JP3860386B2 - 運搬車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配膳車等の運搬車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、病院等で給食を配膳することに用いる配膳車の車輪配設構造としては、進行方向に沿った前後両端に縦軸回りに向きが可変の自在輪を、両自在輪の中間位置に進行方向に沿った方向に向きが固定された固定輪をそれぞれ設けた構造が一般に採用されている。係る車輪配設構造は、配膳車が廊下等を直線的に移動する場合の安定性や、角を曲がる場合のコーナリング性に優れ、また車体中央を軸とした回転運動を可能としている点で高い評価を得ているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、配膳車を扱う中では、配膳車の出入口のある側面を壁に付けたり、配膳車同士を横に並べる場合等、配膳車を進行方向とは直交する方向に平行移動させる、いわゆる幅寄せしたい場合がある。しかしながら従来のものでは、進行方向に沿った方向に向きが固定された固定輪を備えているため、いきなり平行移動はできず、特に狭い場所では何度も切り返しを行いつつ幅寄せを行わざるを得ず、面倒であるという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、幅寄せ操作が簡単にでき、かつ自在輪の向きの違いに伴うペダルの踏圧力の変化を小さく抑えることのできる運搬車を提供するところにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、運搬車本体の底部における進行方向に沿った前後両端には縦軸回りに向きが可変の自在輪が、これらの両自在輪の間の位置には進行方向に沿った方向に向きが固定された固定輪がそれぞれ配された運搬車において、前記固定輪並びに前後いずれか一方の前記自在輪は前記本体底部に直接に取り付けられるとともに、この本体底部には、前記自在輪の取り付けられた端部側を基端として反対の端部側に延出したアームが揺動可能に軸支され、このアームの延出端に設けられた浮上用部材に他方の自在輪が取り付けられており、前記浮上用部材と前記本体底部との間に、ペダルの踏圧操作によりロッドが上下方向に伸長するジャッキが介設され、かつ前記本体底部を持ち上げる方向のばね力を備えたばね部材が装着されている構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記一方の自在輪がブラケットを介して前記本体底部に取り付けられ、このブラケットに前記アームの基端が軸支されているところに特徴を有する。
【0005】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
ジャッキのペダルを踏圧すると、ロッドが伸長して自在輪を取り付けた浮上用部材に押し付けられ、この自在輪は走行面に載っているからアームが揺動しつつ本体が押し上げられ、本体底部に取り付けられた固定輪が走行面から浮き上がる。このため運搬車に対して進行方向と直交する方向に押圧力等を作用させれば、前後の自在輪が同方向に向きを変えつつ運搬車はそのまま平行移動できる。
ここでアームの基端は、本体底部におけるジャッキの配された側と反対側の端部に離されて軸支されているから、運搬車の走行方向によって自在輪の位置が変わっても、本体を所定寸法持ち上げることに要するジャッキの踏圧力に差が出ない。そのため例えば、本体と浮上用部材との間に本体を持ち上げることに助勢するばね部材を装着する場合に、最適なばね定数を持ったものを容易に選定することができる。
<請求項2の発明>
自在輪を本体底部に取り付けることに用いるブラケットに、アームの基端を軸支する部材を兼用させたから、部品点数の削減が図られる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を配膳車に適用した一実施形態を図1ないし図12に基づいて説明する。
まず配膳車の全体構造を説明すると、図1に示すように、表裏両面が開放された矩形の断熱箱体からなる貯蔵室本体10(以下、単に本体という)を備えており、この本体10の底部には、詳しくは後記するように移動用の車輪15,16が装備されている。
本体10内では、断熱性の仕切壁11を挟んだ左右両側に温蔵室12と冷蔵室13が形成されて、これが左右2組形成されており、温食と冷食とを分けて載置することが可能なトレイ14が、仕切壁11を貫通しつつ両室12,13にわたって収容可能とされている。この配膳車は基本的には、本体10の長さ方向(図1の左右方向)の一端側の側面に設けられた取手によって引き又は押し操作されることで、長さ方向に沿って移動されるようになっている。なお以下では、詳しくは後記するジャッキ41,41Aの配設された端部側(図1及び図2の左側)を前端側として説明する。
【0007】
続いて、本体10の底部側の構造を説明する。本体10の底部には、図2にも示すように、前後両端部に左右一対ずつの自在輪15F,15Rが、その中間位置に左右一対の固定輪16が設けられている。
詳細には、図3にも示すように、本体10の底板18における前後方向の中間位置の左右両側縁には、前後方向に細長い長方形断面をなす角筒状の軸受ブラケット19が取り付けられており、各軸受ブラケット19内には、左右の側板の間にわたされた軸20に対して固定輪16が支持されている。両固定輪16は軸20を中心に回転可能である一方、向きについては、進行方向に沿った向きに固定されている。
【0008】
底板18の後端側(図2の右側)には、取付ブラケット22が幅方向に横切って設けられており、この取付ブラケット22の左右両端部に、後自在輪15Rが取り付けられている。この後自在輪15Rは、縦軸23A回りに回転可能な可動軸受体23に対して軸24によって回転可能に支持され、かつ後自在輪15Rの走行面Xと接触する位置が可動軸受体23の縦軸23Aから偏心しており、可動軸受体23が縦軸23A回りに回転することを伴って、後自在輪15Rはその向きを変えることができるようになっている。
【0009】
上記した後自在輪15Rを取り付けた取付ブラケット22の長さ方向の中間位置からは、図4にも示すように、アーム25が底板18の前端側に延出して設けられている。取付ブラケット22には左右一対の軸受体26が設けられ、両軸受体26の間にわたされた軸27によってアーム25の基端が揺動可能に支持されている。
このアーム25の延出端側には、浮上用部材30が固着されている。この浮上用部材30は、図5にも示すように、全体として浅皿状に形成され、本体10の底板18の幅よりも少し短い横幅寸法を有している。この浮上用部材30の下面の左右両端部には、後側と同じく一対の前自在輪15Fが取り付けられている。この前自在輪15Fも、縦軸23A回りに回転可能な可動軸受体23に対して軸24によって回転可能に支持され、かつ前自在輪15Fの走行面Xと接触する位置が可動軸受体23の縦軸23Aから偏心しており、可動軸受体23が縦軸23A回りに回転することを伴って向きを変えるようになっている。
【0010】
浮上用部材30の上面の左右両端部には、図5に示すように、本体10の底板18を受ける受け部31が突設されており、本体10の底板18が受け部31で受けられることによって、本体10が走行面Xに対して水平な姿勢を取り得るようになっている。
また、本体10の底板18の前端側における左右両端部には、図3に示すように、2本ずつの挿通棒33が左右に並んで設けられている。この挿通棒33は、上端部が段付状となってねじが切られ、図6及び図7に示すように、底板18の上面に固設されたナット34にねじ込まれることで垂下状に取り付けられている。一方、浮上用部材30の前端側の対応する位置には、図4に示すように、挿通棒33の挿通される長孔35が開口されている。この長孔35は、後記するように本体10が持ち上げられた場合に、挿通棒33が相対的に前後方向に移動することを許容するために、前後方向に長い形状となっている。
【0011】
本体10の底板18の下面における各挿通棒33の回りには、伏コ字形をなすばね座37が共締めされて固定されており、図6に示すように、挿通棒33の回りに圧縮コイルばね38が嵌装されて、その上端側がばね座37の外側に嵌められるとともに、下端が浮上用部材30の上面に当てられていて、そのばね力によって底板18と浮上用部材30とが離間する方向の付勢力が付与されている。また、左右の隣り合う挿通棒33の浮上用部材30の下面側への突出端の間には、図7に示すように連結板39がわたされてねじ止めされている。
【0012】
なおこの実施形態では、左右それぞれにおいて外側の挿通棒33の回りのみに圧縮コイルばね38が装着されている。
上記した浮上用部材30における前方から見た右側に寄った位置には、図5に示すように窓孔28が開口されており、この窓孔28の下面側に受け部材29が取り付けられている。この受け部材29は、前面に開口29Aを設けた箱状に形成されている。一方、本体10の底板18における窓孔28の上方に対応する位置には、浮上用の第1ジャッキ41が取り付けられ、この第1ジャッキ41の下端側が、窓孔28を通して受け部材29内に挿入されている。
【0013】
第1ジャッキ41は、図8ないし図10に示す構造となっている。筒状本体42の上面には方形状の取付板43が設けられるとともに、下端側には、先端に押圧板45を設けたロッド44が進退可能に嵌装されている。このロッド44は図示しないばね弾力により常には後退方向への移動力が付勢され、ロッド44の途中位置に貫通状に設けられた支軸46が筒状本体42の下縁に当たることで後退が停止されている。
【0014】
ジャッキ41には踏圧ペダル48と解除ペダル54とが設けられている。踏圧ペダル48は、く字形に形成された一対のレバー49の一端側を踏圧部50で連結してなり、両レバー49がロッド44を挟むように配されてレバー49の屈曲部が上記の支軸46により回動可能に支持されている。両レバー49の他端と、取付板43の下面との間には、短寸のリンク51がわたされてピン52,53により連結されている。
上記のレバー49とリンク51等とによって、リンク機構Aの一種であるクランク・スライド機構が構成されている。なお、両リンク51のレバー49との接続端側にはストッパ板59(図10参照)がわたされている。そして、ロッド44が後退位置に有るときには、図9に示すように、レバー49の踏圧部50が斜め上方を向いた姿勢を取り、またレバー49の他端側とリンク51とが、連結部分を後方(図9の右側)に突出させたく字形の姿勢を取る設定となっている。
【0015】
一方の解除ペダル54は、踏圧ペダル48よりも一回り小さくて、概ね踏圧ペダル48の内側に配されるようになっている。解除ペダル54は、同じくく字形に形成された一対の短寸のレバー55の一端側を踏圧部56で連結してなり、レバー55の屈曲部が上記の支軸46に対してクリアランスを持って貫通されて回動可能に支持されている。両レバー55の他端の間には支点ピン57がわたされている。また、上記した踏圧ペダル48の両レバー49における軸支位置よりも少し他端側に寄った位置には連結ピン58がわたされており、この連結ピン58が、解除ペダル54の両レバー55における軸支位置よりも少し他端側に寄った位置をクリアランスを持って貫通している。そして、ロッド44が後退位置に有るときには、図9に示すように、踏圧ペダル48とほぼ重なるようにして、レバー55の両端が斜め上方を向いた姿勢を取るようになっている。
【0016】
このジャッキ41は上端の取付板43を固定して使用され、図9におけるロッド44が後退した状態から踏圧ペダル48の踏圧部50を踏み込むと、レバー49とリンク51等によって構成されているリンク機構Aにより、リンク51がピン53を中心として時計回り方向に回動し、またレバー49が支軸46を中心に反時計回り方向に回動しつつその支軸46が下降することによって、ロッド44が下方に向けて前進する。
【0017】
レバー49の他端とリンク51とが一直線上に並ぶ思案点を超えて、さらに踏圧ペダル48が図10の位置まで踏圧されると、レバー49の他端とリンク51との接続部分が逆向きに折れ曲がり、ロッド44を後退付勢しているばね力が、レバー49を反時計回り方向に回動させつつ、同接続部分をさらに折れ曲げるように作用するが、リンク51のレバー49との接続端側に設けられたストッパ板59が筒状本体42の周面に当たることで、レバー49のそれ以上の回動等が規制され、踏圧ペダル48が同図に示す踏込位置にロックされ、またロッド44も前進位置にロックされる。
なお、解除ペダル54は若干反時計回り方向に回動し、支点ピン57が筒状本体42の周面に当接した状態となる。踏圧部56は踏圧ペダル48のレバー49よりも上方に突出している。
【0018】
一方、図10の状態から、解除ペダル54の踏圧部56を踏み込むと、解除ペダル54のレバー55は、筒状本体42に当たっている支点ピン57を中心として、同図の反時計回り方向に回動し、それに伴い連結ピン58を介して踏圧ペダル48のレバー49を時計回り方向に回動させる。これにより、レバー49とリンク51とが思案点を逆方向から越え、踏圧ペダル48の踏込位置でのロックと、ロッド44の前進位置でのロックが解除される。
そうすると、ロッド44の後退付勢用のばね力により、リンク51がピン53を中心に反時計回り方向に、またレバー49が支軸46を中心に時計回り方向に回動しつつ、ロッド44が上方に向けて後退し、支軸46が筒状本体42の下縁に当たることで元位置に停止するようになっている。
【0019】
上記のような第1ジャッキ41の取り付けのために、配膳車の本体10の底板18の下面には、図3に示すように取付部61が出っ張って設けられ、この取付部61に、第1ジャッキ41の取付板43が吊り下げ状態で取り付けられ、浮上用部材30の窓孔28から受け部材29内に臨んでいる。ロッド44の下端の押圧板45は、受け部材29の底板のすぐ上方で対向しているとともに、両ペダル48,54の踏圧部50,56は、開口29Aを通して前方に突出している。
【0020】
浮上用部材30の下面における上記した受け部材29の取付位置の側方には、本体10の停止用の第2ジャッキ41Aが取り付けられている。この第2ジャッキ41Aは、上記した浮上用の第1ジャッキ41と同様の構造である。
第2ジャッキ41Aの取り付けのために、図4に示すように、浮上用部材30の下面には取付部61Aが下方に出っ張って設けられ、この取付部61Aに、第2ジャッキ41Aの取付板43が吊り下げ状態で取り付けられている。ロッド44が後退位置にあるときには下端の押圧板45が走行面Xから浮上しており、ロッド44が前進位置に伸長すると押圧板45が走行面Xに押し付けられる設定となっている。
【0021】
なお、第1ジャッキ41を収容した受け部材29には、図7に示すように、その前面の開口29Aの上端部を覆うようにして、作業者の足が必要以上に奥に入ることを規制する規制板63が張られているとともに、第2ジャッキ41Aの装備位置にも、同様の規制板63Aが張られている。また、第1ジャッキ41側では、図6に示すように、規制板63の下方に、解除ペダル54と踏圧ペダル48とを上下方向に貫いてT字形の規制板64が設けられ、これにより両ペダル54,48の間に必要以上に足が入り込むことが規制される。
また、本体10の底板18の下面における前端側の左右両側縁には、図2に示すように、上記した浮上用部材30の左右の側面を挟持可能な横ずれ規制板65が突設されている。ここで横ずれ規制板65は、後記するように浮上用部材30が相対的に昇降する範囲では常に挟持状態にあるだけの高さ寸法を持っていることが望ましく、また、浮上用部材30と横ずれ規制板65との摺接面には、摩擦抵抗を減じるような表面処理を施すことが望ましい。
【0022】
本実施形態は上記のような構造であって、続いてその作用を説明する。
両ジャッキ41,41Aのロックが解除されている状態では、図11に示すように、前後の自在輪15F,15R並びにその間の固定輪16が走行面X上に載った状態にあり、本体10の前端面に設けられた取手を持って引き又は押し操作することで、配膳車を安定して直進走行させることができ、また角を曲がる場合等には自在輪15F,15Rが向きを変えつつスムーズに曲がれ、さらに配膳車の出入口10Aの設けられた表裏(左右)の面を反転させる場合等には、本体10の中央を軸として回転させるといった扱いができる。
【0023】
一方、配膳車の出入口10Aを設けた表裏の面を壁に付けたり、配膳車同士を横に並べる場合等、配膳車を進行方向とは直交する方向に平行移動させる、いわゆる幅寄せする場合は、以下のようにする。
浮上用の第1ジャッキ41の踏圧ペダル48を図12に示すように踏み込むと、ロッド44が伸長してその下端の押圧板45が浮上用部材30に設けられた受け部材29の底面に押し付けられる。ここで、前自在輪15Fが走行面Xに載っているために浮上用部材30の下降はできないから、ロッド44の伸長に伴って本体10の底板18に上向きの力が作用し、アーム25を軸27回りに相対的に揺動させつつ本体10の前端側が浮き上がる。なお、踏圧ペダル48を所定位置まで踏み込めば、ロッド44が伸長状態にロックされる。また、本体10の底板18と浮上用部材30との間に介装された圧縮コイルばね38の弾力で本体10の持ち上げが助勢されるから、第1ジャッキ41における踏圧ペダル48の踏圧力は比較的小さくて済む。
【0024】
上記のように本体10の前端側が持ち上げられると、前後の自在輪15F,15Rが走行面Xに接触したまま固定輪16が走行面Xから浮上した状態とされる。そのため、本体10を長さ方向と直交する側から押圧すると、前後の自在輪15F,15Rが縦軸23A回りに同方向に向きを変えつつ、配膳車はそのまま平行移動される。
平行移動の態様を解除するには、第1ジャッキ41の解除ペダル54を踏圧すると、ロックが解除されてロッド44が収縮する。これにより本体10の底板18と浮上用部材30との間のつっかいが無くなるから、アーム25を上記とは逆方向に揺動させつつ本体10の前端側が自重により沈み込み、固定輪16が走行面Xに当たることで本体10が正規の水平姿勢を取る。本体10が沈み込む際、圧縮コイルばね38が緩衝材として機能し、本体10は衝撃を受けることなくスムーズに下降する。
【0025】
また、本体10が浮上しているか否かに拘わらず、停止用の第2ジャッキ41Aの踏圧ペダル48を踏み込むと、ロッド44が伸長して下端の押圧板45が走行面Xに対して押し付けられ、浮上用部材30と走行面Xとの間につっかいができることから、配膳車を停止状態に保持することができる。
第2ジャッキ41Aの解除ペダル54を踏圧すると、ロックが解除されてロッド44が収縮し、押圧板45が走行面Xの上方に逃げてつっかいが無くなるから、停止位置が解除される。
【0026】
以上説明したように本実施形態によれば、浮上用の第1ジャッキ41の踏圧ペダル48を踏んで固定輪16を浮かせた後、配膳車を側方から押すといった操作により、配膳車を簡単に幅寄せすることができる。
ここで本実施形態では、先端に浮上用部材30を設けたアーム25の基端が本体10の底部の後端側に配され、すなわちアーム25の揺動支点が浮上用の第1ジャッキ41の位置からほぼ最大限に離間した所に配されており、以下その理由について説明する。
【0027】
まず、アーム25についても少なからず重量があるから、配膳車全体の重量等を考慮すると短いに越したことはなく、例えば比較例を示す図13のように、アーム25を短くして、その基端を本体10の長さ方向の中央部付近に軸27で支持することが考えられる。
一方、自在輪15は周知のとおりに、走行面Xとの接触点が縦軸23Aから偏心していることによって、その縦軸23A回りに向きを変えることができるようになっており、例えば配膳車が同図の実線の矢線に示すように、前端側の取手を持って引っ張られて前進走行している場合には、自在輪15F,15Rが後側に回動して走行面Xとの接触点が縦軸23Aよりも後方に位置し、逆に、鎖線の矢線に示すように押されて後退走行している場合には、自在輪15F,15Rが前側に回動して走行面Xとの接触点が縦軸23Aよりも前方に位置する。ここで後自在輪15Rにおける走行面Xとの接触点は、第1ジャッキ41により本体10が持ち上げられる際の支点となるものであって、上記のように、後自在輪15Rの接触点が前後に変化するということは、第1ジャッキ41の位置と、本体10を持ち上げる際の支点との間の距離が変わることを意味する。
【0028】
ここで比較例のように、アーム25が短寸でその基端が本体10の長さ方向の中央部付近に軸支された場合に、後自在輪15Rの走行面Xとの接触点が縦軸23Aよりも後側にある場合と前側にある場合とで、本体10を同寸法だけで持ち上げる際に必要な第1ジャッキ41の踏圧力を比較したところ、実線に示す接触点が後側にある方が前側にある場合に比べて大きな踏圧力が必要であることが判明した。
一方、浮上用部材30と本体10の底板18との間には、本体10を持ち上げることに助勢する圧縮コイルばね38が介装されているが、踏圧力が重いときに合わせて圧縮コイルばね38のばね定数を選定すると、配膳車を後方走行させて自在輪15F,15Rが前側に来たときに、圧縮コイルばね38のばね力が強過ぎて、僅かな振動でも本体10がふわふわする不具合があり、逆に自在輪15F,15Rが前側にある場合にばね定数を合わせると、自在輪15F,15Rが後側にきた場合に随分と踏圧力が重くなってしまう。
【0029】
そこで本発明者らは、アーム25の長さ並びにその基端の軸支位置を変えつつ、第1ジャッキ41の踏圧力を測定したところ、アーム25が長くてその基端の軸支位置が本体10の後端に近づくほど、後自在輪15Rの接触点の位置の変化に拘わらず、本体10を持ち上げる際に必要な第1ジャッキ41の踏圧力に差が出ないことが判明した。
以上の結果に基づき本実施形態では、アーム25の寸法を本体10の長さ寸法に近い長さに取り、その基端を後自在輪15Rを取り付けた取付ブラケット22の位置に軸支するようにした。
こうすることによって、上記のように後自在輪15Rの位置に拘わらず第1ジャッキ41の踏圧力に差がでないから、適切なばね定数を持った圧縮コイルばね38を容易に選定することができる。
また、後自在輪15Rを本体10の底板18に取り付けることに用いる取付ブラケット22に、アーム25の基端を軸支する部材を兼用させたから、部品点数の削減が図られる。
【0030】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)本体を持ち上げることに助勢するばね部材としては、圧縮コイルばねに限らず、板ばね等の他のばねを用いても良い。
(2)本発明は配膳車に限らず、移動用の車輪を備えた運搬車全般に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る配膳車の側面図
【図2】本体の底部構造を示す斜視図
【図3】アームユニットが取り付けられる前の底板の斜視図
【図4】アームユニットの斜視図
【図5】浮上用部材の斜視図
【図6】本体底部が持ち上げられた状態における前方から見た斜視図
【図7】本体底部が元位置に下降している状態の前端側の斜視図
【図8】ジャッキの斜視図
【図9】ロッドの伸長前の一部切欠側面図
【図10】ロッドの伸長後の一部切欠側面図
【図11】通常走行状態における本体底部の側面図
【図12】平行移動状態における本体底部の側面図
【図13】比較例の側面図
【符号の説明】
10…貯蔵室本体
15F,15R…自在輪
16…固定輪
18…底板
19…軸受ブラケット
22…取付ブラケット
23…可動軸受体
23A…縦軸
25…アーム
26…軸受体
27…軸
30…浮上用部材
38…圧縮コイルばね
41…第1ジャッキ
44…ロッド
48…踏圧ペダル
54…解除ペダル
A…リンク機構
X…走行面

Claims (2)

  1. 運搬車本体の底部における進行方向に沿った前後両端には縦軸回りに向きが可変の自在輪が、これらの両自在輪の間の位置には進行方向に沿った方向に向きが固定された固定輪がそれぞれ配された運搬車において、
    前記固定輪並びに前後いずれか一方の前記自在輪は前記本体底部に直接に取り付けられるとともに、この本体底部には、前記自在輪の取り付けられた端部側を基端として反対の端部側に延出したアームが揺動可能に軸支され、このアームの延出端に設けられた浮上用部材に他方の自在輪が取り付けられており、
    前記浮上用部材と前記本体底部との間に、ペダルの踏圧操作によりロッドが上下方向に伸長するジャッキが介設され、かつ前記本体底部を持ち上げる方向のばね力を備えたばね部材が装着されていることを特徴とする運搬車。
  2. 前記一方の自在輪がブラケットを介して前記本体底部に取り付けられ、このブラケットに前記アームの基端が軸支されていることを特徴とする請求項1記載の運搬車。
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