JP3861722B2 - トイレ電装品の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、温水洗浄装置や暖房便座、各トイレブース毎に設けられた照明器具などのトイレ電装品を制御する方法に係り、特にトイレ電装品の節電を図るようにした制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
温水洗浄装置は、便器使用者の臀部に向けて温水を噴射して該臀部の洗浄を行うようにしたものである。この温水源としてはヒータを有した温水タンクや、瞬間加熱式の温水供給装置が多く用いられている。暖房便座はヒータによって便座を加温するようにしたものである。
【0003】
このような温水洗浄装置及び暖房便座のヒータによる電力消費を節約するために、特開平7−279216号には、家屋内の人の有無を検知し、家屋内に人がいないときには温水洗浄装置及び暖房便座を節電モードとすることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、複数のトイレブースを備えたオフィスビルなどにおいて、使用時の温感を確保しつつ節電を図ることができるトイレ電装品の制御方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のトイレ電装品の制御方法は、ユーティリティスペースに臨んで設けられた複数のトイレブース内のトイレ電装品を制御する方法において、該ユーティリティスペース及びすべてのトイレブースで人体不検知の場合に各トイレ電装品を節電モードとし、該ユーティリティスペースに人体が検知された場合に各トイレブースのトイレ電装品を通常稼動モードとし、その後、ユーティリティスペースで人体が不検知となり一部のトイレブースにのみ人体が検知されるようになった場合に、当該トイレブース以外のトイレブースのトイレ電装品を節電モードとすることを特徴とするものである。
【0006】
かかるトイレ電装品の制御方法によると、ユーティリティスペースに人が入ると、各トイレブースのトイレ電装品が通常稼動モードとなり、例えば便座が暖められたり、温水洗浄装置に温水が生成され、当該人による使用を待ち受ける。
【0007】
この人がトイレブースに入ると、他のトイレブースではトイレ電装品を節電モードとする。これにより、節電が実現される。なお、上記の通り、人がユーティリティスペースに入った段階で各トイレブースのトイレ電装品を通常稼動モードとするので、人が便座に座ったときには温感が感取され、また、温水洗浄装置を使用したときには十分に暖かい温水が臀部に注ぎ掛けられるので、トイレ電装品や温水洗浄装置を快適に使用することができる。
【0008】
トイレブース内の人体検知は、赤外線や超音波などを用いた人体検知センサによって入室した人を検知する方式のものであってもよく、便座に着座したことを検知する着座センサによって行われてもよい。着座センサとしては、静電容量センサ、荷重センサ、赤外線センサ、超音波センサなど各種のものを用いることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係るトイレ電装品の制御方法が適用されたトイレルームの平面図、図2は実施の形態に係るトイレ電装品の制御方法を実行するシステムブロック図、図3はこのトイレ電装品の制御方法を説明するフローチャートである。
【0010】
図1の通り、トイレルーム内が間仕切りブースパネル3によってユーティリティスペースuと3個のトイレブースA,B,Cとに区画されている。各トイレブースA,B,C内には洋風便器1が設置され、各洋風便器1に暖房便座及び温水洗浄装置を備えたトイレ電装品1a,1b又は1cが設置されている。なお、トイレブースAのトイレ電装品に符号1aを付し、トイレブースBのトイレ電装品に符号1bを付し、トイレブースCのトイレ電装品に符号1cを付してある。
【0011】
各トイレ電装品を操作するためにリモコンが各トイレブースの壁面に取り付けられており、このリモコンに、当該トイレブース内の人体を検知するための人体検知センサ2a,2b,2cが設けられている。この人体検知センサは、トイレブース内に入った人が立ったままでも便座に座った状態でも検知されるように検知領域が設定されている。なお、トイレブースAの人体検知センサに符号2aを付し、トイレブースBの人体検知センサに符号2bを付し、トイレブースCの人体検知センサに符号2cを付してある。
【0012】
また、以下、トイレブースの人体検知センサをブース人体センサと略称することがある。
【0013】
ユーティリティスペースu内には手洗いカウンター20が設けられ、この手洗いカウンター20に手洗器(洗面器でもよい)21と水栓22とが設けられている。このユーティリティスペースu内の人体を検知するためにユーティリティルーム用人体検知センサ10が設けられている。このユーティリティルーム用人体検知センサ10は、各トイレブースA,B,Cの入口付近から洗面カウンター近傍及びトイレルーム入口23付近までのユーティリティスペース全域における人体を検知するものである。このユーティリティスペース用人体検知センサは、1個のセンサのみから成ってもよいが、検知エリアが広いので複数個のセンサを用いるのが好ましい。
【0014】
なお、以下、このユーティリティスペース用人体検知センサをユーティリティ人体センサと略称することがある。
【0015】
図2に示す通り、ユーティリティ人体センサ10と各ブース人体センサ2a,2b,2cの人体検知信号が節電制御回路11に入力され、この節電制御回路11によってトイレ電装品1a,1b,1cに対し通常稼動モードと節電モードとの切り替え信号が与えられる。なお、このようにトイレ電装品1a,1b,1cと別個の節電制御回路11を設ける代りに、各人体センサ10,2a,2b,2cの信号を直接にトイレ電装品1a,1b,1cに入力し、トイレ電装品1a,1b,1cに設けられたプログラムによって節電モードと通常稼動モードとの切り替えを行うようにしてもよい。
【0016】
次に図3を参照してこの節電モードと通常稼動モードとの切替制御方法を説明する。なお、以下の切替制御方法の説明においては、トイレ電装品を通常稼動モードとすることをONと称し、トイレ電装品を節電モードとすることをOFFと称する。これは、この実施の形態では、節電モードにあってはトイレ電装品の便座のヒータをOFFとし、温水洗浄装置の温水ヒータをOFFとするためであるが、本発明においては、節電モードはこれに限定されない。例えば、節電モードにおいて暖房便座や温水洗浄装置の温水タンクの設定温度を通常稼動モードよりも下げてもよい。
【0017】
図3において、ユーティリティスペースu及び各トイレブースA,B,Cのいずれにも人が居ない状態から制御が開始されるものとする。
【0018】
まず、1人の人間だけがトイレルームを使用する場合を例にとって説明する。
【0019】
ステップ1において、ユーティリティスペースuに人が居るか否か判断し、人が居ないとき(ユーティリティ人体センサ10が人体を検知しないとき)にはトイレ電装品1a,1b,1cはOFFのままとされる(ステップ2)。ユーティリティスペースuに人が入るまでステップ1,2を循環し、この状態で待機する。
【0020】
ユーティリティスペースuに人が入ると、ユーティリティ人体センサ10がこの人体を検知するので、ステップ1からステップ3に移り、すべてのトイレ電装品1a,1b,1cをONとした後、このユーティリティスペースu内の人がユーティリティスペースからトイレブースに移るかトイレルーム外に出るまで待機する(ステップ4,5)。
【0021】
即ち、この人が用便することなくユーティリティスペースuからトイレルーム外に出たときには、ステップ4から5を経てステップ6に移り、すべてのトイレ電装品1a,1b,1cをOFFとした後、初期状態(ステップ1)に戻る。この人がユーティリティスペースuからいずれかのブースA,B又はCに入った場合、ユーティリティ人体センサは人体を検知しなくなるので、ステップ4からステップ7を経てステップ8,9又は10に移る。そして、入室したブース以外のブースのトイレ電装品をOFFとする。例えば、ブースAに入室したときには、ブースB,Cのトイレ電装品1b,1cをOFFとする。
【0022】
その後、ブースAから退室するまでステップ14,17を循環して待機し、退室したときにはブースAのトイレ電装品1aをOFFとする(ステップ15)。その後、ステップ16を経て初期状態(ステップ1)に戻る。
【0023】
2名以上、例えば2人の人が上記のトイレルームを使用する場合の制御例を次に説明する。
【0024】
ユーティリティスペースuに1人が入室し、その後、まだその1人がユーティリティスペースuに居る間にもう1人がユーティリティスペースuに入ってきた場合であって、そのうちの1名(甲)がいずれかのブース例えばブースAに入り、もう1名(乙)はユーティリティスペースuに残っているときには、ブースAとユーティリティスペースuのみで人体が検知されるので、ステップ4,7を循環し、すべてのブースA,B,Cのトイレ電装品1a,1b,1cがONとなっている。その後、ユーティリティスペースuから乙がトイレルーム外に出て行くと、甲のみがブースAに残ることになる。この場合、ブースAのみで人体が検知されるので、ステップ7からステップ8に移り、その後は上記と同じ制御となる。
【0025】
甲がブースAに入った後、ユーティリティスペースuに居た乙も用便のためにブース例えばブースBに入ったときには、ブースA,Bのみで人体が検知されると共にユーティリティスペースuで人体が検知されなくなるので、ステップ7からステップ11に移り、ブースCのトイレ電装品1cをOFFとする。そして、ブースA,Bから人が退室するたびに退室したブースのトイレ電装品1a又は1bをOFFとし(ステップ15)、両ブースA,Bから人が出ると初期状態(ステップ1)に戻る。
【0026】
1名又は2名以上の人、例えば甲及び乙がブースA及びBに居るときに、それまで無人であったユーティリティスペースuに第3の人(丙)が入ってきた場合、ユーティリティスペースuで人体が検知されるようになるので、ステップ17からステップ18に移り、残りのブースCのトイレ電装品1cもONとし、ステップ19に移る。この丙が用便せずにトイレルーム外に出たときには、ステップ19から11に移り、空のブース、この場合はブースCのトイレ電装品1cをOFFとし、次いでステップ14,17を循環し、ブースA,Bからの退室を待つ。
【0027】
ユーティリティスペースuに居た丙がブースCに入ったときには、ステップ19からステップ14に移り、次いでステップ14,17を循環し、すべてのトイレ電装品1a,1b,1cをONとしたまま、ブースA,B,Cからの退室を待つ。
【0028】
このように、この制御方法によると、無人のトイレルームでは各トイレ電装品1a,1b,1cがOFFであり、節電となる。この状態で人がユーティリティスペースuに入った段階で各トイレ電装品1a,1b,1cがONとなるので、この人がいずれのブースに入っても暖房便座や温水タンクは十分に暖まっており、快適に使用される。この人がユーティリティスペースからブースに入ると、残りのブースのトイレ電装品がOFFとなり、節電となる。1個又は2個のブースが使用されているときにユーティリティスペースに人が入ると、残りのブースのトイレ電装品がONとなり、当該ブースの暖房便座や温水タンクが暖められる。
【0029】
上記実施の形態では、人体検知センサによってブースA,B,C内の人体を検知しているが、この代りに便座への着座を検知する着座センサの信号を利用してもよい。
【0030】
この場合、ユーティリティスペースuからブースに入ってから当該ブースの着座センサがONとなるまではある程度脱衣時間がかかるので、ステップ5からステップ6に移るときにはこの脱衣時間分だけ待機する。即ち、ユーティリティスペースuに人体が検知されなくなっても脱衣時間分だけトイレ電装品1a,1b,1cはONのままとし、この時間が過ぎても着座センサがONにならないときにステップ5からステップ6に移り、トイレ電装品1a,1b,1cをOFFとする。
【0031】
本発明では、ユーティリティスペースに小便器など他の衛生機器が設置されていてもよい。
【0032】
トイレ電装品としては、各トイレブース毎に設けられたスポット照明などの照明器具であってもよい。この照明器具の通常稼動モードは点灯であり、節電モードは消灯(又は照度低下)である。
【0033】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、トイレ電装品の節電を実施できると共に、トイレ電装品を快適に使用開始することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るトイレ電装品の制御方法が適用されたトイレルームの平面図である。
【図2】実施の形態に係るトイレ電装品の制御方法を実行するシステムブロック図である。
【図3】このトイレ電装品の制御方法を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 洋風便器
1a,1b,1c トイレ電装品
2a,2b,2c ブース人体センサ
3 間仕切りブースパネル
10 ユーティリティ人体センサ
20 洗面カウンター
Claims (3)
- ユーティリティスペースに臨んで設けられた複数のトイレブース内のトイレ電装品を制御する方法において、
該ユーティリティスペース及びすべてのトイレブースで人体不検知の場合に各トイレ電装品を節電モードとし、
該ユーティリティスペースに人体が検知された場合に各トイレブースのトイレ電装品を通常稼動モードとし、
その後、ユーティリティスペースで人体が不検知となり一部のトイレブースにのみ人体が検知されるようになった場合に、当該トイレブース以外のトイレブースのトイレ電装品を節電モードとすることを特徴とするトイレ電装品の制御方法。 - 請求項1において、前記トイレブース内の人体の検知は、人体検知センサ又は着座センサにより行われることを特徴とするトイレ電装品の制御方法。
- 請求項1又は2において、前記節電モードにあっては、少なくとも、温水洗浄装置の温水ヒータ及び暖房便座ヒータへの通電を停止又は低下させることを特徴とするトイレ電装品の制御方法。
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