JP3862982B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、安定した画像形成を担保しつつ、使用状態等に応じてその姿勢を変化させることが可能なインクジェットプリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタ等の画像形成装置において適正な画像形成処理を行うためには、水平に設置される等のように当該装置が安定した姿勢で使用されることが好ましく、また当該装置の使用時以外においても当該装置の底面となるべき面を設置面として収納されることが好ましい。
【0003】
ところが、スペース上の問題等により、本来あるべき姿勢で使用・収納等することが困難な場合がある。特に、本来の姿勢とは異なる姿勢で使用する場合には、不安定な設置状態で画像形成処理を行うことを余儀なくされることから、適正な画像形成処理をできないことがあった。
【0004】
そこで、このような画像形成装置の姿勢・状態の変化に対応するための技術として、特開平2−235754号公報には、水銀スイッチにより装置の姿勢を検知し、姿勢に応じて記録速度を含む記録動作シーケンスを自動的に変更するようにしたインクジェット記録装置が開示されている。当該インクジェット記録装置によれば、姿勢の変化により生じる記録ヘッドのインク吐出口におけるメニスカスの後退量ΔL及びリフィル周波数の変化に対応して記録速度を調整することで、常に高品位の画像形成処理が行うことができる、とされている。
【0005】
また、特開平4−369555号公報には、交換されるインクタンク内にタンクから供給されるインクの圧力を調整する手段を有するインクジェット記録装置が記載されており、これによれば、インクの容量、印字の姿勢に応じて圧力設計することができるので、姿勢の変化等にも対応して、適正な画像形成処理を行うことが可能である、とされている。
【0006】
さらに、特開平6−328707号公報には、インクタンクの各インク室の連通部をインクタンクの記録時の姿勢、他の記録時の姿勢において最下部になるようにし、この連通部にインク吸収体を設けたインクジェット記録装置が開示されている。このインクジェット記録装置によれば、各インク室での大気とインクの交換は常にインク連通部のインク吸収体がインクを保持した状態で行われ、インク室の内圧を一定にでき、装置の姿勢がどのような状態でも、安定した画像形成が可能になる、とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのインクジェット記録装置の技術を用いたとしても、実際には装置の姿勢が変化することによりインクの背水圧が20〜40mmAq程度変化することから、依然として安定した画像形成処理を行う上で不都合が生じることがあった。
【0008】
また、装置の姿勢を変化させることにより、紙粉ダストが積層される位置及びインクダレの方向等が変化することから、これらの紙粉ダストやインク等を装置の所定の位置に固定的に配置したガータ等に回収することができなくなり、記録紙や装置内が汚染される虞があった。
【0009】
さらに、これら上述のインクジェット記録装置では、使用時と収納時とで装置の全体形状が変化しないことから、使用時以外、つまり収納時であっても装置を置くためのスペースとして使用時と同じだけの面積を必要としていた。
【0010】
この発明の目的は、給紙ユニットのみの姿勢を変化させて、設置スペース上の要請を満足できるようにして、画像形成ユニットの姿勢を常に一定にすることにより、装置の姿勢を変化させても安定した画像形成を行うことができるとともに、省スペース化を図ることが可能な画像形成装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は以下の構成を備えている。
【0012】
(1)給紙位置から排紙位置に至る一定方向に搬送される用紙に対して所定の画像形成処理を行う画像形成ユニットと、該画像形成ユニットへ用紙を供給する給紙ユニットと、を備えた画像形成装置において、
前記給紙ユニットは、前記画像形成ユニットに対して、用紙搬送方向に直交する回転軸を中心に揺動自在に設けられ、
前記画像形成ユニットは、駆動ギアを、その回転中心を給紙ユニットの回転軸と同軸上にして軸支するとともに、用紙を給紙位置へと導くピックアップローラを、該ピックアップローラに同軸上に固定された従動ギアを該駆動ギアに常時噛合させつつ給紙ユニットの揺動に伴って変位自在に支持し、
前記画像形成ユニットの側壁には前記ピックアップローラの両端部が嵌入する円弧状の切欠き部が設けられるとともに、前記給紙キャビネット本体の側壁には前記ピックアップローラの両端部に対して、給紙ユニットの揺動方向に当接する当接部材を設け、かつ
画像形成ユニットの上蓋が、前記給紙ユニットの揺動に伴ってヒンジ部を中心に揺動するように構成されたことを特徴とする。
【0013】
この構成においては、給紙ユニットが、用紙搬送方向に直交する方向の回転軸を中心として、画像形成ユニットに対して揺動自在にされることから、画像形成ユニットの姿勢を変えることなく該回転軸を中心に給紙ユニットが揺動し、給紙ユニットの底面と画像形成ユニットの設置面との角度が調整されるため、適正な画像形成処理を担保しつつ、装置全体の設置面積が減少し、省スペース化が図られる。
また、駆動ギアが給紙ユニットの回転軸と同軸上の回転中心を中心に回転するとともに、ピックアップローラと同軸上に固定された従動ギアが該駆動ギアに常時噛合しつつ変位することから、給紙ユニットの揺動に伴って該ピックアップローラに給紙ユニットの該回転中心を中心とする揺動角度の大きさにかかわらず常にピックアップローラが適正に回転駆動されるため、常に安定した給紙が行われる。
さらに、ピックアップローラの両端部が円弧状の切欠き部に嵌入し該円弧の円周方向に移動自在となる状態で、該円周方向において該当接部材と当接することから、前記ピックアップローラの両端部が円弧状の切欠き部に沿って前記回転中心を中心とする円弧上を変位するように案内されるとともに、給紙ユニットが該回転中心を中心にして揺動する際には、該当接部材が該ピックアップローラの両端部を円周方向において付勢するため、給紙ユニットの揺動に伴って該ピックアップローラが配置されるべき位置に変位し、常に安定した給紙が行われる。
【0014】
(2)前記給紙ユニットを所定の揺動角度で保持する角度保持手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
この構成においては、画像形成ユニットに対して揺動させると角度保持手段によってその揺動角度が保持されることから、給紙ユニットの底面と画像形成ユニットの設置面との角度が所定の角度で保持されるため、使用可能なスペース等に応じて画像形成装置が適正な姿勢で使用される。
【0016】
(3)前記給紙ユニットは、用紙を収容する用紙カセットを備えた給紙キャビネット本体と、該給紙キャビネット本体の上部を開閉するように前記回転軸を中心に揺動自在に設けられる給紙キャビネット蓋部と、該給紙キャビネット本体の上部を該給紙キャビネット蓋部が閉塞した状態で該給紙キャビネット本体と給紙キャビネット蓋部とを一体にする連結手段と、を備え、前記角度保持手段は、画像形成ユニットに対して該給紙キャビネット蓋部を所定の角度で保持する手段であることを特徴とする。
【0017】
この構成においては、給紙キャビネット蓋部は、給紙キャビネット本体に対して該給紙キャビネット本体の上部を開閉するように揺動し、該給紙キャビネット本体を閉塞した状態で、これら給紙キャビネット蓋部と給紙キャビネット本体が連結手段により一体となるとともに、画像形成ユニットに対する該給紙キャビネット蓋部の角度が前記角度保持手段により所定の角度で保持されることから、該給紙キャビネット蓋部の画像形成ユニットに対する角度が所定の角度で保持され、通常給紙キャビネット蓋部と連結されている給紙キャビネット本体も給紙キャビネット蓋部に伴って、該所定の角度で保持されるため、簡易な構成で給紙ユニット全体が該所定の角度で保持される。
【0018】
また、給紙キャビネット本体と給紙キャビネット蓋部とが連結されていない場合には、給紙キャビネット蓋部のみが前記所定の角度で保持されることになり、給紙キャビネット本体の上面が給紙キャビネット蓋部に覆われることがないため、例えば給紙カセットからの給紙において不具合が生じる厚紙等の用紙であっても、給紙キャビネット本体の上面に形成された前記平面から手動で給紙が行われる。
【0023】
(4)前記給紙ユニットと前記画像形成ユニットとは分離自在であることを特徴とする。
【0024】
この構成においては、給紙ユニットが画像形成ユニットに分離自在に設けられていることから、給紙ユニットを画像形成ユニットから脱着させ、給紙ユニットを経由することなく直接画像形成ユニットへと用紙を手差しすることで、画像形成処理に用いられる用紙のバリエーションが増加する。
【0025】
(5)前記画像形成ユニットの底部に、電力を供給する電源部を配置したことを特徴とする。
【0026】
この構成においては、電力を供給する電源部が前記画像形成ユニットの底部に配置されていることから、該電源部の重量により、画像形成ユニットの重心の位置が設置面に近接し、給紙ユニットの揺動の際を含み常に画像形成ユニットが安定するため、画像形成ユニットの安定した設置状態が維持されるとともに、画像形成装置の姿勢にかかわらず常に適正な画像形成処理が行われる。
【0027】
(6)前記給紙ユニットは、その底面が前記画像形成ユニットの設置面に対して略直角になる位置まで揺動することを特徴とする。
【0028】
この構成においては、給紙ユニットが、その底面が前記画像形成ユニットの設置面に対して略直角になる位置、すなわち装置の設置面積が最小となる位置まで揺動することから、画像形成装置の収納時には、画像形成ユニットの本来設置されるべき向きを変えることなく、装置全体としての設置面積を減少させ省スペース化が図られる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0030】
図1は、本発明のインクジェットプリンタ1の斜視図である。インクジェットプリンタ1は、入力される画像データ等に基づいて給紙位置から排紙位置に至る一定方向を搬送される用紙に所定の画像形成処理をする画像形成ユニット3と、画像形成ユニット3の給紙位置に用紙を供給する給紙ユニット2とを備えている。ここで、便宜上、図に示すようにx軸、y軸、及びz軸を位置づけるとともに、以下の説明において適宜用いることとする。ここでは、x軸の方向を用紙搬送方向と同一にしており、y軸の方向を主走査方向としており、z軸の方向をこれらの軸に直交する方向としている。
【0031】
なお、同図において図示されている給紙ユニット2が画像形成ユニット3に対して揺動する際の回転軸4、用紙を排出する排紙口14、画像形成ユニット3の上蓋8、及びヒンジ部5(5a、5b)についてはそれぞれ後述する。
【0032】
図2は、給紙ユニット2が画像形成ユニット3から分離した状態のインクジェットプリンタ1を示している。同図に示すように給紙ユニット2は画像形成ユニット3に対して、x軸方向において着脱自在に設けられている。なお、同図において示されている当接部材としてのガイドレール26、円弧状に形成された切欠き部19については後述する。
【0033】
図3(a)及び(b)は、給紙ユニット2の分解状態における斜視図及び側面図である。給紙ユニット2は、用紙を収容する用紙カセット25を備えた給紙キャビネット本体2aと、給紙キャビネット本体2aの上面を開閉する給紙キャビネット蓋部2bとから構成されている。
【0034】
給紙キャビネット蓋部2bは、給紙キャビネット本体2aの支持部材7によって軸支されており、回転軸4を中心として給紙キャビネット本体2aに対して揺動自在に設けられている。この揺動によって、給紙キャビネット蓋部2bは、給紙キャビネット本体2aの上面を開閉する。この回転軸4は、後述する給紙ユニット2の回転軸4と同じ軸上に位置している。
【0035】
また、給紙キャビネット本体2aの上面には、平面P(xy平面)が形成されている。この平面Pは、この平面Pのx軸方向の延長線上に後述する給紙位置Fが位置するように形成されている。このため、手動で給紙を行う手差しの場合においても、給紙キャビネット蓋部2bを上方に揺動させて、給紙キャビネット本体2aの上面を開放した状態で、画像形成されるべき用紙を平面Pに沿って給紙位置Fへと容易に導くことができるため、給紙キャビネット本体2aの上面の平面Pを手差しトレイとして用いることができる。
【0036】
さらに、給紙キャビネット本体2aの上部にフック穴29aが設けられており、給紙キャビネット蓋部2bの下部にフック部29bが設けられている。この実施形態においては、フック穴29a及びフック部29bによって連結手段が構成されている。
【0037】
また、給紙キャビネット本体2aの両サイド(y軸方向)の内壁には、x軸に平行に2本のガイドレール26が設けられており、給紙キャビネット蓋部2bには、ロック穴6aが設けられている。ガイドレール26は、この発明の当接部材であり、ロック穴6aは、同じく角度保持手段を構成する。
【0038】
次に、画像形成ユニット3の構成について説明する。
【0039】
図4は、インクジェットプリンタ1の内部の構成を示す図である。同図に示すように、画像形成ユニット3は、電源部11、給紙ローラ12、排紙ローラ13、排紙口14、プラテン15、ピックアップローラ16、及びインクヘッド部20を備えている。
【0040】
電源部11は、画像形成ユニット3に電源を供給する。ここで、装置全体を安定させるため、他の構成部品と比較して重量のある電源部11は、画像形成ユニット3の底部に配置されている。これにより、画像形成ユニット3の重心の位置が設置面に近接することから、画像形成ユニット3の安定した設置状態を維持できるとともに、画像形成処理時に発生する振動を抑制することができる。
【0041】
給紙ローラ12は、インクヘッド22とプラテン15との間に位置する画像形成位置の上流側に位置しており、給紙ユニット2から供給される画像形成が行われるべき用紙を画像形成位置の方へと導く。なお、給紙ローラ12は2つのローラが対になって構成されているが、これらのローラのニップ部を便宜上、給紙位置Fと定義する。
【0042】
排紙ローラ13は画像形成位置の下流側に位置しており、画像形成位置を通過した用紙を挟持しつつ、下流側に位置する排紙口14へと導く。なお排紙口14より装置外部へと排出された用紙は、図示しない排紙トレイに収容される。
【0043】
インクヘッド部20は、インクを収容するインクタンク21及び用紙にインクを吐出するインクヘッド22を備えたインクキャリッジ23と、インクキャリッジ23が主走査方向において往復運動するためのy軸方向に設けられたキャリッジ用シャフト24とから構成されている。また、プラテン15はxy平面に沿って設けられた平面であり、該平面上において用紙に対する画像形成処理が行われる。
【0044】
画像形成ユニット3の内部には、給紙ローラ12によって構成される給紙位置Fから、インクヘッド22とプラテン15との間の画像形成位置を経由して、排紙口14によって構成される排紙位置に至る間に一定方向の用紙搬送路Hが形成されている。
【0045】
また、画像形成ユニットの上蓋8は、ヒンジ部5(5a、5b)でそれぞれ揺動自在になるように設けられている。このため画像形成ユニット2が回転軸4を中心に揺動する際に、上蓋8は、給紙キャビネット蓋部2bと当接し、給紙キャビネット蓋部2bの揺動に伴ってヒンジ部5(5a、5b)を中心に揺動することになる。
【0046】
図5は、インクジェットプリンタ1の要部の構成を示している。
【0047】
図5(a)は、画像形成ユニット3に給紙ユニット2を装着した状態で、上方からみたピックアップローラ16近傍の構成を示す図であり、同図においてz軸方向は紙面に垂直な方向である。給紙カセット25等から給紙されるべき用紙Rを1枚ずつ取り上げるピックアップローラ16は、その両端にシャフト部17を備えている。それぞれのシャフト部17はその両端において軸受18に嵌合している。またシャフト部17には、シャフト部17にピックアップローラ16を回転させる駆動力を伝達するための従動ギア27が固着されている。
【0048】
また、画像形成ユニット3は、その回転軸4を給紙ユニット2の回転軸との回転軸4と同一とする駆動ギア28を軸支している。
【0049】
図5(b)及び(c)は駆動ギア28近傍の構成を示している。ここで図5(b)は、紙面と垂直にy軸をとっており、図5(c)は、紙面と垂直にx軸をとっている。駆動ギア28は、図示しないモータによって直接駆動されるモータ軸ギア9aと噛合しており、モータ軸ギア9aからモータの回転が伝達される。
【0050】
モータ軸ギア9aは、アイドルギア9bとも噛合しており、アイドルギア9bは、給紙ローラ12を駆動するための給紙ローラ駆動ギア12aと噛合していることから、モータ軸ギア9aからモータの回転が給紙ローラ12に対しても伝達されることになる。
【0051】
また、駆動ギア28に対するモータ駆動ギア9a、アイドルギア9b、及び給紙ローラ駆動ギア12aの相対的な位置関係は、本実施形態において給紙ユニット2が回転軸4を中心に揺動する際にも変化することはない。ピックアップローラ16のシャフト部17を支持する軸受け18が画像形成ユニット3のサイドフレームに設けた円弧状の切欠き19に嵌合するとともに、給紙ユニット2の側面の内壁に設けた当接部材としてのガイドレール26と当接し、かつ、給紙ユニット2は回転軸4上に備えられたストッパ30によって軸支されている。このため、給紙ユニット2の回転軸4を中心とする揺動に伴ってピックアップローラ16が揺動するため、従動ギア27は、駆動ギア28と常時噛合しつつ回転軸4を中心に円弧状に変位する。よって、この駆動ギア28と従動ギア27との噛合が常に担保されていることから、給紙ユニット2の画像形成ユニット3に対する角度にかかわらず、常にピックアップローラ16に適正な駆動力が伝達されることになる。
【0052】
図6は、インクジェットプリンタ1全体の構成を示している。
【0053】
図6(a)は、給紙ユニット2が画像形成ユニット3に装着されている状態の側断面図である。この構成においては、切欠き部19より延び出した軸受18は、その上部及び下部がガイドレール26と当接しており、z軸方向においてのみ拘束されている。よって、図6(b)に示すように、給紙ユニット2を画像形成ユニット3から脱着させる場合には、x軸に平行に給紙ユニット2を画像形成ユニット3から引き抜くことにより、容易にこれらのユニットを分離させることができる。その一方で、給紙ユニット2が回転軸4を中心に揺動する際には、軸受18は、ガイドレール26に挟持された状態で、給紙ユニット2の動作に伴って切欠き部19に沿って揺動することになる。
【0054】
また、給紙ユニット2を再び画像形成ユニット3に装着する場合には、ガイドレール26が画像形成ユニット3の装着される側に傾斜部26aを有していることから、傾斜部26aが軸受18をガイドレール26の平行部に案内するため、円滑に軸受18がガイドレール26に嵌合される状態とすることができ、容易にこれらのユニットを再結合することができる。
【0055】
なお、画像形成ユニット3の側面(xz平面)における回転軸4上の位置には、軸穴30aが設けられており、給紙ユニット2の側面(xz平面)における回転軸4上の位置には突起部30bが設けられている。この軸穴30a及び突起部30bにより、画像形成ユニット3に装着された給紙ユニット2を画像形成ユニット3における中心軸上で軸支するストッパ30が構成されている。
【0056】
さらに、画像形成ユニット3の側面の外壁には、角度保持手段としてのフック6b、6c、及び6dが設けられている。これらのフック6b、6c、及び6dは回転軸4からの等距離の位置に配置されており、フック6b、6c、及び6dのうちのいずれかが給紙キャビネット蓋部2bに設けられたロック穴と択一的に連結することにより、給紙ユニット2の画像形成ユニット3に対する角度を調整することができる。本実施形態では、フック6(6a、6b、及び6c)は3つ設けられているが必要に応じて、4つ以上のフック6を形成してもよい。
【0057】
図7は、インクジェットプリンタ1の使用状態のバリエーションを示している。図7(a)では、給紙キャビネット本体2aの平面Pから給紙する状態を示している。ここでは、給紙蓋部2bが、給紙キャビネット本体2aに対して給紙ユニット2の回転軸4と同一の回転軸4を中心に揺動自在であることから給紙キャビネット蓋部2bのみを揺動させて、これを角度調整手段としてのフック部6b又は6cに連結することができる。これにより、給紙キャビネット蓋部2aに覆われていた平面Pを手差しトレイとして用い、厚紙や封筒等を手動で給紙することができる。
【0058】
さらに、図7(b)に示すように、同じく厚紙や封筒等に画像形成を行う場合に、用紙Rに負荷を与えないように、直接、画像形成ユニット3の給紙ローラ12へ手差し投入することにより画像形成ユニット3の給紙位置Fに用紙Rを供給することができる。これにより、画像形成を行う用紙Rの種類にかかわらず、安定した画像形成処理を行うことができる。
【0059】
図8(a)及び(b)は、インクジェットプリンタ1の別の使用状態及び収納状態を示している。
【0060】
上述のように、インクジェットプリンタ1は、給紙ユニット2が、画像形成ユニット3に対して回転軸4を中心に揺動自在に装着されている。
【0061】
このため、画像形成ユニット3及び給紙ユニット2のそれぞれの底面を設置面とする横置き型のインクジェットプリンタ1として使用できるとともに、図8(a)に示すように、給紙ユニット2の底面が画像形成ユニット3の設置面に対して所定の角度を持つ縦置き型のインクジェットプリンタ1としても使用できる。特に、本発明では、縦置き型及び横置き型のいずれの姿勢でインクジェットプリンタ1を使用した場合でも、インクタンク21を備えている画像形成ユニット3の向きは一定であるため、インクタンク21の向きが傾くことにより生じるインクタンク21の背水圧による画像形成不良や、インクが画像形成ユニット3内にこぼれる等の問題を防止できる。
【0062】
そして、インクジェットプリンタ1を使用しないときには、図8(b)に示すように、給紙ユニット2を画像形成ユニット3に対して略直角にすることにより、最も省スペース化した状態で収納することができとともに、収容時においても画像形成ユニット3の設置角度が変わることがないことから、収容時に画像形成ユニット3が本来設置されるべき向きに設置されることになるため、再びインクジェットプリンタ1を使用する際の画像形成処理に不都合が生じる虞をなくすことができる。
【0063】
以上のように、本実施形態のインクジェットプリンタ1は、画像形成ユニット3の姿勢を変えることなく、給紙ユニット2の姿勢を変えることにより縦置き型、横置き型の双方の姿勢をとるため、安定した画像形成動作とともに、コンパクトかつ装置に負担をかけることのない収納をすることが可能となる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0065】
(1)給紙ユニットを、用紙搬送方向に直交する方向の回転軸を中心として、画像形成ユニットに対して揺動自在にすることから、画像形成ユニットの姿勢を変えることなく該回転軸を中心に給紙ユニットが揺動し、給紙ユニットの底面と画像形成ユニットの設置面との角度を調整できるため、適正な画像形成処理を担保しつつ、装置全体の設置面積が減少し、省スペース化を図ることができる。。
(2)画像形成ユニットに対して揺動させると角度保持手段によってその揺動角度を保持することから、給紙ユニットの底面と画像形成ユニットの設置面との角度を所定の角度で保持でき、使用可能なスペース等に応じて画像形成装置を適正な姿勢で使用することができる。
【0066】
(3)給紙キャビネット蓋部は、給紙キャビネット本体に対して該給紙キャビネット本体の上部を開閉するように揺動し、該給紙キャビネット本体を閉塞した状態で、これら給紙キャビネット蓋部と給紙キャビネット本体が連結手段により一体となるとともに、画像形成ユニットに対する該給紙キャビネット蓋部の角度を前記角度保持手段により所定の角度で保持することから、該給紙キャビネット蓋部の画像形成ユニットに対する角度を所定の角度で保持し、通常給紙キャビネット蓋部と連結されている給紙キャビネット本体も給紙キャビネット蓋部に伴って、該所定の角度で保持できるため、簡易な構成で給紙ユニット全体を該所定の角度で保持することができる。
【0067】
また、給紙キャビネット本体と給紙キャビネット蓋部とを連結していない場合には、給紙キャビネット蓋部のみを前記所定の角度で保持することになり、給紙キャビネット本体の上面を給紙キャビネット蓋部によって閉塞することがないため、例えば給紙カセットからの給紙において不具合が生じる厚紙等の用紙であっても、給紙キャビネット本体の上面に形成される平面等から手動で給紙を行うことができる。
【0068】
(4)駆動ギアが給紙ユニットの回転軸と同軸上の回転中心を中心に回転するとともに、ピックアップローラと同軸上に固定された従動ギアが該駆動ギアに常時噛合しつつ変位することから、給紙ユニットの揺動に伴って該ピックアップローラに給紙ユニットの該回転中心を中心とする揺動角度の大きさにかかわらず常にピックアップローラを適正に回転駆動するため、常に安定した給紙を行うことができる。
【0069】
(5)ピックアップローラの両端部が円弧状の切欠き部に嵌入し該円弧の円周方向に移動自在となる状態で、該円周方向において該当接部材と当接することから、前記ピックアップローラの両端部を円弧状の切欠き部に沿って前記回転中心を中心とする円弧上を変位するように案内できるとともに、給紙ユニットが該回転中心を中心にして揺動する際には、該当節部材が該ピックアップローラの両端部を円周方向において付勢するため、給紙ユニットの揺動に伴って該ピックアップローラを配置されるべき位置に変位させ、常に安定した給紙を行うことができる。
【0070】
(6)給紙ユニットが画像形成ユニットに分離自在に設けられていることから、給紙ユニットを画像形成ユニットから脱着させ、給紙ユニットを経由することなく直接画像形成ユニットへと用紙を手差しすることで、画像形成処理に用いられる用紙のバリエーションを増加させることができる。
【0071】
(7)電力を供給する電源部を前記画像形成ユニットの底部に配置することから、該電源部の重量により、画像形成ユニットの重心の位置が設置面に近接し、給紙ユニットの揺動の際を含み常に画像形成ユニットが安定するため、画像形成ユニットの安定した設置状態を維持できるとともに、画像形成装置の姿勢にかかわらず常に適正な画像形成処理を行うことができる。
【0072】
(8)給紙ユニットが、その底面が前記画像形成ユニットの設置面に対して略直角になる位置、すなわち装置の設置面積が最小となる位置まで揺動することから、画像形成装置の収納時には、画像形成ユニットの本来設置されるべき向きを変えることなく、装置全体としての設置面積を減少させることができ、省スペース化を図ることができる。
【0073】
よって、装置の姿勢を変化させても安定した画像形成を行えるとともに、省スペース化を図ることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットプリンタの斜視図である。
【図2】画像形成ユニットと給紙ユニットとの分離状態を示す図である。
【図3】給紙ユニットの構成を示す図である。
【図4】インクジェットプリンタの内部の構造を示す図である。
【図5】画像形成ユニットの内部の構造を示す図である。
【図6】インクジェットプリンタの構成を示す図である。
【図7】本発明の使用状態のバリエーションを示す図である。
【図8】インクジェットプリンタの使用状態及び収納状態を示す図である。
【符号の説明】
1−インクジェットプリンタ
2−給紙ユニット
3−画像形成ユニット
4−回転軸
5(5a、5b)−ヒンジ部
16−ピックアップローラ
17−シャフト
18−軸受
19−切欠き部
20−インクヘッド部
25−用紙カセット
26−ガイドレール
27−従動ギア
28−駆動ギア
Claims (6)
- 給紙位置から排紙位置に至る一定方向に搬送される用紙に対して所定の画像形成処理を行う画像形成ユニットと、該画像形成ユニットへ用紙を供給する給紙ユニットと、を備えた画像形成装置において、
前記給紙ユニットは、前記画像形成ユニットに対して、用紙搬送方向に直交する回転軸を中心に揺動自在に設けられ、
前記画像形成ユニットは、駆動ギアを、その回転中心を給紙ユニットの回転軸と同軸上にして軸支するとともに、用紙を給紙位置へと導くピックアップローラを、該ピックアップローラに同軸上に固定された従動ギアを該駆動ギアに常時噛合させつつ給紙ユニットの揺動に伴って変位自在に支持し、
前記画像形成ユニットの側壁には前記ピックアップローラの両端部が嵌入する円弧状の切欠き部が設けられるとともに、前記給紙キャビネット本体の側壁には前記ピックアップローラの両端部に対して、給紙ユニットの揺動方向に当接する当接部材を設け、かつ
画像形成ユニットの上蓋が、前記給紙ユニットの揺動に伴ってヒンジ部を中心に揺動するように構成されたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記給紙ユニットを所定の揺動角度で保持する角度保持手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記給紙ユニットは、用紙を収容する用紙カセットを備えた給紙キャビネット本体と、該給紙キャビネット本体の上部を開閉するように前記回転軸を中心に揺動自在に設けられる給紙キャビネット蓋部と、該給紙キャビネット本体の上部を該給紙キャビネット蓋部が閉塞した状態で該給紙キャビネット本体と給紙キャビネット蓋部とを一体にする連結手段と、を備え、前記角度保持手段は、画像形成ユニットに対して該給紙キャビネット蓋部を所定の角度で保持する手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記給紙ユニットと前記画像形成ユニットとは分離自在であることを特徴とする請求項1〜3に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成ユニットの底部に、電力を供給する電源部を配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記給紙ユニットは、その底面が前記画像形成ユニットの設置面に対して略直角になる位置まで揺動することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
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