JPH08113042A - エンジンルームの吸気部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型のコンバインのシートと一体型のエンジ
ンルームに関しエンジンへの吸気構造を省スペースで強
度のある構成にする。 【構成】 コンバインにおいて、運転シートを上部に固
設し、エンジンやラジエータを保護するエンジンルーム
に、エンジンの吸気を壁面に沿って循環させ吸入する吸
入部を内装する構成において、エンジンルームを構成す
るエンジンルーム枠に、切欠き口を設けて吸入ダクトを
取り付け、エンジンルーム枠の内側に、吸入ダクトに連
通し、循環式吸入部の働きをする中間ダクトを一体的に
取り付け、中間ダクトを介してエンジンに吸気する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンバインのエンジン
ルームにおける、エンジンの吸気構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のコンバインにおける運転シートを
上部に固設し、エンジンやラジエータを保護するエンジ
ンルームにおいては、吸気孔が直接にエンジンルーム枠
に穿設され、また、エンジンルーム内に、吸気孔からの
吸気を循環させてエンジンに送り込む構造のダクト部材
を、吸気孔とエンジンの吸気部との間に取り付けた構成
が公知となっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記ダクト部材内に吸
気を円滑に、かつ有効な風向きで送り込むには、風向板
を設ける等、ダクト吸気側において、複雑な構成を要す
るため、別体の吸気ダクトをエンジンルーム枠に取り付
ける構成とする方がよい。（吸気側の清掃も容易化す
る。）しかし、このようにすると、一方でエンジンルー
ム枠に、吸気ダクトに臨ませるための切欠部を設けるた
め、エンジンルーム枠の剛性が劣るという問題が起こ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、コンバインの
エンジンルーム内にエンジンの吸気を壁面に沿って循環
させ吸入する吸入部を内装する構造において、次のよう
に構成した。即ち、運転シートを上部に固設し、エンジ
ンやラジエータを保護するエンジンルームに、エンジン
の吸気を壁面に沿って循環させ吸入する吸入部を内装す
る構成において、エンジンルームを構成するエンジンル
ーム枠に、切欠き口を設けて吸入ダクトを取り付け、エ
ンジンルーム枠の内側に、吸入ダクトに連通し、循環式
吸入部の働きをする中間ダクトを一体的に取り付け、該
中間ダクトを介してエンジンに吸気する構造にした。

【０００５】

【作用】エンジンルーム枠に別体である吸入ダクトを取
り付ける構成とすることで弱くなるエンジンルーム枠の
剛性が、中間ダクトをエンジンルーム枠内に一体に取り
付けていることで、強めることができる。

【０００６】

【実施例】本発明の解決すべき課題及び構成は以上の如
くであり、次に添付の図面に示した本発明の実施例を説
明する。図１は本発明を採用したコンバインの右側面
図、図２は同じく左側面図、図３はコンバインのエンジ
ンルームの正面の断面側面図、図４は同じくエンジンル
ームの平面断面図、図５は同じくエンジンルームの側面
断面図、図６は本発明の吸入ダクトの斜視図である。

【０００７】コンバインの全体構成について図１及び図
２より説明する。左右クローラ３１・３１を支承してな
るクローラ走行装置上にシャーシ１を配設して、その上
部右側において、前方に操作部Ａを配設している。操作
部Ａは、シャーシ１上に燃料タンクを被覆してなるステ
ップフレーム２を固設し、ステップフレーム２上の前部
にフロントコラム１０を立設し、その直後にて、ステッ
プフレーム２上面に作業者が足を置くためのステップフ
ロア３を配置しており、ステップフロア３の直後にはエ
ンジンＥを被覆してシート４ａを上部に固設するエンジ
ンルーム枠４が立設されていて、その上にシート４ａが
搭載されている。また、エンジンルーム枠４の後部には
揚穀コンベア２８に連結され、グレンタンク２９の下方
は籾袋を載置する籾収納部３０となっていて、漏斗状の
グレンタンク２９より流下する籾を籾袋に収納できるよ
うになっている。

【０００８】シャーシ１上において、左側には、上部に
扱胴３７やフィードチェーン３６等を内設する脱穀部Ｃ
を、下部には、唐箕ファンや揺動選別装置等の選別装置
を内設する選別部Ｄを構成している。そして、脱穀・選
別部Ｃ・Ｄの前方で、シャーシ１より前方には、左右ク
ローラ３１・３１の駆動輪３１ａ・３１ａを懸架するミ
ッションケースＭを配設しており、更にその前方には、
引起し装置３２、刈刃３３、脱穀搬送装置３４・３５等
を配設し、穀稈根元を刈り取って、穀稈を水平状にしな
がら脱穀部Ｃのフィードチェーン３６に搬送する刈取部
Ｂが支持されている。脱穀部Ｃでは、フィードチェーン
３６上を搬送される穀稈に、扱胴３７が脱穀を施し、脱
穀部Ｃより落下する籾等を選別部Ｄにおいて選別して、
籾を揚穀コンベア２８に送り込み、グレンタンク２９に
収納するのである。

【０００９】次に、エンジンの取付構成について説明す
る。エンジンＥは、図３、図４及び図５の如く、シート
４ａと一体的に構成されるエンジンルーム枠４にて被覆
されてなるエンジンルーム内にて、シャーシ１上に固設
した平行状の取付レール１７・１７上に螺止固設されて
いる。エンジンＥ上にはエンジンブロック冷却用のラジ
エータ１３が左右方向に固設されており、その直後に
は、ラジエータ１３よりエンジン点火用の吸気を取り込
むためのエアクリーナー１５を配設している。ラジエー
タ１３の右側には、エンジンルーム枠４に付設した後記
中間ダクト９より吸気するための吸気ダクト８が配設さ
れており、左側には排風ファン６が配設されていて、ラ
ジエータ１３中を通過した冷却風を外部に排出する。

【００１０】次に、前記エンジンルーム枠４の回動構造
について説明する。図１に示すように、エンジンルーム
枠４は下端はステップフレーム２の後端上面に当接して
いる。また、右側下端はシャーシ１とエンジンルーム枠
４との隙間を閉じるために固設した右下部側板２４に当
接している。右下部側板２４の右側面より横方向に座席
台取付具２４ａ・２４ａに、図５の如くエンジンルーム
枠４の右側下端部より下方に突設する回動支持具４ｆ・
４ｆを枢支し、その枢支軸を支点に、エンジンルーム枠
４を右外側に回動可能としており、右外側に回動するこ
とで、エンジンルーム枠４内に被覆されていたシャーシ
１上のエンジンＥやラジエータ１３、エアークリーナー
１５等を露出できる。

【００１１】次に、エンジンルーム枠４におけるラジエ
ータ１３への吸気構造について説明する。エンジンルー
ム枠４の前右側部に、図４の如く、平面視「し」の字状
の切欠口Ｈを設けており、切欠口Ｈに、樹脂一体成形の
吸入ダクト８が嵌合固設される。この吸入ダクト８の構
成について説明する。吸入ダクト８の左側面と後面は、
該エンジンルーム枠４の切欠口Ｈに臨ませるために切り
欠かれており、前面の左端及び下端、上面の左端及び後
端、右側面の後端及び下端、底面の後端が、エンジンル
ーム枠４への取付け時に、切欠口Ｈの縁部を嵌入するフ
ランジとなっている。エンジンルーム枠４への取付け時
には、これらのフランジにエンジンルーム枠４の切欠口
Ｈの縁部を嵌入し、吸入ダクト８の右側面後端より突設
される嵌合部８ｃ・８ｃをエンジンルーム枠４の右側面
に穿設された嵌合孔４ｂ・４ｂに嵌入して位置決めし、
更に、吸入ダクト８の前面左端のフランジに設けたボル
ト孔８ｂ・８ｂを介し、ボルトにて該フランジをエンジ
ンルーム枠４の切欠口Ｈの前面に螺止して、吸入ダクト
８を該エンジンルーム枠４に固定するものである。

【００１２】吸入ダクト８の前面は、平面視において、
右側が後方傾斜状となっていて、吸入口８ａを開口して
おり、コンバイン走行中に、前方右斜め方向から吸気を
得るように構成している。導入された空気は、後部上方
に案内されるように、該吸入口８ａの上端より吸気ダク
ト８の上面にかけて、後部を上方に傾斜した天井板部７
ａが配設され、また、上下中途部においては、風向板７
ｂを、前端を吸入口８ａの右側後方傾斜面に沿わせた形
状にし、後部を上方傾斜状に配設しており、吸入口８ａ
の下端より後方に延設される底面の途中より後方に、底
面より高い段状部７ｃを形成している。このように、導
入する空気を、エンジンルーム枠４内に設ける後記中間
ダクト９の吸入部である後部上方に案内するように構成
しているので、吸入口８ａを、下方に、また、右側面方
向に拡張しても支障がなく、また、このように吸入口８
ａを拡張することで、多量の空気を吸入できるのであ
る。また、複雑な形状であっても、樹脂一体成形なの
で、製作が容易であり軽量で、取外し作業も楽である。
また、取り外して、エンジンルーム枠４内の清掃を容易
に行うことも可能である。

【００１３】そして、エンジンルーム枠４の右側面にお
いて、吸入ダクト８の右側面の中途部より後方にかけ
て、中間ダクト９が設置されている。中間ダクト９は左
側方に延設し、吸入ダクト８の吸入口８ａの幅を有す上
部中間ダクト９ａと、吸入ダクト８の下方に位置し、幅
の若干狭い下部中間ダクト９ｂから構成され、エンジン
ルーム枠４の右側面に中間ダクトエンド材９ｃを介し隙
間の無いように溶着されている。下部中間ダクト９ｂは
中央部が切り欠かれ掃除孔９ｄが設けられ、図５に示す
ような掃除孔蓋１８が設置され、前述するようにエンジ
ンルーム枠４が回動した際に、掃除孔蓋１８を内側に取
り出し後記する吸気循環の際に溜まった排塵等の異物を
取り除くことができる。

【００１４】また、上部中間ダクト９ａは前方側面に図
５の如く開口が設けられ、開口面９ｅには金属性の板材
で孔を多数配した形状の金属板１６が固定され、その外
側には防塵用シール１１が開口面９ｅの外周に沿うよう
にスポンジ１１ａを伴って配設される。

【００１５】一方ラジエータ１３から後方に向かってエ
ンジン側ダクト１２が延設し前記開口面９ｅと当接する
構成となっている。その端面においても外周に沿ってス
ポンジ１４ａをもつ防塵フィルター１４が配設されてい
る。このように、防塵用シール１１と防塵フィルター１
４が二重に配されるので、防振支持されているエンジン
Ｅが振動して隙間が開いた場合にも防塵フィルター１４
より塵等のホコリの侵入の防止ができる。また、金属板
１６が配される事で大きな藁屑の引っ掛かりを防止でき
防塵用シール１１の耐久性が増す。

【００１６】また、エンジン側ダクト１２は左側側面に
傾斜板１２ａが設けられており、その一部に孔部１２ｂ
が設けられ、エアクリーナー１５に接続するホース１５
ａが傾斜板１２ａの外面に連結できる構成にしたこと
で、スペース的に効率良くホース１５ａを配設でき、斜
面を利用したことで吸気が円滑に行われる。

【００１７】このように構成したことで、吸入ダクト８
の風向板７ｂ並びに段状部７ｃの働きにより吸入風が上
方に向かって上部中間ダクト９ａに開口面９ｅより流れ
込み、外側の壁面に沿って循環していき、下部中間ダク
ト９ｂに循環し、吸入ダクト８の下方のホコリ溜まり９
ｆに排塵、藁屑等が分離され防塵用シール１１及び防塵
フィルター１４を通過し細かい塵等を除去しラジエータ
１３やエアークリーナー１５に吸気し、エンジンＥの燃
焼効率を高くし、エンジンＥ内部の損傷を防止し、ラジ
エータ１３に異物の詰まりが無く冷却効率が高くなる。

【００１８】

【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
次のような効果を奏する。即ち、請求項１の如く、エン
ジンルーム枠に、エンジンルーム枠とは別体の吸気ダク
トを取り付けるように構成したので、エンジンルーム枠
に複雑な吸気案内構成をしなくても、有効に吸気を後段
の中間ダクトに案内する構成を容易に得ることができ、
更に、有効な吸気案内を行う吸気ダクトを設けること
で、多方面に吸気孔を構成して、多量の吸気を得ること
も可能となり、また、取外し可能とすることで、エンジ
ンルーム内の清掃が容易となる利点もある。そして、こ
のように吸気ダクトを設けるために、大きな切欠き口を
設けるエンジンルーム枠に対して、一体状に中間ダクト
を取り付けることによって、該エンジンルーム枠自体の
剛性を高めることができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を採用したコンバインの右側面図であ
る。

【図２】同じく左側面図である。

【図３】コンバインのエンジンルームの正面の断面側面
図である。

【図４】同じくエンジンルームの平面断面図である。

【図５】同じくエンジンルームの側面断面図である。

【図６】本発明の吸入ダクトの斜視図である。

【符号の説明】

Ｅ エンジン Ｈ 切欠き口 ４ エンジンルーム枠 ８ 吸入ダクト ９ 中間ダクト １３ ラジエータ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 運転シートを上部に固設し、エンジンや
   ラジエータを保護するエンジンルームに、エンジンの吸
   気を壁面に沿って循環させ吸入する吸入部を内装する構
   成において、エンジンルームを構成するエンジンルーム
   枠に、切欠き口を設けて吸入ダクトを取り付け、エンジ
   ンルーム枠の内側に、吸入ダクトに連通し、循環式吸入
   部の働きをする中間ダクトを一体的に取り付け、中間ダ
   クトを介してエンジンに吸気することを特徴とするエン
   ジンルームの吸気部構成。