JP2023151833A - 記録装置 - Google Patents

Abstract

【課題】装置を重力方向において大型化させることなく媒体の収容可能枚数を多くする。【解決手段】媒体に記録を行う記録部４と、記録部４が設けられる本体部２と、本体部２に対して着脱可能であって媒体を収容する媒体収容部３と、を備え、媒体収容部３は、記録部４により記録が行われる前の記録前媒体を収容する第１領域３１と、記録部４により記録が行われた後の記録済み媒体を収容する第２領域３２と、を有することを特徴とする記録装置１。【選択図】図２

Description

本発明は、記録装置に関する。

従来から、様々な記録装置が使用されている。例えば、特許文献１には、記録ヘッドにより記録が行われる前の用紙を収容する媒体収容部と、該媒体収容部の重力方向における上側に設けられるとともに記録ヘッドにより記録が行われた後の用紙を載置する排出トレイと、を備える記録装置が開示されている。

特開２０１６－１７９８９９号公報

従来から使用される記録装置のうち、例えば写真の記録に特化したものなど、記録装置をなるべく小型化することが望まれるものがある。このような記録装置においては、特に重力方向において小型化が望まれる場合がある。しかしながら、従来の記録装置の構成では、記録が行われる前の記録前媒体を収容する構成部材と、記録が行われた後の記録済み媒体を収容する構成部材と、が別々に構成されていたため、装置構成が効率化できていなかった。さらに、記録前媒体を収容する構成部材と記録済み媒体を収容する構成部材とを重力方向から見てオーバーラップする位置に配置していた。このため、従来の記録装置の構成において重力方向において小型化しようとすると、媒体の収容可能枚数が少なくなっていた。

上記課題を解決するための本発明の記録装置は、媒体に記録を行う記録部と、前記記録部が設けられる本体部と、前記本体部に対して着脱可能であって前記媒体を収容する媒体収容部と、を備え、前記媒体収容部は、前記媒体のうちの前記記録部により記録が行われる前の記録前媒体を収容する第１領域と、前記媒体のうちの前記記録部により記録が行われた後の記録済み媒体を収容する第２領域と、を有することを特徴とする。

本発明の一実施例の記録装置の斜視図。 図１の記録装置の内部構成を表す側面断面図。 図１の記録装置の開閉カバーの開閉機構周辺を表す斜視図。 開閉カバーが開状態における図１の記録装置の開閉カバーの開閉機構周辺を表す側面断面図。 開閉カバーが閉状態における図１の記録装置の開閉カバーの開閉機構周辺を表す側面断面図。 図１の記録装置の開閉カバーの開閉機構周辺を表す平面図。 図１の記録装置の開閉カバーが閉状態から開状態になる様子を表す側面断面図。 図１の記録装置の開閉センサー周辺を表す斜視図。 開閉カバーが閉状態における図１の記録装置の開閉センサー周辺を表す側面断面図。 開閉カバーが閉状態から開状態になった際における図１の記録装置の開閉センサー周辺を表す側面断面図。 図１の記録装置の媒体収容部を表す斜視図。 図１の記録装置の媒体収容部を表す平面図。

最初に、本発明について概略的に説明する。
上記課題を解決するための本発明の第１の態様の記録装置は、媒体に記録を行う記録部と、前記記録部が設けられる本体部と、前記本体部に対して着脱可能であって前記媒体を収容する媒体収容部と、を備え、前記媒体収容部は、前記媒体のうちの前記記録部により記録が行われる前の記録前媒体を収容する第１領域と、前記媒体のうちの前記記録部により記録が行われた後の記録済み媒体を収容する第２領域と、を有することを特徴とする。

本態様によれば、媒体収容部は、記録前媒体を収容する第１領域と、記録済み媒体を収容する第２領域と、を有する。このように、媒体収容部が記録前媒体と記録済み媒体との両方を収容可能な構成とすることで、装置構成を効率化することができる。したがって、装置を重力方向において大型化させることなく媒体の収容可能枚数を多くすることができる。

本発明の第２の態様の記録装置は、前記第１の態様において、前記媒体収容部は、前記第１領域と前記第２領域とを重力方向から見てオーバーラップしない位置に有し、前記第１領域の媒体収容スペースと前記第２領域の媒体収容スペースとは、重力方向においてオーバーラップすることを特徴とする。

本態様によれば、第１領域と第２領域とは重力方向から見てオーバーラップしない位置に配置され、第１領域の媒体収容スペースと第２領域の媒体収容スペースとは重力方向においてオーバーラップする。このような構成とすることで、装置構成を特に効率化することができる。したがって、装置を重力方向において大型化させることなく媒体の収容可能枚数を特に多くすることができる。

本発明の第３の態様の記録装置は、前記第１または第２の態様において、前記媒体収容部は、前記本体部に設けられた開口部から挿入方向に挿入することで前記本体部に対して装着されるとともに、前記本体部に対して装着された状態で開閉可能な開閉カバーを前記挿入方向の後端部に有し、前記開閉カバーは、開状態とすることで前記媒体の少なくとも一部を載置可能であり、閉状態とすることで前記開口部を閉じることが可能であることを特徴とする。

本態様によれば、媒体収容部は、開状態とすることで媒体の少なくとも一部を載置可能であり、閉状態とすることで開口部を閉じることが可能な開閉カバーを有する。開状態とした際に開閉カバーが媒体の載置スペースを兼ねることで、閉状態としたときの重力方向と交差する方向において装置を小型化することができる。また、このような構成とすることで、閉状態とした際に開口部を閉じることが可能なため、開口部から塵などの異物が本体部に侵入することを抑制することができる。

本発明の第４の態様の記録装置は、前記第３の態様において、前記媒体収容部は、前記挿入方向の先端側に前記第１領域を有するとともに前記挿入方向の後端側に前記第２領域を有し、前記開閉カバーは、前記開状態とすることで前記記録済み媒体の少なくとも一部を載置可能であることを特徴とする。

本態様によれば、媒体収容部は挿入方向の先端側に第１領域を有するとともに挿入方向の後端側に第２領域を有する。このような構成とすることで、ユーザーは、媒体収容部を本体部から離脱させることなく記録済み媒体を記録装置から取り出すことができる。すなわち、ユーザーの作業性を向上することができる。

本発明の第５の態様の記録装置は、前記第３の態様において、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、前記記録部を前記搬送方向とは交差する幅方向に往復させる移動機構と、前記開閉カバーを前記閉状態に維持する維持部と、前記開閉カバーの前記閉状態を解除する解除機構と、を備え、前記解除機構は、前記記録部の前記幅方向の移動に伴って前記開閉カバーの前記閉状態を解除する解除動作を開始可能に構成されていることを特徴とする。

本態様によれば、解除機構は、記録部の幅方向の移動に伴って開閉カバーの閉状態を解除する解除動作を開始可能である。このため、記録を開始することに伴う記録部の幅方向の移動に伴って、自動で解除動作を開始可能であり、ユーザーが開閉カバーを開ける手間を省くことができるとともに、開閉カバーの開け忘れに伴う媒体の損傷を抑制することができる。

本発明の第６の態様の記録装置は、前記第３の態様において、前記閉状態から前記開状態に姿勢を変更する際の前記開閉カバーの開閉速度を調整する開閉速度調整部を備えることを特徴とする。

本態様によれば、閉状態から開状態に姿勢を変更する際の開閉カバーの開閉速度を調整する開閉速度調整部を備える。このため、例えばユーザーが開閉カバーを勢いよく開けすぎて開閉カバーが記録装置の設置面と激しく衝突して該開閉カバーが損傷するなどということを抑制することができる。

本発明の第７の態様の記録装置は、前記第３の態様において、前記開閉カバーが前記開状態にあるか前記閉状態にあるかを検出する開閉センサーを備えることを特徴とする。

本態様によれば、開閉カバーが開状態にあるか閉状態にあるかを検出する開閉センサーを備える。このため、例えば開閉センサーの検出結果を利用することで、開閉カバーが開状態であった際の記録開始前の開閉カバーを開くための動作を省略することができ、記録開始動作を短くすることなどが可能になる。

以下、本発明を具体的に説明する。なお、各図においてＸ軸に沿った方向は装置幅方向であり、媒体の搬送方向と交差する方向、即ち幅方向となる。－Ｘ方向は装置前面をユーザーと対面させた際にユーザーから見て右方向となり、また＋Ｘ方向は同左方向となる。また、Ｙ軸に沿った方向は装置奥行き方向であり、＋Ｙ方向は装置背面から前面に向かう方向である。また、－Ｙ方向は装置前面から背面に向かう方向である。また、Ｚ軸に沿った方向は鉛直方向であり、＋Ｚ方向は鉛直上方、－Ｚ方向は鉛直下方となる。

最初に、本発明の一実施例の記録装置１の外観について図１を参照して説明する。図１で表される本実施例の記録装置１は、例えば６インチ×４インチなどの写真記録用媒体に記録することを目的としたインクジェットプリンターである。ただし、本発明は、写真記録用媒体に記録することを目的としたインクジェットプリンターに限定されない。

図１で表されるように、記録装置１は、本体部２と、本体部２に対して着脱可能な媒体収容部３とを備えている。ここで、媒体収容部３は、本体部２の前面に設けられた開口部２１から本体部２に対して挿入することで本体部２に対して装着可能であり、開口部２１から本体部２に対して引き抜くことで本体部２に対して脱離可能である。すなわち、媒体収容部３の本体部２への装着方向は－Ｙ方向であり、媒体収容部３の本体部２からの脱離方向は＋Ｙ方向である。

次に、記録装置１の内部構成について、媒体の搬送経路の観点から図２を参照して説明する。図２で表されるように、本体部２の前面には開口部２１が設けられ、媒体収容部３は、開口部２１から本体部２に対して－Ｙ方向に挿入することで本体部２に対して装着可能であり、開口部２１から本体部２に対して＋Ｙ方向に引き抜くことで本体部２に対して脱離可能である。

本実施例の記録装置１の要部である媒体収容部３の詳細については後述するが、媒体収容部３は、記録前の媒体である記録前媒体を収容する第１領域３１と、後述する記録部としての吐出ヘッド４により記録が行われた後の記録済み媒体を収容する第２領域３２と、を有する。第１領域３１と第２領域３２とは区画壁３５で区画されている。区画壁３５があることで記録前媒体と記録済み媒体とが混載されることを抑制することができる。また、媒体収容部３は、回動軸３４を基準として本体部２に対して装着された状態で開閉可能な開閉カバー３３を有している。開閉カバー３３は、図２で表されるように開状態とすることで記録済み媒体の＋Ｙ方向側端部を載置可能であり、図１で表されるように閉状態とすることで開口部２１を閉じることが可能に構成されている。

以下に、媒体の搬送経路について説明する。本実施例の記録装置１は、第１領域３１に収容された記録前媒体を吐出ヘッド４と対向する位置まで搬送経路Ｋ１において搬送し、吐出ヘッド４で記録を行った後に記録済み媒体を第２領域３２まで搬送経路Ｋ２において搬送する。本実施例の記録装置１は、媒体収容部３が本体部２に対して装着された状態において第１領域３１と対向する位置に給送ローラー１１を備えている。給送ローラー１１は揺動軸１２ａを中心に揺動する支持部材１２に支持され、支持部材１２の揺動により給送ローラー１１が第１領域３１に収容される記録前媒体に対して進退する。

第１領域３１に収容される記録前媒体は、搬送経路Ｋ１において、給送ローラー１１により回転ローラー１３と対向する位置に送られる。回転ローラー１３の周囲には複数の従動ローラー１４が設けられている。記録前媒体は、回転ローラー１３と従動ローラー１４とにニップされて搬送されることにより、搬送経路Ｋ１において、駆動ローラー１６と従動ローラー１７とで構成される搬送ローラー対１５のニップ位置に送られる。

搬送経路Ｋ１において搬送ローラー対１５のニップ位置に送られた記録前媒体は、吐出ヘッド４と対向する位置で記録が行われる。なお、本実施例の吐出ヘッド４は、Ｘ軸方向に往復移動するキャリッジ５に設けられており、キャリッジ５とともにＸ軸方向に往復移動しながらインクを吐出する所謂シリアル式のインクジェットヘッドである。吐出ヘッド４と対向する位置に送られた記録前媒体は、搬送ローラー対１５による所定量の搬送と吐出ヘッド４のＸ軸方向に往復移動しながらのインク吐出動作とを繰り返すことで記録がなされ、記録済み媒体となる。

吐出ヘッド４により記録がなされた記録済み媒体は、搬送方向における先端側が駆動ローラー１９と従動ローラー２０とで構成される排出ローラー対１８のニップ位置に送られる。そして、記録済み媒体は、搬送経路Ｋ２において、排出ローラー対１８により第２領域３２に排出される。

ここで、本実施例の記録装置１は、媒体の縁まで画像を形成する縁なし記録が可能な記録装置である。そして、吐出ヘッド４と対向する位置６には、記録中の媒体を支持するプラテン６０が設けられている。吐出ヘッド４と対向する位置６は、縁なし記録においてインクがプラテン６０の表面に付着してプラテン６０の表面に付着したインクが媒体に付着して媒体を汚すことがないように、プラテン６０の媒体の縁に対応する部分がプラテン６０の媒体を支持する部分よりも低くなるように構成されている。

以下に、本実施例の記録装置１の要部である媒体収容部３及び該媒体収容部３の開閉カバー３３の開閉機構１００について、図２に加えて図３から図１２を参照して詳細に説明する。上記のように、本実施例の記録装置１は、媒体に記録を行う記録部としての吐出ヘッド４と、吐出ヘッド４が設けられる本体部２と、本体部２に対して着脱可能であって媒体を収容する媒体収容部３と、を備えている。

このうち、本実施例の媒体収容部３は、媒体のうちの吐出ヘッド４により記録が行われる前の記録前媒体を収容する第１領域３１と、媒体のうちの吐出ヘッド４により記録が行われた後の記録済み媒体を収容する第２領域３２と、を有する。本実施例の記録装置１は、このように、媒体収容部３が記録前媒体と記録済み媒体との両方を収容可能な構成とすることで、装置構成を効率化することができている。したがって、装置を重力方向において大型化させることなく媒体の収容可能枚数を多くすることができている。他方では、媒体の収容枚数を増やさなければ、装置高さ方向を低く構成できる作用効果が得られる。

ここで、媒体収容部３は、図１２などで表されるように、第１領域３１と第２領域３２とが区画壁３５で区画され、第１領域３１と第２領域３２とはＺ軸方向に対応する重力方向から見てオーバーラップしない位置に配置されている。また、図２で表される第１領域３１の媒体収容スペースＳ１と第２領域３２の媒体収容スペースＳ２とは、重力方向においてオーバーラップする位置、すなわち、Ｙ軸方向から見てオーバーラップする位置、に配置されている。本実施例の記録装置１は、このような構成とすることで、装置構成を特に効率化することができている。したがって、本実施例の記録装置１は、装置を重力方向において大型化させることなく媒体の収容可能枚数を特に多くすることができている。

また、図２から図５などで表されるように、媒体収容部３は、本体部２に設けられた開口部２１から挿入方向である－Ｙ方向に挿入することで本体部２に対して装着可能である。そして、図４及び図５などで表されるように、本体部２に対して装着された状態で開閉可能な開閉カバー３３を該挿入方向の後端部に有している。ここで、開閉カバー３３は、開状態とすることで媒体の少なくとも一部を載置可能であり、閉状態とすることで開口部２１を閉じることが可能である。このように、開状態とすることで開閉カバー３３が媒体の載置スペースを兼ねる構成とすることで、閉状態としたときの重力方向と交差する方向において装置を小型化することができる。また、このような構成とすることで、閉状態とした際に開口部２１を閉じることが可能なため、開口部２１から塵などの異物が本体部２に侵入することを抑制することができる。

詳細には、媒体収容部３は、挿入方向の先端側である－Ｙ方向側に第１領域３１を有するとともに挿入方向の後端側である＋Ｙ方向側に第２領域３２を有している。そして、開閉カバー３３は、開状態とすることで記録済み媒体の少なくとも一部を載置可能である。このような構成とすることで、ユーザーは、媒体収容部３を本体部２から離脱させることなく記録済み媒体を記録装置１から取り出すことができる。すなわち、このような構成とすることで、ユーザーの作業性を向上することができる。

ここで、媒体収容部３は、図２、図１１及び図１２などで表されるように、いずれも重力方向において上側の面である第１領域３１の表面３１ａ及び第２領域３２の表面３２ａを有し、表面３１ａに記録前媒体を載置可能であって表面３２ａに記録済み媒体を載置可能な構成となっている。表面３１ａには、図１１及び図１２などで表されるように、使用する媒体の幅に合わせてＸ軸方向に沿って移動可能な幅調整部３７ａ及び幅調整部３７ｂが設けられている。また、区画壁３５のうちの移動可能区画壁３５ａは使用する媒体の長さに合わせてＹ軸方向に沿って移動可能である。このような構成の媒体収容部３を備えることにより、本実施例の記録装置１は、複数種類の大きさの媒体に記録することが可能である。

そして、開閉カバー３３を開状態にした際の重力方向において上側の面である表面３３ａに記録済み媒体の少なくとも一部を載置可能である。ここで、図２で表されるように、表面３２ａ及び開閉カバー３３を開状態にした際の表面３３ａは、記録済み媒体の排出方向に対応する＋Ｙ方向に進むにつれて記録済み媒体の載置位置が高くなるように傾斜している。表面３２ａ及び開閉カバー３３を開状態にした際の表面３３ａにこのような傾斜をつけることで、記録済み媒体を排出した際に記録済み媒体が記録装置１から外部に飛び出すことを抑制することができ、また、記録済み媒体の積層ばらつきを抑制することができる。

ここで、図３から図５などで表されるように、開閉カバー３３には表面３３ａに凹部３３ｂが設けられ、本体部２には凹部３３ｂと嵌合する凸部１０５ｂが設けられた嵌合部１０５が設けられている。嵌合部１０５は、開閉カバー３３が閉状態にある際において、回動軸１０６を基準に回動することで凹部３３ｂに対して嵌合可能な位置と凹部３３ｂに対して嵌合しない位置とに移動可能に構成されている。開閉カバー３３が閉状態にある際において凸部１０５ｂが凹部３３ｂに対して嵌合することで閉状態が維持される。すなわち、嵌合部１０５は、開閉カバー３３を閉状態に維持する維持部としての役割をしている。

ここで、嵌合部１０５の回動機構について説明する。上記のように、本実施例の記録装置１は、媒体を搬送経路Ｋ１及び搬送経路Ｋ２において搬送することができる。また、吐出ヘッド４をキャリッジ５とともに媒体の搬送方向とは交差する幅方向（Ｘ軸方向）に往復させて記録動作を実行することができる。ここで、回転ローラー１３、搬送ローラー対１５及び排出ローラー対１８などは媒体の搬送部を構成し、キャリッジ５及び該キャリッジ５を移動させる駆動力を付与する不図示のモーターなどは吐出ヘッド４を幅方向に往復させる移動機構を構成している。

図３から図６などで表されるように、排出ローラー対１８を構成する駆動ローラー１９には、駆動ローラー１９の回転に伴って一定の回動範囲を回動することが可能なレバー１０９と、駆動ローラー１９の回転に伴って回転する歯車１０１とが設けられている。レバー１０９は、駆動ローラー１９の回転に伴って、キャリッジ５の側面５ａに対してＸ軸方向において対向する位置と、キャリッジ５の側面５ａに対してＸ軸方向において対向しない位置と、に回動する。

歯車１０１は、図３などで表されるバネ１０２によって－Ｘ方向側に付勢されているが、レバー１０９が図３から図６で表される位置に配置されキャリッジ５が＋Ｘ方向側に移動することに伴いキャリッジ５の側面５ａにより＋Ｘ方向側に移動すると、レバー１０９の＋Ｘ方向への移動に伴って＋Ｘ方向側に移動する。なお、図３から図６で表される位置へのレバー１０９の配置、すなわち、キャリッジ５の側面５ａに対してＸ軸方向において対向する位置へのレバー１０９の配置は、駆動ローラー１９を媒体の搬送時とは逆回転させることにより行われる。逆に、キャリッジ５の側面５ａに対してＸ軸方向において対向しない位置へのレバー１０９の配置は、駆動ローラー１９を媒体の搬送時と同じ方向に回転させることにより行われる。歯車１０１が＋Ｘ方向側に移動した先の位置には、歯車１０１と嵌合するピニオン１０３があり、歯車１０１の歯１０１ａがピニオン１０３の歯１０３ａと嵌合する。

歯車１０１は、駆動ローラー１９の回転に伴って回転するので、歯車１０１と嵌合したピニオン１０３も駆動ローラー１９の回転に伴って回転する。ここで、図３から図５で表されるように、ピニオン１０３は、該ピニオン１０３の歯１０３ａと嵌合する歯１０４ａが設けられたＹ軸方向に延設されるラック１０４と嵌合している。このため、駆動ローラー１９の回転に伴って歯車１０１を介してピニオン１０３が回転すると、ラック１０４はＹ軸方向に沿って移動する。図３から図５で表されるように、ラック１０４の＋Ｙ方向側の端部１０４ｂは、嵌合部１０５の端部１０５ａと接触可能な位置に配置されている。そして、嵌合部１０５が開閉カバー３３を閉状態に維持している状態においてラック１０４を＋Ｙ方向側に移動させると、嵌合部１０５が回動して凸部１０５ｂの凹部３３ｂに対する嵌合が解除される。

上記についてまとめると、本実施例の記録装置１は、媒体を搬送方向に搬送する搬送ローラー対１５などの搬送部と、吐出ヘッド４を幅方向に往復させるキャリッジ５などの移動機構と、開閉カバー３３を閉状態に維持する維持部としての嵌合部１０５と、開閉カバー３３の閉状態を解除する解除機構としての歯車１０１、ピニオン１０３及びラック１０４などと、を備えている。そして、該解除機構は、吐出ヘッド４の幅方向の移動に伴って開閉カバー３３の閉状態を解除する解除動作を開始可能に構成されている。本実施例の記録装置１は、このような構成となっているため、記録を開始することに伴う吐出ヘッド４の幅方向の移動に伴って、自動で解除動作を開始可能であり、ユーザーが開閉カバー３３を開ける手間を省くことができるとともに、開閉カバー３３の開け忘れに伴う媒体の損傷を抑制することができる。また、解除機構として吐出ヘッド４の移動機構を使用することで、解除機構として専用の動力源を設ける必要性をなくしており、低コスト化が可能になっている。

ここで、本実施例の開閉カバー３３は、閉状態の解除に伴い、自重で閉状態から開状態になる構成である。ただし、開閉カバー３３の回動速度を調整する構成がない場合、閉状態から開状態になる際に、開閉カバー３３が勢いよく記録装置１の設置面に衝突して大きな音を生じる虞や開閉カバー３３が損傷する虞がある。そこで、本実施例の開閉カバー３３は、図１１及び図７などで表されるように、閉状態から開状態になる際の回動速度を調整する開閉速度調整部３６を備えている。

図７で表されるように、開閉速度調整部３６は、第２領域３２に設けられ、開閉カバー３３に接触可能な位置においてＹ軸方向に沿って移動可能な突起部３６ａと、突起部３６ａを開閉カバー３３に向けて＋Ｙ方向に付勢するバネ３６ｂと、を有している。開閉カバー３３は、閉状態から開状態になる際、図７の左上側の図、図７の中央の図、図７の右下側の図、というように状態が変化するが、図７の各々の図で表されるように、開閉カバー３３がどのような状態であっても突起部３６ａは開閉カバー３３に接触し続けている。このため、図７の左上側の図、図７の中央の図、図７の右下側の図、というように状態が変化した際、突起部３６ａと開閉カバー３３との摩擦力により、開閉カバー３３が閉状態から開状態になる際の回動速度が、開閉速度調整部３６が設けられていない構成に比べて遅くなるように調整される。

このように、閉状態から開状態に姿勢を変更する際の開閉カバー３３の開閉速度を調整する開閉速度調整部３６を備えることが好ましい。例えばユーザーが開閉カバー３３を勢いよく開けすぎて開閉カバー３３が記録装置１の設置面と激しく衝突して大きな音を生じることや該開閉カバー３３が損傷するなどということを抑制することができるためである。

また、図８から図１０で表されるように、本実施例の記録装置１は、開閉カバー３３が開状態にあるか閉状態にあるかを検出する開閉センサー１０７を備えている。このため、本実施例の記録装置１は、例えば開閉センサー１０７の検出結果を利用することで、開閉カバー３３が開状態であった際の記録開始前の開閉カバー３３を開くための動作を省略することができ、記録開始動作を短くすることなどが可能になる。

詳細には、図８から図１０で表されるように、本体部２には、開閉カバー３３が閉状態にある場合に先端１０８ａが開閉カバー３３の面３３ｃに接触する移動部１０８を有している。移動部１０８は、バネ１１０により＋Ｙ方向側に付勢されているとともに、Ｙ軸方向に沿って所定範囲移動可能に構成されている。移動部１０８の－Ｙ方向側には押し当て部１０８ｂが設けられており、図９及び図１０を比較するとわかるように、移動部１０８が－Ｙ方向側に移動することに伴い開閉センサー１０７のスイッチ部１０７ａが－Ｚ方向に押される構成となっている。開閉センサー１０７は、スイッチ部１０７ａが－Ｚ方向に押されている場合に開閉カバー３３が閉状態であると判断し、スイッチ部１０７ａが－Ｚ方向に押されていない場合に開閉カバー３３が開状態であると判断する。ただし、開閉カバー３３の開閉状態の検出機構に特に限定はない。

なお、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることは言うまでもない。例えば、開閉カバー３３を備えていない構成であっても良い。このような構成である場合には、媒体収容部３を、筐体の開口から飛び出すように構成することで、記録済み媒体の落下を抑制できるとともに、記録済み媒体の取り出しが容易になる。そして、このような構成とすることで、開閉カバー３３及び該開閉カバー３３を動作させる機構や開閉動作時間を削減できる。

１…記録装置、２…本体部、３…媒体収容部、４…吐出ヘッド（記録部）、５…キャリッジ（移動機構）、６…吐出ヘッド４と対向する位置、８…排出機構、８ａ…第１チューブ、８ｂ…チューブポンプ、８ｃ…第２チューブ、８ｄ…廃液チューブ、９…モーター、１１…給送ローラー、１２…支持部材、１２ａ…揺動軸、１３…回転ローラー（搬送部）、１４…従動ローラー、１５…搬送ローラー対（搬送部）、１６…駆動ローラー、１７…従動ローラー、１８…排出ローラー対（搬送部）、１９…駆動ローラー、２０…従動ローラー、２１…開口部、３１…第１領域、３１ａ…表面、３２…第２領域、３２ａ…表面、３３…開閉カバー、３３ａ…表面、３３ｂ…凹部、３３ｃ…面、３４…回動軸、３５…区画壁、３５ａ…移動可能区画壁、３６…開閉速度調整部、３６ａ…突起部、３６ｂ…バネ、３７ａ…幅調整部、３７ｂ…幅調整部、６０…プラテン、１００…開閉機構、１０１…歯車（解除機構）、１０１ａ…歯、１０２…バネ、１０３…ピニオン（解除機構）、１０３ａ…歯、１０４…ラック（解除機構）、１０４ａ…歯、１０４ｂ…端部、１０５…嵌合部（維持部）、１０５ａ…端部、１０５ｂ…凸部、１０６…回動軸、１０７…開閉センサー、１０７ａ…スイッチ部、１０８…移動部、１０８ａ…先端、１０８ｂ…押し当て部、１０９…レバー、１１０…バネ、Ｋ１…搬送経路、Ｋ２…搬送経路、Ｓ１…媒体収容スペース、Ｓ２…媒体収容スペース

Claims (7)

1. 媒体に記録を行う記録部と、
   前記記録部が設けられる本体部と、
   前記本体部に対して着脱可能であって前記媒体を収容する媒体収容部と、
   を備え、
   前記媒体収容部は、前記媒体のうちの前記記録部により記録が行われる前の記録前媒体を収容する第１領域と、前記媒体のうちの前記記録部により記録が行われた後の記録済み媒体を収容する第２領域と、を有することを特徴とする記録装置。
2. 請求項１に記載の記録装置において、
   前記媒体収容部は、前記第１領域と前記第２領域とを重力方向から見てオーバーラップしない位置に有し、
   前記第１領域の媒体収容スペースと前記第２領域の媒体収容スペースとは、重力方向においてオーバーラップすることを特徴とする記録装置。
3. 請求項１または２に記載の記録装置において、
   前記媒体収容部は、前記本体部に設けられた開口部から挿入方向に挿入することで前記本体部に対して装着されるとともに、前記本体部に対して装着された状態で開閉可能な開閉カバーを前記挿入方向の後端部に有し、
   前記開閉カバーは、開状態とすることで前記媒体の少なくとも一部を載置可能であり、閉状態とすることで前記開口部を閉じることが可能であることを特徴とする記録装置。
4. 請求項３に記載の記録装置において、
   前記媒体収容部は、前記挿入方向の先端側に前記第１領域を有するとともに前記挿入方向の後端側に前記第２領域を有し、
   前記開閉カバーは、前記開状態とすることで前記記録済み媒体の少なくとも一部を載置可能であることを特徴とする記録装置。
5. 請求項３に記載の記録装置において、
   前記媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
   前記記録部を前記搬送方向とは交差する幅方向に往復させる移動機構と、
   前記開閉カバーを前記閉状態に維持する維持部と、
   前記開閉カバーの前記閉状態を解除する解除機構と、
   を備え、
   前記解除機構は、前記記録部の前記幅方向の移動に伴って前記開閉カバーの前記閉状態を解除する解除動作を開始可能に構成されていることを特徴とする記録装置。
6. 請求項３に記載の記録装置において、
   前記閉状態から前記開状態に姿勢を変更する際の前記開閉カバーの開閉速度を調整する開閉速度調整部を備えることを特徴とする記録装置。
7. 請求項３に記載の記録装置において、
   前記開閉カバーが前記開状態にあるか前記閉状態にあるかを検出する開閉センサーを備えることを特徴とする記録装置。

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