサケース107とを備えている。排気マニホールド83にタービンケース106の排気ガス取入れ側を連結している。タービンケース106の排気ガス取出し側には、排気ガス浄化ケース50の排気入口管81を接続している。すなわち、ディーゼルエンジン20の各気筒から排気マニホールド83に排出した排気ガスは、ターボ過給機105及び排気ガス浄化ケース50等を経由して機外に排出される。
コンプレッサケース107の給気取入れ側は、給気管108を介してエアクリーナ49の給気取出し側に接続している。コンプレッサケース107の給気取出し側は、過給管109及び排気ガス再循環装置96を介して吸気マニホールド19に接続している。すなわち、エアクリーナ49によって除塵及び浄化された新気は、コンプレッサケース107から過給管109を介して排気ガス再循環装置96に送られ、その後、ディーゼルエンジン20の各気筒に供給される。
図10〜図13に示す如く、ディーゼルエンジン20の各気筒から排出された排気ガスを浄化するための排気ガス浄化装置として、ディーゼルエンジン20の排気ガス中の粒子状物質を除去する排気ガス浄化ケース50(ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF))を備える。図10に示すように、排気ガス浄化ケース50には、酸化触媒111と、スートフィルタ112が内設される。ディーゼルエンジン20の各気筒から排気マニホールド83に排出された排気ガスは、排気ガス浄化ケース50等を経由して機外に放出される。排気ガス浄化ケース50によって、ディーゼルエンジン20の排気ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、粒子状物質(PM)及び窒素酸化物質(NOx)を低減するように構成している。
排気ガス浄化ケース50は、平面視でディーゼルエンジン20の出力軸20a(クランク軸)と平行な方向に長く延びた横長の長尺円筒形状に構成している。排気ガス浄化ケース50においてフライホイール94寄りの部位に、排気ガスを取り込む排気入口管81を設け、排気ガス浄化ケース50において冷却ファン48寄りの部位に、浄化処理後の排気ガスを排出する排気出口管82を設けている。シリンダヘッド91の左右側面に、左支脚体113及び右支脚体114を介して、排気ガス浄化ケース50の排気ガス移動方向一端側と同他端側とを着脱可能に支持している。すなわち、左支脚体113及び右支脚体114を介して、ディーゼルエンジン20の上面側に排気ガス浄化ケース50を取り付けている。ディーゼルエンジン20の左右方向に円筒状の排気ガス浄化ケース50の長手方向を向けた状態で、排気マニホールド83の上方側に排気ガス浄化ケース50を位置させている。
前述の通り、ディーゼルエンジン20の出力軸20a軸線方向と、排気ガス浄化ケース50内部の排気ガス移動方向(排気ガス浄化ケース50の長手方向)とは一致している。また同様に、エアクリーナ49の長手方向も、ディーゼルエンジン20の出力軸20a軸線方向と一致している。そして、図9に示すように、エアクリーナ49と排気ガス浄化ケース50とは、平面視でディーゼルエンジン20の出力軸20a軸線方向と平行状に延びるように、ディーゼルエンジン20の上方に位置している。この場合、エアクリーナ49は、エンジンルームカバー44の後部上面44b及び補助カバー体44cの下方で且つ吸気マニホールド19の上方に位置している。排気ガス浄化ケース50は、エンジンルームカバー44の前部上面44a及び仕切り板体16の下方で且つ排気マニホールド83の上方に位置している。
このように構成すると、例えばエンジンルーム43外に配置する外気導入部(風洞ケース46等)にエアクリーナ49の吸気取入れ側を簡単に接続できるものでありながら、ディーゼルエンジン20上方のデッドスペースを有効利用して、排気ガス浄化ケース50とエアクリーナ49とをディーゼルエンジン20の平面視外形内(前後幅内及び左右幅内)でコンパクトに配置できる(図13参照)。なお、側面視においてエアクリーナ49と排気ガス浄化ケース50との高さ位置は、エアクリーナ49を上側、排気ガス浄化ケース50を下側というように、エンジンルームカバー44の階段形状に沿わせて上下にずれている。
図10及び図12に示すように、排気マニホールド83の上方には、ディーゼルエンジン20への空気を過給するターボ過給機105を配置している。ターボ過給機105の上方に排気ガス浄化ケース50を配置している。すなわち、排気ガス浄化ケース50とターボ過給機105とは、排気マニホールド83の上方で上下に並んでいる。また、図11及び図12に示すように、吸気マニホールド19の上方には、ディーゼルエンジン20の吸気系(吸気マニホールド19)に排気ガスを還流させる排気ガス再循環装置96(EGR装置)を配置している。排気ガス再循環装置96の上方にエアクリーナ49を配置している。すなわち、エアクリーナ49と排気ガス再循環装置96とは、吸気マニホールド19の上方で上下に並んでいる。
このように構成すると、排気系に関連する排気ガス浄化ケース50及びターボ過給機105は排気マニホールド83側に、吸気系に関連するエアクリーナ49及び排気ガス再循環装置96は吸気マニホールド19側に、それぞれ上下に並べてまとまることになる。従って、排気系部材(排気ガス浄化ケース50及びターボ過給機105)の配置と吸気系部材(エアクリーナ49及び排気ガス再循環装置96)の配置とを把握し易く、組付け作業性向上やメンテナンス性向上の一助になる。また、排気系部材や吸気系部材の周囲に、排気系配管(排気出口管82等)や吸気系配管(給気管108等)をできるだけ短い長さで整然と取り回しし易く、吸排気系の配管構造等を低コストで製造できる。
また、図11及び図12に示すように、シリンダヘッド91の左側面にボルト締結した左支脚体113に排気支持板115を後ろ向きに突出するようにボルト締結する一方、排気出口管82の後端側に平面視略L字状の出口管ブラケット116を溶接固定している。そして、排気支持板115の後端側に、出口管ブラケット116を取付け高さ調節可能にボルト締結している。すなわち、シリンダヘッド91左側面側の排気支持板115後端側に、出口管ブラケット116を介して、排気出口管82を上下方向に位置調節可能に支持させている。排気ガス浄化ケース50に対する排気出口管82の上下高さ位置が調節される。この場合、出口管ブラケット116の前板部に、上下に長くて前後に並ぶ一対の長穴117を形成している。出口管ブラケット116の各長穴117に挿入したボルトを排気支持板115に形成したボルト穴にねじ込むことによって、排気支持板115の後端側に対して出口管ブラケット116を取付け高さ調節可能に固定している。
このように構成すると、排気ガス浄化ケース50をディーゼルエンジン20に支持させる左支脚体113に排気出口管82を連結しているから、排気ガス浄化ケース50支持用の左支脚体113を排気出口管82の支持部材に兼用して、排気ガス浄化ケース50と排気出口管82とを一体に支持でき、排気出口管82の支持構造を低コストで製造できる。排気出口管82の支持剛性向上にも寄与できる。
また、排気ガス浄化ケース50に対する排気出口管82の位置を調節し得るように、左支脚体113に排気出口管82を締結しているから、ディーゼルエンジン20上面側のデッドスペースを利用して、排気ガス浄化ケース50と排気出口管82とをコンパクトに配置できるものでありながら、排気出口管82と左支脚体113との締結部分(排気支持板115及び出口管ブラケット116)の加工誤差や組付け誤差を簡単に吸収でき、組付け作業性の向上を図れる。
更に、排気ガス浄化ケース50の排気ガス取出し側(排気出口側)に排気出口管82の一端側(前端側)を連結し、排気ガス浄化ケース50の排気ガス取入れ側(排気入口側)を支持する左支脚体113に排気出口管82の他端側(後端側)を連結しているから、排気ガス浄化ケース50の長手方向に沿って排気出口管82を長尺に形成でき、排気ガスの温度を機外に排出するまでに低下させたり消音機能を向上させたりすることが可能になる。
図11及び図12に示すように、排気出口管82後端側の排気出口外径よりもテールパイプ84前端側の排気入口内径を大きく形成している。排気出口管82の排気出口にテールパイプ84の排気入口を遊嵌状に被嵌させている。このため、排気出口管82の排気出口とテールパイプ84の排気入口との間の隙間からテールパイプ84内部に、外部空気が負圧吸引されることになる。また、ディーゼルエンジン20の振動系からテールパイプ84を切り離しでき、ディーゼルエンジン20側と走行機体1側の振動周波数の違いに起因してテールパイプ84を破損させるおそれを格段に抑制できる。
図4、図5及び図15に示す如く、側面視クランク形状のテールパイプ84の前端側には前支持ブラケット85を溶接固定している。左エンジンルーム支柱71の左側面にはパイプ台86を溶接固定している。そして、パイプ台86に前支持ブラケット85を取付け位置調節可能にボルト締結している。すなわち、左エンジンルーム支柱71のパイプ台86に、前支持ブラケット85を介してテールパイプ84前端側を左右方向に位置調節可能に支持させている。この場合、前支持ブラケット85に、左右に長くて上下に並ぶ一対の調節用長穴118を形成している。前支持ブラケット85の各調節用長穴118に挿入したボルトをパイプ台86に形成したボルト穴にねじ込むことによって、パイプ台86に対して前支持ブラケット85を左右位置調節可能に固定している。また、走行機体1の上面側に後支持ブラケット87をボルト締結している。後方に向けて開口したテールパイプ84の後端側(排気出口)を後支持ブラケット87に取り付けている。後支持ブラケット87によって、走行機体1の水平フレーム高さと合うようにテールパイプ84の排気出口側を支持させている。このように構成すると、左エンジンルーム支柱71をテールパイプ84の支持部材に兼用でき、テールパイプ84の支持構造を低コストで製造できる。
すなわち、ディーゼルエンジン20上方の排気ガス浄化ケース50高さと略同一高さにテールパイプ84の排気入口側を高く支持すると共に、脱穀装置5及びグレンタンク7を載置した走行機体1のフレーム高さと略同一高さにテールパイプ84の排気出口側を低く支持させている。なお、図4及び図5に示すように、テールパイプ84の長手中途部にはプーリカバー板体88の後端縁部を近接させている。脱穀装置5にディーゼルエンジン20駆動力を入力する唐箕プーリ89の外側をテールパイプ84及びプーリカバー板体88によって囲んでいる。テールパイプ84及びプーリカバー板体88での遮蔽によって、テールパイプ84の排熱で暖められた外気が選別風として唐箕ファン53に吸引される。
上記の記載並びに図4、図5及び図15から明らかなように、圃場の未刈穀稈を刈り取る刈取装置3と、前記刈取装置3で刈り取った刈取穀稈を脱穀する脱穀装置5と、前記刈取装置3及び前記脱穀装置5を搭載した走行機体1と、前記走行機体1上のエンジンルーム43内に配置したエンジン20と、前記エンジン20の排気系に配置した排気ガス浄化ケース50とを備えるコンバインにおいて、前記排気ガス浄化ケース50に連通する排気出口管82と、前記排気出口管82に連通するテールパイプ84とを備え、前記テールパイプ84の排気入口側の直径を前記排気出口管82の排気出口側の直径よりも大径に構成し、前記テールパイプ84の排気入口側に前記排気出口管82の排気出口側を遊嵌し、前記エンジンルーム43の骨組を構成するエンジンルーム支柱71に前記テールパイプ84を連結しているから、前記エンジン20の振動系から前記テールパイプ84を切り離しでき、前記エンジン20側と前記走行機体1側の振動周波数の違いに起因して前記テールパイプ84を破損させるおそれを格段に抑制できる。また、前記エンジンルーム支柱71を前記テールパイプ84の支持部材に兼用して、前記テールパイプ84の支持構造を低コストで製造できる。
また、前記排気ガス浄化ケース50を前記エンジン20に支持させる支脚体113に前記排気出口管82を連結し、前記排気ガス浄化ケース50に対する前記排気出口管82の位置を上下方向に調節し得るように、前記支脚体113に前記排気出口管82を締結する一方、前記排気出口管82に対する前記テールパイプ84の位置を左右方向に調節し得るように、前記エンジンルーム支柱71に前記テールパイプ84を締結しているから、前記エンジン20上面側のデッドスペースを利用して、前記排気ガス浄化ケース50と前記排気出口管82とをコンパクトに配置できるものでありながら、前記排気出口管82と前記支脚体113との締結部分の加工誤差や組付け誤差、並びに、前記排気出口管82と前記テールパイプ84との加工誤差や組付け誤差を簡単に吸収でき、前記排気出口管82及び前記テールパイプ84の組付け作業性を向上できる。
更に、前記エンジン20の上方には、前記排気ガス浄化ケース50と前記排気出口管82とを、平面視で前記エンジン20の出力軸20aの軸線方向と平行状に延びるように配置し、前記排気ガス浄化ケース50の排気入口側は前記走行機体1の左右中央側に位置し、前記排気ガス浄化ケース50の排気出口側は前記走行機体1の左右外側に位置し、前記排気ガス浄化ケース50の排気出口側に前記排気出口管82の一端側を連結し、前記排気ガス浄化ケース50の排気入口側を支持する前記支脚体113に前記排気出口管82の他端側を連結し、前記排気出口管82の他端側に、前記エンジン20の出力軸20aの軸線方向と交差する方向に延びる前記テールパイプ84を連通させているから、前記排気ガス浄化ケース50の長手方向に沿って前記排気出口管82を長尺に形成でき、排気ガスの温度を機外に排出するまでに低下させたり消音機能を向上させたりすることが可能になる。また、前記エンジン20の上面側スペースに前記排気ガス浄化ケース50及び前記排気出口管82を配置した上で、前記脱穀装置5の側方スペースに前記テールパイプ84を配置でき、各デッドスペースに対する前記排気ガス浄化ケース50、前記排気出口管82及び前記テールパイプ84の配置効率を向上できる。
図14に示すように、シリンダブロック92の左側面上部には冷却水ポンプ120を配置している。冷却水ポンプ120は、ディーゼルエンジン20の出力軸20aの回転に伴うベルト伝動によって冷却ファン48と共に駆動するように構成している。風洞ケース46機内側に配置したディーゼルエンジン20水冷用のラジエータ47の上部側と、冷却水ポンプ120の上部に設けたサーモスタットケース121とは、冷却水供給管122を介して接続している。冷却水ポンプ120の側部とラジエータ47の下部側とは、冷却水戻り管123を介して接続している。ラジエータ47内の冷却水は、冷却水供給管122からサーモスタットケース121を介して冷却水ポンプ120に供給される。冷却水は、冷却水ポンプ120の駆動によってシリンダヘッド91及びシリンダブロック92に形成した水冷ジャケット(図示省略)に供給され、ディーゼルエンジン20を冷却する。ディーゼルエンジン20の冷却に寄与した冷却水は、冷却水ポンプ120から冷却水戻り管123を経てラジエータ47に戻される。
実施形態では、図14に示す側面視で、排気ガス浄化ケース50に連通する排気出口管82の排気入口側の下方には、エアクリーナ49から延びる給気管108を、吸気マニホールド19側から排気マニホールド83側に向けて延びるように位置させている。給気管108の下方には冷却水戻り管123を位置させている。そして、排気出口管82の排気入口側と給気管108との間に冷却水供給管122を通している。排熱を発することのない給気管108と冷却水供給管122を側面視で交差させている。排気出口管82、給気管108及び冷却水戻り管123とは側面視で互いに交差しない配置に設定している。
このように構成すると、排気出口管82と給気管108と冷却水戻り管123とを、側面視で互いに交差させることなく上下に適切な配置間隔で取り回しできる。このため、これら配管構造の組付け作業性やメンテナンス性の向上を図れる。また、排気出口管82と給気管108との間の距離が冷却水供給管122を通せるほど離れることになり、排気ガス浄化ケース50や排気出口管82の排熱等による給気管108の劣化を抑制できる。
図16及び図17には、脱穀装置5とグレンタンク7の間に延設したテールパイプ184の参考例を示している。実施形態のテールパイプ84は、脱穀装置5とグレンタンク7の間(左右の走行クローラ2の間)から後方下側に排気ガスを排出する構造であったが、参考例のテールパイプ184は、脱穀装置5とグレンタンク7の間から後方上側に排気ガスを排出する構造になっている。図16に示すように、参考例のテールパイプ184は前端側を上向きに折り曲げ、縦向き中途部を上向きに延長させ、後端側を脱穀装置5の上面より上方側且つグレンタンク7の上面より下方側において後ろ向きに延びるように折り曲げている。すなわち、テールパイプ184は側面視クランク形状になっている。テールパイプ184の後端側は後方斜め上向きに開口している。
図17に示すように、側面視クランク形状のテールパイプ184の縦向き中途部には、中途支持ブラケット185を溶接固定している。左エンジンルーム支柱71の左側面には取付け板186を溶接固定している。左エンジンルーム支柱71の取付け板186に、略L字状の連結ブラケット187を介してテールパイプ184の中途支持ブラケット185を取付け位置調節可能にボルト締結している。この場合、図示は省略するが、左エンジンルーム支柱71の取付け板186に、上下長手で左右に並ぶ一対の調節長穴を形成し、両調節長穴を介して連結ブラケット187の縦片部と取付け板186とを上下位置調節可能に固定している。そして、テールパイプ184の中途支持ブラケット185に、左右長手で前後に並ぶ一対の調節長穴を形成し、両調節長穴を介して連結ブラケット187の横片部と中途支持ブラケット185とを左右位置調節可能に固定している。
テールパイプ184の後端側には、略L字状の立設ブラケット188を溶接固定している。立設ブラケット188の横片部を脱穀装置の上面右側に上方からボルト締結している。この場合、図示は省略するが、立設ブラケット188の横片部に、左右長手で前後に並ぶ一対の調節長穴を形成し、両調節長穴によって連結ブラケット187の横片部を脱穀装置5の上面右側に左右位置調節可能に固定している。
なお、本願発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
1 走行機体
3 刈取装置
5 脱穀装置
20 ディーゼルエンジン
20a 出力軸
43 エンジンルーム
44 エンジンルームカバー
49 エアクリーナ
50 排気ガス浄化ケース
71 エンジンルーム支柱
82 排気出口管
84 テールパイプ
108 給気管
113,114 支脚体
120 冷却水ポンプ
122 冷却水供給管
123 冷却水戻り管
3 刈取装置
5 脱穀装置
20 ディーゼルエンジン
20a 出力軸
43 エンジンルーム
44 エンジンルームカバー
49 エアクリーナ
50 排気ガス浄化ケース
71 エンジンルーム支柱
82 排気出口管
84 テールパイプ
108 給気管
113,114 支脚体
120 冷却水ポンプ
122 冷却水供給管
123 冷却水戻り管
Claims (2)
- 圃場の未刈穀稈を刈り取る刈取装置と、前記刈取装置で刈り取った刈取穀稈を脱穀する脱穀装置と、前記刈取装置及び前記脱穀装置を搭載した走行機体と、前記走行機体上のエンジンルーム内に配置したエンジンと、前記エンジンの排気系に配置した排気ガス浄化ケースと、前記エンジンへの空気を清浄化するエアクリーナとを備えるコンバインにおいて、
前記エンジンの上方には、前記エアクリーナと前記排気ガス浄化ケースとを配置し、前記エンジンにおいて前記出力軸と交差する一側方には、エンジン水冷用のラジエータを配置し、
前記排気ガス浄化ケースに連通する排気出口管、前記ラジエータと前記エンジンとをつなぐ冷却水供給管及び冷却水戻り管、並びに前記エアクリーナから延びる給気管を備え、
前記排気出口管の下方に前記給気管を位置させ、前記給気管の下方に前記冷却水戻り管を位置させ、前記排気出口管と前記給気管との間に前記冷却水供給管を通している、
コンバイン。 - 前記エアクリーナと前記排気ガス浄化ケースとは、前記エンジンの上方において、平面視で前記エンジンの出力軸の軸線方向と平行状に延びるように位置させ、
前記エンジンにおいて出力軸と交差する一側部に冷却ファンを配置し、前記出力軸と交差する一側部と反対側の他側部にフライホイールを配置し、前記排気ガス浄化ケースの排気入口側を前記フライホイール寄りに位置させ、前記排気ガス浄化ケースの排気出口側を前記冷却ファン寄りに位置させている、
請求項1に記載のコンバイン。
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Cited By (3)
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-
2013
- 2013-12-24 JP JP2013265849A patent/JP2015119680A/ja active Pending
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