JP3862032B2 - エレクトリカルテスト用配線基板及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板、集積回路用基板、液晶表示基板などの高密度配線基板における導通抵抗検査をはじめとする接触導通を要する電気的検査に利用できるエレクトリカルテスト用配線基板及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明の背景として、実装基板上への電子部品実装密度の増大や部品端子の狭ピッチ化がある。このため、実装部品端子の相互配置間隔が縮小している。相互結線が確保できるようにする微細配線化及び多層化技術が進むに伴い、これら実装技術を駆使して、実装部品のマルチチップモジュール化が図られている。例えば、シリコン基板上に半導体素子が集積回路化されたもの(以下ベアチップ)をこれまで、リードフレームに実装封止して、挿入部品もしくは面実装部品としてきた。これに対し、該ベアチップを複数個、ひとつの基板にワイヤボンド接続またはTAB接続あるいはCCB接続し封止後、リードフレームに実装して機能化する形態である。MCMは、COB、PGA、HICの分野と特徴付けは、明確でないが、ひとつの指標として、実装基板面積に対するデバイスの面積比率が30%以上と定義されている。このような、基板はシリコンを基板とするMCM−D、セラミック系材料を基板とするMCM−C、有機材料を基板とするMCM−Lに分けられる。
【0003】
これらの基板は、ベアチップ実装前に、所定パターンの形成を電気的なオープンショートテストで確認する必要があり、プリント板で培われてきた検査方法を適用する場合に、検査条件は従来よりさらに厳しくなりつつある。例えば、所定パターンは、線幅と線間(以下ラインアンドスペース)が100μm〜100μm以下の特徴がある。同時に、金めっき処理された部品実装の電極も90〜120μmピッチとなりつつあり、その電極数は将来、1インチ角あたり1000個を越えると予測される。従って、200μmピッチ以下で検査用接触端子を被検査基板の電極に対向させる必要がある。また、被検査基板の電極は、実装前の損傷防止に格段の注意を必要とする。この背景から、従来技術として検査用接触端子を被検査基板に対向して配置する方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術においては、被検査基板に対向する端子は、導電性金属端子が用いられる。しかし、被検査基板の電極を損傷させる可能性がある。電極の損傷防止を改善する方法として、特願昭57−111496に示される該従来技術において、該検査用接触端子と該検査基板との間に圧接時に導電性ゴムシートを挿入する技術がある。本方法は、電極配線層表面がソルダレジストなどのパッシベーション膜で沿面をとって被覆されている場合、確実圧接するには不利である。また、端子を保持する基板を利用するのでは、狭ピッチに対応するのに限界がある。本発明は、狭ピッチでの導電性金属からなる突起電極に導通する所定配線の全てまたは一部に対し、弾力のある絶縁材を局在化させ、被検査基板の電極損傷を防止すると共に、突起電極部と被検査基板の電極との確実接触を可能とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のエレクトリカルテスト用配線基板は、絶縁基板と、絶縁基板中に埋め込まれている所定パターンの配線と、その配線上に設けられた、被テスト用デバイスの電極と接触する突起電極とよりなるエレクトリカルテスト用配線基板であって、該絶縁基板内で該所定パターンの配線全体あるいは一部に弾力性の異なる絶縁樹脂材が局在するエレクトリカルテスト用配線基板であり、導電性仮基板に、第1絶縁材を形成する工程、第1の絶縁材の間隙に、第1絶縁材の厚さより低くなるよう導電性仮基板に導通接触して所定パターン配線を形成する工程、所定パターン配線上に存在する第1絶縁材の間隙に第1絶縁材より弾力性の高い第2絶縁材を形成する工程、所定パターン配線に設けられた第2絶縁材の周囲を超えない範囲で該突起電極を導電性仮基板のエッチングにより形成する工程を有するエレクトリカルテスト用配線基板の製造法により製造されたことを特徴とするものである。
【0006】
本発明のエレクトリカルテスト用配線基板の製造法は、導電性仮基板に、第1絶縁材を形成する工程、第1絶縁材の間隙に、第1絶縁材の厚さより低くなるよう導電性仮基板に導通接触して所定パターン配線を形成する工程、所定パターン配線上に存在する第1絶縁材の間隙に第1絶縁材より弾力性の高い第2絶縁材を形成する工程、所定パターン配線に設けられた第2絶縁材の周囲を超えない範囲で該突起電極を導電性仮基板のエッチングにより形成する工程を含むことを特徴とするものである。
【0007】
1.導電性仮基板に、第1絶縁材を形成する工程、
2.第1の絶縁材の間隙に、第1絶縁材の厚さより低くなるよう導電性仮基板に導通接触して所定パターン配線を形成する工程、
3.所定パターン配線上に存在する第1絶縁材の間隙に第1絶縁材より弾力性の高い第2絶縁材を形成する工程、
4.所定パターン配線に設けられた第2絶縁材の周囲を超えない範囲で該突起電極を導電性仮基板のエッチングにより形成する工程
により本発明のエレクトリカルテスト用配線基板を製造する。
【0008】
【発明の実施の形態】
(1)箔作製
図1に突起電極形成工程及び各工程で実現される基板断面を示す。まず、箔作製においては、(〜1)で示す厚さ35〜70μmの電解銅箔と(〜2)で示す厚さ0.1〜0.5μmのニッケル層からなる例えば福田金属製2層箔を用いる。このニッケル面に、レジストをラミネートする。レジストは、例えば日立化成製HN640を用いる。露光、現像で図4に示すパターンを含むネガイメージを焼き付ける。パターンのネガイメージは(〜3)で示すレジスト層に焼き付けられる。(〜1、2)を電極として、パターンのポジイメージを電気銅めっきする。この時、レジスト厚さ40μmを超えないように電流値を調整して、約10〜15μmの厚さでめっきする。パターンのポジイメージ断面を(〜4)で示す。
【0009】
(2)第2絶縁形成
第1絶縁材の間隙に第2絶縁材料(〜6)を印刷で被覆するように埋める。第2絶縁材として例えば、信越シリコーン社製KE1842などの60〜120度で硬化するシリコーン材を使用する。この前に、パターン間での異物や油脂分除去のため、ネオサンディップに浸漬洗浄しパターンの整面処理する。この後、直径3.15〜3.175のドリル穴明け(K点)を行う。
【0010】
(3)突起電極形成用マスクガイド窓明け
この区分では、(〜1)のキャリアをエッチングして所定配線パターン上に位置精度良く、ピラー形成を行うため、(〜5)に示す直径4φのガイドマークをキャリア側から見えるようにする。このガイドマークはピラー群に近い方が望ましく、マスク位置合わせがより高精度となる。この後、レジストラミネート、該マークに沿面を取った円パターンをネガイメージに焼き付ける。露光現像後、アルカリエッチングで銅エッチングする。この際、(〜2)で示すニッケルはエッチングされない。このため、埋め込まれた銅パターンのエッチングを防いでいる。この後、ニッケルをメルストリップ社製ニッケル選択エッチング用液(A液、B液、過酸化水素水)で除去する。この後、SUS板やガラス板などの平坦な基板(〜7)を第2絶縁材を埋めた面側に、適切な接着材を用いて貼り付ける。さらに、ガイドマークとK点部の間隙を透明樹脂(エポキシ樹脂)(〜8)で埋める。
【0011】
(4)突起電極形成
この区分では、レジストの密着を確実にするバフ研磨による粗化処理をまず行う。ニッケル金めっき用レジストラミネート後、ピラーのネガイメージを焼き付けるため、該ガイドマークと該ネガイメージに含まれるガイドマークとの位置合わせマークを、倍率40〜100倍のマイクロスコープで見ながらあわせる。ガイドマークはピラ群の周囲に少なくとも4ケ所設けることが望ましい。露光及び現像後、銅キャリアを電極に電気ニッケル金めっきまたは無電解ニッケル金めっき(〜9)を行う。レジスト剥離後、めっきされたニッケル金のピラーイメージをマスクに銅キャリアをエッチングする。次に、ニッケルエッチングをする。これにより、めっきされた所定パターン上に突起電極が形成される。このように形成された本発明の基本構造を図2に示す。
【0012】
【発明の効果】
まず、平面図で本発明の電極群が、被検査基板へどのような位置関係にあるか補足説明する。図3は、被検査基板の表面電極パターン及び引き回し配線を裏面から透視した場合の概略図である。一方、図3と同様な方向から、本発明の検査基板パターンを見た場合の概略図を図4に示す。図4の4−3に示す突起電極群は、3−3の表面電極パターン群と対向して配置され、相互の接触には4−4のガイド穴を位置合わせに利用可能である。3−1の引き回し配線は、相互接触により所定配線4−1と4−1’で半田接続などハンドリングで十分可能な大きさ及び低密度な電極群に引き出され、この電極群を使って自動測定システムやテスタなどに半田接続される。同様に、3−2の引き回し配線は4−2と4−2’の所定配線で引き出される。本発明は、この相互接触の際、図2に示す第2絶縁材が突起電極部のクッションとなり、3−3の表面電極を損傷させることなく、かつ平面間での接触確度ばらつきを抑えると共に、電極の寿命を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレクトリカルテスト用配線基板の製造工程を示す断面図。
【図2】本発明のエレクトリカルテスト用配線基板の断面図。
【図3】被検査基板の平面図。
【図4】本発明のエレクトリカルテスト用配線基板の平面図。
【符号の説明】
1 銅箔
2 ニッケル層
3 レジスト層(第1絶縁材)
4 ガイドマークパターン
5 めっきパターン
6 第2絶縁材
7 裏打ち基板
8 透明樹脂
9 ニッケル金めっき
3−1、3−2 引き回し配線
3−3 表面電極パターン群
4−1、4−1’、4−2、及び4−2’ 所定配線
4−3 突起電極群
4−4 ガイド穴
Claims (2)
- 絶縁基板と、絶縁基板中に埋め込まれている所定パターンの配線と、その配線上に設けられた、被テスト用デバイスの電極と接触する突起電極とよりなるエレクトリカルテスト用配線基板であって、該絶縁基板内で該所定パターンの配線全体あるいは一部に弾力性の異なる絶縁樹脂材が局在するエレクトリカルテスト用配線基板であり、導電性仮基板に、第1絶縁材を形成する工程、第1の絶縁材の間隙に、第1絶縁材の厚さより低くなるよう導電性仮基板に導通接触して所定パターン配線を形成する工程、所定パターン配線上に存在する第1絶縁材の間隙に第1絶縁材より弾力性の高い第2絶縁材を形成する工程、所定パターン配線に設けられた第2絶縁材の周囲を超えない範囲で該突起電極を導電性仮基板のエッチングにより形成する工程を有するエレクトリカルテスト用配線基板の製造法により製造されたエレクトリカルテスト用配線基板。
- 導電性仮基板に、第1絶縁材を形成する工程、第1絶縁材の間隙に、第1絶縁材の厚さより低くなるよう導電性仮基板に導通接触して所定パターン配線を形成する工程、所定パターン配線上に存在する第1絶縁材の間隙に第1絶縁材より弾力性の高い第2絶縁材を形成する工程、所定パターン配線に設けられた第2絶縁材の周囲を超えない範囲で該突起電極を導電性仮基板のエッチングにより形成する工程を含むことを特徴とするエレクトリカルテスト用配線基板の製造法。
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---|---|---|---|
JP07401396A JP3862032B2 (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | エレクトリカルテスト用配線基板及びその製造法 |
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JPH09266357A JPH09266357A (ja) | 1997-10-07 |
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JP07401396A Expired - Lifetime JP3862032B2 (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | エレクトリカルテスト用配線基板及びその製造法 |
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1996
- 1996-03-28 JP JP07401396A patent/JP3862032B2/ja not_active Expired - Lifetime
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