JP3863480B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒として二酸化炭素を用い、圧縮機と室外側熱交換器と膨張機と室内側熱交換器とを備えた冷凍サイクル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷凍サイクル装置を循環する冷媒の質量循環量は、冷凍サイクルのどのポイントにおいても等しく、圧縮機を通る冷媒の吸入密度をDC、膨張機を通る冷媒の吸入密度をDEとすると、DE/DC(密度比)は常に一定で運転される。
一方、オゾン破壊係数がゼロでありかつ地球温暖化係数もフロン類に比べれば格段に小さい、二酸化炭素(以下、CO2という)を冷媒として用いる冷凍サイクル装置が近年着目されているが、CO2冷媒は、臨界温度が31.06℃と低く、この温度よりも高い温度を利用する場合には、冷凍サイクル装置の高圧側(圧縮機出口〜放熱器〜減圧器入口)ではCO2冷媒の凝縮が生じない超臨界状態となり、従来の冷媒に比べて、冷凍サイクル装置の運転効率が低下するといった特徴を有する。従って、CO2冷媒を用いた冷凍サイクル装置にあっては、最適なCOPを維持することが重要であり、運転条件が変化すると、この運転条件に最適な動作状態(冷媒圧力、温度)とすることが必要である。
しかし、冷凍サイクル装置に膨張機を設け、この膨張機で回収した動力を圧縮機の駆動力の一部に利用する場合には、膨張機と圧縮機との回転数を同じにしなければならず、所定の密度比で最適に設計した膨張機では、運転条件が変化した場合の最適なCOPを維持することは困難である。
そこで、膨張機をバイパスするバイパス管を設けて、膨張機に流入する冷媒量を制御することで、最適なCOPを維持する構成が提案されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−234814号公報(段落番号(0024)(0025)図1)
【特許文献2】
特開2001−116371号公報(段落番号(0023)図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、膨張機に流入する冷媒流量が設計上の最適な流量との差が大きくなるにしたがって、バイパスを通過させる冷媒量が大きくなり、その結果回収できるはずの動力が十分に回収できなくなるという問題を有している。
なお、膨張機で回収した動力を、圧縮機とは別の補助圧縮機の駆動力に利用することにより、膨張機と圧縮機との回転数を同じにしなければならない制約を取り除くことは可能である。しかし、このように膨張機で補助圧縮機を駆動する場合であっても、密度比一定の制約を受けることになり、膨張機に流入する冷媒量を制御することは依然として必要となる。
【0005】
そこで本発明は、密度比一定の制約を最大限回避し、幅広い運転範囲の中で高い動力回収効果を得ることを目的とする。
特に本発明は、膨張過程の途中に高圧冷媒を導入することで、一膨張過程あたりの冷媒流量を増やすことで効率の高い動力回収を行うことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明の冷凍サイクル装置は、冷媒として二酸化炭素を用い、圧縮機と室外側熱交換器と膨張機と室内側熱交換器とを備えた冷凍サイクル装置であって、前記膨張機の膨張過程の途中に、高圧冷媒を導入するインジェクション回路を設け、前記膨張機で回収した動力を前記圧縮機の駆動に用いることを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の冷凍サイクル装置において、前記インジェクション回路からの冷媒量を調整する調整弁を設けたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載の冷凍サイクル装置において、前記膨張機の冷媒流入側に予膨張弁を設けたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載の冷凍サイクル装置において、前記膨張機の冷媒流入側にサブ膨張機を設けたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1に記載の冷凍サイクル装置において、前記膨張機の冷媒流出側にサブ膨張機を設けたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項4又は請求項5に記載の冷凍サイクル装置において、前記サブ膨張機に発電機を接続したことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1に記載の冷凍サイクル装置において、前記圧縮機の吸入側又は前記圧縮機の吐出側に補助圧縮機を備え、前記膨張機で回収した動力を、前記圧縮機に代えて前記補助圧縮機を駆動する動力として用いることを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の冷凍サイクル装置において、前記圧縮機の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第1四方弁と、前記膨張機の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第2四方弁とを備え、前記第1四方弁によって、前記圧縮機からの吐出冷媒を前記室内側熱交換器又は前記室内側熱交換器に択一的に流し、前記第2四方弁によって前記膨張機を流れる冷媒方向を常に同じ方向としたことを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項7に記載の冷凍サイクル装置において、前記圧縮機及び前記補助圧縮機の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第1四方弁と、前記膨張機の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第2四方弁とを備え、前記第1四方弁によって、前記圧縮機及び前記補助圧縮機からの吐出冷媒を前記室内側熱交換器又は前記室内側熱交換器に択一的に流し、前記第2四方弁によって前記膨張機及び前記サブ膨張機を流れる冷媒方向を常に同じ方向としたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明による第1の実施の形態は、膨張機の膨張過程の途中に、高圧冷媒を導入するインジェクション回路を設け、膨張機で回収した動力を圧縮機の駆動に用いるものである。本実施の形態によれば、膨張機の回転数を変えずに冷媒流量を増加させる必要があるときに、インジェクション回路から冷媒を導入することで、一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させることができ、効率の高い動力回収を行うことができる。また、膨張機で回収した動力を圧縮機の駆動に用いることができる。
本発明による第2の実施の形態は、第1の実施の形態において、インジェクション回路からの冷媒量を調整する調整弁を設けたもので、インジェクション回路からの冷媒量を制御することで、一膨張過程あたりの冷媒流量を最適に調整することができ、効率の高い動力回収を行うことができる。
本発明による第3の実施の形態は、第1の実施の形態において、膨張機に流入する冷媒量を減少させる予膨張弁を備えたものであり、膨張機の回転数を変えずに冷媒流量を減少させる必要があるときに、予膨張弁の開度を小さくすることで一膨張過程あたりの冷媒流量を減少させることができる。
本発明による第4の実施の形態は、第1の実施の形態において、膨張機の冷媒流入側にサブ膨張機を設けたものであり、サブ膨張機によって予膨張させることで、膨張機入口の冷媒の状態を調整し、膨張機を流れる冷媒量を最適に調整することができる。従って膨張機において動力回収を効率的に行えることができるとともに、予膨張を行うサブ膨張機においても膨張動力を回収することができる。
本発明による第5の実施の形態は、第1の実施の形態において、膨張機の吐出側にサブ膨張機を設けたものであり、サブ膨張機によって追加膨張させ、膨張機出口圧力を最適に制御することができる。従って膨張機において動力回収を効率的に行えることができるとともに、追加膨張を行うサブ膨張機においても膨張動力を回収することができる。
本発明による第6の実施の形態は、第1の実施の形態において、サブ膨張機に発電機を接続したものであり、サブ膨張機の発電機のトルクを変更することで、サブ膨張機を流れる冷媒量を変更し、膨張機を流れる冷媒量を最適なCOPとなるように調整することができる。
本発明による第7の実施の形態は、第1の実施の形態において、膨張機で回収した動力を、補助圧縮機を駆動する動力として用いることができる。
本発明による第8の実施の形態は、第1から第5の実施の形態において、圧縮機の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第1四方弁と、膨張機の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第2四方弁とを備え、第1四方弁によって、圧縮機からの吐出冷媒を室内側熱交換器又は室内側熱交換器に択一的に流し、第2四方弁によって膨張機を流れる冷媒方向を常に同じ方向としたことで、第1から第5の実施の形態を冷暖房型空気調和装置として利用することができる。
本発明による第9の実施の形態は、第7の実施の形態において、圧縮機及び補助圧縮機の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第1四方弁と、膨張機の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第2四方弁とを備え、第1四方弁によって、圧縮機及び補助圧縮機からの吐出冷媒を室内側熱交換器又は室内側熱交換器に択一的に流し、第2四方弁によって膨張機を流れる冷媒方向を常に同じ方向としたことで、第7の実施の形態を冷暖房型空気調和装置として利用することができる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の一実施例による冷凍サイクル装置を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施例によるヒートポンプ式空気調和装置の構成図である。
図に示すように、本実施例によるヒートポンプ式空気調和装置は、冷媒としてCO2冷媒を使用し、モータ12を有する圧縮機1と、室外側熱交換器3と、膨張機6と、室内側熱交換器8とを配管で接続した冷媒回路から構成される。
また膨張機6の流入側には予膨張弁5が設けられている。
またこの冷媒回路には、室外側熱交換器3の出口側の高圧冷媒を膨張機6の膨張過程の途中に導入するインジェクション回路20が設けられ、このインジェクション回路20には、インジェクション回路20を流れる冷媒量を調整する調整弁7を設けている。
また、膨張機6の駆動軸と圧縮機1の駆動軸とは連結されており、圧縮機1は膨張機6で回収した動力を駆動に利用している。
【0009】
本実施例によるヒートポンプ式空気調和装置の動作について以下に説明する。
冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、室外側熱交換器3に導入される。室外側熱交換器3では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱する。その後CO2冷媒は、予膨張弁5及び膨張機6に導入され、予膨張弁5及び膨張機6で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は圧縮機1の駆動に用いられる。このとき、例えば室外側熱交換器3の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには予膨張弁5の開度を小さくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
予膨張弁5及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、室内側熱交換器8にて蒸発して吸熱する。この吸熱によって室内の冷房が行われる。蒸発を終えた冷媒は圧縮機1に吸入される。
以上のように、本実施例によれば、インジェクション回路20からの冷媒量を制御することで、一膨張過程における冷媒流量を調整することができ、膨張機6に流入する冷媒流量が設計流量よりも多いときには予膨張弁5の開度を小さくすることで密度を低下させ膨張機6に流入する冷媒流量を減らすことができる。従って、膨張機6において動力回収を効率的に行え、冷凍サイクルから、より高い動力回収を行うことができる。
【0010】
以下、本発明の他の実施例による冷凍サイクル装置を、ヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置について、図面を参照して説明する。
図2は、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図である。
図に示すように、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置は、冷媒としてCO2冷媒を使用し、モータ12を有する圧縮機1と、室外側熱交換器3と、膨張機6と、室内側熱交換器8とを配管で接続した冷媒回路から構成される。
また膨張機6の流入側には予膨張弁5が設けられている。
またこの冷媒回路には、室外側熱交換器3の出口側の高圧冷媒を膨張機6の膨張過程の途中に導入するインジェクション回路20が設けられ、このインジェクション回路20には、インジェクション回路20を流れる冷媒量を調整する調整弁7を設けている。
また、膨張機6の駆動軸と圧縮機1の駆動軸とは連結されており、圧縮機1は膨張機6で回収した動力を駆動に利用している。
そしてこの冷媒回路には、圧縮機1の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第1四方弁2と、予膨張弁5の吸入側配管と膨張機6の吐出側配管とが接続されるとともにインジェクション回路20が接続される第2四方弁4とを備えている。
【0011】
本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の動作について以下に説明する。
まず、室外側熱交換器3を放熱器、室内側熱交換器8を蒸発器として用いる冷房運転モードについて説明する。この冷房運転モードでの冷媒流れを、図中実線矢印で示す。
冷房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2を経て、室外側熱交換器3に導入される。室外側熱交換器3では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱する。その後CO2冷媒は、予膨張弁5及び膨張機6に導入され、予膨張弁5及び膨張機6で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は圧縮機1の駆動に用いられる。このとき、例えば室外側熱交換器3の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには予膨張弁5の開度を小さくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
予膨張弁5及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室内側熱交換器8に導かれ、室内側熱交換器8にて蒸発して吸熱する。この吸熱によって室内の冷房が行われる。蒸発を終えた冷媒は圧縮機1に吸入される。
【0012】
次に、室外側熱交換器3を蒸発器、室内側熱交換器8を放熱器として用いる暖房運転モードについて説明する。この暖房運転モードでの冷媒流れを、図中波線矢印で示す。
暖房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2を経て、室内側熱交換器8に導入される。室内側熱交換器8では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱し、この放熱を利用して例えば室内暖房が行われる。その後CO2冷媒は、予膨張弁5及び膨張機6に導入され、予膨張弁5及び膨張機6で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は圧縮機1の駆動に用いられる。このとき、例えば室内側熱交換器8の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには予膨張弁5の開度を小さくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
予膨張弁5及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室外側熱交換器3に導かれ、室外側熱交換器3にて蒸発して吸熱し、蒸発を終えた冷媒は第1四方弁2を経由して圧縮機1に吸入される。
以上のように、本実施例によれば、上記実施例と同様に、膨張機6において動力回収を効率的に行え、冷凍サイクルから、より高い動力回収を行うことができるとともに、第1四方弁2と第2四方弁4とを備えることで、冷暖房型空気調和機として利用することができる。
【0013】
以下、本発明の他の実施例による冷凍サイクル装置を、ヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置について、図面を参照して説明する。
図3は、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図である。
図に示すように、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置は、冷媒としてCO2冷媒を使用し、モータ12を有する圧縮機1と、室外側熱交換器3と、膨張機6と、室内側熱交換器8とを配管で接続した冷媒回路から構成される。
また膨張機6の流入側にはサブ膨張機23が設けられ、このサブ膨張機23の駆動軸には発電機24が接続されている。
またこの冷媒回路には、室外側熱交換器3の出口側の高圧冷媒を膨張機6の膨張過程の途中に導入するインジェクション回路20が設けられ、このインジェクション回路20には、インジェクション回路20を流れる冷媒量を調整する調整弁7を設けている。
また、膨張機6の駆動軸と圧縮機1の駆動軸とは連結されており、圧縮機1は膨張機6で回収した動力を駆動に利用している。
そしてこの冷媒回路には、圧縮機1の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第1四方弁2と、サブ膨張機23の吸入側配管と膨張機6の吐出側配管とが接続されるとともにインジェクション回路20が接続される第2四方弁4とを備えている。
【0014】
本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の動作について以下に説明する。
まず、室外側熱交換器3を放熱器、室内側熱交換器8を蒸発器として用いる冷房運転モードについて説明する。この冷房運転モードでの冷媒流れを、図中実線矢印で示す。
冷房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2を経て、室外側熱交換器3に導入される。室外側熱交換器3では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱する。その後CO2冷媒は、サブ膨張機23及び膨張機6に導入され、サブ膨張機23及び膨張機6で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は圧縮機1の駆動に用いられる。このとき、例えば室外側熱交換器3の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには発電機24のトルク(発電機負荷)を大きくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室内側熱交換器8に導かれ、室内側熱交換器8にて蒸発して吸熱する。この吸熱によって室内の冷房が行われる。蒸発を終えた冷媒は圧縮機1に吸入される。
【0015】
次に、室外側熱交換器3を蒸発器、室内側熱交換器8を放熱器として用いる暖房運転モードについて説明する。この暖房運転モードでの冷媒流れを、図中波線矢印で示す。
暖房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2を経て、室内側熱交換器8に導入される。室内側熱交換器8では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱し、この放熱を利用して例えば室内暖房が行われる。その後CO2冷媒は、サブ膨張機23及び膨張機6に導入され、サブ膨張機23及び膨張機6で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は圧縮機1の駆動に用いられる。このとき、例えば室内側熱交換器8の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには発電機24のトルク(発電機負荷)を大きくして膨張機6に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室外側熱交換器3に導かれ、室外側熱交換器3にて蒸発して吸熱し、蒸発を終えた冷媒は第1四方弁2を経由して圧縮機1に吸入される。
以上のように、本実施例によれば、インジェクション回路20からの冷媒量を制御することで、膨張機6出口の冷媒流量を調整することができ、一方でサブ膨張機23に連結する発電機24のトルク(即ち、発電機の負荷)を変化させて膨張機6の入口圧力を調節することで、膨張機6に流れる冷媒量を制御することができる。従って、膨張機6において動力回収を効率的に行えるとともに、サブ膨張機23から回収した動力を発電機24の発電に利用することによって、冷凍サイクルから、より高い動力回収を行うことができる。
【0016】
以下、本発明の他の実施例による冷凍サイクル装置を、ヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置について、図面を参照して説明する。
図4は、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図である。
図に示すように、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置は、冷媒としてCO2冷媒を使用し、モータ12を有する圧縮機1と、室外側熱交換器3と、膨張機6と、室内側熱交換器8とを配管で接続した冷媒回路から構成される。
また膨張機6の吐出側にはサブ膨張機23が設けられ、このサブ膨張機23の駆動軸には発電機24が接続されている。
またこの冷媒回路には、室外側熱交換器3の出口側の高圧冷媒を膨張機6の膨張過程の途中に導入するインジェクション回路20が設けられ、このインジェクション回路20には、インジェクション回路20を流れる冷媒量を調整する調整弁7を設けている。
また、膨張機6の駆動軸と圧縮機1の駆動軸とは連結されており、圧縮機1は膨張機6で回収した動力を駆動に利用している。
そしてこの冷媒回路には、圧縮機1の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第1四方弁2と、サブ膨張機23の吐出側配管と膨張機6の流入側配管とが接続されるとともにインジェクション回路20が接続される第2四方弁4とを備えている。
【0017】
本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の動作について以下に説明する。
まず、室外側熱交換器3を放熱器、室内側熱交換器8を蒸発器として用いる冷房運転モードについて説明する。この冷房運転モードでの冷媒流れを、図中実線矢印で示す。
冷房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2を経て、室外側熱交換器3に導入される。室外側熱交換器3では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱する。その後CO2冷媒は、膨張機6及びサブ膨張機23に導入され、膨張機6及びサブ膨張機23で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は圧縮機1の駆動に用いられる。このとき、例えば室外側熱交換器3の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。この場合には発電機24のトルク(発電機負荷)を最小にする。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには、調整弁7を閉とし、発電機24のトルク(発電機負荷)を大きくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室内側熱交換器8に導かれ、室内側熱交換器8にて蒸発して吸熱する。この吸熱によって室内の冷房が行われる。蒸発を終えた冷媒は圧縮機1に吸入される。
【0018】
次に、室外側熱交換器3を蒸発器、室内側熱交換器8を放熱器として用いる暖房運転モードについて説明する。この暖房運転モードでの冷媒流れを、図中波線矢印で示す。
暖房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2を経て、室内側熱交換器8に導入される。室内側熱交換器8では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱し、この放熱を利用して例えば室内暖房が行われる。その後CO2冷媒は、膨張機6及びサブ膨張機23に導入され、膨張機6及びサブ膨張機23で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は圧縮機1の駆動に用いられる。このとき、例えば室内側熱交換器8の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。この場合には発電機24のトルク(発電機負荷)を最小にする。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには、調整弁7を閉とし、発電機24のトルク(発電機負荷)を大きくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室外側熱交換器3に導かれ、室外側熱交換器3にて蒸発して吸熱し、蒸発を終えた冷媒は第1四方弁2を経由して圧縮機1に吸入される。
以上のように、本実施例によれば、インジェクション回路20からの冷媒量を制御することで、膨張機6出口の冷媒流量を調整することができ、一方で調整弁7を閉としてサブ膨張機23に連結する発電機24のトルク(即ち、発電機の負荷)を変化させて膨張機6の出口圧力を調節することで、膨張機6に流れる冷媒量を制御することができる。従って、膨張機6において動力回収を効率的に行えるとともに、サブ膨張機23から回収した動力を発電機24の発電に利用することによって、冷凍サイクルから、より高い動力回収を行うことができる。
【0019】
以下、本発明の他の実施例による冷凍サイクル装置を、ヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置について、図面を参照して説明する。
図5は、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図である。
図に示すように、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置は、冷媒としてCO2冷媒を使用し、モータ12を有する圧縮機1と、室外側熱交換器3と、膨張機6と、室内側熱交換器8と、補助圧縮機10とを配管で接続した冷媒回路から構成される。
また膨張機6の流入側には予膨張弁5が設けられている。
またこの冷媒回路には、室外側熱交換器3の出口側の高圧冷媒を膨張機6の膨張過程の途中に導入するインジェクション回路20が設けられ、このインジェクション回路20には、インジェクション回路20を流れる冷媒量を調整する調整弁7を設けている。
また、膨張機6の駆動軸と補助圧縮機10の駆動軸とは連結されており、補助圧縮機10は膨張機6で回収した動力によって駆動される。
そしてこの冷媒回路には、圧縮機1の吐出側配管と補助圧縮機10の吸入側配管とが接続される第1四方弁2と、予膨張弁5の吸入側配管と膨張機6の吐出側配管とが接続されるとともにインジェクション回路20が接続される第2四方弁4とを備えている。
【0020】
本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の動作について以下に説明する。
まず、室外側熱交換器3を放熱器、室内側熱交換器8を蒸発器として用いる冷房運転モードについて説明する。この冷房運転モードでの冷媒流れを、図中実線矢印で示す。
冷房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2を経て、室外側熱交換器3に導入される。室外側熱交換器3では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱する。その後CO2冷媒は、予膨張弁5及び膨張機6に導入され、予膨張弁5及び膨張機6で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室外側熱交換器3の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには予膨張弁5の開度を小さくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
予膨張弁5及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室内側熱交換器8に導かれ、室内側熱交換器8にて蒸発して吸熱する。この吸熱によって室内の冷房が行われる。蒸発を終えた冷媒は、第1四方弁2を経て補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって過給(チャージャ)され圧縮機1に吸入される。
【0021】
次に、室外側熱交換器3を蒸発器、室内側熱交換器8を放熱器として用いる暖房運転モードについて説明する。この暖房運転モードでの冷媒流れを、図中波線矢印で示す。
暖房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2を経て、室内側熱交換器8に導入される。室内側熱交換器8では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱し、この放熱を利用して例えば室内暖房が行われる。その後CO2冷媒は、予膨張弁5及び膨張機6に導入され、予膨張弁5及び膨張機6で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室内側熱交換器8の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには予膨張弁5の開度を小さくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
予膨張弁5及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室外側熱交換器3に導かれ、室外側熱交換器3にて蒸発して吸熱し、蒸発を終えた冷媒は第1四方弁2を経由して補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって過給(チャージャ)され圧縮機1に吸入される。
以上のように、本実施例によれば、インジェクション回路20からの冷媒量を制御することで、膨張機6入口の冷媒流量を調整することができ、一方で予膨張弁5の開度を変化させて膨張機6の入口圧力を調節することで、膨張機6に流れる冷媒量を制御することができる。従って、膨張機6において動力回収を効率的に行える。
【0022】
以下、本発明の他の実施例による冷凍サイクル装置を、ヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置について、図面を参照して説明する。
図6は、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図である。
図に示すように、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置は、冷媒としてCO2冷媒を使用し、モータ12を有する圧縮機1と、室外側熱交換器3と、膨張機6と、室内側熱交換器8と、補助圧縮機10とを配管で接続した冷媒回路から構成される。
また膨張機6の流入側にはサブ膨張機23が設けられ、このサブ膨張機23の駆動軸には発電機24が接続されている。
またこの冷媒回路には、室外側熱交換器3の出口側の高圧冷媒を膨張機6の膨張過程の途中に導入するインジェクション回路20が設けられ、このインジェクション回路20には、インジェクション回路20を流れる冷媒量を調整する調整弁7を設けている。
また、膨張機6の駆動軸と補助圧縮機10の駆動軸とは連結されており、補助圧縮機10は膨張機6で回収した動力によって駆動される。
そしてこの冷媒回路には、圧縮機1の吐出側配管と補助圧縮機10の吸入側配管とが接続される第1四方弁2と、サブ膨張機23の吸入側配管と膨張機6の吐出側配管とが接続されるとともにインジェクション回路20が接続される第2四方弁4とを備えている。
【0023】
本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の動作について以下に説明する。
まず、室外側熱交換器3を放熱器、室内側熱交換器8を蒸発器として用いる冷房運転モードについて説明する。この冷房運転モードでの冷媒流れを、図中実線矢印で示す。
冷房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2を経て、室外側熱交換器3に導入される。室外側熱交換器3では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱する。その後CO2冷媒は、サブ膨張機23及び膨張機6に導入され、サブ膨張機23及び膨張機6で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室外側熱交換器3の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには発電機24のトルク(発電機負荷)を大きくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室内側熱交換器8に導かれ、室内側熱交換器8にて蒸発して吸熱する。この吸熱によって室内の冷房が行われる。蒸発を終えた冷媒は、第1四方弁2を経て補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって過給(チャージャ)され圧縮機1に吸入される。
【0024】
次に、室外側熱交換器3を蒸発器、室内側熱交換器8を放熱器として用いる暖房運転モードについて説明する。この暖房運転モードでの冷媒流れを、図中波線矢印で示す。
暖房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2を経て、室内側熱交換器8に導入される。室内側熱交換器8では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱し、この放熱を利用して例えば室内暖房が行われる。その後CO2冷媒は、サブ膨張機23及び膨張機6に導入され、サブ膨張機23及び膨張機6で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室内側熱交換器8の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには発電機24のトルク(発電機負荷)を大きくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室外側熱交換器3に導かれ、室外側熱交換器3にて蒸発して吸熱し、蒸発を終えた冷媒は第1四方弁2を経由して補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって過給(チャージャ)され圧縮機1に吸入される。
以上のように、本実施例によれば、インジェクション回路20からの冷媒量を制御することで、膨張機6出口の冷媒流量を調整することができ、一方でサブ膨張機23に連結する発電機24のトルク(即ち、発電機の負荷)を変化させて膨張機6の入口圧力を調節することで、膨張機6に流れる冷媒量を制御することができる。従って、膨張機6において動力回収を効率的に行えるとともに、サブ膨張機23から回収した動力を発電機24の発電に利用することによって、冷凍サイクルから、より高い動力回収を行うことができる。
【0025】
以下、本発明の他の実施例による冷凍サイクル装置を、ヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置について、図面を参照して説明する。
図7は、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図である。
図に示すように、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置は、冷媒としてCO2冷媒を使用し、モータ12を有する圧縮機1と、室外側熱交換器3と、膨張機6と、室内側熱交換器8と、補助圧縮機10とを配管で接続した冷媒回路から構成される。
また膨張機6の吐出側にはサブ膨張機23が設けられ、このサブ膨張機23の駆動軸には発電機24が接続されている。
またこの冷媒回路には、室外側熱交換器3の出口側の高圧冷媒を膨張機6の膨張過程の途中に導入するインジェクション回路20が設けられ、このインジェクション回路20には、インジェクション回路20を流れる冷媒量を調整する調整弁7を設けている。
また、膨張機6の駆動軸と補助圧縮機10の駆動軸とは連結されており、補助圧縮機10は膨張機6で回収した動力によって駆動される。
そしてこの冷媒回路には、圧縮機1の吐出側配管と補助圧縮機10の吸入側配管とが接続される第1四方弁2と、サブ膨張機23の吐出側配管と膨張機6の流入側配管とが接続されるとともにインジェクション回路20が接続される第2四方弁4とを備えている。
【0026】
本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の動作について以下に説明する。
まず、室外側熱交換器3を放熱器、室内側熱交換器8を蒸発器として用いる冷房運転モードについて説明する。この冷房運転モードでの冷媒流れを、図中実線矢印で示す。
冷房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2を経て、室外側熱交換器3に導入される。室外側熱交換器3では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱する。その後CO2冷媒は、膨張機6及びサブ膨張機23に導入され、膨張機6及びサブ膨張機23で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室外側熱交換器3の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。この場合には発電機24のトルク(発電機負荷)を最小にする。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには、調整弁7を閉とし、発電機24のトルク(発電機負荷)を大きくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室内側熱交換器8に導かれ、室内側熱交換器8にて蒸発して吸熱する。この吸熱によって室内の冷房が行われる。蒸発を終えた冷媒は、第1四方弁2を経て補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって過給(チャージャ)され圧縮機1に吸入される。
【0027】
次に、室外側熱交換器3を蒸発器、室内側熱交換器8を放熱器として用いる暖房運転モードについて説明する。この暖房運転モードでの冷媒流れを、図中波線矢印で示す。
暖房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2を経て、室内側熱交換器8に導入される。室内側熱交換器8では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱し、この放熱を利用して例えば室内暖房が行われる。その後CO2冷媒は、膨張機6及びサブ膨張機23に導入され、膨張機6及びサブ膨張機23で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室内側熱交換器8の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには、調整弁7を閉とし、発電機24のトルク(発電機負荷)を大きくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室外側熱交換器3に導かれ、室外側熱交換器3にて蒸発して吸熱し、蒸発を終えた冷媒は第1四方弁2を経由して補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって過給(チャージャ)され圧縮機1に吸入される。
以上のように、本実施例によれば、インジェクション回路20からの冷媒量を制御することで、膨張機6出口の冷媒流量を調整することができ、一方で調整弁7を閉としてサブ膨張機23に連結する発電機24のトルク(即ち、発電機の負荷)を変化させて膨張機6の出口圧力を調節することで、膨張機6に流れる冷媒量を制御することができる。従って、膨張機6において動力回収を効率的に行えるとともに、サブ膨張機23から回収した動力を発電機24の発電に利用することによって、冷凍サイクルから、より高い動力回収を行うことができる。
【0028】
以下、本発明の他の実施例による冷凍サイクル装置を、ヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置について、図面を参照して説明する。
図8は、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図である。
図に示すように、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置は、冷媒としてCO2冷媒を使用し、モータ12を有する圧縮機1と、補助圧縮機10と、室外側熱交換器3と、膨張機6と、室内側熱交換器8とを配管で接続した冷媒回路から構成される。
また膨張機6の流入側には予膨張弁5が設けられている。
またこの冷媒回路には、室外側熱交換器3の出口側の高圧冷媒を膨張機6の膨張過程の途中に導入するインジェクション回路20が設けられ、このインジェクション回路20には、インジェクション回路20を流れる冷媒量を調整する調整弁7を設けている。
また、膨張機6の駆動軸と補助圧縮機10の駆動軸とは連結されており、補助圧縮機10は膨張機6で回収した動力によって駆動される。
そしてこの冷媒回路には、圧縮機1の吸入側配管と補助圧縮機10の吐出側配管とが接続される第1四方弁2と、予膨張弁5の吸入側配管と膨張機6の吐出側配管とが接続されるとともにインジェクション回路20が接続される第2四方弁4とを備えている。
【0029】
本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の動作について以下に説明する。
まず、室外側熱交換器3を放熱器、室内側熱交換器8を蒸発器として用いる冷房運転モードについて説明する。この冷房運転モードでの冷媒流れを、図中実線矢印で示す。
冷房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって更に昇圧(エクスプレッサ)された後に、第1四方弁2を経て、室外側熱交換器3に導入される。室外側熱交換器3では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱する。その後CO2冷媒は、予膨張弁5、膨張機6、及びサブ膨張機21に導入され、予膨張弁5及び膨張機6とサブ膨張機21で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室外側熱交換器3の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには予膨張弁5の開度を小さくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
予膨張弁5及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室内側熱交換器8に導かれ、室内側熱交換器8にて蒸発して吸熱する。この吸熱によって室内の冷房が行われる。蒸発を終えた冷媒は、第1四方弁2を経て圧縮機1に吸入される。
【0030】
次に、室外側熱交換器3を蒸発器、室内側熱交換器8を放熱器として用いる暖房運転モードについて説明する。この暖房運転モードでの冷媒流れを、図中波線矢印で示す。
暖房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって更に昇圧(エクスプレッサ)された後に、第1四方弁2を経て、室内側熱交換器8に導入される。室内側熱交換器8では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱し、この放熱を利用して例えば室内暖房が行われる。その後CO2冷媒は、予膨張弁5、膨張機6、及びサブ膨張機21に導入され、予膨張弁5及び膨張機6とサブ膨張機21で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室内側熱交換器8の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには予膨張弁5の開度を小さくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
【0031】
予膨張弁5及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室外側熱交換器3に導かれ、室外側熱交換器3にて蒸発して吸熱し、蒸発を終えた冷媒は第1四方弁2を経由して圧縮機1に吸入される。
以上のように、本実施例によれば、インジェクション回路20からの冷媒量を制御することで、膨張機6出口の冷媒流量を調整することができ、一方で予膨張弁5の開度を変化させて膨張機6の入口圧力を調節することで、膨張機6に流れる冷媒量を制御することができる。従って、膨張機6において動力回収を効率的に行える。
【0032】
以下、本発明の他の実施例による冷凍サイクル装置を、ヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置について、図面を参照して説明する。
図9は、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図である。
図に示すように、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置は、冷媒としてCO2冷媒を使用し、モータ12を有する圧縮機1、補助圧縮機10と、室外側熱交換器3と、膨張機6と、室内側熱交換器8とを配管で接続した冷媒回路から構成される。
また膨張機6の流入側にはサブ膨張機23が設けられ、このサブ膨張機23の駆動軸には発電機24が接続されている。
またこの冷媒回路には、室外側熱交換器3の出口側の高圧冷媒を膨張機6の膨張過程の途中に導入するインジェクション回路20が設けられ、このインジェクション回路20には、インジェクション回路20を流れる冷媒量を調整する調整弁7を設けている。
また、膨張機6の駆動軸と補助圧縮機10の駆動軸とは連結されており、補助圧縮機10は膨張機6で回収した動力によって駆動される。
そしてこの冷媒回路には、圧縮機1の吸入側配管と補助圧縮機10の吐出側配管とが接続される第1四方弁2と、サブ膨張機23の吸入側配管と膨張機6の吐出側配管とが接続されるとともにインジェクション回路20が接続される第2四方弁4とを備えている。
【0033】
本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の動作について以下に説明する。
まず、室外側熱交換器3を放熱器、室内側熱交換器8を蒸発器として用いる冷房運転モードについて説明する。この冷房運転モードでの冷媒流れを、図中実線矢印で示す。
冷房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって更に昇圧(エクスプレッサ)された後に、第1四方弁2を経て、室外側熱交換器3に導入される。室外側熱交換器3では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱する。その後CO2冷媒は、サブ膨張機23及び膨張機6に導入され、サブ膨張機23及び膨張機6で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室外側熱交換器3の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには発電機24のトルク(発電機負荷)を大きくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室内側熱交換器8に導かれ、室内側熱交換器8にて蒸発して吸熱する。この吸熱によって室内の冷房が行われる。蒸発を終えた冷媒は、第1四方弁2を経て圧縮機1に吸入される。
【0034】
次に、室外側熱交換器3を蒸発器、室内側熱交換器8を放熱器として用いる暖房運転モードについて説明する。この暖房運転モードでの冷媒流れを、図中波線矢印で示す。
暖房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって更に昇圧(エクスプレッサ)された後に、第1四方弁2を経て、室内側熱交換器8に導入される。室内側熱交換器8では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱し、この放熱を利用して例えば室内暖房が行われる。その後CO2冷媒は、サブ膨張機23及び膨張機6に導入され、サブ膨張機23及び膨張機6で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室内側熱交換器8の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには発電機24のトルク(発電機負荷)を大きくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室外側熱交換器3に導かれ、室外側熱交換器3にて蒸発して吸熱し、蒸発を終えた冷媒は第1四方弁2を経由して圧縮機1に吸入される。
以上のように、本実施例によれば、インジェクション回路20からの冷媒量を制御することで、膨張機6出口の冷媒流量を調整することができ、一方でサブ膨張機23に連結する発電機24のトルク(即ち、発電機の負荷)を変化させて膨張機6の入口圧力を調節することで、膨張機6に流れる冷媒量を制御することができる。従って、膨張機6において動力回収を効率的に行えるとともに、サブ膨張機23から回収した動力を発電機24の発電に利用することによって、冷凍サイクルから、より高い動力回収を行うことができる。
【0035】
以下、本発明の他の実施例による冷凍サイクル装置を、ヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置について、図面を参照して説明する。
図10は、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図である。
図に示すように、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置は、冷媒としてCO2冷媒を使用し、モータ12を有する圧縮機1と、補助圧縮機10と、室外側熱交換器3と、膨張機6と、室内側熱交換器8とを配管で接続した冷媒回路から構成される。
また膨張機6の吐出側にはサブ膨張機23が設けられ、このサブ膨張機23の駆動軸には発電機24が接続されている。
またこの冷媒回路には、室外側熱交換器3の出口側の高圧冷媒を膨張機6の膨張過程の途中に導入するインジェクション回路20が設けられ、このインジェクション回路20には、インジェクション回路20を流れる冷媒量を調整する調整弁7を設けている。
また、膨張機6の駆動軸と補助圧縮機10の駆動軸とは連結されており、補助圧縮機10は膨張機6で回収した動力によって駆動される。
そしてこの冷媒回路には、圧縮機1の吸入側配管と補助圧縮機10の吐出側配管とが接続される第1四方弁2と、サブ膨張機23の吐出側配管と膨張機6の流入側配管とが接続されるとともにインジェクション回路20が接続される第2四方弁4とを備えている。
【0036】
本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の動作について以下に説明する。
まず、室外側熱交換器3を放熱器、室内側熱交換器8を蒸発器として用いる冷房運転モードについて説明する。この冷房運転モードでの冷媒流れを、図中実線矢印で示す。
冷房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって更に昇圧(エクスプレッサ)された後に、第1四方弁2を経て、室外側熱交換器3に導入される。室外側熱交換器3では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱する。その後CO2冷媒は、膨張機6及びサブ膨張機23に導入され、膨張機6及びサブ膨張機23で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室外側熱交換器3の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。この場合には発電機24のトルク(発電機負荷)を最小にする。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには、調整弁7を閉とし、発電機24をサブ膨張機23側と接続して低圧側圧力を低下させることで膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室内側熱交換器8に導かれ、室内側熱交換器8にて蒸発して吸熱する。この吸熱によって室内の冷房が行われる。蒸発を終えた冷媒は、第1四方弁2を経て圧縮機1に吸入される。
【0037】
次に、室外側熱交換器3を蒸発器、室内側熱交換器8を放熱器として用いる暖房運転モードについて説明する。この暖房運転モードでの冷媒流れを、図中波線矢印で示す。
暖房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって更に昇圧(エクスプレッサ)された後に、第1四方弁2を経て、室内側熱交換器8に導入される。室内側熱交換器8では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱し、この放熱を利用して例えば室内暖房が行われる。その後CO2冷媒は、膨張機6及びサブ膨張機23に導入され、膨張機6及びサブ膨張機23で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室内側熱交換器8の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。この場合には発電機24のトルク(発電機負荷)を最小にする。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには、調整弁7を閉とし、発電機24のトルク(発電機負荷)を大きくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室外側熱交換器3に導かれ、室外側熱交換器3にて蒸発して吸熱し、蒸発を終えた冷媒は第1四方弁2を経由して圧縮機1に吸入される。
以上のように、本実施例によれば、インジェクション回路20からの冷媒量を制御することで、膨張機6出口の冷媒流量を調整することができ、一方で調整弁7を閉としてサブ膨張機23に連結する発電機24のトルク(即ち、発電機の負荷)を変化させて膨張機6出口圧力を調節することで、膨張機6に流れる冷媒量を制御することができる。従って、膨張機6において動力回収を効率的に行えるとともに、サブ膨張機23から回収した動力を発電機24の発電に利用することによって、冷凍サイクルから、より高い動力回収を行うことができる。
【0038】
以下、本発明の他の実施例による冷凍サイクル装置を、ヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置について、図面を参照して説明する。
図11は、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図である。
図に示すように、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置は、冷媒としてCO2冷媒を使用し、モータ12を有する圧縮機1と、室外側熱交換器3と、膨張機6と、室内側熱交換器8と、補助圧縮機10とを配管で接続した冷媒回路から構成される。
また膨張機6の流入側には予膨張弁5が設けられている。
またこの冷媒回路には、室外側熱交換器3の出口側の高圧冷媒を膨張機6の膨張過程の途中に導入するインジェクション回路20が設けられ、このインジェクション回路20には、インジェクション回路20を流れる冷媒量を調整する調整弁7を設けている。
また、膨張機6の駆動軸と補助圧縮機10の駆動軸とは連結されており、補助圧縮機10は膨張機6で回収した動力によって駆動される。
そしてこの冷媒回路には、圧縮機1の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第1四方弁2と、膨張機6の吐出側配管と吸入側配管とが接続されるとともにインジェクション回路20が接続される第2四方弁4と、補助圧縮機10の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第3四方弁9とを備えている。室外側熱交換器3を放熱器、室内側熱交換器8を蒸発器とする冷媒流れの場合には、第1四方弁2と第3四方弁9とを切り替えることによって補助圧縮機10の吐出側が圧縮機1の吸入側となるように構成されている。また、室外側熱交換器3を蒸発器、室内側熱交換器8を放熱器とする冷媒流れの場合には、第1四方弁2と第3四方弁9とを切り替えることによって圧縮機1の吐出側が補助圧縮機10の吸入側となるように構成されている。また、第2四方弁4の切り替えによって膨張機6を流れる冷媒方向を常に同じ方向となるように構成されている。
【0039】
本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の動作について以下に説明する。
まず、室外側熱交換器3を放熱器、室内側熱交換器8を蒸発器として用いる冷房運転モードについて説明する。この冷房運転モードでの冷媒流れを、図中実線矢印で示す。
冷房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2を経て、室外側熱交換器3に導入される。室外側熱交換器3では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱する。その後CO2冷媒は、予膨張弁5、膨張機6、及びサブ膨張機21に導入され、予膨張弁5及び膨張機6とサブ膨張機21で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室外側熱交換器3の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには予膨張弁5の開度を小さくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
予膨張弁5及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室内側熱交換器8に導かれ、室内側熱交換器8にて蒸発して吸熱する。この吸熱によって室内の冷房が行われる。蒸発を終えた冷媒は、第2四方弁9を経て補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって過給(チャージャ)され圧縮機1に吸入される。
【0040】
次に、室外側熱交換器3を蒸発器、室内側熱交換器8を放熱器として用いる暖房運転モードについて説明する。この暖房運転モードでの冷媒流れを、図中波線矢印で示す。
暖房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2及び第3四方弁9を経て、補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって更に昇圧(エクスプレッサ)される。補助圧縮機10によって昇圧された冷媒は、第3四方弁9を経て室内側熱交換器8に導入される。室内側熱交換器8では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱し、この放熱を利用して例えば室内暖房が行われる。その後CO2冷媒は、予膨張弁5、膨張機6、及びサブ膨張機21に導入され、予膨張弁5及び膨張機6とサブ膨張機21で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室内側熱交換器8の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには予膨張弁5の開度を小さくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
予膨張弁5及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室外側熱交換器3に導かれ、室外側熱交換器3にて蒸発して吸熱し、蒸発を終えた冷媒は第1四方弁2を経由して圧縮機1に吸入される。
以上のように、本実施例によれば、インジェクション回路20からの冷媒量を制御することで、膨張機6出口の冷媒流量を調整することができ、一方で予膨張弁5の開度を変化させて膨張機6の入口圧力を調節することで、膨張機6に流れる冷媒量を制御することができる。従って、膨張機6において動力回収を効率的に行えるとともに、サブ膨張機21から回収した動力を発電機22の発電に利用することによって、冷凍サイクルから、より高い動力回収を行うことができる。
また本実施例によれば、冷媒を圧縮する圧縮機1と、動力回収する膨張機6及び補助圧縮機10とを分離して設置し、冷房運転モード時に補助圧縮機10により過給(チャージャ)を行い、暖房運転モード時に昇圧(エクスプレッサ)を行うように冷凍サイクルを切り替える構成によって、膨張機6を冷房に適したチャージャタイプの膨張機として動作させることができ、また暖房に適したエクスプレッサタイプの膨張機としても動作させることができる。
【0041】
以下、本発明の他の実施例による冷凍サイクル装置を、ヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置について、図面を参照して説明する。
図12は、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図である。
図に示すように、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置は、冷媒としてCO2冷媒を使用し、モータ12を有する圧縮機1と、室外側熱交換器3と、膨張機6と、室内側熱交換器8と、補助圧縮機10とを配管で接続した冷媒回路から構成される。
また膨張機6の流入側にはサブ膨張機23が設けられ、このサブ膨張機23の駆動軸には発電機24が接続されている。
またこの冷媒回路には、室外側熱交換器3の出口側の高圧冷媒を膨張機6の膨張過程の途中に導入するインジェクション回路20が設けられ、このインジェクション回路20には、インジェクション回路20を流れる冷媒量を調整する調整弁7を設けている。
また、膨張機6の駆動軸と補助圧縮機10の駆動軸とは連結されており、補助圧縮機10は膨張機6で回収した動力によって駆動される。
そしてこの冷媒回路には、圧縮機1の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第1四方弁2と、膨張機6の吐出側配管と吸入側配管とが接続されるとともにインジェクション回路20が接続される第2四方弁4と、補助圧縮機10の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第3四方弁9とを備えている。室外側熱交換器3を放熱器、室内側熱交換器8を蒸発器とする冷媒流れの場合には、第1四方弁2と第3四方弁9とを切り替えることによって補助圧縮機10の吐出側が圧縮機1の吸入側となるように構成されている。また、室外側熱交換器3を蒸発器、室内側熱交換器8を放熱器とする冷媒流れの場合には、第1四方弁2と第3四方弁9とを切り替えることによって圧縮機1の吐出側が補助圧縮機10の吸入側となるように構成されている。また、第2四方弁4の切り替えによって膨張機6を流れる冷媒方向を常に同じ方向となるように構成されている。
【0042】
本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の動作について以下に説明する。
まず、室外側熱交換器3を放熱器、室内側熱交換器8を蒸発器として用いる冷房運転モードについて説明する。この冷房運転モードでの冷媒流れを、図中実線矢印で示す。
冷房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2を経て、室外側熱交換器3に導入される。室外側熱交換器3では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱する。その後CO2冷媒は、サブ膨張機23及び膨張機6に導入され、サブ膨張機23及び膨張機6で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室外側熱交換器3の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには発電機24のトルク(発電機負荷)を大きくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室内側熱交換器8に導かれ、室内側熱交換器8にて蒸発して吸熱する。この吸熱によって室内の冷房が行われる。蒸発を終えた冷媒は、第2四方弁9を経て補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって過給(チャージャ)され圧縮機1に吸入される。
【0043】
次に、室外側熱交換器3を蒸発器、室内側熱交換器8を放熱器として用いる暖房運転モードについて説明する。この暖房運転モードでの冷媒流れを、図中波線矢印で示す。
暖房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2及び第3四方弁9を経て、補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって更に昇圧(エクスプレッサ)される。補助圧縮機10によって昇圧された冷媒は、第3四方弁9を経て室内側熱交換器8に導入される。室内側熱交換器8では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱し、この放熱を利用して例えば室内暖房が行われる。その後CO2冷媒は、サブ膨張機23及び膨張機6に導入され、サブ膨張機23及び膨張機6で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室内側熱交換器8の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには発電機24のトルク(発電機負荷)を大きくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室外側熱交換器3に導かれ、室外側熱交換器3にて蒸発して吸熱し、蒸発を終えた冷媒は第1四方弁2を経由して圧縮機1に吸入される。
以上のように、本実施例によれば、インジェクション回路20からの冷媒量を制御することで、膨張機6出口の冷媒流量を調整することができ、一方でサブ膨張機23に連結する発電機24のトルク(即ち、発電機の負荷)を変化させて膨張機6の入口圧力を調節することで、膨張機6に流れる冷媒量を制御することができる。従って、膨張機6において動力回収を効率的に行えるとともに、サブ膨張機23から回収した動力を発電機24の発電に利用することによって、冷凍サイクルから、より高い動力回収を行うことができる。
また本実施例によれば、冷媒を圧縮する圧縮機1と、動力回収する膨張機6及び補助圧縮機10とを分離して設置し、冷房運転モード時に補助圧縮機10により過給(チャージャ)を行い、暖房運転モード時に昇圧(エクスプレッサ)を行うように冷凍サイクルを切り替える構成によって、膨張機6を冷房に適したチャージャタイプの膨張機として動作させることができ、また暖房に適したエクスプレッサタイプの膨張機としても動作させることができる。
【0044】
以下、本発明の他の実施例による冷凍サイクル装置を、ヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置について、図面を参照して説明する。
図13は、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図である。
図に示すように、本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置は、冷媒としてCO2冷媒を使用し、モータ12を有する圧縮機1と、室外側熱交換器3と、膨張機6と、室内側熱交換器8と、補助圧縮機10とを配管で接続した冷媒回路から構成される。
また膨張機6の吐出側にはサブ膨張機23が設けられ、このサブ膨張機23の駆動軸には発電機24が接続されている。
またこの冷媒回路には、室外側熱交換器3の出口側の高圧冷媒を膨張機6の膨張過程の途中に導入するインジェクション回路20が設けられ、このインジェクション回路20には、インジェクション回路20を流れる冷媒量を調整する調整弁7を設けている。
また、膨張機6の駆動軸と補助圧縮機10の駆動軸とは連結されており、補助圧縮機10は膨張機6で回収した動力によって駆動される。
そしてこの冷媒回路には、圧縮機1の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第1四方弁2と、膨張機6の吐出側配管と吸入側配管とが接続されるとともにインジェクション回路20が接続される第2四方弁4と、補助圧縮機10の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第3四方弁9とを備えている。室外側熱交換器3を放熱器、室内側熱交換器8を蒸発器とする冷媒流れの場合には、第1四方弁2と第3四方弁9とを切り替えることによって補助圧縮機10の吐出側が圧縮機1の吸入側となるように構成されている。また、室外側熱交換器3を蒸発器、室内側熱交換器8を放熱器とする冷媒流れの場合には、第1四方弁2と第3四方弁9とを切り替えることによって圧縮機1の吐出側が補助圧縮機10の吸入側となるように構成されている。また、第2四方弁4の切り替えによって膨張機6を流れる冷媒方向を常に同じ方向となるように構成されている。
【0045】
本実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の動作について以下に説明する。
まず、室外側熱交換器3を放熱器、室内側熱交換器8を蒸発器として用いる冷房運転モードについて説明する。この冷房運転モードでの冷媒流れを、図中実線矢印で示す。
冷房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2を経て、室外側熱交換器3に導入される。室外側熱交換器3では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱する。その後CO2冷媒は、膨張機6及びサブ膨張機23に導入され、膨張機6及びサブ膨張機23で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室外側熱交換器3の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。この場合には発電機24のトルク(発電機負荷)を最小にする。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには、調整弁7を閉とし、発電機24のトルク(発電機負荷)を大きくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室内側熱交換器8に導かれ、室内側熱交換器8にて蒸発して吸熱する。この吸熱によって室内の冷房が行われる。蒸発を終えた冷媒は、第2四方弁9を経て補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって過給(チャージャ)され圧縮機1に吸入される。
【0046】
次に、室外側熱交換器3を蒸発器、室内側熱交換器8を放熱器として用いる暖房運転モードについて説明する。この暖房運転モードでの冷媒流れを、図中波線矢印で示す。
暖房運転モード時の冷媒は、モータ12で駆動される圧縮機1により高温高圧に圧縮されて吐出され、第1四方弁2及び第3四方弁9を経て、補助圧縮機10に導かれ、補助圧縮機10によって更に昇圧(エクスプレッサ)される。補助圧縮機10によって昇圧された冷媒は、第3四方弁9を経て室内側熱交換器8に導入される。室内側熱交換器8では、CO2冷媒は、超臨界状態であるので、気液二相状態とはならずに、空気や水などの外部流体に放熱し、この放熱を利用して例えば室内暖房が行われる。その後CO2冷媒は、膨張機6及びサブ膨張機23に導入され、膨張機6及びサブ膨張機23で減圧される。この減圧時に膨張機6で回収した動力は補助圧縮機10の駆動に用いられる。このとき、例えば室内側熱交換器8の出口側で検出した高圧冷媒温度と高圧冷媒圧力と、冷媒蒸発圧力、圧縮機1の回転数などから膨張機6に流れる最適冷媒量を算出し、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が少ないときには調整弁7の開度を大きくしてインジェクション回路20に流す冷媒量を増加させることで膨張機6の一膨張過程あたりの冷媒流量を増加させる。この場合には発電機24のトルク(発電機負荷)を最小にする。一方、算出した最適冷媒量よりも冷媒流量が多いときには、調整弁7を閉とし、発電機24のトルク(発電機負荷)を大きくして膨張機6の入口に流入する冷媒流量を減少させる。
サブ膨張機23及び膨張機6にて減圧されたCO2冷媒は、第2四方弁4を経由して室外側熱交換器3に導かれ、室外側熱交換器3にて蒸発して吸熱し、蒸発を終えた冷媒は第1四方弁2を経由して圧縮機1に吸入される。
以上のように、本実施例によれば、インジェクション回路20からの冷媒量を制御することで、膨張機6入口の冷媒流量を調整することができ、一方で調整弁7を閉としてサブ膨張機23に連結する発電機24のトルク(即ち、発電機の負荷)を変化させて膨張機6の出口圧力を調節することで、膨張機6に流れる冷媒量を制御することができる。従って、膨張機6において動力回収を効率的に行えるとともに、サブ膨張機21又はサブ膨張機23から回収した動力を発電機24の発電に利用することによって、冷凍サイクルから、より高い動力回収を行うことができる。
また本実施例によれば、冷媒を圧縮する圧縮機1と、動力回収する膨張機6及び補助圧縮機10とを分離して設置し、冷房運転モード時に補助圧縮機10により過給(チャージャ)を行い、暖房運転モード時に昇圧(エクスプレッサ)を行うように冷凍サイクルを切り替える構成によって、膨張機6を冷房に適したチャージャタイプの膨張機として動作させることができ、また暖房に適したエクスプレッサタイプの膨張機としても動作させることができる。
【0047】
上記実施例では、ヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置を用いて説明したが、室外側熱交換器3を第1の熱交換器、室内側熱交換器8を第2の熱交換器とし、これら第1の熱交換器や第2の熱交換器を、温冷水器や蓄冷熱器などに利用したその他の冷凍サイクル装置であってもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、インジェクション回路からの冷媒量を制御することで、膨張機出口の冷媒流量を調整することができ、効率の高い動力回収を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図
【図2】 本発明の他の実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図
【図3】 本発明の他の実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図
【図4】 本発明の他の実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図
【図5】 本発明の他の実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図
【図6】 本発明の他の実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図
【図7】 本発明の他の実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図
【図8】 本発明の他の実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図
【図9】 本発明の他の実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図
【図10】 本発明の他の実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図
【図11】 本発明の他の実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図
【図12】 本発明の他の実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図
【図13】 本発明の他の実施例によるヒートポンプ式冷暖房型空気調和装置の構成図
【符号の説明】
1 圧縮機
2 第1四方弁
3 室外側熱交換器
4 第2四方弁
5 予膨張弁
6 膨張機
7 調整弁
8 室内側熱交換器
9 第3四方弁
10 補助圧縮機
12 モータ
20 インジェクション回路
Claims (9)
- 冷媒として二酸化炭素を用い、圧縮機と室外側熱交換器と膨張機と室内側熱交換器とを備えた冷凍サイクル装置であって、前記膨張機の膨張過程の途中に、高圧冷媒を導入するインジェクション回路を設け、前記膨張機で回収した動力を前記圧縮機の駆動に用いることを特徴とする冷凍サイクル装置。
- 前記インジェクション回路からの冷媒量を調整する調整弁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記膨張機の冷媒流入側に予膨張弁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記膨張機の冷媒流入側にサブ膨張機を設けたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記膨張機の冷媒流出側にサブ膨張機を設けたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記サブ膨張機に発電機を接続したことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記圧縮機の吸入側又は前記圧縮機の吐出側に補助圧縮機を備え、前記膨張機で回収した動力を、前記圧縮機に代えて前記補助圧縮機を駆動する動力として用いることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記圧縮機の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第1四方弁と、前記膨張機の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第2四方弁とを備え、前記第1四方弁によって、前記圧縮機からの吐出冷媒を前記室内側熱交換器又は前記室内側熱交換器に択一的に流し、前記第2四方弁によって前記膨張機を流れる冷媒方向を常に同じ方向としたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
- 前記圧縮機及び前記補助圧縮機の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第1四方弁と、前記膨張機の吐出側配管と吸入側配管とが接続される第2四方弁とを備え、前記第1四方弁によって、前記圧縮機及び前記補助圧縮機からの吐出冷媒を前記室内側熱交換器又は前記室内側熱交換器に択一的に流し、前記第2四方弁によって前記膨張機及び前記サブ膨張機を流れる冷媒方向を常に同じ方向としたことを特徴とする請求項7に記載の冷凍サイクル装置。
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