JP3862172B2 - 火災報知システム - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、P型受信機と、そのP型受信機に接続される煙感知器とを具備する火災報知システムに関し、特には、P型受信機に接続される煙感知器により過去に感知された煙の濃度が低い場合における発報と、過去に感知された煙の濃度が高い場合における発報とを判別することができる火災報知システムに関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、P型受信機と、そのP型受信機に接続される煙感知器とを具備する火災報知システムが知られている。この種の火災報知システムの例としては、例えば特開2002−288754号公報に記載されたものがある。特開2002−288754号公報に記載された火災報知システムでは、記憶手段に蓄積時間が記憶されていなければ、第1の火災判断が行われ、煙濃度測定値が閾値以上の時には、蓄積時間が算出されて記憶手段に記憶せしめられ、第1の火災信号が出力される。そのため、特開2002−288754号公報に記載された火災報知システムでは、記憶手段に記憶せしめられた蓄積時間を利用して、第2の火災信号を出力すべきかどうかの第2の火災判断をすることができ、非火災時の煙による誤報を防止することができる。
【0004】
煙感知器が接続されるP型受信機に、更に煙以外の受信機を接続することが考えられる。その場合、煙感知器用の蓄積時間と、煙以外の感知器用の蓄積時間とを異ならせることが必要になる。つまり、煙感知器からの発報と煙以外の感知器からの発報とを判別することが必要になる。ところが、従来においては、煙感知器と煙以外の感知器とがR型受信機に接続される場合には、煙感知器からの発報と煙以外の感知器からの発報とを判別することができたものの、煙感知器と煙以外の感知器とがP型受信機に接続される場合には、煙感知器からの発報と煙以外の感知器からの発報とを判別することができなかった。
【0005】
また、従来においては、P型受信機に接続される煙感知器により感知された低濃度の煙に基づく発報と、高濃度の煙に基づく発報とを判別することができなかった。
【0006】
また、従来においては、P型受信機に接続される煙感知器により感知された濃度上昇率の低い煙に基づく発報と、濃度上昇率の高い煙に基づく発報とを判別することができなかった。
【0007】
また、従来においては、P型受信機に接続される煙感知器により過去に感知された煙の濃度が低い場合における発報と、過去に感知された煙の濃度が高い場合における発報とを判別することができなかった。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−288754号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記問題点に鑑み、本発明は、P型受信機に接続される煙感知器により過去に感知された煙の濃度が低い場合における発報と、過去に感知された煙の濃度が高い場合における発報とを判別することができる火災報知システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、P型受信機と、前記P型受信機に接続される煙感知器とを具備する火災報知システムにおいて、前記煙感知器により過去に感知された煙の濃度を記憶するための記憶機能を設け、過去に感知された煙の濃度が低い場合における煙感知器の発報時の電流値と、過去に感知された煙の濃度が高い場合における煙感知器の発報時の電流値とを異ならせたことを特徴とする火災報知システムが提供される。
【0014】
過去に感知された煙の濃度が高い場合における煙感知器からの発報、つまり、通常の煙や埃などの濃度が比較的高い場所に設置されている煙感知器からの発報は、非火災報である可能性が高いため、過去に感知された煙の濃度が低い場合における煙感知器からの発報と、過去に感知された煙の濃度が高い場合における煙感知器からの発報とを判別できることが好ましい点に鑑み、請求項1に記載の火災報知システムでは、過去に感知された煙の濃度が低い場合における煙感知器の発報時の電流値と、過去に感知された煙の濃度が高い場合における煙感知器の発報時の電流値とが異ならされている。そのため、過去に感知された煙の濃度が低い場合における煙感知器からの発報と、過去に感知された煙の濃度が高い場合における煙感知器からの発報とを電流値に基づいて判別することができる。詳細には、火災報知システムを構成する感知器回線に流れる電流の値が、過去に感知された煙の濃度が低い場合における煙感知器の発報時の電流値に相当する時には、今回の発報時に煙の濃度がかなり上昇したと判断される。一方、火災報知システムを構成する感知器回線に流れる電流の値が、過去に感知された煙の濃度が高い場合における煙感知器の発報時の電流値に相当する時には、今回の発報時に煙の濃度があまり上昇していないと判断される。過去に感知された煙の濃度が低い場合における煙感知器からの発報と判断された場合には、危険度が高いので、例えば、蓄積時間が短縮される。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0030】
図1は本発明に関連する発明の火災報知システムの第1例の概略構成図である。図1に示すように、第1例の火災報知システムでは、P型受信機10から例えば4個の感知器回線12a〜12dが引き出されている。感知器回線12a〜12dは、L線とC線とがペアになっている2線式としてそれぞれ構成されている。各感知器回線12a〜12dには、任意数の感知器13が並列接続可能であり、例えば、感知器回線12aには、光電式煙感知器13aと、サーミスタ式熱感知器13bと、差動式感知器13cと、定温式感知器13dとが、並列接続されている。各感知器回線12a〜12dの終端には、終端抵抗14が設けられている。
【0031】
P型受信機10のフロントパネル15には、各種の表示ランプ、操作ボタンなどが配置されている。詳細には、例えば、火災発生時に点灯する火災代表灯16、火災発生場所を表示する地区表示部17、操作部18、及び音響出力部19が設けられており、小扉20の内側には、保守点検用の操作表示部21が設けられている。
【0032】
図2は図1に示したP型受信機および感知器の電気的構成図である。図2に示すように、P型受信機10には、受信制御部22及び回線選択部23を備えた中央制御部24、フロントパネル15、移報出力部25、メモリ26、n個(第1の実施形態では4個)の電流検出部27−1〜27−nが設けられている。
【0033】
移報出力部25は、感知器回線12a〜12dの感知器13によって火災が感知された時に、接点、電圧若しくは電流の変化により、例えば副表示盤(図示せず)などのような外部機器に対してその情報(「移報」という)を出力する。メモリ26は、中央制御部24の動作ソフトを格納するマスクロム、フラッシュロムなどである。メモリ26に動作履歴、出荷時の品質管理情報を書き込むことも可能である。
【0034】
電流検出部27−1〜27−nは、中央制御部24によって所定時間毎にそれぞれが動作せしめられ、それぞれに接続された感知器回線12a〜12dのL線とC線との間に流れる電流値を検出する。
【0035】
すなわち、例えば、電流検出部27−1が動作せしめられている時には、電流検出部27−1は感知器回線12aのL線とC線との間に流れる電流値を検出し、例えば、電流検出部27−2が動作せしめられている時には、電流検出部27−2は感知器回線12bのL線とC線との間に流れる電流値を検出する。
【0036】
中央制御部24は、フロントパネル15及び移報出力部25の動作を制御する。また、中央制御部24は、火災発報の検出制御および電流検出部27−1〜27−nを動作せしめるタイミングの制御を行う。
【0037】
詳細には、受信制御部22は、電流検出部27−1〜27−nにより検出された電流値に基づいて火災の発報を検出する。回線選択部23は、電流検出部27−1〜27−nを動作せしめるタイミングの制御を行う。
【0038】
図3は中央制御部および電流検出部の回路構成図である。電流検出部27−1〜27−nはすべて同様に構成されているため、図3には、電流検出部27−1のみを詳細に図示してある。
【0039】
図3に示すように、電流検出部27−1は、電流検出回路30とスイッチング回路31とを備えている。L1端子には、感知器回線12aのL線が接続され、C1端子には、感知器回線12aのC線が接続される。C1端子は、例えば接地電位のような共通電位に接続される。電流検出回路30は、L1端子とC1端子との間に流れる電流値に比例した電流値を検出する。スイッチング回路31は、電流検出回路30により検出された電流値を所定のタイミングで計測信号として中央制御部24に出力する。
【0040】
第1例では、電流検出回路30は、例えば、4個の抵抗素子30a〜30d、オペアンプ30e、及びトランジスタ30fを有する。詳細には、例えば、L1端子と+24V電源との間に抵抗素子30a及び30bが直列挿入され、抵抗素子30aと抵抗素子30bとの接続点がオペアンプ30eの非反転入力部(+入力部)に接続され、+24V電源が抵抗素子30cを介してオペアンプ30eの反転入力部(−入力部)に接続される。更に、オペアンプ30eの出力部が抵抗素子30dを介してトランジスタ30fのベースに接続され、オペアンプ30eの反転入力部(−入力部)がトランジスタ30fのコレクタに接続される。
【0041】
また、第1例では、スイッチング回路31は、例えば、3個の抵抗素子31a〜31c及び2個のトランジスタ31d,31eを有する。詳細には、例えば、トランジスタ31dのコレクタ−ベース間に抵抗素子31aが接続され、トランジスタ30dのエミッタがトランジスタ31dのコレクタに接続され、トランジスタ31dのベースが抵抗素子31bを介してトランジスタ31eのコレクタに接続される。また、トランジスタ31dのコレクタが中央制御部24の負荷抵抗22aを介して共通電位に接続され、トランジスタ31eのエミッタが共通電位に接続される。更に、トランジスタ31eのベースには、中央制御部24からの信号T1が印加される。
【0042】
図3において、T2は中央制御部24から電流検出部27−2に印加される信号、Tnは中央制御部24から電流検出部27−nに印加される信号、SIは負荷抵抗22aの両端から取り出される電流−電圧変換信号である。
【0043】
図4は電流検出部27−1〜27−nを切り換えて動作せしめる制御を説明する図である。図4において、多接点スイッチ32は、図3に示したスイッチング回路31を電流検出部27−1〜27−nについてすべてまとめたものを示している。この多接点スイッチ32は、所定のタイミングで接点を順次閉じていく。その結果、所定のタイミングで感知器回線L1〜Ln(27−1〜27−n)ごとの信号SIが取り出される。
【0044】
第1例では、例えば図1に示した光電式煙感知器13aのような煙感知器の発報時に電流検出部27−1〜27−nにおいて検出される電流値と、例えば図1に示したサーミスタ式熱感知器13b、差動式感知器13c、定温式感知器13dのような煙以外の感知器の発報時に電流検出部27−1〜27−nにおいて検出される電流値とが異なるように、各感知器が設定されている。詳細には、例えば図1に示した光電式煙感知器13aのような煙感知器の発報時に電流検出部27−1〜27−nにおいて検出される電流値は、例えば16mAに設定されている。また、例えば図1に示したサーミスタ式熱感知器13b、差動式感知器13c、定温式感知器13dのような煙以外の感知器の発報時に電流検出部27−1〜27−nにおいて検出される電流値は、例えば35mAに設定されている。
【0045】
また、第1例では、電流検出部27−1〜27−nに3つの閾値が設定されている。詳細には、例えば3mAのような第1閾値と、例えば15mAのような第2閾値と、例えば30mAのような第3閾値とが設定されている。更に詳細には、電流検出部27−1において検出される電流値が第1閾値未満の時には、電流検出部27−1に接続されている感知器回線12aが断線していると判断される。また、電流検出部27−1において検出される電流値が第2閾値以上第3閾値未満の時には、電流検出部27−1に接続されている煙感知器13aからの発報があったと判断される。また、電流検出部27−1において検出される電流値が第3閾値以上の時には、電流検出部27−1に接続されている煙以外の感知器13b、13c、13dからの発報があったと判断される。
【0046】
更に、第1例では、煙以外の感知器13b、13c、13dからの発報があったと判断された時に、例えば15秒のような比較的短い蓄積時間が設定される。また、煙感知器13aからの発報があったと判断された時には、例えば50秒のような比較的長い蓄積時間が設定される。つまり、例えば15秒のような比較的短い蓄積時間から例えば50秒のような比較的長い蓄積時間に蓄積時間が延長される。また、最初に、煙感知器13aからの発報があったと判断され、次いで、煙以外の感知器13b、13c、13dからの発報があったと判断される場合には、まず、煙感知器13aからの発報があったと判断された時に、例えば50秒のような比較的長い蓄積時間が設定され、次いで、煙以外の感知器13b、13c、13dからの発報があったと判断された場合には、その後火災表示が行われる。
【0047】
図5は第1例の煙以外の感知器の発報時を説明するための図である。詳細には、図5(A)は電流検出部27−1において検出される電流値と時間との関係を示した図であり、図5(B)はP型受信機10により感知器回線12aに復旧がかけられるタイミングを示した図であり、図5(C)は発報信号を示した図である。
【0048】
図5に示すように、時刻t0に、第3閾値30mA以上の電流値が検出されると、煙以外の感知器13b、13c、13dのいずれかから発報があったと判断され、つまり、煙以外の感知器13b、13c、13dのいずれかにより火災が感知されたと判断され、例えば15秒のような比較的短い蓄積時間t3が設定される。規格上、P型1級受信機では、5秒を越え60秒以内と蓄積時間の規格が定められており、5<t3≦60を満足するt3が定められる。受信機には蓄積中の表示がされる。そして、初めに火災を感知した後、時刻t1にその発報が誤報であったか否かを確認するための復旧がかけられる。次いで、蓄積時間t3に、電流検出部27−1において検出される電流値に変化があるかないかを監視する。即ち、図5に示す例では、時刻t2に電流検出部27−1において、再度、電流値が第3閾値30mA以上の値を示したため、その発報が誤報ではなく、現実に火災が発生したと、蓄積時間内の時刻t2に判断される。
【0049】
図6は第1例の煙感知器の発報時を説明するための図である。詳細には、図6(A)は電流検出部27−1において検出される電流値と時間との関係を示した図であり、図6(B)はP型受信機10により感知器回線12aに復旧がかけられるタイミングを示した図であり、図6(C)は火災表示を示した図である。
【0050】
図6に示すように、時刻t0に、第2閾値15mA以上第3閾値30mA未満の電流値が検出されると、煙感知器13aから発報があったと判断され、つまり、煙感知器13aにより火災が感知されたと判断され、例えば50秒のような比較的長い蓄積時間(t14)が設定される。つまり、図5に示した比較的短い蓄積時間(t3)から比較的長い蓄積時間(5<t3<t14≦60を満たすt14)まで蓄積時間が延長される。次いで、蓄積時間内の時刻t11,t12に、その発報が誤報であったか否かを確認するための復旧がかけられる。しかし、時刻t11、t12のそれぞれの復旧後の時刻t111,t112において、再び16mAの電流値が検出されても、受信機は火災表示を行わない。即ち、本発明に関連する発明では、熱感知器が発報した場合と、煙感知器が発報した場合では、電流検出部27−1に流れる電流値が異なるため、その検出された電流値から煙感知器と煙感知器以外の発報とを区別する。そして、1つの煙感知器からの発報が継続している時は、蓄積時間を有効に利用するため、t111,t112では火災断定はしない。しかし、蓄積時間t14内の最後の復旧が時刻t13で行われた後、再び電流検出部27−1において検出された電流値が第2閾値15mA以上第3閾値30mA未満の値であった時は、その発報が誤報ではなく、現実に火災が発生したとみなし、t113の時点で火災表示する。なお、時刻t13での最後の復旧とは、前述の蓄積時間の検定企画を満たす範囲内で自由に設定して良い。
【0051】
図7は第1例の煙感知器および煙以外の感知器からの発報を説明するための図である。詳細には、図7(A)は電流検出部27−1において検出される電流値と時間との関係を示した図であり、図7(B)はP型受信機10により感知器回線12aに復旧がかけられるタイミングを示した図であり、図7(C)は火災表示を示した図である。
【0052】
図7に示すように、時間t0に、第2閾値15mA以上第3閾値30mA未満の電流値が検出されると、煙感知器13aから発報があったと判断され、つまり、煙感知器13aにより火災が感知されたと判断され、図7中には図示しない例えば50秒のような比較的長い蓄積時間(図6と同じく時刻t14)が設定される。つまり、比較的短い蓄積時間(図5の時間t3)から比較的長い蓄積時間(図6のt14)に蓄積時間が延長される。次いで、蓄積時間内の時刻t21に、その発報が誤報であったか否かを確認するための復旧がかけられる。しかし、上述と同様に、時刻t21の復旧後時刻t221において再び16mAの電流値が検出されているが、受信機は火災断定しない。しかし、時間t23に、第3閾値30mA以上の電流値が検出されると、煙感知器13aの他に、煙以外の感知器13b、13c、13dからも発報があったと判断され、つまり、現実に火災が発生した可能性が高いと判断される。図7に示す例では、時間t23に電流検出部27−1において検出された電流値が第3閾値30mA以上の値であるため、その発報が誤報ではなく、現実に火災が発生したとみなし、火災表示が行われる。
【0053】
上述したように、第1例によれば、P型受信機10に接続される煙感知器13aの発報時の電流値16mA(図6)と、P型受信機10に接続される煙以外の感知器13b,13c,13dの発報時の電流値35mA(図5)とが異ならされている。そのため、煙感知器13aからの発報と煙以外の感知器13b,13c,13dからの発報とを電流値に基づいて判別することができる。
【0054】
また、第1例によれば、煙感知器13aからの発報があったと判断された時に蓄積時間が延長される。つまり、煙感知器13aからの発報があったと判断された時に設定される蓄積時間(図6のt14)は、煙以外の感知器13b,13c,13dからの発報があったと判断された時に設定される蓄積時間(図5のt3)よりも長くされる。そのため、蓄積時間が延長されない場合よりも正確に、一過性の発報要因による煙感知器の非火災報を防止することができる。
【0055】
また、第1例によれば、煙感知器13aからの発報があったと判断され、蓄積時間が延長されていても、次いで煙以外の感知器13b,13c,13dからの発報があったと判断された場合は、その後火災表示が行われる。そのため、非火災時の煙による誤報に基づいて火災であると誤って断定してしまうおそれを低減しつつ、煙以外の感知器からの発報に基づいて火災であると早期に正確に断定することができる。なお、その後とは、蓄積時間中に第3閾値を越えた直後でも良いし、又は、前述の蓄積時間の検定規格等を満足する範囲であれば、この煙感知器以外の発報に基づいて比較的短い蓄積時間を再度設定して、その蓄積時間内に第3閾値を再度越えた場合に、火災表示をしても良いことを示す。また、後述する例においても同様である。
【0056】
以下、本発明に関連する発明の火災報知システムの第2例について説明する。図8は本発明に関連する発明の火災報知システムの第2例の概略構成図である。図8において、100はP型受信機、101,102,103は煙感知器、104,105,106は煙以外の感知器である。110は煙感知器102に対して並列に接続された表示灯回路、111は煙以外の感知器105に対して並列に接続された表示灯回路、112は煙感知器103に対して並列に接続された移報回路、113は煙以外の感知器106に対して並列に接続された移報回路である。
【0057】
図1に示した第1例では、一つの感知器回線12aに煙感知器13aが一つのみ設けられているが、図8に示す第2例では、一つの感知器回線に複数の煙感知器101,102,103が設けられている。
【0058】
第2例においても、上述した第1例とほぼ同様に、煙感知器101,102,103の発報時に電流検出部(図示せず)において検出される電流値と、煙以外の感知器104,105,106の発報時に電流検出部において検出される電流値とが異なるように、各感知器101,102,103,104,105,106が設定されている。詳細には、煙感知器101,102,103のそれぞれの発報時に電流検出部において検出される電流値は、例えば16mAに設定されている。また、煙以外の感知器104,105,106のそれぞれの発報時に電流検出部において検出される電流値は、例えば35mAに設定されている。
【0059】
また、第2例においても、上述した第1例とほぼ同様に、電流検出部に3つの閾値が設定されている。詳細には、例えば3mAのような第1閾値と、例えば15mAのような第2閾値と、例えば30mAのような第3閾値とが設定されている。更に詳細には、電流検出部において検出される電流値が第1閾値未満の時には、P型受信機100に接続されている感知器回線が断線していると判断される。また、電流検出部において検出される電流値が第2閾値以上第3閾値未満の時には、煙感知器101,102,103のいずれかから発報があったと判断される。第2例では、上述した第1例とは異なり、電流検出部において検出される電流値が第3閾値以上の時には、煙以外の感知器104,105,106からの発報があったか、あるいは、複数の煙感知器101,102,103からの発報があったと判断される。
【0060】
更に、第2例では、表示灯回路110,111のそれぞれの作動時に表示灯回路110,111のそれぞれを流れる電流値は、例えば10mAに設定されている。また、移報回路112,113のそれぞれの作動時に移報回路112,113のそれぞれを流れる電流値は、例えば12mAに設定されている。
【0061】
詳細には、煙感知器101,102,103の発報時の電流値16mAと表示灯回路110,111の作動時の電流値10mAとの合計値26mAが、煙以外の感知器104,105,106の発報時の電流値35mA、詳細には、第3閾値30mAよりも小さくなるように、表示灯回路110,111の作動時の電流値10mAが設定されている。また、煙感知器101,102,103の発報時の電流値16mAと移報回路112,113の作動時の電流値12mAとの合計値28mAが、煙以外の感知器104,105,106の発報時の電流値35mA、詳細には、第3閾値30mAよりも小さくなるように、移報回路112,113の作動時の電流値12mAが設定されている。
【0062】
なお、1つの煙感知器と、煙感知器以外の感知器が発報した場合は、第1例で説明しているので、第2例では、2つの煙感知器が発報した場合の動作を中心に説明する。図9は第2例の複数の煙感知器からの発報を説明するための図である。詳細には、図9(A)は電流検出部において検出される電流値と時間との関係を示した図であり、図9(B)はP型受信機100により感知器回線に復旧がかけられるタイミングを示した図であり、図9(C)は火災表示を示した図である。
【0063】
図9に示すように、第2例では、時間t0に、第2閾値15mA以上第3閾値30mA未満の電流値が検出されると、煙感知器101,102,103のいずれかから発報があったと判断され、つまり、煙感知器101,102,103のいずれかにより火災が感知されたと判断され、例えば50秒のような比較的長い蓄積時間(図6の時間t14に相当する時間)が設定される。次いで、蓄積時間内の時間t31に、その発報が誤報であったか否かを確認するための復旧がかけられる。その後、時刻t331で再び電流検出回路が16mAを検出するが、火災発報は行われない。即ち、煙感知器の発報は一過性の発報要因によって動作している可能性があり、非火災報を低減させる目的で蓄積時間を延ばし、火災判定を後に遅らせる。次いで、時間t32に再度復旧をかけ、L−C間の電流を時刻t332で確認するが、この場合も、検出される電流が16mAであれば火災発報は行われない。ただし、t33において第3閾値30mA以上の電流値が検出されると、上述した煙感知器(煙感知器101,102,103のいずれか)の他に、他の煙感知器(煙感知器101,102,103の残りのいずれか)から発報があったと判断され、つまり、現実に火災が発生した可能性が高いと判断し、その後火災表示を行う。
【0064】
第2例によれば、上述したように第1例とほぼ同様に構成されているため、第1例とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0065】
よって、第2例によれば、第1の煙感知器(煙感知器101,102,103のいずれか)からの発報があったと判断された時に延長された蓄積時間内に、次いで、第2の煙感知器(煙感知器101,102,103の残りのいずれか)から発報があった場合には、その後火災表示を行うことができる。そのため、非火災時の煙による誤報に基づいて火災であると誤って断定してしまうおそれを低減しつつ、複数の煙感知器からの発報、あるいは、煙感知器と煙以外の感知器とからの発報に基づいて火災であると早期に正確に断定することができる。
【0066】
また、第2例によれば、上述したように、煙感知器101,102,103の発報時の電流値16mAと外部機器としての表示灯回路110,111の作動時の電流値10mAとの合計値26mAが、煙以外の感知器104,105,106の発報時の電流値35mA、詳細には、第3閾値30mAよりも小さくなるように、表示灯回路110,111の作動時の電流値10mAが設定されている。また、煙感知器101,102,103の発報時の電流値16mAと外部機器としての移報回路112,113の作動時の電流値12mAとの合計値28mAが、煙以外の感知器104,105,106の発報時の電流値35mA、詳細には、第3閾値30mAよりも小さくなるように、移報回路112,113の作動時の電流値12mAが設定されている。そのため、外部機器としての表示灯回路110,111及び移報回路112,113の作動は火災断定に何ら影響を及ぼすものではなく、常に、煙感知器101,102,103からの発報と煙以外の感知器104,105,106からの発報とを判別することができる。
【0067】
以下、本発明に関連する発明の火災報知システムの第3例について説明する。図10は本発明に関連する発明の火災報知システムの第3例の概略構成図である。図10において、200はP型受信機、201,202,203は煙感知器である。210は煙感知器202に対して並列に接続された表示灯回路、212は煙感知器203に対して並列に接続された移報回路である。
【0068】
第3例では、低濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203の発報時に、電流検出部(図示せず)において検出される電流値と、高濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203の発報時に、電流検出部において検出される電流値とが異なるように、煙感知器201,202,203の発報時の電流値が設定されている。詳細には、低濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203のいずれかの発報時に、電流検出部において検出される電流値は、例えば16mAに設定されている。また、高濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203のいずれかの発報時に、電流検出部において検出される電流値は、例えば35mAに設定されている。
【0069】
また、第3例においても、上述した第1例とほぼ同様に、電流検出部に3つの閾値が設定されている。詳細には、例えば3mAのような第1閾値と、例えば15mAのような第2閾値と、例えば30mAのような第3閾値とが設定されている。更に詳細には、電流検出部において検出される電流値が第1閾値未満の時には、P型受信機200に接続されている感知器回線が断線していると判断される。第1例とは異なり、第3例では、電流検出部において検出される電流値が第2閾値以上第3閾値未満の時には、煙感知器201,202,203のいずれかにより低濃度の煙が感知されたと判断される。また、電流検出部において検出される電流値が第3閾値以上の時には、煙感知器201,202,203により高濃度の煙が感知されたか、あるいは、複数の煙感知器201,202,203により低濃度の煙が感知されたと判断される。
【0070】
第3例では、表示灯回路210の作動時に表示灯回路210を流れる電流値は、例えば10mAに設定されている。また、移報回路212の作動時に移報回路212を流れる電流値は、例えば12mAに設定されている。
【0071】
詳細には、低濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203の発報時の電流値16mAと表示灯回路210の作動時の電流値10mAとの合計値26mAが、高濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203の発報時の電流値35mA、詳細には、第3閾値30mAよりも小さくなるように、表示灯回路210の作動時の電流値10mAが設定されている。また、低濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203の発報時の電流値16mAと移報回路212の作動時の電流値12mAとの合計値28mAが、高濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203の発報時の電流値35mA、詳細には、第3閾値30mAよりも小さくなるように、移報回路212の作動時の電流値12mAが設定されている。
【0072】
第3例では、高濃度の煙が煙感知器201,202,203のいずれかにより感知されたと判断された時に、比較的短い蓄積時間が設定される。また、低濃度の煙が煙感知器201,202,203のいずれかにより感知されたと判断された時に、比較的長い蓄積時間が設定される。つまり、比較的短い蓄積時間から比較的長い蓄積時間に蓄積時間が延長される。また、最初に、煙感知器(煙感知器201,202,203のいずれか)により低濃度の煙が感知されたと判断され、次いで、煙感知器201,202,203により高濃度の煙が感知されたか、あるいは、他の煙感知器(煙感知器201,202,203の残りのいずれか)により低濃度の煙が感知されたと判断される場合には、まず、煙感知器(煙感知器201,202,203のいずれか)により低濃度の煙が感知されたと判断された時に、比較的長い蓄積時間が設定され、次いで、煙感知器201,202,203により高濃度の煙が感知されたか、あるいは、他の煙感知器(煙感知器201,202,203の残りのいずれか)により低濃度の煙が感知されたと判断された場合、その後火災表示を行う。
【0073】
第3例によれば、上述したように、低濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203の発報時の電流値16mAと、高濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203の発報時の電流値35mAとが異ならされている。そのため、低濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203からの発報と、高濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203からの発報とを電流値に基づいて判別することができ、つまり、低濃度の煙による誤報に基づいて火災であると誤って断定してしまうおそれを低減しつつ、高濃度の煙が感知された発報、あるいは、低濃度の煙が複数の煙感知器に感知された発報に基づいて火災であると早期に正確に断定することができる。
【0074】
また、第3例によれば、上述したように、低濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203の発報時の電流値16mAと外部機器としての表示灯回路210の作動時の電流値10mAとの合計値26mAが、高濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203の発報時の電流値35mA、詳細には、第3閾値30mAよりも小さくなるように、設定され、また、外部機器としての移報回路212の作動時の電流値12mAとの合計値28mAが、高濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203の発報時の電流値35mA、詳細には、第3閾値30mAよりも小さくなるように、移報回路212の作動時の電流値12mAが設定されるので、外部機器としての表示灯回路210及び移報回路212の作動時期にかかわらず、常に、低濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203からの発報と高濃度の煙が感知された場合における煙感知器201,202,203からの発報とを判別することができる。
【0075】
以下、本発明に関連する発明の火災報知システムの第4例について説明する。図11は本発明に関連する発明の火災報知システムの第4例の概略構成図である。図11において、300はP型受信機、301,302,303は煙感知器である。310は煙感知器302に対して並列に接続された表示灯回路、312は煙感知器303に対して並列に接続された移報回路である。
【0076】
第4例では、濃度上昇率の低い煙が感知された場合における煙感知器301,302,303の発報時に、電流検出部(図示せず)において検出される電流値と、濃度上昇率の高い煙が感知された場合における煙感知器301,302,303の発報時に、電流検出部において検出される電流値とが異なるように、煙感知器301,302,303の発報時の電流値が設定されている。詳細には、濃度上昇率の低い煙が感知された場合における煙感知器301,302,303のいずれかの発報時に、電流検出部において検出される電流値は、例えば16mAに設定されている。また、濃度上昇率の高い煙が感知された場合における煙感知器301,302,303のいずれかの発報時に、電流検出部において検出される電流値は、例えば35mAに設定されている。
【0077】
また、第4例においても、上述した第1例とほぼ同様に、電流検出部に3つの閾値が設定されている。詳細には、例えば3mAのような第1閾値と、例えば15mAのような第2閾値と、例えば30mAのような第3閾値とが設定されている。更に詳細には、電流検出部において検出される電流値が第1閾値未満の時には、P型受信機300に接続されている感知器回線が断線していると判断される。第1例とは異なり、第4例では、電流検出部において検出される電流値が第2閾値以上第3閾値未満の時には、煙感知器301,302,303のいずれかにより濃度上昇率の低い煙が感知されたと判断される。また、電流検出部において検出される電流値が第3閾値以上の時には、煙感知器301,302,303により濃度上昇率の高い煙が感知されたか、あるいは、複数の煙感知器301,302,303により濃度上昇率の低い煙が感知されたと判断される。
【0078】
第4例では、表示灯回路310の作動時に表示灯回路310に流れる電流値は、例えば10mAに設定されている。また、移報回路312の作動時に移報回路312に流れる電流値は、例えば12mAに設定されている。
【0079】
詳細には、濃度上昇率の低い煙が感知された場合における煙感知器301,302,303の発報時の電流値16mAと表示灯回路310の作動時の電流値10mAとの合計値26mAが、濃度上昇率の高い煙が感知された場合における煙感知器301,302,303の発報時の電流値35mA、詳細には、第3閾値30mAよりも小さくなるように、表示灯回路310の作動時の電流値10mAが設定されている。また、濃度上昇率の低い煙が感知された場合における煙感知器301,302,303の発報時の電流値16mAと移報回路312の作動時の電流値12mAとの合計値28mAが、濃度上昇率の高い煙が感知された場合における煙感知器301,302,303の発報時の電流値35mA、詳細には、第3閾値30mAよりも小さくなるように、移報回路312の作動時の電流値12mAが設定されている。
【0080】
第4例では、濃度上昇率の高い煙が煙感知器301,302,303のいずれかにより感知されたと判断された時に、比較的短い蓄積時間が設定される。また、濃度上昇率の低い煙が煙感知器301,302,303のいずれかにより感知されたと判断された時に、比較的長い蓄積時間が設定される。つまり、比較的短い蓄積時間から比較的長い蓄積時間に蓄積時間が延長される。また、最初に、煙感知器(煙感知器301,302,303のいずれか)により濃度上昇率の低い煙が感知されたと判断され、次いで、煙感知器301,302,303により濃度上昇率の高い煙が感知されたか、あるいは、他の煙感知器(煙感知器301,302,303の残りのいずれか)により濃度上昇率の低い煙が感知されたと判断される場合には、まず、煙感知器(煙感知器301,302,303のいずれか)により濃度上昇率の低い煙が感知されたと判断された時に、比較的長い蓄積時間が設定され、次いで、煙感知器301,302,303により濃度上昇率の高い煙が感知されたか、あるいは、他の煙感知器(煙感知器301,302,303の残りのいずれか)により濃度上昇率の低い煙が感知されたと判断された場合、その後火災表示を行う。
【0081】
第4例によれば、上述したように、濃度上昇率の低い煙が感知された場合における煙感知器301,302,303の発報時の電流値16mAと、濃度上昇率の高い煙が感知された場合における煙感知器301,302,303の発報時の電流値35mAとが異ならされている。そのため、濃度上昇率の低い煙が感知された場合における煙感知器301,302,303からの発報と、濃度上昇率の高い煙が感知された場合における煙感知器301,302,303からの発報とを電流値に基づいて判別することができる。つまり、濃度上昇率の低い煙による誤報に基づいて火災であると誤って断定してしまうおそれを低減しつつ、濃度上昇率の高い煙が感知された発報、あるいは、濃度上昇率の低い煙が複数の煙感知器に感知された発報に基づいて火災であると早期に正確に断定することができる。
【0082】
また、第4例によれば、上述したように、濃度上昇率の低い煙が感知された場合における煙感知器301,302,303の発報時の電流値16mAと外部機器としての表示灯回路310の作動時の電流値10mAとの合計値26mAが、第3閾値30mAよりも小さくなるように設定され、また、外部機器としての移報回路312の作動時の電流値12mAとの合計値28mAが、第3閾値30mAよりも小さくなるように、移報回路312の作動時の電流値12mAが設定されるので、外部機器としての表示灯回路310及び移報回路312の作動時期にかかわらず、常に、濃度上昇率の低い煙が感知された場合における煙感知器301,302,303からの発報と、濃度上昇率の高い煙が感知された場合における煙感知器301,302,303からの発報とを判別することができる。
【0083】
以下、本発明の火災報知システムの第1の実施形態について説明する。図12は本発明の火災報知システムの第1の実施形態の概略構成図である。図12において、400はP型受信機、401,402,403は煙感知器である。410は煙感知器402に対して並列に接続された表示灯回路、412は煙感知器403に対して並列に接続された移報回路である。第1の実施形態では、過去に感知された煙の濃度を記憶するための記憶機能が各煙感知器401,402,403に設けられている。
【0084】
第1の実施形態では、過去に感知された煙の濃度が高い場合における煙感知器401,402,403の発報時に、電流検出部(図示せず)において検出される電流値と、過去に感知された煙の濃度が低い場合における煙感知器401,402,403の発報時に、電流検出部において検出される電流値とが異なるように、煙感知器401,402,403の発報時の電流値が設定されている。詳細には、過去に感知された煙の濃度が高い場合における煙感知器401,402,403のいずれかの発報時に、電流検出部において検出される電流値は、例えば16mAに設定されている。また、過去に感知された煙の濃度が低い場合における煙感知器401,402,403のいずれかの発報時に、電流検出部において検出される電流値は、例えば35mAに設定されている。なお、過去に感知された煙の濃度が高い場所とは、粉塵などが比較的多く発生するような場所を想定しており、他方、過去に感知された煙の濃度が低い場所とは、クリーンルームなどの煙感知器の誤報要因の発生が少ない場所を想定している。
【0085】
また、第1の実施形態においても、上述した第1例とほぼ同様に、電流検出部に3つの閾値が設定されている。詳細には、例えば3mAのような第1閾値と、例えば15mAのような第2閾値と、例えば30mAのような第3閾値とが設定されている。更に詳細には、電流検出部において検出される電流値が第1閾値未満の時には、P型受信機400に接続されている感知器回線が断線していると判断される。第1例とは異なり、第1の実施形態では、電流検出部において検出される電流値が第2閾値以上第3閾値未満の時には、過去に感知された煙の濃度が高い煙感知器401,402,403のいずれかにより煙が感知されたと判断される。また、電流検出部において検出される電流値が第3閾値以上の時には、過去に感知された煙の濃度が低い煙感知器401,402,403により煙が感知されたか、あるいは、過去に感知された煙の濃度が高い複数の煙感知器401,402,403により煙が感知されたと判断される。
【0086】
第1の実施形態では、表示灯回路410の作動時に表示灯回路410に流れる電流値は、例えば10mAに設定されている。また、移報回路412の作動時に移報回路412に流れる電流値は、例えば12mAに設定されている。
【0087】
詳細には、過去に感知された煙の濃度が高い場合における煙感知器401,402,403の発報時の電流値16mAと表示灯回路410の作動時の電流値10mAとの合計値26mAが、過去に感知された煙の濃度が低い場合における煙感知器401,402,403の発報時の電流値35mA、詳細には、第3閾値30mAよりも小さくなるように、表示灯回路410の作動時の電流値10mAが設定されている。また、過去に感知された煙の濃度が高い場合における煙感知器401,402,403の発報時の電流値16mAと移報回路412の作動時の電流値12mAとの合計値28mAが、過去に感知された煙の濃度が低い場合における煙感知器401,402,403の発報時の電流値35mA、詳細には、第3閾値30mAよりも小さくなるように、移報回路412の作動時の電流値12mAが設定されている。
【0088】
第1の実施形態では、過去に感知された煙の濃度が低い煙感知器401,402,403のいずれかにより煙が感知されたと判断された時に、比較的短い蓄積時間が設定される。また、過去に感知された煙の濃度が高い煙感知器401,402,403のいずれかにより煙が感知されたと判断された時に、比較的長い蓄積時間が設定される。つまり、比較的短い蓄積時間から比較的長い蓄積時間に蓄積時間が延長される。また、最初に、過去に感知された煙の濃度が高い煙感知器(煙感知器401,402,403のいずれか)により煙が感知されたと判断され、次いで、過去に感知された煙の濃度が低い煙感知器401,402,403により煙が感知されたか、あるいは、過去に感知された煙の濃度が高い他の煙感知器(煙感知器401,402,403の残りのいずれか)により煙が感知されたと判断される場合には、まず、過去に感知された煙の濃度が高い煙感知器(煙感知器401,402,403のいずれか)により煙が感知されたと判断された時に、比較的長い蓄積時間が設定され、次いで、過去に感知された煙の濃度が低い煙感知器401,402,403により煙が感知されたか、あるいは、過去に感知された煙の濃度が高い他の煙感知器(煙感知器401,402,403の残りのいずれか)により煙が感知されたと判断された場合、その後火災表示を行う。
【0089】
第1の実施形態によれば、上述したように、過去に感知された煙の濃度が高い煙感知器401,402,403の発報時の電流値16mAと、過去に感知された煙の濃度が低い煙感知器401,402,403の発報時の電流値35mAとが異ならされている。そのため、過去に感知された煙の濃度が高い煙感知器401,402,403からの発報と、過去に感知された煙の濃度が低い煙感知器401,402,403からの発報とを電流値に基づいて判別することができる。つまり、過去に感知された煙の濃度が高い煙感知器により煙が感知された時の誤報に基づいて火災であると誤って断定してしまうおそれを低減しつつ、過去に感知された煙の濃度が低い煙感知器により煙が感知された時の発報、あるいは、過去に感知された煙の濃度が高い複数の煙感知器により煙が感知された時の発報に基づいて火災であると早期に正確に断定することができる。
【0090】
また、第1の実施形態によれば、上述したように、過去に感知された煙の濃度が高い煙感知器401,402,403の発報時の電流値16mAと外部機器としての表示灯回路410の作動時の電流値10mAとの合計値26mAが、過去に感知された煙の濃度が低い煙感知器401,402,403の発報時の電流値35mA、詳細には、第3閾値30mAよりも小さくなるように、表示灯回路410の作動時の電流値10mAが設定され、また、外部機器としての移報回路412の作動時の電流値12mAとの合計値28mAが、過去に感知された煙の濃度が低い煙感知器401,402,403の発報時の電流値35mA、詳細には、第3閾値30mAよりも小さくなるように、移報回路412の作動時の電流値12mAが設定されるので、外部機器としての表示灯回路410及び移報回路412の作動時期にかかわらず、常に、過去に感知された煙の濃度が高い煙感知器401,402,403からの発報と、過去に感知された煙の濃度が低い煙感知器401,402,403からの発報とを判別することができる。
【0091】
なお、上述した実施形態では、煙以外の感知器の発報電流が35mAに設定されているが、代わりに、煙以外の感知器の発報電流のうち、16mA以上の分についてはパルス的に電流重畳し、受信機で検出することも可能である。
【0092】
また、上述した実施形態では、感知器からの発報後、発報電流が一定値に維持されているが、発報から所定時間経過後に発報電流を低減し、それにより、火災報知システム全体の消費電流を低減しても良い。この場合、発報電流が低減された状態は、受信機によって復旧がかけられる時に解除される。
【0093】
更に、上述した実施形態では、電流検出部に3つの閾値が設定されているが、その数値に限定されるものではない。また、上記実施形態では、代わりに、発報電流をアナログ的に検出し、その検出された発報電流に応じて蓄積時間を変更することも可能である。
【0094】
上述した実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0095】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、過去に感知された煙の濃度が低い場合における煙感知器からの発報と、過去に感知された煙の濃度が高い場合における煙感知器からの発報とを電流値に基づいて判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関連する発明の火災報知システムの第1例の概略構成図である。
【図2】 図1に示したP型受信機および感知器の電気的構成図である。
【図3】 中央制御部および電流検出部の回路構成図である。
【図4】 電流検出部27−1〜27−nを切り換えて動作せしめる制御を説明する図である。
【図5】 第1例の煙以外の感知器の発報時を説明するための図である。
【図6】 第1例の煙感知器の発報時を説明するための図である。
【図7】 第1例の煙感知器および煙以外の感知器からの発報を説明するための図である。
【図8】 本発明に関連する発明の火災報知システムの第2例の概略構成図である。
【図9】 第2例の複数の煙感知器からの発報を説明するための図である。
【図10】 本発明に関連する発明の火災報知システムの第3例の概略構成図である。
【図11】 本発明に関連する発明の火災報知システムの第4例の概略構成図である。
【図12】 本発明の火災報知システムの第1の実施形態の概略構成図である。
Claims (1)
- P型受信機と、前記P型受信機に接続される煙感知器とを具備する火災報知システムにおいて、前記煙感知器により過去に感知された煙の濃度を記憶するための記憶機能を設け、過去に感知された煙の濃度が低い場合における煙感知器の発報時の電流値と、過去に感知された煙の濃度が高い場合における煙感知器の発報時の電流値とを異ならせたことを特徴とする火災報知システム。
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