JP3860479B2 - ロックピンを用いた封止構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばパチンコ等に代表される遊技機に備えられる制御基板用ケースのように、不正防止等の観点から開扉不能,分離不能に封止する必要のある固定物と被固定物を固定,封止するためのロックピンに関し、特に、簡易で小型,軽量な構造のみによって、容易,迅速に封止作業が行え、かつ、封止解除の痕跡を明確かつ隠蔽不能な状態に残して不正な封止解除の有無を確実に検知,判別できるとともに、正当な封止解除作業の際には、ケース等の固定物,被固定物を破壊,切断等することなく容易に封止の解除が行えるロックピン,ロックピンの製造方法及びロックピンを用いた封止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、パチンコやスロットマシン等の遊技機では、遊技機の動作を制御するIC,ROM等の電子部品を実装した制御基板が備えられている。
近年、この種の遊技機の制御基板は、不正者によるROM等の交換や改造,不正部品の追加,接続等、悪質な不正行為の標的となっており、その被害は深刻なものとなっている。
このような遊技機の制御基板に対する不正行為を排除する手段として、従来から、制御基板全体を所定のケース内に収納し、このケースを開扉不能に封止した状態で遊技機側に取り付けるという対策が講じられてきた。
そして、遊技機の制御基板を収納したケースを開扉不能に封止する方法として、これまでは、制御基板を収納したケースをネジ等で固定するとともに、ケースの開閉部分に封印シールを貼付するという方法が一般的に行われていた。
【0003】
しかし、このようにケースの開閉部分に封印シールを貼付する封止方法では、不正行為者が巧妙に封印シールを剥離して、不正行為の終了後に剥離したシールや偽造シールを再貼付した場合、不正行為を発見することがきわめて困難となり、不正防止手段としては不十分であった。
このため、単に封印シールを貼付するだけの封止方法に代わって、新たな手段が提案されるようになった。
これまで提案されている封止手段としては、遊技機の制御基板用ケースの開閉部分を固定するネジ止め部に、締め付ける方向にのみ回転し、緩める方向に回転させようとすると工具が空滑りする戻り止めネジや、ネジにトルクを加えるとネジ頭部が剪断される剪断ネジを使用するものがある。
また、ケース開閉部を固定するネジを緩めようとすると、ネジ止め部やその周囲のケースが破損,破壊される構造としたものもある。
【0004】
このような従来の封止方法,封止構造によれば、戻り止めネジや剪断ネジを用いることで、工具によるネジの螺合解除が困難となるため、不正行為者はネジ止め部やケース自体を切断,破壊等しなければケースを開扉できなくなり、不正行為の実行が困難となるとともに、不正行為が行われた場合にも、ネジ止め部やケースの破損,破壊箇所を確認することでその事実を発見することが可能となった。
この種の封止方法,封止構造に関するものとしては、例えば、特開平9−276481号公報の「パチンコ機の制御基板収納ボックス」や特開平10−295911号公報の「遊技機用基板ボックス封印具」,特開2001−111247号公報の「閉蓋装置」,特開2001−161891号公報の「遊技機の基板ケースの封止方法,封止構造,封止部材」等、種々の提案がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の封止方法,封止構造では、戻り止めネジや剪断ネジ等の特殊なネジを用いたり、一定のトルクにより破壊される特殊構造をケース側に設ける必要があったため、製造コストが増大するとともに、封止構造自体が大型化,複雑化,大重量化するという問題が発生していた。
また、このように特殊なネジや破壊構造を用いる封止方法では、遊技機の管理者等が行う封止作業も複雑で煩雑なものとなり、特に多数の遊技機を管理,運営するホールの管理者等にとっては大きな負担となるという問題も生じた。
【0006】
さらに、このような従来の封止構造では、ケースやネジ止め部の破損,破壊箇所の有無を目視で確認するようになっていたので、特に破損箇所が小さい場合等には、管理者等が破損等を見落とすことがあり、また、破損箇所が巧妙に修復等された場合、不正行為を隠蔽することも可能であった。
このため、不正行為の事実を確実かつ迅速に発見することが難しいという問題もあった。
【0007】
しかも、従来の封止構造では、封止部分やケース自体を切断,破壊等しなければケースを開扉,封止解除できない構造とした結果、ホールの管理者や監督者等が行う正当な開扉,封止解除作業の場合にも、ネジ止め部分やケースを破壊,切断しなければならなかった。
このため、封止解除作業がきわめて煩雑となり、遊技機を多数管理,運営しているホールの場合、煩雑な封止解除作業が大きな負担となるとともに、封止解除のために破壊,切断されたケースは、以後の再使用が不可能となる場合があり、ケースのコストが増大する上、資源が無駄に浪費されるという問題も発生した。
【0008】
本発明は、このような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、簡易で小型,軽量な構造のみによって、容易,迅速に封止作業が行え、かつ、開扉の痕跡を明確かつ隠蔽不能な状態に残して不正封止解除の有無を確実に検知,判別できるとともに、正当な封止解除作業の際には、ケース等の固定物,被固定物を破壊,切断等することなく容易に封止の解除が行える、特にパチンコ等の遊技機の制御基板収納用ケースの封止手段として好適なロックピン,ロックピンの製造方法及びロックピンを用いた封止構造の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載のロックピンを用いた封止構造は、ロックピンを用いて固定物と被固定物を封止する封止構造であって、前記ロックピンが、工具の先端が係合する溝を有する頭部と、この頭部に一体的に連続する軸部と、この軸部に一体的に連続する角形状の角ピン部と、前記軸部上に形成された捻断部と、を備え、前記固定物が、前記ロックピンが挿通され、当該ロックピンの前記角ピン部及び軸部が通過可能で、かつ、前記頭部が通過不能に係止する孔部を有し、前記被固定物が、前記孔部を通過した前記ロックピンの前記角ピン部が軸回り方向に回転不能に嵌合し、かつ、嵌合した当該角ピン部が脱落不能に保持される角穴部を有し、前記ロックピンが、前記頭部が工具によって回転されることなく、前記孔部に挿通されて前記頭部が押圧されることにより、前記角ピン部が前記角穴部に嵌合,保持され、前記固定物と被固定物が固定されるとともに、当該ロックピンが、前記角ピン部が回転不能に保持された状態で、前記頭部が工具によって締め付けられることにより、前記捻断部が捻断されて、前記固定物と被固定物の固定が解除される構成としてある。
また、請求項2に記載するように、前記孔部内周と前記ロックピンの角ピン部外周に、互いに係脱自在に係合する係合構造を備えた構成とすることが好ましい。
また、請求項3に記載するように、前記固定物及び被固定物が、互いに開閉可能に嵌合する遊技機の制御基板用ケースからなる構成とすることが好ましい。
また、請求項4に記載するように、前記固定物及び被固定物の一方が、遊技機の制御基板用ケースからなり、他方が、当該制御基板用ケースが取り付けられる遊技機からなる構成とすることが好ましい。
さらに、請求項5に記載するように、前記ロックピンが、前記軸部から捻断部及び角ピン部にわたって内蔵される中空部を有するカプセルを備え、前記角ピン部が回転不能に保持された状態で、前記頭部が工具によって締め付けられることにより、前記捻断部が捻断されて、前記カプセルの中空部が切断される構成とすることが好ましい。
【0010】
そして、請求項6記載のロックピンを用いた封止構造は、前記カプセルの中空部内に、液体を充填した構成としてある。
特に、請求項7では、前記カプセルの中空部内に充填される液体が塗料である構成としてある。
【0011】
このような構成からなる本発明のロックピンによれば、ロックピンの角形状(四角柱状や六角柱状等)に形成された角ピン部が被固定物側に嵌め込まれることにより、ロックピン全体が回転不能に保持される。そして、この状態で、固定物側のネジ孔等から挿入された工具によってロックピンの頭部が締め付けられると、捻断部が捻断されて、ロックピンに内蔵されたカプセルが切断されることになる。
従って、カプセル内に例えば赤色の液体塗料等を充填することで、捻断部の捻断と同時にカプセルから塗料が流出し、ロックピンの取付部とその周囲に塗料を流出,付着させることができる。
しかも、ロックピンの頭部にはドライバ等の工具が係合する溝が形成してあるので、外部からは本ロックピンが螺合式のネジであるように見える。
【0012】
これにより、本ロックピンを、例えばパチンコ等の遊技機の制御基板用ケースの封止部分に使用すると、ケースの不正開扉を試みる不正行為者は、本ロックピンを工具で緩めようとして頭部を締め付け、その結果、捻断部が捻断されて、カプセル内の塗料が流出し、不正な封止解除の痕跡が明確に残ることになる。
捻断部の捻断によりカプセルから流出した塗料は、ケースの封止部分周囲に流出,付着するので、外部から一目でこれを確認でき、しかも、付着した塗料は完全に拭い去ることはほぼ不可能であるから、不正開扉が行われると、それを隠蔽することは不可能となり、管理者等の確認作業により直ちに検知,発見されることになる。
【0013】
このように、本発明によれば、簡易で小型,軽量なロックピンを所望の封止部に取り付けておくだけで、封止部の不正解除行為について、その証拠を明確かつ修復不能な痕跡として残すことができ、不正行為を確実かつ迅速に発見することができるので、不正防止手段としてきわめて有効なものとなる。
しかも、本ロックピンは合成樹脂等の一体成形により形成される簡易な構成のみからなり、ケース等の封止部分にロックピンの角ピン部が嵌合する角穴を設けるだけで、本ロックピンを使用することができる。
従って、本ロックピンを含む封止構造はきわめて簡易なものとなり、封止作業もロックピンを角穴に押し込んで装着するだけで完了するので、きわめて容易な作業のみで本ロックピンによる封止を実施することが可能となり、管理者等の作業負担を大幅に軽減しつつ、不正行為を確実かつ有効に防止することができる。
【0014】
一方、請求項8では、前記カプセルの中空部内に充填される液体が接着剤である構成としてある。
【0015】
このような構成からなる本発明のロックピンによれば、カプセル内に接着剤を充填することで、不正開扉行為によりロックピンが捻断されると同時に、カプセルから流出する接着剤によってケース等の固定物と被固定物とが接着され、開扉自体が行えないようになる。
これにより、不正開扉行為をより万全に防止,排除することが可能となる。
なお、カプセルに充填する接着剤としては、迅速な接着作用のある速乾性,瞬間性接着剤を使用することが好ましく、また、不正な封止解除の痕跡を明確に残すために、塗料を混入させる等によって接着剤に彩色しておくことがより望ましい。
【0016】
また、請求項9では、前記カプセルの中空部内に充填される液体が臭いを有する構成としてある。
【0017】
このような構成からなる本発明のロックピンによれば、カプセル内に臭いを有する液体を充填することで、不正な封止解除行為によりロックピンが捻断されると同時に、カプセルから流出する液体の臭いによって、不正行為が行われたことをその場で周囲に知らせることができる。
これにより、目視による確認を必要とすることなく不正行為を検知することができ、不正行為者を現場で特定することも可能となり、不正な封止解除行為をより万全に防止,排除することができる。
なお、カプセルに充填する臭いのある液体には、不正な封止解除の痕跡を残すために彩色しておくこともでき、また、上述した接着剤と併用することも可能である。
【0018】
一方、請求項10記載では前記カプセルの中空部内に、気体を充填した構成としてある。
【0019】
このような構成からなる本発明のロックピンによれば、カプセル内に有色,有臭のガス等を充填することで、不正な封止解除行為によりロックピンが捻断されると同時に、カプセルからガスが発散され、上述した臭いのある液体の場合と同様に、不正行為が行われたことをその場で周囲に知らせることが可能となる。
特に、気体の場合、臭いの届かない離れた場所からも目視による確認が可能となり、不正な封止解除行為を周囲から監視して、その場で不正行為者等を特定する手段として、より効果的である。
なお、カプセルに充填する気体は、上述した液体と併用することも可能である。
【0020】
また、請求項11記載では、前記カプセルの中空部が、横断面真円形状である構成としてある。
一方、請求項12記載では、前記カプセルの中空部が、横断面楕円形状である構成としてある。
【0021】
このような構成からなる本発明のロックピンによれば、ロックピンに内蔵されるカプセルの中空部は、製造の容易さや充填する液体や気体の種類,量等に応じて任意の形状とすることができる。
一般的には、製造の容易性等から横断面がほぼ真円形状の中空部が選択される。
横断面ほぼ楕円形状の中空部の場合、真円形状の場合と比較して、捻断部が捻断される際のトルクがかかりやすくなり、中空部が確実に切断される点で好ましい形状となる。
【0022】
また、請求項13記載では、前記捻断部が、前記軸部の表面に形成されるテーパ形状部からなる構成としてある。
一方、請求項14記載では、前記捻断部が、前記軸部の表面に形成される一又は二以上の凹部からなる構成としてある。
【0023】
このような構成からなる本発明のロックピンによれば、軸部表面に形成される捻断部は、その形状や大きさ,構造等を、製造の容易さや軸部の厚み、内蔵されるカプセルの大きさ等に応じて任意に選択することができる。
すなわち、本発明に係る捻断部は、ロックピンの頭部に加えられるトルクによって確実に捻断されるものであれば、どのような形状,構造等を採用しても良い。
一般的には、軸部の厚みを軸回り方向の外周に沿って小さく形成するテーパ形状や、軸部の厚みを部分的に小さくする凹部を形成することが好ましい。
【0025】
なお、本発明に係るロックピンは、内部に液体等を充填したカプセルを金型に挿入して射出成形によりロックピンを形成するインサート成形方法によって製造することができる。
これにより、本発明に係るロックピンを、大量かつ安価に効率良く製造することができる。
なお、本発明に係るロックピンを製造できる限り、他の製造方法を用いることも勿論可能である。
【0027】
そして、以上のような構成からなる本発明のロックピンを用いた封止構造によれば、固定物側には、ロックピンの角ピン部及び軸部が通過し、頭部が係止可能な孔径を有する孔部を設けるとともに、被固定物側には、角ピン部が回転不能かつ脱落不能に嵌合する角穴部を設けるだけで、本ロックピンを使用する封止構造を実現することができる。
これにより、例えば遊技機の制御基板用ケースの開閉部分に、孔部と角穴部を形成するだけで本発明を実施することができ、従来の封止構造のように、複雑かつ大型の構造を設けることなく、簡易な構造のみによって本ロックピンによる確実な封止構造を実現でき、製造コストも低減することができる。
【0028】
また、このように孔部と角穴部からなる封止構造によれば、ロックピンを孔部に挿通させつつ角穴部に嵌め込むだけで封止作業が完了するので、ネジの締め込み作業等の複雑な作業は必要なく、ロックピンを押し込むだけのきわめて簡易な作業のみとなり、管理者等が行う封止作業の負担を大幅に軽減することができる。
そして、ロックピンを嵌め込む角穴部は、角ピン部を脱落不能に保持するようになっているので、いったん嵌め込まれたロックピンは取り外すことが不可能となる。
これにより、不正行為者がロックピンを捻断して不正な封止解除を行った場合、捻断された角ピン部は角穴部に残されたままの状態となるので、例えば不正行為者が偽造等した別のロックピンを装着して不正行為を隠蔽することは不可能となり、不正行為の証拠が明確かつ修復不能な状態で残されることになり、不正行為を確実に発見,検知することができる。
【0029】
さらに、固定,封止された固定物と被固定物とは、装着されたロックピンの頭部を工具で締めるだけで、捻断部を捻断して封止を解除して開扉,分離等できるので、管理者等による正当な封止解除,開扉作業の際は、従来のようにケースやネジ止め部等を破壊,切断等することなく、ロックピンを捻断するだけで済むので、例えば遊技機の制御基板の保守,管理等を行う場合にも、封止の解除作業の負担を大幅に軽減することができる。
しかも、このようにケースやネジ止め部等の破壊,切断等を必要としない本発明の封止構造によれば、管理者等によって正当に封止が解除されたケース等の固定物と被固定物は、再度使用することも可能となり、ケース等の無駄なコストを削減できるとともに、資源の有効利用を図ることもできる。
【0031】
また、本発明のロックピンを用いた封止構造によれば、固定物側の孔部とロックピンの角ピン部に係脱自在な係合構造を設けることで、被固定物側の角穴部に嵌め込む前の段階で、ロックピンを固定物側の孔部に仮止め状態で係合させておくことができる。
そして、孔部に仮止め状態で係合したロックピンは、頭部を押し込むことによって被固定物側の角穴部に嵌合させることができる。
これにより、最終的な封止作業を行う前に、予めロックピンを固定物側の孔部に仮止め状態で係合,装着しておくことができ、封止作業は、ロックピンの頭部を押し込むだけで完了でき、封止作業をより容易,迅速に行うことが可能となり、作業負担をより一層軽減することができる。
【0033】
また、本発明のロックピンを用いた封止構造によれば、不正防止の観点から封止構造が必要となり、かつ、不正行為の迅速,確実な発見,検知が要請され、しかも、正当な封止解除作業も行われる、遊技機の制御基板収納用ケースの封止構造に適用することができる。
そして、本発明は、遊技機の制御基板収納用ケースの開閉部を開扉不能に封止する封止構造として備えることができるとともに、封止されたケースと遊技機とを取り外し不能,分離不能に封止するための封止構造としても用いることができる。
すなわち、本発明は、開扉不能,分離不能に封止する必要がある固定物と被固定物であれば、どのようなものについても適用することができる汎用性に優れた封止構造である。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるロックピン,ロックピンの製造方法及びロックピンを用いた封止構造の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0035】
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態に係るロックピン,ロックピンの製造方法及びロックピンを用いた封止構造について、図1〜図13を参照して説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係るロックピンを示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係るロックピンを示す、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
図3は、本実施形態に係るロックピンを示す要部断面拡大正面図である。
図4は、本実施形態に係るロックピンの製造方法を示す工程図であり、(a)はカプセルの形成工程、(b)は一端側を保持したカプセルを金型に挿入,固定する工程、(c)はカプセルを挿入した金型内に樹脂材料を注入してロックピンを成形する工程、(d)は金型から取り出されたロックピンの不要部分を削り取る工程を示している。
図5は、本実施形態に係るロックピンを用いた封止構造を概略斜視図であり、ロックピンを用いた遊技機の制御基板収納用ケースを封止する場合を示している。
【0036】
図6〜図10は、図5に示すA−A線における拡大断面図であり、図6はケースのロックピン取付部にロックピンを挿通させる直前の状態、図7はケースのロックピン取付部にロックピンを挿通させている状態、図8ケースのロックピン取付部へのロックピンの取付けが完了した状態、図9はケースのロックピン取付部に取り付けられたロックピンを工具で緩めてケースを開扉した結果、捻断部が捻断された状態、また、図10はケースが開扉された結果、ロックピン内のカプセルから塗料が流出して開扉の痕跡が残された状態を示している。
図11は、本実施形態に係るロックピンの、角ピン部の変更例を示す斜視図である。
図12は、本実施形態に係るロックピンの、捻断部の変更例を示す斜視図である。
また、図13は、本実施形態に係るロックピンのカプセルの変更例を示す、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
【0037】
[ロックピン]
図1に示すように、本実施形態に係るロックピン10は、頭部11と軸部12,角ピン部13を備えており、全体がプラスチック等の合成樹脂により一体的に形成されている。
そして、このロックピン10の内部に、軸部12から角ピン部13にわたってカプセル14が内蔵され、軸部12が捻断部12aで捻断されることで、内蔵されたカプセル14が切断される構成となっている。
【0038】
頭部11は、円形状に形成され、上面にドライバ等の工具の先端が係合する溝11aを有している。
ここで、溝11aは、本実施形態では、図1に示すように、マイナスドライバに対応する形状となっているが、これをプラスドライバ等、他の工具に対応する形状に形成することも勿論可能である。
このように頭部11に工具用の溝11aを形成することにより、外部からはロックピン10が螺合式のネジであるように見え、後述するように、不正行為者にロックピン10を締め付けて捻断させるように仕向けることが可能となる。
また、遊技機の管理者等が正当にロックピン10の封止を解除する場合にも、この頭部11の溝11aにドライバ等を係合させることで、封止解除作業を容易に行えるようになる。
そして、この頭部11が、後述するように、固定物となる上ケース20の孔部22に係止するようになっている(図5参照)。
【0039】
軸部12は、頭部11に一体的に連続する円柱形状に形成され、頭部11と角ピン部13を連結する手段となっている。
この軸部12は、後述する上ケース20と下ケース30が組み立てられて完全に嵌合した状態において、頭部11が丸孔22の内面に当接,係止しつつ、角ピン部13が角穴32に嵌合,装着される長さに形成してある(図8参照)。
ここで、軸部12は、本実施形態では、円柱形状に形成してあるが、形状は特に円柱形に限定されるものではない。
すなわち、軸部12は、後述する上ケース20の孔部22及び下ケース30の角穴32を通過可能な外径を有し、頭部11と角ピン部13を連結する軸状手段であれば、どのような形状であってもよく、例えば角柱形状とすることもできる。
【0040】
角ピン部13は、軸部12に一体的に連続する角形状に形成され、本実施形態では、四角柱形状となっている。
この角形状の角ピン部13が後述する下ケース30の角穴32に嵌合することにより、角ピン部13は軸回り方向に嵌合回転不能に保持されることになる。
そして、この角ピン部13の軸部12側の端部外縁に、下ケース30の角穴32に形成されたロックピン固定用爪33が嵌合し、角ピン部13は角穴32から脱落不能に嵌合,保持されるようになっている(図8参照)。
【0041】
ここで、角ピン部13は、本実施形態では、四角柱形状に形成してあるが、形状は角形状であれば、特に四角柱形に限定されるものではない。
すなわち、角ピン部13は、下ケース30の角穴32に嵌合して軸回りに回転不能となる形状であればよく、図1に示す四角形状以外の多角形状(五角形,六角形等)とすることも可能で、図11に示すように、例えば八角柱形状とすることができる。
また、角ピン部13の先端(図1におけるロックピン10の下端)は、先細り形状に形成してあり、上ケース20の孔部22及び下ケースの角穴32に挿入し易いようになっている。
【0042】
捻断部12aは、軸部12が角ピン部13の近傍で切断,捻断されるように形成された薄肉部分で、本実施形態では、図1に示すように、角ピン部13の近傍の軸部12表面に形成されるテーパ形状部からなっている。
このように軸部12上に強度を弱くした捻断部12aを備えることにより、後述するように、角ピン部13が回転不能に保持された状態で、頭部11が工具によって締め付けられることにより、捻断部12aがトルクにより捻断されることになる。
【0043】
ここで、捻断部12aは、図1に示すように、本実施形態ではテーパ形状部により形成してあるが、特にテーパ形状に限定されるものではない。
通常は、軸部12の厚みを軸回り方向の外周に沿って小さくすることで捻断部12aを形成できるので、図1に示すテーパ形状が一般的である。ただし、これ以外にも、例えば図12に示すように、軸部12の厚みを部分的に小さくする一又は二以上の凹部を、軸部12の表面に形成することで捻断部12aを構成することもできる。
すなわち、捻断部12aは、ロックピン10の頭部11に加えられるトルクによって確実に捻断されるものであれば、どのような形状,構造等を採用しても良く、その形状や大きさ,構造等は、例えば製造,加工の容易性や軸部12の厚み、内蔵されるカプセル14の大きさ等に応じて任意に選択することが可能である。
【0044】
カプセル14は、図2及び図3に示すように、軸部12から捻断部12a及び角ピン部13にわたって内蔵される中空状部材であり、図3に示すように、内部に中空部14aを備えている。
中空部14aは、軸部12から捻断部12aを経由して角ピン部13にかけて位置するようにカプセル14内に形成されている。
このように軸部12から捻断部12aを介して角ピン部13にわたって中空部14aが配設,形成されることによって、角ピン部13が回転不能に保持された状態で頭部11が締め付けられることで、捻断部12aが捻断されてカプセル14の中空部14aが切断されるようになる。
【0045】
ここで、カプセル14は、図2に示すように、中空部14aの横断面がほぼ真円形状となるように形成してある。
ただし、中空部14aの横断面は特に真円形状に限定されるものではない。
一般的には、製造の容易性等から横断面がほぼ真円形状の中空部14aが選択されるが、このカプセル14の中空部14aは、製造の容易さや充填する液体や気体(後述)の種類,量等に応じて任意の形状とすることができる。
例えば、図13に示すように、カプセル14の中空部14aを、横断面ほぼ楕円形状とすることもできる。
このように中空部14aを横断面ほぼ楕円形状に形成すると、横断面真円形状の場合と比較して、捻断部12aが捻断される際のトルクが中空部14aにかかりやすくなり、中空部14aが確実に切断される点で好ましい形状となる。
【0046】
そして、本実施形態では、このカプセル14の中空部14a内に液体を充填するようになっている。
具体的には、カプセル14の中空部14a内に充填される液体が塗料15aとなっている(図9及び図10参照)。
この中空部14aに充填される塗料15aは、ロックピン10が不正に捻断されて封止が解除されたことを確実に検知,発見できるように、例えば赤色や朱色の塗料,蛍光塗料等、外部から明確に視認,判別できる色彩の塗料を使用することが好ましい。
【0047】
このようにカプセル14の中空部14aに液体の塗料15aを充填することにより、ロックピン10の捻断部12aが捻断されてカプセル14の中空部14aが切断されることにより、中空部14a内の塗料15aが外部に流出し、ロックピン10を装着した封止部分周辺に流出,付着することになる(図9及び図10参照)。
後述するように、遊技機の制御基板を収納するケース(上ケース20及び下ケース30)は、透明プラスチックにより形成されているので、流出した塗料15aの付着は外部から一目で確認、判別することができる。
従って、封止部分に塗料15aが付着したケースについては、封止が解除されたことが直ちに検知,発見できることになる。
【0048】
なお、カプセル14の中空部14a内に充填される液体としては、塗料15a以外にも、例えば臭いを有する液体を充填することもできる。
カプセル14内に臭いを有する液体を充填すると、不正な封止解除行為によりロックピン10が捻断されると、それと同時にカプセル14から流出する液体の臭いによって、不正行為が行われたことをその場で周囲に知らせることができる。
これにより、目視による確認を必要とすることなく不正行為を検知することができるとともに、不正行為者を現場で特定することも可能となり、不正な封止解除行為をより万全に防止,排除することができる。
なお、カプセル14に充填する臭いのある液体には、不正な封止解除の痕跡を残すために彩色しておくこともでき、また、後述する第二実施形態に示す接着剤15bと併用することも可能である。
【0049】
また、カプセル14の中空部14aへの充填物質としては、液体の他、気体を充填するようにしてもよい。
例えば、カプセル14内に有色,有臭のガス等を充填することで、不正な封止解除行為によりロックピン10が捻断されると同時に、カプセル14からガスが発散され、上述した臭いのある液体の場合と同様に、不正行為が行われたことをその場で周囲に知らせることが可能となる。
特に、気体の場合、臭いの届かない離れた場所からも目視による確認が可能となり、不正な封止解除行為を周囲から監視して、その場で不正行為者等を特定する手段として、より効果的である。
なお、カプセルに充填する気体は、上述した液体と併用することも可能である。
【0050】
[ロックピンの製造方法]
次に、以上のような構成からなる本実施形態のロックピンの製造方法について、図4を参照して説明する。
本実施形態では、カプセル14を金型内に挿入するインサート成形によって、カプセル14を一体的に内蔵したロックピン10を製造するようになっている。
まず、図4(a)に示すように、中空部14aを備えるカプセル14を形成する。
カプセル14は、分割された棒状部材に中空部分を形成し、中空部分に液体塗料等を充填した後、一体的に接合することにより、中空部14aに塗料を充填したガプセル14を形成することができる。
なお、カプセル14は、ロックピン10と同様、合成樹脂により形成されることが好ましく、ロックピン10の成形時に熱溶融しない樹脂材料が選択される。
【0051】
次に、図4(b)に示すように、形成したカプセル14の一端側をカプセル保持用器具40で保持して、ロックピン10を一体成型する金型41,42のキャビティ内に配設する。
カプセル14は、一端側をカプセル保持用器具40で保持されるので、金型41,42のキャビティ内の所定位置に挿入,固定される。
次に、図4(c)に示すように、カプセル14を挿入,固定した金型41,42のキャビティ内に、射出口43を介してロックピン10を形成する樹脂材料を注入し、ロックピン10を成形する。
これにより、カプセル14を一体的に内蔵したロックピン10が成形される。
最後に、図4(d)に示すように、成形されたロックピン10を金型41,42から取り出すとともに、ロックピン10の表面に突出するカプセルの一端側保持部10a及び樹脂材料の注入跡部10bを削り取る。
【0052】
これにより、カプセル14を内蔵したロックピン10が完成する。
以上のようにして、本実施形態では内部に液体等を充填したカプセル14を金型41,42に挿入して射出成形によりロックピン10を形成するインサート成形方法によってロックピン10を製造するようにしてある。
このような製造方法により、本実施形態に係るロックピン10は、大量かつ安価に効率良く製造することが可能となる。
ただし、本実施形態に係るロックピン10と同様の構成のロックピンを製造できる限り、他の製造方法を用いることも勿論可能である。
【0053】
[ロックピンを用いた封止構造]
次に、本実施形態のロックピン10を用いて封止,固定される固定物と被固定物の封止構造について、図5及び図6〜図8を参照しつつ説明する。
図5に示すように、本実施形態では、ロックピン10を用いて封止される固定物及び被固定物が、互いに開閉可能に嵌合する遊技機の制御基板用ケースとなる上ケース20及び下ケース30を構成している。
また、上ケース20及び下ケース30は、図示しない遊技機に取り付けられるようになっており、この遊技機とケース(上ケース20及び下ケース30)が、ロックピン10を用いて封止される固定物及び被固定物を構成するようになっている。
【0054】
[上ケース及び下ケース]
上ケース20及び下ケース30は、互いに開閉可能に嵌合して図示しない遊技機の制御基板を収容するケースを構成するようになっており、全体が透明プラスチックからなる筐体構造となっている。
上ケース20には、図5に示すように、内部に収納された制御基板に外部から配線等が接続可能な配線口20aが複数設けられるとともに、制御基板放熱用の微細孔等が形成してある。
また、上ケース20には、下ケース30のヒンジ部30bと回動自在に係合する図示しないヒンジ部が備えられる。
【0055】
下ケース30には、図5に示すように、ケース開口に沿って薄板状のガイド部30aが突設してあり、このガイド部30aが上ケース20の開口内周に係合して、上ケース20と下ケース30が一体的に嵌合するようになっている。
また、下ケース30には、上ケース20の図示しないヒンジ部と回動自在に係合するヒンジ部30bが備えられ(図5参照)、このヒンジ部30bによって、上ケース20と下ケース30とが開閉自在に組み立てられるようになっている。
【0056】
そして、この上ケース20及び下ケース30の開閉部分(ヒンジ部と反対側の縁部)には、図5に示すように、対応する位置に封止部となるロックピン取付部21及びロックピン固定部31が形成され、このロックピン取付部21及びロックピン固定部31にロックピン10が装着されることによって、上ケース20と下ケース30が封止されるようになっている。
また、上ケース20には、ケース側面側(図5におけるケース右側)に、ロックピン取付部21が形成してある。
このケース側面側のロックピン取付部21は、ケース(上ケース20及び下ケース30)が図示しない遊技機側に取り付けられた場合に、遊技機側に備えられるロックピン固定部31(図示省略)と対応する位置に配設されるようになっており、ロックピン10が装着されることによって、ケース(上ケース20及び下ケース30)と遊技機とが封止されるようになっている。
遊技機側のロックピン固定部31は、本実施形態では特に図示していないが、以下に示す下ケース30に備えられるロックピン固定部31と同様の構成となっている。
【0057】
[ロックピン取付部及びロックピン固定部]
以下、本実施形態に係る封止構造を構成するロックピン取付部21及びロックピン固定部31について説明する。
[ロックピン取付部]
ロックピン取付部21は、図5に示すように、固定物となる上ケース20側に備えられ、ロックピン10が挿通される丸孔22を備えている。この丸孔22が本発明における孔部を構成している。
丸孔22は、図6〜図8に示すように、ロックピン取付部21の上面側は、ロックピン10の角ピン部13,軸部12及び頭部11が挿通可能な、頭部11よりわずかに大きい径の円形孔(上面側筒孔)となっており、この径の孔が筒状にロックピン取付部21の底面側まで続いている。
【0058】
そして、ロックピン取付部21の底面には、ロックピン10の角ピン部13及び軸部12が通過可能で、かつ、頭部11が通過不能に係止する、角ピン部13よりわずかに大きい孔径の貫通孔(底面側貫通孔)が形成してある。
このような丸孔22を備えることにより、ロックピン取付部21の上面側から挿通されるロックピン10は、上面側筒孔を通って、角ピン部13及び軸部12が底面側貫通孔を通過して下ケース30側に突出し、頭部11は上面側筒孔の底部に係止するようになる。
【0059】
なお、本実施形態では、丸孔22が一定の深さ(上面側筒孔の長さ)を有しているので、後述するように、ロックピン10が完全に取り付けられた状態(図8参照)では、ドライバ等の工具を挿入して使用しない限りロックピン10を取り外すことができないようになっている。
しかも、ロックピン10の頭部11にはドライバ等の工具が係合する溝11aが形成してあるので、外部からはロックピン10が螺合式のネジであるとしか見えないようになる。
従って、不正行為者は、必然的にドライバ等を用いてロックピン10を締め付けることになるり、ロックピン10を必ず捻断させて不正封止解除の痕跡を残させるように仕向けることができるようになっている。
【0060】
[ロックピン固定部]
ロックピン固定部31は、図5に示すように、被固定物となる下ケース30(又は図示しない遊技機)側に備えられ、ロックピン取付部21の丸孔22を通過したロックピン10の角ピン部13が嵌合する角穴32を備えている。この角穴32が本発明における角穴部を構成している。
角穴32は、角形状の角ピン部13が軸回り方向に回転不能に嵌合する角形状に形成されており、角ピン部13の外形よりわずかに大きい同形状の穴部となっている。
本実施形態では、四角形状の角ピン部13に対応する四角形状の有底穴となっている。
従って、角穴32は、角ピン部13が、例えば図11に示したような八角形状の場合、角ピン部13に対応する八角形状に形成されることになる。
【0061】
そして、この角穴32には、装着,嵌合した角ピン部13が角穴32内に脱落不能に保持されるように、ロックピン固定用爪33が備えられている。
ロックピン固定用爪33は、角穴32に突設された一定の弾性を有する可撓性の爪部で、本実施形態では、ロックピン固定部31の底面から一体的に突設された二本の爪部が、角穴32の高さ方向に沿って突出するように形成されている。
すなわち、本実施形態では、四角形状の角穴32の対向する二立面が、ロックピン固定用爪33として形成されている。
【0062】
そして、ロックピン固定用爪33は、図6〜図8に示すように、先端部(図6〜図8における上端部)に、角ピン部13の軸部12側外縁に嵌合する爪を有している。この爪の先端は、図示するように、それぞれ角穴32の内側に向かって傾斜するテーパ形状に形成されている。
このような構成からなるロックピン固定用爪33を設けることにより、ロックピン取付部21の丸孔22を通過したロックピン10の角ピン部13が角穴32に挿入されると、テーパ形状に傾斜するロックピン固定用爪33の先端爪部が外側に撓みつつ角ピン部13を挿通させ、角ピン部13が先端爪部を完全に通過すると、弾性により先端爪部が元の位置に戻り、角ピン部13の後端側外縁に嵌合,係止するようになる。
【0063】
そして、このロックピン固定用爪33により、角穴32に装着された角ピン部13は、外縁に爪部が嵌合して角穴32から脱落不能に保持されることになる。
なお、本実施形態では、対向する二本一対のロックピン固定用爪33を備えているが、角穴32に嵌合した角ピン部13を脱落不能に保持できる限り、二本以上とすることも勿論可能であり、特に数に限定はない。
従って、例えば四角形状の角穴32の四立面のすべてをロックピン固定用爪33によって構成することもできる。
【0064】
以上のようなロックピン取付部20及びロックピン固定部30を備えることにより、ロックピン10が上ケース20の丸孔22に挿通されて、下ケース30(又は遊技機)側の角穴32に嵌合,保持されることによって、固定物と被固定物となる上ケース20と下ケース30(又は遊技機)が固定される。
そして、ロックピン10の頭部11が工具によって締め付けられることにより、捻断部12aが捻断されて、カプセル14の中空部14aが切断され、中空部14a内の液体塗料が外部に流出することになる。
【0065】
なお、図5に示すように、ロックピン取付部20及びロックピン固定部30は、上ケース20及び下ケース30にそれぞれ複数備えられ、各ロックピン取付部20及びロックピン固定部30には、それぞれ対応する複数の丸孔22及び角穴32が備えられている。
これは、一度にすべての丸孔22及び角穴32を封止するのではなく、例えば、まずある一箇所の丸孔22及び角穴32を使用して封止を行い、一定期間後に封止箇所を変更し、スケジュールに沿って封止箇所を定期的に変更できるようにしたものである。
この場合、各丸孔22の近傍に、例えば「A,B,C,D,E,F」等の記号や番号等を付しておくと、定期的な封止箇所の変更を管理する際に便利である。
【0066】
このように複数の丸孔22及び角穴32を定期的に変更して使用,管理することで、正当に封止解除されて塗料が付着した箇所を管理,把握することができ、不正行為による不正な封止解除と区別することができる。
また、このように定期的に封止箇所を変更すると、いずれの封止箇所をいつ使用するかは管理者等しか知り得ないことであるから、不正に封止が解除された場合に、その箇所によって不正行為の時期を特定することも可能となる。
勿論、使用態様等に応じて、例えば不正行為を完全に排除するために、複数箇所のすべての丸孔22及び角穴32を同時に使用して封止することもできる。
【0067】
[ロックピンを用いた封止構造の動作]
次に、以上のような構成からなる本実施形態にかかるロックピンを用いた封止構造の動作について、図6〜図10を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るロックピン10を用いて上ケース20と下ケース30を封止する場合には、まず、図6に示すように、上ケース20と下ケース30を嵌合させ、開閉部分のロックピン取付部21とロックピン固定部31の位置を合わせる。
そして、上ケース20側のロックピン取付部21の上面側から、ロックピン10を丸孔22に挿入し、頭部11を上方から押圧する(図7参照)。
【0068】
丸孔22に上面側から挿入,押圧されたロックピン10は、図7に示すように、ロックピン全体が上面側筒孔を通過するとともに、角ピン部13及び軸部12が底面側貫通孔を通過して下ケース30側に突出する。
下ケース30側に突出した角ピン部13は、角穴32に挿入され、ロックピン固定用爪33の先端爪部を外側に撓ませつつ角穴32内に挿通される。
そして、角ピン部13が、上方からの押圧によってロックピン固定用爪33の先端爪部を完全に通過すると、弾性により先端爪部が元の位置に戻り、図8に示すように、角ピン部13の後端側外縁に嵌合,係止する。このとき、頭部11はロックピン取付部21側の丸孔22の底部に係止する。
これにより、ロックピン10の角ピン部13が被固定物となる下ケース30に完全に嵌め込まれ、ロックピン全体が回転不能に保持される(図8に示す状態)。
なお、以上のロックピン10の挿入,嵌合の一連の動作は、上ケース20側の丸孔22から挿入したロックピン10を上から押圧するだけで一気に完了し、複雑な封止作業等は一切必要ない。
【0069】
そして、この状態で、上ケース20のロックピン取付部21側から挿入された工具50によってロックピン10の頭部11が締め付けられると、図9に示すように、軸部12にトルクが加わり、捻断部12aが捻断され、ロックピン10に内蔵されたカプセル14が切断される。
カプセル14が切断されると、カプセル14内に充填された赤色等の塗料15aが、捻断部12aの捻断と同時にカプセル14から流出し、ロックピン取付部21,ロックピン31とその周囲に流出,付着する(図9及び図10参照)。
【0070】
従って、ロックピン10及び上ケース20,下ケース30を、遊技機の制御基板用ケースの封止構造として使用すると、ケースの不正開扉を試みる不正行為者は、ロックピン10を工具で緩めようとして頭部11を締め付け、その結果、捻断部12aが捻断されて、カプセル14内の塗料15aが流出し、不正な封止解除の痕跡が明確に周囲に残ることになる。
捻断部12aが捻断されてカプセル14から塗料15aが流出すると、図10に示すように、ケースの封止部分周囲に流出,付着するので、外部から一目でこれを確認でき、しかも、付着した塗料は完全に拭い去ることはほぼ不可能となる。
これにより、不正開扉が行われると、それを隠蔽することは不可能となり、管理者等の確認作業により直ちに検知,発見されることになる。
【0071】
また、ロックピン10を嵌め込む角穴32は、ロックピン固定用爪33によって角ピン部13を脱落不能に保持しているので、図10に示すように、いったん嵌め込まれたロックピン10は取り外すことが不可能となる。
従って、不正行為者がロックピン10を捻断して不正な封止解除を行った場合、捻断された角ピン部13は角穴32に残されたままの状態となるので、例えば不正行為者が偽造等した別のロックピンを装着して不正行為を隠蔽することは不可能となる。
【0072】
この結果、不正行為の証拠が明確かつ修復不能な状態で残されることになり、不正行為を確実に発見,検知することができる。
なお、遊技機の管理者等が正当にロックピン10の封止を解除する場合にも、頭部11の溝11aにドライバ等を係合させてロックピン10を捻断させることで、従来の封止構造のようにネジ止め部やケースを破壊,切断等することなく封止を解除することができる。
従って、正当な封止解除作業の負担がほとんどなく、また、いったん封止解除された上ケース20と下ケース30は、丸孔22及び角穴32を変更することにより、繰り返し使用することができる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、簡易で小型,軽量なロックピン10を用いてケース(上ケース20及び下ケース30)を封止するだけで、不正な封止解除行為について、その証拠を明確かつ修復不能な痕跡として残すことが可能となり、不正行為を確実かつ迅速に発見することができ、不正防止手段としてきわめて有効なものとなる。
特に、本実施形態に係るロックピン10は合成樹脂等の一体成形により形成される簡易な構成のみからなり、ケース等の封止部分には、ロックピン10が挿通される丸孔22と角ピン部13が嵌合する角穴22を設けるだけで、本実施形態に係る有効な封止構造を実現することができる。
従って、ロックピン10を含む封止構造はきわめて簡易なものとなり、封止作業もロックピン10を丸孔22,角穴32に押し込んで装着するだけで完了するので、封止作業もきわめて容易となる。
【0074】
これにより、本実施形態のロックピンを用いた封止構造では、従来の封止構造のように、複雑かつ大型の構造を設けることなく、簡易な構造のみによってロックピン10による封止構造を実現でき、封止構造を実現するための製造コストも大幅に低減することができる。
また、封止作業も、ネジの締め込み作業等の複雑な作業は必要なく、ロックピン10を装着部に押し込むだけのきわめて簡易な作業のみとなるので、管理者等が行う封止作業の負担を大幅に軽減することができる。
そして、不正行為者がロックピン10を捻断して不正な封止解除を行った場合、塗料15aが流出,付着し、かつ、捻断された角ピン部13が角穴32に残されたままの状態となるので、不正行為を隠蔽することが不可能となり、不正行為の証拠が明確かつ修復不能な状態で残され、不正行為を確実に発見,検知することができる。
【0075】
さらに、いったん固定,封止された上ケース20と下ケース30(及び遊技機)は、装着されたロックピン10の頭部11を工具で締めるだけで、捻断部12aを捻断して封止を解除して開扉,分離等できるので、管理者等による正当な封止解除,開扉作業の際は、従来のようにケースやネジ止め部等を破壊,切断等することなく、ロックピン10を捻断するだけで済むので、例えば遊技機の制御基板の保守,管理等を行う場合にも、封止の解除作業の負担を大幅に軽減することができる。
しかも、このようにケースやネジ止め部等の破壊,切断等を必要としない本実施形態の封止構造によれば、管理者等によって正当に封止が解除されたケース等は、再度使用することも可能となり、ケース等の無駄なコストを削減できるとともに、資源の有効利用を図ることもできる。
【0076】
[第二実施形態]
次に、図14を参照して、本発明の第二実施形態に係るロックピンを用いた封止構造について説明する。
図14は、本発明の第二実施形態に係るロックピンを用いた封止構造の要部拡大断面図であり、ケースのロックピン取付部に取り付けられたロックピンを工具で緩めてケースを開扉した結果、捻断部が捻断ロックピン内のカプセルから接着剤が流出して、ケースが開扉不能となった状態を示している。
【0077】
同図に示すように、本実施形態に係るロックピンを用いた封止構造は、上述した第一実施形態の変形実施形態であり、ロックピン10に内蔵されるカプセル14に接着剤15bを充填するようにしたもので、その他の構成部分は、第一実施形態と同様となっている。
従って、同様の構成部分については、図中で第一実施形態と同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0078】
すなわち、本実施形態のロックピン10は、カプセル14の中空部14a内に充填される液体が接着剤15aとなっている。
ここで、カプセル14に充填する接着剤15bとしては、迅速な接着作用のある速乾性,瞬間性接着剤を使用することが好ましく、また、不正な封止解除の痕跡を明確に残すために、塗料を混入させる等によって接着剤に彩色しておくことがより望ましい。
【0079】
このようにカプセル14内に接着剤を充填した本実施形態によれば、図14に示すように、不正行為によりロックピン10が捻断されると、捻断と同時にカプセル14から流出する接着剤により、上ケース20と下ケース30の間に接着剤15bが流出し、両ケースが接着されることになる。
この結果、本実施形態では、ケースの開扉自体が行えないようになり、不正行為をより万全に防止,排除することができるようになる。
【0080】
[第三実施形態]
次に、図15及び図16を参照して、本発明の第三実施形態に係るロックピン及びロックピンを用いた封止構造について説明する。
図15は、本発明の第三実施形態に係るロックピンを示す斜視図である。
図16は、本実施形態に係るロックピンを用いた封止構造の要部拡大断面図であり、上ケースのロックピン取付部の孔部とロックピンが係合して仮取付けされた状態を示している。
【0081】
これらの図に示すように、本実施形態に係るロックピン及びロックピンを用いた封止構造は、固定物となる遊技機の制御基板用ケースの上ケース20とロックピン10に、互いに係脱自在に係合する係合構造を備えたものである。
具体的には、まず、図15に示すように、ロックピン10の角ピン部13の外周に沿って係合溝13aを形成してある。
この係合溝13aは、角ピン部13の表面に、軸回り方向に沿って溝を形成したものである。
【0082】
一方、上ケース20のロックピン取付部21の底面部に設けられる孔部となる丸孔22の底面側貫通孔の内周に、ロックピン係合爪22aを形成してある。
そして、これら角ピン部13の係合溝13aと丸孔22のロックピン係合爪22aが、互いに係脱自在に係合するように形成されている。
ここで、角ピン部13に形成する係合溝13aは、図16に示すように、丸孔22のロックピン係合爪22aに係合した状態で、ロックピン10の頭部11表面がロックピン取付部21の上面と同一面(いわゆる面一)となる位置に形成することが好ましい。
このようにすると、仮止めされたロックピン10は、丸孔22内に全体が収納された状態となり、不用意に押圧されて下ケース30側に嵌合したり、丸孔22から脱落することを確実に防止でき、仮止め手段としてより好ましい。
【0083】
なお、角ピン部13と丸孔22の仮止め係合構造としては、本実施形態では角ピン部13側に係合溝13aを形成し、丸孔22側にロックピン係合爪22aを設けるようにしてあるが、角ピン部13と丸孔22間で係脱自在に係合できる構造であれば、特に本実施形態のものには限定されない。
例えば、角ピン部13の表面に複数の凹部を形成し、丸孔22の内周側には、この複数の凹部に係脱自在に係合する突起を形成するようにしても、本実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
【0084】
以上のようにロックピン10の角ピン部13と上ケース20側の丸孔22との間に係脱自在な係合構造を設ける本実施形態によれば、図16に示すように、ロックピン10を下ケース30側(又は遊技機側)の角穴32に嵌め込む前の段階で、ロックピン10を上ケース20の丸孔22内に仮止め状態で係合させておくことができる。
そして、このように丸孔22に仮止め状態に係合されたロックピン10は、頭部11を押し込むことによって下ケース30側の角穴32に嵌合させることができる。
これにより、最終的な封止作業を行う前に、予めロックピン10を上ケース20側に仮止め状態で係合,装着させておくことができるので、封止作業は、仮止め状態で配設されたロックピン10の頭部11を押し込むだけで完了でき、封止作業をより容易,迅速に行うことができ、管理者等の作業負担をさらに軽減することが可能となる。
【0085】
なお、本発明のロックピン構造は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した各実施形態では、本発明に係るロックピンをパチンコ等の遊技機の制御基板収納用ケースの封止手段として適用してあるが、本発明の適用対象は遊技機の制御基板用収納ケースに限定されるものではない。
すなわち、本発明に係るロックピン及びロックピンを用いた封止構造は、不正防止等の観点から封止構造が必要となり、かつ、不正行為等の迅速,確実な発見,検知が要請され、しかも、正当な封止解除作業も行われる固定物及び被固定物間の封止に好適な封止構造,封止手段であって、その対象は遊技機の制御基板収納用ケースに限定されない。
従って、本発明は、遊技機の制御基板収納用ケースの開閉部を開扉不能に封止する封止構造として適用できるとともに、封止されたケースと遊技機とを取り外し不能,分離不能に封止するための封止構造としても用いることができ、その他、開扉不能,分離不能に封止する必要がある固定物と被固定物であれば、どのような対象についても適用することができる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のロックピン,ロックピンの製造方法及びロックピンを用いた封止構造によれば、簡易で小型,軽量な構造のみによって、容易,迅速に封止作業が行え、かつ、開扉の痕跡を明確かつ隠蔽不能な状態に残して不正開扉の有無を確実に検知,判別できるとともに、正当な開扉作業の際には、ケース等の固定物,被固定物を破壊,切断等することなく容易に開扉が行える。
これにより、特にパチンコやスロットマシン等、遊技機の制御基板収納用ケースの封止手段として好適なロックピン構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係るロックピンを示す斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係るロックピンを示す、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係るロックピンを示す要部断面拡大正面図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係るロックピンの製造方法を示す工程図であり、(a)はカプセルの形成工程、(b)は一端側を保持したカプセルを金型に挿入,固定する工程、(c)はカプセルを挿入した金型内に樹脂材料を注入してロックピンを成形する工程、(d)は金型から取り出されたロックピンの不要部分を削り取る工程を示している。
【図5】本発明の第一実施形態に係るロックピンを用いた封止構造を概略斜視図であり、ロックピンを用いた遊技機の制御基板収納用ケースを封止する場合を示している。
【図6】図5に示すA−A線における拡大断面図であり、ケースのロックピン取付部にロックピンを挿通させる直前の状態を示している。
【図7】図5に示すA−A線における拡大断面図であり、ケースのロックピン取付部にロックピンを挿通させている状態を示している。
【図8】図5に示すA−A線における拡大断面図であり、ケースのロックピン取付部へのロックピンの取付けが完了した状態を示している。
【図9】図5に示すA−A線における拡大断面図であり、ケースのロックピン取付部に取り付けられたロックピンを工具で緩めてケースを開扉した結果、捻断部が捻断された状態を示している。
【図10】図5に示すA−A線における拡大断面図であり、ケースが開扉された結果、ロックピン内のカプセルから塗料が流出して開扉の痕跡が残された状態を示している。
【図11】本発明の第一実施形態に係るロックピンの、角ピン部の変更例を示す斜視図である。
【図12】本発明の第一実施形態に係るロックピンの、捻断部の変更例を示す斜視図である。
【図13】本発明の第一実施形態に係るロックピンのカプセルの変更例を示す、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
【図14】本発明の第二実施形態に係るロックピンを用いた封止構造の要部拡大断面図であり、ケースのロックピン取付部に取り付けられたロックピンを工具で緩めてケースを開扉した結果、捻断部が捻断ロックピン内のカプセルから接着剤が流出して、ケースが開扉不能となった状態を示している。
【図15】本発明の第三実施形態に係るロックピンを示す斜視図である。
【図16】本発明の第三実施形態に係るロックピンを用いた封止構造の要部拡大断面図であり、上ケースのロックピン取付部の孔部とロックピンが係合して仮取付けされた状態を示している。
【符号の説明】
10 ロックピン
11 頭部
11a 溝
12 軸部
12a 捻断部
13 角ピン部
13a 係合溝
14 カプセル
14a 中空部
15a 塗料
15b 接着剤
20 上ケース
21 ロックピン取付部
22 丸孔
22a ロックピン係合爪
30 下ケース
31 ロックピン固定部
32 角穴
33 ロックピン固定用爪

Claims (14)

  1. ロックピンを用いて固定物と被固定物を封止する封止構造であって、
    前記ロックピンが、工具の先端が係合する溝を有する頭部と、この頭部に一体的に連続する軸部と、この軸部に一体的に連続する角形状の角ピン部と、前記軸部上に形成された捻断部と、を備え、
    前記固定物が、前記ロックピンが挿通され、当該ロックピンの前記角ピン部及び軸部が通過可能で、かつ、前記頭部が通過不能に係止する孔部を有し、
    前記被固定物が、前記孔部を通過した前記ロックピンの前記角ピン部が軸回り方向に回転不能に嵌合し、かつ、嵌合した当該角ピン部が脱落不能に保持される角穴部を有し、
    前記ロックピンが、前記頭部が工具によって回転されることなく、前記孔部に挿通されて前記頭部が押圧されることにより、前記角ピン部が前記角穴部に嵌合,保持され、前記固定物と被固定物が固定されるとともに、
    当該ロックピンが、前記角ピン部が回転不能に保持された状態で、前記頭部が工具によって締め付けられることにより、前記捻断部が捻断されて、前記固定物と被固定物の固定が解除されることを特徴とするロックピンを用いた封止構造。
  2. 前記孔部内周と前記ロックピンの角ピン部外周に、互いに係脱自在に係合する係合構造を備えた請求項1記載のロックピンを用いた封止構造。
  3. 前記固定物及び被固定物が、互いに開閉可能に嵌合する遊技機の制御基板用ケースからなる請求項1又は2記載のロックピンを用いた封止構造。
  4. 前記固定物及び被固定物の一方が、遊技機の制御基板用ケースからなり、他方が、当該制御基板用ケースが取り付けられる遊技機からなる請求項1乃至3のいずれか一項記載のロックピンを用いた封止構造。
  5. 前記ロックピンが、前記軸部から捻断部及び角ピン部にわたって内蔵される中空部を有するカプセルを備え、
    前記角ピン部が回転不能に保持された状態で、前記頭部が工具によって締め付けられることにより、前記捻断部が捻断されて、前記カプセルの中空部が切断される請求項1乃至4のいずれか一項記載のロックピンを用いた封止構造。
  6. 前記カプセルの中空部内に、液体を充填した請求項5記載のロックピンを用いた封止構造。
  7. 前記カプセルの中空部内に充填される液体が塗料である請求項6記載のロックピンを用いた封止構造。
  8. 前記カプセルの中空部内に充填される液体が接着剤である請求項6又は7記載のロックピンを用いた封止構造。
  9. 前記カプセルの中空部内に充填される液体が臭いを有する請求項6,7又は8記載のロックピンを用いた封止構造。
  10. 前記カプセルの中空部内に、気体を充填した請求項5乃至9のいずれか一項記載のロックピンを用いた封止構造。
  11. 前記カプセルの中空部が、横断面真円形状である請求項5乃至10のいずれか一項記載のロックピンを用いた封止構造。
  12. 前記カプセルの中空部が、横断面楕円形状である請求項5乃至10のいずれか一項記載のロックピンを用いた封止構造。
  13. 前記捻断部が、前記軸部の表面に形成されるテーパ形状部からなる請求項1乃至12のいずれか一項記載のロックピンを用いた封止構造。
  14. 前記捻断部が、前記軸部の表面に形成される一又は二以上の凹部からなる請求項1乃至13のいずれか一項記載のロックピンを用いた封止構造。
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