JP3861398B2 - 車輌の制動力制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車輌の制動力制御装置に係り、更に詳細にはマスタシリンダ、ハイドロブースタ及び高圧源を液圧源としてホイールシリンダ内圧力を制御する制動力制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車輌に於いて、マスタシリンダを液圧源としてホイールシリンダ内圧力を制御する通常制御と、マスタシリンダとホイールシリンダとの連通を遮断し高圧源を液圧源としてホイールシリンダ内圧力を制御するブレーキアシスト制御と、マスタシリンダと制御対象車輪のホイールシリンダとの連通を遮断し高圧源を液圧源として制御対象車輪のホイールシリンダ内圧力を制御することにより車輌の挙動を安定化させる挙動制御とを行う制動力制御装置は従来より知られている。
【0003】
かかる制動力制御装置の一つとして、例えば本願出願人の先の出願にかかる特願平8−109548号明細書及び図面に記載されている如く、ブレーキアシスト制御中に挙動制御が開始されるときには、挙動制御の非制御対象車輪のホイールシリンダ内の作動流体をリザーバへ解放して該ホイールシリンダ内の圧力を減圧した後ホイールシリンダとマスタシリンダとを接続することにより、ブレーキアシスト制御を終了して挙動制御に移行するよう構成された制動力制御装置が既に提案されている。
【0004】
上述の如く構成された制動力制御装置によれば、ブレーキアシスト制御中に挙動制御が開始されるときには、挙動制御の非制御対象車輪のホイールシリンダ内の圧力が確実に減圧されるので、ブレーキアシスト制御より挙動制御に移行する際に非制御対象車輪のホイールシリンダよりマスタシリンダへ高圧の作動流体が逆流することを確実に防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記先の出願にかかる制動力制御装置に於ては、ブレーキアシスト制御中に開始される挙動制御が例えば車輌を減速すると共に車輌に旋回補助方向のヨーモーメントを与えるべく左右後輪を制動し且つ左右前輪の少なくとも一方を制動しないモードである場合には、ブレーキアシスト制御を終了して挙動制御に移行する際に前輪側の非制御対象車輪のホイールシリンダ内の圧力が一時的にマスタシリンダ圧よりも低い圧力に低下し、そのため車輌の減速度が一時的に大きく低下して車輌の乗員が異和感を覚えるという不具合がある。
【0006】
本発明は、ブレーキアシスト制御及び挙動制御を行う従来の制動力制御装置に於ける上述の如き不具合に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、挙動制御が左右後輪を制動し且つ左右前輪の少なくとも一方を制動しないモードである場合には、ブレーキアシスト制御を終了して挙動制御に移行する際に前輪側の非制御対象車輪のホイールシリンダ内の圧力が一時的にマスタシリンダ圧よりも低い圧力に低下することを防止することにより、車輌の減速度が一時的に大きく低下することを防止することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の如き主要な課題は、本発明によれば、上記請求項1の構成、即ち運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作に応答してマスタシリンダ内の作動流体の圧力に対応するレギュレータ圧に作動流体を増圧するハイドロブースタを有し、マスタシリンダを液圧源として前輪側のホイールシリンダ内圧力を制御すると共に、前記ハイドロブースタを液圧源として後輪側のホイールシリンダ内圧力を制御する通常制御と、前記マスタシリンダ及び前記ハイドロブースタと前記ホイールシリンダとの連通を遮断し高圧源を液圧源としてホイールシリンダ内圧力を制御するブレーキアシスト制御と、前記マスタシリンダ及び前記ハイドロブースタと制御対象車輪のホイールシリンダとの連通を遮断し高圧源を液圧源として制御対象車輪のホイールシリンダ内圧力を制御することにより車輌の挙動を安定化させる挙動制御とを行う車輌の制動力制御装置にして、ブレーキアシスト制御中に挙動制御が開始される場合であって該挙動制御が左右後輪を制動し且つ左右前輪の少なくとも一方を制動しないモードであるときには、所定の時間前記高圧源と前輪側の非制御対象車輪のホイールシリンダとの連通を遮断し且つ前記ハイドロブースタと前輪側の非制御対象車輪のホイールシリンダとを接続した後、該ホイールシリンダと前記マスタシリンダとを接続するよう構成されていることを特徴とする車輌の制動力制御装置によって達成される。
【0008】
上述の請求項1の構成によれば、ブレーキアシスト制御中に挙動制御が開始される場合であっても、その挙動制御が左右後輪を制動し且つ左右前輪の少なくとも一方を制動しないモードであるときには、所定の時間高圧源と前輪側の非制御対象車輪のホイールシリンダとの連通が遮断され且つハイドロブースタと前輪側の非制御対象車輪のホイールシリンダとが接続された後、ホイールシリンダとマスタシリンダとが接続される。
【0009】
従って前輪側の非制御車輪のホイールシリンダ内の圧力が一時的にマスタシリンダ圧よりも低い圧力に低下することが確実に防止されるので、ブレーキアシスト制御中に挙動制御が開始される場合には、挙動制御が如何なるモードであるかに拘らず、非制御対象車輪のホイールシリンダ内の作動流体をリザーバへ解放して該ホイールシリンダ内圧力を減圧した後ホイールシリンダとマスタシリンダとを接続する従来の構成の場合に比して、前輪側の非制御対象車輪のホイールシリンダ内圧力の低下量が確実に低減され、これにより車輌の減速度が一時的に大きく低下することが確実に防止される。
【0010】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、ブレーキアシスト制御中に挙動制御が開始される場合であって該挙動制御が左右後輪を制動し且つ左右前輪の少なくとも一方を制動しないモードではないときには、非制御対象車輪のホイールシリンダ内の作動流体をリザーバへ解放して該ホイールシリンダ内圧力を減圧した後ホイールシリンダとマスタシリンダとを接続することにより、ブレーキアシスト制御を終了し挙動制御に移行するよう構成される(好ましい態様1)。
【0011】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、車輌がドリフトアウト状態にあるときには、挙動制御として左右後輪を制動し且つ左右前輪を制動しないことにより車輌を減速させると共に車輌に旋回補助方向のヨーモーメントを与えるドリフトアウト抑制制御を行い、ブレーキアシスト制御中にドリフトアウト抑制制御が開始されるときには、所定の時間高圧源と左右前輪のホイールシリンダとの連通を遮断し且つハイドロブースタと左右前輪のホイールシリンダとを接続した後、左右前輪のホイールシリンダとマスタシリンダとを接続するよう構成される(好ましい態様2)。
【0012】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1の構成に於いて、車輌がスピン状態にあるときには、挙動制御として少なくとも旋回外側前輪を制動し且つ少なくとも旋回内側前後輪を制動しないことにより車輌にスピン抑制方向のヨーモーメントを与えるスピン抑制制御を行い、ブレーキアシスト制御中にスピン抑制制御が開始されるときには、スピン抑制制御の非制御対象車輪のホイールシリンダ内の作動流体をリザーバへ解放して該ホイールシリンダ内圧力を減圧した後ホイールシリンダとマスタシリンダとを接続することにより、ブレーキアシスト制御を終了しスピン抑制制御に移行するよう構成される(好ましい態様3)。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明による制動力制御装置の一つの実施形態の油圧回路及び電気式制御装置を示す概略構成図である。尚図1に於いては、電磁的に駆動される各弁のソレノイドの図示は省略されている。
【0015】
図1に於て、10は油圧式の制動装置を示しており、制動装置10は運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作に応答してブレーキオイルを圧送するマスタシリンダ14と、マスタシリンダ内のオイル圧力に対応する圧力(レギュレータ圧)にブレーキオイルを増圧するハイドロブースタ16とを有している。マスタシリンダ14には前輪用のブレーキ油圧制御導管18の一端が接続され、ブレーキ油圧制御導管18の他端には左前輪用のブレーキ油圧制御導管20FL及び右前輪用のブレーキ油圧制御導管20FRが接続されている。導管20FL及び20FRの途中にはそれぞれ3ポート2位置切換え型の電磁式の制御弁22FL、22FRが設けられており、これらの導管の他端にはそれぞれ左前輪及び右前輪の制動力を制御するホイールシリンダ24FL及び24FRが接続されている。
【0016】
ハイドロブースタ16には途中に制御弁26を有するレギュレータ圧供給導管28の一端が接続されており、導管28の他端には左後輪用のブレーキ油圧制御導管30RL及び右後輪用のブレーキ油圧制御導管30RRが接続されている。導管30RL及び30RRの他端にはそれぞれ左後輪及び右後輪の制動力を制御するホイールシリンダ24RL及び24RRが接続されている。制御弁26近傍の導管28にはハイドロブースタ16より導管30RL及び30RRへ向かうオイルの流れのみを許す逆止バイパス導管32が接続されている。
【0017】
レギュレータ圧供給導管28には途中に制御弁34を有する高圧導管36の一端が接続されており、高圧導管36の他端は図には示されていない原動機により駆動されるオイルポンプ38に接続されている。尚図示の実施形態に於いては、制御弁26は常開型の電磁開閉弁であり、制御弁34は常閉型の電磁開閉弁である。また制御弁26が開弁され閉弁されるときには、実質的にこれと同時に制御弁34がそれぞれ閉弁され開弁される。
【0018】
オイルポンプ38はリザーバ40に貯容されたブレーキオイルを汲み上げ高圧のオイルとして高圧導管36へ供給する。高圧導管36はリリーフ導管42によりハイドロブースタ16に接続されており、リリーフ導管42はハイドロブースタ16内の圧力が過剰になると開弁する図には示されていないリリーフ弁を有している。また高圧導管36は途中にリリーフ弁44を有するリリーフ導管46によりリザーバ40に接続されている。更に高圧導管36にはオイルポンプ38より吐出される高圧のオイルをアキュムレータ圧として蓄圧するアキュムレータ48が接続されており、オイルポンプ38及びアキュムレータ48は高圧源として機能する。
【0019】
導管20FL及び20FRの途中にはそれぞれ常開型の電磁開閉弁(増圧弁)50FL及び50FRが設けられている。リザーバ40に接続されたリターン導管52と導管20FL及び20FRとの間にはそれぞれ左前輪用の接続導管54FL及び右前輪用の接続導管54FRが接続されている。接続導管54FL及び54FRの途中にはそれぞれ常閉型の電磁開閉弁(減圧弁)56FL及び56FRが設けられている。電磁開閉弁50FL及び50FR近傍の導管20FL及び20FRには、それぞれホイールシリンダ24FL及び24FRよりマスタシリンダ14の側へ向かうオイルの流れのみを許す逆止バイパス導管58FL及び58FRが接続されている。
【0020】
同様に導管30RL及び30RRの途中には常開型の電磁開閉弁(増圧弁)50RL及び50RRが設けられている。リターン導管52と導管30RL及び30RRとの間にはそれぞれ左後輪用の接続導管54RL及び右後輪用の接続導管54RRが接続されている。接続導管54RL及び54RRの途中にはそれぞれ常閉型の電磁開閉弁(減圧弁)56RL及び56RRが設けられている。電磁開閉弁50RL及び50RR近傍の導管30RL及び30RRには、それぞれホイールシリンダ24RL及び24RRよりハイドロブースタ16の側へ向かうオイルの流れのみを許す逆止バイパス導管58RL及び58RRが接続されている。
【0021】
図1に示されている如く、制御弁22FL及び22FRはそれぞれブレーキ油圧制御導管20FL及び20FRの連通を許す第一の位置と、ブレーキ油圧制御導管20FL及び20FRの連通を遮断すると共に導管36F 、36FL、36FRを経てレギュレータ圧供給導管28とホイールシリンダ24FL及び24FRとを連通接続する第二の位置とに切り替わるようになっている。
【0022】
特に図示の実施形態に於いては、制御弁22FL及び22FRは対応するソレノイドに駆動電流が通電されていないときには、換言すれば通常時には第一の位置に設定され、これによりホイールシリンダ24FL及び24FRにはマスタシリンダ圧が供給される。同様に制御弁26及び34も通常時には図1に示された第一の位置にあり、ホイールシリンダ24RL及び24RRにはレギュレータ圧が供給される。従って通常時には各輪のホイールシリンダ内の圧力、即ち制動力はブレーキペダル12の踏力に応じて増減される。
【0023】
また制御弁22FL及び22FRが第二の位置に切り換えられ、制御弁26及び34が第一の位置にあり、各輪の開閉弁が図1に示された位置にあるときには、ホイールシリンダ24FL、24FR、24RL、24RRにはレギュレータ圧が供給される。従ってこの場合にも各輪の制動力は実質的にブレーキペダルの踏力に応じて増減される。
【0024】
これに対し制御弁22FL、22FR、26、34が第二の位置に切り換えられ、各輪の開閉弁が図1に示された位置にあるときには、ホイールシリンダ24 FL 、24 FR とマスタシリンダ14との連通が遮断され、ホイールシリンダ24 RL 、24 RR とハイドロブースタ16との連通が遮断され、ホイールシリンダ24FL、24FR、24RL、24RRにはアキュムレータ圧が供給されるようになるので、各輪の制動力はブレーキペダルの踏力に関係なく各輪の開閉弁の開閉により増減される。
【0025】
特にホイールシリンダ内の圧力は開閉弁50FL、50FR、50RL、50RR及び開閉弁56FL、56FR、56RL、56RRが図1に示された第一の位置にあるときには増圧され(増圧モード)、開閉弁50FL、50FR、50RL、50RRが第二の位置に切り換えられ且つ開閉弁56FL、56FR、56RL、56RRが図1に示された第一の位置にあるときには保持され(保持モード)、開閉弁50FL、50FR、50RL、50RR及び開閉弁56FL、56FR、56RL、56RRが第二の位置に切り換えられると減圧される(減圧モード)。
【0026】
制御弁22FL、22FR、26、34、開閉弁50FL、50FR、50RL、50RR及び開閉弁56FL、56FR、56RL、56RRは、後に詳細に説明する如く電気式制御装置70により制御される。電気式制御装置70はマイクロコンピュータ72と駆動回路74とよりなっており、マイクロコンピュータ72は図1には詳細に示されていないが例えば中央処理ユニット(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
【0027】
マイクロコンピュータ72の入出力ポート装置には車速センサ76より車速Vを示す信号、実質的に車体の重心に設けられた横加速度センサ78より車体の横加速度Gy を示す信号、ヨーレートセンサ80より車体のヨーレートγを示す信号、操舵角センサ82より操舵角θを示す信号、実質的に車体の重心に設けられた前後加速度センサ84より車体の前後加速度Gx を示す信号、車輪速度センサ86FL〜86RRよりそれぞれ左右前輪及び左右後輪の車輪速度(周速)Vwi( i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、ストロークセンサ88よりブレーキペダル12の踏み込みストロークSを示す信号が入力されるようになっている。尚横加速度センサ78及びヨーレートセンサ80等は車輌の左旋回方向を正として横加速度等を検出し、前後加速度センサ84は車輌の加速方向を正として前後加速度を検出するようになっている。
【0028】
またマイクロコンピュータ72のROMは後述の如く種々の制御フロー及びマップを記憶しており、CPUは上述の種々のセンサにより検出されたパラメータに基づき後述の如く種々の演算を行い、車輌の旋回挙動を判定すると共に、車輌がスピン状態又はドリフトアウト状態にあるときには旋回挙動を安定化させるための各車輪の目標スリップ率を演算し、これにより電気式制御装置70は各車輪の制動力を目標スリップ率に基づき制御して挙動を安定化させる。
【0029】
また電気式制御装置70は、運転者によるブレーキペダル12の踏み込み速度が所定値以上であるときには、緊急ブレーキ時と判定し、マスタシリンダ14と各車輪のホイールシリンダとの連通を遮断すると共にアキュムレータ圧を液圧源として各車輪のホイールシリンダ内圧力を制御するブレーキアシスト(必要に応じてBAと略称する)制御を行う。
【0030】
更にブレーキアシスト制御中に車輌がスピン状態になったときには、電気式制御装置70は旋回外側前輪に制動力を与えて車輌にスピン抑制方向のヨーモーメントを与え、これによりスピンを抑制すると共に、挙動制御の非制御輪、即ち旋回外側前輪以外の車輪の減圧弁56を所定の時間開弁してそれらの車輪のホイールシリンダ24を減圧した後、左右前輪のホイールシリンダ24FL、24FRとマスタシリンダ14とを接続する。
【0031】
これに対し、ブレーキアシスト制御中に車輌がドリフトアウト状態になったときには、電気式制御装置70は左右後輪に制動力を与えて車輌を減速させ車輌に旋回補助方向のヨーモーメントを与え、これによりドリフトアウトを抑制すると共に、左右前輪の減圧弁56FL、56FRを閉弁し、所定の時間アキュムレータ48と左右前輪のホイールシリンダ24FL、24FRとの連通を遮断し且つハイドロブースタ16と左右前輪のホイールシリンダ24FL、24FRとを接続する。
【0032】
次に図2に示されたフローチャートを参照して図示の実施形態に於ける制動力制御ルーチンについて説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0033】
まずステップ10に於いては車速センサ76により検出された車速Vを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては図3に示されたフローチャートによるルーチンに従って車輌の挙動制御が必要であるか否かの判別が行われ、挙動制御が不要である旨の判別が行われたときにはステップ10へ戻り、挙動制御が必要である旨の判別が行われたときにはステップ40へ進む。
【0034】
ステップ40に於いてはステップ20に於ける判定が挙動制御不要から挙動制御必要に変化した時点に於いてブレーキアシスト制御中であったか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ150へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ50へ進む。尚ブレーキアシスト制御は図5に示されたフローチャートによるルーチンに従って実行される。
【0035】
ステップ50に於いては必要な挙動制御がドリフトアウト抑制制御であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ110へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ60に於いて左右前輪の減圧弁56FL、56FRが閉弁され、ステップ70に於いて制御弁22FL、22FRがオンに切り換えられ、制御弁26が開弁されると共に制御弁34が閉弁され、これにより制御元油圧がレギュレータ圧に設定される。
【0036】
ステップ80に於いてはタイマのカウント値T1 がΔT(例えば図2に示されたフローチャートのサイクルタイムに相当する正の定数)インクリメントされ、ステップ90に於いてはタイマのカウント値T1 が基準値T1c(正の定数)以上であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ150へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ100に於いてタイマのカウント値T1 が0にリセットされると共に制御弁22FL、22FRがオフに切換えられる。
【0037】
ステップ110に於いては、挙動制御の非制御輪の増圧弁50が閉弁されると共に減圧弁56が開弁され、ステップ120に於いてはタイマのカウント値T2 がΔTインクリメントされ、ステップ130に於いてはタイマのカウント値T2 がT2C(正の定数)以上であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ150へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ140に於いてタイマのカウント値T2 が0にリセットされ、挙動制御の非制御輪の増圧弁50が開弁されると共に減圧弁56が閉弁され、旋回内側前輪の制御弁22FL又は22FRがオフに切り換えられる。
【0038】
ステップ150に於いては、図4に示されたフローチャートによる挙動制御ルーチンに従って必要な挙動制御、即ちスピン抑制制御又はドリフトアウト抑制制御が実行され、これにより車輌の不安定な挙動が安定化される。
【0039】
図3に示されたフローチャートによる要挙動制御判定ルーチンのステップ21に於いては、横加速度Gy と車速V及びヨーレートγの積V*γとの偏差Gy −V*γとして横加速度の偏差、即ち車輌の横すべり加速度Vydが演算され、横すべり加速度Vydが積分されることにより車体の横すべり速度Vy が演算され、更に車体の前後速度Vx (=車速V)に対する車体の横すべり速度Vy の比Vy /Vx として車体のスリップ角βが演算される。
【0040】
ステップ22に於いてはK1 及びK2 をそれぞれ正の定数として車体のスリップ角β及び横すべり加速度Vydの線形和K1 *β+K2 *Vydとしてスピン量SVが演算され、ステップ23に於いてはヨーレートγの符号に基づき車輌の旋回方向が判定され、スピン状態量SSが車輌の左旋回時にはSVとして、車輌の右旋回時には−SVとして演算され、演算結果が負の値のときにはスピン状態量は0とされる。尚スピン量SVは車体のスリップ角β及びその微分値βd の線形和として演算されてもよい。
【0041】
ステップ24に於いてはKh をスタビリティファクタとし、Hをホイールベースとし、Rg をステアリングギヤ比として下記の数1に従って目標ヨーレートγc が演算されると共に、Tを時定数としsをラプラス演算子として下記の数2に従って基準ヨーレートγt が演算される。尚目標ヨーレートγc は動的なヨーレートを考慮すべく車輌の横加速度Gy を加味して演算されてもよい。
【0042】
【数1】
γc =V*θ/(1+Kh *V2 )*H/Rg
【数2】
γt =γc /(1+T*s)
【0043】
ステップ25に於いては下記の数3に従ってドリフトバリューDVが演算される。尚ドリフトバリューDVは下記の数4に従って演算されてもよい。
【0044】
【数3】
DV=(γt −γ)
【数4】
DV=H*(γt −γ)/V
【0045】
ステップ26に於いてはヨーレートγの符号に基づき車輌の旋回方向が判定され、ドリフトアウト状態量DSが車輌の左旋回時にはDVとして、車輌の右旋回時には−DVとして演算され、演算結果が負の値のときにはドリフトアウト状態量は0とされる。
【0046】
ステップ27に於いてはスピン状態量SSに基づき図6に示されたグラフに対応するマップより旋回外側前輪のスリップ率目標値Rssfoが演算され、ステップ28に於いてはドリフトアウト状態量DSに基づき図7に示されたグラフに対応するマップより車輌全体のスリップ率目標値Rsallが演算される。
【0047】
ステップ29に於いてはKsri を旋回内側後輪の分配率として下記の数5に従って旋回外側前輪、旋回内側前輪、旋回外側後輪、旋回内側後輪の目標スリップ率Rsfo 、Rsfi 、Rsro 、Rsri が演算される。
【数5】
Rsfo =Rssfo
Rsfi =0
Rsro =(Rsall−Rssfo)*(100−Ksri )/100
Rsri =(Rsall−Rssfo)*Ksri /100
【0048】
ステップ30に於いてはヨーレートγの符号に基づき車輌の旋回方向が判定されることにより旋回内外輪が特定され、その特定結果に基づき各輪の最終目標スリップ率Rsi(i=fr、fl、rr、rl)が演算される。即ち最終目標スリップ率Rsiが車輌の左旋回の場合及び右旋回の場合についてそれぞれ下記の数6及び数7に従って求められる。
【0049】
【数6】
Rsfr =Rsfo
Rsfl =Rsfi
Rsrr =Rsro
Rsrl =Rsri
【数7】
Rsfr =Rsfi
Rsfl =Rsfo
Rsrr =Rsri
Rsrl =Rsro
【0050】
ステップ31に於いては何れかの最終目標スリップ率Rsiが正であるか否か(全てのRsiが0ではないか否か)の判別、即ち挙動制御が必要であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ40へ進み、否定判別が行われたときにはステップ10へ戻る。
【0051】
図4に示されたフローチャートによる挙動制御ルーチンのステップ151に於いては、旋回内側前輪の車輪速度を基準車輪速度Vb として下記の数8に従って当該車輪の目標車輪速度Vwti が演算される。
【数8】
Vwti =Vb *(100−Rsi)/100
【0052】
ステップ152に於いてはVwid を当該車輪の車輪加速度(Vwiの微分値)とし、Ks を正の一定の係数として下記の数9に従って当該車輪の目標スリップ量SPi が演算され、ステップ153に於いては図8に示されたグラフに対応するマップより当該車輪のデューティ比Driが演算される。
【数9】
SPi =Vwi −Vwti +Ks *(Vwid −Gx )
【0053】
ステップ154に於いては制御弁22FL、22FR、26、34が第二の位置に切換え設定されて制御元油圧としてアキュムレータ圧が導入されると共に、対応する車輪の開閉弁に対しデューティ比Driに対応する制御信号が出力されることにより、対応するホイールシリンダ24FR〜24RLに対するアキュームレータ圧の給排が制御され、これにより各車輪の制動圧が制御される。
【0054】
この場合デューティ比Driが負の基準値と正の基準値との間の値であるときには上流側の開閉弁が第二の位置に切換え設定され且つ下流側の開閉弁が第一の位置に保持されることにより、対応するホイールシリンダ内の圧力が保持され、デューティ比が正の基準値以上のときには上流側及び下流側の開閉弁が図1に示された位置に制御されることにより、対応するホイールシリンダへアキュームレータ圧が供給されることによって該ホイールシリンダ内の圧力が増圧され、デューティ比が負の基準値以下であるときには上流側及び下流側の開閉弁が第二の位置に切換え設定されることにより、対応するホイールシリンダ内のブレーキオイルがリターン導管52へ排出され、これにより該ホイールシリンダ内の圧力が減圧される。
【0055】
次に図5に示されたフローチャートを参照して図示の実施形態に於けるBA制御ルーチンについて説明する。尚図5に示されたフローチャートによる制御も図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0056】
まずステップ210に於いては車輌の挙動制御が行われているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ260へ進み、否定判別が行われたときにはステップ220に於いてストロークセンサ88により検出されたブレーキペダルのストロークSの読み込みが行われる。
【0057】
ステップ230に於いては例えばブレーキペダルのストロークSの時間微分値としてブレーキペダルの踏み込み速度Vp が演算されると共に、踏み込み速度Vp が基準値Vpc(正の定数)以上であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ270へ進み、否定判別が行われたときにはステップ240へ進む。
【0058】
ステップ240に於いてはフラグFが1であるか否かの判別、即ちブレーキアシスト制御中であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ250〜280を実行することなくステップ210へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ250へ進む。
【0059】
ステップ250に於いてはブレーキペダルの踏み込み速度Vp が所定値未満であり又は図には示されていないストップランプスイッチがオフである等のブレーキアシスト制御解除条件が成立しているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ260に於いてブレーキアシスト制御が解除されると共にフラグFが0にリセットされ、否定判別が行われたときにはステップ270に於いてブレーキアシスト制御が実行され、ステップ280に於いてフラグFが1にセットされる。
【0060】
尚ステップ270に於けるブレーキアシスト制御は当技術分野に於いてよく知られているので、これについての詳細な説明を省略するが、ブレーキアシスト制御は例えば図には示されていない圧力センサにより検出されるマスタシリンダ圧Pm の時間微分値ΔPm が演算され、制御弁22FL、22FRがオンに切り換えられ且つ制御弁26が閉弁された状態にて制御弁34が基準値以上の時間微分値ΔPm
に応じたデューティ比にてオン−オフ制御され、これにより各輪のホイールシリンダ内圧力の上昇率がマスタシリンダ圧Pm の上昇率よりも大きくなるよう各ホイールシリンダ内圧力が制御されることにより行われる。
【0061】
かくしてこの実施形態によれば、車輌の旋回挙動が安定な状態にあり、緊急ブレーキ操作時でもないときには、ステップ31に於いて否定判別が行われ、ステップ210、230及び240に於いて否定判別が行われ、従ってこの場合にはステップ150(151〜154)による挙動制御及びステップ270によるブレーキアシスト制御は実行されず、これにより各車輪の制動圧は運転者によるブレーキペダル12に対する踏力に応じて制御される。
【0062】
また車輌の旋回挙動が安定な状態にある状況に於いて、運転者により緊急ブレーキ操作が行われたときには、ステップ31に於いて否定判別が行われ、挙動制御は実行されないが、ステップ230に於いて肯定判別が行われ、ステップ270に於いてブレーキアシスト制御が行われ、これにより車輌が効果的に減速される。
【0063】
これに対し、車輌の旋回挙動が不安定な状態にあるが運転者による緊急ブレーキ操作が行われていないときには、ステップ210に於いて肯定判別が行われることにより、ステップ270のブレーキアシスト制御は実行されないが、ステップ20に於いて肯定判別が行われ、ステップ40に於いて否定判別が行われ、これによりステップ150に於いて挙動制御が実行されることにより車輌の旋回挙動が安定化される。
【0064】
即ち、ステップ21〜23に於いて車体のスリップ角β等に基づいてスピン状態量SSが演算され、またステップ24〜26に於いて実ヨーレートγ等に基づいてドリフトアウト状態量DSが演算され、ステップ27〜31及びステップ151〜154に於いてスピン状態量及びドリフトアウト状態量の両方に基づき各車輪の制動力が制御され、これによりスピン状態及びドリフトアウト状態の何れの場合にもそれらの不安定な挙動が低減される。
【0065】
例えば車輌がスピン状態になると、旋回外側前輪及び旋回外側後輪に制動力が与えられることによって車輌にスピン低減方向のヨーモーメントが与えられ、これによりスピン状態が低減される。また車輌がドリフトアウト状態になると、左右後輪に大きさの異なる制動力が与えられることによって車輌が減速されると共に車輌に旋回補助方向のヨーモーメントが与えられ、これによりドリフトアウト状態が低減される。
【0066】
またブレーキアシスト制御中に車輌がスピン状態になると、ステップ210に於いて肯定判別が行われ、ステップ260に於いてブレーキアシスト制御が解除される。またステップ20及び40に於いて肯定判別が行われ、ステップ50に於いて否定判別が行われ、ステップ110〜140に於いてT2c時間挙動制御の非制御輪の増圧弁が閉弁され且つ減圧弁が開弁されることにより、それらの車輪のホイールシリンダ内圧力が速やかに低減され、またステップ150に於いてスピン抑制制御が実行されることにより車輌のスピン状態が低減される。
【0067】
更にブレーキアシスト制御中に車輌がドリフトアウト状態になると、この場合にもステップ210に於いて肯定判別が行われ、ステップ260に於いてブレーキアシスト制御が解除され、またステップ20及び40に於いて肯定判別が行われる。しかしこの場合はステップ50に於いても肯定判別が行われ、ステップ60〜100に於いて左右前輪の減圧弁が閉弁されると共に、T1c時間制御弁22がオン状態に維持され、制御弁26が開弁され且つ制御弁34が閉弁されることにより、左右前輪のホイールシリンダがハイドロブースタ16に接続され、またステップ150に於いてドリフトアウト抑制制御が実行されることにより車輌のドリフトアウト状態が低減される。
【0068】
従って例えば図9に示されている如く、挙動制御がスピン抑制制御であるかドリフトアウト抑制制御であるかに拘らず、ブレーキアシスト制御中に挙動制御が開始される場合には所定の時間挙動制御の非制御輪の増圧弁が閉弁され且つ減圧弁が開弁される従来の制動力制御装置に於いては、ブレーキアシスト制御より挙動制御に移行した直後に一時的に非制御輪の制動圧がマスタシリンダ圧Pm 以下に大きく低下し、車輌の減速度が一時的に大きく低下してしまう。
【0069】
これに対し図示の実施形態によれば、図10に示されている如く、ブレーキアシスト制御中にドリフトアウト抑制制御が開始される場合には、挙動制御の非制御輪である左右前輪の減圧弁が閉弁された状態にて所定の時間左右前輪のホイールシリンダがハイドロブースタ16に接続されるので、ブレーキアシスト制御よりドリフトアウト抑制制御に移行した直後に左右前輪の制動圧が一時的に大きく低下すること及びこれに起因して車輌の減速度が一時的に大きく低下することを確実に防止することができる。
【0070】
尚車輌の挙動制御が実行されている状況に於いて運転者により緊急ブレーキ操作が行われたときには、ステップ210に於いて肯定判別が行われるので、ブレーキアシスト制御は実行されず、従って挙動制御がブレーキアシスト制御によって悪影響を受けることもない。
【0071】
以上に於ては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0072】
例えば上述の実施形態に於いては、車輌のスピンの程度を示すスピン状態量SS及び車輌のドリフトアウトの程度を示すドリフトアウト状態量DSが演算され、これらの状態量を低減するための各輪の目標スリップ率が演算され、各輪のスリップ率が目標スリップ率になるよう制動圧が制御されることにより車輌の挙動が安定化されるようになっているが、本発明に於ける挙動制御は車輌の挙動を安定化するために少なくとも左右後輪を制動し且つ左右前輪の少なくとも一方を制動しないモードを含んでいる限りの任意の態様にて実行されてよい。
【0073】
また上述の実施形態に於いては、挙動制御に於ける各輪の制動力は車輪速フィードバックにより制御されるようになっているが、各輪の制動力はホイールシリンダ内の圧力についての圧力フィードバックにより制御されてもよい。
【0074】
【発明の効果】
以上の説明より明らかである如く、本発明によれば、ブレーキアシスト制御中に挙動制御が開始される場合であっても、その挙動制御が例えばドリフトアウト抑制制御の如く左右後輪を制動し且つ左右前輪の少なくとも一方を制動しないモードであるときには、所定の時間高圧源と前輪側の非制御対象車輪のホイールシリンダとの連通が遮断され且つハイドロブースタと前輪側の非制御対象車輪のホイールシリンダとが接続された後、ホイールシリンダとマスタシリンダとが接続されるので、前輪側の非制御対象車輪のホイールシリンダ内の圧力が一時的にマスタシリンダ圧よりも低い圧力に低下することを確実に防止し、前輪側の非制御対象車輪のホイールシリンダ内圧力の低下量を確実に低減することができ、これにより車輌の減速度が一時的に大きく低下することを確実に防止して車輌の乗員が異和感を覚えることを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による制動力制御装置の一つの実施形態の油圧回路及び電気式制御装置を示す概略構成図である。
【図2】実施形態の制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】実施形態の要挙動制御判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】実施形態の挙動制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】実施形態のBA(ブレーキアシスト)制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】スピン状態量SSと旋回外側前輪のスリップ率目標値Rssfoとの間の関係を示すグラフである。
【図7】ドリフトアウト状態量DSと車輌全体のスリップ率目標値Rsallとの間の関係を示すグラフである。
【図8】各輪の目標スリップ量SPi とデューティ比Driとの間の関係を示すグラフである。
【図9】従来の制動力制御装置に於いてブレーキアシスト制御中にドリフトアウト抑制制御が開始される場合の作動を示すタイムチャートである。
【図10】実施形態に於いてブレーキアシスト制御中にドリフトアウト抑制制御が開始される場合の作動を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10…制動装置
14…マスタシリンダ
16…ハイドロブースタ
22FL、22FR、26、34…制御弁
24FL、24FR、24RL、24RR…ホイールシリンダ
38…オイルポンプ
48…アキュムレータ
70…電気式制御装置
86FL〜86RR…車輪速センサ
88…ストロークセンサ
Claims (1)
- 運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作に応答してマスタシリンダ内の作動流体の圧力に対応するレギュレータ圧に作動流体を増圧するハイドロブースタを有し、マスタシリンダを液圧源として前輪側のホイールシリンダ内圧力を制御すると共に、前記ハイドロブースタを液圧源として後輪側のホイールシリンダ内圧力を制御する通常制御と、前記マスタシリンダ及び前記ハイドロブースタと前記ホイールシリンダとの連通を遮断し高圧源を液圧源としてホイールシリンダ内圧力を制御するブレーキアシスト制御と、前記マスタシリンダ及び前記ハイドロブースタと制御対象車輪のホイールシリンダとの連通を遮断し高圧源を液圧源として制御対象車輪のホイールシリンダ内圧力を制御することにより車輌の挙動を安定化させる挙動制御とを行う車輌の制動力制御装置にして、ブレーキアシスト制御中に挙動制御が開始される場合であって該挙動制御が左右後輪を制動し且つ左右前輪の少なくとも一方を制動しないモードであるときには、所定の時間前記高圧源と前輪側の非制御対象車輪のホイールシリンダとの連通を遮断し且つ前記ハイドロブースタと前輪側の非制御対象車輪のホイールシリンダとを接続した後、該ホイールシリンダと前記マスタシリンダとを接続するよう構成されていることを特徴とする車輌の制動力制御装置。
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-
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- 1997-08-07 JP JP22565297A patent/JP3861398B2/ja not_active Expired - Lifetime
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