JP3863297B2 - タイヤ用未加硫トレッドゴム製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、タイヤ用未加硫トレッドゴム製造方法及び空気入りタイヤ、より詳細には低転がり抵抗タイヤ用未加硫トレッドゴムの製造方法及びこの未加硫トレッドゴムを用いて製造した空気入りタイヤに関し、特に、低転がり抵抗に有効な未加硫低導電性ゴムを多量に含む未加硫トレッドゴムの未加硫低導電性ゴム中に未加硫高導電性ゴムを長手方向に縦に薄いゴム層として有利に形成することができる一方、製品タイヤでは、トレッド部表面とトレッド部内方の高導電性ゴム部材との間に縦に連なる薄い高導電性ゴム層を有し、優れた低転がり抵抗特性を保持した上で、トレッドゴムの耐偏摩耗性、耐摩耗性及びトレッドゴムの耐クラック性を損なわずに車両に発生する静電気をタイヤを介して路面に確実に放電させることができる、タイヤ用未加硫トレッドゴム製造方法及び空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両、なかでも乗用車やトラック及びバスなどに発生帯電する静電気は乗員に対する電撃ショックに止まらず、時には火花放電による車両故障や車両火災の原因となるが、通常、空気入りタイヤに使用する各部ゴムには導電性に優れるカーボンブラックが多量に配合されているため、車両に発生する静電気はタイヤを介し路面に放電されるため、上記のような不具合は発生しないのが普通である。
【0003】
ところが最近は経済性の面ばかりでなく特に環境保全の観点から車両の一層の低燃費化要望が格段に高まり、この要望に対応するため空気入りタイヤにも従来にも増した低転がり抵抗タイヤの要求が強まっている。この要求の有力な解決手段としてトレッドゴムを主とするゴムに、カーボンブラック配合量の大部分をシリカ配合に置換したゴムが積極的に採用される傾向にある。
【0004】
しかしカーボンブラック配合量を大幅に減少させるか又は微量とし多量のシリカを配合したトレッドゴムは電気抵抗値が大幅に上昇し、その結果、車両の静電気の帯電量が増し先に述べた火花放電による車両故障や車両火災のうれいが生じ、そこまでゆかなくとも人体への電撃ショックや車両搭載のラジオ受信にノイズ障害が発生するなどの不具合が生じるようになった。
【0005】
車両と路面との間で静電気を放電する役目を空気入りタイヤに代わり、車両の導電性材料と直接接触させた静電気放電手段を車両に設ければ済むとはいえ、静電気放電手段は路面と擦れ合ったり衝突し合ったりするので摩滅や破損の都度、交換の手間を要する上、摩滅や破損により放電効果を失っても気付かずにいれば上記の問題が生じるなど、必ずしも万全な静電気放電手段とは言いがたい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、上記不具合回避のため、例えば特開平8−34204号公報では、トレッドゴムの中央領域を除く領域にシリカ主体配合のトレッドゴムを配置すると共に中央領域に従来のカーボンブラック多量配合になる高導電性ゴムを配置した押出トレッドゴムの適用タイヤを提案している。この提案によれば通常のカーボンブラック配合になるベースゴムと結合する高導電性ゴム領域をトレッドゴム中に設けているので、確かに静電気放電効果を有する低転がり抵抗空気入りタイヤを提供することができる。
【0007】
しかし上記公報が提案する空気入りタイヤは、シリカによるゴムの補強効果がカーボンブラックによる補強効果に及ばず、よってタイヤの走行が進むにつれトレッドゴムの摩耗度合いに差が生じ、中央領域の両側に配置したシリカ配合ゴムの摩耗量が中央領域に配置した高導電性ゴムの摩耗量に比しより多くなり、その結果、高導電性ゴムとその両側ゴムとの間に初期は僅かな段差が生じ、この段差は走行が進むにつれ著しい段差に発展すると同時にトレッド巾方向に拡大し結局大きな偏摩耗へと進展し、タイヤの摩耗寿命を大幅に損なう不具合を伴う。
【0008】
さらに車両のコーナリング時にタイヤに付されるスリップアングルにより路面と接するトレッドゴムが捩じられ、その結果、中央領域に位置する高導電性ゴムの踏面からの突出は、高導電性ゴムとそれに隣接するシリカ主体配合ゴムとの間に大きな引き裂き力をもたらし、ゴムの補強効果がそれ程高くないシリカ主体配合ゴムにクラックを発生させる不具合があることも解明した。またトレッドゴム中に占める高導電性ゴムの容積が多くなるので折角の低転がり抵抗特性をも損なう。以上を総合して、この種の空気入りタイヤはさらに改善を要することが分かった。なおこれまで述べた空気入りタイヤは主としてラジアルプライタイヤのことである。
【0009】
従ってまずこの発明の請求項1〜14に記載した発明は、従来のデュアルタイプ(1個の押出ヘッドに2基の押出機を連結するタイプ)又はトリプルタイプ(1個の押出ヘッドに3基の押出機を連結するタイプ)のタイヤ用未加硫トレッドゴム押出装置に極く僅かな改造を施すに止め、従来の空気入りタイヤ及び低転がり抵抗特性と導電性とを兼ね備える空気入りタイヤの双方に使用可能であり、しかも押出した未加硫トレッドゴム中の未加硫導電性ゴムを、製品タイヤとしたときトレッドゴムの偏摩耗発生及びトレッドゴムのクラック故障発生の双方を阻止し、かつ低転がり抵抗特性を十分に発揮し得る、可能な限り薄い縦配置のゴム層として連続して形成することが可能なタイヤ用未加硫トレッドゴム製造方法の提供を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の請求項1に記載した発明は、1種類以上の未加硫低導電性ゴムと1種類以上の未加硫高導電性ゴムとを2基以上の押出機本体に供給して各押出機本体の先端部を連結する押出ヘッドに導き出し、導き出した2種類以上の未加硫ゴムを押出ヘッド先端部にて複数の流路に沿って流動させ合体させて押出ダイを介し連続の一体複合未加硫ゴムとして押出すタイヤ用未加硫トレッドゴム製造方法において、上記複数流路のうちの一の流路に沿って、製品タイヤにてトレッドゴムの少なくともキャップゴムとなる未加硫低導電性ゴムを流動させ、上記複数流路の残余流路のうち少なくとも一の流路に沿って、製品タイヤにてベースゴム及び一対のミニサイドウォールゴムの少なくとも一方ゴムとなる未加硫高導電性ゴムを流動させ、上記未加硫高導電性ゴムは、その流動途中に形成する別途の独立分岐流路の導入口から押出ダイ背面近傍で押出ダイ開口高さ方向に位置するスリット状開口部に至る狭い流路内を分岐流動させ、分岐流動する未加硫高導電性ゴムをスリット状開口部から押出ダイに向け押出し、製品タイヤのトレッドゴムの少なくともキャップゴムとなる未加硫低導電性ゴムをその押出全厚さにわたり押出幅方向に分断する極狭幅未加硫高導電性ゴム層を一体複合未加硫ゴム中に形成することを特徴とするタイヤ用未加硫トレッドゴム製造方法である。
【0011】
ここに製品タイヤにおけるトレッドゴムには、単一の配合組成になる単一トレッドゴム構成の場合と、互いに配合組成が異なるキャップゴムとベースゴムとの複合ゴム積層構成の場合とがあり、前記のトレッドゴムの少なくともキャップゴムとは、複合ゴム積層構成のキャップゴムと単一トレッドゴムとの双方を含むものとする。なおこの発明における未加硫トレッドゴムは、製品タイヤでの一対のサイドウォールゴムと結合一体化する一対のウイング状ミニサイドウォールゴムを有する場合と有していない場合との両者を含む。
【0012】
請求項1に記載した発明の好適実施形態は、まず1種類の未加硫低導電性ゴムと1種類の未加硫高導電性ゴムとの2種類の配合組成になる未加硫ゴムをデュアルタイプの押出装置に供給する場合につき、請求項2に記載した発明のように、前記複数流路は、前記の少なくともキャップゴムとなる未加硫低導電性ゴムを流動させる第一の流路と、上記キャップゴムのタイヤ内方で共にトレッドゴムを形成するベースゴム及びトレッドゴム両側の一対のミニサイドウォールゴムのいずれか一方のゴムとなる未加硫高導電性ゴムを流動させる第二の流路と、第二の流路から別途分岐させる第三の流路との三つの流路に分け、
第三の流路は、未加硫高導電性ゴムの導入口から極幅狭のスリット状開口部までにわたり第一の流路及び第二の流路から遮蔽した独立分岐流路と、上記スリット状開口部から押出ダイ開口部に至る流路とにより形成し、
上記第一の流路、第二の流路及び第三の流路を前記押出ヘッドの先端部に使用するものである。
【0013】
請求項2に記載した発明においては、請求項3に記載した発明のように、前記第一の流路、第二の流路及び第三の流路それぞれの流路に沿って2種類の未加硫ゴムを押出ダイに導き出し、第三の流路を流動する未加硫高導電性ゴムを極幅狭スリット状開口部から押出し、この押出しゴムを製品タイヤのトレッドゴム用未加硫低導電性ゴム中に該ゴムの厚さ方向全厚さにわたる極幅狭の未加硫高導電性ゴム層として一体複合未加硫ゴム中に連続形成するものとする。
【0014】
請求項1に記載した発明の他の好適実施形態は、1種類の未加硫低導電性ゴムと2種類の未加硫高導電性ゴムとの3種類の未加硫ゴム又は2種類未加硫低導電性ゴムと1種類の未加硫高導電性ゴムとの3種類の未加硫ゴムのいずれか一方をトリプルタイプの押出装置に供給する場合につき、請求項4に記載した発明のように、前記複数流路は、製品タイヤのキャップゴム用未加硫低導電性ゴムを流動させる第一の流路と、製品タイヤのトレッドゴム両側の一対のミニサイドウォールゴムとなる未加硫低導電性ゴム及び未加硫高導電性ゴムのいずれか一方の未加硫ゴムを流動させる第二の流路と、製品タイヤのベースゴム用未加硫高導電性ゴムを流動させる第三の流路と、第三の流路から別途分岐させる第四の流路との四つの流路に分け、
上記第四の流路は、未加硫高導電性ゴムの導入口から極幅狭のスリット状開口部までにわたり第一〜第三のそれぞれの流路から遮蔽した独立分岐流路と、上記スリット状開口部から押出ダイ開口部に至る流路とにより形成し、
上記第一の流路、第二の流路、第三の流路及び第四の流路を前記押出ヘッドの先端部に使用するものである。
【0015】
請求項4に記載した発明においては、請求項5に記載した発明のように、前記第一の流路、第二の流路、第三の流路及び第四の流路それぞれの流路に沿って3種類の未加硫ゴムを押出ダイに導き出し、第四の流路を流動する未加硫高導電性ゴムを極幅狭スリット状開口部から押出し、この押出しゴムを、製品タイヤのベースゴム用未加硫高導電性ゴムと結合一体化させると共に、製品タイヤのキャップゴム用未加硫低導電性ゴム中に該ゴムの厚さ方向全体にわたる極幅狭の未加硫高導電性ゴム層として一体複合未加硫ゴム中に連続形成するものとする。
【0016】
請求項4に記載した発明とは別に、請求項1に記載した発明の別の好適実施形態は、1種類の未加硫低導電性ゴムと2種類の未加硫高導電性ゴムとの3種類の未加硫ゴム又は2種類未加硫低導電性ゴムと1種類の未加硫高導電性ゴムとの3種類の未加硫ゴムのいずれか一方をトリプルタイプの押出装置に供給する場合につき、請求項6に記載した発明のように、前記複数流路は、製品タイヤのキャップゴム用未加硫低導電性ゴムを流動させる第一の流路と、製品タイヤにてキャップゴムと共にトレッドゴムを形成するベースゴムとなる未加硫低導電性ゴム及び未加硫高導電性ゴムのいずれか一方の未加硫ゴムを流動させる第二の流路と、製品タイヤのトレッドゴム両側の一対のミニサイドウォールゴム用未加硫高導電性ゴムを流動させる第三の流路と、第三の流路から別途分岐させる第四の流路との四つの流路に分け、
上記第四の流路は、未加硫高導電性ゴムの導入口から極幅狭のスリット状開口部までにわたり第一〜第三のそれぞれの流路から遮蔽した独立分岐流路と、上記スリット状開口部から押出ダイ開口部に至る流路とにより形成し、
上記第一の流路、第二の流路、第三の流路及び第四の流路を前記押出ヘッドの先端部に使用するものである。
【0017】
請求項6に記載した発明においては、請求項7に記載した発明のように、前記第一の流路、第二の流路、第三の流路及び第四の流路それぞれの流路に沿って3種類の未加硫ゴムを押出ダイに導き出し、第四の流路を流動する未加硫高導電性ゴムを極幅狭スリット状開口部から押出し、この押出しゴムを、製品タイヤのトレッドゴム用未加硫低導電性ゴムの厚さ方向全体にわたる極幅狭の未加硫高導電性ゴム層として一体複合未加硫ゴム中に連続形成するものとする。
【0018】
前記の請求項1〜7のいずれか一項に記載した発明において実際上は、請求項8に記載した発明のように、前記スリット状開口部の幅を0.8〜4.5mmの範囲内とするものとし、また前記の請求項1、3、5、7のいずれか一項に記載した発明においては、請求項9に記載した発明のように、一体複合未加硫ゴム中に連続形成される未加硫高導電性ゴム層の厚さが、0.05〜3.5mmの範囲内であるのが適合する。
【0019】
またの請求項1〜7のいずれか一項に記載した発明においては、請求項10に記載した発明のように、前記独立分岐流路を流動させる未加硫高導電性ゴムの流路断面を製品タイヤのトレッドゴム用未加硫低導電性ゴムの流路断面より狭くして、上記未加硫高導電性ゴムの押出ダイ背面における押出し流速を、少なくとも押出ダイ背面における製品タイヤのトレッドゴム用未加硫低導電性ゴムの押出し流速より遅くするものとする。
【0020】
さらに前記極幅狭スリット状開口部から未加硫高導電性ゴムをより遅い流速で、かつ滑らかに流動させるため、請求項11に記載した発明のように、前記独立分岐流路における未加硫高導電性ゴムのスリット状開口部に向かう流路を先細りテーパ状とする。
【0021】
また請求項12に記載した発明のように、好適には、前記スリット状開口部を、製品タイヤのトレッドゴム用未加硫低導電性ゴムとして押出されるゴムの幅方向中央領域に相当する押出ダイ背面近傍に位置させる。
【0022】
また実際の流路形成について、請求項13に記載した発明のように、前記独立分岐流路は、他の流路を形成するインサートブロックに着脱自在なミニインサートブロックにより形成するのが有利である。
【0023】
また未加硫導電性ゴムは実際上、請求項14に記載した発明のように、未加硫低導電性ゴムは、配合量が40重量部(PHR )以上のシリカと、配合量が30重量部(PHR )以下のカーボンブラックとを含有するのが適合する。なお重量部(PHR )は慣用語でゴム100重量部に対する重量部数を言う。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のタイヤ用未加硫トレッドゴム製造方法の実施の形態例(前者)を図1〜図20に基づき、そしてこれらの発明によって製造された空気入りタイヤの実施の形態例(後者)を図21〜図24に基づき説明する。先に前者につき以下説明する。図1は、デュアルタイプ押出装置の模式的平面図であり、図2は、トリプルタイプ押出装置の模式的平面図であり、図3及び図4は、図1に示すIII − III線に沿う断面を拡大して簡略図解した説明図であり、図5は、未加硫ゴムの複数流路を説明するための、図3に示すインサートブロック及び押出ダイの斜め上背面からの斜視図であり、図6は、未加硫ゴムの複数流路を説明するための、図4に示すインサートブロック及び押出ダイの斜め上背面からの斜視図であり、図7〜図9は、未加硫ゴムの分岐流路を説明するためのミニインサートブロック例の平面図、側面図及び断面図であり、図10〜図13は、未加硫ゴムの分岐流路を説明するための他の例のミニインサートブロックの平面図、側面図、背面図及び正面図である。
【0030】
図1において、デュアルタイプ押出装置(以下デュアル押出装置という)の押出機本体1、2それぞれの先端部は押出ヘッド4に連結されていて、未加硫ゴム供給用ホッパ1h、2hから各押出機本体1、2に供給される2種類の配合組成が異なる未加硫ゴムA、Bは、各押出機本体1、2内部に収容され回転駆動されるスクリュウ(図示省略)により練り合わされ、自己発熱し可塑度を高めて流動性を増しながら押出ヘッド4に導き出されるのは慣例に従う。
【0031】
ただし2種類の未加硫ゴムA、B(図3、図5参照)及び未加硫ゴムA、C(図4、図6参照)のうち未加硫ゴムAはゴムの補強剤としてシリカ配合を主体とする未加硫低導電性ゴムであり、未加硫ゴムB、Cがゴムの補強剤として従来のカーボンブラックを多量に配合した未加硫高導電性ゴムである。
【0032】
図2において、トリプルタイプ押出装置(以下トリプル押出装置という)の押出機本体1、2、3それぞれの先端部は押出ヘッド5に連結されていて、未加硫ゴム供給用ホッパ1h、2h、3hから各押出機本体1、2、3に供給される3種類の配合組成が相互に異なる未加硫ゴムA、B、Cは、各押出機本体1、2、3内部の回転駆動されるスクリュウ(図示省略)により練り合わされ、自己発熱して可塑度を高めて流動性を増しながら押出ヘッド5に導き出されるのも慣例に従う。
【0033】
ただし3種類の未加硫ゴムA、B、Cのうち2種類はゴムの補強剤としてシリカ配合を主体とする未加硫低導電性ゴムであり、残余の1種類はゴムの補強剤として従来のカーボンブラックを配合した未加硫高導電性ゴムとする。ここでは未加硫ゴムA、Cを未加硫低導電性ゴムとし、未加硫ゴムBを高導電性ゴムとする場合と、未加硫ゴムA、Bを未加硫低導電性ゴムとし、未加硫ゴムCを高導電性ゴムとする場合との双方を含む。
【0034】
図1を参照して、押出ヘッド4に導き出された未加硫ゴムA、Bは、押出ヘッド4内部に設けた流路4a、4bに沿って、また図2を参照して、押出ヘッド5に導き出された未加硫ゴムA、B、Cは、押出ヘッド5内部に設けた流路5a、5b、5cに沿って、それぞれ最終の複数流路(後述する)を形成するインサートブロック及び押出ダイ6、6b(図3、4及び図14参照)を保持固定する後述のダイホルダ、バックダイホルダなどを内蔵する、押出ヘッド4、5先端部に位置する一体複合未加硫ゴム形成手段7の複数流路に送り込まれ、この複数流路に沿って押出ダイ6、6bに向かい流動し合体して、タイヤ用未加硫トレッドゴムが図1、2に示す矢印Xの向きに連続して押出される。なおこれまで述べた押出ダイは、押出し一体複合未加硫ゴムの底面を除く外輪郭を形成するためのダイ6と、ダイ6と対をなして一体複合未加硫ゴムの底面輪郭を形成するためのバックダイ6bとから構成する。
【0035】
まず先にデュアル押出装置による製造方法につき説明することとし、
図3に示すところは、押出ヘッド4の流路4a、4bに沿って一体複合未加硫ゴム形成手段7に送り込まれた未加硫ゴムA、Bそれぞれを、押出ダイ6、6bの背面に接して位置するインサートブロック10、11に形成した複数流路の第一の流路10a及び第二の流路11bに分けて導き出すことをあらわし、図4に示すところは、図1に示す未加硫ゴムBをそれと配合組成が異なる未加硫ゴムCに置き換えた場合をあらわし、この場合は押出ヘッド4の流路4a、4cに沿って一体複合未加硫ゴム形成手段7に送り込まれた未加硫ゴムA、Cそれぞれを、上記同様に押出ダイ6、6bの背面に接して位置するインサートブロック11、10に形成した複数流路の第一の流路11a及び第二の流路10cに分けて導き出すことをあらわす。
【0036】
一体複合未加硫ゴム形成手段7は、押出ダイ6、6bと、ダイ6を保持固定するダイホルダ8と、バックダイ6bを保持固定するバックダイホルダ9と、インサートブロック10、11とを有する。これらのパーツにより一体複合未加硫ゴム(図示省略)を図3、4に示す矢印Xの方向に押出す。
【0037】
図5は、押出ヘッド4の先端部における未加硫ゴムA、Bそれぞれの流路を説明するための斜視図(図の下方は一部を切り離した図)であり、図5に示すように、未加硫ゴムAは、矢印にて示す第一の流路10aに沿って流動させ、押出ダイ6、6bの背面に形成した第一の流路10aの凹部からダイ6とバックダイ6bとの間の押出開口部に向かい押出す。この場合未加硫ゴムAは製品タイヤにて踏面側に位置する後述のトレッドキャップゴムとなる。なおインサートブロック10は図示のように10−1、10−2のように2個のブロックに分けても良く、この場合は凹部流路10aの加工が簡単になり、一体複合未加硫ゴム形成手段7を押出ヘッド4から取り出した後の残留未加硫ゴムAの除去・清掃がより一層容易になる。
【0038】
一方、未加硫ゴムBは矢印にて示す第二の流路11bに沿って流動させ、但しこの流路途中で下記する別流路を分岐させるため符号を変えて示す第二の流路11b−1に沿って流動させるものとする。すなわち未加硫ゴムBは、インサートブロック11の切り込み傾斜凹部とインサートブロック10(10−2)のインサートブロック11側傾斜面とで形成し、バックダイ6bの背面に位置する凹部15の第二の流路11b−1に沿って流動させ、押出ダイ6、6bの押出開口部に向け押出し、この押出開口部にて未加硫ゴムBは未加硫ゴムAとの一体複合未加硫ゴム17−1となる。この未加硫ゴムBは製品タイヤにてトレッドキャップゴムのタイヤ内方で後述のベースゴムとなる。
【0039】
ここで図5に実線矢印及び破線矢印で示すように、第二の流路11b−1に沿って流動させる未加硫ゴムBの流動途中にて第二の流路11b−1から第三の流路11b−2を分岐させ、未加硫ゴムBの一部を第三の流路11b−2に沿って分岐流動させる。この分岐流動を実施させる手段の一例として、図示のように、インサートブロック10の先細り傾斜面をもつ凹部(インサートブロック10−2の切り込み凹部)を流動する未加硫ゴムAの第一の流路10aを横断して跨ぐミニインサートブロック20を用いる。
【0040】
ミニインサートブロック20の詳細は後述するとして、ミニインサートブロック20の鞘部が形成する空洞部の一方端を未加硫ゴムBの導入口23とし、この導入口23を第二の流路11b−1の凹部15に開口させ、第二の流路11b−1を流動する未加硫ゴムBの流動途中にて同じ未加硫ゴムBの一部を、第三の流路11b−2開始位置としての導入口23からミニインサートブロック20の鞘部の空洞部内に分岐流入させる。
【0041】
第三の流路11b−2における鞘部の空洞部内を分岐流動させる未加硫ゴムBは、上記鞘部空洞部の他方端の極幅狭スリット状開口部25(図7〜図9参照)から押出ダイ6、6bの押出開口部に向け押出す。極幅狭スリット状開口部25は押出ダイ6、6bの背面近傍で押出開口部高さ方向に位置させるものとし、ここに第三の流路11b−2は、図5の破線矢印で示すように、ミニインサートブロック20の導入口23から鞘部の空洞部の極幅狭スリット状開口部25を経て押出ダイ6、6bの押出開口部までにわたる間の流路とする。
【0042】
ミニインサートブロック20における、導入口23から極幅狭スリット状開口部25に至る間の第三の流路11b−2部分は、ミニインサートブロック20の鞘部壁により第一の流路10a及び第二の流路11b−1から完全に遮蔽した独立分岐流路とする。よって第三の流路11b−2に沿って流動させる未加硫ゴムBは、ミニインサートブロック20の鞘部の空洞部内では他の第一の流路10a及び第二の流路11b−1を流動する未加硫ゴムA、Bからの影響を受けず、極幅狭スリット状開口部25先端と押出ダイ6、6bの開口部との間でのみ他の流路を流動する未加硫ゴムA、Bと合流流動させる。
【0043】
この合流流動する未加硫ゴムBは、一体複合未加硫ゴム17−1中にて製品タイヤでベースゴムとなるべき未加硫ゴムB(図5にて斜線を施した部分)と再び結合一体化する共に未加硫ゴムAをその厚さ方向全体にわたり押出幅方向に分断する極狭幅の高導電性ゴム層(同様に斜線を施した部分)を形成する。この分断位置は一体複合未加硫ゴム17−1の幅方向中央領域(後述する)内とする。
【0044】
ミニインサートブロック20は、導入口23側部分と、この部分に対向する端部とをインサートブロック10乃至インサートブロック10−1、10−2に設けた二箇所の切り込み部に着脱自在に埋設装着する。インサートブロック10(10−1、10−2)、11及びミニインサートブロック20それぞれの表面は同一平面内に存在するのが良い。
【0045】
図6も、押出ヘッド4の先端部における未加硫ゴムA、Cそれぞれの流路を説明するための斜視図(図の下方は一部を切断した図)であり、図6に示すように、未加硫ゴムAは、矢印にて示す第一の流路11aに沿って流動させ、押出ダイ6、6bの背面に位置するインサートブロック11の切り込み傾斜面と、この傾斜面とダイ60長手方向で対向するインサートブロック10の傾斜面とで形成する凹部からダイ6とバックダイ6bとの間の押出開口部に向かい押出す。この場合未加硫ゴムAは製品タイヤにて後述する一体物トレッドゴムとなる。
【0046】
一方、未加硫ゴムCは製品タイヤにてトレッドゴム両側の後述する一対のミニサイドウォールゴムとなる未加硫ゴムであり、未加硫ゴムCは、矢印にて示すように二手に分かれる第二の流路10cに沿って流動させ、二手に分かれて流動する未加硫ゴムCを、押出ダイ6、6bの押出開口部の幅方向両側端部の背面における凹部から押出ダイ6、6bの押出開口部に向け押出し、この押出開口部にて未加硫ゴムCは未加硫ゴムAの両側で対をなす未加硫ゴムAとの一体複合未加硫ゴム17−2となる。この一対の未加硫ゴムCは製品タイヤのトレッドゴムの両側で一対のサイドウォールゴム本体と一体化する。
【0047】
ここで図6に実線矢印及び破線矢印で示すように、二手に分かれる第二の流路10cのうちの一方の流路に沿って流動させる未加硫ゴムCの流動途中にて、第二の流路10cから第三の流路10c−1を分岐させ、一方の第二の流路10cを流動する未加硫ゴムCの一部を第三の流路10c−1に沿って分岐流動させる。この分岐流動を実施させるため、先のミニインサートブロック20とは異なるタイプの手段例として、図示のように、インサートブロック10に設けたダイ6側切り込み凹部16のうちのダイ6寄り位置凹部に基部を着脱自在に埋設装着するミニインサートブロック30を用いる。
【0048】
ミニインサートブロック30の詳細は後述するとして、ミニインサートブロック30の鞘部の空洞部の基部側一方端を未加硫ゴムCの導入口33(図12参照)とし、導入口33をインサートブロック10の凹部16の残余凹部内に開口させ、一方の第二の流路10cを流動する未加硫ゴムCの流動途中にて同じ未加硫ゴムCの一部を、第三の流路10c−1開始位置としての導入口33からミニインサートブロック30の鞘部の空洞部内に分岐流動させる。
【0049】
分岐流動する未加硫ゴムCは、鞘部空洞部の導入口33よりゴム流動方向先方端に位置するミニインサートブロック30の極幅狭スリット状開口部35(図10、図13参照)から押出ダイ6、6bの押出開口部に向け押出す。極幅狭スリット状開口部35は押出ダイ6、6bの背面近傍で押出開口部高さ方向に位置させるものとし、ここに第三の流路10c−1は、図6の破線矢印で示すように、ミニインサートブロック30の導入口33から鞘部の空洞部の極幅狭スリット状開口部35を経て押出ダイ6、6bの押出開口部までにわたる間の流路とする。
【0050】
ミニインサートブロック30における、導入口33から極幅狭スリット状開口部35までにわたる間の、破線矢印で示す第三の流路10c−1部分は、ミニインサートブロック30の基部及び鞘部の壁により他の第一の流路11a及び第二の流路10cから完全に遮蔽した独立分岐流路とする。よって上記の第三の流路10c−1部分に沿って流動させる未加硫ゴムCは、第一の流路11a及び第二の流路10cを流動する未加硫ゴムA、Cからの影響を受けず、極幅狭スリット状開口部35先端と押出ダイ6、6bの押出開口部との間でのみ第一の流路11aを流動する未加硫ゴムAと合体流動させる。
【0051】
この合体流動する未加硫ゴムCは、二手の第二の流路10cに沿って流動させ押出した一対の未加硫ゴムC(斜線を施した部分)と未加硫ゴムAとの一体複合未加硫ゴム17−2中に、未加硫ゴムAをその厚さ方向全体にわたり押出幅方向に分断する極狭幅の高導電性ゴム層(同様に斜線を施した部分)を形成する。この分断位置は一体複合未加硫ゴム17−2の幅方向中央領域(後述する)内とする。
【0052】
ミニインサートブロック30は、インサートブロック10の切り込み凹部16に着脱自在に埋設装着する基部より延びる先端部を未加硫ゴムAの第一の流路11aの凹部内に位置させ、かつこの先端部は、ミニインサートブロック30の極幅狭スリット状開口部35が押出ダイ6、6bの押出開口部背面近傍を横断して延びるように位置させる。インサートブロック10、11及びミニインサートブロック30それぞれの表面は同一平面内に存在するのが良い。
【0053】
図7〜図9にミニインサートブロック20の詳細を示す。図7はミニインサートブロック20の平面図、図8はミニインサートブロック20の側面図、そして図9は図8のIX−IX線に沿う断面図である。図7〜図9において、ミニインサートブロック20は、インサートブロック10の一方の切り込み部(インサートブロック10−1側)に埋設装着する基部21と、この基部21から延びる薄肉の鞘部22とを有し、鞘部22の先端に未加硫ゴムBの導入口23を形成する。
【0054】
導入口23は流路11b−2から押出されてくる未加硫ゴムBを受入れ易くするため凹部15のバックダイ6b側傾斜面に合わせた傾斜口とするのが良く、ミニインサートブロック20装着状態で鞘部22の空洞部24は押出ダイ6、6bと対向する底部に向かうにつれ先細りとし、先細り先端に開口幅wの極幅狭スリット状開口部25を形成する。開口幅wは0.8〜4.5mmの範囲内が適合する。なお極幅狭スリット状開口部25の開口長さは押出ダイ6、6bの押出開口部高さ以上とし、ミニインサートブロック20をインサートブロックに埋設装着した状態で開口部25を押出ダイ6、6bの背面近傍に位置させ、極幅狭スリット状開口部25から未加硫ゴムBを押出す。なお上記背面近傍とは背面から僅かな距離を隔てた領域をあらわす。以下同じである。
【0055】
図10〜図13にミニインサートブロック30の詳細を示す。図10はミニインサートブロック30の平面図であり、図11はミニインサートブロック30の側面図であり、図12はミニインサートブロック30の背面図であり、図13はミニインサートブロック30の正面図である。図10〜図13において、ミニインサートブロック30は、インサートブロック10の切り込み凹部16に埋設装着する基部31と、この基部31から延びる薄肉の鞘部32とを有し、鞘部32の先端部は傾斜させる。基部31をインサートブロック10の切り込み凹部16の一部に埋設装着し残余凹部16部分から未加硫ゴムCを受け入れるため導入口33を基部31側に設け、基部31と残余凹部16部分との間に未加硫ゴムCの分岐流路10c−1を形成する。
【0056】
図10を参照して、導入口33から鞘部32に至る間の基部31内部に鞘部32の狭い空洞部34に向かって両側面が漸次接近する先細り状空洞部(破線参照)を形成し、この先細り状空洞部により破線で示す矢印方向へ流動する未加硫ゴムCを絞る形態をとらす。押出ダイ6、6bと対向する鞘部32の底部に向け鞘部32を先細り形状とし、先細り先端の鞘部32の底部に幅wの極幅狭スリット状開口部35を形成する。この極幅狭スリット状開口部35の開口長さは押出ダイ6、6bの押出開口部高さ以上とし、開口部35を押出ダイ6、6bの背面近傍に位置させ、開口部35から未加硫ゴムCを押出す。開口部35の開口幅wは0.8〜4.5mmの範囲内が適合する。
【0057】
次にトリプル押出装置による製造方法につき以下説明することとし、
図14は、図2に示すXIV − XIV線に沿う断面を拡大して簡略図解した説明図であり、
図15は、未加硫ゴムの複数流路を説明するための、図14に示すインサートブロック及び押出ダイの例を斜め上の背面から見た斜視図であり、
図16は、未加硫ゴムの複数流路を説明するための、図14に示すインサートブロック及び押出ダイの他の例を斜め上の背面から見た斜視図である。
【0058】
図14に示すところは、押出ヘッド5の流路5a、5b、5cに沿って一体複合未加硫ゴム形成手段7に送り込まれた未加硫ゴムA、B、Cそれぞれを、押出ダイ6、6bの背面に接して位置するインサートブロック12、13、14に形成した第一の流路12a、第二の流路13b及び第三の流路14cそれぞれに分けて導き出すことをあらわす。
【0059】
図14に示す一体複合未加硫ゴム形成手段7は、押出ダイ6、6bと、先に述べた場合と同様にダイ6を保持固定するダイホルダ8と、バックダイ6bを保持固定するバックダイホルダ9と、インサートブロック12、13、14とを有する。これらのパーツにより一体複合未加硫ゴム(図示省略)を矢印Xの方向に押出す。
【0060】
以下は、押出ヘッド5の先端部における未加硫ゴムA、B、Cそれぞれの流路を説明するための斜視図(図の下方は一部を切り離した図)を示す図15を参照して、矢印にて示す第一の流路12aに沿って未加硫ゴムAを流動させ、この未加硫ゴムAを押出ダイ6、6bの背面に形成した凹部から押出ダイ6、6bの押出開口部に向け押出す。この場合の未加硫ゴムAは、ゴムの補強剤としてシリカ配合を主体とする未加硫低導電性ゴムであり、製品タイヤのトレッドゴムのうちトレッド部表面側に位置する後述のトレッドキャップゴムとなる。
【0061】
また未加硫ゴムCは、この例ではゴムの補強剤としてシリカ配合を主体とする未加硫低導電性ゴムであり、製品タイヤにてトレッドゴム両側の一対のミニサイドウォールゴムとなる未加硫ゴムであり、第二の流路14cに沿って流動させ押出す。矢印にて示すように未加硫ゴムCの第二の流路14cは二手に分け、二手に分けた第二の流路14cに沿って未加硫ゴムCを押出ダイ6、6bの両側端部の背面における2箇所の凹部(一方のみ示す)から押出ダイ6、6bの押出開口部に導き出し、この押出開口部にて未加硫ゴムCは未加硫ゴムAの両側で対をなす未加硫ゴムAとの一体複合未加硫ゴム18−1となる。この一対の未加硫ゴムCは製品タイヤにて上記トレッドゴムの両側に位置し、サイドウォールゴム本体と一体化する。なお他の例での未加硫ゴムCは、ゴムの補強剤としてカーボンブラックを多量配合した未加硫高導電性ゴムであることを可とする。
【0062】
一方、未加硫ゴムBは、ゴムの補強剤として従来のカーボンブラックを配合した未加硫高導電性ゴムであり、矢印にて示す第三の流路13bに沿って流動させ、但しこの流路途中で下記する別流路を分岐させるため符号を変えて示す第二の流路13b−1に沿って流動させるものとする。すなわち未加硫ゴムBは、インサートブロック13の切り込み傾斜凹部とインサートブロック12のインサートブロック13側傾斜面とで形成し、バックダイ6b側に位置する凹部15の第三の流路13b−1に沿って流動させ、押出ダイ6、6bの押出開口部に向け押出す。この押出開口部にて未加硫ゴムBは、未加硫ゴムA、Cとの一体複合未加硫ゴム18−1となる。この未加硫ゴムBは製品タイヤにてトレッドキャップゴムのタイヤ内方で共にトレッドゴムを構成するベースゴムとなる。
【0063】
ここで図15に実線矢印及び破線矢印で示すように、第三の流路13b−1に沿って流動させる未加硫ゴムBの流動途中にて第三の流路11b−1から第四の流路11b−2を分岐させ、未加硫ゴムBの一部を第四の流路11b−2に沿って分岐流動させる。この分岐流動を実施させる手段には先に図7〜図9に基づき説明したミニインサートブロック20を適用し、但しこの場合のミニインサートブロック20は、図示のように、未加硫ゴムAの第一の流路12aであるインサートブロック12の先細り傾斜面をもつ凹部を横断して跨ぐ配置とする。
【0064】
ミニインサートブロック20の鞘部22の空洞部24の一方端を未加硫ゴムBの導入口23とし、この導入口23を第三の流路11b−1の凹部15に開口させ、第三の流路11b−1を流動する未加硫ゴムBの流動途中にて同じ未加硫ゴムBの一部を、第四の流路11b−2開始位置としての導入口23からミニインサートブロック20の鞘部22の空洞部24内に分岐流動させる。
【0065】
この分岐流動未加硫ゴムBは、ミニインサートブロック20の鞘部22の空洞部24の他方端の極幅狭スリット状開口部25から押出ダイ6、6b押出開口部に向け押出す。極幅狭スリット状開口部25は、押出ダイ6、6b押出開口部高さ方向に位置させるものとし、ここに第四の流路11b−2は、図15の破線矢印で示すように、ミニインサートブロック20の導入口23から鞘部22の空洞部24の極幅狭スリット状開口部25を経て押出ダイ6、6b押出開口部までにわたる間の流路とする。
【0066】
ミニインサートブロック20における、導入口23から極幅狭スリット状開口部25に至る間の第四の流路13b−2部分は、ミニインサートブロック20の鞘部22の壁により第一の流路12a、第二の流路14c及び第三の流路13b−1から完全に遮蔽した独立分岐流路とする。よって第四の流路13b−2に沿って流動させる未加硫ゴムBは、ミニインサートブロック20の鞘部22の空洞部24内では他の第一の流路12a、第二の流路14c及び第三の流路13b−1を流動する未加硫ゴムA、C、Bからの影響を受けず、極幅狭スリット状開口部25先端と押出ダイ6、6b押出開口部との間でのみ他の流路を流動する未加硫ゴムA、Bと合流流動させる。
【0067】
この合流流動する未加硫ゴムBは、一体複合未加硫ゴム18−1中にて製品タイヤでベースゴムとなるべき未加硫ゴムB(斜線を施した部分)と再び結合一体化すると共に未加硫ゴムAをその厚さ方向全体にわたり押出幅方向に分断する極狭幅の高導電性ゴム層(斜線を施した部分)を形成する。この分断層位置は一体複合未加硫ゴム18−1の幅方向中央領域(後述する)内とする。
【0068】
ミニインサートブロック20は、導入口23側の鞘部22部分をインサートブロック12に設けた切り込み凹部に、基部21をインサートブロック14に設けた切り込み凹部にそれぞれ着脱自在に埋設装着する。この場合も、スリット状開口部25の開口幅wは0.8〜4.5mmの範囲内であり、インサートブロック2、13、14及びミニインサートブロック20それぞれの表面は同一平面内に存在するのが良い。
【0069】
以下は、押出ヘッド5の先端部における未加硫ゴムA、B、Cそれぞれの流路を説明するための斜視図(図の下方は一部を切り離した図)を示す図16を参照して、矢印にて示す第一の流路12aに沿って未加硫ゴムAを流動させ、この未加硫ゴムAを、押出ダイ6、6bの背面に位置するインサートブロック12、13に形成した両端切り込み傾斜面(一方のみ示す)に挟まれる凹部15部分から押出ダイ6、6bの押出開口部に向け押出す。この場合の未加硫ゴムAもまた製品タイヤのトレッドキャップゴムとなる。
【0070】
一方未加硫ゴムBは、矢印にて示す第二の流路13bに沿って流動させ、この未加硫ゴムBを、バックダイ6bの背面側に位置する凹部15の緩傾斜面側部分から押出ダイ6、6bの押出開口部に向け押出す。つまり両未加硫ゴムA、Bは凹部15にて合流させるということである。この場合インサートブロック12、13は別個のブロック12、13に分けても良く、この意味で図15では符号を便宜上分けて示すものの、図15に示すように、インサートブロック12、13を1個のブロックで形成し、凹部15も未加硫ゴムA、B共通とすることが簡便性に富む。
【0071】
ここに未加硫ゴムA及びこの例での未加硫ゴムBは、いずれもゴムの補強剤としてシリカ配合を主体とする未加硫低導電性ゴムであり、未加硫ゴムAは製品タイヤにてトレッドキャップゴムとなり、未加硫ゴムBは同じ製品タイヤにてベースゴムとなる。しかし他の例での未加硫ゴムBはゴムの補強剤として従来の多量のカーボンブラック配合になる未加硫高導電性ゴムとすることを可とする。
【0072】
一方、未加硫ゴムCは、ゴムの補強剤として従来のカーボンブラックを配合した未加硫高導電性ゴムであり、製品タイヤにてトレッドゴム両側のミニサイドウォールゴムとなる未加硫ゴムであり、未加硫ゴムCは、矢印にて示すように二手に分かれる第三の流路14cに沿って流動させ、二手に分かれて流動する未加硫ゴムCを、押出ダイ6、6bの押出開口部幅方向の両側端部の背面における2箇所の凹部(一方のみ示す)から押出ダイ6、6bの押出開口部に向け押出し、この押出開口部にて未加硫ゴムC(斜線を施した部分)は未加硫ゴムA、Bとの一体複合未加硫ゴム18−2となる。この一対の未加硫ゴムCは製品タイヤにてトレッドゴムの両側でサイドウォールゴム本体と一体化する。
【0073】
ここで図16に実線矢印及び破線矢印で示すように、二手に分かれる第三の流路14cのうちの一方流路に沿って流動させる未加硫ゴムCの流動途中にて、第三の流路14cから第四の流路14c−1を分岐させ、一方の第三の流路14cを流動する未加硫ゴムCの一部を第四の流路14c−1に沿って分岐流動させる。この分岐流動は先に図10〜図13に基づき説明したブロックと同じ構成を有するミニインサートブロック30により実施させる。
【0074】
図10〜図13を併せ参照して、ミニインサートブロック30は、インサートブロック14に設けたダイ6側切り込み凹部16のうちのダイ6寄り凹部位置にミニインサートブロック30の基部31を着脱自在に埋設装着し、ミニインサートブロック30の鞘部32を未加硫ゴムA、Bの第一の流路12a、第二の流路13b内の凹部15に位置させ、鞘部32の極狭スリット状幅開口部35を押出ダイ6、6bの押出開口部近傍に位置させる。
【0075】
ミニインサートブロック30の基部31に設けた導入口33をインサートブロック14の凹部16の残余凹部内に開口させ、一方の第三の流路14cを流動する未加硫ゴムCの流動途中にて同じ未加硫ゴムCの一部を、第四の流路14c−1開始位置としての導入口33からミニインサートブロック30の鞘部32の空洞部34内に分岐流動させる。
【0076】
分岐流動する未加硫ゴムCは、鞘部空洞部の導入口33よりゴム流動方向先方端に位置するミニインサートブロック30の極幅狭スリット状開口部35から押出ダイ6、6bの押出開口部に向け押出す。極幅狭スリット状開口部35は押出ダイ6、6bの背面近傍で押出開口部高さ方向に位置させるものとし、ここに第四の流路14c−1は、図16の破線矢印で示すように、ミニインサートブロック30の導入口33から鞘部32の空洞部34の極幅狭スリット状開口部35を経て押出ダイ6、6bの押出開口部までにわたる間の流路とする。
【0077】
ミニインサートブロック30における、導入口33から極幅狭スリット状開口部35までにわたる間の、破線矢印で示す第四の流路14c−1部分は、ミニインサートブロック30の基部31及び鞘部32の壁により、他の第三の流路14cからは元より第一の流路12a及び第二の流路13bから完全に遮蔽した独立分岐流路とする。よって上記の第四の流路14c−1部分に沿って流動させる未加硫ゴムCは、第一の流路12a及び第二の流路13bを流動する未加硫ゴムA、Bからの影響を受けず、極幅狭スリット状開口部35先端と押出ダイ6、6bの押出開口部との間でのみ第一の流路12a及び第二の流路13bを流動する未加硫ゴムA、Bと合体流動させる。
【0078】
この合体流動する未加硫ゴムCは、二手の第三の流路14cに沿って流動させ押出した一対の未加硫ゴムC(斜線を施した部分)と、未加硫ゴムA、Bとの一体複合未加硫ゴム18−2中に、未加硫ゴムAと未加硫ゴムBとの複合体をその厚さ方向全体にわたり押出幅方向に分断する極狭幅の高導電性ゴム層(斜線を施した部分)を形成する。この分断層位置は一体複合未加硫ゴム18−2の幅方向中央領域(後述する)内とする。
【0079】
ミニインサートブロック30は、この場合もインサートブロック12、13、14及びそれぞれの表面は同一平面内に存在するのが良く、スリット状開口部35の開口幅wも0.8〜4.5mmの範囲内である。
【0080】
以上述べたように独立分岐流路の大部分を形成するミニインサートブロック20、30の空洞部24、34を経て押出す未加硫高導電性ゴムは、その流路断面が他の流路断面に比し大幅に狭い流路断面をもつ分岐流路11b−2、10c−1、13b−2、14c−1を流動して、しかも極幅狭スリット状開口部25、35から押出ダイ6、6bの押出開口部に向け押出されるため、他の未加硫ゴム、特に単一トレッドゴム乃至トレッドキャップゴム及びベースゴムとなる他の未加硫ゴムの流路抵抗に比しより著しく高い流路抵抗の影響を受ける。
【0081】
この著しく高い流路抵抗の影響を受ける未加硫高導電性ゴムの押出圧は、低い流路抵抗の下で流動する他の未加硫ゴム押出圧に比しより低くなり、その結果ミニインサートブロック20、30の開口部25、35から押出す未加硫高導電性ゴムの流速は、通常流路を流動して押出される未加硫ゴムの流速に比し著しく遅くなる結果、開口部25、35から押出す未加硫高導電性ゴムはその周囲未加硫ゴムから押圧され、かつ押出ダイ6、6bの押出開口部に向け引き延ばされる。
【0082】
これら周囲未加硫ゴムからの押圧、引き延ばし作用を受ける未加硫高導電性ゴムのゲージは、開口部25、35の開口幅wの値より大幅に小さな値となり、これにより押出す一体複合未加硫ゴム17−1、17−2、18−1、18−2内の未加硫低導電性ゴム中に所定の極狭幅ゲージをもつ未加硫高導電性ゴムを押出方向に対し直立する縦ゴム層として連続形成することができる。また押出ダイ6、6bの押出開口部高さに対する極幅狭スリット状開口部25、35の開口長さを、開口部25、35と押出開口部との間の相対位置と共に適正に設定することにより、未加硫高導電性縦ゴム層を一体複合未加硫ゴム17−1、17−2、18−1、18−2の表面と底面とに現し、又は底面側が未加硫高導電性ゴムの場合はそれと結合して表面に現すことができる。
【0083】
さらに開口部25、35の開口幅wの値を開口長さ方向に沿って一定とし、縦ゴム層の直立方向ゲージをほぼ一定とすることができる。ミニインサートブロック20、30の鞘部22、32の配置位置を調整することにより、一体複合未加硫ゴム17−1、17−2、18−1、18−2の所望の幅方向位置、実際上は後述する中央領域内に未加硫高導電性縦ゴム層を形成することができ、必要に応じて複数個のミニインサートブロック20、30を設けることにより複数層の未加硫高導電性縦ゴム層を形成しても良い。
【0084】
またコスト面から見ると、従来使用しているインサートブロック10(10−1、10−2)、12、14にミニインサートブロック20、30を埋設装着するための切り込み部を加工し、簡単な構造のミニインサートブロック20、30を新たに製作するのみで、一体複合未加硫ゴム17−1、17−2、18−1、18−2中に所望する極薄ゲージの未加硫高導電性縦ゴム層を形成することが可能であり、改造コスト及び製作コストは問題にならない程度に僅少である。
【0085】
しかもミニインサートブロック20、30による独立分岐流路形成には、未加硫高導電性縦ゴム層形成のためだけに、わざわざ別の押出機本体を付加して著しく高価で広いスペースを占める押出装置を新たに設置する必要はなく、この点で設備投資削減効果及び省スペース効果は計り知れない程大きい。
【0086】
加えて未加硫高導電性縦ゴム層をもたない従来の一体複合未加硫ゴムを押出すときはインサートブロック10(10−1、10−2)、12、14を従来のブロックと交換するか、もしくはインサートブロック10、12、14の切り込み部に埋金を着脱自在に取付ければ済むので経済的である。さらにミニインサートブロック20、30を別部材とし着脱自在とすることにより、使用後の独立分岐流路中の残留未加硫ゴム除去・清掃は極めて容易となる利点も併せ有する。
【0087】
図17〜図20に、先に説明した一体複合未加硫ゴムとして押出したタイヤ用未加硫トレッドゴムの断面を示す。
図17は、図5に示す複数流路に沿って未加硫ゴムA、Bを流動させ押出した未加硫トレッドゴムの断面図であり、
図18は、図6に示す複数流路に沿って未加硫ゴムA、Cを流動させ押出した未加硫トレッドゴムの断面図であり、
図19は、図15に示す複数流路に沿って未加硫ゴムA、B、Cを流動させ押出した未加硫トレッドゴムの断面図であり、
図20は、図16に示す複数流路に沿って未加硫ゴムA、B、Cを流動させ押出した未加硫トレッドゴムの断面図である。
【0088】
図17に示す未加硫トレッドゴム17−1eは、製品タイヤにて踏面側トレッドキャップゴムとなる未加硫ゴムAeと、トレッドキャップゴムのタイヤ内方でベースゴムとなる未加硫ゴムBeと、この未加硫ゴムBeと結合一体化して結合部から未加硫トレッドゴム17−1eの表面までにわたり底面からほぼ垂直に延びる極薄ゲージtの直立未加硫高導電性ゴム層BeSとの一体複合未加硫ゴム構成を有する。未加硫ゴムAeは低導電性の配合組成になり、未加硫ゴムBeは高導電性の配合組成になる。未加硫高導電性ゴムには斜線を付して示す。以下同じである。
【0089】
図18に示す未加硫トレッドゴム17−2eは、製品タイヤにて単一のトレッドゴムとなる未加硫ゴムAeと、未加硫ゴムAeの両側に位置し製品タイヤの一対のサイドウォールゴム本体と結合一体化する一対のミニサイドウォールゴム用未加硫ゴムCeと、未加硫ゴムAeの底面から表面までにわたりほぼ垂直に延びる極薄ゲージtの直立未加硫高導電性ゴム層CeSとの一体複合未加硫ゴム構成を有する。未加硫ゴムAeは低導電性の配合組成になり、未加硫ゴムCeは高導電性の配合組成になり、未加硫ゴム層CeSは未加硫ゴムCeと同一ゴムからなる。
【0090】
図19に示す未加硫トレッドゴム18−1eは、製品タイヤにて踏面側トレッドキャップゴムとなる未加硫ゴムAeと、キャップゴムのタイヤ内方でベースゴムとなる未加硫ゴムBeと、未加硫ゴムAe、Beの両側に位置し製品タイヤの一対のサイドウォールゴム本体と結合一体化する一対のミニサイドウォールゴム用未加硫ゴムCeと、未加硫ゴムBeと結合一体化して結合部から未加硫トレッドゴム18−1eの表面までにわたりほぼ垂直に延びる極薄ゲージtの直立導電性未加硫ゴム層BeSとの一体複合未加硫ゴム構成を有する。未加硫ゴムAe、Ceは低導電性の配合組成になり、未加硫ゴムBeが高導電性の配合組成になり、未加硫ゴム層BeSは未加硫ゴムBeと同一ゴムである。
【0091】
図20に示す未加硫トレッドゴム18−2eは、製品タイヤにて踏面側トレッドキャップゴムとなる未加硫ゴムAeと、キャップゴムのタイヤ内方でベースゴムとなる未加硫ゴムBeと、未加硫ゴムAe、Beの両側に位置し製品タイヤの一対のサイドウォールゴム本体と結合一体化する一対のミニサイドウォールゴム用未加硫ゴムCeと、未加硫ゴムBeの底面から未加硫トレッドゴム18−2eの表面までにわたりほぼ垂直に延びる極薄ゲージtの直立未加硫高導電性ゴム層CeSとの一体複合未加硫ゴム構成を有する。未加硫ゴムAe、Beは低導電性の配合組成になり、未加硫ゴムCeは高導電性の配合組成になり、未加硫ゴム層CeSは未加硫ゴムCeと同一ゴムである。
【0092】
図18〜図20において、押出未加硫トレッドゴム17−1e、17−2e、18−1e、18−2eの寸法が安定したところで、これら未加硫トレッドゴムの幅Wを4等分した1/4Wを幅中央Mの両側に振り分けた2×1/4W領域を中央領域Rcと呼び、この中央領域Rcに相当する押出ダイ6、6bの背面領域に前記ミニインサートブロック20、30の極幅狭スリット状開口部25、35を位置させ、その結果として中央領域Rc内に直立未加硫高導電性ゴム層BeS、CeSを位置させるものとする。
【0093】
ここで、直立未加硫高導電性ゴム層BeS、CeSは押出未加硫トレッドゴムの長手方向に連続するものとし、前記ミニインサートブロック20、30の極幅狭スリット状開口部25、35の幅wと、この開口部25、35近傍の空洞部24、25位置の押出圧とを調整することにより、直立未加硫高導電性ゴム層BeS、CeSの厚さtは0.05〜3.5mmの範囲内に収める。
【0094】
未加硫低導電性ゴムはシリカとカーボンブラックとを含有し、シリカの配合量が40PHR 以上、好ましくは50〜90PHR の範囲内であり、カーボンブラックの配合量が30PHR 以下、好ましくは5〜25PHR の範囲内であるのが適合し、他のゴム成分、ゴム薬品成分は慣例に従う。以下、単一トレッドゴム用又はトレッドキャップゴム用未加硫低導電性ゴムAeの配合組成例を表1に、未加硫高導電性ゴム層BeSのゴム配合組成例を、ゴム層の厚さt=0.2mmの場合とt=2.0mmの場合とに分けて表2に示す。
【0095】
【表1】
Figure 0003863297
【0096】
【表2】
Figure 0003863297
【0097】
なお図19及び図20に示す未加硫トレッドゴム18−1e、18−2eは、トレッドキャップゴムタイヤとなる未加硫トレッドゴムAeのみを先にシリカ配合量及びカーボンブラック配合量それぞれの範囲を規定した未加硫低導電性ゴムとし、他の未加硫ミニサイドウォールゴムCe及び未加硫ベースゴムBeを共に先に規定した未加硫高導電性ゴムとすることもできる。
【0098】
次にこの発明の後者の空気入りタイヤの実施の形態例につき以下説明する。
図21〜図24に空気入りタイヤの回転軸心を含む平面による断面を示す。
図21は、図17に示す未加硫トレッドゴム17−1eをタイヤ成型の際に適用した空気入りタイヤの断面図であり、
図22は、図18に示す未加硫トレッドゴム17−2eをタイヤ成型の際に適用した空気入りタイヤの断面図であり、
図23は、図19に示す未加硫トレッドゴム18−1eをタイヤ成型の際に適用した空気入りタイヤの断面図であり、
図24は、図20に示す未加硫トレッドゴム18−2eをタイヤ成型の際に適用した空気入りタイヤの断面図である。
【0099】
図21〜図24において、空気入りタイヤ(以下タイヤという)40は、トレッド部41と、トレッド部41の両側に連なる一対のサイドウォール部42と、一対のビード部43とを有する。これら各部41、42、43は一対のビード部43内に埋設したビードコア44相互間にわたりトロイド状に延びるカーカス45により補強し、カーカス45の外周に配置したベルト46によりトレッド部41を強化する。
【0100】
カーカス45はラジアル配列コードのゴム被覆になる1プライ以上、図示例は2プライを有する。乗用車など比較的小型車両に使用するタイヤ40のカーカス45は2プライ構成を有する他1プライ構成を有する場合もあり、いずれの場合もプライコードは有機繊維コード、例えばポリエステルコード又はナイロンコードが適合する。またトラック及びバスなど比較的大型車両に使用するタイヤ40のカーカス45は1プライ構成を有し、プライコードはスチールコードが適合する。
【0101】
ベルト46は2層以上、図示例は3層のゴム被覆コード層よりなり、図示例のベルト46は乗用車用タイヤのベルトで、カーカス45寄りの2層はスチールコードの交差層と、その外周に1層の有機繊維コード、例えばナイロン66コードの螺旋巻回層とを有す。これがトラック及びバス用タイヤの場合のベルト46であれば、ベルト46は3層以上のスチールコード交差層を有する。
【0102】
カーカス45のコード被覆ゴム及びベルト47のコード被覆ゴムのいずれもが従来のカーボンブラック配合になる高導電性ゴムであり、少なくともビード部43で適用リムと接触するゴムも上記同様に高導電性ゴムであるから、適用リムが金属などの高導電性材料である限り、車体からベルト46に至る間は導電性に優れている。
【0103】
図21に示すトレッド部41のトレッドゴムの基本は、踏面側がキャップゴム47で、その内方がベースゴム48であり、いわゆるキャップ−アンド−ベース構成になり、キャップゴム47は図17に示す未加硫低導電性ゴムAeの加硫成型後のゴムであり、ベースゴム48は図17に示す未加硫高導電性ゴムBeの加硫成型後のゴムである。このベースゴム48からトレッド部41の踏面表面まで極薄ゲージTの高導電性ゴム層51がほぼ直立状に延びる。高導電性ゴム層51は図17に示す未加硫高導電性ゴム層BeSの加硫成型後のゴム層である。高導電性ゴムには斜線を施し低導電性ゴムと区別して示す。以下同じである。
【0104】
図22に示すトレッド部41のトレッドゴムは基本として、踏面側からベルト46に至る間が単一のトレッドゴム47と、トレッドゴム47の両側に一対のミニサイドウォールゴム49とを有する。トレッドゴム47は図18に示す未加硫低導電性ゴムAeの加硫成型後のゴムであり、一対のミニサイドウォールゴム49は図18に示す未加硫高導電性ゴムCeの加硫成型後のゴムであり、一対のサイドウォールゴム本体50と結合一体化する。この例での極薄ゲージTの高導電性ゴム層51はベルト46の被覆ゴムと接合してトレッド部41の踏面表面までほぼ直状に延びる。高導電性ゴム層51は図18に示す未加硫高導電性ゴム層CeSの加硫成型後のゴム層である。
【0105】
図23に示すトレッド部41のトレッドゴムは、踏面側のキャップゴム47と、その内方のベースゴム48と、キャップゴム47及びベースゴム48の両側に一対のミニサイドウォールゴム49とを有する。キャップゴム47は図19に示す未加硫低導電性ゴムAeの加硫成型後のゴムであり、ベースゴム48は図19に示す未加硫高導電性ゴムBeの加硫成型後のゴムであり、一対のミニサイドウォールゴム49は図19に示す未加硫低導電性ゴムCeである。このベースゴム48からトレッド部41の踏面表面まで極薄ゲージTの高導電性ゴム層51がほぼ直状に延びる。高導電性ゴム層51は図19に示す未加硫高導電性ゴム層BeSの加硫成型後のゴム層である。
【0106】
図24に示すトレッド部41のトレッドゴムは、踏面側のキャップゴム47と、その内方のベースゴム48と、キャップゴム47及びベースゴム48の両側に一対のミニサイドウォールゴム49とを有する。キャップゴム47は図20に示す未加硫低導電性ゴムAeの加硫成型後のゴムであり、ベースゴム48は図20に示す未加硫低導電性ゴムBeの加硫成型後のゴムであり、一対のミニサイドウォールゴム49は図20に示す未加硫高導電性ゴムCeである。このベースゴム48は低導電性ゴムであるから、極薄ゲージTの高導電性ゴム層51はベルト46と接合し、トレッド部41の踏面表面までほぼ直状に延びる。高導電性ゴム層51は図20に示す未加硫高導電性ゴム層CeSの加硫成型後のゴム層である。
【0107】
前記の未加硫高導電性ゴム層BeS、CeSの厚さt=0.05〜3.5mmとの関連において、以上述べた高導電性ゴム層51の踏面幅方向幅Tも0.05〜3.5mmの範囲内の極薄ゲージに収めるものとする。
【0108】
上記の低導電性ゴムは、25℃における体積抵抗率ρが108 Ω・cm以上であり、高導電性ゴムは、25℃における体積抵抗率ρが106 Ω・cm以下であるのが適合する。これらのタイヤにおける体積抵抗率ρの例を各配合例につき先に掲げた表1、2それぞれの最下段に示す。
【0109】
ここで体積抵抗率ρ(Ω・cm)を求める方法を以下に述べる。
タイヤ40の加硫条件に最も近似するサンプル加硫条件を設定し、この加硫条件の下で、未加硫ゴムA、B、Cそれぞれにつき、半径r=2.5cm、ゲージg=0.2cmの円板形状ゴムサンプルを加硫作成し、これらゴムサンプルを用いて電気抵抗値Rをアドバンス社製絶縁抵抗試験箱により測定し、次式により体積抵抗率ρを計算して求めるものである。
ρ=R×(a/g)、 ただしa=π×r2 である。
なお供試ゴムサンプルは、サンプルとほぼ同一半径の円板形状主電極と、主電極より小径の円板形状対電極及びその周囲のリング状ガード電極との間に挟んだ状態で電気抵抗値Rを測定する。
【0110】
トレッド部41の踏面幅を4等分した4領域のうちのタイヤ赤道面Eを挟む2領域の中央領域に、踏面周方向に連なる1本以上のリブを備えるトレッドパターンをトレッド部41に有するタイヤにあっては、この中央領域リブの少なくとも1本のリブに極薄ゲージTの高導電性ゴム層51を備えるものとし、上記中央領域で踏面周方向に1列以上のブロック列を備えるトレッドパターンをトレッド部41に有するタイヤにあっては、中央領域の少なくとも1列のブロック列の各ブロックに極薄ゲージTの高導電性ゴム層51を備えるものとする。上記中央領域は先の未加硫トレッドゴムの中央領域Rcに対応する。リブパターンの場合は高導電性ゴム層51が連なり、ブロックパターンの場合はブロック形成のための横溝部分で高導電性ゴム層51は落ち込むものの、タイヤの荷重負荷の下でトレッド部41の中央領域接地部内にブロック表面が必ず存在するので、いずれのトレッドパターンでも高導電性ゴム層51を介し路面に確実に静電気を放電する。
【0111】
図21〜図24に示す極薄ゲージTの高導電性ゴム層51は先に触れたように1層とは限らず複数層設けることを可とする。いずれにしても高導電性ゴム層51のゲージが極く薄いので、タイヤの使用中にトレッドゴムの摩耗が進んでも高導電性ゴム層51が突出して偏摩耗を引き起こすうれいは全くなく、さらに高導電性ゴム層51の周囲にゴムクラックを生じさせることもなく、しかも確実に車両の静電気を路面に放電させることが可能となる。
【0112】
【発明の効果】
この発明の請求項1〜14のいずれか一項に記載した発明によれば、従来のデュアル押出装置及びトリプル押出装置の押出ヘッド内に収容保持するインサートブロックの一部に切り込み加工を施す程度の改造と、簡単な構造をもつミニインサートブロックの製作との極めて僅かな投資額により、従来の空気入りタイヤ用未加硫トレッドゴム押出と、低転がり抵抗性及び導電性双方の特性を兼ね備える特殊な空気入りタイヤ用未加硫トレッドゴム押出との両者に、押出機本体を増やすことなく同じ押出装置を使い分けることが可能であり、全体として極コストで済み、かつ、押出した未加硫トレッドゴム中の未加硫導電性ゴムを極く薄ゲージのゴム層として連続して形成することが可能なタイヤ用未加硫トレッドゴム製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デュアル押出装置の模式的平面図である。
【図2】トリプル押出装置の模式的平面図である。
【図3】図1に示すIII − III線に沿う断面の拡大簡略図解説明図である。
【図4】図1に示すIII − III線に沿う断面の別の拡大簡略図解説明図である。
【図5】図3に示すインサートブロック及び押出ダイの斜め上背面からの斜視図である。
【図6】図4に示すインサートブロック及び押出ダイの斜め上背面からの斜視図である。
【図7】一例のミニインサートブロックの平面図である。
【図8】図7に示すミニインサートブロックの側面図である。
【図9】図8に示すIX−IX線に沿うミニインサートブロックの断面図である。
【図10】別の例のミニインサートブロックの平面図である。
【図11】図10に示すミニインサートブロックの側面図である。
【図12】図10に示すミニインサートブロックの背面図である。
【図13】図10に示すミニインサートブロックの正面図である。
【図14】図2に示すXIV − XIV線に沿う断面の拡大簡略図解説明図である。
【図15】図14に示す一例のインサートブロック及び押出ダイの斜め上背面からの斜視図である。
【図16】図14に示す他の例のインサートブロック及び押出ダイの斜め上背面からの斜視図である。
【図17】図5に示す複数流路に沿って未加硫ゴムA、Bを押出した未加硫トレッドゴムの断面図である。
【図18】図6に示す複数流路に沿って未加硫ゴムA、Cを押出した未加硫トレッドゴムの断面図である。
【図19】図15に示す複数流路に沿って未加硫ゴムA、B、Cを押出した未加硫トレッドゴムの断面図である。
【図20】図16に示す複数流路に沿って未加硫ゴムA、B、Cを押出した未加硫トレッドゴムの断面図である。
【図21】図17に示す未加硫トレッドゴムを適用したタイヤ断面図である。
【図22】図18に示す未加硫トレッドゴムを適用したタイヤ断面図である。
【図23】図19に示す未加硫トレッドゴムを適用したタイヤ断面図である。
【図24】図20に示す未加硫トレッドゴムを適用したタイヤ断面図である。
【符号の説明】
1、2、3 押出機本体
1h、2h、3h 未加硫ゴム供給用ホッパ
4 デュアル押出装置の押出ヘッド
4a、4b、4c 押出ヘッド内未加硫ゴム流路
5 トリプル押出装置の押出ヘッド
5a、5b、5c 押出ヘッド内部の未加硫ゴム流路
6 ダイ
6b バックダイ
7 一体複合未加硫ゴム形成手段
8 ダイホルダ
9 バックダイホルダ
10、10−1、10−2、11、12、13、14 インサートブロック
10a、11a、12a 第一の流路
11b、11b−1、10c 第二の流路
11b−2、11c−1、14c、13b−1 第三の流路
13b 第二及び第三の流路
13b−2、14c−1 第四の流路
15 凹部
16 切り込み凹部
17−1、17−2、18−1、18−2 押出ダイ開口部における一体複合未加硫ゴム
17−1e、17−2e、18−1e、18−2e 未加硫トレッドゴム
20、30 ミニインサートブロック
21、31 ミニインサートブロック基部
22、32 ミニインサートブロック鞘部
23、33 未加硫ゴム導入口
24、34 ミニインサートブロック空洞部
25、35 極幅狭スリット状開口部
A、B、C 未加硫ゴム
w 極幅狭スリット状開口部幅
BeS、CeS 未加硫トレッドゴム中の直立未加硫高導電性ゴム層
t 直立未加硫高導電性ゴム層の幅
Ae、Be、Ce 未加硫トレッドゴム
M 未加硫トレッドゴム幅中央
W 未加硫トレッドゴムの幅
Rc 未加硫トレッドゴムの中央領域
40 空気入りタイヤ
41 トレッド部
42 サイドウォール部
43 ビード部
44 ビードコア
45 カーカス
46 ベルト
47 キャップゴム
48 ベースゴム
49 ミニサイドウォールゴム
50 サイドウォールゴム本体
51 高導電性ゴム層
T 高導電性ゴム層ゲージ
E タイヤ赤道面

Claims (14)

  1. 1種類以上の未加硫低導電性ゴムと1種類以上の未加硫高導電性ゴムとを2基以上の押出機本体に供給して各押出機本体の先端部を連結する押出ヘッドに導き出し、導き出した2種類以上の未加硫ゴムを押出ヘッド先端部にて複数の流路に沿って流動させ合体させて押出ダイを介し連続の一体複合未加硫ゴムとして押出すタイヤ用未加硫トレッドゴム製造方法において、上記複数流路のうちの一の流路に沿って、製品タイヤにてトレッドゴムの少なくともキャップゴムとなる未加硫低導電性ゴムを流動させ、上記複数流路の残余流路のうち少なくとも一の流路に沿って、製品タイヤにてベースゴム及び一対のミニサイドウォールゴムの少なくとも一方ゴムとなる未加硫高導電性ゴムを流動させ、上記未加硫高導電性ゴムは、その流動途中に形成する別途の独立分岐流路の導入口から押出ダイ背面近傍で押出ダイ開口高さ方向に位置するスリット状開口部に至る狭い流路内を分岐流動させ、分岐流動する未加硫高導電性ゴムをスリット状開口部から押出ダイに向け押出し、製品タイヤのトレッドゴムの少なくともキャップゴムとなる未加硫低導電性ゴムをその押出全厚さにわたり押出幅方向に分断する極狭幅未加硫高導電性ゴム層を一体複合未加硫ゴム中に形成することを特徴とするタイヤ用未加硫トレッドゴム製造方法。
  2. 前記複数流路は、前記の少なくともキャップゴムとなる未加硫低導電性ゴムを流動させる第一の流路と、上記キャップゴムのタイヤ内方で共にトレッドゴムを形成するベースゴム及びトレッドゴム両側の一対のミニサイドウォールゴムのいずれか一方のゴムとなる未加硫高導電性ゴムを流動させる第二の流路と、第二の流路から別途分岐させる第三の流路との三つの流路に分け、第三の流路は、未加硫高導電性ゴムの導入口から極幅狭のスリット状開口部までにわたり第一の流路及び第二の流路から遮蔽した独立分岐流路と、上記スリット状開口部から押出ダイ開口部に至る流路とにより形成し、上記第一の流路、第二の流路及び第三の流路を前記押出ヘッドの先端部に使用する請求項1に記載した未加硫トレッドゴム製造方法。
  3. 前記第一の流路、第二の流路及び第三の流路それぞれの流路に沿って2種類の未加硫ゴムを押出ダイに導き出し、第三の流路を流動する未加硫高導電性ゴムを極幅狭スリット状開口部から押出し、この押出しゴムを製品タイヤのトレッドゴム用未加硫低導電性ゴム中に該ゴムの厚さ方向全厚さにわたる極幅狭の未加硫高導電性ゴム層として一体複合未加硫ゴム中に連続形成する請求項2に記載した未加硫トレッドゴム製造方法。
  4. 前記複数流路は、製品タイヤのキャップゴム用未加硫低導電性ゴムを流動させる第一の流路と、製品タイヤのトレッドゴム両側の一対のミニサイドウォールゴムとなる未加硫低導電性ゴム及び未加硫高導電性ゴムのいずれか一方の未加硫ゴムを流動させる第二の流路と、製品タイヤのベースゴム用未加硫高導電性ゴムを流動させる第三の流路と、第三の流路から別途分岐させる第四の流路との四つの流路に分け、上記第四の流路は、未加硫高導電性ゴムの導入口から極幅狭のスリット状開口部までにわたり第一〜第三のそれぞれの流路から遮蔽した独立分岐流路と、上記スリット状開口部から押出ダイ開口部に至る流路とにより形成し、上記第一の流路、第二の流路、第三の流路及び第四の流路を前記押出ヘッドの先端部に使用する請求項1に記載した未加硫トレッドゴム製造方法。
  5. 前記第一の流路、第二の流路、第三の流路及び第四の流路それぞれの流路に沿って3種類の未加硫ゴムを押出ダイに導き出し、第四の流路を流動する未加硫高導電性ゴムを極幅狭スリット状開口部から押出し、この押出しゴムを、製品タイヤのベースゴム用未加硫高導電性ゴムと結合一体化させると共に、製品タイヤのキャップゴム用未加硫低導電性ゴム中に該ゴムの厚さ方向全体にわたる極幅狭の未加硫高導電性ゴム層として一体複合未加硫ゴム中に連続形成する請求項4に記載した未加硫トレッドゴム製造方法。
  6. 前記複数流路は、製品タイヤのキャップゴム用未加硫低導電性ゴムを流動させる第一の流路と、製品タイヤにてキャップゴムと共にトレッドゴムを形成するベースゴムとなる未加硫低導電性ゴム及び未加硫高導電性ゴムのいずれか一方の未加硫ゴムを流動させる第二の流路と、製品タイヤのトレッドゴム両側の一対のミニサイドウォールゴム用未加硫高導電性ゴムを流動させる第三の流路と、第三の流路から別途分岐させる第四の流路との四つの流路に分け、上記第四の流路は、未加硫高導電性ゴムの導入口から極幅狭のスリット状開口部までにわたり第一〜第三のそれぞれの流路から遮蔽した独立分岐流路と、上記スリット状開口部から押出ダイ開口部に至る流路とにより形成し、上記第一の流路、第二の流路、第三の流路及び第四の流路を前記押出ヘッドの先端部に使用する請求項1に記載した未加硫トレッドゴム製造方法。
  7. 前記第一の流路、第二の流路、第三の流路及び第四の流路それぞれの流路に沿って3種類の未加硫ゴムを押出ダイに導き出し、第四の流路を流動する未加硫高導電性ゴムを極幅狭スリット状開口部から押出し、この押出しゴムを、製品タイヤのトレッドゴム用未加硫低導電性ゴムの厚さ方向全体にわたる極幅狭の未加硫高導電性ゴム層として一体複合未加硫ゴム中に連続形成する請求項6に記載した未加硫トレッドゴム製造方法。
  8. 前記スリット状開口部の幅を0.8〜4.5mmの範囲内とする請求項1〜7のいずれか一項に記載した未加硫トレッドゴム製造方法。
  9. 一体複合未加硫ゴム中に連続形成される未加硫高導電性ゴム層の厚さが、0.05〜3.5mmの範囲内である請求項1、3、5、7のいずれか一項に記載した未加硫トレッドゴム製造方法。
  10. 前記独立分岐流路を流動させる未加硫高導電性ゴムの流路断面を製品タイヤのトレッドゴム用未加硫低導電性ゴムの流路断面より狭くして、上記未加硫高導電性ゴムの押出ダイ背面における押出し流速を、少なくとも押出ダイ背面における製品タイヤのトレッドゴム用未加硫低導電性ゴムの押出し流速より遅くする請求項1〜7のいずれか一項に記載した未加硫トレッドゴム製造方法。
  11. 前記独立分岐流路における未加硫高導電性ゴムのスリット状開口部に向かう流路を先細りテーパ状とする請求項1〜8のいずれか一項に記載した未加硫トレッドゴム製造方法。
  12. 前記スリット状開口部を、製品タイヤのトレッドゴム用未加硫低導電性ゴムとして押出されるゴムの幅方向中央領域に相当する押出ダイ背面近傍に位置させる請求項1〜8、11のいずれか一項に記載した未加硫トレッドゴム製造方法。
  13. 前記独立分岐流路は、他の流路を形成するインサートブロックに着脱自在なミニインサートブロックにより形成する請求項1、2、4、6、10、11のいずれか一項に記載した未加硫トレッドゴム製造方法。
  14. 未加硫低導電性ゴムは、配合量が40重量部(PHR )以上のシリカと、配合量が30重量部(PHR )以下のカーボンブラックとを含有する請求項1〜7、9〜12のいずれか一項に記載した未加硫トレッドゴム製造方法。
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