JP3860670B2 - 光ディスク原盤露光機における合焦位置合わせ方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク原盤露光機における合焦位置合わせ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は光ディスク原盤露光機の一般的な構成図である。
この図に基づいて、光ディスク原盤露光機の一般的な構成を説明する。光ディスク原盤露光機では、原盤露光時に、対物レンズ(露光対物レンズ)1とガラス原盤2表面との距離が一定(=対物レンズの露光波長に対する焦点距離)になるように、後述するフォーカスエラー信号に基づき、対物レンズアクチュエータ3をサーボ制御する。 ガラス原盤2表面には、露光波長λ1に感光するフォトレジストが塗布されるので、フォーカスエラー信号生成用のフォーカス光源波長λ2は、露光波長λ1と異なり、一般的には露光波長λ1より長波長となる。
【0003】
対物レンズ1には、露光波長λ1の露光光源(図示は省略)からの光が、ビーム成形光学系(図示は省略)、ビーム変調・偏向光学系(図示は省略)などを経た後、ダイクロイックミラー4を経て、対物レンズ1下に露光スポットが形成される。
同時に対物レンズ1には、波長λ2のフォーカス光源5からの光が、コリメータ6、ビームスプリッタ7、ダイクロイックミラー4を経て導かれ、対物レンズ1下にフォーカス光スポットが形成される。原盤露光時には、ガラス原盤2からの反射光が、対物レンズ1、ダイクロイックミラー4、ビームスプリッタ7へと戻り、ビームスプリッタ7で反射されて、検出光学系8、受光素子9へ導かれる。
【0004】
検出光学系8及び受光素子9の具体的構成は、非点収差法、ビームサイズ法、ナイフエッジ法、臨界角法、斜め入射法などの公知フォーカスエラー検出法により異なる。受光素子9への戻り光量を多くするため、ビームスプリッタ7として偏向ビームスプリッタを利用する場合、さらに波長λ2の1/4波長板10が追加される。
【0005】
フォーカス光源5からダイクロイックミラー4(もしくは1/4波長板10)まで総称して、フォーカス検出光学系11と呼ぶ(説明の都合上、ダイクロイックミラー4、ビームスプリッタ7はキューブ型としたが、プレート型の場合もある。また、ダイクロイックミラー4は、波長λ2を反射するとしたが、逆に波長λ1を反射する場合もある)。
【0006】
受光素子9の出力を適当に演算し、いわゆるフォーカスエラー信号を生成する。フォーカスエラー信号は、フォーカス光合焦点からの対物レンズ変位量を表し、合焦点(図9のP0)における出力がゼロのS字形状になるが、このうちフォーカスエラーの検出に使える領域は、S字の谷(図9のPb)から山(図9のPt)領域であり、通常の光ディスク原盤露光機では、たかだか±3ミクロン程度のレンジになる。
【0007】
ところで前述のように、光ディスク原盤露光機では、一般に露光光源波長λ1とフォーカス光源波長λ2が異なるため、対物レンズ1の色収差により、波長λ1と波長λ2の合焦位置が光軸方向で異なる(図10のΔ)。λ1≒400nm、λ2≒800nmの典型例の場合、2ミクロン程度のずれが生じる。
【0008】
フォーカスエラー検出及び補正技術として、例えば特開平5−217173号公報に記載の技術がある。
この技術は、光ディスク面上の光ビームのフォーカス、トラック状態を直接観察するためのものである。光ピックアップ自身が持っている駆動機構(対物レンズアクチュエータ)により、光ビームを光ディスク面上の所定位置にフォーカシング・トラッキングさせ、そのときの光ビームスポットを直接観察することで、光ピックアップを高精度に調整する。
【0009】
また、図11に示すフォーカス光学系調整装置も知られている。
フォーカス光源5の光を、コリメートレンズ6で平行光にして対物レンズ1に入射させ、ミラーもしくはガラス原盤2上に集光し、その反射光を拡大してカメラ12上に結像させると共にモニタ13上に写し出す。
ミラーあるいはガラス原盤2をZ方向に動かして、対物レンズ1との距離を連続的に変え、モニタ13上の光スポット径が最小となる位置を目視で判断し、フォーカス光の合焦位置と見做す。続いて、この状態を保ったまま受光素子(図示せず)の位置を調整し、合焦状態でフォーカスエラー信号がゼロとなるように合わせ込む。
【0010】
さらに、光ディスク原盤露光機の露光対物レンズによる集光スポットの状態を直接観察するための先願技術もある。
フォーカス調整可能な顕微鏡対物レンズを露光対物レンズに対向させて、光スポットの状態を観察し、合わせてスポット径測定も行う(光ディスクドライブ装置に比べ、光ディスク原盤露光機のフォーカスアクチュエータは大型になり、定電流印加時に熱の影響でクリープを起こし易いため、上記公報のようにフォーカスアクチュエータ駆動ではなく顕微鏡対物レンズ駆動で光スポットへフォーカシングを行う)。スポット径測定が可能なため、露光スポット合焦位置とフォーカススポット合焦位置の、光軸方向のずれ量を検出できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報による従来技術では、対物レンズアクチュエータを駆動してフォーカシングを行う場合、定電流を流して対物レンズ位置を合焦位置に固定する必要がある。原盤露光機の対物レンズは、ドライブ装置と比較して大きく重たいので、アクチュエータも大型化される。
そのため、コイル発熱により生じる抵抗変化により、一定電流を流しても対物レンズ位置が徐々に動く(クリープ)場合がある。すなわち、この従来技術では、光ビームの観察中にフォーカス状態が微妙に変化し、合焦状態の光スポットを安定して観察できないという問題がある。
【0012】
また、図11に示す例では、波長λ2の合焦位置のみを検出するため、当然ながら波長λ1,λ2の合焦点位置ずれを解消できない。そのため、フォーカスエラー信号上の合焦位置(図9のP0)と、波長λ1の合焦位置(図9のP1)が異なってしまうが、実験的に求めたオフセット値を加算し、λ1の合焦位置を中心にフォーカスサーボを掛けている。
【0013】
ところが、焦点位置ずれが2ミクロンで、フォーカスエラー信号検出レンジが±3ミクロンの場合、実際にフォーカスエラー検出に使用できる領域は、波長λ1の合焦位置に対し、遠方−5ミクロンから近方+1ミクロンと非対称となるため、サーボ引き込みに失敗する場合があることや、一方向(この場合、近方側)に対するサーボ余裕度が少ないという問題がある。
また、上記先願技術では、波長λ1,λ2の合焦位置ずれを検知することは可能だが、そのずれを解消するための方法は開示されていない。
【0014】
本発明の目的は、露光光源波長とフォーカス光源波長が異なる光ディスク原盤露光機のフォーカス光学系において、前記2波長間の合焦位置ずれを解消する技術を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、露光光源と、該露光光源とは波長が異なるフォーカス光源と、前記露光光源からの露光光およびフォーカス光源からのフォーカス光を光ディスク原盤上に集光する露光対物レンズと、該露光対物レンズによって形成される光スポット光束を集光する顕微鏡対物レンズと、該顕微鏡対物レンズを介して光スポットを観測するモニタ装置と、該モニタ装置で観測された光スポットの強度ピーク値から光スポット径を算出するスポット径計測手段とを備えた光ディスク原盤露光機における合焦位置合わせ方法であって、前記スポット径計測手段により露光光の合焦位置を検出し、当該合焦状態を保持する合焦位置検出工程と、前記フォーカス光源をフォーカス光軸方向に移動させることにより、フォーカス光の合焦位置を移動させる合焦位置移動工程と、前記スポット径計測手段により前記フォーカス光の合焦位置を前記保持された露光光の合焦位置に一致させる合焦位置一致工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0016】
また上記目的を達成するために、請求項2記載の発明は、請求項1記載の合焦位置合わせ方法において、前記光ディスク原盤露光機は、フォーカス光のコリメーションを調整するフォーカスコリメートレンズをさらに備え、前記合焦位置移動工程に代えて、前記フォーカスコリメートレンズをフォーカス光軸方向に移動させることにより、フォーカス光の合焦位置を移動させる第2の合焦位置移動工程を備えたえたことを特徴とするものである。
【0017】
また上記目的を達成するために、請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の合焦位置合わせ方法において、前記光ディスク原盤露光機は、前記顕微鏡対物レンズの傾きを調整する2軸あおり調整手段をさらに備え、前記2軸あおり調整手段により前記顕微鏡対物レンズの光軸を前記露光対物レンズの光軸を一致させる光軸一致工程を備えたことを特徴とするものである。
【0018】
また上記目的を達成するために、請求項4記載の発明は、請求項3記載の光ディスク原盤露光機のフォーカス光学系調整装置において、
前記スポット径計測手段に、前記光スポット強度ピーク値の位置検出手段を備えたことを特徴とするものである。
【0019】
また上記目的を達成するために、請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4記載の光ディスク原盤露光機のフォーカス光学系調整装置において、
複数の顕微鏡対物レンズを搭載し、任意の1つの顕微鏡対物レンズを選択する選択手段を備えたことを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。まず、請求項1記載の発明の内容を説明する。図1は本発明の実施の形態に係る光ディスク原盤露光機の全体構成図である。図8と同一個所には同一符号を付して、その部分の説明は重複することになるので省略する。
【0021】
光ディスク原盤露光機の露光対物レンズ1に対向して、顕微鏡対物レンズ21を配置する。顕微鏡対物レンズ21の後段には、リレーレンズ22、カメラ23、表示装置24で構成されるモニタ装置を配置する。また、カメラ23の出力信号は、スポット径計測手段25へ供給する。
【0022】
露光対物レンズ1と顕微鏡対物レンズ21の光軸は、光ディスクガラス原盤2(露光時に原盤露光機のターンテーブルにセッティングされる)と直交する軸(Z軸)と一致させる。X・Y軸は光ディスクガラス原盤2面内で直交する2方向である。X軸、Y軸、Z軸はそれぞれが直交する。
露光対物レンズ1により形成される光スポット26の光束を、顕微鏡対物レンズ21で集光し、折り曲げミラー27、リレーレンズ22を介してカメラ23上に結像させ、カメラ23上に結像した光スポット26の像を表示装置24上に写し出す。
【0023】
顕微鏡対物レンズ21は、Z方向駆動手段によりZ方向に任意量変位できるようになっている。また、顕微鏡対物レンズ21は、X・Y方向駆動手段によりX・Y方向に任意量変位できるようになっている。X・Y・Z方向駆動手段は、顕微鏡対物レンズ21をホルダー28で受け、ホルダー28をX・Y・Zステージ29,30,31に固定するなどで実現する。
【0024】
露光対物レンズ1と顕微鏡対物レンズ21の焦点位置が丁度一致するように、顕微鏡対物レンズ21をZ方向に駆動して位置決めすると共に、モニタ装置の視野に光スポット26の像が写るように、顕微鏡対物レンズ21をX・Y方向に駆動して位置決めする。
【0025】
図2はスポット径計測手段の処理内容を示す図である。
光ディスク原盤露光用のレーザビームはガウス分布と考えてよく、スポット径計測手段25は光スポット像を写すカメラ23の出力信号から強度ピーク値41を検出し、検出された光スポット像の強度ピーク値に対し、強度相対値が0.5、もしくは1/e2 となる2点間の距離42(カメラ23上の画素数単位)を光スポット径として算出する。ピーク値及びスポット径はそれぞれ相対値で表現されるが、大小が判ればよいので十分である。
【0026】
図3はフォーカス光のコリメーション調整の様子を示す図である。
フォーカス光源5をフォーカス光の光軸方向(図1のXX方向)に移動可能とし、露光対物レンズ1に入射するフォーカス光のコリメーションを調整できるようにする。コリメーション調整により、収束・発散状態を変え、フォーカス光スポットの集光位置(合焦位置)を調整する。
【0027】
フォーカス光源5がHe−Neレーザのように比較的大型の場合には、XX方向に移動する1軸ステージ上にフォーカス光源5を配置することで、フォーカス光源5の移動機構を実現できる。フォーカス光源5が半導体レーザ(LD)のように小型の場合は、一例として図4の構成で移動機構を実現できる。
即ち、ベース板51のガイド溝52に、フォーカス光源(LD)5のホルダー53に設けたピン54を嵌合し、このピン54を動かすことでLD5を移動させることができる。
【0028】
以上の構成に次の操作を行い、フォーカス光の合焦点を露光光の合焦点に一致させる。
(1)光スポット径計測手段25によって、露光光源の合焦位置を見つける(合焦位置検出工程)。合焦状態にある光スポット26は、スポット径が最小になり、かつ、光強度ピーク値が最大になるので、顕微鏡対物レンズ21をZ方向に連続的に駆動し、最小スポット径位置を見つけるか、ピーク値が最大値となる位置を見つける。この位置が露光光源の合焦位置であり、ここで光スポット径計測手段25を(Z方向に)保持する。
(2)フォーカス光源位置を微動させ、フォーカス光のコリメーションを調整し、フォーカス光の合焦位置を調整する(合焦位置検出工程)。
(3)スポット径測定により、この位置でフォーカス光の合焦点が得られるまで(2)を逐次繰り返す(合焦位置一致工程)。
【0029】
次に請求項2記載の発明の内容を説明する。上記の構成でフォーカス光源5は固定とし、フォーカスコリメートレンズ(コリメータ)6をフォーカス光の光軸方向(図1のXX方向)に移動可能とし、露光対物レンズ1に入射するフォーカス光のコリメーションを調整できるようにする(第2の合焦位置移動工程)。フォーカスコリメートレンズ6が比較的大型の場合には、XX方向に移動する1軸ステージ上にフォーカス光源5を配置することで、移動機構を実現できる。フォーカスコリメートレンズ6が小型の場合、一例として図5の構成で移動機構を実現できる。即ち、ベース板61に設けたガイド板62と押さえばね63の間に、コリメートレンズホルダー65を挟み、ガイド板62に形成したガイド溝64に、ホルダー65に設けたピン66を嵌合し、ピン66を摘んでホルダー65を移動させるようにしたものである。
【0030】
次に請求項3記載の発明の内容を説明する。図6は顕微鏡対物レンズの傾き調整の様子を示す図である。図6に示すように、2軸あおり調整手段により顕微鏡対物レンズ傾きを調整し、顕微鏡対物レンズ光軸を露光対物レンズ光軸と一致させる(光軸一致工程)。2軸あおり調整手段は、図1の顕微鏡対物レンズホルダー28を、2軸ゴニオステージ32,33に固定することなどで実現する。
【0031】
次に請求項4記載の発明の内容を説明する。スポット径計測手段25に、光スポット像を写すカメラ23の出力信号から強度ピーク43の画素位置を検出する手段を付加する。強度ピーク位置がカメラ視野先頭からM画素目の場合、カメラ水平方向の画素数をNとして、強度ピーク位置はカメラ23上の2次元座標位置(〔M/N〕、MmodN)となる(〔〕は割り算の整数部、modは割り算の余り)。合焦状態を変化させたときの強度ピーク位置ずれは、露光対物レンズ1と顕微鏡対物レンズ21の光軸傾きの存在を示すので、ピーク位置ずれが無くなるように、顕微鏡対物レンズ21の傾きを調整する(傾き調整工程、図2参照)。
【0032】
次に請求項5記載の発明の内容を説明する。図7は複数の顕微鏡対物レンズを切り替える様子を示す図である。図7に示すように、顕微鏡対物レンズホルダー71を回転ダイヤル状にし、ホルダー71上の一定半径円周上に複数の顕微鏡対物レンズ21を配置することで、複数の顕微鏡対物レンズ21の搭載と、その選択手段を実現する。始めに低倍率の顕微鏡対物レンズ21aで、モニタ装置に光スポット像を写し出すX・Y方向位置決めを行い(観測位置決定工程)、続いて高倍率の顕微鏡対物レンズ21bに切り替えて、光スポットを観察する(X・Y・Zステージ、2軸ゴニオステージなどは省略)。
【0033】
以下、具体的な内容を説明する。
(実施例1)
λ1=413nm(Arレーザ)、λ2=780nm(LD)で、NA=0.9の露光対物レンズを有する光ディスク原盤露光機のフォーカス光学系の調整に本発明を適用した。20倍の顕微鏡対物レンズ(1)と200倍の顕微鏡対物レンズ(2)と、10倍のリレーレンズ、CCDカメラ、ビデオモニタからなるモニタ装置を用い、スポット径計測には画像処理装置を用いた。
光スポット光軸方向(Z方向)への駆動手段には、位置サーボ付きのピエゾZステージを用い、ピエゾへの供給電圧を制御して、顕微鏡対物レンズとホルダーが光スポット光軸方向に微動できるようにした。
また、光スポット光軸と直交する2方向への駆動手段には、モータ付きXYステージを用いた。
さらに、2軸あおり調整手段にαβゴニオステージを用いた。
一方、顕微鏡対物レンズ(1)と(2)は、回転ダイヤル式のレンズホルダーにマウントし、ホルダーを回転して任意選択できるようにした。
【0034】
この構成で、まず顕微鏡対物レンズ(1)を使ってモニタ装置(視野は約100ミクロン平方)の中央に光スポット像が写し出されるように、XYステージを調整し、続いて顕微鏡対物レンズ(2)に切り替えて、モニタ装置(視野は約10ミクロン平方)の中央に光スポットが写し出されるように、XYステージを微調整した。
【0035】
画像処理装置は、CCDカメラとモニタの間に配置され、CCDカメラからのビデオ信号から、輝度ピーク値とカメラ上の輝度ピーク画素位置を検出する機能を有する。また、輝度ピーク値と輝度ピーク画素位置は、ビデオモニタ上に光スポット像とオーバーラップして表示される。
露光対物レンズと顕微鏡対物レンズの光軸ずれは、ピエゾZステージを駆動して合焦状態をずらし、輝度ピーク画素位置がずれないように、顕微鏡対物レンズの傾きをαβゴニオステージで調整した。
【0036】
画像処理装置により、輝度ピーク値から2直交方向のスポット径(ピーク値の0.5及び1/e2 )をカメラ上の画素数で計測でき、実移動量と画素移動量の換算係数を指定すると、光スポット径を実寸法で計測できる。予め、XYステージで光スポット像を一定量移動させて移動画素数を計測し、実寸法への換算係数を求めて設定しておき、光スポット径を0.01ミクロン精度の実寸法で計測した。
【0037】
フォーカス光学系調整前に、上記構成で原盤露光機の露光ビームとフォーカスビームの合焦位置ずれを計測したところ、約1.5ミクロンのずれがあった(フォーカスエラー信号オフセットで約100mV)。ピエゾZステージを駆動して顕微鏡対物レンズを露光光の合焦位置に保持し、図4の機構で止めねじを弛めてピンを動かし、LDホルダーをスライドさせ、フォーカス光源をコリメートレンズから遠ざけてビームを収束させることで、フォーカス光の合焦位置を露光光の合焦位置に合わせ込んだ。
この結果、フォーカスエラー信号のオフセット電圧を略ゼロとでき、安定したサーボ引き込みが可能となった。
また、フォーカスサーボの余裕度も向上した。
【0038】
(実施例2)
実施例1と同じ構成で、コリメーション調整のみ、図5の機構によりコリメートレンズの位置調整で行った。ピンにより、コリメートレンズを光源から遠ざけるように動かしてビームを収束させ、フォーカス光の合焦位置を露光光の合焦位置に合わせた。実施例1と同様に、フォーカスエラー信号のオフセット電圧を略ゼロとでき、安定したサーボ引き込みが可能となり、フォーカスサーボの余裕度も向上した。
【0039】
【発明の効果】
請求項1及び請求項2記載の発明によれば、露光光とフォーカス光のスポット径計測を行う際に顕微鏡対物レンズを駆動するので、露光対物レンズアクチュエータを駆動する場合に比べて安定した状態で精度よく光スポット径を計測できる上、コリメーション調整によりフォーカス光の合焦位置を露光光の合焦位置に合わせるので、フォーカスエラー信号のゼロ点と露光光の合焦位置を一致させることができる。
【0040】
請求項3記載の発明によれば、請求項1,2の効果に加え、顕微鏡対物レンズ光軸の露光対物レンズ光軸に対する傾きを除去できるので、光軸傾きによる顕微鏡対物レンズ収差が原因となる光スポット径測定精度低下への影響を抑える効果がある。
【0041】
請求項4記載の発明によれば、請求項3の効果に加え、光スポットのピーク位置を検出しているで、容易に顕微鏡対物レンズ光軸の露光対物レンズ光軸に対する傾きを除去できる効果がある。
【0042】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4の効果に加え、低倍率、高倍率の顕微鏡対物レンズを切り替えて使用できるので、光スポット径測定に先立ち、モニタ視野に光スポット像を写し出す際の位置決めを容易に行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す光ディスク原盤露光機の全体構成図である。
【図2】スポット径計測手段の処理内容を示す図である。
【図3】フォーカス光のコリメーション調整の様子を示す図である。
【図4】小型のフォーカス光源の移動機構を示す図である。
【図5】小型のフォーカスコリメートレンズの移動機構を示す図である。
【図6】顕微鏡対物レンズの傾き調整の様子を示す図である。
【図7】複数の顕微鏡対物レンズを切り替える様子を示す図である。
【図8】光ディスク原盤露光機の一般的な構成図である。
【図9】フォーカスエラー信号特性図である。
【図10】光源波長λ1とλ2の合焦位置がΔずれる様子を示す模式図である。
【図11】従来例による光ディスク原盤露光機のフォーカス光学系調整装置の構成図である。
【符号の説明】
1 露光対物レンズ
21 顕微鏡対物レンズ
22 リレーレンズ
23 カメラ
24 表示装置
25 スポット径計測手段
26 光スポット
27 折り曲げミラー
28 ホルダー
29 Xステージ
30 Yステージ
31 Zステージ
32,33 2軸ゴニオステージ
Claims (5)
- 露光光源と、該露光光源とは波長が異なるフォーカス光源と、前記露光光源からの露光光およびフォーカス光源からのフォーカス光を光ディスク原盤上に集光する露光対物レンズと、該露光対物レンズによって形成される光スポット光束を集光する顕微鏡対物レンズと、該顕微鏡対物レンズを介して光スポットを観測するモニタ装置と、該モニタ装置で観測された光スポットの強度ピーク値から光スポット径を算出するスポット径計測手段とを備えた光ディスク原盤露光機における合焦位置合わせ方法であって、
前記スポット径計測手段により露光光の合焦位置を検出し、当該合焦状態を保持する合焦位置検出工程と、
前記フォーカス光源をフォーカス光軸方向に移動させることにより、フォーカス光の合焦位置を移動させる合焦位置移動工程と、
前記スポット径計測手段により前記フォーカス光の合焦位置を前記保持された露光光の合焦位置に一致させる合焦位置一致工程と、
を含むことを特徴とする合焦位置合わせ方法。 - 前記光ディスク原盤露光機は、フォーカス光のコリメーションを調整するフォーカスコリメートレンズをさらに備え、
前記合焦位置移動工程に代えて、前記フォーカスコリメートレンズをフォーカス光軸方向に移動させることにより、フォーカス光の合焦位置を移動させる第2の合焦位置移動工程を備えた請求項1記載の合焦位置合わせ方法。 - 前記光ディスク原盤露光機は、前記顕微鏡対物レンズの傾きを調整する2軸あおり調整手段をさらに備え、
前記2軸あおり調整手段により前記顕微鏡対物レンズの光軸を前記露光対物レンズの光軸を一致させる光軸一致工程を備えた請求項1又は2記載の合焦位置合わせ方法。 - 前記スポット径計測手段は、前記光スポットの強度ピーク値の位置を検出する手段をさらに有し、
前記光スポットの強度ピーク値の位置ずれを無くすように前記顕微鏡対物レンズの傾きを調整する傾き調整工程を備えた請求項3記載の合焦位置合わせ方法。 - 前記光ディスク原盤露光機は、倍率の異なる複数の顕微鏡対物レンズと、前記複数の顕微鏡対物レンズを前記光スポット光軸方向に駆動する第1の駆動手段と、前記複数の顕微鏡対物レンズを前記光スポット光軸に垂直な平面内の2方向に駆動する第2の駆動手段とをさらに有し、
前記複数の顕微鏡対物レンズのうちの一つの顕微鏡対物レンズで前記モニタ装置による光スポットの観測位置を決定する観測位置決定工程と、
該観測位置決定工程を実行後、該観測位置決定工程で用いた顕微鏡対物レンズより高倍率の顕微鏡対物レンズに切換えて光スポットを観測する工程とを備えた請求項1ないし4のいずれかに記載の合焦位置合わせ方法。
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