JP3861727B2 - 感熱式プリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラベル用紙を搬送し、この搬送過程でラベル用紙の表面に印字する感熱式プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、様々な商品などに貼り付けて使用されるラベル用紙には、感熱発色層を有する基材とセパレータとが粘着剤により貼り合わされて構成されたものがある。このラベル用紙に印字を行うプリンタとして、サーマルヘッドを備えた感熱式プリンタが知られている。該プリンタの給紙部には、カット紙状の前記ラベル用紙が、基材を同一側に向けながら重ねられてセットされる。
【0003】
前記プリンタにおいては、給紙部にセットされたラベル用紙の一側に接触するようにピックアップローラが設けられている。該ローラの回転駆動によりラベル用紙は印字部に向けて1枚ずつ搬送され、サーマルヘッドにより加熱されることで、任意の文字や画像が印字される。
【0004】
ここで、積層された用紙のピックアップローラが設けられた反対側の面には押圧部材が設けられており、該押圧部材はピックアップローラ側に向かって付勢されているため、給紙部内の用紙はピックアップローラと押圧部材とにより挟持される形となる。従って、ラベル用紙は、給紙部内の枚数が減少しても常に前記ピックアップローラに接触するようにされている。
【0005】
そして、上記のラベル用紙の中には、基材からセパレータを剥がすのを容易とするために、セパレータに切込みが入れた構成のものがある。
このラベル用紙は、用紙を手で持ってセパレータの切込み側が凸となるように湾曲させると、セパレータの切込み部分は基材側から自然に少量剥がれて浮く形となり、その浮いた切込みを指で摘んで引けば、セパレータを基材から容易に剥がすことができる。従って、このような構成のラベル用紙は、実際にラベルを貼る作業の際の使い勝手に優れる。
【0006】
また、切込みが入れられていると、ラベル用紙のセパレータを一部を残して部分的に剥がすことも可能である。従って、セパレータの一部を剥がして粘着剤を小面積だけ露出させた状態とし、この上で貼り付ける位置をいったん位置決めしてから、残りの部分のセパレータを引き剥がして完全に貼り付けるといった作業も可能になる。この方法によると、貼る位置の位置決め作業時には粘着剤の露出面積が小さいので、作業者の手や意図せぬ場所にラベル用紙が付着して作業の邪魔をすることが少なく、作業効率が向上され、正確な位置にラベルを貼り付けることができる。また、前述の貼り位置の位置決め作業時においてはセパレータを剥がしていない部分は外気に触れないため粘着力が低下せず、この結果、完全に貼り付けたときに強力な粘着性能を発揮でき、剥がれが発生しにくい利点もある。これらの利点は、特にラベル用紙の面積が大きい場合に有効に発揮される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のセパレータに切込みを有するラベル用紙に上記従来の感熱式プリンタで印字を行う際は、ラベル用紙の基材の、セパレータの切込み部分に相当する部分が発色して、印字面にスジ状の汚れが生じて印字品質を低下させてしまうおそれがあったのである。
【0008】
この原因の一つに、用紙が外気に触れて、セパレータ側は空気中の湿気を吸収して膨張する一方で、基材側はさほど膨張しなかったような場合が考えられる。即ち、膨張するセパレータ同士が切込み部分で互いに押し合う結果、セパレータの切込み部分が基材から浮いてしまう場合である。また、セパレータに切込み加工した際に、セパレータの切込部分にだれが発生し、それが残る場合がある。
このようにセパレータの切込み部分が基材から浮いてしまっている用紙は、該切込み部分の周囲が盛り上がり、その箇所だけ厚みがやや増大するような形になる。従って、この用紙を積層状態でプリンタにセットすると、ローラに接触して搬送される当該用紙の浮き部分が、それに基材面を接する他の用紙に対して強く擦れ、他の用紙の基材がこの摩擦熱で発色してしまうのである。
【0009】
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、セパレータに切込みを有するラベル用紙に印字を行う際に、該切込み部分に発色が発生することのない感熱式プリンタを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、以下に、該課題を解決するための手段を説明する。
【0012】
前記課題を解決するための本発明の請求項1に記載の感熱式プリンタは、感熱発色層を有する基材と、用紙搬送方向に平行な方向の切込みを有するセパレータとが、粘着剤を介して貼り合わされている構成の用紙に印字するための感熱式プリンタであって、前記用紙を積層した状態でセット可能な給紙部と、該給紙部にセットされた用紙の一側に接触して回転し、該用紙を印字部に向けて搬送するためのピックアップローラと、前記用紙を前記ピックアップローラとの間で挟持するための押圧部材と、を備えるとともに、前記押圧部材と前記ピックアップローラとが対向する領域に、前記セパレータの切込みが重複しないように、該ピックアップローラ及び該押圧部材の位置が定められているものである。
【0013】
これにより、ピックアップローラの周面と押圧部材とが対向する領域にセパレータの切込み部分がかからないため、該切込み部分に仮に浮きが発生していたとしても、該浮き部分が強く他の用紙に押し付けられることは防止される。従って、セパレータの切込み部分に接してセットされる他の用紙が、用紙搬送時に強く擦れて発色してしまうことがない。
【0014】
請求項2に記載の感熱式プリンタは、請求項1において、前記ピックアップローラは前記用紙の幅方向略中央部に接触するように構成し、前記押圧部材は前記用紙の少なくとも幅方向略中央部を押圧するように構成するとともに、前記セパレータの切込みは、前記用紙の幅方向中央部を避けた位置に設けられているものである。
【0015】
この構成により、ローラと押圧部材とで用紙の幅方向略中央部を押圧しながら、該ローラの回転による用紙の搬送を行うので、用紙を確実に搬送でき、用紙の斜行が生じにくい利点がある。
【0016】
請求項3に記載の感熱式プリンタは、請求項1において、前記ピックアップローラは前記用紙の幅方向略中央部を挟んだ二箇所で接触するように構成するとともに、前記セパレータの切込みは、前記用紙の幅方向中央部に設けられているものである。
【0017】
これにより、セパレータの切込みを用紙の中央部分に配置できるから、用紙の端の位置にあるときよりも剥がし易い利点がある。
【0018】
請求項4に記載の感熱式プリンタは、請求項1において、前記押圧部材は前記用紙の幅方向略中央部を挟んだ二箇所に接触するように構成するとともに、前記セパレータの切込みは、前記用紙の幅方向中央部に設けられているものである。
【0019】
これにより、セパレータの切込みを用紙の中央部分に配置できるから、用紙の端の位置にあるときよりも剥がし易い利点がある。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1ないし図9に基づいて以下に説明する。
図1は感熱式プリンタの斜視図、図2は側面断面図である。図3は用紙収容部に用紙をセットした状態を示した図である。図4は用紙分離部および印刷機構部の詳細を示した断面拡大図である。
図5は、ピックアップローラと押圧部材とが対向する領域を示す斜視図、図6は正面図である。図7は用紙のセパレータの切込み部分に浮きが生じている様子を示す正面図である。
図8および図9は、別形態のピックアップローラと押圧部材とが対向する領域の正面図である。
【0021】
まず、プリンタ1の概略構造を、図1〜図6を参照しながら説明する。
プリンタ1は図1に示すように、平面視で長方形状(A6〜A7サイズ程度の大きさ)とされ、かつ、厚みが略2cmあるいはそれ以下となる、コンパクトな構成とされている。プリンタ1の本体ケース2は、枠体3の下面を下カバー4で覆うとともに、上面の一部を上カバー5で覆って形成されている。
【0022】
枠体3の上面側のうち前記上カバー5で覆われた箇所を除いた残りの部分には、図2に示すように用紙収容部(給紙部)6が形成される。この用紙収容部6には、A6〜A7サイズのカットシート状の用紙7をパッケージ材8の内部に複数枚収納した用紙パッケージ9を、図3に示すように収容可能としている。
【0023】
この用紙7は図5に示すように、感熱発色層を有する基材7aと、用紙搬送方向に平行な方向の直線状の切込み(割線)7dを有するセパレータ7bとが、粘着剤7cにより貼り合わされた、ラベル紙とされている。この切込み7dは図5・図6に示すように、用紙7の幅方向中央部を避けた位置に形成されており、後述するピックアップローラ12と押圧板18とが対向する領域Sに重複しないようにされている。
この切込み7dによりセパレータ7bは二つの半部7e・7fに分割されるようになっている。また、セパレータ7bの貼合せ側の面にはシリコン加工が施され、該セパレータ7bを基材7aから剥がしたときに粘着剤7cがセパレータ7b側に残ってしまわないようにされている。
【0024】
前記用紙収容部6の上方は蓋体10にて覆われ、この蓋体10は図2に示すように回動自在とされる。本体ケース2側には図示しないロック機構が設けられており、前述のように用紙収容部6に用紙パッケージ9をセットした状態で、図3に示すように蓋体10を閉じてロックできるようになっている。
【0025】
用紙収容部6の一側の端部には、用紙分離部11としてのピックアップローラ12および分離ブロック13等が配置されている。また、上カバー5の下方には、印刷機構部14としてのサーマルヘッド15、プラテンローラ16、ペーパーガイド17が配置される。
【0026】
用紙分離部11を説明する。
前記用紙収容部6の、前記印刷機構部14に近い側の端部には、ピックアップローラ12と分離ブロック13とが設けられている。このピックアップローラ12は、用紙収容部6内に積層された用紙7の最下層の基材7a面に接触するように配設されており、図6に示すように、用紙7の幅方向略中央部に設けられている。
【0027】
また、前記蓋体10の用紙収容部6側を向く内面には、押圧板(押圧部材)18が回動自在に支持されている。この押圧板18と蓋体10との間にはコイル状の付勢バネ19が介在され、押圧板18に対し、該押圧板18を下方へ回動させる向きの付勢力を常時作用させている。この押圧板18は、用紙7の幅方向全域にわたって設けられており、用紙7の幅方向略中央部にピックアップローラ12と対向する領域Sを形成している。
【0028】
用紙パッケージ9は、印字面たる基材7aを下側へ向けながら積層された状態で内部に収納されている用紙7のうち、最も下側に位置する用紙7の下面をパッケージ材8から一部露出させた状態で、用紙収容部6にセットされる。そして、前記蓋体10を閉じてロックした際には、前述の付勢バネ19により下方へ付勢される押圧板18が、パッケージ材8を介して、用紙7の前記露出した部分をピックアップローラ12側へ押し付け、該用紙7の下面を該ピックアップローラ12に接触させる。このようにして、用紙7は、ピックアップローラ12と押圧板18との間で挟持されている。
【0029】
前記ピックアップローラ12に近接させて分離ブロック13が設けられ、この分離ブロック13は、ピックアップローラ12の用紙送り出し方向に対して傾斜した分離案内面13aを備えている。
【0030】
この構成でピックアップローラ12が回転駆動することにより、該ピックアップローラ12に接触する最下層の用紙7に搬送力が加えられる。そして、前記分離ブロック13の分離案内面13aの分離作用とあいまって、最下層に位置する一枚の用紙7のみが分離されて送り出される。
【0031】
印刷機構部14を説明する。
分離ブロック13に隣接してプラテンローラ16が回転自在に設けられ、その外周面に近接させてペーパーガイド17が配置される。図4の拡大図に示すように、このペーパーガイド17には、前記プラテンローラ16の外周面に沿うように、断面が横向き略「U」字状となるような凹湾曲状の摺接面17aが形成されている。該ペーパーガイド17と本体ケース2との間には押圧コイルバネ20が設けられており、前記摺接面17aをプラテンローラ16の外周面に向けて付勢するようになっている。
【0032】
この構成において、前述の用紙分離部11で分離された用紙7は、ピックアップローラ12により搬送されて、分離ブロック13の下端と、用紙の向きをプラテンローラ16側へ向けるためのガイド板21の間を通過する。
【0033】
用紙7はこのガイド板21により案内され、プラテンローラ16の下側から、該プラテンローラ16とペーパーガイド17との間に送られる。そして用紙7は、プラテンローラ16の外周面とペーパーガイド17の摺接面17aとの間で挟まれながら、プラテンローラ16の回転駆動により、プラテンローラ16の周面に沿って横向きU字状に反転されながら搬送され、印字面、即ち基材7aを上側に向けながらプラテンローラ16の上面側に至る。
【0034】
プラテンローラ16の上面側に位置する前記サーマルヘッド15は、印字部たる発熱体部15aを有している。該サーマルヘッド15は回動軸15bまわりに回動可能に設けられて、前記発熱体部15aがプラテンローラ16の上面に接離可能とされている。
【0035】
なお、このようにサーマルヘッド15を回動自在に構成したのは、前記プラテンローラ16とペーパーガイド17との間で用紙7が詰った場合におけるジャム紙除去作業において、サーマルヘッド15が作業の邪魔にならないようにするためである。
【0036】
サーマルヘッド15には捩りコイルバネタイプのスプリング22の一端が係止されて、該サーマルヘッド15の発熱体部15aがプラテンローラ16上面に近接する方向の付勢力を常時加えている。
【0037】
この構成で、前述のように印字面を上側に向けながらプラテンローラ16により送られてくる用紙7の上面にサーマルヘッド15の発熱体部15aが接触し、この接触する箇所において用紙7に印字がなされる。
【0038】
サーマルヘッド15はラインヘッド型とされ、搬送されてくる感熱型の用紙7に対し、該用紙7の搬送方向に直交する方向に延びるライン毎に、任意の文字や画像を印刷することができる。一本のラインにつき印刷する際の印刷幅は、印刷対象の用紙7の幅に略等しく設定されている。
【0039】
このようにサーマルヘッド15を印刷ヘッドとして用いるのは、被記録媒体として感熱紙を用いることで、インクやインクリボンなどの消耗品が不要とできるほか、インクの供給のための機構などを省略でき、感熱式プリンタ1をコンパクトに構成できるからである。
【0040】
前記分離ブロック13には、プラテンローラ16の用紙送り出し方向に対して傾斜した排紙ガイド面13bが形成されている。
【0041】
この構成において、サーマルヘッド15の発熱体部15aにより印字がなされた後の用紙7は、この排紙ガイド面13bにより案内されて、図4に示すように、本体ケース2の上カバー5と前記蓋体10とがなす隙間から、蓋体10の上側へ排紙される。
【0042】
以上で説明したように、本実施形態の感熱式プリンタ1においては、感熱発色層を有する基材7aと用紙搬送方向に平行な方向の切込み7dを有するセパレータ7bとが粘着剤7cを介して貼り合わされて構成された用紙7が、積層した状態で用紙収容部(給紙部)6にセットされ、ピックアップローラ12と押圧板(押圧部材)18との間で挟持されて、ピックアップローラ12の回転作用により印刷機構部(印字部)14に向けて搬送される。
【0043】
用紙7は、下面の基材7aがピックアップローラ12に接触しており、ピックアップローラ12の回転作用により搬送される際、上面のセパレータ7bは上に積層された用紙7の下面に接触しながら繰り出される。上側に積層された用紙7・押圧板18は移動しないので、搬送される用紙7は上側の用紙に対し滑りながら搬送されることになる。
【0044】
ここで、用紙7が空気中の水分を吸って膨張する等の何らかの原因により、セパレータ7bの切込み7d部分に浮きが発生した場合を考える。このような用紙は、図7の符号7d’に示すように、切込み部分の周囲がやや盛り上がったような形になる。
【0045】
しかし本感熱式プリンタ1においては図5〜図7に示すように、ピックアップローラ12と押圧板18とが対向する領域Sにセパレータ7bの切込み7dが重複しないように、該ピックアップローラ12および該押圧板18の位置が定められている。具体的には、用紙7の幅方向全域にわたって設けられた押圧板18に対してピックアップローラ12は用紙7の幅方向略中央部に接触するように構成し、セパレータ7bの切込み7dは用紙7の幅方向中央部を避けた位置に設けてある。
【0046】
従って、図7に示すように、プリンタにセットされる用紙7に上述のようなセパレータ7bの切込み部分の浮き7d’が生じていたとしても、その浮いて盛り上がっている部分7d’が前述の領域Sにかからないから、該浮き部分7d’が他の用紙7に対して強く押し付けられることが防止される。従って、このような浮きの生じている用紙が搬送される際にも、他の用紙7の基材7aと強く擦れることはなく、当該他の用紙7の基材7aが感熱発色することは防止される。
【0047】
なお、本実施形態では、押圧板18が用紙7をピックアップローラ12に向かって押し付けている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
即ち、プリンタの給紙動作に伴い用紙7の残り枚数が徐々に減って全体の厚みが減少しても、用紙7がピックアップローラ12と常に接触し、ピックアップローラ12の回転によって用紙7が繰出し可能な構成であれば良いのである。従って、ピックアップローラ12が押圧板18側に付勢されていてもよいし、両部材12・18がともに相互に接近する方向に付勢されていてもよい。
【0048】
なお、感熱式プリンタにおいて、ピックアップローラ12と押圧板18との位置は、両部材12・18間で形成される領域Sと用紙7のセパレータ7bの切込み7d部分とが重複しなければ、どのように設けられてもよい。
図5・図6の構成においては、ピックアップローラ12と押圧板18とが対応する領域Sが用紙7の幅方向中央部を含んでおり、用紙7の中央部を挟持しながら搬送する構成となっているので、用紙7を確実に搬送でき、用紙が斜めに送られてしまう現象(斜行)が生じにくい利点がある。
【0049】
一方、図8に示すように、ピックアップローラ12が用紙7の幅方向略中央部を挟んだ二箇所で接触するように構成されており、セパレータ7bの切込み7dが、用紙7の幅方向中央部に設けられていてもよい。
また、図9に示すように、押圧板18が用紙7の幅方向略中央部を挟んだ二箇所で接触するように構成されており、セパレータ7bの切込み7dが、用紙7の幅方向中央部に設けられていてもよい。
これら図8・図9の構成ではセパレータ7bの切込み7dを中央に配置できるため、印字後にセパレータ7bを容易に剥がすことができ、ラベル貼りの作業が容易となる利点がある。
【0050】
【発明の効果】
上述したように、請求項1の発明によると、ピックアップローラの周面と押圧部材とが対向する領域にセパレータの切込み部分がかからないため、該切込み部分に仮に浮きが発生していたとしても、該浮き部分が強く他の用紙に押し付けられることは防止される。従って、セパレータの切込み部分に接してセットされる他の用紙が、用紙搬送時に強く擦れて発色してしまうことがない。
【0051】
請求項2の発明によると、ローラと押圧部材とで用紙の幅方向略中央部を押圧しながら、該ローラの回転による用紙の搬送を行うので、用紙を確実に搬送でき、用紙の斜行が生じにくい利点がある。
【0052】
請求項3の発明によると、セパレータの切込みを用紙の中央部分に配置できるから、用紙の端の位置にあるときよりも剥がし易い利点がある。
【0053】
請求項4の発明によると、セパレータの切込みを用紙の中央部分に配置できるから、用紙の端の位置にあるときよりも剥がし易い利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリンタの斜視図である。
【図2】プリンタの側面断面図である。
【図3】用紙収容部に用紙をセットした状態を示した側面断面図である。
【図4】用紙分離部および印刷機構部の詳細を示した断面拡大図である。
【図5】ピックアップローラと押圧板とが対向する領域を示す斜視図である。
【図6】ピックアップローラと押圧板とが対向する領域の正面図である。
【図7】図6の構成で、用紙のセパレータの切込みに浮きが生じている場合の様子を示した正面図である。
【図8】別形態の正面図である。
【図9】更なる別形態の正面図である。
【符号の説明】
7 用紙
7a 基材
7b セパレータ
7c 粘着剤
7d 切込み
12 ピックアップローラ
18 押圧板(押圧部材)

Claims (4)

  1. 感熱発色層を有する基材と、用紙搬送方向に平行な方向の切込みを有するセパレータとが、粘着剤を介して貼り合わされている構成の用紙に印字するための感熱式プリンタであって、
    前記用紙を積層した状態でセット可能な給紙部と、
    該給紙部にセットされた用紙の一側に接触して回転し、該用紙を印字部に向けて搬送するためのピックアップローラと、
    前記用紙を前記ピックアップローラとの間で挟持するための押圧部材と、を備えるとともに、
    前記押圧部材と前記ピックアップローラとが対向する領域に、前記セパレータの切込みが重複しないように、該ピックアップローラ及び該押圧部材の位置が定められていることを特徴とする、
    感熱式プリンタ。
  2. 請求項1に記載の感熱式プリンタであって、
    前記ピックアップローラは前記用紙の幅方向略中央部に接触するように構成し、
    前記押圧部材は前記用紙の少なくとも幅方向略中央部に接触するように構成するとともに、
    前記セパレータの切込みは、前記用紙の幅方向中央部を避けた位置に設けられていることを特徴とする、
    感熱式プリンタ。
  3. 請求項1に記載の感熱式プリンタであって、
    前記ピックアップローラは前記用紙の幅方向略中央部を挟んだ二箇所で接触するように構成するとともに、
    前記セパレータの切込みは、前記用紙の幅方向中央部に設けられていることを特徴とする、
    感熱式プリンタ。
  4. 請求項1に記載の感熱式プリンタであって、
    前記押圧部材は前記用紙の幅方向略中央部を挟んだ二箇所に接触するように構成するとともに、
    前記セパレータの切込みは、前記用紙の幅方向中央部に設けられていることを特徴とする、感熱式プリンタ。
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