JP3860051B2 - 魚釣用リールの逆転防止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一方向クラッチを組み込んで回転駆動軸の逆転防止機能を持たせた魚釣用リールに係り、特にリール本体に対する一方向クラッチの取付け構造に着目した魚釣用リールの逆転防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
魚釣用リールにおいては、ハンドルに連動して回転する駆動軸筒の逆転防止装置が組み込まれている。この逆転防止装置として魚釣り操作時の逆転遊度を少なくしてフッキング操作の確実性の向上を図るために転がり式の一方向クラッチを採用したものが、実開平7−13161号公報、実開平7−18568号公報、及び実開平6−5467号公報等で提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
実開平7−13161号公報、及び実開平7−18568号公報に開示されている魚釣用リールにおいての一方向クラッチは、リール本体に対しての取付け構造として、一方向クラッチを構成する外輪の外周を断面非円形状に形成すると共に、この外輪を嵌め込むリール本体の支持部内周も同形状の断面非円形状に形成し、支持部内周に外輪を嵌め込むことによりリール本体の支持部に一方向クラッチを回り止め嵌合するようにしている。しかしながら、この回り止め嵌合方式の取付け構造において、異形状に形成した外輪の外周と支持部の内周を駆動軸に対する同心度を確保しながらガタツキ無く固く取り付けることは、一方向クラッチの外輪の外周部分、及びリール本体における支持部の内周の非円形部分をそれぞれ高精度で加工しなければならず、高精度の加工が求められる。しかし、その加工が困難である。また、製品コストが嵩む原因になっていた。また、実際には嵌合部分にはガタが発生し易く、転がり式一方向クラッチのクサビ作用による逆転遊度の少ない逆転防止機能が得られにくかった。
【0004】
リール本体の支持部内に一方向クラッチの外輪を強く圧入して嵌合すると、互いに嵌合する内外周面が断面非円形状であることから異常な変形を招き、しかも、その嵌合部間に加工誤差があると、強く圧入する程、その誤差に追従して大きく偏心する結果、リール本体の支持部に組み付けられる一方向クラッチの中心がずれる傾向があり、駆動軸に対するの同心度が損なわれ易い。これにより駆動軸の回転が重くなったり一方向クラッチのクサビ作用が損なわれてしまう等の問題があった。従来、リール本体は軽量化のために樹脂で形成されることが多いが、この場合にはその嵌合受け部が柔らかいため、逆転防止時の強い負荷、衝撃により嵌合部分に変形や摩耗が生じ、いわゆるガタツキが生まれて、逆転防止装置が早期に機能しなくなる虞があった。この回り止め係合部分の補強のために一方向クラッチの外輪等を大径化すると、リール全体も大型化するので好ましくない。
【0005】
実開平6−5467号公報の魚釣用リールにあっては転がり式一方向クラッチの、リール本体への嵌合精度の向上を図るため、一方向クラッチの外輪外周を断面円形状に形成する一方、該一方向クラッチの外輪の端面に形成した凸部や凹部からなる係止部を、リール本体の突当て端面に形成した係止部受けに係合して外輪の回り止め機能を持たせたものである。この方式では転がり式一方向クラッチのリール本体への芯出し精度の向上は期待できるが、一方向クラッチの円筒状外輪の端面に形成した凸部や凹部からなる係止部分には逆転防止時の強い負荷、衝撃が直接に加わるので、その係合する部分の両者には変形や破損及び摩耗等が起こり易く、早期に遊びが生じて、転がり式一方向クラッチの、いわゆるクサビ作用による逆転遊度の少ない逆転防止機能が得られにくくなる。この場合、特にリール本体を軽量化させるために樹脂で形成されている場合、その係合部分も柔らかくなってその係合部分の変形や摩耗が一層、著しく、逆転防止装置が、かなり早期に機能しなくなる虞がある。また、この回り止め係合部分の補強のために一方向クラッチ部品を大径化すると、リール全体も大型化するので好ましくない。
【0006】
本発明は前記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、リール本体の支持部に対する一方向クラッチの外輪に位置決め取付け部に負担をかけずに別の回り止め部材で一方向クラッチの外輪の回り止めを行い、組み付けの正確度を高め、作業性を向上し、さらに高精度の逆転防止機能を奏するようにした魚釣用リールの逆転防止装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明によると、ハンドルで回転操作される回転駆動軸とリール本体との間に一方向の回転を許容し他方の回転を阻止する転がり式一方向クラッチを設けて前記回転駆動軸の逆転を防止するようにした魚釣用リールの逆転防止装置において、前記転がり式一方向クラッチを構成する転がり部材を挿入保持する環状保持部材に取り付けた別体の切換え用レバーを、前記リール本体に支持した切換え部材の作動部に係合せしめ、該切換え部材を回転操作することによって前記環状保持部材を回転させて、前記転がり式一方向クラッチの動作状態を、楔作用する作動状態と楔作用しない非作動状態とに切換可能とし、前記転がり式一方向クラッチを構成する外輪に、回り止め部材係着用係止部を設け、この係止部に回り止め部材を係着すると共に、前記回り止め部材を前記リール本体に固定し、前記回り止め部材を介して前記一方向クラッチの外輪をリール本体に対して回り止め固定するようにした魚釣用リールの逆転防止装置が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施形態によって本発明の実施形態を説明する。図1乃至図6は本発明の第1実施形態に係る魚釣用スピニングリールを示すものである。
【0011】
図1及び図2で示す如く、魚釣用スピニングリールのリール本体1は上方に延びたロッド取付け脚1aを備えてなり、リール本体1の下部中央には前側に位置して円筒状の支持部1bが形成されている。この支持部1b内には転がり軸受からなる軸受3と、転がり式一方向クラッチ4が同軸的に軸方向に並んで嵌め込まれている。図3で示すように、軸受3の外輪3aと転がり式一方向クラッチ4の外輪4aとはそれらの外周面部3b,4bを支持部1bの内周面に接合させることにより支持部1bに嵌合固定されている。軸受3の外輪3aと内輪3cの間には転がりボール3dが嵌め込まれている。軸受3はメタル軸受や合成樹脂軸受としてもよい。また、後述する如く、軸受3における外輪3aの後端は支持部1bの後端に形成した度当り部1cに当たりこれにより軸受3の後方への抜け止めがなされている。また、軸受3と一方向クラッチ4の前方への抜け止めは後で述べる回り止め部材5によってなされる。
【0012】
支持部1bにはその軸受3と一方向クラッチ4を介在して駆動筒軸(回転駆動軸)6が回転自在に支持されている。この駆動筒軸6の基端部付近における前側部分には一体的に歯部6aと度当り部6bが形成され、度当り部6bには軸受3の内輪3cの端面が度当り当接されている。駆動筒軸6の前端部外周には軸受3の内輪3cの前側に一方向クラッチ4の内輪4cが、例えばスプライン嵌合により軸方向移動可能に回り止め被嵌され、一体的に連結されている。さらに駆動筒軸6の、一方向クラッチ4よりも前端側外周にはロータ7の中心筒部7aが回り止め嵌合されており、中心筒部7aは駆動筒軸6の最前端部に螺合されたナット8で取付け固定されている。そして、駆動筒軸6の度当り部6bとナット8の間で、軸受3の内輪3cと、一方向クラッチ4の内輪4cと、ロータ7の中心筒部7aのボス部分とを軸方向に挟み込み、それらを挟着支持するようにしている。
【0013】
駆動筒軸6の歯部6aには駆動歯車9が噛合されている。駆動歯車9はリール本体1に軸支されたハンドル11によって回転操作されるようになっている。 前記駆動筒軸6の中心孔には、駆動筒軸6から動きが独立したスプール軸12が前後往復動可能に挿入され、このスプール軸12の先端部には巻取り用スプール13が取り付けられている。巻取り用スプール13はドラグ機構14を介してスプール軸12に連結されている。巻取り用スプール13は通常、ドラグ機構14の摩擦力でスプール軸12に摩擦結合されて回転しないが、スプール13に所定以上の巻取り負荷が加わると、スプール13が空転するようになっている。
【0014】
スプール軸12の後端部にはそのスプール軸12を前後に移動させる往復動装置部15が連結されている。この往復動装置15は釣糸巻取り時において前述した駆動歯車9に連設した小歯車9aの回転を受けて連動し、スプール軸12をスプール13と共に前後に往復動させて、釣糸巻取り時においての、いわゆるオシレーティング動作を行わせるようになっている。なお、リール本体1の後部はキャップ16によって覆われている。
【0015】
前記ロータ7には一対のベール支持腕7b,7cが設けられており、一方のベール支持腕7bの先端部にはベール支持部材17が設けられ、他方のベール支持腕7cにはもう1つのベール支持部材18が設けられている。ベール支持部材17,18にはベール19が架設されている。そして、ベール支持部材17,18はベール19と一体的に回動し、ベール19を釣糸巻取位置と釣糸放出位置のいずれかに反転自在に軸承されている。一方のベール支持部材17には釣糸案内用ローラ21を回転自在に保持するローラ取付け部22が支持されている。
【0016】
次に、転がり式一方向クラッチ4の構造について具体的に説明する。この一方向クラッチ4は外輪4aと、内輪4cと、この内輪4cの外周に載せられた複数個の棒状の転がり部材4dと、この転がり部材4dを保持する環状保持部材(保持器)4eと、図示しない発条とによって構成されている。環状保持部材4eは複数個の貫通孔(図示せず)を有し、これらの貫通孔内に前記転がり部材4dを挿入保持する。発条は転がり部材4dを係合方向へ押圧付勢するものである。また、図5で示すように外輪4aの内周面には棒状転がり部材4dの自由回転域αと棒状の転がり部材4dが当接されて回転が阻止される阻止面βが構成されている。環状保持部材4eは棒状転がり部材4dを自由回転域αに位置させて正逆回転許容状態と、棒状転がり部材4dを阻止面βの領域に位置させて逆回転防止状態とを切り換えるものであり、環状保持部材4eには切換え用レバー4fが設けられている。
【0017】
このレバー4fは外輪4aに切り欠いて形成した透孔4hを通じて外輪4aの外側へ突き出し、さらに支持部1bの上外側部分まで突き出している。レバー4fの突出し端部には長孔からなる係合部4iが形成されている。このレバー4fの係合部4iには回動する円板状の切換え部材25に固定されたピンからなる作動部26が嵌め込み係合されている。切換え部材25はデットポイントを作り出すトグルバネを連結するなどにより2つの切換え位置の一方を択一的に選択するようになっている。また、切換え部材25の位置を選択する操作は前記リール本体1の背面部に取り付けられた操作ノブ27により回動操作される操作杆28を介して切換え部材25を回転して行われ、前記一方向クラッチ4の動作状態を、逆転防止位置か正逆回転許容位置かに切り換えるようになっている。
【0018】
次に、リール本体1の支持部1bに転がり式一方向クラッチ4を取り付ける構造について具体的に説明する。
リール本体1の筒状の支持部1bには、その外側端に位置して前記転がり式一方向クラッチ4を嵌め込む第1の嵌合孔31が形成され、その奥側には前記軸受3を嵌め込む第2の嵌合孔32が形成されている。第1の嵌合孔31と第2の嵌合孔32は同軸的で軸方向に並んで形成されると共に、第1の嵌合孔31の径は第2の嵌合孔32の径より大きく形成されている。
【0019】
第1の嵌合孔31内に嵌め込まれる一方向クラッチ4の外輪4aは金属製であって、後端(奥端)につば部を形成した筒状に形成され、前端(外端)が円形に開口している。一方向クラッチ4の外輪4aはそのつば部を軸受3の外輪3aに突き当て接合させて第1の嵌合孔31内に嵌め込まれている。
【0020】
一方向クラッチ4の外輪4aの外周は非円形に形成されている。例えば、図5で示すように、外輪4aの外周面は歯状部が丸みのある鋸歯状に形成され、かつ、そのピッチ及び山と谷の寸法が均一に形成されている。また、外輪4aの外周が非円形であっても、そのピッチ毎の形状は外輪4aの軸を中心とする点対称的に同じ形で形成されている。
【0021】
一方、この外輪4aの外周面部を嵌め込む第1の嵌合孔31の内周も非円形に形成されている。この第1の嵌合孔31の内周面は前記一方向クラッチ4の外輪4aの外周面に合わせて丸みのある逆鋸歯状に形成され、かつそのピッチ及び山と谷の寸法も均一に形成されている。しかし、そのピッチは一方向クラッチ4の外輪4aのピッチの倍である。そして、第1の嵌合孔31の内周面の谷部に一方向クラッチ4の外輪4aの山部を合わせて比較的密に両者をかみ合わせて図4で示す如く非回転状態に嵌合させてある。
【0022】
また、一方向クラッチ4の外輪4aの前端における開口部内には回り止め部材5のリング部5aが嵌め込まれている。回り止め部材5は図5(b)で示すように、そのリング部5aから、支持部1bの前端面に達する長さの複数の取付け片5bを外方に向けて突き出し形成したものである。ここでの回り止め部材5は対称的に配置した2つの取付け片5bを備える。各取付け片5bの先端部には取付け孔5cが形成されている。回り止め部材5は例えば金属製板部材を打ち抜いて板状に作られている。
【0023】
一方向クラッチ4の外輪4aの開口端縁にはその回り止め部材5の取付け片5bにそれぞれ対応してその取付け片5bを嵌め込み係合する複数の係止溝4gが形成されている。係止溝4gは取付け片5bの幅に合わせて形成され、取付け片5bを密に嵌め込み係合させるようになっている。ここでの係止溝4gは回り止め部材5の取付け片5bを係着する係合部を構成している。
【0024】
一方向クラッチ4の外輪4aの外周縁部の軸方向外方よりその前端開口部内に回り止め部材5のリング部5aを嵌め込むと共に、取付け片5bを係止溝4gに嵌め込み、取付け片5bの先端部を支持部1bの前端面に接合する。そして、取付け孔5cに固定ねじ29を通し、この固定ねじ29を支持部1bの部分にねじ込み、固定ねじ29の頭部で取付け片5bを押さえて支持部1bに回り止め部材5を取着固定することにより一方向クラッチ4の抜け止めと、外輪4aの回り止めの両方を確実に行うようになっている。支持部1bの前端部分には図6で示す如く、取付け片5bの先端部を当接する2つの受部30が形成されている。受部30は取付け片5bの先端部を密に嵌め込む係合用溝でもよいが、ここでは回り止め部材5が逆転防止時に一方向クラッチ4の外輪4aから受ける回転力の向き側に位置して回り止め用突起30aを突設し、取付け片5bの先端部を受け止めるようになっている。
【0025】
そして、支持部1bに取着固定された回り止め部材5により一方向クラッチ4の外輪4aの回り止めが確実になされる。また、第1の嵌合孔31からの一方向クラッチ4の外輪4aの抜け止めがなされ、支持部1bの第1の嵌合孔31内に嵌め込まれる一方向クラッチ4の外輪4aの嵌合力が小さくても外れることがない。
【0026】
次に、転がり式の一方向クラッチ4の一般的な動作は次の通りである。操作ノブ27により操作杆28と切換え部材25が回動操作されて作動部26が、図4の実線で示される位置に回動されると、環状保持部材4eのレバー4fが、時計方向に回動されて棒状転がり部材4dが自由回転域αに位置してクサビ作用しない非作動状態となるので、駆動筒軸6とロータ7との正回転及び逆回転が可能になる。
【0027】
また、操作ノブ27と操作杆28と切換え部材25が回動操作されて作動部26が図4の2点鎖線で示される位置に回動されると、環状保持部材4eのレバー4fが反時計方向に回動されて棒状転がり部材4dが回転が阻止される阻止面βに位置してクサビ作用する作動状態となる。そこで、駆動筒軸6とロータ7の正回転では発条に抗して棒状転がり部材4dが時計方向に移動可能であるから正回転が可能であるが、逆回転で棒状転がり部材4dが阻止面βに当接してクサビ作用で逆回転が不可能になる。
【0028】
前記魚釣用スピニングリールの動作は、操作ノブ27と操作杆28と切換え部材25と環状保持部材4eが回動操作されて図4で実線の状態、つまり棒状転がり部材4dが自由回転域αでクサビ作用しない非作動状態になる。釣糸がスプール13に巻回される方向にハンドル11が回転されると、駆動歯車9が回転されて駆動筒軸6とロータ7が正回転される。さらに、小歯車9aを介して往復動装置部15が操作され、スプール軸12とスプール13が前後に往復動される。
【0029】
釣糸がスプール13に巻回される時は一方のベール支持部材17に設けられた釣糸案内部のローラ21で案内されて釣糸が前後に往復動されるスプール13に平行に巻回される。
【0030】
ロータ7の逆回転が防止される時は、操作ノブ27と操作杆28と切換部材25と環状保持部材4eが回動操作されて図3で2点鎖線の棒状転がり部材4dが当接されて回転が阻止される阻止面βに位置してクサビ作用する作動状態に切り換えられる。獲物の引きで釣糸が繰り出されてロータ7が反時計方向に逆回転されると、駆動筒軸6とロータ7が逆回転させられるようになるが、棒状転がり部材4dが当接されて回転が阻止される阻止面βに位置しているので、クサビ作用で、その逆回転が阻止される。
【0031】
前記転がり式一方向クラッチ4の転がり部材4dを保持する環状保持部材4eを回転可能に支持して環状保持部材4eに設けたレバー4fにリール本体1に支持した切換え部材25の作動部26を係合せしめて、転がり式一方向クラッチ4をクサビ作用する作動状態とクサビ作用しない非作動状態に切換可能としたので、棒状転がり部材4dのクサビ作用による逆転時の遊度がさらに少なくなることから極めて敏速にロータ7の逆回転が停止される。
【0032】
図7及び図8は本発明の第2実施形態に係る魚釣用スピニングリールを示すものである。
この実施形態は前記軸受3及び一方向クラッチ4の他に第2の軸受35を設け、一方向クラッチ4の前後に第1の軸受3と第2の軸受35を配置し、この両軸受3,35により駆動筒軸6を支持する。さらに第2の軸受35は支持部1bとは別部材のリング状の保持部材36内に嵌め込まれて保持固定されている。この保持部材36は支持部1bと内径と外径が略同一の筒状部材からなり、これの周部の一部に形成した突周部38に形成した複数の孔39内に固定ねじ41をそれぞれ差し込むと共に、この固定ねじ41を前記支持部1bの前端壁にねじ込み固定することにより保持部材36は支持部1bに固定される。40は度当り部6bと歯部6aの端の間に介在させるリングである。
【0033】
そして、この実施形態では支持部1bの前端壁に取着される、回り止め部材5の取付け片5bを、この保持部材36で押さえ付けて固定するようにしたものである。回り止め部材5の取付け片5bが位置決めされる支持部1bの前端壁にはその各取付け片5bが密に入り込む溝状の凹部37が形成されている。凹部37に各取付け片5bを嵌め込み、その上から保持部材36の突周部38を凹部37内に重ねて嵌め込んで取付け片5bに当て支持部1bと保持部材36の間に取付け片5bを挟み込んで取着固定する。また、前記第1実施形態と同様、取付け片5bの取付け孔5cに固定ねじ41を挿通させてある。しかし、取付け片5bの位置から離れた個所に固定ねじ41を挿通して凹部37内に取付け片5bを位置させて支持部1bの前端壁と保持部材36の間で挟み込むことによりその取付け片5bを固定するようにしてもよいものである。この場合にあっては取付け片5bを嵌め込んで位置させる別の溝状の係止用凹部を支持部1b及び保持部材36またはその一方に形成する。通常は支持部1bの方にのみ係止用凹部を設けるのがよい。
【0034】
また、保持部材36には支持部1bに設けた係止孔42に嵌まり込む突起43を設け、支持部1bに保持部材36を重ね合わせたとき、係止孔42に突起43を嵌め込み係合させるようになっている。
【0035】
この実施形態では回り止め部材5の取付け片5bを、支持部1bの前端壁と保持部材36の間で挟み込んで固定するために、回り止め部材5を確実に固定することができる。また、一方向クラッチ4の前後に第1の軸受3と第2の軸受35を配置する2軸受構造のものであるが、この形式の場合であっても他の組付け部材の邪魔にもならず、コンパクトな回り止め部材固定構造とすることができる。
【0036】
一方向クラッチ4の前後に第1の軸受3と第2の軸受35を配置する2軸受構造であるから、転がり式の一方向クラッチ4に実釣時の巻取り時又は逆転時にロータ7を介して駆動筒軸6に作用する不規則なこじる力が軽減され、駆動筒軸6の支持及び取付け精度が安定向上すると共に耐久性が改善され、転がり式の一方向クラッチ4のクサビ作用による高精度の逆転防止機能を安定して維持発揮出来る。
【0037】
図9乃至図11は本発明の第3実施形態に係る魚釣用スピニングリールを示すものである。
この実施形態は前記第3実施形態と同様、軸受3及び一方向クラッチ4の他に第2の軸受35を設ける構造のものであるが、小径な支持部1bのものであり、このため、回り止め部材5の取付け片5bには固定ねじを貫通する孔を形成せずに図11で示すように取付け片5bを短い突片とし、第2の軸受35を保持する保持部材36の端面と支持部1bの端面の間で取付け片5bを挟み込んで固定するようにしたものである。この場合にも支持部1bの端面にはその取付け片5bを密に嵌め込む溝状の凹部37が形成されている。
【0038】
この実施形態でも回り止め部材5の取付け片5bを、支持部1bの前端壁と保持部材36の間で挟み込んで固定するために、回り止め部材5を確実に固定することができる。また、一方向クラッチ4の前後に第1の軸受3と第2の軸受35を配置する2軸受構造において、他の組付け部材の邪魔にもならず、コンパクトな固定構造とすることができる。
【0039】
なお、前述した各実施形態ではリール本体1の支持部1bの内周とこれに嵌め込む一方向クラッチ4の外輪4aのそれぞれを断面非円形状に形成して回転方向に比較的緩く嵌合するように構成したが、それぞれを断面円形状に形成して、回転可能な状態に嵌合し、回り止め部材5のみで、外輪4aの回り止めを行うようにしてもよい。また、前述した各実施形態では、スピニングリールに適用した例であるが、両軸リール等の他の形式のリールにも適用することができるものである。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、リール本体の支持部に保持する一方向クラッチの外輪の回り止めを別の回り止め部材で行うようにしたので、一方向クラッチの外輪の位置決めを容易に行うことができると共に、一方向クラッチの組付け状態が安定する。また、リール本体の支持部の嵌合部内に一方向クラッチの外輪を嵌め込む場合、強力に押し込んで嵌合させる必要性があまりなく、その組み付けが簡単であり、組立て作業性が向上すると共に、リール本体の支持部に対する一方向クラッチの外輪を強力に押し込んで嵌め込む必要性があまりないことから強力に押し込んで嵌め込む場合に生じやすい異常な変形現象、つまり嵌合部間の誤差が軸心のずれとして発現することを極力避けることができる。従って、高精度の加工が要求されず、回転駆動軸に対する同心度が損なわれず、転がり式一方向クラッチのクサビ作用による逆転遊度の少ない逆転防止機能が得られる。
【0041】
また、一方向クラッチの外輪に加わる逆転時の強い負荷や衝撃力が、回り止め部材を介して一方向クラッチの外輪以外の部分に分散されるので、外輪の取付け部位に対する直接の負荷や衝撃力が緩和され、外輪の取付け部分の変形や摩耗が防止される。従って、保持器を回動させて転がり式一方向クラッチの切換え動作の安定化、及びガタツキのない高精度の逆転防止機能を常時、長期に維持できる。
さらに、リール本体の支持部や一方向クラッチの外輪等に比較的強度の弱い樹脂等の材料を用いることも可能となり、部品製作が安価になると共に、リール全体の軽量化も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る魚釣用スピニングリールの左側面図。
【図2】図1中、A−A線に沿う縦断面図。
【図3】前記魚釣用スピニングリールの要部を縦断して左側から見た拡大断面図。
【図4】図3中B−B線に沿って見た転がり式一方向クラッチの取付け部分の正面図。
【図5】(a)は前記魚釣用スピニングリールの転がり式一方向クラッチの部分を拡大して示す正面図、(b)は回り止め部材の正面図。
【図6】前記魚釣用スピニングリールの分解斜視図。
【図7】第2実施形態に係る魚釣用スピニングリールの要部を縦断して左側から見た拡大断面図。
【図8】前記魚釣用スピニングリールの分解斜視図。
【図9】第3実施形態に係る魚釣用スピニングリールの要部を縦断して左側から見た拡大断面図。
【図10】図9中C−C線に沿って見た転がり式一方向クラッチの取付け部分の正面図。
【図11】(a)は前記魚釣用スピニングリールの転がり式一方向クラッチの部分を拡大して示す正面図、(b)は回り止め部材の正面図。
【符号の説明】
1…リール本体、1b…支持部、3…軸受、4…転がり式一方向クラッチ、
4a…外輪、4c…内輪、4d…転がり部材、4e…環状保持部材、4f…切換え用レバー、4g…係止溝、5…回り止め部材、5b…取付け片、6…駆動筒軸、7…ロータ、11…ハンドル、25…切換え部材、26…作動部。

Claims (1)

  1. ハンドルで回転操作される回転駆動軸とリール本体との間に一方向の回転を許容し他方の回転を阻止する転がり式一方向クラッチを設けて前記回転駆動軸の逆転を防止するようにした魚釣用リールの逆転防止装置において、前記転がり式一方向クラッチを構成する転がり部材を挿入保持する環状保持部材に取り付けた別体の切換え用レバーを、前記リール本体に支持した切換え部材の作動部に係合せしめ、該切換え部材を回転操作することによって前記環状保持部材を回転させて、前記転がり式一方向クラッチの動作状態を、楔作用する作動状態と楔作用しない非作動状態とに切換可能とし、前記転がり式一方向クラッチを構成する外輪に、回り止め部材係着用係止部を設け、この係止部に回り止め部材を係着すると共に、前記回り止め部材を前記リール本体に固定し、前記回り止め部材を介して前記一方向クラッチの外輪をリール本体に対して回り止め固定するようにしたことを特徴とする魚釣用リールの逆転防止装置。
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