JP5257977B2 - 制御装置、及び遊技機 - Google Patents
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また、特許文献2に記載の制御装置では、収容ケースを構成するベース部材とカバー部材とにわたって所定の識別情報が刻印された封印シールを貼着しており、その識別情報を外部携帯端末等にてチェックすることで、制御装置に対する不正行為を早期に発見可能としている。
一方、特許文献2に記載の制御装置によれば、封印シールが露出しているため、特殊な薬品等を用いて痕跡を残すことなく剥がされ、制御基板を交換等した後に再び同じ封印シールによって封印されてしまうおそれがある。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記内部カバー及び前記ベース部材における前記封印シールの貼着部を、前記基板の素子設置面上に位置しない箇所に夫々設け、貼着状態にある前記封印シールが、前記素子設置面上に位置しないことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記ベース部材に、前記カバー部材と前記ベース部材とを一体化するための連結部材の予備を収納する予備収納部を設けるとともに、前記内部カバーに、前記ベース部材への固着状態において前記予備収納部の開口を閉塞する鍔状のリブ片を突設する一方、前記封印シールを前記リブ片と前記ベース部材とにわたって貼着したことを特徴とする。
一方、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の制御装置が設置されていることを特徴とする。
さらに、所定の識別情報が記載された封印シール又は所定の識別情報を有する無線通信可能なICタグを有する封印シールを、内部カバーとベース部材とにわたって貼着するとともに、透明な合成樹脂で成形されたカバー部材を、内部カバー及びベース部材における封印シールの貼着部を覆うように組み付けている。したがって、封印シールを剥離するためにはカバー部材を取り外す必要があることから、不正行為を抑制することができるし、封印シールに記載された又は封印シールに内蔵されたICタグの識別情報をチェックすることで、制御装置が正規のものであるか否かを容易に判別することができる。
加えて、カバー部材に、ベース部材への組み付け状態において、内部カバーにおける封印シールの貼着部に当接又は近接する突出部を形成している。したがって、封印シールを露出させるような穴をカバー部材に空けたり、カバー部材を取り外すことなく封印シールを剥離する等の行為が一層困難となり、防犯性の更なる向上を図ることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、内部カバー及びベース部材における封印シールの貼着部を、基板の素子設置面上に位置しない箇所に夫々設けており、貼着状態にある封印シールが素子設置面上に位置しないようにしているため、基板から生じる熱の影響によって封印シールの貼着面が影響を受けにくく、封印シールが熱により自然と剥がれてしまう等といった事態を防止することができる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、ベース部材に、カバー部材とベース部材とを一体化するための連結部材の予備を収納する予備収納部を設けるとともに、内部カバーに、ベース部材への固着状態において予備収納部の開口を閉塞する鍔状のリブ片を突設する一方、封印シールを前記リブ片と前記ベース部材とにわたって貼着している。したがって、予備の連結部材を取り出すためには封印シールを剥離する必要があるため、予備の連結部材の他の制御装置への転用等といった不正行為を防止することができる。
一方、請求項4に記載の発明によれば、制御装置のROM等が不正に取り替えられたりしないため、遊技者が安心して遊技可能な遊技機とすることができる。
図1は、パチンコ機1を前面側から示した説明図であり、図2は、パチンコ機1を後面側から示した説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域2a内へ遊技球を打ち込み、遊技領域2a内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス扉を嵌め込み設置してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域2aとされている。
次に、本発明の要部となる制御装置20について、図3〜図9をもとに説明する。
図3は、制御装置20を後面側から示した斜視説明図であり、図4は、制御装置20の後面を示した説明図である。図5は、制御装置20の断面説明図であって、(a)はA−A線断面図、(b)はB−B線断面図、(c)はC−C線断面図、(d)は(c)中の要部拡大図である。また、図6は、制御装置20を分解した状態を示した斜視説明図である。さらに、図7は、分解状態にある内ケース22と、メイン制御基板21とを拡大して示した斜視説明図である。また、図8は、ベース部材41を示した説明図であって、(a)は後方から示した説明図、(b)は斜視説明図である。さらに、図9は、かしめカバー部材42を示した説明図であって、(a)は上方から示した斜視説明図、(b)は下方から示した斜視説明図である。
まず、内ケース22については、前ケース部材31を、その後方にメイン制御基板21を介在させた状態で、前方からネジ24、24・・により後ケース部材32へネジ止めして組み立てる。このとき、メイン制御基板21も、同ネジ24、24・・により、内ケース22内部において後ケース部材32へネジ止めされることになる。このとき、前ケース部材31は、後ケース部材32の開口内へ嵌め込まれた状態となっており、強引にこじ開けようとした際にメイン制御基板21の表面(素子設置面)が露出しにくいようになっている。
ここで、不正防止用ビス44について、図12をもとに説明する。図12は、不正防止用ビス44を示した斜視説明図である。
不正防止用ビス44は、筒状に形成されたビス部材61と、ビス部材61へ挿入される芯部材62とからなる。ビス部材61は、六角形状のフランジを有する頭部61cと、当該頭部61cから前方へ一体的に突設された軸部とからなる。そして、軸部の先端部は、先端から径方向に沿って複数の切り込みが設けられてなる先割れ状に形成されており、各舌部61aの外周面には、やすり状の掛止面が設けられている。また、各舌部61aの内周面には、図示しないネジ溝が先端際まで形成されている(尚、ネジ溝は、先端に到達するまで形成されているわけではなく、ネジ溝と先端との間にネジ溝が設けられていない面が残されている)とともに、先割れ状部における径は、後述する芯部材62の雄ねじ部62aの径よりも小さく成形されており、芯部材62がねじ込まれることで先割れ状部の径が拡開するようになっている。さらに、各舌部61aの先端には係止突起61bが径方向へ突設されている。一方、芯部材62は、軸の先端部にのみ雄ねじ部62aが設けられたネジ部材であって、ねじ頭62bは、ねじ込み方向へのみトルクをかけることが可能なワンウェイタイプに成形されている。尚、芯部材62の雄ねじ部62aの山位置での径は、軸よりも大径とされているものの、谷位置での径は軸と同径とされており、後述の如く芯部材62をねじ込む際にビス部材61の先端が必要以上に拡開しないようになっている。
まず、ビス部材61を、その係止突起61b、61b・・がビス受け部49よりも前方まで突出するように、ビス挿通部53aを介して押し込む。次に、当該状態にあるビス部材61に対して、芯部材62を強引にねじ込み、該ねじ込む力によって雄ねじ部62aをビス部材61の先端から更に前方へ突出させる。すると、先割れ状部の径が拡開し、やすり状とされた各舌部61aの外周面がビス受け部49内周面に食い込むとともに、係止突起61bがビス受け部49の端縁に係止してビス部材61が抜け止めされ、ベース部材41とかしめカバー部材42とが一体化されることになる。
尚、芯部材62をねじ込む際には、六角形状の頭部61cとビス挿通部53aの挿通孔とが係合しており、芯部材62にトルクをかけやすくなっているとともに、トルクをかけることによるビス部材61の回転を防止している。また、雄ねじ部62aは、ネジ溝が設けられていない面を通過する際にねじ山が潰れるような強度とされており、一旦図12(b)に示す状態になると、ビス部材61内面のネジ溝に螺合しないようになっている。
上述したような制御装置20によれば、メイン制御基板21が、ベース部材41とかしめカバー部材42とを組み付けてなる外ケース23内に収容された内ケース22内に収容されている。したがって、メイン制御基板21に対して不正行為を働くためには、内ケース21及び外ケース23といった2つのケースをこじ開けたり、穴を空けたりする必要があるため、メイン制御基板21に対して不正行為を働くことが極めて困難であり、優れた防犯性を発揮することができる。
また、内ケース22は、前ケース部材31と後ケース部材32とを前後方向でネジ止めして組み立てるのに対し、当該内ケース22を収容する外ケース23は、ベース部材41に対してかしめカバー部材42を上下方向へスライドさせて組み立てる。このように内ケース22の組み立て方向と外ケース23の組み立て方向とを異ならせているため、外ケース23と内ケース22とを同時にこじ開けることが極めて困難となっており、非常に優れた防犯性を発揮することができる。
さらにまた、内ケース22の前後面を、ベース部材41及びかしめカバー部材42の内面に当接させた状態で、外ケース23の内部空間内に収容しているため、内ケース22を完全に露出(すなわち外ケース23を開放)させない限り、内ケース22の開放は不可能となる。したがって、制御装置20の不正開放を極めて確実に防止することができる。
加えて、ベース部材41において、ビス受け部49、49・・を、前板から側方へ突出させることなく、すなわち前板によりビス受け部49、49・・の前方が閉塞されるように設けているため、固着状態にある不正防止用ビス44に対して先端を切断する等といった不正行為を働くことが困難であり、当該箇所における防犯性についても向上することができる。
さらに、内ケース22の前ケース部材31の下縁に沿って後方へ突出する凸条部39を設けているため、コネクタ窓33、33・・周縁から内ケース22内部へ不正工具等を差し込みにくくなっており、内ケース22における防犯性の向上をも図ることができる。
また、識別シール56を貼着するにあたり、ICタグを有する側の面が外ケース23の上面に位置するようにしているため、外部携帯端末を利用することで制御装置20を開放することなくIDの確認が可能であって、使い勝手が良い。さらに、識別シール56に、溶液に反応する反応部を設けているため、溶液を用いた不正剥離を認識可能、ひいては不正行為の抑制を図ることができる。加えて、後ケース部材32から上方へ突設された鍔片36とベース部材41の上面とにわたって識別シール56を貼着しているため、識別シール56が、メイン制御基板21の前方又は後方(すなわち、素子設置面上)に位置しない。したがって、メイン制御基板21が生じる熱により識別シール56の貼着面が影響を受けにくく、自然に識別シール56が剥がれてしまう等といった事態が起こらない。
さらに、各舌部61aの内周面に設けるネジ溝を先端際までしか形成していない上、雄ねじ部62aの強度を、ネジ溝が設けられていない面を通過する際にねじ山が潰れるような強度とされており、一旦図12(b)に示す状態になると、ビス部材61内面のネジ溝と芯部材62の雄ねじ部62aとが二度と螺合しないようになっている。したがって、更に高い不正開放防止効果を発揮することができる。
加えて、上述したような制御装置20をパチンコ機1に設置することで、ROM等が不正に取り替えられたりするおそれがなく、遊技者が安心して遊技可能なパチンコ機1を提供することができる。
なお、本発明の制御装置及び遊技機に係る構成は、上記実施形態に記載の態様に何ら限定されるものではなく、外ケースや内ケース、固着手段、及び遊技機の種類等に係る構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
また、ビス収納部の位置(つまり、ベース部材への設置位置に限らず、かしめカバー部材にビス収納部を設けるようにしてもよい)や識別シールの貼着位置等についても上記実施形態の態様に何ら限定されることはない。
さらに、不正防止用ビスについて、上記実施形態ではビス部材にネジ溝を、芯部材の先端に雄ねじ部を夫々設けているが、そのようなねじ込み式を採用せず、ビス部材には溝等を設けず、芯部材としては先端が大径なピン部材を採用し、当該ピン部材を押し込むことでビス部材の先端が拡開する構成(押し込み式)としてもよい。また、ねじ込み式を採用するとしても、雄ねじ部が必ずしもつぶれるような構成とする必要はないし、雄ねじ部の基端側(頭部側)に、フランジ部をリング状に突設することで、雄ねじ部を突出させた際、当該フランジ部がビス部材の先端面に係止して、芯部材の引き抜きを阻止するように構成することも可能である。加えて、外ケースを一体化するための機構としては、前述したような芯部材とビス部材とを用いる機構に限らず、ワンウェイタイプのネジによる連結部や熱溶着部等、所謂「カシメ」と呼ばれる不可逆的な連結機構を採用可能である。
さらに、識別シールの残痕部を、溶液に反応ずる反応部としているが、粘着度の強弱によって一旦貼着した後に剥がすと無線通信用のアンテナが破断するように識別シールを構成し、当該構成を残痕部としても何ら問題はないし、たんにシール表面に識別情報が記載されただけの無線通信可能なICタグを有していない識別シールを採用することも可能である。
加えて、外ケースや内ケースを製造する樹脂等についても上記実施形態に何ら限定されることはない。また、本発明に係る制御装置をパチンコ機ではなく、スロットマシーン等の他の遊技機に設置可能であることや、メイン制御基板以外の遊技に係る基板を内蔵する制御装置(たとえば、サブ統合ボックス)にも適用可能であることは言うまでもない。
Claims (4)
- 遊技機に設置され、ベース部材とカバー部材とを組み付けてなるケース内に前記遊技機における動作を制御する基板を内蔵した制御装置であって、
ベース部材側に開口を有し、素子設置面を覆った状態で前記基板を収容可能な箱状に形成された第1内部カバーを、前記ベース部材に固着するとともに、所定の識別情報が記載された封印シール又は所定の識別情報を有する無線通信可能なICタグを有する封印シールを、前記第1内部カバーと前記ベース部材とにわたって貼着する一方、
前記カバー部材を、透明な合成樹脂で成形し、前記第1内部カバー及び前記ベース部材における前記封印シールの貼着部を覆うように組み付けるとともに、
前記カバー部材に、前記ベース部材への組み付け状態において、前記第1内部カバーにおける前記封印シールの貼着部に当接又は近接する突出部を形成したことを特徴とする制御装置。 - 前記第1内部カバー及び前記ベース部材における前記封印シールの貼着部を、前記基板の素子設置面上に位置しない箇所に夫々設け、貼着状態にある前記封印シールが、前記素子設置面上に位置しないことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
- 前記ベース部材に、前記カバー部材と前記ベース部材とを一体化するための連結部材の予備を収納する予備収納部を設けるとともに、
前記第1内部カバーに、前記ベース部材への固着状態において前記予備収納部の開口を閉塞する鍔状のリブ片を突設する一方、
前記封印シールを前記リブ片と前記ベース部材とにわたって貼着したことを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。 - 請求項1〜3の何れかに記載の制御装置が設置されていることを特徴とする遊技機。
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