JP3861546B2 - 固体撮像装置及び画像表示システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は固体撮像装置及び画像表示システムに係り、特に標準テレビジョン方式の画素数よりも多い数の画素により所望の被写体を撮像する電子シャッター機能を備えた固体撮像装置、及びその固体撮像装置からの撮像信号の画像表示を行う画像表示システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、大勢の人が一度に鑑賞できるように動画等を大画面に表示する大画面表示装置が知られている。この大画面表示装置は、例えばNTSC方式やPAL方式などの標準テレビジョン方式やハイビジョン方式で形成された映像信号を使用した大画面表示を行っている。しかし、テレビジョン方式で形成された映像信号に基づいて得られる表示画像は、例えばハイビジョン方式相当で水平方向1920画素、垂直方向1080画素(すなわち、1920画素×1080画素)程度の画素数であり、このため、大画面で表示すると鮮明な表示画像を得ることができない問題があった。
【0003】
そこで、画像表示装置の画素数をハイビジョン方式のそれよりも増加させることにより、鮮明な表示画像を大面積の表示画面に表示することが考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記の画像表示装置の画素数を増加させると、動画を表示する場合に、ハイビジョン方式よりもかなりの高速走査が必要となるため、そのような高速走査を行う機構を構成することは、物理的に実現が困難である。
【0005】
また、従来のCMOSカメラの画素構成は図12に示されるように、一つの画素を構成するフォトダイオードD1の周辺に、MOS型電界効果トランジスタ(FET)によるスイッチSWa及びSWbを配置し、スイッチSWaをオンすることにより所定の電圧にフォトダイオードD1をリセットした後、フォトダイオードD1で光電変換して得られた被写体光像の電荷を、垂直駆動パルスV1でオンされるスイッチSWbを通して読み出すという簡単な構成であり、フォトダイオードD1から電荷を読み出した瞬間に電荷が消滅するため、常に順次読み出ししかできなかった。このため、この構成のCMOSカメラからの撮像信号を表示する画像表示装置を、大画面にして画素数を増やすと、画面の上部と下部とで時間差を生じ特に動きの速い被写体の場合、画質の劣化を招いていた。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、画素数の増加による高速走査を必要とせず、大画面で鮮明な表示画像を得ることが可能な固体撮像装置及び画像表示システムを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明の他の目的は、動きの速い被写体でも高画質で大画面に表示し得る固体撮像装置及び画像表示システムを提供することにある。
【0008】
更に、本発明の他の目的は、撮像部の素子構成を簡略化した固体撮像装置及び画像表示システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、第1の発明の固体撮像装置は、二次元配置された複数の画素を水平方向にのみ所定数の画素ずつN(Nは2以上の整数)分割して得たN個の分割固体撮像部と、分割固体撮像部の各画素を構成する各受光部に対応して設けられ、対応して設けられた受光部により受光して得られた被写体像の光像に応じた電荷を受けて蓄積する電荷蓄積部と、二次元配置された複数の画素のすべてを水平方向に隣接するM個の画素と垂直方向に隣接するM個の画素の合計M×M個(MはNより小なる2以上の整数)の画素を一組として複数の組に分割したとき、各組の第1の配列位置の各画素に対応した受光部に対しては、同じ垂直同期信号期間内の書き込みタイミングで被写体像の光像に応じた電荷を形成させると同時に、第1の配列位置に隣接し、かつ、第1の配列位置に対して対角位置にある第2の配列位置の各画素に対応した受光部からの電荷を蓄積している電荷蓄積部に対しては、蓄積電荷に応じた信号を読み出すことを、各組の画素配列位置順に垂直同期信号期間毎に順次行う書き込み及び読み出し制御手段と、書き込みタイミングに従って受光部に形成された電荷を、書き込み期間の次の垂直同期信号期間内で電荷蓄積部に転送させる転送手段と、書き込み及び読み出し制御手段により電荷蓄積部から蓄積電荷に応じた信号を読み出された信号を時系列的に合成して撮像信号として取り出す画像出力部とを有する構成としたものである。
【0011】
この発明では、各組の同じ配列位置にある画素同士は同じ書き込みタイミングで書き込まれた後、同じ読み出しタイミングで読み出され、また、同じ垂直同期信号期間内では別の配列位置にある画素同士が一方は書き込まれ、他方は読み出されるため、所定のテレビジョン方式の画像信号と同程度の解像度のN種類の撮像信号を画像出力部から得ることができ、これらの撮像信号から異なる時刻で書き込まれたM種類の画像信号を後段で生成させることができる。また、この発明では、同じ垂直同期信号期間内で書き込みと読み出しが行われても、互いに対角位置に配列された画素の一方で書き込みが行われ、他方で読み出しが行われるから、互いに最も影響少なく書き込みと読み出しができる。
【0013】
また、上記の目的を達成するため、第2の発明の固体撮像装置は、二次元配置された複数の画素を水平方向にのみ所定数の画素ずつN(Nは2以上の整数)分割して得たN個の分割固体撮像部と、分割固体撮像部の各画素を構成する各受光部に対応して設けられ、対応して設けられた受光部により受光して得られた被写体像の光像に応じた電荷を受けて蓄積する電荷蓄積部と、二次元配置された複数の画素のすべてを水平方向に隣接するM個の画素と垂直方向に隣接するM個の画素の合計M×M個(MはNより小なる2以上の整数)の画素を一組として複数の組に分割したとき、二次元配置された複数の画素のすべてに対して、M垂直周期で、かつ、同じ垂直同期信号期間内で同時に被写体像の光像に応じた電荷を形成させると同時に、各組の第1の配列位置の各画素に対応した受光部からの電荷を蓄積している電荷蓄積部から蓄積電荷に応じた信号を読み出した後、各組の第1の配列位置以外の配列位置のうち各組同じ配列位置にある各画素に対応した受光部からの電荷を蓄積している電荷蓄積部から、蓄積電荷に応じた信号を読み出すことを、各組の画素配列位置順に垂直同期信号期間毎に順次行う書き込み及び読み出し制御手段と、書き込み及び読み出し制御手段により、すべての受光部に同時に形成された電荷を、書き込み期間の次の垂直帰線消去期間内で電荷蓄積部に同時に転送させる転送手段と、書き込み及び読み出し制御手段により電荷蓄積部から読み出された蓄積電荷に応じた信号を時系列的に合成して撮像信号として取り出す画像出力部とを有する構成としたものである。この発明では、同時刻の被写体像の光像がすべての画素に対応した受光部で同時に形成された後、それが順次転送されて撮像信号として出力されるため、動きのある被写体を撮像した場合でも被写体像のぶれのない高解像度画像が容易に得られる。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、本発明の画像表示システムは、二次元配置された複数の画素を水平方向にのみ所定数の画素ずつN(Nは2以上の整数)分割して得たN個の分割固体撮像部により、被写体の光像を受光して、それぞれ撮像情報を生成する固体撮像素子、及びN個の分割固体撮像部によりそれぞれ生成された各撮像情報に基づいて、N種類の画像信号を別々に生成して並列に出力する画像信号生成手段を有するイメージセンサ用チップと、画像信号生成手段から並列に出力されたN種類の画像信号に対して所定の信号処理を行った後、固体撮像素子の全画素を水平方向に隣接するM個の画素と垂直方向に隣接するM個の画素の合計M×M個(MはNより小なる2以上の整数)の画素を一組として複数の組に分割したとき、各組の同じ配列位置の画素に被写体の光像の書き込みを行うと同時に同じ配列位置に隣接し、かつ、同じ配列位置の画素に対して対角位置の画素に既に書き込まれている被写体の光像の読み出しを行って、全部でMチャンネルの撮像信号に変換して並列に出力する信号処理手段と、信号処理手段から並列に出力されたMチャンネルの撮像信号を、一つ又はM分割された画像として表示する画像表示装置とを有する構成としたものである。
【0016】
この発明では、全画素数を所定のテレビジョン方式のN倍程度とすることにより、所定のテレビジョン方式の画像信号と同程度の解像度の画像信号生成手段から取り出したN種類の画像信号を取り出し、画像表示装置により一つ又はM分割された画像として表示することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる画像表示システムの第1の実施の形態のブロック図を示す。この第1の実施の形態の画像表示システムは、図1に示すように、カメラシステム1と、記録再生装置5と、画像表示装置6とで構成されている。カメラシステム1は、光学レンズ系2と、信号処理ユニット3と、モニタ装置4と、高解像度カメラ部8とを有している。高解像度カメラ部8は、その主要構成要素として、三色分解プリズム7と、イメージセンサ用チップCP1、CP2、CP3とを有している。
【0018】
光学レンズ系2は、被写体等からの光を集光して高解像度カメラ部8の三色分解プリズム7に入射させる。三色分解プリズム7は、光学レンズ系2を介して入射された光(白色光)を、赤色光成分(以下、Rとする)、緑色光成分(以下、Gとする)、青色光成分(以下、Bとする)の三原色に分解し、このR、G、Bの各原色光を、各原色光専用のイメージセンサ用チップCP1、CP2、CP3上に入射する。
【0019】
各イメージセンサ用チップCP1、CP2、CP3は、それぞれハイビジョン方式の画素数よりも多い画素数の固体撮像素子と、その周辺装置などを有する固体撮像装置であり、受光した光をそれぞれ光電変換することでR、G、Bの各色光に対応する撮像信号を形成し、これら各撮像信号を信号処理ユニット3に供給する。なお、各イメージセンサ用チップCP1、CP2、CP3の詳細については後述する。
【0020】
信号処理ユニット3は、各イメージセンサ用チップCP1、CP2、CP3から供給されたR、G、Bの各原色光に対応する撮像信号に対して所定の画像信号処理を施すことでモニタ表示用の複数の高精細度画像信号(例えば、いわゆるハイビジョン信号を複数に形成したもの)を生成してモニタ装置4に供給すると共に、並列に記録再生装置5へ出力する。これにより、モニタ装置4上には、この複数の高精細度画像信号の一つあるいは合成信号によるモニタ表示用の画像が表示される。
【0021】
記録再生装置5は、例えば入力されるモニタ表示用の複数の高精細度画像信号と同数のハイビジョン画像記録用のビデオテープレコーダ(VTR)等で構成されており、モニタ表示用の複数の高精細度画像信号が信号処理ユニット3から入力されると、これらを別々に、かつ、互いに同期して磁気テープに記録した後、互いに同期して再生して並列に画像表示装置6に供給する。
【0022】
なお、信号処理ユニット3から出力された複数の高精細度画像信号を、例えばパーソナルコンピュータ等により静止画像に変換し、当該パーソナルコンピュータのハードディスクやCD-R/RW、MO、DVD-ROM等の光ディスクに記録するようにしてもよい。また、この信号処理ユニット3からの複数の高精細度画像信号は、直接的に画像表示装置6に供給するようにしてもよい。
【0023】
画像表示装置6は複数の高精細度画像信号から形成された高精細度画像を同時に一画面に合成して表示可能な表示装置で、例えばハイビジョン信号による画像を画面に表示する日本ビクター株式会社製ILAスーパープロジェクターILA-M12KSCを、上記の記録再生装置5から並列に出力される高精細度画像信号と同じ数用い、スクリーン上で一画面合成構成とした構成とされている。これにより、画像表示装置6は、記録再生装置5から再生されて供給された複数の高精細度画像信号に対応する高精細度画像、あるいは信号処理ユニット3から直接的に供給された複数の高精細度画像信号を表示する。
【0024】
次に、図1の高解像度カメラ部8にR、G、Bの各原色光に対応して設けられているイメージセンサ用チップCP1、CP2、CP3の概略構成について説明する。イメージセンサ用チップCP1、CP2、CP3は、それぞれ同一の構造をしているため、それらのうちの一つのイメージセンサ用チップCPの構成について代表して図2(A)の構成図と共に説明する。
【0025】
図2(A)において、イメージセンサ用チップCPは、高精細度テレビ(ハイビジョン)方式の撮像装置の水平方向の画素数1920、垂直方向の画素数1080(すなわち、1920×1080)の4倍の画素数である、水平方向の画素数3840、垂直方向の画素数2160(すなわち、3840×2160)に加えて、光学ブラックを確保するために水平48画素、垂直32ライン被写体光の入らない黒レベル基準部分を設定し、全体として3888×2192の画素構成とされた固体撮像素子10と、データ制御部11と、タイミングコントロール部12と、水平駆動部13と、垂直駆動部14と、電子シャッター駆動部15と、素子読み出しノイズ補正部16と、出力信号利得・オフセット調整部17とが、同一の大規模半導体集積回路(LSI)に搭載された固体撮像装置である。
【0026】
固体撮像素子10は、水平方向に、例えば8分割された8列の分割固体撮像部DT1〜DT8とからなる。同一方向に8分割したのは、LSIのパターン作成が同一のため容易で、しかも高精度が得られるからであり、更には同一のパターンのため各分割固体撮像部DT1〜DT8間のばらつきが少ないためである。なお、固体撮像素子10の上記の黒レベル基準部分の水平48画素分は、左右に均等に24画素ずつ配置されており、8分割した場合の中央画素の抽出を容易にしている。
【0027】
データ制御部11には、例えば画像の拡大や縮小、電子シャッタータイミング、素子読み出しノイズ補正データ、出力信号利得データ・オフセットデータ等を設定指示するための制御信号が外部から供給されている。このデータ制御部11にて設定された情報は、タイミングコントロール部12、素子読み出しノイズ補正部16、出力信号利得・オフセット調整部17にそれぞれ供給される。
【0028】
タイミングコントロール部12は、例えばハイビジョン同期信号(水平走査周波数33.75kHz、垂直走査周波数30Hz、クロック周波数74.25MHz)に基づいて生成された、周波数67.5kHzの水平駆動信号、周波数30Hzの垂直駆動信号、周波数37.125MHzのクロックが外部から供給される。これらの外部入力信号とデータ制御部11から供給される制御信号に基づいて、タイミングコントロール回路12は、水平駆動部13、垂直駆動部14、電子シャッター駆動部15、及び素子読み出しノイズ補正部16にそれぞれのタイミングコントロール用信号を供給する。
【0029】
水平駆動部13は、分割固体撮像部DT1〜DT8をそれぞれ並列にタイミングコントロールする回路部で、分割固体撮像部DT1〜DT8を構成する画素群のうち、同じ行に配列されている複数の画素を走査方向に、クロック周波数37.125MHzの駆動パルスで順次駆動する。この水平駆動部13による分割固体撮像部DT1〜DT8に対する駆動周波数37.125MHzは、ハイビジョン方式の74.25MHzの1/2倍の周波数であり、これは分割固体撮像部DT1〜DT8として動作が安定したものを容易に製造できるようにしたためである。
【0030】
また、一画面当たりの画素伝送量を同じにするため、垂直方向に配列されている複数の画素を垂直方向にライン周期で駆動する駆動信号周波数を、図2(B)に示すように、ハイビジョン方式の2倍の周波数の67.5kHzにし、垂直駆動部14の1フィールド周期で駆動する垂直走査周波数は同図(C)に示すようにハイビジョン方式のそれと同じ30Hzとする。垂直駆動部13及び水平駆動部14により、分割固体撮像部DT1〜DT8は常に同じタイミングで読み出される。
【0031】
電子シャッター駆動部15は、分割固体撮像部DT1〜DT8のいずれも例えば図3に示す回路構成とされている場合には、図4(A)又は(B)に示すタイミングで分割固体撮像部DT1〜DT8を制御する。図3中、図2と同一構成部分には同一符号を付してある。図3には分割固体撮像部DT1〜DT8のいずれかの水平方向2画素、垂直方向2画素の、隣接する計4画素と周辺回路のみ図示してある。
【0032】
図3において、フォトダイオードD1-1、D1-2、D2-1及びD2-2は、上記の4画素を構成している。フォトダイオードD1-1のカソードには、MOS型FETによるリセット用のスイッチSWa1-1のドレイン又はソースが接続される一方、MOS型FETによる電荷転送用のスイッチTr1-1のドレイン及びソースを介して電荷蓄積用のコンデンサC1-1の非接地側端子に接続されている。また、コンデンサC1-1の非接地側端子は、MOS型FETによるリセット用のスイッチSWb1-1と、MOS型FETによる電荷転送用のスイッチSV1-1のドレイン又はソースに接続されている。
【0033】
他のフォトダイオードD1-2、D2-1及びD2-2も上記のフォトダイオードD1-1と同様に、リセット用スイッチSWa1-2、SWb2-1及びSWb2-2と、電荷転送用スイッチTr1-2、Tr2-1及びTr2-2に接続され、スイッチTr1-2、Tr2-1及びTr2-2は、電荷蓄積用のコンデンサC1-2、C2-1及びC2-2と、リセット用のスイッチSWb-1、SWb2-1及びSWb2-2と、電荷転送用のスイッチSV1-2、SV2-1及びSV2-2に接続されている。スイッチSWa-1〜SWa2-2の各ゲートは共通接続され、スイッチSWb-1〜SWb2-2の各ゲートも共通接続され、スイッチTr1-1〜Tr2-2の各ゲートも共通接続されている。
【0034】
電子シャッター駆動部15は、まず、スイッチSWa1-1〜SWa2-2の各ゲートに供給する垂直同期信号に同期したリセットパルスR1を、図4(A)に示すように、垂直帰線消去期間内でハイレベルとして、スイッチSWa1-1〜SWa2-2をそれぞれオンとし、スイッチSWa-1〜SWa2-2を通して所定の電圧をフォトダイオードD1-1〜D2-2のカソードに印加し、カソード電圧をその所定の電圧に固定する(すなわち、リセットする)。なお、この垂直帰線消去期間内では、スイッチSWb1-1〜SWb2-2の各ゲートに印加されるリセットパルスR2及びスイッチTr1-1〜Tr2-2の各ゲートに印加されるパルスT1は、いずれも図4(A)に示すようにローレベルであり、これらのスイッチはオフとされている。
【0035】
続いて、図4(A)にaで示すように、映像期間の始まりの直前で上記のリセットパルスR1がローレベルとなり、またパルスT1も引き続きローレベルであるので、図4(A)にS1で示すように、フォトダイオードD1-1〜D2-2に図1に示した光学レンズ系2及び三色分解プリズム3をそれぞれ経由して所定の原色光の被写体像の光像が照射され、この光像に応じた電荷が映像期間の始まりcからパルスT1がハイレベルとなるまでのTchargeの期間蓄積されていく。
【0036】
蓄積終了直前に、図4(A)に示すように、電子シャッター駆動部15はリセットパルスR2をハイレベルとして、スイッチSWb1-1〜SWb2-2をそれぞれオンとし、スイッチSWb1-1〜SWb2-2を通して所定の電圧をコンデンサC1-1〜C2-2に印加し、その端子電圧を所定の電圧に固定する(すなわち、リセットする)。続いて、リセットパルスR2を図4(A)にdで示すように、ローレベルにしてスイッチSWb1-1〜SWb2-2をそれぞれオフとすると同時に、パルスT1をハイレベルとすることにより、スイッチTr1-1〜Tr2-2をオンとし、これらのスイッチTr1-1〜Tr2-2を通して、S1にeで示す時点のフォトダイオードD1-1〜D2-2の蓄積電荷をコンデンサC1-1〜C2-2に転送して保持させる。コンデンサC1-1〜C2-2に転送された電荷は、同一時刻における被写体像の光像によるものである。
【0037】
一方、垂直駆動部14からの駆動信号V1、V2等は、水平走査周期で順次ハイレベルとされるため、V1がハイレベルである1水平走査期間では水平方向に配列されている各画素に対応したスイッチSV1-1、SV1-2、...がそれぞれオンであり、この状態で転送パルスT1が図4(A)にfで示すようにローレベルになってから、水平駆動部13からの水平駆動信号H1、H2、...によりスイッチSH1、SH2、...がクロック周期で順次にオンとされていく。これにより、コンデンサC1-1、C1-2、...の各保持電荷に対応した端子電圧がスイッチSV1-1及びSH1、SV1-2及びSH2を通してPoutへ出力される。Poutからは各画素の上記端子電圧が時系列的に合成されて撮像信号として出力される。
【0038】
以下、同様の動作が全画素に対し行われ、同一期間に被写体像の光像を電荷転送用コンデンサに転送した後、分割した形態に応じて並列に撮像信号が読み出されるから、画素数が多くても読み出しタイミングに左右されることなく被写体像のぶれのない画像が得られる。
【0039】
ところで、図4(A)はインターレース時のタイミングに合わせた場合で、60Hz毎に垂直同期信号が供給されるので、Tchargeは垂直帰線消去期間以外の垂直期間内に設定される。転送パルスT1はTcharge終了後、次の電荷蓄積期間Tchargeの始まりまでの任意の期間内でローレベルとなればよいが、図4(A)にf´で示すように、転送パルスT1のローレベルとなる時刻を電荷蓄積期間Tcharge終了後の次の垂直帰線期間内とすれば、転送時の切り替え状態を見えなくする事ができる。
【0040】
また、図4(B)はプログレッシブ時のタイミングに合わせた場合であるが、図4(A)のようなインターレース時でもこのタイミングで使用できる。図4(B)のS1−Lに示す電荷蓄積期間Tcharge´及び転送パルスT1−Lは垂直走査周波数30Hzの垂直期間内であれば任意の期間とタイミングで使用できる。この場合の転送パルスT1−Lの立下り時刻f、f´は図4(A)と同様である。なお、図4(B)中、R1−L、R2−Lは、図4(A)に示したリセットパルスR1、R2に対応したリセットパルスである。
【0041】
電荷蓄積期間Tcharge´そのものは、被写体の光量及び動作状態(画面内移動時間)により設定する。この場合、読み出しは図4(B)のタイミング、もしくは図4(A)と同様に行う。図4(A)の読み出しの場合、コンデンサC1-1等に転送された電荷を2回使用すればよい。
【0042】
さらに、C1-1等の電荷蓄積用コンデンサの放電が影響されない時間範囲ならば、任意のタイミングで被写体像を撮像し、読み出しを図4(A)もしくは(B)と同様に行うことができる。例えば、蛍光灯が、50Hzで点灯されている場合、撮像は50Hzで行い、読み出しは図4(A)もしくは(B)と同様に行えば、フリッカーのない画像信号が得られる。あるいは、夜間光量が少ない場合、数フレーム分撮像素子に被写体像を蓄積して画質を向上させることもできる。
【0043】
このようにして、分割固体撮像素子DT1〜DT8から並列に、かつ、時系列的に読み出された撮像信号は、図2の素子読み出しノイズ補正部16の対応する分割ノイズ補正部CD1〜CD8で別々に公知の方法でノイズ補正された後、出力信号利得・オフセット調整部17の対応する分割利得・オフセット調整部A1〜A8で別々に利得及びオフセット調整された後、図1の信号処理ユニット3に入力される。
【0044】
次に、信号処理ユニット3の構成及び動作について説明する。図5はイメージセンサ用チップCP1、CP2、CP3も含めた信号処理ユニット3の一例のブロック図を示す。信号処理ユニット3は、インタフェース回路21、同期信号発生器22及びカメラコントロールユニット(CCU)23とから構成されている。インタフェース回路21は、例えば画像の拡大や縮小情報、電子シャッタータイミング情報、素子読み出しノイズ(CDS)補正データ、出力信号利得・オフセットデータ、輝度データ、直線性データ、色補正データ等が予め端子24から入力されて準備しており、それぞれの情報やデータをイメージセンサ用チップCP1、CP2、CP3及びCCU23に供給する。
【0045】
また、同期信号発生器22は、端子25を介して他のカメラと時間軸を合わせるために外部より同期信号が入力され、これに同期して例えばハイビジョン同期信号として、標準のHD1(33.75kHz)、VD1(30Hz)、Clock1(74.25MHz)を発生してCCU23へ供給すると共に、分割して撮像するための同期信号HD2(67.5kHz)、VD2(30Hz)、Clock2(37.125MHz)を生成して、CCU23及びイメージセンサ用チップCP1、CP2及びCP3に供給する。また、同期信号発生器22は、生成した同期信号を端子26より外部へ出力する。
【0046】
イメージセンサ用チップCP1、CP2及びCP3は、図1及び図2と共に説明したように、被写体からの原色光R、G及びBを受光して光電変換し、例えば水平3888画素を486画素ずつ8分割した分割固体撮像部のそれぞれから垂直2192ライン分の撮像信号をライン順で順次並列に出力する。ここで、イメージセンサ用チップCP1のR信号に関する8つの並列出力撮像信号をdata1とし、同様に、イメージセンサ用チップCP2のG信号に関する8つの並列出力撮像信号をdata2、イメージセンサ用チップCP3のB信号に関する8つの並列出力撮像信号をdata3とすると、これらdata1〜3は並列にCCU23に入力される。
【0047】
CCU23は、これら入力信号data1〜3に対して、色合成、色補正、直線性、利得・オフセット等所定の画像信号処理を行った後、時間軸をHDTV信号に変換する。すなわち、RGBの各撮像信号を色合成した全画素数は光学ブラック分を差し引くと水平3840画素、垂直2160ラインとなり、前述したようにハイビジョン方式の4倍であるので、CCU23はハイビジョン方式と同一画素数で、かつ、互いに異なる画素からなる4組の画像信号HDTV1〜HDTV4を生成して並列に端子27、28、29、30へ出力する。これにより、高解像度画像信号も容易に実現できる。さらに高解像度とするには同様の構成を2組、3組などの様に増加すればよい。
【0048】
次に、本発明になる固体撮像装置及び画像表示システムの第2の実施の形態について説明する。図6は本発明になる画像表示システムの第2の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。この第2の実施の形態の画像表示システムは、図6に示すように、カメラシステム31と、記録再生装置33と、画像表示装置34とで構成されている。カメラシステム31は、光学レンズ系2と、信号処理ユニット3と、モニタ装置4と、高解像度カメラ部8′と、映像信号選択装置32を有している。
【0049】
高解像度カメラ部8′は、その主要構成要素として、三色分解プリズム7と、イメージセンサ用チップCP1′、CP2′、CP3′とを有している。イメージセンサ用チップCP1′、CP2′、CP3′のそれぞれは、基本的には図2に示したイメージセンサ用チップCP1、CP2、CP3の各構成とほぼ同一であるが、電子シャッター駆動部の構成及び動作が後述するように異なる。
【0050】
信号処理ユニット3は、各イメージセンサ用チップCP1′、CP2′、CP3′から供給されたR、G、Bの各色光に対応する撮像信号に対して所定の画像信号処理を施すことでモニタ表示用の撮像信号を生成すると共に、高精細度撮像信号を4組の映像信号として(例えばいわゆるハイビジョン信号を4組)生成して映像信号選択装置32へ並列に出力する。
【0051】
映像信号選択装置32は、並列入力される4組の映像信号を一組ずつ、例えば一つのハイビジョン信号として順次選択して出力する。そして、この映像信号をモニタ装置4に供給すると共に、順次一組ずつ出力されたハイビジョン信号を画像記録用の一台のビデオテープレコーダ(VTR)等で形成された記録再生装置33に供給して一旦記録させた後再生させる。なお、カメラシステム31から出力された複数組のハイビジョン信号を、例えばパーソナルコンピュータ等により静止画像に変換し、当該パーソナルコンピュータのハードディスクやCD-R/RW、MO、DVD-ROM等の光ディスクに記録するようにしてもよい。またカメラシステム31から出力された高精細度映像信号は、直接的に画像表示装置34に供給するようにしてもよい。
【0052】
画像表示装置34は4組のハイビジョン信号が時系列的に合成された高精細度映像信号を、映像信号分離装置35により時系列的に分割して各組のハイビジョン信号を別々に分離した後、同時一画面合成し、一画面表示可能な表示装置36(例えば日本ビクター株式会社製ILAスーパープロジェクターILA-M12KSCを複数用い、スクリーン上で一画面合成構成としたもの)で表示する。すなわち、カメラシステム31から供給された4組のハイビジョン信号を直接、あるいは記録再生装置33から再生されて供給された4組のハイビジョン信号に対応する高精細度画像を画像表示装置36で表示する。
【0053】
次に、イメージセンサ用チップCP1′、CP2′、CP3′内の電子シャッター駆動部による動作について説明する。この電子シャッター駆動部は、固体撮像素子の垂直方向2画素、水平方向2画素の隣接する計4画素を一組として全画素をこの組単位に分割し、各組の対応する位置の画素を同時に駆動し、かつ、順次各組の4画素を駆動する。
【0054】
すなわち、図7(A)に示すように、各組を構成する4画素を▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼とすると、水平方向には画素▲1▼と▲2▼(又は画素▲3▼と▲4▼)の交互配置となり、垂直方向には画素▲1▼と▲4▼(又は画素▲2▼と▲3▼)の交互配置となる。電子シャッター駆動部の動作について図7及び図8と共に説明する。図8(A)は垂直同期信号で、垂直同期期間T1、垂直帰線消去期間Tbとする。まず図7(B)の(1)に示すように、電子シャッターをオンにして画素▲1▼に対してのみ被写体像を書き込む。この画素▲1▼の書き込み期間は図8(B)にtwで示す。このとき、図7(B)の(2)に示すように画素▲1▼に対して同じ組の対角に位置する画素▲3▼の既に書き込まれた被写体像を読み出す。この画素▲3▼の読み出し期間は図8(D)にtwで示す。上記の期間twは固定値ではなく、被写体像光量により増減される。
【0055】
図8(B)に示すように、次の垂直同期期間内tpに画素▲1▼に書き込まれた電荷を転送し、その次の垂直同期期間trで被写体像の電荷を映像情報として読み出す。図7(C)の(1)及び図8(C)に示すように、上記の画素▲1▼の電荷転送期間tp内の書き込み期間twで電子シャッターをオンにして画素▲2▼に対してのみ被写体像を書き込む。このとき、図7(C)の(2)及び図8(E)に示すように画素▲2▼に対して同じ組の対角に位置する画素▲4▼の既に書き込まれた被写体像を、期間twで読み出す。
【0056】
次に、図7(D)の(1)及び図8(D)に示すように、電子シャッターをオンにして画素▲3▼に対してのみ被写体像を書き込む。このとき、図7(D)の(2)及び図8(B)に示すように画素▲3▼に対して同じ組の対角に位置する画素▲1▼の既に書き込まれた被写体像を読み出し、続いて、図7(E)の(1)及び図8(E)に示すように、電子シャッターをオンにして画素▲4▼に対してのみ被写体像を書き込むと共に、同図(E)の(2)及び図8(C)に示すように画素▲4▼に対して同じ組の対角に位置する画素▲2▼の既に書き込まれた被写体像を読み出す。以下、図7(F)、(G)に示すように、上記と同様の動作を繰り返す。このように、順次対角方向での画素の書き込みと読み出しを同時に行うことにより、読み書きの際に隣接画素への影響を最小限にすることができる。また近接した画素を用いて順次映像信号を連続構成するので、違和感のない動画像として使用できる。
【0057】
なお、電子シャッター駆動部の動作は上記に限定されるものではなく、例えば、図8(G)に示すように、同図(F)に示す垂直同期信号の垂直同期期間内tw’に全画素▲1▼〜▲4▼を同時に書き込み、同図(H)に示すように、次の垂直帰線期間内tp’で全画素に書き込まれた電荷をすべて同時に転送した後、図8(I)、(J)、(K)、(L)のタイミングで画素▲1▼、画素▲2▼、画素▲3▼、画素▲4▼から蓄積電荷を順次読み出す。これにより、画素▲1▼〜▲4▼を時間軸を合わせ同時に合成して表示することにより、被写体像のぶれのない高解像度画像が容易に得られる。
【0058】
次に、第2の実施の形態の電子シャッター駆動部と任意の一組の4画素の回路構成について図9の回路図と共に説明する。同図中、図3と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図9において、4つの画素の構成は図3の第1の実施の形態と略同一であるが、電荷転送用スイッチTr1-1〜Tr2-2は電子シャッター駆動部37からの転送パルスtp1-1〜tp2-2により順次オンとされ、またリセット用スイッチSWb1-1〜SWb2-2も電子シャッター駆動部37からのパルスにより順次オンとされる。また、リセット用スイッチSWa1-1〜SWa2-2は、垂直駆動部14からの信号vp1-1〜vp2-2により順次にオンとされる。
【0059】
例えば、画素▲1▼の場合、垂直駆動部14から出力されたリセットパルスvp1−1によりSWa1−1をオンにして画素▲1▼のフォトダイオードD1-1をリセットした後、SWa1−1をオフにすると、フォトダイオードD1−1には被写体像の光像が照射され、この光像に応じた電荷が蓄積される。次に、電子シャッター駆動部37からリセットパルスをスイッチSWb1−1に供給してオンとし、スイッチSWb1-1を通してコンデンサC1−1をリセットした後、電子シャッター駆動部37からハイレベルの転送パルスtp1−1をスイッチTr1−1のゲートに印加してこれをオンにし、フォトダイオードD1−1の電荷をコンデンサC1−1に転送する。
【0060】
次に、垂直駆動部14よりハイレベルの垂直読み出し信号V1をスイッチSV1−1のゲートに供給してオンさせ、さらに水平駆動部13からハイレベルの水平読み出し信号H1をスイッチSH1のゲートに供給してオンさせることにより、これらのスイッチSV1-1及びSH1を通してコンデンサC1-1に保持されている電荷に対応した端子電圧が映像信号としてPoutへ出力される。以下、画素▲2▼、▲3▼、▲4▼についてもタイミングが異なるだけで、上記と同様の動作を行い順次に映像信号をPoutへ出力する。
【0061】
第2の実施の形態の信号処理ユニット3の構成は第1の実施の形態と同様であり、信号処理ユニット3からは4つのハイビジョン信号が並列に出力される。ここで、これら4つのハイビジョン信号は、画素▲1▼のみで構成されたハイビジョン信号HDTV1と、画素▲2▼のみで構成されたハイビジョン信号HDTV2と、画素▲3▼のみで構成されたハイビジョン信号HDTV3と、画素▲4▼のみで構成されたハイビジョン信号HDTV4である。
【0062】
図6に示した映像信号選択装置32は、これらのハイビジョン信号HDTV1〜HDTV4が並列に入力されるので、並直列変換してこれらを直列に順次出力する。これにより、例えば連続した一つのハイビジョン信号が記録再生装置33へ出力されるので、記録再生装置33は1台のハイビジョン用VTRで構成することができる。
【0063】
この場合、ハイビジョン信号HDTV1〜HDTV4は近接した画素▲1▼〜▲4▼で構成されているため、図7及び図8(A)〜(E)で述べた順次書き込みと読み出しを行う場合は、1垂直同期期間毎に撮像された静止画が順次に切り替わるので、このまま通常の動画信号として用いることができ、記録再生装置33だけでなく、画像表示装置34も例えばハイビジョン信号用でよい。
【0064】
画像表示装置34は直列に入力された画像信号(ハイビジョン信号HDTV1〜HDTV4)を映像信号分離装置35で並列に変換し、一画面表示可能な表示装置36で同時に表示することにより高解像度画像を実現できる。特に図8(F)〜(L)と共に説明した同時書き込み順次読み出しでは、全画素が同一時刻で書き込みが行われるので、一画面の画像が静止することになり、より鮮明な表示画像が得られる。さらに高解像度とするには同様の構成を2組、3組のように増加すればよい。
【0065】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。この実施の形態の画像表示システムの構成は第2の実施の形態と同様であるが、固体撮像装置の画素の構成が第2実施の形態と異なる。図10は本発明になる固体撮像装置の第3の実施の形態の要部の回路図を示す。同図中、図9と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。この実施の形態は、図3及び図9に示したイメージセンサ用チップ(固体撮像装置)CP中のリセット用スイッチSWb1-1〜SWb2-2を削除した点に特徴がある。
【0066】
次に、図10の実施の形態の動作について図11のタイミングチャートを併せ参照して説明する。図10の垂直駆動部14から図11(A)に示すパルスvp1-1をスイッチSWa1-1のゲートに印加し、パルスvp1-1のハイレベルの期間、スイッチSWa1-1をオンとする。これにより、所定の電圧がスイッチSWa1-1を通してフォトダイオードD1-1のカソードに印加されて、そのカソード電圧を所定の電圧に固定する(つまり、リセットする)。
【0067】
これと同時に、図10の電子シャッター駆動部39から図11(A)に示すように、ハイレベルの信号tp1-1が電荷転送用スイッチTr1-1のゲートに印加されてTr1-1がオンとされ、画素▲1▼のフォトダイオードD1-1のカソード電圧がスイッチTr1-1を通してコンデンサC1-1に印加されるため、コンデンサC1-1も上記の所定の電圧にリセットされる。
【0068】
その後、図11(A)にaで示すように、パルスvp1-1がローレベルとなり、スイッチSWa1-1がオフとなった時点から、図11(A)にS1で示すようにフォトダイオードD1−1に照射されている被写体像の光像に応じた電荷が、フォトダイオードD1−1に蓄積され始める。このとき、信号tp1-1はローレベルであり、垂直同期期間内で信号tp1-1が再びハイレベルとなる時点までの期間(時刻cからeまでの期間Tcharge)、フォトダイオードD1−1に電荷が蓄積される。
【0069】
その後、信号tp1-1が短期間ハイレベルになると、スイッチTr1-1が短期間オンとされ、フォトダイオードD1-1に蓄積されている被写体像の光像による電荷がスイッチTr1-1を通してコンデンサC1-1に転送されて保持される。
【0070】
続いて、垂直駆動部14よりハイレベルの垂直読み出し信号V1をスイッチSV1−1のゲートに供給してオンさせ、さらに水平駆動部13からハイレベルの水平読み出し信号H1をスイッチSH1のゲートに供給してオンさせることにより、これらのスイッチSV1-1及びSH1を通してコンデンサC1-1に保持されている電荷に対応した端子電圧が映像信号としてPoutへ出力される。以下、画素▲2▼、▲3▼、▲4▼の各フォトダイオードD1-2、D2-1、D2-2についてもタイミングが異なるだけで、上記と同様の動作を行い順次に映像信号をPoutへ出力する。以上により電子シャッター動作による垂直同期信号期間の静止画映像信号を得ることができる。
【0071】
また、垂直同期信号期間を飛び越し走査を含めて静止画としたい場合は、図11(B)のようにすればよい。同図中、vp1-1-LはスイッチSWa1-1のゲートに印加されるリセットパルス、tp1-1-LはスイッチTr1-1のゲートに印加される転送パルス、S1−LはD1−1の光像による電荷形成期間Tcharge’をそれぞれ示す。以上により、電子シャッターによるリセット動作をフォトダイオードD1−1とコンデンサC1−1に対して同時に行うことができ、固体撮像装置を簡単に形成することができる。なお、T1及びT1−Lのe−fの転送期間は水平帰線期間とすれば、映像信号読み出し時に転送による画面欠落等の影響を及ぼすことはない。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、全画素数を所定のテレビジョン方式のN倍程度に増加させたとしても、N個の分割固体撮像部を別々に駆動して所定のテレビジョン方式の画像信号と同程度の解像度のN種類の画像信号を得ることができるため、画素数の増加による高速動作を必要とせず、大画面で鮮明な表示画像を得ることができる。
【0074】
また、本発明によれば、各組のM個の画素のうち同じ配列位置にある画素同士は同じ書き込みタイミングで書き込まれた後、同じ読み出しタイミングで読み出され、また、同じ垂直同期期間内では別の配列位置にある画素同士が一方は書き込まれ、他方は読み出されることにより得た撮像信号を出力するようにしたため、異なる時刻で順次に撮像されたM種類の画像信号を後段で生成させることができ、よって、通常の画像信号として扱えるので、広い範囲にわたって応用が可能である。
【0075】
また、本発明によれば、二次元配置された複数の画素のすべてに対して、同じ垂直同期信号期間内で同時に被写体像の光像に応じた電荷を形成させ、各組のM個の画素のうち、同じ配列位置の各画素に対応した受光部からの電荷を蓄積している電荷蓄積部から蓄積電荷に応じた信号を読み出すことを、各組の画素配列位置順に垂直同期信号期間毎に順次行うようにしたため、画素数の増加による高速動作を必要とせず、大画面で鮮明な静止画像を得ることができる。
【0076】
また、本発明によれば、受光部に形成された電荷と電荷蓄積部に蓄積されている電荷とを同時にリセットするようにしたため、別々にリセットするよりも回路構成を簡略化できる。
【0077】
更に、本発明によれば、M種類の画像信号を画像表示装置により一つ又はM分割された画像として表示するようにしたため、一つの画像として表示するときは高精細度の画像で大画面で表示することができ、また、M分割された画像として表示するときはM個の静止画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる画像表示システムの第1の実施の形態のブロック図である。
【図2】 本発明になる固体撮像装置の要部の一実施の形態のブロック図である。
【図3】 本発明になる固体撮像装置の画素構成の第1の実施の形態の回路図である。
【図4】 図3の電子シャッター動作説明用タイミングチャートである。
【図5】 図1の信号処理ユニットの構成をイメージセンサ用チップと共に示す図である。
【図6】 本発明になる画像表示システムの第2の実施の形態のブロック図である。
【図7】 図6中のカメラシステムにおける電子シャッター駆動の動作原理図である。
【図8】 図7の電子シャッター駆動動作時の各例のタイミングチャートである。
【図9】 本発明になる固体撮像装置の画素構成の第2の実施の形態の回路図である。
【図10】 本発明になる固体撮像装置の画素構成の第3の実施の形態の回路図である。
【図11】 図10の電子シャッター動作説明用タイミングチャートである。
【図12】 従来の固体撮像装置の画素構成の一例の回路図である。
【符号の説明】
1、31 カメラシステム
2 光学レンズ系
3 信号処理ユニット
4 モニタ装置
5、33 記録再生装置
6、34 画像表示装置
7 三色分解プリズム
8、8´ 高解像度カメラ部
10 固体撮像素子
11 データ制御部
12 タイミングコントロール部
13 水平駆動部
14 垂直駆動部
15、37、39 電子シャッター駆動部
16、CD1〜CD8 素子読み出しノイズ補正部
17、A1〜A8 出力信号利得・オフセット調整部
21 インタフェース回路
22 同期信号発生器
23 カメラコントロールユニット(CCU)
32 映像信号選択装置
35 映像信号分離装置
36 表示装置
CP1、CP2、CP3、CP、CP1´、CP2´、CP3´ イメージセンサ用チップ
C1-1〜C2-2 コンデンサ
DT1〜DT8 分割固体撮像部
D1-1〜D2-2 フォトダイオード
SWa1-1〜SWa2-2、SWb1-1〜SWb2-2 リセット用スイッチ
Tr1-1〜Tr2-2 電荷転送用スイッチ
SV1-1〜SV2-2 垂直読み出しスイッチ
SH1、SH2 水平読み出しスイッチ
Claims (3)
- 二次元配置された複数の画素を水平方向にのみ所定数の画素ずつN(Nは2以上の整数)分割して得たN個の分割固体撮像部と、
前記分割固体撮像部の各画素を構成する各受光部に対応して設けられ、対応して設けられた該受光部により受光して得られた被写体像の光像に応じた電荷を受けて蓄積する電荷蓄積部と、
前記二次元配置された複数の画素のすべてを前記水平方向に隣接するM個の画素と垂直方向に隣接するM個の画素の合計M×M個(Mは前記Nより小なる2以上の整数)の画素を一組として複数の組に分割したとき、各組の第1の配列位置の各画素に対応した前記受光部に対しては、同じ垂直同期信号期間内の書き込みタイミングで前記被写体像の光像に応じた電荷を形成させると同時に、前記第1の配列位置に隣接し、かつ、前記第1の配列位置に対して対角位置にある第2の配列位置の各画素に対応した前記受光部からの電荷を蓄積している前記電荷蓄積部に対しては、蓄積電荷に応じた信号を読み出すことを、前記各組の画素配列位置順に前記垂直同期信号期間毎に順次行う書き込み及び読み出し制御手段と、
前記書き込みタイミングに従って前記受光部に形成された電荷を、書き込み期間の次の垂直同期信号期間内で前記電荷蓄積部に転送させる転送手段と、
前記書き込み及び読み出し制御手段により前記電荷蓄積部から蓄積電荷に応じた信号を読み出された信号を時系列的に合成して撮像信号として取り出す画像出力部と
を有することを特徴とする固体撮像装置。 - 二次元配置された複数の画素を水平方向にのみ所定数の画素ずつN(Nは2以上の整数)分割して得たN個の分割固体撮像部と、
前記分割固体撮像部の各画素を構成する各受光部に対応して設けられ、対応して設けられた該受光部により受光して得られた被写体像の光像に応じた電荷を受けて蓄積する電荷蓄積部と、
前記二次元配置された複数の画素のすべてを前記水平方向に隣接するM個の画素と垂直方向に隣接するM個の画素の合計M×M個(Mは前記Nより小なる2以上の整数)の画素を一組として複数の組に分割したとき、前記二次元配置された複数の画素のすべてに対して、M垂直周期で、かつ、同じ垂直同期信号期間内で同時に前記被写体像の光像に応じた電荷を形成させると同時に、各組の第1の配列位置の各画素に対応した前記受光部からの電荷を蓄積している前記電荷蓄積部から蓄積電荷に応じた信号を読み出した後、各組の前記第1の配列位置以外の配列位置のうち各組同じ配列位置にある各画素に対応した前記受光部からの電荷を蓄積している前記電荷蓄積部から、蓄積電荷に応じた信号を読み出すことを、前記各組の画素配列位置順に垂直同期信号期間毎に順次行う書き込み及び読み出し制御手段と、
前記書き込み及び読み出し制御手段により、すべての前記受光部に同時に形成された電荷を、書き込み期間の次の垂直帰線消去期間内で前記電荷蓄積部に同時に転送させる転送手段と、
前記書き込み及び読み出し制御手段により前記電荷蓄積部から読み出された蓄積電荷に応じた信号を時系列的に合成して撮像信号として取り出す画像出力部と
を有することを特徴とする固体撮像装置。 - 二次元配置された複数の画素を水平方向にのみ所定数の画素ずつN(Nは2以上の整数)分割して得たN個の分割固体撮像部により、被写体の光像を受光して、それぞれ撮像情報を生成する固体撮像素子、及び前記N個の分割固体撮像部によりそれぞれ生成された各撮像情報に基づいて、N種類の画像信号を別々に生成して並列に出力する画像信号生成手段を有するイメージセンサ用チップと、
前記画像信号生成手段から並列に出力されたN種類の画像信号に対して所定の信号処理を行った後、前記固体撮像素子の全画素を前記水平方向に隣接するM個の画素と垂直方向に隣接するM個の画素の合計M×M個(Mは前記Nより小なる2以上の整数)の画素を一組として複数の組に分割したとき、各組の同じ配列位置の画素に前記被写体の光像の書き込みを行うと同時に前記同じ配列位置に隣接し、かつ、前記同じ配列位置の画素に対して対角位置の画素に既に書き込まれている前記被写体の光像の読み出しを行って、全部で前記Mチャンネルの撮像信号に変換して並列に出力する信号処理手段と、
前記信号処理手段から並列に出力されたMチャンネルの撮像信号を、一つ又はM分割された画像として表示する画像表示装置と
を有することを特徴とする画像表示システム。
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