JP3860647B2 - 希土類元素添加光ファイバおよびその製造方法、およびその希土類元素添加光ファイバを用いた光ファイバ増幅器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、希土類元素添加光ファイバおよびその製造方法、およびその希土類元素添加光ファイバを用いた光ファイバ増幅器に関し、特に、ErイオンとTeO2 を含んだコアを低屈折率のクラッド層で覆った希土類元素添加光ファイバおよびその製造方法、およびその希土類元素添加光ファイバを用いた光ファイバ増幅器に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、波長多重伝送(WDM)技術の研究開発の活発化に伴い、光ファイバ増幅器の広帯域化が重要な課題になってきた。広帯域化を図る光ファイバ増幅器として、(1)Erを添加したコアにAlを高濃度に共添加した光ファイバを用い、波長0.98μmの励起光で励起した、Er−Al共添加石英系ガラスファイバ増幅器、(2)石英系ガラスの代わりにフッ化物ガラスやフツリン酸ガラスを用いた光ファイバ増幅器、(3)テルライドガラスをホストガラスとして用いたEr添加テルライドファイバ増幅器、等が検討されている。
【0003】
図8(a)は、(1)のEr−Al共添加石英系ガラスファイバ増幅器に用いられる光ファイバの製造方法を示す。この製造方法は工程S1〜S6を有する。図8(b)は工程S1を示し、VAD法によりガラス微粒子からなる多孔質のコアスート母材を作る。工程S2において、Erの塩化物(ErCl3 )をメタノールに溶解する。溶かし込むErCl3 の濃度を制御して添加濃度を設定できるので、正確な濃度制御が可能である。図8(c)は工程S2を示し、コアスート母材をアルコール溶液中に浸漬し、コアスート母材にアルコール溶液中に溶けたErCl3 を含浸させる。工程S3において、アルコール溶液を含浸させたコアスート母材を室温にてアルコールを十分蒸発させて、コアスート母材にEr元素を沈着させる。工程S4において、乾燥が終わったコアスート母材を1300〜1500°C程度のHeガスと塩素ガスの雰囲気にて焼結して脱水と透明ガラス化を行い、Er添加コア母材を得る。工程S5において、このコア母材にクラッドガラス層を形成する。このクラッド層の形成には、コア母材にVAD法でクラッドスートを堆積させて脱水と透明ガラス化を行うスート法や,クラッドとなる石英管にコア母材を挿入し、これを加熱して一体化させるロッドインチューブ法が用いられる。工程S6において、このファイバ母材を2300°C前後に加熱して線引きし、Er−Al共添加石英系ガラス光ファイバを得る。
【0004】
前述した(2)および(3)の光ファイバ増幅器に用いられる光ファイバは、それぞれの出発原料となる粉末を混合し、ホットプレスで固形化した後、高温加熱して線引きして光ファイバ化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の希土類元素添加光ファイバおよびその製造方法、およびそれを用いた光ファイバ増幅器には次のような問題点がある。
(1)いずれの光ファイバ増幅器も高利得(≧40dB)で広帯域(1dB帯域幅≧30nm)な特性を実現することができない。すなわち、Er−Al共添加石英系ガラスファイバ増幅器は40dB以上の高利得を実現できるが、1dB帯域幅は14nm程度である。Er添加フッ化物ガラスファイバ増幅器は利得は若干低い(〜35dB)が、1dB帯域幅はEr−Al共添加石英系ガラスファイバ増幅器よりも広い。しかし、雑音指数が大きいこと、信頼性が悪い、などの問題点がある。Er添加テルライドファイバ増幅器は前2者の光ファイバ増幅器よりも広帯域化の可能性を有しているが、長尺のファイバを作ることがむずかしいこと、利得が低いこと、製造方法に難があること、などの問題点がある。
(2)Er添加テルライドファイバを低損失で、かつ安価に製造することがむずかしい。
【0006】
従って、本発明の目的は広帯域性を更に拡大し、かつ、高利得化を実現する希土類元素添加光ファイバおよびその製造方法、およびその希土類元素添加光ファイバを用いた光ファイバ増幅器を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は長尺化および高利得性を実現し、かつ、製造を容易にする希土類元素添加光ファイバおよびその製造方法、およびその希土類元素添加光ファイバを用いた光ファイバ増幅器を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は歩留りを改善し、低コスト化を図る希土類元素添加光ファイバおよびその製造方法、およびその希土類元素添加光ファイバを用いた光ファイバ増幅器を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的はコアの高屈折率化を容易にする希土類元素添加光ファイバおよびその製造方法、およびその希土類元素添加光ファイバを用いた光ファイバ増幅器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を実現するため、ErとAlとTeを添加したSiO2 系ガラスからなるコアと、そのコアの外周を覆うポリマ材料からなるクラッドを備えたことを特徴とする希土類元素添加光ファイバを提供する。
【0012】
なお、本発明に用いるSiO2 系ガラスとは、SiO2 、またはSiO2 に少なくともP2 O5 かB2 O3 かFを少なくとも1種を含有しているものをいう。
【0013】
更に、本発明は上記の目的を実現するため、Al 2 O 3 を含んだSiO2 系のコアスート母材を作成する第1の工程と、前記母材中にTeCl4 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液を含浸させる第2の工程と、前記第2の工程を経た前記母材を酸素を含む雰囲気中で乾燥させる第3の工程と、前記母材中にErCl3 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液を含浸させる第4の工程と、前記第4の工程を経た前記母材を乾燥させる第5の工程と、前記第5の工程を経た前記母材を透明ガラス化・脱水処理する第6の工程と、前記第6の工程を経た前記母材を線引きする第7の工程と、前記第7の工程中にポリマクラッド層を被覆する第8の工程を備えたことを特徴とする希土類元素添加光ファイバの製造方法を提供する。
【0014】
更に、本発明は上記の目的を実現するため、Al 2 O 3 を含んだSiO2 系のコアスート母材を作成する第1の工程と、前記母材中にTeCl4 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液を含浸させる第2の工程と、前記第2の工程を経た前記母材を酸素を含む雰囲気中で乾燥させる第3の工程と、前記母材中にErCl3 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液を含浸させる第4の工程と、前記第4の工程を経た前記母材を乾燥させる第5の工程と、前記第5の工程を経た前記母材を透明ガラス化・脱水処理する第6の工程と、前記第6の工程を経た前記母材の外周にクラッド層,あるいは中間層とクラッド層を形成した複合材を作成する第7の工程と、前記複合材を線引きする第8の工程を備えたことを特徴とする希土類元素添加光ファイバの製造方法を提供する。
【0015】
更に、本発明は上記の目的を実現するため、SiO2 系のコアスート母材を作成する第1の工程と、前記母材中にTeCl4 、AlCl3 、およびErCl3 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液を含浸させる第2の工程と、前記第2の工程を経た前記母材を乾燥させる第3の工程と、前記第3の工程を経た前記母材を透明ガラス化・脱水処理する第4の工程と、前記第4の工程を経た前記母材を線引きする第5の工程と、前記第5の工程中にポリマクラッド層を被覆する第6の工程を備えたことを特徴とする希土類元素添加光ファイバの製造方法を提供する。
【0016】
更に、本発明は上記の目的を実現するため、SiO2 系のコアスート母材を作成する第1の工程と、前記母材中にTeCl4 、AlCl3 、およびErCl3 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液を含浸させる第2の工程と、前記第2の工程を経た前記母材を乾燥させる第3の工程と、前記第3の工程を経た前記母材を透明ガラス化・脱水処理する第4の工程と、前記第4の工程を経た前記母材の外周にクラッド層,あるいは中間層とクラッド層を形成した複合材を作成する第5の工程と、前記複合材を線引きする第6の工程を備えたことを特徴とする希土類元素添加光ファイバの製造方法を提供する。
【0017】
更に、本発明は上記の目的を実現するため、ErとAlとTeを添加したSiO2 系ガラスからなるコア、およびそのコアの外周を覆うポリマ材料からなるクラッドを備えた希土類元素添加光ファイバと、
前記希土類元素添加光ファイバの入力端に結合して入力側光アイソレータを通過してきた信号光と励起光源から出射された励起光を前記入力端に入力する第1のWDMカプラと、
前記希土類元素添加光ファイバの出力端に結合して前記希土類元素添加光ファイバの内部で前記励起光に基づいて増幅された前記信号光を出力側光アイソレータの入力端に出力する第2のWDMカプラを備えたことを特徴とする光ファイバ増幅器を提供する。
【0018】
更に、本発明は上記の目的を実現するため、ErとAlと5wt%以下のTeを添加したSiO2 系ガラスからなるコア、およびそのコアの外周を覆うSiO2 のクラッドから構成される希土類元素添加光ファイバと、
前記希土類元素添加光ファイバの入力端に結合して入力側光アイソレータを通過してきた信号光と励起光源から出射された前記励起光を前記入力端に入力する第1のWDMカプラと、
前記希土類元素添加光ファイバの出力端に結合して前記希土類元素添加光ファイバの内部で前記励起光に基づいて増幅された前記信号光を出力側光アイソレータの入力端に出力する第2のWDMカプラを備えたことを特徴とする光ファイバ増幅器を提供する。
【0019】
本発明の希土類元素添加光ファイバおよびその製造方法、およびその希土類元素添加光ファイバを用いた光ファイバ増幅器によれば、次のような効果がある。
(1)ErとAlを共添加した光ファイバの特徴をもちつつ、Teを添加することにより、その光ファイバの広帯域性をさらに拡大し、かつ、高利得化を実現することができる。
(2)Er添加テルライドファイバの欠点である、長尺化がむずかしい、高利得性を実現できない、製造方法が難しい、などを補うことができる。
(3)容易に、かつ、歩留り良く製造することができ、また低コスト化も可能である。
(4)コアの屈折率を高くするのに、Teの添加量の増大化で容易に実現することができ、また、このTe添加量の増大は広帯域化にも効果を発揮する。すなわち、TeO2 の屈折率は約2.1であり、このTeO2 の添加量が多くなると、コアの屈折率が高くなり、シングルモードファイバや分散シフトファイバとのモードフィールド整合がむずかしくなる。そこで、コア内にFかBを添加することによってコアの屈折率を制御する。また、コアにFを添加すると、ErとAlを共添加した石英系ファイバの帯域特性をより広くすることが可能なので、ますます良い方向に向かう。さらに、コア内にFかB、あるいはPを添加したスート母材を作っておいて、このスート母材にErとAlとTeの溶液を含浸させ、乾燥後の焼結時に透明ガラス化しやすいという特徴もある。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1(a)〜(c)は本発明の希土類元素添加光ファイバの第1より第3の実施の形態を示す。第1より第3の実施の形態において、コア1はErとAlとTeが共添加されたSiO2 系材料で構成されている。コア1がSiO2 系材料で構成されているので、VAD法で大口径、長尺のものを容易に作るこどができる。クラッド2は、(a)で示すように、ポリマ(第1の実施の形態)、あるいは、(b)、(c)で示すように、SiO2 (第2および第3の実施の形態)によって構成されている。第3の実施の形態では、(c)に示すように、コア1とクラッド2との間にFを添加したSiO2 の中間層3が設けられている。この中間層3を設けておくと、シングルモードファイバや分散シフトファイバとのモードフィールド整合をとって融着接続するのに効果的である。すなわち、コア1の屈折率はTeO2 の量が多く添加される程、高くなるので、モードフィールド整合をやり易くするために中間層3の屈折率をSiO2 よりも低い値にしておけば、融着接続時にコア1中のAl2 O3 やTeO2 をこの中間層3内に拡散させることによって、コア1の屈折率を少し低下させ、シングルモードファイバや分散シフトファイバとのモードフィールド整合をとることができる。第1より第3の実施の形態において、コア1中へのErの添加量は100wtppmから2000wtppmの範囲から選ばれる。また、Alの添加量は1000wtppmから60000wtppmの範囲から選ばれるが、Erの添加量が多い程、Alの添加量も多くした方が好ましい。Teの添加量は10000wtppmから10数wt%の範囲から選ばれる。このTeの添加量は図1(a),(b),(c)によって異なる。すなわち、(a)の場合が最も多くTeを添加することができ、次に、(b)の場合とし、(c)の場合には最も少なくTeを添加する。Alの添加量が多い程、波長1.53μmから1.56μmの範囲の利得の平坦性を良くすることができ、またTeの添加量が多い程、波長1.56μmから1.61μmの範囲の利得の平坦性を良くすることができる。したがって,シングルモードファイバや分散シフトファイバとのモード整合が効率よくとれる範囲で、また、ファイバの作成が可能な範囲でTeを多くし、同時にAlを増やせればより好ましい。
【0021】
次に、本発明の希土類元素添加光ファイバの製造方法の実施の形態を説明する。図2は本発明の希土類元素添加光ファイバの製造方法の第1の実施の形態を示したものであり、工程S1〜S8を有する。これは図1(a)の第1の実施の形態の希土類元素添加光ファイバの製造方法を示したものである。まず、工程S1において、Al2 O3 を10000wtppmから60000wtppm含んだSiO2 系のコア用スート母材をVAD法によって作る。工程S2において、このスート母材を、TeCl4 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液に含浸させる。TeCl4 は無水エタノールに10wt%以上溶解させることができ、沈殿物の生成はなかった。この実施の形態では、10wt%以上のTeCl4 を無水エタノールに溶解させ、スート母材に含浸させることができた。その後、工程S3において、このTeCl4 の含浸したスート母材を酸素を含む雰囲気中で乾燥させた。この酸素を含む雰囲気中で乾燥させることは、後に透明ガラス化したSiO2 系母材中にTeをTeO2 として含有させる上で重要である。次に、工程S4において、乾燥したスート母材に、ErCl3 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液を含浸させる。ErCl3 の液は100wtppmから2000wtppmの範囲から選ぶ。その後、工程S5において、ふたたび乾燥させる。次に、工程S6において、電気炉内に挿入し、Heガスと塩素ガスの雰囲気に保ってスート母材を焼結して脱水と透明ガラス化を行い、ErとTeとAlの共添加されたSiO2 系母材を得る。工程S7において、この母材を線引き炉に一定速度で送り込んで光ファイバ化し、工程S8において、それと同時にその外周にポリマのクラッド層を被覆し、加熱および硬化の工程を経てボビンに巻き取り、ErとTeとAlを共添加したポリマクラッドの希土類元素添加光ファイバを得る。
【0022】
ここで、クラッド層をSiO2 で構成しない理由は、Teを5wt%以上添加していくと透明ガラス化した母材の軟化点が低下するために、SiO2 をそのガラス化した母材の外周に形成するのがむずかしいためである。この製造方法では、Teを多量に添加することができるので、この光ファイバを用いれば、波長1.53μmから1.61μmにわたって広帯域で高利得の光ファイバ増幅器を実現することができる。Teの添加量を10数wt%にしてもほぼ透明に近い母材を得ることができた。光ファイバ増幅器は後で詳細に説明する。
【0023】
図3は本発明の図1(b)および(c)で示した第2および第3の実施の形態の希土類元素添加光ファイバを製造する希土類元素添加光ファイバの製造方法の第2の実施の形態を示したものである。これは、Teの添加量が数wt%以下の場合の光ファイバの製造方法である。図2と異なっている工程は、クラッド層(あるいは中間層とクラッド層)を形成する工程S7である。すなわち、工程S6で透明ガラス化した母材の外周に外付け法(あるいはVAD法)でクラッド層(あるいは中間層とクラッド層)を形成し、その後に、焼結してふたたび透明ガラス化した母材とし、最後に、工程S8においてこの母材を線引きして希土類元素添加光ファイバを得る。
【0024】
図4は本発明の図1(a)で示した第1の実施の形態の希土類元素添加光ファイバを製造する希土類元素添加光ファイバの製造方法の第3の実施の形態を示したものである。これは、図2の工程S2およびS4のTeCl4 とErCl3 をスート母材中に含浸させる工程を工程S2において一度に行うようにしたものである。すなわち、Al2 O3 を含んだSiO2 系のスート母材に、TeCl4 とErCl3 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液に含浸させ、その後に、工程S3において、酸素を含む雰囲気中で乾燥させるようにしたものである。10wt%以上のTeCl4 と2000wtppm以下のErCl3 を無水エタノール液に溶解させたが、十分に溶解させることができた。
【0025】
図5は図1(b)および(c)で示した第2および第3の実施の形態の希土類元素添加光ファイバを製造する希土類元素添加光ファイバの製造方法の第3の実施の形態を示したものである。これも図3の工程S2およびS4のTeCl4 とErCl3 をスート母材中に含浸させる工程を工程S2において一度に行うようにしたものである。すなわち、Al2 O3 を含んだSiO2 系(あるいはAl2 O3 とGeO2 を含んだSiO2 系)のスート母材に、TeCl4 とErCl3 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液を含浸させ、その後に、工程S3において、酸素を含む雰囲気中で乾燥させるようにしたものである。
【0026】
図6は図1(b)および(c)で示した第2および第3の実施の形態の希土類元素添加光ファイバを製造する希土類元素添加光ファイバの製造方法の第4の実施の形態を示したものである。これは、工程S2において、SiO2 系(あるいはGeO2 を含んだSiO2 系)コアスート母材中に、TeCl4 とAl2 O3 とErCl3 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液を含浸させ、その後、工程S3において、乾燥させ、ついで、工程S4において、透明ガラス化し、工程S5において、クラッド層(あるいは中間層とクラッド層)を形成し、最後に、工程S6において線引きすることにより光ファイバ化する。
【0027】
図7は本発明の希土類元素添加光ファイバを用いて構成した光ファイバ増幅器の実施の形態を示す。この光ファイバ増幅器において、波長1.53μmから1.61μmの範囲から16波以上の波長多重された信号光9aが光アイソレータ7aを通ってWDMカプラ8aに入力する。一方、駆動回路6によって駆動された励起光源5(波長0.98μm帯)から励起光10aが出射され、WDMカプラ8aにおいて信号光9aと合流される。WDMカプラ8aを通過した信号光9bと励起光10bは本発明の希土類元素添加光ファイバ4内に入力し、そこで増幅される。増幅された信号光9cはWDMカプラ8b、光アイソレータ7bを通って信号光9dとして出力される。ここで、希土類元素添加光ファイバ4内で吸収されずに伝搬していった励起光はWDMカプラ8bで分岐されて励起光10cとして放出される。励起光はWDMカプラ8bから矢印と反対方向に供給して後方励起するようにしてもよく、また前方励起と後方励起を併用してもよい。
【0028】
本発明は以上述べた実施の形態に限定されない。たとえば、Teをコア中に多量に添加していくと、コアの屈折率が高くなってくるが、それを抑えるために、コア中に、F、あるいはBを添加してコアの屈折率の値を調節しても良い。さらにPを添加して透明ガラス化を容易にするようにしても良い。Fを添加する具体的方法としては、図2の工程S6、図3の工程S6、図4の工程S4、図5の工程S4、および図6の工程S6の透明ガラス化の際に、Heガスと塩素ガスにさらにFガス(たとえばC2 F6 )を付加して流しながら行うことによってFを透明ガラス材中に添加することができる。B(あるいはP)を添加するには、図2より図6の工程S1のコアスート母材の作成時に、たとえば、火炎加水分解バーナにSiCl4 、BBr3 (あるいはPOCl3 )、H2 、O2 、Arなどを送り込むことによって実現することができる。
【0029】
クラッド層として用いるポリマ材料には、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデンなどを用いることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の希土類元素添加光ファイバおよびその製造方法、およびその希土類元素添加光ファイバを用いた光ファイバ増幅器によれば、次のような効果がある。
(1)ErとAlを共添加した光ファイバの特徴をもちつつ、Teを添加することにより、その広帯域性をさらに拡大し、かつ,高利得化を実現することができる。
(2)Er添加テルライドファイバの欠点である、長尺化がむずかしい、高利得性を実現できない、製造方法が難しい、などを補うことができる。
(3)容易に、かつ、歩留り良く製造することができ、また低コスト化も可能である。
(4)コアの屈折率を高くするのに、Teの添加量の増大化で容易に実現することができ、また、このTe添加量の増大は広帯域化にも効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の希土類元素添加光ファイバの第1の実施の形態を示す断面図。
(b)本発明の希土類元素添加光ファイバの第2の実施の形態を示す断面図。
(c)本発明の希土類元素添加光ファイバの第3の実施の形態を示す断面図。
【図2】本発明の希土類元素添加光ファイバの製造方法の第1の実施の形態を示すフローチャート
【図3】本発明の希土類元素添加光ファイバの製造方法の第2の実施の形態を示すフローチャート
【図4】本発明の希土類元素添加光ファイバの製造方法の第3の実施の形態を示すフローチャート
【図5】本発明の希土類元素添加光ファイバの製造方法の第4の実施の形態を示すフローチャート
【図6】本発明の希土類元素添加光ファイバの製造方法の第5の実施の形態を示すフローチャート
【図7】本発明の希土類元素添加光ファイバを用いた光ファイバ増幅器の実施の形態を示す説明図
【図8】(a)従来の希土類元素添加光ファイバの製造方法を示すフローチャート
(b)VADによるコアスートの作成を示す説明図
(c)希土類塩化物のコアスートへの含浸を示す説明図。
【符号の説明】
1 希土類元素添加コア
2 クラッド
3 中間層
4 希土類元素添加光ファイバ
5 励起光源
6 駆動回路
7a、7b 光アイソレータ
8a、8b WDMカプラ
9a〜9d 信号光
10a〜10c 励起光
Claims (10)
- ErとAlとTeを添加したSiO2 系ガラスからなるコアと、そのコアの外周を覆うポリマ材料からなるクラッドを備えたことを特徴とする希土類元素添加光ファイバ。
- 前記SiO2 系ガラスは、SiO2 ガラス、またはSiO2 ガラスにP2 O5 かB2 O3 かFを少なくとも1種を含有している構成の請求項1記載の希土類元素添加光ファイバ。
- Al 2 O 3 を含んだSiO2 系のコアスート母材を作成する第1の工程と、前記母材中にTeCl4 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液を含浸させる第2の工程と、前記第2の工程を経た前記母材を酸素を含む雰囲気中で乾燥させる第3の工程と、前記母材中にErCl3 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液を含浸させる第4の工程と、前記第4の工程を経た前記母材を乾燥させる第5の工程と、前記第5の工程を経た前記母材を透明ガラス化・脱水処理する第6の工程と、前記第6の工程を経た前記母材を線引きする第7の工程と、前記第7の工程中にポリマクラッド層を被覆する第8の工程を備えたことを特徴とする希土類元素添加光ファイバの製造方法。
- 前記第2および第4の工程を1つの工程とし、前記第3および第5の工程を1つの工程として実施する請求項3記載の希土類元素添加光ファイバの製造方法。
- Al 2 O 3 を含んだSiO2 系のコアスート母材を作成する第1の工程と、前記母材中にTeCl4 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液を含浸させる第2の工程と、前記第2の工程を経た前記母材を酸素を含む雰囲気中で乾燥させる第3の工程と、前記母材中にErCl3 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液を含浸させる第4の工程と、前記第4の工程を経た前記母材を乾燥させる第5の工程と、前記第5の工程を経た前記母材を透明ガラス化・脱水処理する第6の工程と、前記第6の工程を経た前記母材の外周にクラッド層,あるいは中間層とクラッド層を形成した複合材を作成する第7の工程と、前記複合材を線引きする第8の工程を備えたことを特徴とする希土類元素添加光ファイバの製造方法。
- 前記第2および第4の工程を1つの工程とし、前記第3および第5の工程を1つの工程として実施する請求項5記載の希土類元素添加光ファイバの製造方法。
- SiO2 系のコアスート母材を作成する第1の工程と、前記母材中にTeCl4 、AlCl3 、およびErCl3 を無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液を含浸させる第2の工程と、前記第2の工程を経た前記母材を乾燥させる第3の工程と、前記第3の工程を経た前記母材を透明ガラス化・脱水処理する第4の工程と、前記第4の工程を経た前記母材を線引きする第5の工程と、前記第5の工程中にポリマクラッド層を被覆する第6の工程を備えたことを特徴とする希土類元素添加光ファイバの製造方法。
- SiO2 系のコアスート母材を作成する第1の工程と、前記母材中にTeCl4 、AlCl3 、およびErCl3 をを無水エタノールあるいは無水メタノールに溶解した液を含浸させる第2の工程と、前記第2の工程を経た前記母材を乾燥させる第3の工程と、前記第3の工程を経た前記母材を透明ガラス化・脱水処理する第4の工程と、前記第4の工程を経た前記母材の外周にクラッド層,あるいは中間層とクラッド層を形成した複合材を作成する第5の工程と、前記複合材を線引きする第6の工程を備えたことを特徴とする希土類元素添加光ファイバの製造方法。
- ErとAlとTeを添加したSiO2 系ガラスからなるコア、およびそのコアの外周を覆うポリマ材料からなるクラッドを備えた希土類元素添加光ファイバと、 前記希土類元素添加光ファイバの入力端に結合して入力側光アイソレータを通過してきた信号光と励起光源から出射された励起光を前記入力端に入力する第1のWDMカプラと、前記希土類元素添加光ファイバの出力端に結合して前記希土類元素添加光ファイバの内部で前記励起光に基づいて増幅された前記信号光を出力側光アイソレータの入力端に出力する第2のWDMカプラを備えたことを特徴とする光ファイバ増幅器。
- 前記希土類元素添加光ファイバの前記コアは,FあるいはBを添加されている請求項9記載の光ファイバ増幅器。
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