JP6436478B2 - 封印容器 - Google Patents
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Description
この基板ケースは、皿状部材に連結部が一体成型されると共に、キャップ状部材に有底円筒状部が一体成型される。これら有底円筒状部と連結部は、該有底円筒状部内に頭部を臨ませたビスにより固定される。
このとき、上記特許文献1では、封印蓋が外れた状態で内部基板の不正改造がなされてしまい、その後で、該封印蓋を元の状態に戻したとしても、不正開封の痕跡が残らないことがあり、不正開封の発見が遅れてしまうという問題があった。
そして、薬剤収容袋内の薬剤が混合されて発熱反応が生じることにより、該薬剤収容袋の周囲の封印用キャップが軟化及び変形し、この状態を見ることにより、封印用キャップの不正開封が行われたことを管理者が認識することができる。
さらに、本発明では、封印用キャップに薬剤収容袋を複数設け、かつ該封印用キャップを薬剤の混合により発生する熱で軟化する材料により形成するという簡易な構成により、上述した、封印用キャップとなる封印蓋の不正開封した場合の痕跡を確実に残し、不正開封の発見を早期かつ確実に行うことができる。
この図1において符号1で示すものは容器であって、プラスチック材料により形成された下容器となるケースベース2、上容器となるケースカバー3、これらケースを連結するための封印用ねじ(後述する)を封印する封印用キャップ4を主な構成要素としている。
ケースベース2及びケースカバー3は、中心線Оを基準として互いに重ねられることで一体化するものであり、これらの間には、電子部品(ROM,CPU)及び該電子部品を搭載する基板(図示略)といった重要部材が収容される収納空間5が形成されている。
この封印用ねじ7は頭部7Aを有し、該頭部7Aとねじ込まれたケースベース2との間に、ケースカバー3を挟み込むことによって、これらケースベース2及びケースカバー3を一体化させる。
また、容器1のケースカバー3には、貫通部3A内にねじ込まれた封印用ねじ7の頭部7Aを臨むように凹部8が形成され、凹部8内には封印用キャップ4が嵌め込まれる。
封印用キャップ4とケースベース2との間には、該封印用キャップ4をケースベース2に連結する連結手段10が設けられ、さらに封印用キャップ4には、該連結手段10に通じる隙間14を塞ぐ封止縁部4Bが、胴体部4Aと一体に設けられている。そして、このような構成により、封印用ねじ7を封印する封印用キャップ4が連結手段10によりケースカバー3の凹部8内に固定されるとともに、該封印用キャップ4に設けられた封止縁部4Bによって、ドライバ等の棒状の解除工具Tが連結手段10に至ることを阻止する。
また、封印用キャップ4は、薬剤により発生する熱により軟化する材料(溶融温度が比較的低い材料)により形成されている。
そして、これら構成により、直線Lに沿ってドライバ等の棒状の解除工具Tが不正に挿入された際には、複数の薬剤収容袋20を突き破り、各薬剤収容袋20内の薬剤が混合される。その後、薬剤収容袋20の薬剤混合により発熱反応が生じた場合には、該薬剤収容袋20の周囲の封印用キャップ4が軟化及び変形し、不正開封の痕跡を残すことができる(封印用キャップ4の軟化、変形箇所を図1に符号4aで示す)。
そして、上記封印容器100では、薬剤収容袋20内の薬剤が混合されて発熱反応が生じることにより、該薬剤収容袋20の周囲の封印用キャップ4が軟化及び変形し、この状態を見ることにより、封印用キャップ4の不正開封が行われたことを管理者が認識することができる。
すなわち、上記封印容器100では、不正開封がなされた場合に、封印用キャップ4を軟化及び変形させることで、該封印用キャップ4を不正開封した場合の痕跡を確実に残し、当該不正開封の発見を早期かつ確実に行うことができる。
さらに、上記封印容器100では、封印用キャップ4に薬剤収容袋20を複数設け、かつ該封印用キャップ4を、薬剤の混合で軟化する材料により形成するという簡易な構成により、上述した、封印用キャップ4となる封印蓋の不正開封した場合の痕跡を確実に残し、不正開封の発見を早期かつ確実に行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る封印容器100´について、図2〜図6を参照して説明する。
これら図2〜図6は、図1の封印容器100をさらに具体化した図であって、図2は外観図、図3及び図4は、ケースベース2、ケースカバー3、封印用キャップ4を主な構成要素とする容器1の分解図、図5(a)及び(b)は封印容器100´の縦断面図、図6は封印用キャップ4を示す断面図である。
ケースベース2及びケースカバー3は中心線Oを基準として互いに重ねられた状態で箱形状となるものであって、その内部に、電子部品(ROM,CPU)及び該電子部品を搭載する基板(図示略)といった重要部材が収容される収納空間5が形成される。また、封印用キャップ4は全体が円筒状に形成されている。
なお、ケースベース2、ケースカバー3、封印用キャップ4は中心線Oを基準として互いに結合される。
また、封印用キャップ4は、中心線Oに沿う筒状の胴体部4Aと、該胴体部4Aの後端部に配置された円盤状の封止縁部4Bとが一体に設けられた構成である。
また、図4に示されるように、これら薬剤収容袋20(20A、20B)は封印用キャップ4の胴体部4Aの外面に接しかつ胴体部4Aの外周面の周方向に沿って環状に形成されている。
また、他の例では、薬剤収容袋20Aの材料Aとして「水」が使用され、薬剤収容袋20Bの材料Bとして「生石灰」が使用されており、これら材料A、Bが混合された場合には、およそ80〜90℃まで発熱させることができる。
また、他の例では、薬剤収容袋20Aの材料Aとして「水」が使用され、薬剤収容袋20Bの材料Bとして「鉄粉」が使用されており、これら材料A、Bが酸素存在下で混合された場合には、およそ63℃まで発熱させることができる。
すなわち、封印容器100´では、連結手段10を構成する係合部11と被係合部12により、封印用キャップ4がケースカバー3に固定されて、該封印用キャップ4を容器1に結合させることができる。
一方、封印用キャップ4は、薬剤により発生する熱により軟化する材料(例えば、ポリスチレン、ABS樹脂などの溶融温度が比較的低い材料)により形成するようにした。
そして、これら構成により、図5(a)及び(b)に示されるように、直線Lに沿ってドライバ等の解除工具Tが不正に挿入された際には、複数の薬剤収容袋20を突き破り、各薬剤収容袋20内の薬剤が混合され、かつ薬剤混合により発熱反応が生じた場合には、該薬剤収容袋20に接する周囲の封印用キャップ4が軟化及び変形する(図5(b)参照)。その後、管理者がこの状態を見ることにより、封印用キャップ4の不正開封が行われたことを認識することができる。
すなわち、第1実施形態の封印容器100´では、不正開封がなされた場合に、封印用キャップ4を軟化及び変形させることで、該封印用キャップ4を不正開封した場合の痕跡を確実に残し、当該不正開封の発見を早期かつ確実に行うことができるものである。
また、上記第1実施形態では、封印用キャップ4を不透明なプラスチック材料により形成しているが、解除工具Tを使って不正開封を試みようとする者を躊躇させるために、該封印用キャップ4の容器1を透明にして、薬剤収容袋20を外部から目視できるようにしても良い。すなわち、内部の薬剤の存在を外部から視認できるように構成しておけば、不正な開封を抑止する効果を期待することができる。
また、上記開封防止機構は、容器そのものを改造することなく、封印キャップのみを改造することにより実現することができるので、既存の容器にも広く適用することができる。
本発明の第2実施形態について、図7〜図9を参照して説明する。
これら図7〜図9は第2実施形態に係る封印容器101であって、第1実施形態に示される封印容器100´と構成を異にするのは、薬剤収容袋21の形状及び設置箇所である。
また、薬剤収容袋21は、2つの薬剤収容袋21A、21Bを有し、1つの薬剤収容袋21Aを覆う外側に、もう1つの薬剤収容袋21Bが配置される二重袋構造となっている。
内側の薬剤収容袋21Aには、第1実施形態で示した材料Aが収容され、外側の薬剤収容袋21Bには材料Aを包むように材料Bが収容されており、解除工具Tで、(封印用キャップ40の胴体部40Aを経由して)これら薬剤収容袋21A、21Bが突き破られた場合に、これら薬剤収容袋21A、21B内の材料A、Bが混合されて発熱反応が生じる。なお、材料A、Bの具体例は第1実施形態と同様である。
また、薬剤収容袋21(21A、21B)が収容される封印用キャップ40の胴体部40Aは、形状が保持できる程度の薄厚(例えば、1mm以下の厚さ)に形成されており、これにより、薬剤収容袋21内の材料混合による発熱反応で容易に軟化できるように構成されている。
また、封印用キャップ40の胴体部40Aは薄厚に形成されることで、解除工具Tによる薬剤収容袋21(21A、21B)に至る前の胴体部40Aの突き抜けを容易にしている。
一方、封印用キャップ40は、薬剤により発生する熱により軟化する材料(例えば、ポリスチレン、ABS樹脂などの溶融温度が比較的低い材料)により形成するようにした。
そして、これら構成により、直線Lに沿ってドライバ等の解除工具Tが不正に挿入された際には、封印用キャップ40の胴体部40Aとともに、複数の薬剤収容袋21を突き破り、各薬剤収容袋21(21A、21B)内の薬剤(材料A、B)が混合される。
薬剤混合により発熱反応が生じた場合には、該薬剤収容袋21に接する周囲の封印用キャップ40が軟化及び変形し、管理者がこの状態を見ることにより、封印用キャップ40の不正開封が行われたことを認識することができる。
すなわち、第2実施形態の封印容器101では、不正開封がなされた場合に、封印用キャップ40を軟化及び変形させることで、該封印用キャップ40を不正開封した場合の痕跡を確実に残し、当該不正開封の発見を早期かつ確実に行うことができるものである。
また、上記第2実施形態では、封印用キャップ40を不透明なプラスチック材料により形成しているが、解除工具Tを使って不正開封を試みようとする者を躊躇させるために、該封印用キャップ40及び/または周囲の容器1を透明にして、薬剤収容袋21を外部から目視できるようにしても良い。
また、これに限定されず、図10に示すように、薬剤収容袋21の外側に係止突起22を設け、これら係止突起22を、封印用キャップ40の胴体部40A内に形成された係止段部23に嵌合させることで、該薬剤収容袋21を胴体部40A内に保持しても良い。
本発明の第3実施形態について、図11〜図13を参照して説明する。
これら図11〜図13は第3実施形態に係る封印容器102であって、第2実施形態に示される封印容器101と構成を異にするのは、胴体部41A及び封止縁部41Bからなる封印用キャップ41の胴体部形状である。
これらスリット30は、封印用キャップ41の胴体部41Aの使用材料を少なくすることができるので、薬剤収容袋21内の材料混合による発熱反応で該胴体部41Aの軟化を容易にし、かつ解除工具Tによる薬剤収容袋21(21A、21B)に至る前の該胴体部41Aの通過または突き抜けを容易にすることができる。
そして、薬剤混合により発熱反応が生じた場合には、該薬剤収容袋21に接する周囲の封印用キャップ41が軟化及び変形し、管理者がこの状態を見ることにより、封印用キャップ41の不正開封が行われたことを認識することができる。
すなわち、第3実施形態の封印容器102では、不正開封がなされた場合に、封印用キャップ41を軟化及び変形させることで、該封印用キャップ41を不正開封した場合の痕跡を確実に残し、当該不正開封の発見を早期かつ確実に行うことができる。
なお、第3実施形態においても、第2実施形態で述べたように、封印用キャップ41を透明なプラスチック材料により形成することで、スリット30を通じた薬剤収容袋21の目視を容易にして、解除工具Tを使って不正開封を試みようとする者を躊躇させるようにしても良い。
本発明の第4実施形態について、図14を参照して説明する。
これら図14は第3実施形態に係る封印容器103であって、第1〜第3実施形態に示される封印容器100〜102と構成を異にするのは、薬剤(材料A、材料B)が収容される薬剤収容袋24の位置である。
侵入防止部50は、ケースカバー3の内側面から凹部8の内方に突出しかつ封印用キャップ4の封止縁部4Bに沿う内側延長部51と、該内側延長部51の端部から封止縁部4Bの内側面に向けて突出して外部からの解除工具Tの侵入を規制する規制部52とを有し、侵入防止部50の内側延長部51上に、複数の薬剤収容袋24が設置されている。
また、侵入防止部50の規制部52の先端は、封印用キャップ4の封止縁部4Bの内側面に形成された嵌合凹部53内に嵌合され、このような規制部52の存在により、解除工具Tが挿入された場合、該解除工具Tが封印用ねじ7に至ることを規制することができる。
また、複数の薬剤収容袋24(24A、24B)には、第1〜第3実施形態で示されたように、互いが混合された場合に、発熱反応が生じる材料(材料A、材料B)がそれぞれ収容されている。
また、封印用キャップ4は、薬剤収容袋24内の材料混合により発生する熱により軟化する材料が適宜選択及び使用される。
また、侵入防止部50の規制部52の先端は、封印用キャップ4の封止縁部4Bの内側面に形成された嵌合凹部53内に嵌合され、このような規制部52の存在により、解除工具Tが直線Lに沿って挿入された場合に、解除工具Tが封印用ねじ7に至ることを確実に規制することもできる。
また、上容器と下容器とを連結する封印用ねじは、一方の容器を貫通して他方に至る長さを有するものであればその径路、具体的形状が上記実施形態に限定されるものではない。
また、第4実施形態では、封印用キャップ4を不透明なプラスチック材料により形成しているが、解除工具Tを使って不正開封を試みようとする者を躊躇させるために、該封印用キャップ4を透明にして、薬剤収容袋24を外から目視できるようにしても良い。
2 ベースカバー(下容器)
3 ケースカバー(上容器)
4 封印用キャップ
4A 胴体部
4B 封止縁部
5 収容空間
6 雌ねじ部
7 封印用ねじ
8 凹部
20(20A、20B) 薬剤収容袋
21(21A、21B) 薬剤収容袋
22 係止突起
23 係止段部
24(24A、24B) 薬剤収容袋
30 スリット
40 封印用キャップ
40A 胴体部
40B 封止縁部
41 封印用キャップ
41A 胴体部
41B 封止縁部
50 侵入防止部
51 内側延長部
52 規制部
100 封印容器
100´封印容器
101 封印容器
102 封印容器
103 封印容器
Claims (10)
- 互いに重ねられる上容器と下容器との間に収容空間を形成する容器と、
互いに重なる上容器と下容器のいずれか一方を貫通する貫通部を経由して、これら両容器を連結する封印用ねじと、
前記貫通部内の前記封印用ねじの頭部を臨むように、前記上容器と下容器のいずれか一方に形成された凹部と、
該凹部に挿入されて前記上容器または下容器に連結され、前記貫通部内の前記封印用ねじを覆う封印用キャップと、を具備し、
該封印用キャップの胴体または縁部と前記封印用ねじの頭部とを結ぶ直線と交差する位置に、混合により発熱する薬剤を収容する薬剤収容袋を設け、
前記封印用キャップは、前記薬剤の混合による発熱で軟化する材料により形成されることを特徴とする封印容器。 - 前記薬剤収容袋は、前記封印用キャップに接するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の封印容器。
- 前記薬剤収容袋は、前記封印用キャップの中央に形成された胴体部の外周面に配置されることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の封印容器。
- 前記薬剤収容袋は、前記封印用キャップの中央に形成された中空状の胴体部内に配置されることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の封印容器。
- 前記封印用キャップの胴体部には複数のスリットが形成されることを特徴とする請求項4に記載の封印容器。
- 前記薬剤収容袋は、一方の薬剤収容袋の中に他方の薬剤収容袋が収納される二重袋に形成されることを特徴とする請求項4又は5のいずれか1項に記載の封印容器。
- 前記封印用キャップには、前記薬剤収容袋を係止するための係止段部が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の封印容器。
- 前記上容器および前記下容器のいずれか、または前記封印用キャップの一部に前記薬剤収容袋を臨む透明部分が設けられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の封印容器。
- 前記容器の内側面には、前記凹部の内方に突出する侵入防止部が設けられ、
前記侵入防止部は、前記凹部の内方に突出しかつ前記封印用キャップの縁部に沿う内側延長部と、該内側延長部の端部から前記縁部の内側面に向けて突出して外部からの棒状体の侵入を規制する規制部とを有し、
前記侵入防止部の内側延長部上に、前記薬剤収容袋が設置されることを特徴とする請求項1に記載の封印容器。 - 前記侵入防止部の規制部の先端は、前記封印用キャップの縁部の内側面に形成された嵌合凹部内に嵌合されることを特徴とする請求項9に記載の封印容器。
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