JP3863287B2 - 金属弁体を備えた電磁弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ソレノイドに対する吸着を制御することにより、金属弁体を弁座に当接又は弁座から離間させるようにした電磁弁に係り、詳しくは、その金属弁体の製造方法及びその方法で製造された金属弁体を備えた電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ソレノイドを作動させて弁体を弁座に当接又は弁座から離間させるようにした電磁弁がある。この種の電磁弁では、弁座に対する弁体の移動ストロークの大きさが、電磁弁から出力される流体の流量を決定する大きな要因となる。
【0003】
ここで、圧力流体の流れを短い時間間隔で頻繁に制御するために、高速応答性と高頻度に対する耐久性とを考慮して設計された電磁弁がある。この種の電磁弁は、平板状の金属弁体そのものを可動鉄心として、ソレノイドの固定鉄心の吸着面に吸着させたり、その吸着を解除したりすることにより、金属弁体を弁座に当接又は弁座から離間させるようにしている。この種の電磁弁の特徴は、弁座に対する金属弁体の移動ストロークを小さくて精密なものにして、大流量の流体制御に対応させたことにある。更に、金属弁体と弁座との間にゴム等のシール材を一切設けていないことにある。加えて、金属弁体を弁座に復帰させるために、バネ等の部材を一切設けておらず、その代わりに流体圧力を金属弁体に作用させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の電磁弁では、金属弁体を製造するのに、板状の金属を切削加工、或いはプレス抜き加工することにより行っていた。ここで、切削加工では、多数の金属弁体を得るのに手間がかかるという問題があった。特に小形の電磁弁に適用される金属弁体では、弁体それ自体も小形化することから、取り扱いが極めて面倒なものとなった。
【0005】
一方、プレス抜き加工では、金属弁体に「うねり」、「歪み」及び「だれ」等の変形誤差が生じるという問題があった。この種の変形誤差があると、電磁弁における金属弁体の動作が不安定になったり、或いは多数の電磁弁の間で、その動作にバラツキが生じたりするというおそれがあった。このような変形誤差の影響を考慮した場合、プレス抜き加工の後工程として、研削加工が必要になる。特に、小形で薄形の金属弁体を製造する場合に、弁体が小形になればなるほど、プレス抜き加工による変形誤差の影響が大きくなり、研削加工はより困難とものとなり、その結果として製造コストが高騰するという問題があった。
【0006】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、うねり、だれ及び歪み等の変形誤差の少ない板状の金属弁体を少ない工程で容易に製造することを可能にした電磁弁の金属弁体の製造方法を提供することにある。この発明の第2の目的は、上記金属弁体を使用することにより、安定した動作を確保することを可能にした電磁弁を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的、及び第2の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ソレノイドに対する吸着を制御することにより板状の金属弁体を弁座から離間させ又は弁座に当接させるようにした電磁弁において、前記金属弁体の製造方法が、金属板材をポンチにより板状金属片に打ち抜く打ち抜き工程と、前記打ち抜き工程に連続して行われ、前記打ち抜かれた金属片をポンチによりダイス型に押し付けることにより、平面度が0.006以下である板状の金属弁体を成形する押し付け工程とを備えていることで、前記金属弁体が略直方体であって、その長手方向及び幅方向の平面度が共に0.006以下であることにより、前記電磁弁を多数製造したときに、前記多数の電磁弁間において、前記金属弁体が前記弁座と離間又は当接させるときに発生する、動作上のバラツキを少なくしたことを趣旨とする。
【0008】
上記の構成によれば、打ち抜き工程において打ち抜かれた板状金属片が、その後連続して押し付け工程においてダイス型に押し付けられることから、うねり、だれ及び歪み等の変形誤差が矯正され、正規の外形と寸法を有する金属弁体が得られる。
【0009】
【0010】
これによって、正規の外形と寸法を有する金属弁体が電磁弁に用いられることから、金属弁体を電磁弁の規格に精密に適合させることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る金属弁体の製造方法及びその金属弁体を備えた電磁弁を具体化した一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る電磁弁11と、それに付随したマニホールド12の設備状態を示す。この電磁弁11は、マニホールド12に対してねじ13で固定される。
【0013】
ここで、本実施の形態の電磁弁11は、圧縮されたエアをノズル(図示しない)から吐出させたり、その吐出を遮断したりするために作動するものであり、高速応答に対応した電磁弁である。この電磁弁11として、例えば、穀物中に含まれる石や泥、不良穀物等の異物を選別して除去するための選別装置に適用されるものがある。この選別装置において、電磁弁11は、センサによって識別された異物のみを、ノズルから吐出されるエアで吹き飛ばすために、コントローラにより制御される。
【0014】
電磁弁11は、弁体(後述する)を内蔵する弁本体部14と、その弁体を駆動するために励磁されるソレノイド15とを備える。弁本体14は保持ブロック41を有する。ソレノイド15はエポキシ樹脂よりなる絶縁封止部材16により覆われる。絶縁封止部材16は、給電部17を含む蓋部材18と、その蓋部材18と一体的に接合される本体部材19とを含む。
【0015】
マニホールド12は、一対の集中給気ポート20と、各ポート20から電磁弁11に通じる給気通路21と、同電磁弁11に通じる出力通路22とを有する。各集中給気ポート20には、コンプレッサ等のエア源から圧縮エアが供給される。
【0016】
図2は、電磁弁11の断面を示す。図3は図2の3−3線に沿った断面を示す。図4は、図2の4−4線における保持ブロック41の上面を示す。図5は図2の5−5線におけるソレノイド15の底面を示す。弁本体部14及びソレノイド15は、ねじ孔15a,41aに挿通されたねじ13により互いに組み付けられる。
【0017】
図2,3に示すように、ソレノイド15は、蓋部材18及び本体部材19により覆われたコイル27と、そのコイル27へ給電するための一対のコイル端子28と、ソレノイド15の底面側に設けられた底部材43とを備える。両コイル端子28は、給電部17において、蓋部材18を上方へ貫通して外部へ突出される。コイル27はボビン29に巻かれ、ボビン29は磁気フレーム30に支持される。磁気フレーム30は底部材43に組み付けられる。ボビン29の中心には、磁性体である固定鉄心40が設けられる。磁気フレーム30は、その基部が底部材43を貫通し、その底部材43の底面43eに露出する。各コイル端子28は、ボビン29に設けられた一対の側板31の上端から上方へ突設される。各コイル端子28の基部には、コイル27から延びるコイル線27aの端が巻き付けられて半田により固定される。
【0018】
図2,3に示すように、蓋部材18は、樹脂より成形される。蓋部材18は、底部18aと、裾部18bと、底部18aから下方へ突設された一対のピン18c及び一対の突部18dとを有する。これら突部18dは、蓋部材18の中央において、その幅方向に沿って配列される。これらの突部18dは、蓋部材18をコイル27に対して位置決めするためのものである。磁気フレーム30及びコイル27等、並びにコイル端子28の基部は、それぞれ本体部材19により覆われる。各コイル端子28の基部を覆った本体部材19の部分は、蓋部材18に内包される。蓋部材18から突設されたコイル端子28には、給電部17に装着されるコネクタ(図示しない)が電気的に接続される。
【0019】
図2,3に示すように、弁本体部14は、その保持ブロック41の中央に設けられた雌ねじ孔23及び一対の給気孔24を有する。図4にも示すように、両給気孔24は、雌ねじ孔23を挟んで配置され、弁室42を介して雌ねじ孔23に連通する。各給気孔24は、前述したマニホールド12の各給気通路21に接続される。雌ねじ孔23は、その内周の下側半分に雌ねじ23aを有する。
【0020】
図2,3に示すように、雌ねじ孔23には、弁座筒25が装着されて固定される。この弁座筒25は、その上端に弁座25aを有し、その外周の中間部に雄ねじ25bを有する。弁室42には、弁座25aに対応する金属弁体26が、弁座25aに接離可能に、即ち垂直方向に移動可能に配置される。
【0021】
図6,7,8に金属弁体26の平面図、正面図及び側面図をそれぞれ示す。この金属弁体26は、鉄により平板状に形成されたものである。電磁弁11において、金属弁体26の移動方向と、前述したボビン29の中心軸線とは互いに直交する。この電磁弁11では、ソレノイド15に対して金属弁体26を吸着させることにより、同弁体26を弁座25aから離間させ、ソレノイド15に対する金属弁体26の吸着を解除することにより、同弁体26を弁座25aに当接させるようにしている。
【0022】
図9は底部材43の上面を、図10はその断面を、図11はその底面43eをそれぞれ示す。図2,3,5,9〜11に示すように、この底部材43は、保持ブロック41に対して接合されるものである。底部材43は、両給気孔24に対応する位置に、一対の凹部43aを有し、弁室42に対応する位置には、両凹部43aを互いに連通させる複数の導入溝43bを有する。底部材43は、導入溝43bを挟む位置に、一対の嵌め込み孔43cを有する。これら嵌め込み孔43cには、前述した磁気フレーム30の基部が嵌め込まれる。この磁気フレーム30の基端面は、ソレノイド15の磁力に基づく吸着力を金属弁体26に対して発揮させるための吸着面30aを構成する。これら磁気フレーム30は、その吸着面30aが底部材43の底面43eと同一平面をなすように、底部材43に対して一体的に成形されるものである。これら吸着面30a及び底部材43の底面43eが、金属弁体26との接触面をなす。各導入溝43bは、底部材43の底面43eであって金属弁体26との接触面に対応する位置に配置される。これら導入溝43bは、金属弁体26を吸着面30aから引き離すために、凹部43aにおける圧縮エアを導入するためのものである。底部材43は、更に、その両端にボルト13に対応したボルト孔43dを有する。
【0023】
上記の形状を有する底部材43は、機械的強度と耐金属磨耗性に優れた樹脂材料により形成される。この実施の形態では、樹脂材料として、ポリフェニレンサルファイド(PPS)が適用される。このPPSは、強化用の炭素繊維と、充填用のフッ素樹脂とを含み、それらが所定の割合で混合されるものである。
【0024】
ここで、この実施の形態に係る電磁弁11の大きな特徴は、弁座25aに対する金属弁体26の移動ストロークが精密で小さく、大流量のエアを制御するように対応させたことにある。更に、金属弁体26と弁座25aとの間にゴム等のシール材を一切設けていないことにある。しかも、金属弁体26を弁座25aに復帰させるために、バネ等の復帰用の部材を一切設けておらず、その代わりにエア圧力を金属弁体26に作用させるようにしたことにある。
【0025】
上記の特徴を実現するために、金属弁体26は相対的に小形で薄形の板状に形成される。小形・薄形であることから、金属弁体26の表面におけるバリや傷、又は打痕があったり、「うねり」、「だれ」及び「歪み」等の変形誤差があったりすることは、弁体本来の機能や上記の特徴を損なうことになる。そこで、この実施の形態では、金属弁体26の製造に工夫が施されている。
【0026】
ここで、金属弁体26の製造方法を図12,13,14に示す。
金属弁体26を製造するには、図12に示すように、ダイス60とポンチ61を使用する。ダイス60は、金属弁体26の外形に近似した内形を有する型60aを含む。ポンチ61は、同じく金属弁体26の外形に近似した外形を有し、ダイス6の型60aに対して往復動可能に設けられる。
【0027】
そして、先ず、図13に示す打ち抜き工程において、鉄製の板材62をポンチ61により板状の金属片63に打ち抜く。次に、図14に示す押し付け工程において、その打ち抜かれた金属片63を、打ち抜き工程に連続して、ポンチ61によりダイス60の型60aに押し付けることにより、板状の金属弁体26を成形する。
【0028】
その後、金属弁体26は、型60aから取り出され、電磁弁11の組み付け工程において所定の位置に組み付けられる。
【0029】
上記の製造方法によれば、打ち抜き工程において打ち抜かれた板状の金属片63が、その後連続して押し付け工程において、ダイス60の型60aに押し付けられる。従って、パンチ61で打ち抜かれるときに金属片63の表面に生じがちな、うねり、だれ及び歪み等の変形誤差が型60aにより矯正され、正規の外形・寸法を有する金属弁体26が得られる。しかも、この実施の形態の製造方法によれば、切削加工とは異なり、多数の金属弁体26を製造するのに手間がかかることはなく、ワークの扱いが面倒になることもない。更に、この実施の形態の製造方法によれば、プレス抜き加工とは異なり、金属弁体26に、うねり、だれ及び歪み等の変形誤差が生じることが少なくなり、そのような変形誤差を解消するために、後工程としての研削加工を施す必要がない。
【0030】
図15,16は、本実施の形態における金属弁体26の平面度についての一測定結果を示すグラフである。図15は金属弁体26の長さ方向における平面度を示し、図16は同弁体26の幅方向における平面度を示す。図15,16において、上側のグラフはポンチ61で押圧される反対側の表面に対応し、下側のグラフはポンチ61で押圧される側の表面に対応する。このグラフにおいて、「P1」で示す部分は、金属弁体26の表面において弁座25aの流路に対応する部位を示す。これらのグラフからも分かるように、金属弁体26の平面度は「0.001〜0.006」の範囲に収まっていることが分かる。この測定では、平面度の下限値が「0.006」となるが、その他の測定結果では「0.003」の下限値を得ることができた。
【0031】
その他の要素に関する測定結果では、金属弁体26の表面の「だれ」の程度として、従来の「0.8」のレベルに対して「0.2」のレベルの測定結果を得ることができた。又、金属弁体26の表面のフラット面の長さとして、従来の「5.6mm」よりも1mm多い「6.6mm」の測定結果を得ることができた。
【0032】
ここで、従来の製造方法による金属弁体70の平面度の測定結果を図17,18に示す。図17,18は、図15,16のグラフに準ずるものである。この場合の製造方法は、金属片をプレス抜きしたものである。図17は、金属弁体70の長さ方向における平面度を示す。図18は、同弁体70の幅方向における平面度を示す。
これらのグラフより、従来の製造方法による金属弁体70の長手方向における平面度は、本実施の形態の製造方法による金属弁体26のそれと同程度になることが分かる。しかしながら、金属弁体70の幅方向の平面度については、「0.011」以上と悪い。この幅方向のグラフでは、金属弁体70の表面にプレス抜きによる「だれ」及び「うねり」或いは「歪み」が残ることが分かる。このような「だれ」及び「うねり」を修正するためには、更にプレス平押し等の加工を施すか、研削加工を施す必要がある。
【0033】
上記の平面度の測定結果の比較からも明らかなように、本実施の形態の製造方法によれば、小形で薄板状の金属弁体26の上下両方の表面(図2,7における上下両側面)を、高い平面度をもって、かつ「だれ」や「うねり」或いは「歪み」等の変形誤差の少ない状態で成形できることが分かる。しかも、本実施の形態の製造方法によれば、ポンチ61で金属片63を打ち抜くことに連続して金属片63を型60aに押し付けていることから、ダイス60に対してポンチ61を一動作させるだけの少ない工程で、金属弁体26を容易に製造することができる。従って、本実施の形態の製造方法によれば、従来の製造方法とは異なり、プレス抜き加工の後工程としての困難な研削加工を省略することができ、その分だけ、製造コストを低減させることが可能になる。
【0034】
更に、上記製造方法によれば、金属弁体26の上下両方の表面を高い平面度をもって製造できることから、実質的に金属弁体26に表裏の区別がなくなり、その何れの表面をも弁座25aに対向させることができる。この意味で、電磁弁11の組み付けに際して、金属弁体26の表裏を確認する必要がなくなり、その組み付け作業を容易なものにすることができる。
【0035】
次に、上記のように構成した電磁弁11の動作を説明する。図2,3は、コイル端子28への給電が停止され、コイル27が消磁されて、金属弁体26が弁座25aに当接した状態、即ち電磁弁11が閉弁した状態を示す。この状態において、金属弁体26の上面と底部材43の底面43e(接触面)との間には、所定の隙間G1が形成される。この隙間G1は、金属弁体26が弁座25aから最大限移動することのできる距離に相当し、弁座25aに対する弁体26の移動ストロークを意味する。この状態において、給気孔24に供給されるエアは、底部材43の両凹部43aから弁室42の隙間G1を通じて弁体26の上面に作用する。これにより、弁体26が下方へ付勢されて弁座25aに当接し、電磁弁11が閉弁されてノズルからの圧縮エアの吐出が遮断される。
【0036】
上記の閉弁状態から、両コイル端子28に電力を供給すると、コイル27が励磁される。この励磁により、コイル27、固定鉄心40、磁気フレーム30及び弁体26の間に磁界が形成され、金属弁体26がその上方の磁気フレーム30の吸着面30aに吸着される。この吸引力は、金属弁体26を弁座25aへ付勢するエアの圧力よりも大きいことから、金属弁体26は上方へ移動し、吸着面30a及び底部材43の底面43eを接触面として接触する。これにより、金属弁体26が弁座25aから離れて電磁弁11が開弁される。従って、集中給気ポート20に供給される圧縮エアが、給気通路21、弁座筒25及び出力通路22を通り、所定のノズルから吐出される。この結果、選別装置においては、穀物中の異物がエアで吹き飛ばされて除去される。
【0037】
ここで、穀物の選別装置においては、大量の穀物の中から多数の異物を吹き飛ばすために、金属弁体26を高速度で移動させることにより、電磁弁11を高速で高頻度に開閉させる必要がある。この実施の形態の電磁弁11によれば、上記のように「うねり」、「だれ」及び「歪み」等の変形誤差の少ない金属弁体26を使用していることから、正規の外形・寸法を有する金属弁体26が電磁弁11に用いられることになり、金属弁体26が電磁弁11の規格寸法に精密に適合することになる。この結果、電磁弁11において金属弁体26の安定した動作を確保することができ、多数の電磁弁11の間で金属弁体26の動作上のバラツキを少なくすることができる。
【0038】
尚、この発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜に変更して実施することができる。
【0039】
例えば、前記実施の形態では、本発明の電磁弁を穀物の選別装置に適用される電磁弁11に具体化したが、これに限られるものではなく、それ以外の用途の電磁弁に具体化することもできる。
【0040】
あるいは、本発明の金属弁体の製造方法を、ソレノイドに吸着される板状の可動鉄心のための製造方法及びその可動鉄心を備えたソレノイドに応用することもできる。
【0041】
【発明の効果】
上記の発明によれば、金属板材をポンチにより板状金属片に打ち抜き、それに連続して打ち抜かれた金属片をポンチによりダイス型に押し付けることにより、平面度が0.006以下である板状の金属弁体を成形するようにしている。従って、うねり、だれ及び歪み等の変形誤差が矯正され、正規の外形と寸法を有する金属弁体が得られる。この結果、うねり、だれ及び歪み等の変形誤差の少ない板状の金属弁体を少ない工程で容易に製造することができるという効果を発揮する。
【0042】
また、その発明の製造方法により製造される金属弁体を電磁弁に備えている。従って、正規の外形と寸法を有する金属弁体が電磁弁に用いられることから、金属弁体を電磁弁の規格に精密に適合させることが可能となる。この結果、電磁弁において安定した動作を確保することができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態に係り、電磁弁とそれに付随したマニホールドの設備状態を一部破断して示す側面図である。
【図2】 同じく、電磁弁を示す断面図である。
【図3】 同じく、図2の3−3線に沿った断面図である。
【図4】 同じく、図2の4−4線における保持ブロックを示す端面図である。
【図5】 同じく、図2の5−5線におけるソレノイドを示す端面図である。
【図6】 同じく、金属弁体を示す平面図である。
【図7】 同じく、金属弁体を示す正面図である。
【図8】 同じく、金属弁体を示す側面図である。
【図9】 同じく、底部材を示す平面図である。
【図10】 同じく、底部材を示す断面図である。
【図11】 同じく、底部材を示す底面図である。
【図12】 同じく、金属弁体の製造方法を示す断面図である。
【図13】 同じく、金属弁体の製造方法(打ち抜き工程)を示す断面図である。
【図14】 同じく、金属弁体の製造方法(押し付け工程)を示す断面図である。
【図15】 同じく、金属弁体の平面度を示すグラフである。
【図16】 同じく、金属弁体の平面度を示すグラフである。
【図17】 従来の製造方法による金属弁体の平面度を示すグラフである。
【図18】 同じく、従来の製造方法による金属弁体の平面度を示すグラフである。
【符号の説明】
11 電磁弁
15 ソレノイド
25a 弁座
26 金属弁体
60 ダイス
60a 型
61 ポンチ
62 金属板材
63 金属片

Claims (1)

  1. ソレノイドに対する吸着を制御することにより板状の金属弁体を弁座から離間させ又は弁座に当接させるようにした電磁弁において、
    前記金属弁体の製造方法が、
    金属板材をポンチにより板状金属片に打ち抜く打ち抜き工程と、
    前記打ち抜き工程に連続して行われ、前記打ち抜かれた金属片をポンチによりダイス型に押し付けることにより、平面度が0.006以下である板状の金属弁体を成形する押し付け工程と
    を備えていることで、
    前記金属弁体が略直方体であって、その長手方向及び幅方向の平面度が共に0.006以下であることにより、前記電磁弁を多数製造したときに、前記多数の電磁弁間において、前記金属弁体が前記弁座と離間又は当接させるときに発生する、動作上のバラツキを少なくしたことを特徴とする電磁弁。
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