JP3859134B2 - 画像データ処理装置,画像処理装置,カラー画像形成装置およびパターンマッチング方法 - Google Patents

画像データ処理装置,画像処理装置,カラー画像形成装置およびパターンマッチング方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、2次元のそれぞれに複数の画素が分布する画素マトリクスの画素情報データ群が、所定の画像パターンを表すものすなわち参照パターンに合致するかを判定する画像データ処理装置ならびにそれを用いる画像処理装置,カラー画像形成装置およびパターンマッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像データ処理においては、色々な処理段階でパターンマッチングが行われることが多い。例えば、RGB画像デ−タを記録用YMCK画像デ−タに変換してプリンタに出力し、プリンタにて用紙上にプリントする場合、文字,線画などの2値画像は、2値化して鮮明に記録するのが好ましいが、写真などの中間調画像は、2値化又は低段数の多値化にてドット記録有無又はドット階調を定め、所定サイズ内に何個の記録ドットを分散配置するかにより、面積階調(中間調)を表わす階調処理(代表的なものにデイザ処理がある)によって滑らかな濃度変化を表わすのが好ましい。一枚の原稿画像の中に、文字,線画などの2値画像と、写真,絵などのビットマップ画像(中間調画像)が混在することもある。そこで、RGB画像デ−タに基づいて、それが2値画像領域(以下単に文字領域と称す)のものか、中間調領域(以下単に写真領域と称す)のものかを、自動判定する像域分離処理を用いて、階調処理段階で、判定結果に従って自動的に画像デ−タの処理を、文字領域用処理と写真領域用処理との間で切換えることが行なわれている。
【0003】
従来のハードウェアを用いたパターンマッチングでは、マッチング対象となる画素を同時に取得して比較するために、画像展開用のワークメモリを必要とする。複写機等の画像機器では通常、画像はラスタースキャンされるので、入力される画像はラスター単位になるため、ワークメモリとしてはラインバッファとなる。よって、例えば3×3画素マトリクスサイズのパターンマッチングでは、3ラインメモリが必要になる。マッチングはマトリクスサイズの判定ウィンドウなるものを作成して、ウィンドウ単位に行う。
【0004】
概念的には3個のラインバッファメモリより、中央ラインの各画素を順次に注目画素として、注目画素を中心とする3×3画素マトリクスを特定し、各画素マトリクスに関して、それに含まれる各画素の画像データが参照パターンの対応位置の画像データと合致するかを判定する。このようなパターン比較すなわちマッチングの方法には、大略2通りがある。1つは高速に判定結果を出すために、判定結果を出す回路を並列に配置する方法であり、もう1つは回路規模を大きくしないように、1つの判定結果を出す回路を何度も使う方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、両者には問題がある。前者は高速に判定結果を求めることができるが、マッチングパターンの数だけ回路が必要となるため、マッチングパターンが多い場合には回路が大きくなり、複雑になると言う問題がある。一方、後者は回路規模を小さくすることができるが、判定を逐次行うために処理時間が遅くなってしまう。また、前者でも、1ラインに関しては、その各画素を順次に注目画素として、注目画素を中心とする画素マトリクスが参照パターンに合致するかの判定処理を時系列で順次に行うので、1ラインの処理時間が長く、その短縮が望まれる。
【0006】
特開2000−175043号公報には、M行N列の画素マトリクスの画像データの各列を、N個の列レジスタ113のそれぞれにラッチし、マルチプレクサ114でN個の列レジスタ113のラッチ出力(M×N)の全てを1列に並べて、判定部115で、1列の参照データと1ビット同士で位置対応で比較して、該画素マトリクスが参照パターンと合致するか否かの判定結果を得る画像処理方法が開示されている。また、1組のマトリクスレジスタ713に隣り合う奇数番画素と偶数番画素のそれぞれを注目画素とする2つの5×5画素マトリクス分の画像データをラッチすることにより、画像データの重複格納を省略して、2つの判定部で並行して同時に判定をする態様(図7)も開示されている。しかしながら、この方法では、高速にパターンマッチングが可能となるが、マトリクス画像データのラッチなどの多くのハードウェア回路が必要となりマッチングパターンが大きい場合には回路規模が大きくなったり、タイミング制御が複雑になるため装置のコストアップにつながった。また、マッチングパターンのサイズが固定のため、対応できる処理が限定されたりする問題が生じた。
【0007】
特開平9−114967号公報および特開平9−231356号公報は、複数組の演算ユニットを有する並列処理型DSPを用いて、2次元分布の画像データの各列が、参照2次元データの各列と一致するかの一致度を、各演算ユニットで分担演算させる画像処理方法を提示している。これらの方法では、回路規模も小さく、色々なサイズのパターンマッチングにも柔軟に対応可能になる。しかしながらこれらにおいては、2次元マトリクスデータの配列をプロセッサの演算ユニットで処理ができるように、プロセッサ自身でデータの並べ替えを行う必要があり、そのために結局パターンマッチング処理に時間がかかるという問題が生じる。また、演算ユニットの1ユニットで処理ができるのは2値データの1ビットのみであり、もともと複数ビットの多値画像データで意味をなす複写機などの画像データの場合、その数に相当する複数の演算ユニットを使用する必要があり、プロセッサのプログラム制御が複雑になり、処理時間の増大につながる場合があるという問題が生じた。
【0008】
さらに、画像処理で扱われる多値階調の画像データは、色々な階調を持つ可能性があり(例えば、256階調,128階調,64階調など)、1ビット2値化データしか処理できないプロセッサには、それらの階調の情報を残したまま2値化したり、2値化の閾値を色々と変えて2値化など、さまざまな階調の画像データのパターンマッチングを柔軟に行うことは困難であった。
【0009】
ところで、像域分離信号が表す領域が細かく変動(遷移)するのを防止するために、安定して連続するように像域判定を補正もしくは平滑化する場合、先行画素の像域判定を後行の注目画素の像域判定に参照するために、画像処理プロセッサで先行画素の像域判定を保持して、注目画素を含む判定対象マトリクスの画像データに組み合わせて、該組み合わせ対応の判定結果をLUT(Look Up Table)に与えて、該LUTから判定結果データを読出す。しかし、これは画像処理プロセッサの画像処理速度を下げる。この処理速度低下を回避するのが望ましい。
【0010】
更には、CCDで読み取り、A/D変換でデジタルデータに変換した画像データには、シェーディング補正を施すが、この補正に用いる校正用のデータを設定するために、スキャナにおいて基準白板を1ライン分読み、読み込んだ1ライン分の画像データの最大値および最小値を検出し、しかも照明(読取り光)がない1ライン分の読取りを行ってその最大値および最小値を検出して、基準白板を読んだ1ライン分の画像データと上述の検出した各最大値および各最小値に基づいて、1ライン上各画素宛の校正係数(主走査方向の読み取り歪を矯正する係数)を算出してシェーディング補正メモリに書き込む。原稿のスキャンのときには、読取り画像データに、1ライン上同一画素位置対応でシェーディング補正メモリから校正係数を読出して、読取り画像データに乗算する。これら最大値および最小値の検出は、CCD読取りデータを処理する画像処理プロセッサが他の処理を行う処理速度を下げる。同一ライン上の全区間又は分割区間内の画像データの最大値および最小値の検出は、上記したシエーディング補正用データ設定とは別の画像処理でも必要な場合がある。このような最大値および最小値の検出による画像処理プロセッサの処理速度低下を回避するのが望ましい。
【0011】
本発明は、画像処理に用いられる様々な2次元マトリクス形式の画像データに対応したパターンマッチングを少ない規模の回路で柔軟に高速に行えるようにすることと、それによって良く用いられる像域分離を高速化しかつ像域判定の安定性を高めることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1)複数ラインの多値画像データを蓄積でき、蓄積した画像データを画素単位で出力できるバッファメモリ(BM)
複数ビット幅のデータを処理できるプロセッサエレメント(PE)の複数を含み複数のプロセッサエレメントで同時に並行してデータ処理ができるデータ処理器(PEG)
パターンマッチングの閾値および参照データと、メモリ指定情報および制御モード情報を含む設定情報、ならびに、指定メモリの指定領域情報を含む管理情報を格納する制御情報メモリ(CM);および、
前記バッファメモリのメモリを指定しその読み書きを制御するメモコン,該メモコンが指定するメモリを該メモコンに接続するメモリスイッチ、および、前記制御情報メモリから閾値および参照データならびに設定情報および管理情報を読出して前記データ処理器ならびにメモコンに与えるグローバルプロセッサ(38)を含み、該設定情報および管理情報にしたがってメモコンがメモリスイッチを用いて、データ処理器への各画素マトリクスの画像データ群の入力に適した形になるようにバッファメモリのメモリとデータ処理器を接続してデータ処理器にパターンマッチング対象の画像データを読出すバッファコントローラ(BC);を備え、
前記データ処理器(PEG)の各プロセッサエレメント(PE)は、前記閾値,参照データ,パターンマッチング対象の画像データ,対象データおよび判定結果、を格納できる内部メモリを含み、前記バッファメモリが出力した画像データの中の、自己に宛てられた注目画素を含み該注目画素を中心とする画素マトリクスの画像データ群を前記内部メモリに格納して前記閾値を用いて2値化して該プロセッサエレメントが処理可能な1次元シリアル配列のビット幅に区切った対象データに変換して前記内部メモリに格納し該対象データが前記参照データと合致するかを判定して判定結果を前記内部メモリに格納する;
画像データ処理装置。
【0013】
なお、理解を容易にするために括弧内には、図面に示し後述する実施例の対応要素,相当要素もしくは対応事項の記号を、参考までに付記した。以下も同様である。
【0014】
これによれば、データ処理器(PEG)の各プロセッサエレメント(PE)の演算機能を用いて同時に並行して複数の画素マトリクスのパターンマッチングをすることができ、色々なサイズの2次元マトリクスに対応するパターンマッチングができる。また、高速なパターンマッチングが可能となる。
【0015】
画像データがプロセッサエレメント(PE)で処理できるビット幅の多値階調データであれば、画像データをそのままデータ処理器(PEG)に与えてプロセッサエレメント(PE)で2値化してパターンマッチングができるので、色々なビット構成の画像データ(例えば256階調,128階調,64階調などの画像データ)に柔軟に対応するパターンマッチングが可能である。しかも、データ処理器(PEG)の外の回路規模は小さくて済む。
【0016】
プロセッサエレメント(PE)での2値化により、例えば8ビット構成の画像データが1ビットに圧縮され、後述の実施例では、c=d=3、3×3画素マトリクスの9個の画像データ(総計9×8ビット)がe=2バイト(2×8ビット)の対象データ(T1k,T2k)に圧縮されるので、比較処理のデータ量が小さくなる。参照データ(R1i,R2i)も同様に小さいデータ量であり、制御情報メモリも小さくて済む。すなわち、参照データおよび対象データが共に、画素マトリクスの画像データ群を各画像データを1ビットで表しそれを1次元シリアル配列のプロセッサエレメント(PE)で処理できるビット幅に区切ったデータであるので、それらを格納する記憶手段も小さくて済む。
【0017】
バッファコントローラ(BM)が、制御情報メモリ(CM)から、直接に参照データおよび閾値を読出してデータ処理器(PEG)に与えることができ、バッファコントローラ(BM)が、パターンマッチングのための参照データおよび閾値の設定を簡易かつ高速でおこなうことができる。
【0018】
データ処理器(PEG)への各c×d画素マトリクスの画像データ群の入力に適した形になるように、バッファメモリ(BM)とデータ処理器(PEG)の接続を、プロセッサ(38)が記憶手段(CM)から管理情報を読出してメモコンに与え、メモコンがメモリスイッチを用いて管理情報に対応した、バッファメモリ(BM)内メモリを該メモコンに接続する態様で行い、該メモリの画像データを読出してデータ処理器(PEG)に与える。記憶手段(CM)に書込む管理情報でバッファメモリ(BM)からデータ処理器(PEG)へのデータ転送の制御を定めるので、多様な画素マトリクスサイズの画像データ転送が可能である。また、少ないバッファメモリ(BM)で多様なデータ転送が可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
)前記閾値(Th1)は複数(Th11,Th12,Th13)であり、前記バッファコントローラ(BC)がその中の1つを前記データ処理器(PEG)に読出す、上記()の画像データ処理装置。
【0020】
画素マトリクスの多値階調データ群を2値化する閾値を色々に変えることにより、2値データ群が表す画像パターンが色々に変わる。本実施態様では、バッファコントローラ(BC)によって、多値階調データの濃淡傾向などの特徴に合う閾値を選択させることにより、画像パターンを適正に表す2値化を行うことができる。さまざまな階調の画像データのパターンマッチングを柔軟に行うことが可能になる。
【0021】
)前記バッファコントローラ(BC)は、前記バッファメモリ(BM)に対して前記画像データを読み書きするとき画像データのピーク値を検出し、検出値に対応する閾値を前記データ処理器(PEG)に読出す、上記()の画像データ処理装置。
【0022】
後述の実施例では、バッファコントローラ(BC)を構成するメモコンが、パターンマッチング対象の画像データをライン単位でバッファメモリ(BM)に蓄積するときに、画像データのピーク値を検出して、該ピーク値を濃度閾値Dth1,Dth2と比較して、ピーク値がDth1以下の低濃度か、Dth1以上Dth2未満の標準濃度か、あるいはDth2以上の高濃度かを判別して、目下のパターンマッチングに宛てられている閾値群(Th11,Th12,Th13;Th11<Th12<Th13)の中から、ピーク値が低濃度であるとTh11を、標準濃度であるとTh12を、高濃度であるとTh13を選択してこれをデータ処理器(PEG)に与える。なお、閾値群(Th11,Th12,Th13)の値は、多値階調データのビット幅(12ビット,10ビット,8ビット,6ビット等)に対応して、設計上定められているものである。大略で言うと、閾値群(Th11,Th12,Th13)の値は、閾値中央値を表わすTh12が、パターンマッチングの対象とする多値階調データが表し得る最大値の略1/2の値に定められる。
【0023】
本実施態様によれば、画像データの濃/淡傾向にしたがって閾値(Th1)が高濃度用/低濃度用に選択され、画像の濃淡にもかかわらず、対象画素マトリクスの画像データ群が適正なパターンを表す2値データ群に2値化され、パターンマッチング精度が向上する。
【0024】
3a)前記制御情報メモリ(CM)は、バッファコントローラ(BC)の動作を記述したプログラムを格納するプログラムメモリ(36)を含む、上記(1)乃至()のいずれかの画像データ処理装置。
【0025】
データ処理制御プログラム中に、あるいはそれと並列に制御データ(設定情報,管理情報)があるので、余分なメモリを必要としなくなり、かつ、データ処理制御プログラムの進行に伴うバッファ制御データの読出しとバッファメモリ(BM)の設定が簡単になる。
【0026】
3b)前記バッファコントローラ(BC)は、バッファメモリ(BM)の制御データ(設定情報,管理情報)に含まれる、バッファメモリ上での開始アドレス、バッファメモリ上での終了アドレス、バッファメモリをラインバッファとして使用するかそれともLUTとして使用するか等の使用態様(使用モード)に関する情報を元に、バッファメモリ(BM)の制御を行う、上記(3a)の画像データ処理装置。
【0027】
バッファコントローラ(BC)としては、バッファメモリ上での開始アドレス、バッファメモリ上での終了アドレス、バッファメモリをラインバッファとして使用するかそれともLUTとして使用するか等の使用態様に関する情報をバッファメモリ(BM)の各メモリ毎に持ち、該情報によってバッファメモリ(BM)を管理する。メモリを区分して使用する際には、使用する領域が重複してはいけない。本実施態様のように明示的に開始アドレスと終了アドレス、使用態様で管理を行えば、このような問題なく、メモリの区分使用が可能になる。
【0028】
3c)前記制御モード情報が「ライン分割ブロック転送」(CM4/CM5)のとき前記グローバルプロセッサ(38)は、前記メモコンに与える、メモリアクセスの開始アドレスおよび終了アドレスを、順次に1画素分変更する、上記(1)の画像データ処理装置。これにより、例えば同一ライン上の各画素(注目画素)を中心とする各c×d画素マトリクスの画像データ群の1行(c画素)の画像データを順次にデータ処理器(PEG)の各プロセッサエレメント(PE)に入力できる。
【0029】
3d)前記プロセッサ(38)は、複数dのメモコンに順次に同一のメモリアクセスの開始アドレスおよび終了アドレスを与え、データ処理器(PEG)が各メモコンから開始アドレスから終了アドレスまでの画像データを受けた後に、開始アドレスおよび終了アドレスを1画素分変更する、上記(3c)の画像データ処理装置。これにより、各c×d画素マトリクスの画像データ群をデータ処理器(PEG)の各プロセッサエレメント(PE)に入力できる。
【0030】
3e)前記制御モード情報が「奇数/偶数集成」(CM6)のとき前記メモコンは、与えられる並行2連のデータから交互に画像データを読出して1連で出力する上記(乃至(3d)のいずれかの画像データ処理装置。
【0031】
これによれば、奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列とを、奇数番列と偶数番列の画像データを交互に摘出して1連にした1ライン出力をすることが出来、また、異色の画像データを交互に摘出して1連にした2色1連の出力をすることができ、或は、画像データと像域分離データ(Fd)を交互に摘出して1連にして出力できる。
【0032】
3f)前記制御モード情報が「奇数/偶数分離」(CM7)のとき前記メモコンは、与えられる1連のデータを、先頭から順番に交互に2連に振り分けて出力する上記(乃至(3d)のいずれかの画像データ処理装置。
【0033】
これによれば、1ラインの画像データを奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連で出力をすることが出来、また、異色の画像データを交互に並べて1連にした2色1連の画像データを、各色1連として2連で出力をすることができ、或は、画像データと像域データ(Fd)を交互に並べた1連のデータを、画像データと像域データ(Fd)に分離して2連で出力できる。
【0034】
)前記データ処理器(PEG)は、それぞれが画像データを転送しうる複数組のバス(第1,第2バス)を含む同時に複数の画像データを並行して転送しうる入出力バス(図7の33内)に接続され;
前記バッファコントローラ(BC)は更に、前記プロセッサ(38)の指定に応じて各メモコンを各組のバスに接続する選択手段(Ds20,Ds21:図7)を含む;上記()の画像データ処理装置。
【0035】
これによれば、バッファメモリ(BM)の複数のメモリから複数のメモコンを介して同時に並行して複数の画像データをデータ処理器(PEG)に入力することが出来、バッファメモリからデータ処理器(PEG)に画像データを速く転送できる。
【0036】
)各プロセッサエレメント(PE)の各メモリ(RAM)は、複数組の画像データ群を格納し得る容量を有し;前記バッファコントローラ(BC)は、前記合否判定に使用するプロセッサエレメントの数Aの整数m倍の数A・mの画素のそれぞれを注目画素としそれを中央にするc×d画素マトリクスのパターンマッチング対象の画像データをデータ処理器(PEG)に与えて、各プロセッサエレメントがm組のc×d画素マトリクスの画像データ群の各組が参照データと合致するかを判定する;上記(1)乃至(3)のいずれかの画像データ処理装置(IPU1:図28)。
【0037】
これは、各プロセッサエレメントに同時に、mセットのc×d画素マトリクスのパターンマッチング対象の画像データを与えて、各マトリクスの画像データが参照データと合致するかを順次に判定し、全プロセッサエレメントが同時に並行してこれを行うものである。これらを終了すると、各プロセッサからm個の注目画素宛ての、全プロセッサエレメントとしてはA×m個の注目画素のそれぞれ宛ての判定データが同時に得られる。したがってパターンマッチング判定速度が極めて速い。
【0038】
)参照データは、内容が異なる複数であり、前記バッフアコントローラ(BC)は、順次に参照データをデータ処理器に与える、上記()乃至()のいずれかの画像データ処理装置。
【0039】
これは、対象画素マトリクスを複数の参照パターンと比較する態様である。この実施態様によれば、バッファメモリからデータ処理器への画像データ群の一回の転送で、複数の参照パターンとのパターンマッチング判定を終えることができる。したがってパターンマッチング判定速度が極めて速い。
【0040】
)前記プロセッサエレメント(PE)は、複数fビット構成のデータを処理でき;参照データ(R1i,R2i)は、c×d画素マトリクスでなる参照パターンの参照2値データ群を予め1次元シリアル配列にしてf以下の複数aビット構成のデータのe個に収めたe個のデータでなり;前記データ処理器(PEG)の各プロセッサエレメント(PE)が、パターンマッチング対象の画像データの中の、自己に宛てられた注目画素を中心とするc×d画素マトリクスの画像データ群を、各画像データを1ビットで表しそれを1次元シリアル配列の複数aビット構成のデータのe個に収めたe個のデータでなる対象データ(T1k,T2k)に変換して、対象データが参照データと合致するかを、前記aビット構成のデータ毎に対比して判定する;上記(1)の画像データ処理装置、ただし、a,c,d及びfは2以上の整数,eは1以上の整数、及び、a×(e−1)<c×d≦a×e。
【0041】
これによれば、データ処理器(PEG)の各プロセッサエレメント(PE)の演算機能を用いて同時に並行して複数のc×d画素マトリクスのパターンマッチングをすることができ、色々なサイズの2次元マトリクスに対応するパターンマッチングができる。また、高速なパターンマッチングが可能となる。
【0042】
画像データが複数fビット以下の構成の多値階調データであれば、画像データをそのままデータ処理器(PEG)に与えてプロセッサエレメント(PE)で2値化してパターンマッチングができるので、色々なビット構成の画像データ(例えば256階調,128階調,64階調などの画像データ)に柔軟に対応するパターンマッチングが可能である。
【0043】
データ処理器(PEG)の複数のプロセッサエレメント(PE)で同時に並行して、各画素マトリクスの画像データ群の、e個のaビットデータ(T1k,T2k)への編成およびaビットデータごとの参照データとの照合を行うので、色々な階調数の画像データを用いる色々なサイズのマトリクスの画像データ群に対して柔軟にパターンマッチングが行え、しかも、データ処理器(PEG)の外の回路規模は小さくて済む。
【0044】
参照データおよび対象データが共に、c×d画素マトリクスの画像データ群を各画像データを1ビットで表しそれを1次元シリアル配列の複数aビット構成のデータのe個に収めたe個のデータであるので、それらを格納する記憶手段も小さくて済む。
【0045】
)f=a=8ビットすなわち1バイト、c×dは9以上、したがって参照および対象データは、2バイト以上であり;各プロセッサエレメント(PE)は、対象データの各バイトを参照データの各対応バイトと比較し全バイトの合致をもって該参照データの参照マトリクスと合致と判定する;上記()の画像データ処理装置。
【0046】
例えば、図21の(b)に示す3×3画素マトリクスの対象マトリクスの画像データA〜Iを2値化して9個の対象2値データa〜iとし、図21の(c)に示すように、8個の対象2値データa〜hを第1バイト(T1)とし、残りの対象2値データiを第2バイト(T2)の1ビットとして他の7ビットを画像成分なしを表す「0」として、2バイトの対象データとするときには、参照データも、3×3画素マトリクスの参照マトリクス(参照パターン)の9画素の画素情報を同様に2バイトのデータセットとしておく。この場合には、対象データと参照データの第1バイトデータどうしが合致するか判定し、合致すると次は第2バイトどうしが合致するかを判定してこれも合致すると、対象マトリクスは参照パターンに合致すると判定する。
【0047】
また例えば、図21の(d)に示す5×5画素マトリクスが対象マトリクスとなるときには、該マトリクスの画像データA〜Yのそれぞれを2値化して25個の対象2値データa〜yとし、図21の(e)に示すように、24個の対象2値データa〜xを第1〜第3データとし、残りの対象2値データyを第4バイトの1ビットとして他の7ビットを画像成分なしを表す「0」として、合計で4バイトの対象データとするときには、参照データも、同様な4バイトのデータセットにしておく。
【0048】
合致判定が、バイトデータどうしが合致するかの判定であるので、1バイトの合致判定は簡単で高速であり、データセット全体は数バイトであるので対象データ全体の合致判定は高速にできる。
【0049】
)原稿の画像を読取り、1画素の画素情報を複数ビット構成の多値階調データで表す画像データを生成する画像読取手段(21)と、上記()乃至()のいずれかの画像データ処理装置(IPU1)と、を備える画像処理装置(SCR)であって、
前記制御情報メモリ(CM)は、前記対象データが参照データと合致するかを判定するパターン比較プログラムを含む像域分離プログラムを書込むプログラムメモリ(36)を有する;画像処理装置。
【0050】
像域分離において、上述のパターン比較が行われるので、像域分離の処理速度が向上する。
【0051】
10)前記バッファコントローラ(BC)は、注目画素およびその周辺画素の画像データに基づく注目画素の像域判定に先行画素の像域判定結果を参照する像域判定手段(図9のLUT)に、その内部のレジスタ(74)に保持する先行画素の像域判定データ(Edp)と注目画素の画像処理データ(Tpd)を与えて像域判定データ(Eds)を読出して前記レジスタ(74)にラッチして前記データ処理器(PEG)に出力する;上記()の画像処理装置。
【0052】
これによれば、像域判定が細かく変動(遷移)するのを防止するように、像域判定手段(図9のLUT)を用いて、像域判定を補正もしくは平滑化することができ、像域分離による像域判定の安定性を高くすることができる。
【0053】
11)前記プログラムメモリ(36)には、前記像域分離プログラムを含む読取補正プログラムが書込まれる;上記()に記載の画像処理装置。
【0054】
これによれば、画像処理装置が、画像読取手段(21)が生成する画像データに加える読取補正を、制御情報メモリ(CM)のプログラムメモリ(36)に書込まれた像域分離プログラムに従って実行する。このとき、データ処理器(PEG)が、複数のプロセッサエレメント(PE)によって、複数の画像データのそれぞれに同時に並行して同じデータ処理を施すので、読取補正で像域分離速度が向上する。
【0055】
12)バッファコントローラ(BC)は、入力画像データをバッファメモリ(BM)に書込み又はデータ処理器(PEG)に与えるとき、一連の入力画像データの最大値データと最小値データの少なくとも一方を検出し保持して、データ処理器に与える機能を有する、上記(11)の画像処理装置。
【0056】
入力画像データをバッファメモリ(BM)に書込み又はデータ処理器(PEG)に与えるとき、バッファコントローラ(BC)はライン上の位置順で画像データを転送するので、このとき各画像データが、バッファメモリ(BM)内部に保持する最大値を超えるか、最小値未満かを容易にチェックできる。最大値を超えると、超えた値に保持最大値を更新し、最小値未満の値ときは該値に保持最小値を更新すればよい。そして、データ処理器(PEG)の転送要求に応答して、或は、最大,最小検出区間のデータ転送を完了するごとに、保持値をデータ処理器(PEG)に転送すればよい。データ処理器(PEG)はしたがって適切なタイミングで最大,最小検出値を得ることができる。データ処理器(PEG)は最大,最小検出をしなくてもよくなるので、その分処理速度が早くなる。
【0057】
13)カラー画像読取手段(21)を備える上記(11)に記載の画像処理装置(SCR)と、それが読取補正したRGB画像データをYMCK画像データに変換する第2画像処理装置(IPU2)と、YMCK画像データにプリンタ出力用の出力補正を加える第3画像処理手段(IPU3y,3m,3c,3k)を含みYMCK画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段(PTR)と、を備え、
前記第2および第3画像処理装置(IPU2,IPU3y,3m,3c,3k)がそれぞれ、読み書き可能な、プログラムメモリ(36)およびデータメモリ(37),入力画像データのそれぞれに並行して同時に同じ処理をする複数のプロセッサエレメント(PE)を有するデータ処理器(PEG),該データ処理器に対して入力する画像データを、複数ライン分一時蓄積するためのバッファメモリ(BM)、および、前記プログラムメモリおよびデータメモリのプログラムおよびデータに従って前記バッファメモリと画像データ入出力ポートと前記データ処理器の間のデータのやり取りをするバッファコントローラ(BC)、を含み;
装置は更に、第2および第3画像処理装置のプログラムメモリのそれぞれに、前記RGB画像データをYMCK画像データに変換するプログラムおよび前記出力補正を加えるプログラムを書込む手段(106)、を備える;カラー画像形成装置。
【0058】
これによれば、上記(12)に記載の画像処理装置(SCR)ならびに第2および第3画像処理手段(IPU2,IPU3y,IPU3m,IPU3c,IPU3k)のそれぞれが、RGB画像データに加える読取補正,画像データの変換およびプリンタ出力用の出力補正を、書込む手段(106)が各処理手段の画像処理装置のプログラムメモリ(36)に書込んだプログラムに従って、実行する。このとき、各処理手段のデータ処理器が、複数のプロセッサエレメント(PE)によって、複数のカラー画像データのそれぞれに同時に並行して同じ画像処理を施すので、前記読取補正,画像データの変換および出力補正の総てでカラー画像処理速度が向上する。
【0059】
書込む手段(106)が各データ処理器のプログラムメモリに、処理特性が異なったプログラムを書込むことによりすなわち書換えにより、処理特性が変わる。処理特性の選択又は変更を容易にできる。
【0060】
14)前記画像形成手段(PTR)は、作像する感光体ユニット(10Y,M,C,K)の数に対応した数の前記第3画像処理手段(IPU3y,3m,3c,3k)を含む、上記(13)に記載のカラー画像形成装置。
【0061】
例えば1組の感光体ユニットで順次にY,M,CおよびK画像を形成する場合には、各色画像データは作像順にプリンタに与えればよいので、1つの第3画像処理手段で、各色画像データの出力処理(たとえばγ変換,階調処理)に対応できる。該出力処理がプリンタの各色画像形成のタイミングを遅くしてしまうことはない。
【0062】
例えば4組の感光体ユニット(10Y,M,C,K)のタンデム配列の場合、作像開始には時間ずれがあるものの略同時に並行して各色画像を形成して、同一転写紙上に重ね転写する。1つの第3画像処理手段でYMCK各色画像データの出力処理をすると、プリンタの各色画像形成のタイミングを遅くしてしまう。本実施態様では、4組の感光体ユニット(10Y,M,C,K)のそれぞれに対応する各画像処理手段(IPU3y,3m,3c,3k)を備えるので、各色画像形成のタイミングを遅らせる必要がなく、1つの感光体ユニットで順次に各色画像を形成する場合よりも速く、フルカラー画像プリントが得られる。
【0063】
15)画像データを転送するパラレルバス(Pb);画像メモリ(MEM);前記パラレルバス上の画像データを前記画像メモリに書込み、前記画像メモリの画像データを前記パラレルバスに読出す画像メモリ制御手段(IMAC);および、画像読取手段(SCR),第2画像処理装置(IPU2)および前記パラレルバスの間の画像データのやりとりを制御する画像データ制御手段(CDIC);を更に備える、上記(14)に記載のカラー画像形成装置。
【0064】
例えば、画像データ制御手段(CDIC)によって画像処理装置(SCR)の出力RGB画像データを第2画像処理手段(IPU2)に与えてそのYMCK出力を画像形成手段(PTR)に与えてその出力用YMCK画像データをプリントアウトできる。
【0065】
また画像データ制御手段(CDIC)によって画像処理装置(SCR)の出力RGB画像データをパラレルバス(Pb)に送出し、画像メモリ制御手段(IMAC)によってパラレルバス(Pb)の画像データを画像メモリ(MEM)に書込むことができる。そして、画像メモリ制御手段(IMAC)によって画像メモリ(MEM)のRGB画像データをパラレルバス(Pb)に読み出し、画像データ制御手段(CDIC)によってパラレルバス(Pb)のRGB画像データを第2画像処理装置(IPU2)に与えてその出力であるYMCK画像データを画像形成手段(PTR)に与えて、その出力用YMCK画像データをプリントアウトできる。
【0066】
16)前記画像データ制御手段(CDIC)は、前記画像処理装置(SCR)からの画像データを圧縮をして前記パラレルバスに出力するか、又は、第2画像処理装置(IPU2)へ転送し第2画像処理装置が処理した画像データを圧縮をして前記パラレルバスに出力するか、更には、パラレルバスのデータを伸張して第2画像処理装置(IPU2)に転送するかを制御する、上記(15)のカラー画像形成装置。
【0067】
例えば、画像データ制御手段(CDIC)によって画像処理装置(SCR)の出力RGB画像データをバス転送用に圧縮1してパラレルバス(Pb)に送出し、画像メモリ制御手段(IMAC)によってパラレルバス(Pb)の画像データを更にメモリ書込み用に圧縮2して画像メモリ(MEM)に書込むことができる。そして、画像メモリ制御手段(IMAC)によって画像メモリ(MEM)のRGB画像データを伸張2(圧縮2の伸張)してパラレルバス(Pb)に読み出、画像データ制御手段(CDIC)によってパラレルバス(Pb)のRGB画像データを伸張1(圧縮1の伸張)して第2画像処理装置(IPU2)に与えてその出力であるYMCK画像データを画像形成手段(PTR)に与えて、その出力用YMCK画像データをプリントアウトできる。
【0068】
第2画像処理装置(IPU2)の出力であるYMCK画像データを、ただちには第3画像処理装置(IPU3)に出力せずに、画像データ制御手段(CDIC)によって圧縮1してパラレルバス(Pb)に送出し、画像メモリ制御手段(IMAC)によってパラレルバス(Pb)のYMCK画像データを圧縮2して画像メモリ(MEM)に書込むことができる。そして、画像メモリ制御手段(IMAC)によって画像メモリ(MEM)からYMCK画像データを伸張2してパラレルバス(Pb)に読み出し画像データ制御手段(CDIC)によって伸張1して画像形成手段(PTR)に与えて、その出力用YMCK画像データをプリントアウトできる。
【0069】
従って、画像メモリ(MEM)を利用して、RGB画像データおよびYMCK画像データの蓄積,格納ができる。また、画像メモリ(MEM)に対する読み書きを利用して、画像編集を行うことができる。
【0070】
17)前記画像メモリ制御手段(IMAC)は、パソコン,LANなどの外部機器や前記パラレルバスに接続されたファクシミリ及び前記画像データ制御手段(CDIC)との間の画像データを前記画像メモリ(MEM)に圧縮して書込み、又は読み出して伸張する、上記(15)又は(16)に記載のカラー画像形成装置。
【0071】
これは、いわゆる複合機能複写機の態様であり、画像データを一旦画像メモリ(MEM)に格納することにより、高度な画像処理或は画像編集を施すことが出来るほかに、画像メモリ制御手段(IMAC)は、パソコン,LANなど外部機器や前記パラレルバスに接続されたファクシミリ及び前記画像データ制御手段(CDIC)との間で画像データをやり取りできる。そして、画像データをやり取りするときならびにプリントアウトするとき、画像処理装置(SCR),第2画像処理装置(IPU2)ならびに第3画像処理装置(IPU3)で高速に画像処理できる。
【0072】
18)複数ラインの多値画像データを蓄積でき、蓄積した画像データを画素単位で出力できるバッファメモリのメモリを指定しその読み書きを制御するメモコン,該メモコン が指定するメモリを該メモコンに接続するメモリスイッチ,および、パターンマッチングの閾値および参照データと、メモリ指定情報および制御モード情報を含む設定情報、ならびに、指定メモリの指定領域情報を含む管理情報を格納する制御情報メモリから、閾値および参照データならびに設定情報および管理情報を読出すグローバルプロセッサ,を含むバッファコントローラを用いて、
前記制御メモリから読み出した閾値および参照データを、複数ビット幅のデータを処理できるプロセッサエレメントの複数を含み複数のプロセッサエレメントで同時に並行してデータ処理ができるデータ処理器に与え、前記制御メモリから読み出した設定情報および管理情報はメモコンに与えて、
該設定情報および管理情報にしたがってメモコンがメモリスイッチを用いて、データ処理器への各画素マトリクスの画像データ群の入力に適した形になるようにバッファメモリのメモリとデータ処理器を接続してデータ処理器にパターンマッチング対象の画像データを読出し、
前記閾値,参照データ,パターンマッチング対象の画像データ,対象データおよび判定結果、を格納できる内部メモリを含む前記データ処理器の各プロセッサエレメントによって、バッファメモリから読み出したパターンマッチング対象の画像データの中の、自己に宛てられた注目画素を含み該注目画素を中心とする画素マトリクスの画像データ群を前記内部メモリに格納して前記閾値を用いて2値化して該プロセッサエレメントが処理可能な1次元シリアル配列のビット幅に区切った対象データに変換して前記内部メモリに格納し該対象データが前記参照データと合致するかを判定して判定結果を前記内部メモリに格納する;
パターンマッチング方法。
【0073】
これによれば、上記(1)に記載の作用効果を同様に得ることができる。
【0074】
19)前記所定の閾値(Th1)の値は、前記データ処理器(PEG)に出力される画像データの階調数に合わせて設定する、上記(18)に記載のパターンマッチング方法。
【0075】
これによれば、対象データ(T1k,T2k)のパターンを適正に表すことができる。
【0076】
20)各プロセッサエレメント(PE)の内部メモリ(RAM)に、バッファコントローラ(BC)で制御情報メモリ(CM)の参照データを書込んでから、該内部メモリにパターンマッチング対象の画像データを書込み、各プロセッサエレメントは内部メモリの各データを読出して対象データの形成および合致判定をする、上記(18)又は(19)のパターンマッチング方法。
【0077】
これによれば、上記()に記載の作用効果を同様に得ることができる。
【0078】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0079】
【実施例】
−第1実施例−
図1に本発明の一実施例の複合機能フルカラーデジタル複写機の外観を示す。このフルカラー複写機は、大略で、自動原稿送り装置ADFと、操作ボードOPBと、カラースキャナSCRと、カラープリンタPTR、の各ユニットで構成されている。機内のカラー画像データ処理装置ACP(図3)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)、および、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)に接続された交換器PBXが接続されており、交換器PBXにファクシミリボードのファクシミリコントロールユニットFCU(図3)が接続されている。プリンタPTRのプリント済の用紙は、排紙トレイ8上に排出される。
【0080】
図2に、カラープリンタPTRの機構を示す。この実施例のカラープリンタPTRは、レーザプリンタである。このレーザプリンタPTRは、マゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットが、転写紙の移動方向(図中の右下から左上方向)に沿ってこの順に配置されている。即ち、4連ドラム方式のフルカラー画像形成装置である。
【0081】
これらマゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(K)のトナー像形成ユニットは、それぞれ、感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kを有する感光体ユニット10M,10C,10Yおよび10Kと現像ユニット20M,20C,20Yおよび20Kとを備えている。また、各トナー像形成部の配置は、各感光体ユニット内の感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kの回転軸が水平x軸に平行になるように、且つ、転写紙移動方向(y,z平面上でy軸に対して45°をなす左上がり線)に所定ピッチの配列となるように、設定されている。各感光体ユニットの感光体ドラムとしては、表面に有機感光体(OPC)層を有する直径が30mmの感光体ドラムを用いた。
【0082】
また、レーザプリンタPTRは、上記トナ−像形成ユニットのほか、レーザ走査による光書込ユニット2、給紙カセット3,4、レジストローラ対5、転写紙を担持して各トナ−像形成部の転写位置を通過するように搬送する転写搬送ベルト60を有する転写ベルトユニット6、ベルト定着方式の定着ユニット7、排紙トレイ8等を備えている。また、レーザプリンタPTRは、図示していない手差しトレイ、トナ−補給容器、廃トナーボトル、両面・反転ユニット、電源ユニットなども備えている。
【0083】
光書込ユニット2は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kの表面にレーザ光を、x方向に振り走査しながら照射する。また図2上の一点鎖線は、転写紙の搬送経路を示している。給紙カセット3,4から給送された転写紙は、図示しない搬送ガイドで案内されながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ対5に送られる。このレジストローラ対5により所定のタイミングで転写搬送ベルト60に送出された転写紙は転写搬送ベルト60で担持され、各トナ−像形成部の転写位置を通過するように搬送される。
【0084】
各トナー像形成部の感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kに形成されたトナー像が、転写搬送ベルト60で担持され搬送される転写紙に転写され、各色トナー像の重ね合わせ即ちカラー画像が形成された転写紙は、定着ユニット7に送られる。定着ユニット7を通過する時トナー像が転写紙に定着する。トナー像が定着した転写紙は、排紙トレイ8上に排出される。すなわち転写は、転写紙上にじかにトナー像を転写する直接転写方式である。
【0085】
イエローYのトナ−像形成ユニットの概要を次に説明する。他のトナ−像形成ユニットも、イエローYのものと同様な構成である。イエローYのトナー像形成ユニットは、前述のように感光体ユニット10Y及び現像ユニット20Yを備えている。感光体ユニット10Yは、感光体ドラム11Yのほか、感光体ドラム表面に潤滑剤を塗布するブラシローラ,感光体ドラム表面をクリーニングする揺動可能なブレード,感光体ドラム表面に光を照射する除電ランプ,感光体ドラム表面を一様帯電する非接触型の帯電ローラ、等を備えている。
【0086】
感光体ユニット10Yにおいて、交流電圧が印加された帯電ローラにより一様帯電された感光体ドラム11Yの表面に、光書込ユニット2で、プリントデータに基づいて変調されポリゴンミラーで偏向されたレーザ光Lが走査されながら照射されると、感光体ドラム11Yの表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム11Y上の静電潜像は、現像ユニット20Yで現像されてイエローYのトナー像となる。転写搬送ベルト60上の転写紙が通過する転写位置では、感光体ドラム11Y上のトナー像が転写紙に転写される。トナ−像が転写された後の感光体ドラム11Yの表面は、ブラシローラで所定量の潤滑剤が塗布された後、ブレードでクリーニングされ、除電ランプから照射された光によって除電され、次の静電潜像の形成に備えられる。
【0087】
現像ユニット20Yは、磁性キャリア及びマイナス帯電のトナ−を含む二成分現像剤を収納している。そして、現像ケース1Yの感光体ドラム側の開口から一部露出するように配設された現像ローラや、搬送スクリュウ、ドクタブレード、トナ−濃度センサ,粉体ポンプ等を備えている。現像ケース内に収容された現像剤は、搬送スクリュウで攪拌搬送されることにより摩擦帯電する。そして、現像剤の一部が現像ローラの表面に担持される。ドクタブレードが現像ローラの表面の現像剤の層厚を均一に規制し、現像ローラの表面の現像剤中のトナーが感光体ドラムに移り、これにより静電潜像に対応するトナー像が感光体ドラム11Y上に現われる。現像ケース内の現像剤のトナー濃度はトナ−濃度センサで検知される。濃度不足の時には、粉体ポンプが駆動されてトナーが補給される。
【0088】
次に、転写ベルトユニット6の概要を説明する。転写ベルトユニット6の転写搬送ベルト60は、体積抵抗率が109〜1011Ωcmである高抵抗の無端状単層ベルトであり、その材質はPVDF(ポリふっ化ビニリデン)である。この転写搬送ベルト60は、各トナ−像形成部の感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kに接触対向する各転写位置を通過するように、4つの接地された張架ローラに掛け回されている。これらの張架ローラのうち、2点鎖線矢印で示す転写紙移動方向上流側の入口ローラには、電源から所定電圧が印加された静電吸着ローラが対向するように配置されている。これらの2つのローラの間を通過した転写紙は、転写搬送ベルト60上に静電吸着される。また、転写紙移動方向下流側の出口ローラは、転写搬送ベルトを摩擦駆動する駆動ローラであり、図示しない駆動源に接続されている。また、転写搬送ベルト60の外周面には、電源から所定のクリーニング用電圧が印加されたバイアスローラが接触するように配置されている。このバイアスローラにより転写搬送ベルト60上に付着したトナー等の異物が除去される。
【0089】
また、感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kに接触対向する接触対向部を形成している転写搬送ベルト60の裏面に接触するように、転写バイアス印加部材を設けている。これらの転写バイアス印加部材は、マイラ製の固定ブラシであり、各転写バイアス電源から転写バイアスが印加される。この転写バイアス印加部材で印加された転写バイアスにより、転写搬送ベルト60に転写電荷が付与され、各転写位置において転写搬送ベルト60と感光体ドラム表面との間に所定強度の転写電界が形成される。
【0090】
図3に、図1に示す複写機の電気系システムの主要部を示す。原稿を光学的に読み取るカラー原稿スキャナSCRは、読み取りユニット21にて、原稿に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子に集光する。受光素子(本実施例ではCCD)は、読み取りユニット21のセンサー・ボード・ユニット(以下単にSBUと称す)にあり、CCDに於いて電気信号に変換されたRGB画像信号は、SBU上でディジタル信号すなわち読取った各8ビット多値のR,G,B画像デ−タに変換された後、SBUから、第1画像処理ユニットIPU1(以下、単にIPU1と表現する)に与えられる。
【0091】
IPU1は、入力RGB画像デ−タのそれぞれ(R,G,B画像データ)に、読取補正(CCDライン間補正,主走査レジスト調整,シェーディング補正,ドット補正,縦スジ補正およびスキャナγ変換)を加えると共に、RGB画像データが表す画像が、文字,線などの濃淡が2値的なもの(以下単に文字と称す)のエッジ(文字エッジ)又は中(線幅内:文字なか)か、写真などの網点画像(以下単に写真と称す)か、更に、有彩か、無彩か、を判定する像域分離を行う。また、RGB画像データが、紙幣や証券などの、複製禁止物を表すものであるかの判定(以下単に紙幣認識と称す)を行う。
【0092】
そしてIPU1は、読取補正をした各8ビット多値のRGB画像データに、像域分離結果すなわち判定結果を表す像域データFdを加えて、それらを圧縮/伸張及びカラーデータインターフェース制御部CDIC(以下単にCDICと称す)に出力する。紙幣認識の結果が複製禁止物であるとIPU1は、システムコントローラ106にこれを報知する。システムコントローラ106はこの報知に応答して、カラー原稿スキャナSCRによる原稿画像読取りに付帯する画像処理条件(たとえば複写指示の場合には、フルカラー読取りか否か)を参照して、忠実な複製となる複写条件が設定されていると複製画を大きく色違いにする、画像毀損用のスキャナγ変換をIPU1に設定する。
【0093】
CDICは、RGB画像データおよびYMCK画像データとそれらに付帯する像域データFdに関し、IPU1,パラレルバスPbおよび中間処理用の第2画像処理ユニットIPU2(以下、単にIPU2と表現する)の間のデータ転送、ならびに、図1に示すデジタル複写機全体制御を司るシステムコントローラ106と、主に読取ユニット21の動作とカラープリンタPTRの画像形成プロセス制御を司るプロセスコントローラ101との間の、画像データ転送およびその他の制御に関する通信を行う。システムコントローラ106とプロセスコントローラ101は、パラレルバスPb,CDIC及びシリアルバスSbを介して相互に通信を行う。CDICは、その内部に於いてパラレルバスPbとシリアルバスSbとのデータインターフェースのためのデータフォーマット変換を行う。
【0094】
カラー原稿スキャナSCRのIPU1からの、像域データFd付きのRGB画像データ(以下単にRGB画像データと称すこともある)は、CDICを経由してIPU2又はパラレルバスPbに転送又は送出される。パラレルバスPbに送出したRGB画像データは、画像メモリアクセス制御部IMAC(以下単にIMACと称す)によって画像メモリMEMに書込まれる。画像メモリMEMからパラレルバスPbに読み出したRGB画像データは、ファクシミリ送信のときにはFCUに、そうでないときにはIPU2に出力される。
【0095】
IPU2はRGB画像データを各8ビット多値のYMCK画像データに変換し更にその前後に数種の画像処理を加える。YMCK画像データは、CDICを経由してパラレルバスPbに送出されIMACによって画像メモリMEMに格納される,或は、IPU2から直接に、Y,M,CおよびKの画像データごとにそれぞれ、第3画像処理ユニットIPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3k(以下、単にIPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kと表現する)に出力される。
【0096】
IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kはそれぞれ、Y,M,CおよびK画像データに各色プリンタγ変換を施してから、階調処理によりプリント出力用の2値のY,M,CおよびK画像データに変換しカラープリンタPTRの作像ユニット105に出力する。
【0097】
上述のようにCDICには、RGB画像デ−タ又はYMCK画像データをメモリMEMに蓄積して再利用するジョブと、RGB画像デ−タをメモリMEMに蓄積しないでIPU2でYMCK画像データに変換してIPU3y,3m,3c,3kに出力しプリントアウトするジョブとがある。メモリMEMに蓄積する例としては、1枚の原稿を複数枚複写する場合、読取りユニット21を1回だけ動作させ、IPU1のRGB画像デ−タ又はそれをIPU2で変換したYMCK画像データをメモリMEMに蓄積し、蓄積データを複数回読み出す使い方がある。メモリMEMを使わない例としては、1枚の原稿を1枚だけ複写する場合、IPU1のRGB画像デ−タをそのままIPU2に出力しそのYMCK画像データをIPU3でプリンタ出力用に処理すれば良いので、メモリMEMへの書込みを行う必要はない。
【0098】
まず、メモリMEMを使わない場合、IPU1からCDICへ転送された画像データは、CDICからIPU2に送られる。IPU2は、RGB画像データに中間処理(フィルタ処理,地肌除去,色変換すなわちYMCK画像データへの変換,下色除去,主走査変倍,主走査シフト,主走査ミラーリング,副走査間引き,マスク処理および単色文字出力の場合の2値化)を施す。
【0099】
IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kはそれぞれ、Y,M,CおよびK画像データに、出力補正(プリンタγ変換および階調処理)を施す。階調処理により2値化されたY,M,CおよびK画像データが、レ−ザプリンタPTRの作像ユニット105に於いてY,M,CおよびK作像ユニットのレーザ変調器に与えられ、各色画像形成用の2値静電潜像が、感光体ドラム11Y,11M,11Cおよび11Kに形成される。階調処理には、濃度変換,ディザ処理,誤差拡散処理等が有り、階調情報の面積近似を主な処理とする。
【0100】
メモリMEMに蓄積し、それからの読み出し時に付加的な処理、例えば画像方向の回転,画像の合成等を行う場合は、IPU1からCDICへ転送されたデータは、CDICでバス転送用の1次圧縮をしてからパラレルバスPbを経由してIMACに送られる。ここではシステムコントローラ106の制御に基づき画像データと画像メモリMEMのアクセス制御,外部パソコンPC(以下単にPCと称す)のプリント用データの展開(文字コ−ド/キャラクタビット変換),メモリー有効活用のための画像データの2次圧縮を行う。
【0101】
IMACで2次圧縮したデータは画像メモリMEMへ蓄積し、蓄積データを必要に応じて読み出す。読み出したデータはIMACで2次伸張(2次圧縮の伸張)をして1次圧縮データに戻しIMACからパラレルバスPb経由でCDICへ戻される。CDICでは、1次伸張(1次圧縮の伸張)をして画像データに戻してIPU2に送り、RGB画像データの場合はそこでYMCK画像データに変換して、上述と同様に圧縮して画像メモリMEMに書込む。又は、IPU2のYMCK画像データを直ちにIPU3y〜3kに送り、作像ユニット105で画像を形成する。
【0102】
上述の画像データの流れに於いて、IMACの、画像メモリMEMおよびパラレルバスPbに対する画像データの読み書き制御、ならびに、CDICの、IPU1およびIPU2とパラレルバスPbとの間のバス制御により、デジタル複写機の複合機能を実現する。複写機能の1つであるFAX送信機能は、カラー原稿スキャナSCRの読取りユニット21が発生するRGB画像データをIPU1にて読取補正し、必要に応じて更にIPU2でYMCK画像データに変換して、CDIC及びパラレルバスPbを経由してFCUへ転送する。FCUにて公衆回線通信網PN(以下単にPNと称す)へのデータ変換を行い、PNへFAXデータとして送信する。FAX受信は、PNからの回線データをFCUにて画像データに変換し、パラレルバスPb及びCDICを経由してIPU2へ転送する。受信データがRGB画像データであるとIPU2でYMCK画像データに変換するが、受信データがYMCK画像データであると特別な中間処理は行わず、IPU3y〜3kに送り、作像ユニット105で画像を形成する。
【0103】
複数ジョブ、例えばコピー機能,FAX送受信機能およびプリンタ出力機能、が並行に動作する状況に於いて、カラー原稿スキャナSCR,カラープリンタPTR,パラレルバスPbおよびIPU2の使用権のジョブへの割り振りを、システムコントロ−ラ106およびプロセスコントロラ101にて制御する。
【0104】
プロセスコントローラ101は画像データの流れを制御し、システムコントローラ106はシステム全体を制御し各リソースの起動を管理する。このデジタル複合機能カラー複写機の機能選択は、操作ボ−ドOPBにて選択入力し、コピー機能,FAX機能等の処理内容を設定する。パソコンPCのプリントコマンドに応答するプリンタ出力機能の処理内容は、パソコンPCのプリントコマンドが設定する。
【0105】
カラー原稿スキャナSCRが出力する読取補正をしたRGB画像データを、一旦メモリMEMに蓄積しておけば、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3k、ならびに必要に応じてIPU2で施す処理を変える事によって種々の再生画像を確認することができる。例えばγ変換特性を変えてみたり、再生画像の濃度を振ってみたり、ディザマトリクスの線数を変更してみたりする事で、再生画像の雰囲気を変更できる。この時処理を変更する度に画像をカラー原稿スキャナSCRで読込み直す必要はなく、MEMから格納画像を読み出せば同一データに対し、何度でも異なる処理を実施できる。
【0106】
図4の(a)に、カラー原稿スキャナSCRの画像データ処理系の概要を示す。CCD22が発生したR,G,B画像信号はA/Dコンバータ23で8ビット多値のR,G,B画像データに変換されて、インターフェース(以下ではI/Fと称す)24を通して、IPU1に与えられる。
【0107】
IPU1の主要部は、入出力I/F31,バッファメモリ装置32、および、データ処理器であるSIMD型プロセッサ33を結合したカラー画像処理ユニットである。
【0108】
図5に、IPU1のカラー画像処理ユニット(31+32+33)の各部の構成を示す。入出力I/F31には、画像データの入,出力をする画像ポート0〜4、および、制御データ,制御信号あるいは同期信号のやり取りをするモード設定器(モード指定デコーダ),SCI(System Control Interface),割込みコントローラ,JTAG(回路自動テスト),ホストI/Fおよびクロックジェネレータ、ならびにタイマがある。画像ポート0および1は画像データの入力専用,画像ポート2は画像データの入出力用、ならびに、画像ポート3および4は出力専用である。
【0109】
各画像ポート0〜4には、第1ポートと第2ポートがあり、第1及び第2各ポートで1バイトのデータを同時に入力および又は出力できる。これにより各画像ポート0〜4は、2バイトのデータを同時に並行して入力および又は出力できる。RGBおよびYMCKカラー画像データ(多値階調)は8ビット、モノクロ読取りおよび又はモノクロプリントが指定(モノクロ処理モード指定)された場合の読取りデータ,プリント出力データ(多値階調)も8ビットである。したがってモノクロ処理モードのときには、2つの画像データ即ち2画素の画像データを同時に並行して入力/出力できる。カラー処理モードの時には、1画素のRGB各画像データの2つを同時に並行して入力/出力できる。
【0110】
バッファメモリ装置32の、各メモリであるRAM0〜15のそれぞれは、8Kバイトの記憶容量がある。8Kバイトは、A3版短辺に平行な1ラインの600dpiの多値の画像データ(8ビット:R,G,B,Y,M,C,K画像データの1種)を格納しうる容量であり、ラインバッフアとして画像データの入力および又は出力に用いられる、あるいは、LUTとして用いられる。この種のRAMが16個あり、それぞれ2バイト一括の読み書きと、1バイトづつの読み書きとを選択できるものである。2個のRAM16,17は、それぞれ2Kバイトの容量であり、これらは、画像データ転送元又は転送先との間のシリアルデータ転送の速度差吸収のために、画像データを循環シフトする循環シフトレジスタとして使用するものである。
【0111】
これらのRAM0〜17はメモリスイッチSW1〜SW3の何れかに接続されている。画像ポート0〜4,メモリスイッチSW1〜SW3およびSIMD型プロセッサ33の3者の間にはメモリコントローラ「メモコン」0〜17が介挿されている。画像ポート0〜4のそれぞれに接続したメモコン0〜5,11および12は、SIMD型プロセッサ33が与える入出力モード指定に応じて、画像ポートに対するデータ入出力機能を有する。これらのメモコンに対して、画像ポート,SIMD型プロセッサ33又はRAM(0〜17)が、データ転送の発送側となり、また、データ転送の受取側となる。
【0112】
その他のメモコン6〜10および13〜19も、SIMD型プロセッサ33が与える入出力モード指定に応じて、データの転送方向(From/To)を定めるデータセレクト機能を有するが、これらのメモコンに対しては、SIMD型プロセッサ33又はRAM(0〜17)がデータ転送の発送側となり、また、データ転送の受取側となる。しかし、画像ポートに対する接続機能は無い。
【0113】
メモコン0〜19の何れも、SIMD型プロセッサ33が与えるRAM指定に応じて、メモリスイッチ(SW1〜SW3)を、指定されたRAM(0〜17)に自己メモコンを接続するように設定する。
【0114】
メモコン0〜19のそれぞれには、SIMD型プロセッサ33が与えるメモコン設定情報を格納する設定情報レジスタおよびSIMD型プロセッサ33が指定する接続先RAM(0〜17)の管理情報を格納する管理情報レジスタならびにDMA(ダイレクトメモリアクセス)コントローラ(DMAC)がある。また、DMACには、接続先RAM(0〜17)の読み書きアドレスを定めるアドレスカウンタ,開始アドレスレジスタ(ラッチ),終了アドレスレジスタ,使用モードレジスタ、および、メモリ入出力制御回路がある。これら開始アドレスレジスタ,終了アドレスレジスタおよび使用モードレジスタはそれぞれ、RAMの複数の領域区分(図17)での各領域宛ての開始アドレス,終了アドレスおよび使用モード(バッフアメモリ/LUT)を保持しえるように、複数の情報を格納できる。
【0115】
前記メモリ入出力制御回路は、前記設定情報レジスタおよび管理情報レジスタのデータ群をデコードし、データ転送の発送側のタイミング信号に同期して、受取側への制御信号およびタイミング信号を生成するデコーダを含み、更に、8KバイトのRAM0〜15(RAM 8Kと表記することもある)は、1ラインデータの、奇数番画素データと偶数番画素データへの分離、またその逆の、奇数番画素データと偶数番画素データの1ラインへの集成、の各データ処理に用いる偶数番(又は奇数番)画素同期信号を生成するための、画素同期パルスを1/2に分周する1/2分周器を含む。
【0116】
バッファメモリRAM(0〜17)に対してデータを読み書きするときには、前記メモリ入出力制御回路のデコーダは、前記アドレスカウンタの画素同期パルスのカウント値(画素アドレス)を、前記開始アドレスレジスタおよび終了アドレスレジスタのデータと比較して、現在のRAMアクセス領域を検知し、検知した領域の使用モードデータを使用モードレジスタから読み出して、それを動作モード制御信号にデコードしてRAM(0〜17)に対する読み書きを制御する。
【0117】
メモコン設定情報により、あるメモコンA(0〜19の1つ)に、接続すべきあるRAMa(0〜17の1つ)が指定され、その使用モードに「バッフアメモリ」(書込/読出し)が指定された場合には、該メモコンAは、メモリスイッチ(SW1〜SW3)の内部のデータセレクタを該メモコンAが該RAMaにアクセスする接続に定める。この場合に、メモコン設定情報がたとえば入力カラー画像データの読込みを指定するときには、プロセッサ33が指定したRAMa(0〜17)に、同じく指定した画像ポートに入ってくるカラー画像データを書込む。
【0118】
RAMの使用モードがバッファ(データバッファ)でありメモコン設定情報がSIMD型プロセッサ33への画素マトリクスの画像データ群の転送を意味するものであるときには、c×d画素マトリクスサイズに対応するd個のRAM(0〜15の中のd個)およびd個のメモコンB(0〜19の中のd個)が画像データ転送に指定され、指定された各メモコンは、プロセッサ33が指定した順番で、プロセッサ33が指定したRAMの指定アドレス(開始アドレス〜終了アドレス)の画像データを読出してプロセッサ33に送出する。
【0119】
RAMの使用モードがLUT(変換テーブル)でありメモコン設定情報がLUTを生成する(RAMにLUTデータを書込む)もののときには、メモコンB(0〜19の1つ)は、SIMD型プロセッサ33が与えるγ変換データを、該プロセッサ33が指定したRAMb(0〜15の1つ)の、プロセッサ33が指定したアドレス(開始アドレス〜終了アドレス)に書込む。
【0120】
メモコン設定情報がLUTを用いるカラー画像データの階調特性の変換(例えばγ変換)であると、メモコンC(0〜19の1つ)はプロセッサ33が指定した画像ポート又はRAMc(0〜15の1つ)の入力画像データをアドレスデータとして送出し、メモコンBがLUTがあるRAMbを該アドレスデータでアクセスして入力画像データに対応するγ変換データを読出して、プロセッサ33又はそれが指定したRAMd(0〜15の1つ)に書込む。あるいは画像ポートに出力することもできる。
【0121】
メモコン設定情報による指定モードがカラー画像データの送出であると、プロセッサ33が出力する、またはそれが指定したRAMe(0〜15の1つ)の、カラー画像データを画像ポートに送出する。
【0122】
指定モードにはその他に数種があり、パラレル/シリアル変換又はその逆の変換を行う、RAM(0〜17)へのカラー画像データの書込みならびにRAM(0〜17)のカラー画像データの読み出しもある。
【0123】
図6の(a)に、図5に示す、画像データ処理装置の一部をなすSIMD型プロセッサ33の内部構成の概略を示し、図6の(b)には、(a)に示す1つのプロセッサエレメントPEの一部分の構成を拡大して示す。プロセッサエレメントPE群がデータ処理器(PEG:図8)である。
【0124】
SIMD型プロセッサ33は、内部にプロセッサエレメントPE区分のローカルメモリRAM群を持ち、使用するメモリ領域,データパスの経路をグローバルプロセッサ38にあるデータバスコントロールに於いて制御する。入力されたデータおよび出力のためのデータはローカルメモリRAM群をバッファーメモリとして割り当て、それぞれに格納し、外部I/F39にて外部に出力する。ローカルメモリRAMを含みそれぞれが8ビット以上の多値画像データに対して並行して同じ画像処理を行う320個のプロセッサエレメントPE群すなわちデータ処理器(PEG:図8)に、グローバルプロセッサ38が同時に同一の演算命令を与える。プロセッサエレメントPEの演算結果は再度ローカールメモリRAMに格納する。そして外部I/F39を通してメモコンに出力する。
【0125】
プロセッサエレメントPEの処理手順,処理のためのパラメータ等はプログラムRAM36及びデータRAM37との間でやり取りを行う。プログラムRAM36,データRAM37には、システムコントローラ106の命令によって、ハードディスクHDDのプログラムおよびデータが、IMAC/パラレルバスPb/CDIC/シリアルバスSb経由で、ダウンロードされる。このデータ転送は、外部I/F39にあるDMAC(ダイレクトメモリアクセスコントローラ)が、システムコントローラ106が与えるロードコマンドに応答して実行する。このデータの流れは、該DMACの要求に応じてプロセスコントローラ101が設定する。
【0126】
画像処理の内容を変えたり、システムで要求される処理形態(画像処理の組合せ)が変更になる場合、HDDからプログラムRAM36及びデータRAM37に転送するデータセットの、システムコントローラ106による選択を、操作ボードOPB又はパソコンPCからの指示により変更して対応する。また、HDDの、プログラムRAM36及びデータRAM37に転送するデータセットを、書換えて対応する場合もある。
【0127】
図7に、図5に示す第1群のRAM0〜3,16および17と、SIMD型プロセッサ33との間の、データラインを示す。図7上のデータラインの1本線は、8ビットデータをビットパラレルで転送しうる1組のバスを意味している。第1のメモリスイッチSW1には、上記第1群のRAMにアクセスする第1群のメモコン0〜3,18および19のそれぞれに接続した第1群のデータセレクタDs0〜Ds3,Ds18およびDs19がある。
【0128】
この第1群のデータセレクタ(6個)の各共通ポートは、第1群のメモコンの各バッフア側接続ポートに接続されているが、第1群のデータセレクタの第0〜5選択ポートはそれぞれ、第1群のRAM0〜3,16および17のそれぞれに接続されている。第1群のメモコンの各データ処理側接続ポートは、SIMD型プロセッサ33の外部I/F39の中の一対のデータセレクタDs20,Ds21の、第0〜5選択ポートのそれぞれに接続されている。外部I/F39の中の第1および第2のデータセレクタDs20およびDs21の各共通ポートは、SIMD型プロセッサ33の中の外部I/F39内の入出力バスに含まれる第1および第2バスのそれぞれに接続されている。
【0129】
上述のデータセレクタDs0〜Ds21の何れの選択ポートおよび共通ポートも、8ビット構成のデータをビットパラレルで入出力できるものである。
【0130】
図5に示す第2および第3群のRAM4〜9,RAM10〜15と、第2及び第3のメモリスイッチSW2,SW3と、外部I/F39内の一対のデータセレクタDs20,Ds21とのデータラインの接続も、上述の第1群の場合と同様である。
【0131】
SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38(図6の(a))が、1つのメモコン(例えばメモコン0)を指定する選択ポート指定データ(制御データ)を第1のデータセレクタDs20に与え、もう1つのメモコン(たとえばメモコン1)を指定する選択ポート指定データを第2のデータセレクタDs21に与えることにより、2つのメモコン(0と1)の各共通ポートが、SIMD型プロセッサ33の外部I/F39内の入出力バス(第1および第2バス)に接続される。
【0132】
グローバルプロセッサ38が、これらのメモコン0,1にそれぞれ、RAM0およびRAM1を指定する各設定情報(図16の(b))を与えると、メモコン0がデータセレクタDs0に第0選択ポート(RAM0)を指定する選択ポート指定データ(制御データ)を与え、これによりデータセレクタDs0がRAM0をメモコン0に接続する。メモコン1はデータセレクタDs1に第1選択ポート(RAM1)を指定する選択ポート指定データを与え、これによりデータセレクタDs1がRAM1をメモコン1に接続する。以上により、SIMD型プロセッサ33の外部I/F39内の入出力バスの第1バスにはRAM0が、第2バスにはRAM1が接続されている。
【0133】
メモコン0およびメモコン1は、入力画像ポート0の第1および第2ポートからデータを受けることができるので、グローバルプロセッサ38が、RAM0およびRAM1の指定に変えて、入力画像ポート0の第1および第2ポートを指定する設定情報を与えたときには、メモコン0が入力画像ポート0の第1ポートをデータセレクタDs20の第0ポートに接続する。メモコン1は入力画像ポート0の第2ポートをデータセレクタDs21の第1ポートに接続する。これにより、SIMD型プロセッサ33の外部I/F内入出力バスの第1バスには入力画像ポート0の第1ポートが、同外部I/F内入出力バスの第2バスには入力画像ポート0の第2ポートが接続されている。
【0134】
SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38は、上述のデータセレクタDs20,Ds21およびメモコン0〜19に与える制御データの切り換えによって、外部I/F39内の入出力バスの中の第1および第2バスのそれぞれに、RAM0〜17および画像ポート0〜4の中の任意の1つ(8ビットデータ入出力ポート)を選択接続できる。すなわち外部I/F39内の入出力バスには、同時に並行して2組(2連)のデータを入出力できる。この入出力に、RAM0〜17のどれでも利用できる。
【0135】
外部I/F39内の入出力バスには、データ処理器であるプロセッサエレメントPE群(PEG:図8)の各エレメントPEのRAM(図6の(b))が接続されており、グローバルプロセッサ38が、個々のエレメントPEのRAMの読み/書きDMA転送をメモコンに設定することにより、SIMD型プロセッサ33の外から個々のエレメントPEのRAMにデータを書き込み、あるいは、個々のエレメントPEのRAMから、SIMD型プロセッサ33の外にデータを読み出すことができる。すなわち、図5に示す画像ポート0〜4およびRAM0〜RAM17と、SIMD型プロセッサ33のプロセッサエレメントPE群(PEG)との間のデータ転送ができる。
【0136】
再度図4の(a)を参照すると、IPU1のカラー画像処理ユニット(31+32+33)の画像処理機能は、SIMD型プロセッサ33の内部のプログラムメモリであるRAM36に書込まれた読取処理プログラムにより定まる。該読取処理プログラムは、入力RGB画像データに、CCDライン間補正,主走査レジスト調整,シェーディング補正,ドット補正,縦スジ補正およびスキャナγ変換をこの順に順次に加え、しかも縦スジ補正まで施したRGB画像データに基いて像域分離して像域データFdを生成して画像上の同一位置対応で読取処理を終えた出力RGB画像データに付加してCDICに出力すると共に、外付けの紙幣認識ユニット34に、縦スジ補正まで施したRGB画像データを与えるものである。
【0137】
スキャナγ変換は、R,GおよびB画像データの各γ変換用LUT(変換テーブル)を形成した、図5に示すバッファメモリ装置32の6つのRAM(0〜17)に、RGB画像データを読み出しアドレスとして与えて、与えた画像データ対応のγ変換データを読み出して、SIMD型プロセッサ33に与えるものである。
【0138】
少し詳しく説明すると、2つのRAM(0〜17)にR画像データの同一のγ変換テーブルγLUT−Rを書込み、奇数番画素のR画像データ列と偶数番画素のR画像データ列の二連で同時に並行して与えられる奇数番R画像データと偶数番画像データを、同時に並行して各RAM(0〜17)のγLUT−Rに与えて、それぞれの画像データのγ変換データを読出して同時に並行してSIMD型プロセッサ33に出力する。他の2つのRAM(0〜17)にG画像データ用の同一のγ変換テーブルγLUT−Gを、更に別の2つのRAM(0〜17)にB画像データ用の同一のγ変換テーブルγLUT−Bを書込んで、R画像データのγ変換と同様にG画像データおよびB画像データのγ変換を行ってSIMD型プロセッサ33に出力する。ただしSIMD型プロセッサ33が同時に受け入れることができるデータは2バイト(同一色の奇数画素と偶数画素、合わせて2画素のγ変換データ)であるので、RGB画像データのγ変換は色間でタイミングをずらして行う。
【0139】
図8に、図5に示すバッフアメモリ装置32とSIMD型プロセッサ33の組合せである画像データ処理装置の、機能区分を示す。RAM0〜17群がバッファメモリBMであり、それに対してデータを読み書きするバッファコントローラBCに、メモリスイッチSW1〜SW3群,メモコン0〜19群,外部I/F39およびグローバルプロセッサ38が含まれる。このバッファコントローラBCが、画像ポート0〜4群,バッファメモリBMおよびプロセッサエレメントPE群を含むデータ処理器PEGの三者間のデータ転送を制御する。
【0140】
グローバルプロセッサ38は、プログラムRAM36のデータプログラムに基づいて前記三者間のデータ転送モードを定め、かつデータ処理器PEGのデータ処理の内容を定める。
【0141】
プログラムRAM36のデータプログラムの中に、データ転送モードを定める転送モードデータ(上位階層の制御データ)ならびにデータ処理器PEG宛の処理モードデータ(上位階層の制御データ)がある。
【0142】
グローバルプロセッサ38は転送モードデータを認識した(読取った)制御ステージ(タイミング)では、転送モードデータをデコード(解読)してデータRAM37から、該転送モードデータ対応の、外部IF39(のデータセレクタDs20,Ds21)を制御する下位制御データ(メモコン指定データ)およびそれによって特定されるメモコンに与える下位階層の制御データ(設定情報&管理情報:図16)を読み出して、外部IF39に、またそれを介してメモコンに与える。
【0143】
また、グローバルプロセッサ38は上記処理モードデータを認識した制御ステージでは、データ処理モードをデコードしてデータRAM37から、該データ処理モード宛てのデータ処理器PEGのデータ処理プログラムおよび参照データ,設定データを読出してデータ処理器PEGの各プロセッサエレメントPEの内部RAMに書き込む。
【0144】
したがって、図8に示す態様では、下記変換用データ(変換テーブル及び又は補間演算データ)の詳細は後述するが、プログラムRAM36およびデータRAM37で構成される制御情報メモリCMが、バッファメモリBM(RAM0〜17)の制御データ(上記転送モードデータ,設定情報,管理情報)、ならびに、変換テーブル又は補間演算データを含む変換用データ、を記憶する制御情報メモリである。
【0145】
バッファメモリBMが、逐次的に入力されるデータを蓄え、蓄えたデータの所定数を同時にデータ処理器PEGに出力し、また、データ処理器PEGで処理された所定数の処理済データを一旦蓄えて出力可能なバッファメモリである。プロセッサエレメントPE群であるデータ処理器PEGが、該バッファメモリBMの所定数のデータを同時に並行して入力して処理しあるいは処理した所定数のデータを同時に並行して出力するデータ処理器である。そして、バッファコントローラBCが、前記バッファメモリBMが該データ処理器(PEG)の並行入出力に適した形になるように、両者の接続を適応的に変化させ、また、前記制御情報メモリ(CM)の変換用データに基づいて、同一の複数の変換テーブルを前記バッファメモリ(BM)に形成することができるバッファコントローラである。
【0146】
これらによって、バッファメモリBMを、そのメモリ(RAM0〜17のいずれか)の一部又は全部を、データ処理器(PEG)の並行入出力に適した状態に設定した後に、バッファメモリ(BM)からデータ処理器(PEG)に所定数のデータを同時に並行して入力しあるいはデータ処理器(PEG)が処理した所定数のデータを同時に並行してバッファメモリBMに出力するか、あるいは、バッファメモリBMに形成された複数の変換テーブルのそれぞれに複数連の被変換データの各連を対応付けて、各変換テーブルから各連の被変換データに対応する変換済データを同時に並行して読出すか、または両者の処理を行う。
【0147】
バッファコントローラ(BC)による、画像ポート0〜4,バッファメモリ(BM)およびデータ処理器PEGの各プロセッサエレメントPE、の3者間のデータ転送制御は、図16を参照して後述する。
【0148】
図9に、メモコン(0〜19)が行うことができる画像データのパラレル,シリアル変換の数種を示す。(a)は、画像ポート(0〜4),RAM(0〜17)又はSIMD型プロセッサ33から、与えられる色別R,G,B画像データ(3連;1連は1色の1ラインの画像データ)と像域データFd(1連;1ラインの像域データ)を、1つのメモコンで2連を1連に集成して、合計で2連にパラレル/シリアル変換する態様を示す。この例では、パラレル2連入力のR画像データとG画像データが、交互ピックアップ集成により、1連に変換され、パラレル2連入力のB画像データと像域データFdが、交互ピックアップ集成により、1連に変換される。
【0149】
(b)は、上記(a)でシリアル変換された2連のシリアルデータを、元の4連のパラレルデータに戻すシリアル/パラレル変換を示す。ここでは、各1連のシリアルデータが、並び順でピックアップされて交互に2連に分配される。すなわち奇数番データ列と偶数番データ列の2連に分離される。
【0150】
(c)は、IPU1のバッファメモリ装置32では実行されないが、IPU2の同様なバッフアメモリで、IPU3y〜3kへのYMCK画像データ出力のときに実行されるパラレル/シリアル変換を示し、5連のパラレルデータ、すなわち色別Y,M,C,K画像データ(4連)と像域データFd(1連)、を4連のシリアルデータに変換する。変換した各1連のシリアルデータはIPU3y〜3kのそれぞれに転送される。IPU3y〜3kは、逆変換すなわちシリアル/パラレル変換により、各1色の画像データ(Y,M,C,K)と像域データFdの2連に分ける。
【0151】
(d)は、IPU1のバッファメモリ装置32では実行されないが、IPU2の同様なバッフアメモリで、IPU2のSIMD型プロセッサが生成したパラレルYMCK画像データをパラレルバスPbにシリアル出力するときに実行されるパラレル/シリアル変換を示し、4連のパラレルデータ、すなわち色別Y,M,C,K画像データ(4連)、を2連のシリアルデータに変換する。この2連のシリアルデータを受けるときには、IPU2は逆変換すなわちシリアル/パラレル変換により、元の4連の色別Y,M,C,K画像データに分ける。
【0152】
(e)は、1ライン上の画像データを奇数番画素のものの連なりと、偶数番画素のものの連なりの二連に分離する(実線矢印)。或はその逆に、奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列すなわち二連を1ラインの連なりに集成する(破線矢印)。図上には、モノクロモードで読取りユニット21が出力するモノクロ画像データBkの分離/集成を示すが、カラー画像データの一色のもの(例えばR画像データ)でも同様である(BkをRと読み替えればよい)。
【0153】
SIMD型プロセッサ33は、外部(メモコン)とのデータ入出力に関し、同時に並行して2バイトのデータを入出力できる入出力ポートを持ち、2バイト同時に入出力できるのはもとより、各バイトのそれぞれを個別に入出力できる。2バイト入出力および1バイトづつの入出力を任意に設定できる。
【0154】
図10に、メモコン(0〜19)が行うことができる画像データのパラレル,シリアル変換、ならびに、IPU1,IPU2およびIPU3y〜IPU3kが実施し得るデータ入出力モードの数例A〜Gを示す。
【0155】
AのAf方向(実線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU1において、読取りユニット21が与える1ラインの画像データ(モノクロ画像モードの白黒画像データ又はカラー画像モードでのRGB画像データのうちの1色の画像データ)をメモコンA(0〜19の1つ)に与えて、メモコンAで1ライン上の各画像データを並び順で交互に振り分けて奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連に分離して、奇数番画素の画像データと偶数番画素の画像データとを同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、プロセッサ33で両画像データを同時に並行して入力して各画像データに同時に並行してデータ処理を施してメモコンB(0〜19の1つ)に出力し、メモコンBで奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列から交互に画像データを摘出して1ラインに合成して、CDICに送出する、「1ライン入力の分離処理モード」のものである。
【0156】
なお、必要に応じてメモコンA及びメモコンBの入力側,出力側にラインバッフアメモリ(RAM 0〜17のいずれか)もしくはLUT(RAM 0〜17のいずれか)を介挿することもある。また、メモコンA,BおよびCは、同一のものを指す場合もあるし、別体の場合もある。これらは、以下に説明する他のモードにおいても同様である。
【0157】
AのAr方向(破線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU2あるいはIPU3y〜3kにおいて、CDIC又はIPU2が与える1ラインの画像データをメモコンBで奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連に分離して、SIMD型プロセッサ33で奇数番画素の画像データと偶数番画素の画像データとを同時に並行して処理して、同時に並行して出力し、メモコンAで1ラインに合成して、IPU3y〜3k又は作像ユニット105に送出する、「1ライン入力の分離処理モード」のものである。
【0158】
BのBf方向(実線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU1において、読取りユニット21が与える1ライン上の奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連(モノクロ画像モードの白黒画像データ又はカラー画像モードでのRGB画像データのうちの1色の画像データ)をメモコンAを介して、同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、プロセッサ33で同時に並行して処理を施して同時に並行して出力し、メモコンBで処理後の奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列を1ラインに合成して、CDICに送出する、「奇数偶数画素分離入力モード」のものである。
【0159】
BのBr方向(破線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU2あるいはIPU3y〜3kにおいて、CDIC又はIPU2が与える1ラインの画像データをメモコンBで奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連に分離して、SIMD型プロセッサ33で奇数番画素の画像データと偶数番画素の画像データとを同時に並行して処理して、同時に並行して出力し、メモコンAで2連のまま同時に並行して、IPU3y〜3k又は作像ユニット105に送出する、「奇数偶数画素分離出力モード」のものである。
【0160】
CのCf方向(実線矢印)の画像データの流れは、IPU2において、読取りユニット21が与える1ラインのRGB画像データの2つRおよびG画像データを、メモコンAを介して同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、プロセッサ33で同時に並行して処理を施して同時に並行して出力し、メモコンBで処理後のR画像データとG画像データを一連に合成してCDICに送出する、「複数色並行処理モード」のものである。
【0161】
CのCr方向(破線矢印)の画像データの流れは、IPU2において、CDICが与える、R画像データとG画像データを交互に配列した一連の画像データをメモコンBでR画像データ列とG画像データ列の2連に分離して、SIMD型プロセッサ33でR画像データとG画像データとを同時に並行して処理して、同時に並行して出力し、メモコンAで2連のまま同時に並行して、CDICに送出する、「複数色分離出力モード」のものである。
【0162】
DのDf方向(実線矢印)およびDr方向(破線矢印)の画像データの流れは、それぞれCのCf方向およびCr方向の画像データの流れと同様である。ただし、カラー読取りのRGB画像データは3連(3色)であるので、Dにおいては、もう一連のデータXが加えられる。このデータXはダミーデータの場合と、後述の像域データFdの場合がある。
【0163】
EのEf方向およびFのFf方向(いずれも実線矢印)の画像データの流れは、IPU2において、YMCK画像データの2連Y,M/C,KをメモコンAを介して、同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、プロセッサ33で同時に並行して処理を施して同時に並行して出力し、メモコンBで処理後の2連Y,M/C,Kの画像データを一連に合成してCDICに送出する、「複数色並行処理モード」のものである。
【0164】
EのEr方向およびFのFr方向(破線矢印)の画像データの流れは、IPU2において、CDICが与える、2色の画像データY,M/C,Kを交互に配列した一連の画像データを、メモコンBで2色すなわち2連に分離して、SIMD型プロセッサ33で2色を同時に並行して処理して、メモコンAで2連のまま同時に並行して、IPU3y,IPU3m/IPU3c,IPU3kに出力する「複数色分離出力モード」のものである。
【0165】
GのGf方向(実線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU1において、モノクロ画像モードにおいて読取りユニット21が与える2ラインの白黒画像データをメモコンAを介して、同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、プロセッサ33で同時に並行して処理を施して同時に並行して出力し、メモコンBで処理後の2ラインの画像データをラインメモリ(RAM0〜17のいずれか)に順次に格納して、格納を終えると、1ラインごとにCDICに送出する、「白黒複数ライン処理モード」のものである。
【0166】
GのGr方向(破線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU2あるいはIPU3kにおいて、CDIC又はIPU2がシリアルに与える2ラインの画像データをメモコンBでラインメモリ(RAM 0〜17のいずれか)に蓄積して、2ライン分を同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、そこで同時に並行して処理して同時に並行して出力し、メモコンAで2連(2ライン)のまま同時に並行して、IPU3k又は作像ユニット105に送出する、「白黒複数ライン出力モード」のものである。
【0167】
なお、メモコンおよびSIMD型プロセッサ33共に、一連のみの入出力および処理は当然可能である。また、各メモコンには単体で、図10のB〜Gに示すメモコンAおよびSIMD型プロセッサ33を省略した形での、メモコンB(図10のB〜Fの場合)およびメモコンC(図10のGの場合)の、2連入力/一連出力のパラレル/シリアル変換(以下では単にシリアル変換という)の機能、ならびに、一連入力/2連出力のシリアル/パラレル変換(以下では単にパラレル変換という)の機能がある。
【0168】
この機能を用いてRGB画像データと共に像域データFdを転送する場合には、RおよびG画像データは、メモコンで2連入力/一連出力のシリアル変換(Cf出力)で一連にしてCDICに送出するが、B画像データは、像域データFdと共に2連入力/一連出力のシリアル変換(Df出力、ただしX=Fd)で一連にしてCDICに送出する。また、IPU2からIPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kに、YMCK画像データのそれぞれと像域データFdとを送出するときには、IPU2の4個のメモコンのそれぞれで、Y,M,CおよびK画像データのそれぞれと像域データFdとを、2連入力/一連出力のシリアル変換(Cf出力)で一連にして、それぞれをIPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kに転送する。IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの各メモコンは、一連入力/2連出力のパラレル変換によって、Y,M,CおよびK画像データのそれぞれと像域データFdとの2連に分離する。
【0169】
この実施例では、バッフアメモリ装置32の画像ポートが2バイト(16ビット)パラレル入力および又は出力が可能なものであるので、同時に二連の画像データを並行して入,出力できる。したがって、画像ポートとSIMD型プロセッサ33との間でメモコンを介して同時に二連の画像データを並行して入出力できる。この場合には、図10のケースA〜Gの何れでも、画像ポートからメモコンAに画像データを入力して、すなわちケースAの場合には一連の画像データを、ケースB〜Gの場合には二連の画像データを入力して、メモコンAで二連に画像データを振り分けて同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、SIMD型プロセッサは同時に並行して処理をして、処理済データを二連で同時に出力し、メモコンA(別個のメモコンでもよい)がそのまま二連を、画像ポートを通して出力できる。この場合は、図10上では、SIMD型プロセッサ33に図10上最左端(画像ポート側)から実線矢印で示す方向(右向き)の流れで画像データを与えて、SIMD型プロセッサ33で折り返すように、処理済画像データを破線矢印で示す左向き方向(左端:画像ポート)に出力する形態のデータフローを採用するのが好ましい。
【0170】
画像ポートが1バイト(8ビット)の場合、あるいは2バイト以上であっても、データ入,出力の相手先が一連の画像データ入出力仕様の場合には、図10のA〜Gの何れでも、画像ポートからメモコンB(ケースGではメモコンC)に一連の画像データを入力して、メモコンBで二連に振り分けて同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、SIMD型プロセッサは同時に並行して処理をして、処理済データを二連で同時に出力し、メモコンB(別のメモコンでもよい)が一連に合成して画像ポートを通して出力する。この場合は、図10上では、SIMD型プロセッサ33に図10上最右端(画像ポート側)から点線矢印Ar〜Grで示す方向(左向き)の流れで画像データを与えて、SIMD型プロセッサ33で折り返すように、処理済画像データを実線矢印Af〜Gfで示す右向き方向(右端:画像ポート)に出力する形態のデータフローを採用する。
【0171】
即ち、本実施例のバッフアメモリ装置32は、図10上のA〜Gの、図10上最左端から最右端に流れるデータフロー,その逆に最右端から最左端に流れるデータフロー,最左端からSIMD型プロセッサ33で折り返して最左端に戻るデータフロー、および、最右端からSIMD型プロセッサ33で折り返して最右端に戻るデータフロー、の何れも任意に設定または選択できる。なお、これらのデータフローの何れでも、メモコンA,B,Cは同一のものであってもよいし、別個のものであっても良い。又、ラインバッフアメモリ(RAM 0〜17のいずれか)は必要に応じてメモコンの入力側および又は出力側に介挿する。
【0172】
図4の(b)に、CDICの機能構成の概要を示す。画像データ入出力制御121は、IPU1が図9の(a)に示す態様でシリアル変換したRGB画像データ(像域データFdを含む)をうけて、IPU2に出力する。IPU2は、そのメモコンで図9の(b)に示すパラレル/シリアル変換をして、RGB画像データのそれぞれと像域データFdに分離し、RGB画像データを中間処理を施してYMCK各記録色の画像データに変換した8ビット構成の多値YMCK画像データを発生して、画像形成(プリントアウト)が指定されているときには、図9の(c)に示すパラレル/シリアル変換をして、IPU3y〜IPU3kに出力する。パラレルバスPbに出力する指定の場合には、図9の(d)に示すパラレル/シリアル変換をしてCDICの画像データ入出力制御122に送りだす。
【0173】
画像データ入出力制御122が受けたデータは、パラレルバスPbでの転送効率を高めるためにデータ圧縮部123に於いて、画像データの1次圧縮を行う。圧縮した画像デ−タは、データ変換部124でパラレルデータに変換してパラレルデータI/F125を介してパラレルバスPbへ送出される。パラレルデータバスPbからパラレルデータI/F125を介して入力される画像データは、データ変換部124でシリアル変換される。このデータは、バス転送のために1次圧縮されており、データ伸張部126で伸張される。伸張された画像データは、図9の(d)のメモコン出力側に示す2連のシリアルデータであり、画像データ出力制御127によってIPU2へ転送される。IPU2では、パラレル変換によりY,M,C,K画像データに分ける。
【0174】
CDICは、パラレルバスPbで転送するパラレルデータとシリアルバスSbで転送するシリアルデータの変換機能を併せ持つ。システムコントローラ106は、パラレルバスPbにデータを転送し、プロセスコントローラ101は、シリアルバスSbにデータを転送する。2つのコントローラ106,101の通信のために、デ−タ変換部124およびシリアルデ−タI/F129で、パラレル/シリアルデータ変換を行う。シリアルデータI/F128は、IPU2用であり、IPU2ともシリアルデ−タ転送する。
【0175】
図11の(a)に、IPU2の概要を示す。IPU2は、入出力I/F41,バッファメモリ42およびSIMD型プロセッサ43を結合したカラー画像処理ユニットである。これは、図5に示すIPU1のカラー画像処理ユニット(31+32+33)と同様の構成であるが、SIMD型プロセッサ43のプログラムRAMおよびデータRAMに格納されるデータが、IPU2では、RGB画像データに中間処理(フィルタ処理,地肌除去,色変換すなわちYMCK画像データへの変換,下色除去,主走査変倍,主走査シフト,主走査ミラーリング,副走査間引き,マスク処理および単色文字出力の場合の2値化)を行うものである。
【0176】
図11の(b)に、IMACの機能構成の概略を示す。パラレルデータI/F141に於いて、パラレルバスPbに対する画像データの入,出力を管理し、MEMへの画像データの格納/読み出しと、主に外部のパソコンPCから入力されるコードデータの画像データへの展開を制御する。PCから入力されたコードデータは、ラインバッファ142に格納する。すなわち、ローカル領域でのデータの格納を行い、ラインバッファ142に格納したコードデータは、システムコントローラI/F144を介して入力されたシステムコントローラ106からの展開処理命令に基づき、ビデオ制御143に於いて画像データに展開する。
【0177】
展開した画像データもしくはパラレルデータI/F141を介してパラレルバスPbから入力される画像データは、MEMに格納される。この場合、データ変換部45に於いて格納対象となる画像データを選択し、データ圧縮部46においてメモリ使用効率を上げるためにデータの2次圧縮を行い、メモリアクセス制御部147にてMEMのアドレスを管理しながらMEMに2次圧縮したデータを格納する。MEMに格納された画像データの読み出しは、メモリアクセス制御部147にて読み出し先アドレスを制御し、読み出された画像データをデータ伸張部48にて伸張する。伸張された画像データは、パレルバスPbで転送用に1次圧縮されたものであり、これをパラレルバスPbへ転送する場合、パラレルデータI/F141を介してデータ転送を行う。
【0178】
図3に示す、FAX送受信を行うファクシミリコントロールユニットFCUは、画像データを通信形式に変換して外部回線PNに送信し、又、外部回線PNからのデータを画像データに戻して外部I/F部及びパラレルバスPbを介して作像ユニット105において記録出力する。FCUは、FAX画像処理,画像メモリ,メモリ制御部,ファクシミリ制御部,画像圧縮伸張,モデム及び網制御装置からなる。画像データの出力バッファ機能に関してはIMAC及びMEMでその機能の一部をおぎなう。
【0179】
この様に構成されたFAX送受信部FCUでは、画像情報の伝送を開始するとき、FCU内においてファクシミリ制御部がメモリ制御部に指令し、FCU内の画像メモリから蓄積している画像情報を順次読み出させる。読み出された画像情報は、FCU内のFAX画像処理によって元の信号に復元されるとともに、密度変換処理及び変倍処理がなされ、ファクシミリ制御部に加えられる。ファクシミリ制御部に加えられた画像信号は、画像圧縮伸張部によって符号圧縮され、モデムによって変調された後、網制御装置を介して宛先へと送出される。そして、送信が完了した画像情報は、画像メモリから削除される。
【0180】
受信時には、受信画像は一旦FCU内の画像メモリに蓄積され、その時に受信画像を記録出力可能であれば、1枚分の画像の受信を完了した時点で記録出力される。
【0181】
図12に、IPU3y〜3kの概要を示す。IPU3y〜3kは同一の構成で、ほぼ同様な内容の出力補正(プリンタγ変換および階調処理)を行う。そこでここではIPU3yを説明する。IPU3yは、入出力I/F51y,バッファメモリ52yおよびSIMD型プロセッサ53yを結合したカラー画像処理ユニットである。これは、図5に示すIPU1のカラー画像処理ユニット(31+32+33)と同様の構成であるが、SIMD型プロセッサ53yのプログラムRAMおよびデータRAMに格納されるデータが、IPU3yでは、Y画像データにY用のプリンタγ変換を加えさらに、階調処理によってプリント出力用の2値データに変換するものである。階調処理では、濃度階調処理,ディザ処理および誤差拡散2値化があり、画像処理モード指定または像域データFdに応じてそれらの1つを実施するが、本実施例のIPU3yは、誤差拡散2値化ユニット35(図5に2点鎖線で示す)をSIMDプロセッサ53yに接続したものである。図12においてはこの誤差拡散2値化ユニット35の図示は省略している。
【0182】
IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの説明はそれぞれ、上記IPU3yの説明のY(y)を、M(m),C(c)およびK(k)とおき変えたものとなる。なお、IPU3y〜3kは、図9の(c)のメモコンの出力側に示す、像域データFdを含むシリアルデータを受けるときには、図9の(c)のパラレル/シリアル変換、の逆変換をして、YMCK画像データと像域データFdとを分離する。例えばIPU3yは、Y画像データと像域データFdが交互に配置された1連のシリアルデータを、Y画像データのみの1連と、像域データFdのみの1連に、パラレル変換する。
【0183】
1ライン上の奇数番画素のデータ列と偶数番画素のデータ列の2連で、同時に並行して2画素(奇数番画素と偶数番画素)の画像データを受けるときには、同時に取り込んでIPU3y〜3kの内部で2画素の画像データを同時に並行して処理する。IPU3y〜3kで生成した作像ユニット105に出力するための、奇数番画素のデータ列と偶数番画素のデータ列の2連は、図9の(e)に破線矢印で示すように、奇数番画素および偶数番画素のデータをシリアルに1連に並ぶ1ラインのプリント出力用の画像データ列に集成してから、作像ユニット105に出力する。なお、作像ユニット105において、奇数番画素と偶数番画素とを別個のレーザ光又は別個の走査線で露光する場合には、奇数番画素のデータ列と偶数番画素のデータ列の2連のままで作像ユニット105に出力する。また、図9の(e)には、IPU3kが処理するBk画像データの場合を表記するが、IPU3y〜3cが処理するY,MおよびC画像データの場合も同様である。
【0184】
以上の例において、画像データ制御手段であるCDICと画像メモリ制御手段であるIMACは、パラレルバスPbで接続されている。各独立した、カラー原稿スキャナSCR,第2のカラー画像処理ユニットIPU2およびカラープリンタPTRは直接パラレルバスPbに接続せずにCDICあるいはIPU2に接続するため、事実上、パラレルバスPbの使用管理は、CDICとIMACによってのみ行われる。よってパラレルバスPbの調停や転送の制御が容易であり、かつ効率的である。
【0185】
図13に、画像メモリMEMに画像を蓄積する処理ならびにMEMから画像を読出す処理のフローを示す。(a)はカラー原稿スキャナSCRが発生するRGB画像データ又はIPU2が変換したYMCK画像データをMEMに書き込むまでの画像データの処理あるいは転送過程Ip1〜Ip14を示し、(b)はMEMから画像データを読み出して、カラープリンタPTRの作像ユニット105に出力するまで、又は、RGB画像データを読出してIPU2でYMCK画像データに変換して再度MEMに書込むまで、の画像データの処理あるいは転送過程Op1〜Op13を示す。CDICの制御により、このようなバス及びユニット間のデータフローが制御される。
【0186】
なお、カラー原稿スキャナSCRが発生するRGB画像データをMEMに書込むときには、CDICは、ステップIp4からIP6に進むルート(A)を選択する。カラー原稿スキャナSCRが発生するRGB画像データをIPU2でYMCK画像データに変換してそのままプリントアウトするときにはルート(B)を選択する。IPU2のYMCK画像データを一旦MEMに書込む時には、ステップIp4からIP5に進むルート(C)を選択する。
【0187】
メモリMEMから読出すときには、読出しデータがYMCK画像データであるときにはCDICは、ステップOp8からOP10に進むルート(D)を選択し、RGB画像データを読出してYMCKデータに変換してから再度MEMに書込む時には、ステップOp8からIP10に進むルート(E)を選択し、RGB画像データを読出してYMCKデータに変換してプリントアウトするときには、ステップOp8からOP9に進むルート(F)を選択する。
【0188】
上述のIPU1におけるRGB画像データの読取補正,IPU2におけるYMCK画像データへの変換を含む中間処理、および、IPU3y〜IPU3kにおけるプリンタ出力用の出力補正、のいずれにも、1ライン上に分布する各画素宛ての各画像データに、大要では同一の処理を行う画像処理が多い。細かくは、像域データFdの違いに対応して処理内容を切換える処理もあるが、その場合でも像域データFdが同じであれば同じ内容の画像処理を行う。
【0189】
したがって、カラー画像処理ユニットIPU1〜IPU3にはSIMD型プロセッサ33,43,53y,53m,53c,53kを用いて、多数のプロセッサエレメントPEによって、多数の、多値階調のカラー画像データのそれぞれに同時に並行して同じ画像処理を施すことにより、前記読取補正,中間処理および出力補正の総てでカラー画像処理速度を高くしている。
【0190】
なお、本実施例でSIMD型プロセッサ33,43,53Y,53m,53c,53kは、それぞれが8ビット以上の多値画像データを処理する総計320個のプロセッサエレメントPEを備え、同時に320個(320画素分)の画像データを処理できる。例えばディザ処理で用いられるマトリクスは、例えば4×4,6×6,8×8,16×16のサイズが考えられ、これらの何れにも適応しえて、しかも、ディザ処理速度を速くするために同時に複数個のマトリクスの処理を並行して行おうとすれば、4,8は16の約数のため6と16の最小公倍数である96(=6×16)の整数倍の数のプロセッサエレメントPEが必要である。そこで本実施例では、オフセット分32個を加えて、96×3+32=320個のプロセッサエレメントPEを設けている。これらオフセットのものは、96×3個の画素群の画像データを処理する場合に、該画素群の両外側の近傍画素の画像データを参照するときに、該近傍画素の画像データ保持用又は供給用もしくは中間的な演算処理用に使用される。
【0191】
注目画素を中心に2次元方向にそれぞれ複数の画素があるマトリクスの区分で、注目画素の画像データにエッジ強調又は平滑化の処理を施すフィルタ処理(MTF補正)のとき、また、マトリクスの画像データ分布をエッジパターンマトリクスと比較して注目画素が画像エッジであるかを判定するエッジ検出など、マトリクス区分の画像データ処理をする場合には、実質上演算データを算出出力する96×3個のプロセッサエレメントPE(実効エレメント)の両側に夫々16個プロセッサエレメントをオフセット分として割当てて、それらにも96×3個の画素群の両外側の近傍画素の画像データを与えて、積和演算或はパターン比較をして、結果を実効エレメントに供給する必要がある。したがって、画像処理の内容によっては、96×3個以上のプロセッサエレメントが同時並行の画像データ処理に用いられる。
【0192】
なお、上述の、γ変換用LUTを生成するための直線近似の補間演算の場合には、近傍画素の画像データを注目画素の補間演算に参照する必要はないので、320個のプロセッサエレメントPEのすべてを、実効エレメントとして320画素の画像データの同時並行の補間演算に用いることができる。しかし、γ変換対象のカラー画像データが、本実施例では、8ビット構成の多値階調データであって、0〜255まで総計256個の多値階調データの補間演算をすればよいので、0〜255まで総計256個の多値階調データ群の全てを、256個のプロセッサエレメントPEを使用して同時に算出する。
【0193】
なお、例えば9,10,11,12ビット構成などで、多値階調データの数が、512個,1024個,2048個など、320個を超える場合には、たとえば512個のときには最初の0〜319の多値階調データ群を一度に補間演算してLUT用RAMに算出したγ変換データを書込み、つぎに残りの320〜511の多値階調データ群を一度に補間演算してLUT用RAMに算出したγ変換データを書込むなど、数回に分けて補間演算によるγ変換データを実行すればよい。
【0194】
ここで、IPU1,IPU2およびIPU3y〜3kが実行する、多数の画像データに同時に並行して同一の処理を行う多くの画像処理の中の、γ変換(IPU1におけるスキャナγ変換&IPU3y〜3kにおけるプリンタγ変換)に用いるLUTの生成を説明する。
【0195】
ハードディスクHDD(図3)には、SIMD型プロセッサ33,43,53y,53m,53cおよび53kそれぞれのプログラムRAMおよびデータRAM(36,37:図6)にロードする、画像処理プログラムおよびデータがある。
【0196】
システムコントローラ106が、電源オンに応じて発生するリセット信号ならびに操作ボードOPBまたはホストPCからのリセット指示に応答してシステムの初期設定をするとき、ハードディスクHDDにある、各プロセッサ33,43,53y,53m,53cおよび53k宛てのプログラムおよびデータを、上述のIMAC,パラレルバスPb,CDIC,シリアルバスSbおよびプロセスコントローラ101を用いるデータ転送を利用して、各プロセッサ33,43,53y,53m,53cおよび53kのプログラムRAMおよびデータRAMにロードする。
【0197】
図14に、操作ボードOPBまたはホストPCからの画像処理の指示に応答するシステムコントローラ106の、システム設定の概要を示す。システムコントローラ106は、操作ボードOPB,パソコンPC,FCU,カラー原稿スキャナSCRおよびカラープリンタPTRとの間で、コマンド,応答および状態情報のやり取りをして、操作ボードOPB,パソコンPCあるいはFCUから画像処理コマンド(命令,指示)を受けると(ステップSc1)、コマンドを解析する(ステップSc2)。すなわち命令データをデコードする。なお、以下において、括弧内には、ステップという語を省略して、ステップNo.又は符号のみを記す。
【0198】
そしてシステムコントローラ106は、コマンド解析結果にしたがって、図3に示すシステム構成各要素の動作モードを決定してそれらに動作モードを指定し(Sc3)、動作モード対応の画像処理用データを転送する(Sc4)。システム構成各要素は、受けた動作モードおよび処理用データを自身に設定して、その実行が可能であると、レディをシステムコントローラ106に報知する。指定動作モードの実行に関わりがある全ての要素がレディであるとシステムコントローラ106は、システム構成各要素に画像処理の開始を指示する(Sc)。
【0199】
図15には、システムコントローラ106が初期設定を指示したときの、それに応答したIPU1のSIMD型プロセッサ33の、自己の初期設定の内容を示す。システムコントローラ106は初期設定コマンドでHDDの、SIMD型プロセッサ33宛てのプログラムおよび画像処理用データの転送元アドレスおよびダウンロード指示をSIMD型プロセッサ33に与える。SIMD型プロセッサ33の外部I/F39のDMACが、これに応答して、指定があったアドレスのプログラムデータをプログラムRAM36に、画像処理用データ(参照データ)をデータRAM37に書込む(Sd1)。
【0200】
このデータ転送が完了すると、DMACのレディ報知に応答してSIMD型プロセッサ33がプログラムRAM36の初期設定プログラムにしたがって、バッファメモリ装置32の設定(Sd2),シェーディング補正LUTの生成(Sd3),ドット補正LUTの生成(Sd4)、R,G&B各γ変換のLUTの生成(Sd5),IDUγ変換のLUTの生成(Sd6)および像域分離で用いる各種LUTの生成(Sd7)を行い、これらを完了するとレディを報知する。
【0201】
バッファメモリ装置32の設定(Sd2)では、初期設定プログラムの中でのメモコンおよびメモリ割当てにしたがって、図5に示す20個のメモコン0〜19の制御機能の設定、ならびに、16個のRAM(0〜15)および2個のRAM(16,17)の用途割り当てを行う。用途種の主のものは、入力画像データを一時保持する入力ラインバッフア,出力用の画像データを一時保持する出力ラインバッフア,処理途中の画像データを一時保持する中間ラインバッフア,LUTおよびデータ遅延又は同期用の遅延メモリ、であり、メモコンの制御機能は、これら各用途でのRAMアクセスコントロールである。
【0202】
このような設定は、SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38が、データRAM37から読み出してグローバルプロセッサ38内のメモコン設定レジスタおよびバッファメモリ管理レジスタに書込んだ、図5に示す20個のメモコンそれぞれ宛てのメモコン設定情報および該設定情報に含まれるRAM(0〜17)宛ての管理情報を、該当のメモコンに出力することにより、実現する。なお、これらのメモコン設定情報の初期情報は、SIMD型プロセッサ33が初期設定プログラムにしたがって、データRAM37から読出してメモコン設定レジスタおよびバッファメモリ管理レジスタに書込んだものであるが、その後画像処理が始まると、その進行にしたがって、メモコン設定情報およびRAM宛ての管理情報は書き換えられる。例えば、入力ラインバッファに指定されたRAMe(0〜15の1つ)(のデータ読み書きを制御するメモコンe)に対しては、入力画像データを受け入れるタイミングでは「書込」が指定されるが、受け入れ(書込)が完了して、それの画像データを所定個数ごとに読出して画像処理を施すタイミングでは、「読出し」が指定される。
【0203】
図16の(a)に、1組のメモコン設定レジスタ上のメモコン設定情報の区分を示し、図16の(c)には1組のバッファメモリ管理レジスタ上のバッファメモリ管理情報の区分を示す。1組のメモコン設定レジスタと1組のバッファメモリ管理レジスタとは対になっており、データRAM37にはHDDから複数対が書き込まれる。各対は、IPU1のデータ処理モードに対応付けられており、データ処理モードに応じた1対をグローバルプロセッサ38がその内部に読込み、その中の各メモコン設定情報およびそれにリンクした各バッファメモリ管理情報を、該当のメモコンに出力する。
【0204】
図16の(b)に、メモコン設定レジスタ上の1つのメモコン設定情報の主要項目を示す。主要項目には、転送モード,From(データ送出側要素ID),To(データ受取側ID)および制御モードがある。
【0205】
転送モードの主要なものは次の通りである:
(TM1)画像ポート入力データの、バッファRAM(0〜17)への格納;
(TM2)画像ポート入力データの、SIMD型プロセッサ33のプロセッサエレメントPEへの直送;
(TM3)バッファRAM(0〜17)からプロセッサエレメントPEへ送出;
(TM4)プロセッサエレメントPEからバッファRAM(0〜17)へ出力;
(TM5)プロセッサエレメントPEから画像ポートへの直送出力;
(TM6)バッファRAM(0〜17)から画像ポートに出力;
(TM7)画像ポート入力データをLUTを設定したRAM(0〜17)のアドレスラインに出力;
(TM8)バッファRAM(0〜17)の画像データをLUTを設定したRAM(0〜17)に出力;
(TM9)LUTを設定したRAM(0〜17)の読出しデータをプロセッサエレメントPEへ送出;および、
(TM10)LUTを設定したバッファRAM(0〜17)の読出しデータをバッファRAM(0〜17)に格納。
【0206】
Fromの項には、メモコンにデータを与える送出側要素(画像ポート,RAM0〜17、又は、SIMD型プロセッサ33のプロセッサエレメントNo.0〜n−1)のデータ出力ポートのIDが、Toの項にはメモコンからデータを受ける受取側要素(画像ポート,RAM0〜17又はSIMD型プロセッサ33のプロセッサエレメントNo.0〜n−1)のデータ入力ポートのIDが書込まれる。
【0207】
制御モードの主要なものは次の通りである:
(CM1)ラスター転送1(画像ポート0〜4/プロセッサエレメントPE間の直送);
(CM2)ラスター転送2(RAM0〜17への書込み);
(CM3)ラスター転送3(RAM0〜17からの読出し);
(CM4)ライン分割ブロック転送1(RAM0〜17からの読出し);
(CM5)ライン分割ブロック転送2(RAM0〜17への書込み);
(CM6)奇数/偶数集成;および、
(CM7)奇数/偶数分離。
【0208】
図5に示す18個のRAM(0〜17)の1つRAM0を、画像データ入力用のラインバッフアに指定し、その読み書きにメモコン0を指定してRAM0に入力画像データを書込むときには、メモコン0にSIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38が、RAM36又は37(制御情報メモリCM:図8)から読み出した次の設定情報および管理情報を与える;
設定情報
転送モード:上記(TM1)
From:画像ポート0の第1入力ポート
To:RAM0
制御モード:上記(CM1)
管理情報
開始アドレス:(例えば0)
終了アドレス:(例えば2047)
使用モード:バッファメモリ。
【0209】
メモコン0は、これらの情報に基づいて、メモリスイッチSW1のデータセレクタを、メモコン0からRAM0へのデータ書込みに設定して、画像ポート0の第1入力ポートにラスター走査の形態でシリアルに到来する、1ライン(2048個の画素分)の画像データ(1画素の濃度を8ビットで表わす8ビット構成)を、RAM0に書き込む。開始アドレスから終了アドレスまでが、書込指定領域である。
【0210】
このRAM0への書込の後に、1ラインのデータ数より少ない数の所定数毎に画像データをRAM0から読出してSIMD型プロセッサ33のプロセッサエレメントNo.0〜kに入力するときには、メモコン0にSIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38が、最初は、つぎの設定情報および管理情報を与える;
設定情報
転送モード:上記(TM3)
From:RAM0
To:プロセッサエレメントNo.0
制御モード:上記(CM4)
管理情報
開始アドレス:(例えば0)
終了アドレス:(例えば7)
使用モード:バッファメモリ。
【0211】
メモコン0は、これらの情報に基づいて、メモリスイッチSW1のデータセレクタを、RAM0からメモコン0へのデータ読出しに設定して、RAM0の開始アドレス(0)から終了アドレス(7)までの画像データをシリアルに読出してプロセッサエレメントNo.0に入力する。開始アドレスから終了アドレスまでが、読出し指定領域である。グローバルプロセッサ38は、これらのアドレスを順次に所定数(例えば8)を加算した値に更新しかつプロセッサエレメントNo.を1インクレメントすることによって、所定数(8)のブロック区分で、画像データを順次にプロセッサエレメントNo.0〜kに取り込むことができる。なお、制御モードを上記(CM3)としかつ開始アドレスおよび終了アドレスを、1ラインの先頭(0)および最後(2047)としてToを画像ポート4とすれば、RAM0から画像ポート4への1ライン分のシリアル(ラスター走査態様の)出力となる。
【0212】
RAM0からメモコン0を介したSIMD型プロセッサ33への上記ブロック転送を、他のRAMおよびメモコンを用いるブロック転送と組み合わせて実行することにより、SIMD型プロセッサ33は、複数ラインの画像データを読込んで、複数ラインの画像データを並列保持できる。
【0213】
この読込態様は、たとえば各メモリである各RAM(0〜17の1つ)に各メモコンを割当てて各メモコンからプロセッサエレメントPE No.0〜hの全てに各ラインの各画像データを転送する態様である。例えば、第1ラインのNo.0〜hの画素の画像データのそれぞれをPE No.0〜hに与え、第2ラインのNo.0〜hの画素の画像データのそれぞれをPE No.0〜hに与え、そして第3ラインのNo.0〜hの画素の画像データのそれぞれをPE No.0〜hに与える。これによりPE No.0〜hのそれぞれkは、第1〜3ラインの、No.kの画像データ(ライン上同一位置の画像データ:計3個)を保持する。この場合には、PE No.kは、その両側各3個のプロセッサエレメントPE No.(k−3)〜(k−1)および(k+1)〜(k+3)が保持する画像データを参照でき、3×3,3×5,3×7等の画素マトリクスとするパターンマッチングやフィルタ演算をおこなうことができる。PEへの読込ライン数を増やして、4×4,5×5,7×7等の画素マトリクスのマッチングあるいは演算をおこなうことができる。
【0214】
もう1つの態様に、各プロセッサエレメントNo.0〜gに各メモコン(例えば0〜g)を割当てて各メモコンで複数のRAMから順次に、各ラインの各ブロックの画像データ群を読出して各プロセッサエレメントNo.0〜gに転送する態様である。
【0215】
すなわち、バッファメモリ/データ処理器PEG(PE群)間のデータ転送には、各メモリ(RAM0〜17)に各メモコンを割当てる態様と、各プロセッサエレメントPEに各メモコンを割り当てる態様の2通りと、両者の組合わせ、合わせて3態様がある。
【0216】
SIMD型プロセッサ33はその他に、前記設定情報および管理情報を用いて、図9に示すデータの集成/分離を行うことが出来、また、RAM0〜17をLUTにも用いることができる。また、それらのRAMのそれぞれは、1領域をラインバッフアとして画像データの入出力に使用するとともに、他の1領域をLUTとして使用することもできる。ただし、ラインバッフアとLUTに対するアクセスは時分割となる。つまり異なったタイミングでアクセスする。
【0217】
図9の(a),(c)および(d)に示すデータの集成を行うときには、前記設定情報のFromが2箇所となり、制御モードが上記(CM6)の奇数/偶数集成となる。この場合には、この処理が指定されたメモコンは、画素同期パルスとその1/2分周パルスから、奇数画素タイミングと偶数画素タイミングを判定して、奇数画素タイミングではFromの2箇所の一方から、偶数画素タイミングでは他方から画像データを摘出してToに送出する。図9の(b)に示すデータの分離を行うときには、前記設定情報のToが2箇所となり、制御モードが上記(CM7)の奇数/偶数集成となる。この場合には、この処理が指定されたメモコンは、画素同期パルスとその1/2分周パルスから、奇数画素タイミングと偶数画素タイミングを判定して、奇数画素タイミングではFromの画像データをToの2箇所の一方に、偶数画素タイミングでは他方に、画像データを仕分けして送出する。
【0218】
なお、上述の例では、バッファメモリBMの各メモリ(RAM0〜17)の領域指定と機能指定を、図16の(d)に示すように、1領域ごとに、開始アドレス,終了アドレスおよび使用モード(データバッファ/LUT)の各情報を宛てている。すなわち、制御情報データの中のメモリ管理情報を、開始アドレス,終了アドレスおよび使用モードとしている。
【0219】
もう1つの例では、制御情報データの中のメモリ管理情報を、データバッファとは別の機能領域であるLUT領域の開始アドレス,終了アドレス,対応する機能領域を元のデータバッファとするか前記別の機能領域とするかをきめる属性情報とする。例えば、全領域をデータバッファとして使用するメモリ(RAM0〜17)に関しては、使用領域の開始アドレス,終了アドレスがメモリ管理情報に含まれるが、属性情報の欄は、空白(初期化によりクリア状態)となる。一部領域のみ又は全領域をLUT(データバッファとは別の機能)として使用するメモリ(RAM0〜17の1つ)に関しては、使用領域の開始アドレス,終了アドレスおよび機能切換りを示す属性情報の欄がメモリ管理情報に含まれる。1つのメモリ(RAM0〜17の1つ)に、データバッファ領域,LUT領域およびデータバッファ領域をこの順に定めるときには、第1領域のデータバッファ領域の管理情報は、開始アドレス,終了アドレスに有効データがあるが属性情報の欄は空白のものとなり、第2領域のLUT領域の管理情報は、開始アドレス,終了アドレスおよび機能切換りを示す属性情報となり、第3領域の元のデータバッファ領域の管理情報も、開始アドレス,終了アドレスおよび機能切換りを示す属性情報となる。メモコンは、メモリの領域の機能割付けを、先頭はまずデータバッファと仮定して、先頭から、機能切換りを示す属性情報が現れるまでの領域は自動的にデータバッファと定め、初めて機能切換りを示す属性情報が現れた領域をLUT(別の機能)領域と定め、次に機能切換りを示す属性情報が現れるまでの領域は自動的にLUT(別の機能)領域と定めて、機能切換りを示す属性情報が現れた領域は元のデータバッファ機能と定める。
【0220】
図17に、1つのRAM(0〜17)の使用態様の数種を示す。(a)は、1つのRAM(0〜17)(バイト)を、A3サイズの短辺長を1ラインとする画像データの1ライン分のラインバッファメモリ(入力バッファ,中間バッファ又は出力バッファ)として使用する場合の、1つのRAM(0〜17)上のデータ読書き領域を示す。(b)は、A4サイズの短辺長を1ラインとする画像データの2ライン分のラインバッファメモリとして使用する態様を、(c)はA3サイズ用1ライン分のラインバッファメモリおよび1つのLUTに用いる態様を、(d)は1つのLUTとして使用する態様を、(e)は7つのLUTとして使用する態様を示す。(e)の態様は、例えば単色成分用のLUTを7種準備しておいて、像域分離結果に応じてリアルタイムで、或は操作ボードOPB又はパソコンPCからの特性指定に応じて、1つを選択使用する場合に好適である。
【0221】
(f)は、一部のRAM(0〜17)を、HDDから読み出したLUTあるいはSIMD型プロセッサ33で生成したLUTの一時格納用のメモリとして使用する態様である。例えばRGB画像データの各γ変換用の3個のLUT10,LUT11,LUT12をSIMD型プロセッサ33で生成して格納しておき、RGB画像データのγ変換を行うときには、R画像データ用のLUT10を、別の2つのRAM(0〜17)に書込んで、これらを用いて奇数番画素のR画像データの一連と偶数番画素のR画像データの一連の、各画像データを同時に並行してγ変換する。G画像データおよびB画像データについても同様である。
【0222】
図15に示すドット補正LUTの生成(Sd4)、R,G&B各γ変換のLUTの生成(Sd5),IDUγ変換のLUTの生成(Sd6)および像域分離で用いる各種LUTの生成(Sd7)は、図14に示す「システム制御」SCLにおいて、操作ボードOPB又はパソコンPCから、LUTの変更又は調整が指示されたときにも、それに応じたシステムコントローラ106の指示に応じてSIMD型プロセッサ33が起動し、指示に含まれる特性指定データに対応するLUTに、RAM(0〜17)の対応LUTを書き換える。
【0223】
図18に、IPU1のSIMD型プロセッサ33の内部のプログラムRAM36に書込まれた読取処理プログラムに基づいてグローバルプロセッサ38が、プロセッサエレメントPEならびにバッファメモリ装置32を用いて行う像域分離の概要を示す。ここに示す像域分離は、RGB画像データに基づいて、それらのデータが宛てられる画像領域が文字領域(文字や線画の領域)か絵柄領域(写真や絵の領域&文字領域でない領域)かを判定し、文字エッジ領域,文字なか領域あるいは絵柄領域を表すC/P信号および有彩領域/無彩領域を表すB/C信号を発生する。ここで「文字なか」とは、文字エッジの内側すなわち文字線幅内を意味する。この実施例では、C/P信号およびB/C信号を併せて3ビットの信号の組み合わせが像域データFdである;
C/P信号:2ビット信号であり、3を意味する2ビット「11」が
文字エッジ領域を示し、1を意味する2ビット「01」が
文字なか領域を示し、0を意味する2ビット「00」が
絵柄領域を示す;
B/C信号:1ビット信号であり、H(「1」)が無彩領域を示し、
L(「0」)が有彩領域を示す。
【0224】
像域分離は、大別すると、MTF補正321,エッジ分離322,白背景分離323,網点分離324,色相分割325a,色判定325bおよび総合判定326からなる。なお、ここでは、スキャナSCRの読取ユニット21による画像読取り密度は、600dpi程度である。
【0225】
MTF補正321は、主に文字のエッジの抽出ために、読取ユニット21が発生するG画像データを補正する。ここで、読取ユニット21で読み取ったデータは、レンズなどの性能でボケていることがあるので、エッジ強調フィルタをかける。この実施例では、MTF補正321の画素マトリクスを、主走査方向xの画素数7×副走査方向yの画素数5として、画素マトリクス上の各画素宛てに各重み付け係数a1〜a7,b1〜b7,c1〜c7,d1〜d7,e1〜e7を宛てた係数グループ(係数マトリクス)が、データRAM37にある。係数マトリクスの第3行c1〜c7の中央の画素即ち注目画素の係数がc4である。係数マトリクスの各係数に、それに宛てられる画素の画像データが表す値を乗算した積(総計7×5=35個)の総和(積和値)が、注目画素(c4が宛てられた画素)の、MTF補正321で処理した画像データ値として、エッジ分離322,白背景分離323および網点分離323に与える。ここで注目画素とは、現在処理対象の画素であり、それが順次にx方向にそしてy方向に位置が異なるものに更新される。
【0226】
−エッジ分離322−
文字領域は、高レベル濃度の画素と低レベル濃度の画素(以下、黒画素、白画素と呼ぶ)が多く、かつ、エッジ部分では、これらの黒画素及び白画素が連続している。エッジ分離322は、このような黒画素及び白画素それぞれの連続性に基づいて文字エッジを検出する。先ず、3値化で、2種の閾値TH1およびTH2を用いて、MTF補正した画像データを3値化する。閾値TH1およびTH2は、例えば、画像データが0から255までの256階調(0=白)を表す場合、例えばTH1=20、TH2=80に設定している。3値化では、入力データ<TH1であると、該データが宛てられる画素を白画素と、TH1≦入力データ<TH2であると中間調画素と、TH2≦入力データであると黒画素と、表す2ビット構成の3値化データに入力データを変換する。更に、G画像データに基づいて、黒画素が連続する箇所および白画素が連続する箇所を、それぞれパターンマッチングにより検出する。
【0227】
ここで黒画素連続検出に用いる参照パターンの代表例が、図21の(a)に示す3×3画素マトリクスBPa〜BPdであり、何れも、少なくとも注目画素(中心画素)を含む縦(y),横(x)および斜め方向に並んだ3画素の画素情報データが「1」であるものであり、この条件を満たす他の全てのパターン(BPa〜BPdの空白升目のいずれかも「1」)も、黒画素連続検出に用いる参照パターンである。以下においては、これらの参照パターン群を、黒画素連続検出用参照パターン群という。
【0228】
白画素連続検出に用いる参照パターンの代表例が、図21の(a)に示す3×3画素マトリクスWPa〜WPdであり、何れも、少なくとも注目画素を含む縦(y),横(x)および斜め方向に並んだ3画素の画素情報データが「0」であるものであり、この条件を満たす他の全てのパターン(WPa〜WPdの空白升目のいずれかも「0」)も、白画素連続検出に用いる参照パターンである。以下においては、これらの参照パターン群を、白画素連続検出用参照パターン群という。
【0229】
なお、図21の(a)に示す参照パターンにおいて、黒丸はそれがある画素の画素情報データ(2値データ)が「1」(画像成分あり)であることを意味し、白丸はそれがある画素の画素情報データが「0」(画像成分なし)であることを意味する。3×3画素マトリクスの中心の画素が注目画素である。
【0230】
黒画素連続/白画素連続のためのパターンマッチング判定では、注目画素を中心とする3×3画素マトリクスのG画像データ群(図21の(b)のA〜I)が、黒画素連続検出用参照パターン群および白画素連続検出用参照パターン群のいずれかに合致するかを、参照パターンを切換えてチェックし、合致する参照パターンがあると、該注目画素に、合致したパターンNo.データを与える。
【0231】
このパターンマッチングを行うために、データRAM37には上述の黒画素連続検出用参照パターン群および白画素連続検出用参照パターン群の参照データ群がある。1つのパターンの参照データは、1つの参照パターン画素情報データ群(9ビット)をシリアルに配列して2バイトデータとしたものである。たとえば図21の(c)に示す形態の2バイトデータであって、ここでは、画素情報データ群a〜iが、1つの参照パターン(例えばBPa)のものである。すなわちこの実施例では、a=8,c,d=3,e=2、である。
【0232】
図19に、SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38が行う、1ページ上の各画素を中心とする画素マトリクスが参照マトリクスに合致するかの判定制御すなわちマッチング制御MaC、の内容を示す。
【0233】
なお、例えば図21の(a)の3×3マトリクスパターンに対するパターンマッチングのときには、SIMD型プロセッサ33がバッファメモリ装置32のRAM6〜8を、3ラインのG画像データ格納用の入力ラインバッファに定め、かつRAM11を、3ラインの中の真中のライン(RAM7)の各画素宛てに、それを中心とする3×3画素マトリクスの画素情報データ群が、参照パターン(参照データ)と合致するか否を表す判定データ(10進数表現で0:合致する参照パターンなし。1〜b:合致した参照パターンNo.)を書込むための、判定結果格納用のラインバッファに定める。
【0234】
ところでこの実施例では、SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38は、1ラインの画像データのシェーディング補正を終えると、該ラインの像域分離を開始し、像域分離において図21の(a)の3×3マトリクスパターンに対するパターンマッチングを行うときには、このパターンマッチング直前までの処理を終えたG画像データを、メモコン6を介してRAM6に書き込み、1ライン分の書込を終える度に、RAM7のG画像データを注目画素データとするパターンマッチングを行う。
【0235】
したがってこのパターンマッチングも1ライン毎に、ライン間では他の処理を行いながら実行するが、図19には、1頁の画像データに対するパターンマッチング処理のみを抜き出してまとめて示した。実際には、図19のステップ3に示す、1ラインの画像データのRAM6への書込みは、このパターンマッチング直前までの処理を終えたG画像データのRAM6への書込を意味し、1ライン分の書込が完了するたびに、グローバルプロセッサ38は、ステップ3から4に進む。1ライン分の書込みの途中ではグローバルプロセッサ38の「マッチング制御」MaCはステップ3にとどまり、グローバルプロセッサ38は、マッチング処理より先行の他の処理を、画像データに施す。
【0236】
図19を参照すると、SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38は、「マッチング制御」MaCに進むと最初に、その内部のA+2個(例えば320個)のプロセッサエレメントの内部の各RAM(図7の(b)に示す)の処理プログラム格納領域に、データRAM37にある「マッチング」処理プログラムを書込む。
【0237】
そしてグローバルプロセッサ38は、ラインNo.レジスタjのデータを0に初期化して(1)、メモコン6を用いて第1ラインのG画像データをRAM6に書込み、1ライン分の書込みが完了すると(2)、ラインNo.レジスタjのデータを1インクレメントして(3)、まだRAM7(注目画素書込みメモリ)にデータがないので(4)、メモコン8を用いてRAM7のデータをRAM8に、次にメモコン7を用いてRAM6のデータをRAM7に書込む。すなわち3ラインバッフアメモリ間のデータシフトを行う(5)。そして、次ラインのG画像データをRAM6に書込む(2)。
【0238】
データシフト(5)において、RAM6から読み出した1ラインデータをRAM7に書込むメモコン7は、この書込みのときに1ラインの画像データの高濃度ピーク値Dhpを検出し、該1ラインの画像データをRAM7に書込みが完了すると、メモコン7は検出したピーク値Dhpを濃度閾値Dth1,Dth2と比較して、ピーク値がDth1以下の低濃度か、Dth1以上Dth2未満の標準濃度か、あるいはDth2以上の高濃度かを判別して、判別情報を保持する。データシフト(5)においてRAM6から読み出した1ラインデータをRAM7に書込む度にメモコン7はこのピーク値検出および判別をして、自己が保持する判別情報を更新する。
【0239】
第1ラインのG画像データをRAM7に、第2ラインのG画像データをRAM6に書込むと、プロセッサ38は、メモコン7に上記判別情報の転送を指示して、それを受けると、判別情報が「低濃度」を示すものであると、データRAM37にある画像データ2値化のための閾値群Th1(Th11,Th12,Th13)の中の低値Th11を読出して、各プロセッサエレメントの内部RAMの閾値格納領域に書込む(6)。しかし、判別情報が「標準濃度」を示すものであった場合にはデータRAM37にある閾値群Th1(Th11,Th12,Th13)の中の標準値Th12を読出して、各プロセッサエレメントの内部RAMの閾値格納領域に書込み、判別情報が「高濃度」を示すものであった場合にはデータRAM37にある閾値群Th1(Th11,Th12,Th13)の中の高値Th13を読出して、各プロセッサエレメントの内部RAMの閾値格納領域に書込む。
【0240】
Th11<Th12<Th13であり、これらの閾値群(Th11,Th12,Th13)の値は、多値階調データのビット幅(12ビット,10ビット,8ビット,6ビット等)に対応して、設計上定められているものである。大略で言うと、閾値群(Th11,Th12,Th13)の値は、閾値中央値を表わすTh12が、パターンマッチングの対象とする多値階調データが表し得る最大値の略1/2の値に定められる。
【0241】
図19および図20には、各プロセッサエレメントの内部RAMの閾値格納領域に書込んだ閾値(Th11,Th12,Th13のいずれか)をTh1と表した。
【0242】
次に、プロセッサ38は、RAM7の第1〜A画素アドレスを注目画素アドレスに定めて(7)、各注目画素アドレスを中心とする3×3(c×d)マトリクスに含まれる画像データをRAM8〜7から読み出して、SIMD型プロセッサ33のプロセッサエレメントPE No.1〜(A+1)の内部RAMに書込む(8)。すなわち、第1ラインの第1〜(A+1)画素の画像データ(例えば図24のa1,A(=a2),B(=a3),C(=a4),a5,・・・)をそれぞれプロセッサエレメントPE No.1〜(A+1)のそれぞれの内部RAMの画像データ書込領域RAM−A0に書込み、第2ラインの第1〜(A+1)画素の画像データ(例えば図24のb1,A(=b2),B(=b3),C(=b4),b5,・・・)をそれぞれプロセッサエレメントPE No.1〜(A+1)のそれぞれの内部RAMの画像データ書込領域RAM−A0に書込み、そして、第3ラインの第1〜(A+1)画素の画像データ(例えば図24のc1,A(=c2),B(=c3),C(=c4),c5,・・・)をそれぞれプロセッサエレメントPE No.1〜(A+1)のそれぞれの内部RAMの画像データ書込領域RAM−A0に書込む。
【0243】
ここでは、第1行(ライン)の画像データをメモコン8を用いてRAM8から読出して、A+1個のPE No.1〜(A+1)に書込み、第2行の画像データをメモコン7を用いてRAM7から読出してPE No.1〜(A+1)に書込み、更に、第3行の画像データをメモコン6を用いてRAM6から読出してPE No.1〜(A+1)に書込む。なお、RAM8〜6に該当アドレスが無いマトリクス上画素位置には、濃度0を示す画像データを与える。また、該当アドレスがある場合でも、まだG画像データが書き込まれていないときには、それに濃度0を示す画像データを与える。ライン先頭の第1〜(A+1)画素(第1ブロック)の画像データの、同一ライン上の次のブロックの画像データを与えるときには、第A〜(2A+2)画素(第2ブロック)の画像データのそれぞれを、プロセッサエレメントPE No.0〜A+1のそれぞれに書込む。一ライン上の第2ブロック以降のブロック単位の画像データ転送では、先のブロックの判定結果を出した最後尾の画像データを先頭とし、その次A+1個の画像データ(合計A+2個)が、1ブロックとして、PEGに転送されて、該ブロック内の各画像データがPE No.0〜(A+1)のそれぞれに書き込まれる。しかし、パターンマッチングにより注目画素あての判定結果を出力するプロセッサエレメントPEは、PE No.1〜AのA個である。
【0244】
次にグローバルプロセッサ38は、参照データ指定情報iを1(参照データNo.1の指定)に初期化する(9a)。そしてデータRAM37から参照データNo.i(i=1では第1データ:R11,第2データR21)を読出して、プロセッサエレメントNo.1〜Aの内部RAMの参照データ書込領域RAM−A6,RAM−A7(図24)に書込む(9b)。そしてA個のプロセッサエレメントPE No.1〜Aに「マッチング」を指令する(9c)。これに応答してA個のプロセッサエレメントPE No.1〜Aがそれぞれ、その内部RAMにある「マッチング」処理プログラムにしたがって、図20に示す「マッチング」(パターン比較処理)を実行して、それぞれに与えられているマトリクス画像データ群が表す画像パターンが、参照パターンNo.1に合致するかを判定し、判定結果を表すデータ(合致した:「1」/不一致:「0」)を、flagレジスタ(図23上のF;図22ではflag)に書込む。なお、図20に示す「マッチング」の内容は後述する。
【0245】
再度図19を参照すると、グローバルプロセッサ38は、A個のプロセッサエレメントPE No.1〜(A+1)の上記判定データを読んで、あるプロセッサエレメントの判定データが「1」であると、RAM11上の、該プロセッサエレメント(注目画素位置)に割り当てられたアドレスに、i(合致パターンがNo.i)を書込む(10)。
【0246】
次に、参照データ1〜bの全てに対して上述のステップ9c,10のマッチングを完了したかをチエックして(11a)、完了していないと、次の参照データを特定して(11b)、ステップ9c,10のマッチングを行う。
【0247】
以上に説明した、RAM8〜6からA+2個のプロセッサエレメントPE No.0〜(A+1)へのマトリクス画像データ群の転送と、各エレメント PE No.1〜Aの判定データのRAM11への書込みを、RAM8〜6の読出しアドレスを順次に変更してラインエンドになるまで繰り返し実行する(7〜11c)。
【0248】
1ラインの全画素を注目画素とする上述のマッチング制御が終わるとグローバルプロセッサ38は、RAM11の判定データを、それを用いる次の処理で使用するバッフアメモリ(RAM0〜5,RAM12〜15のいずれか)に転送する(12)。あるいは、ここで判定データを用いる次の処理を開始する。この場合には、次の処理が1ライン分について終了してから、次のステップ13に進む。
【0249】
次にグローバルプロセッサ38は、頁エンドになっていないと、1ライン分のデータシフト(5)を行い、次の1ラインのG画像データのRAM6への書込みを行う。その後の処理は、上述の通りである。頁エンドになるとグローバルプロセッサ38は、「マッチング制御」MaCを終了する。
【0250】
図20を参照する。各プロセッサエレメントPE No.k(例えばPE No.3:図24)は、グローバルプロセッサ38の「マッチング」指令に応答して、まずその内部RAMの閾値書込領域RAM−A3にある閾値を用いて、内部RAMの画像データ書込領域RAM−A1にある自己宛ての注目画素(図24のE=b3)を中心とする3×3画素マトリクスの画像データ群A〜Iを、閾値Th1で2値化して、画素情報データ群すなわち対象2値データ群a〜iを生成して、図21の(c)に示すように、8個の対象2値データa〜hを第1バイト(T1=T1k)とし、残りの対象2値データiを第2バイト(T2=T2k)の1ビットとし他の7ビットを画像成分なしを表す「0」として、2バイトの対象データ(T1k,T2k)とする(21〜29)。
【0251】
そして、前記2バイトの対象データ(T1k,T2k)が、グローバルプロセッサ38が書込んだ、内部RAMの参照データ格納領域RAM−A6,RAM−A7の参照データiの2バイトR1i,R2i(図24)と合致するかを判定する。この判定では、対象データと参照データの第1バイトデータどうし(T1k,R1i)が合致するか判定し(30)、合致すると次は第2バイトどうし(T2k,R2i)が合致するかを判定して(31)これも合致すると、対象マトリクスは参照パターンNo.iに合致するとして、フラグレジスタflagに「1」を書込む(32)。第1バイトデータ又は第2バイトデータが不一致であると、プロセッサエレメントPE No.kは、フラグレジスタflagに「0」を書込む(33)。フラグレジスタflagのデータは、グローバルプロセッサ38が、前述の図19のステップ10で読込む。
【0252】
以上に説明したパターンマッチングでは、1画素マトリクスc×d(上記例では3×3=9画素)の各8ビット構成の各画像データを2値化した対象2値データ群でなる対象データ(2バイトデータ)につき、一個のプロセッサエレメントPEが、グローバルプロセッサ38が図19に示すステップ9bで与えた参照パターンNo.i(1〜bのいずれか)と同じかの判定をして判定結果を得る。この判定がバイトデータの比較(T1k対R1i,T2k対R2i)によるものであるので、判定速度が速い。さらには、これをA個のプロセッサエレメントが上述の合否判定を並行して同時に行うので、A個の画素マトリクスのパターンマッチングが同時に完了し、パターンマッチング判定が高速である。
【0253】
図22,図23および図24を参照して、以上に説明した「マッチング」における、プロセッサエレメントPEの内部RAM上のデータ配置とデータ処理を説明する。図22は主に画像処理ユニットIPU1内のデータの流れを示し、図23はデータ処理器PEG内のプロセッサエレメントPE間のデータルートを示す。図24は、3×3画素マトリクスのパターンマッチングを実施する場合の、マッチングに使用するPEの内部RAMの画像データ格納領域RAM−A0〜A2の画像データの分布と、その他のデータの分布を示す。
【0254】
RAM−A0,RAM−A1,RAM−A2は画像データ群を格納する領域で、バッファメモリBMに蓄積された多値の階調を持つ2次元マトリックス形式の画像データ群を格納するプロセッサエレメント内部RAM上の領域である。図24は、第1ラインの先頭ブロックの画像データa1,a2(A),a3(B),a4(C),a5,・・・、第2ラインの先頭ブロックの画像データb1,b2(D),b3(E),b4(F),b5,・・・、および、第3ラインの先頭ブロックの画像データc1,c2(G),c3(H),c4(I),c5,・・・をプロセッサエレメントPE群に書込んだ状態を示す。
【0255】
RAM−A3は2値化用の閾値Th1を格納する領域、RAM−A4およびRAM−A5は、各注目画素を中心とする3×3画素マトリクスの画像データ群を閾値Th1で2値化してシリアル配列で各2バイトに整形した各対象データ(T10,T20)〜(T1A,T2A)、一般化して(T1k,T2k);kはプロセッサエレメントPEのNo.、を格納する領域である。
【0256】
RAM−A6およびRAM−A7は、参照パターンのデータすなわち参照データi(R1i,R2i)を格納する領域で、参照すべきパターンiが1〜bの場合、そこには、参照データ1〜bのそれぞれが、順次に更新書き込みされる。
【0257】
上述の閾値Th1は、画像データのビット幅(階調数)に対応して定められた閾値群(Th11,Th12,Th13)の中から、画像データの1ライン上濃度ピーク値にあわせて、濃度ピーク値が低濃度であると低値Th11が、中濃度であると標準値(中値)Th12が、高濃度であると高値Th13が宛てられるものであり、プログラムRAM36のマッチング処理プログラムによって定まっている。マッチング処理プログラム上に閾値群(Th11,Th12,Th13)を書き込んでおくこともできるが、本実施例では、マッチング処理プログラムでデータRAM37上の閾値群の1つを指定して読み出すようにしている。
【0258】
なお、コマンドによって文字適応処理/写真適応処理を指定し、あるいは、画像データが文字領域のものか写真領域のものかを表す像域分離データ(像域判定データ)に基づいて処理を切換えるときには、閾値Th1もあわせて切り換えることもある。この場合にはグローバルプロセッサ38が、システムコントローラ106からの指定又は像域分離データに基づいて、文字指定のときには文字処理用の閾値を、写真指定のときには写真処理用の閾値を、上述の閾値Th1に設定する。
【0259】
参照データ(1〜b)は、1つの参照データとのマッチングが全プロセッサエレメントで行われると次の参照データを全プロセッサエレメントに与える形で、グローバルプロセッサ38が、1つ(2バイト)づつ全プロセッサエレメントに順次に与える。
【0260】
上述の、9つの画像データからなる2次元マトリックス形式の画像データ群A〜I(図24)の、1つのプロセッサPE No.kによるパターンマッチングでは、まずPE No.kがその左隣のプロセッサエレメントPE No.k−1が保持する3画素の画像データA,D,G、自己(PE No.k)が保持する3画素の画像データB,E,H、および、右隣のプロセッサエレメントPE No.k+1が保持する3画素の画像データC,F,I、のそれぞれを2値化する(図20の21〜29)。左隣の3画素の画像データA,D,Gおよび右隣の3画素の画像データC,F,Iは、図23に「7 to 1」と表記したデータセレクタを用いて取り込む。
【0261】
1つのプロセッサPE No.kで、閾値Th1で2値化された対象2値データ群a〜iの中のa〜hまでの8画素の2値データは、図24に示すRAM−A4の8ビットデータ書込み領域の第1データ(T1k,k=3)として書き込まれる。このT1kは、図21の(c)の第1データ(T1)に該当するものである。対象2値データ群a〜iの中の残りのiである1画素の2値データは、図24に示すRAM−A5の8ビットデータ書込み領域の第2データ(T2k)として書き込まれる。このT1kは、図21の(c)の第2データ(T2)に該当するものである。
【0262】
パターンマッチングは通常,1画素を白(たとえば「0」)もしくは黒(「1」)という2つのシンボル情報のいずれか(2値データ)にした後にマッチング処理を行う。よって、画素マトリクスの画像データ群A〜Iを多値(実施例では8で表わす256階調)で保存しておけば、パターンマッチング精度を高くできる。例えば、通常であれば256階調データの場合には、128と言う中心階調値を閾値として白および黒として判断をするが,この閾値の値を操作することにより,より白が登場しやすい,もしくはその逆の2値化もできる。この特徴を利用すれば同じパターンマッチングでも,よりマッチングしやすい,もしくは,その逆にすることが可能になり、パターンマッチングの応用範囲を広げることができる。また、比較対象の画像データが処理によって階調が異なる場合(256階調、128階調、64階調など)でも、閾値を自由に変更又は選択することで,色々な種類のデータにも柔軟に対応可能となる。
【0263】
1つの閾値のみを用いる2値化を採用する場合には、原画像の全体としての濃度が濃い,薄いなどにより対象データが変わって合致パターンを見落す可能性があるが、数種の閾値のそれぞれで同一の画像データ群を2値化して各閾値対応のデータが参照データと合致するかを判定することにより、合致パターンを見落す可能性が低減する。すなわちパターンマッチングの精度があがる。
【0264】
図25には、メモコンのエッジ/非エッジ領域判定のデータ処理FEDを示す。図26の(a)には、このエッジ/非エッジ領域判定のときの、メモコンの内部フィードバックループを示す。図26の(a)に示すメモコンMECは、この実施例では、図5に示すメモコン0〜19から選択した6個のメモコンの集合であるが、処理速度が遅くても良い場合には、1個のメモコンであっても良い。図26の(a)に、LUT,a〜eとして示すRAM 8kは、図5に示すRAM0〜15から選択したものであり、図26の(a)に示すメモリSWは図5に示すメモリスイッチSW1〜SW3の中の、上記選択したメモコンおよびRAMが接続しているものである。
【0265】
先に説明した黒画素,白画素連続検出の次にSIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38は、データRAM37のエッジ/非エッジ領域判定用LUTを読出してメモコンMECを介してRAM 8Kに転送する。このRAM 8Kをここで、エッジ/非エッジ判定用のRAM 8K(LUT)と表現する。メモコンMECは、SIMD型プロセッサ33が与えるLUTアドレスLad(変換対象入力データ)を入力レジスタ75に受けてマルチプレクサ76および出力レジスタ72ならびにメモリSWを介して、RAM 8K(LUT)のアドレスラインに与え、SIMD型プロセッサ33が与えるLUTの記憶データ(変換出力データ)を入出力レジスタ74に受けて入出力レジスタ73およびメモリSWを介して、RAM 8K(LUT)のデータラインに与える。すなわちRAM 8K(LUT)に書込む。
【0266】
グローバルプロセッサ38は、このRAM 8K(LUT)およびメモコンMECを用いて上述の黒画素連続検出および白画素連続検出の検出結果について、注目画素の近傍に黒連続画素又は白連続画素があるか否かを調べることにより、該注目画素が、エッジ領域と非エッジ領域のいずれにあるかを判定する。
【0267】
より具体的に述べれば、本実施例にあっては、5×5画素マトリクスのブロックで、その内部に黒連続画素と白連続画素がそれぞれ1つ以上存在するときに、そのブロックをエッジ領域と判定してマトリクスの中心画素である注目画素に「エッジ領域」との情報を与え、そうでないときに、そのブロックを非エッジ領域と判定し該注目画素に「非エッジ領域」との情報を与える。
【0268】
図25を参照する。メモコンMECは、SIMD型プロセッサ33の指示に従い、図26の(a)に示すように、バッファメモリ装置32にLUT(RAM 8K(LUT))と5ライン分以上のラインメモリ(RAM 8K(LINE))を定めて(fe1)、5ライン分以上の、上述の黒画素連続/白画素連続検出の検出結果を蓄積して、5ラインの真中の第3ラインを注目ラインとして、そのライン上の各画素を順次に注目画素とする(fe2)。
【0269】
メモコンMECは、注目画素を中心とする5×5画素マトリクスの上述の検出結果を、読み出しアドレスPadをマルチプレクサ77,出力レジスタ72およびメモリSWを介してラインメモリRAM 8K(LINE)のアドレスラインに与えることにより、入出力レジスタ71を介して5画素の列単位で順次に取込んで、5×5画素マトリクス上に黒連続画素と白連続画素がそれぞれ1つ以上存在するときに、注目画素をエッジ領域と判定してエッジ/非エッジ情報edsを発生する(fe3〜fe6)。
【0270】
注目画素のこのエッジ/非エッジ情報eds,主走査x方向で1画素分先行する画素すなわち先行画素の確定エッジ/非エッジ情報Edp(メモコンの入出力レジスタ74のデータ)、及び、注目画素の画像処理データである、前記黒画素連続/白画素連続検出の検出結果Tpd、の3者をマルチプレクサ75,76および出力レジスタ72を介してRAM 8K(LUT)にLUTのアクセスアドレスとして与えて(fe7)、それら3者の組み合わせに対応する確定エッジ/非エッジ情報Edsをエッジ判定用RAM 8K(LUT)から読み出して(fe8)、メモコン内部の出力レジスタ74に書込んでSIMD型プロセッサ33に出力する(fe9,fe10)。そして1ライン上の全画素に関して上述のエッジ/非エッジの判定が完了したかをチェックして(fe11)、完了していないと、同一ライン上の次の画素に注目画素を移して、上述のステップfe3以下のパターン比較を同様に実行する。
【0271】
先行画素の確定エッジ/非エッジ情報Edpがフィードバック情報である。RAM 8K(LUT)のエッジ/非エッジ判定の大要は、注目画素のエッジ/非エッジ情報edsがエッジ(注目画素を中心とする5×5画素マトリクス上に黒連続画素と白連続画素がそれぞれ1つ以上存在)を示すときには、確定エッジ/非エッジ情報Edsをエッジとし、edsが非エッジであると、先行画素の確定エッジ/非エッジ情報Edpがエッジで、しかも注目画素の前記黒画素連続/白画素連続検出の検出結果Tpdが「黒画素連続」又は「白画素連続」であると確定エッジ/非エッジ情報Edsをエッジとし、Tpdが何れでもないと確定エッジ/非エッジ情報Edsを非エッジとするものである。先行画素の確定エッジ/非エッジ情報Edsが非エッジである場合には、Tpdが「黒画素連続」のときのみ確定エッジ/非エッジ情報Edsをエッジとし、他のときは非エッジとする。
【0272】
この先行画素の確定エッジ/非エッジ情報Edpのフィードバックと、注目画素の前記黒画素連続/白画素連続検出の検出結果Tpdが「黒画素連続」又は「白画素連続」であるかの参照を、エッジ/非エッジ判定用LUTに加えたことにより、エッジ/非エッジ間の切替わりが短いピッチで頻繁に起こる振動が抑制され、エッジ/非エッジの検出の信頼性が高い。
【0273】
なお、メモコン内部のマルチプレクサ75,76を使用するフィードバックLUT処理は、図26の(a)に示し上述したように数個のRAM 8K(LINE)からメモコンにデータを取り込んでそれに基づいてLUTアクセスデータ(入力データ)を生成してLUTにアクセスするばかりでなく、SIMD型プロセッサ33から一組以上のデータをメモコンに与えてLUTアクセスデータを生成することもできる。
【0274】
図26の(b)に、この態様を、上述のエッジ/非エッジ判定に適用した形での、メモコン内部のデータフィードバックループを示す。この態様では、図26の(b)には図示しない5個のRAM 8K(LINE)から、他のメモコンがSIMD型プロセッサ33に、5×5画素マトリクスの黒画素連続/白画素連続検出の検出結果を与え、プロセッサ33が5×5画素マトリクス上に黒連続画素と白連続画素がそれぞれ1つ以上存在するときに、注目画素をエッジ領域と判定して、注目画素のこのエッジ/非エッジ情報eds、及び、注目画素の前記黒画素連続/白画素連続検出の検出結果Tpd、を図26の(b)に示すメモコンに与え、このメモコンがこれらをマルチプレクサ76を介して、出力レジスタ72に、先行画素の確定エッジ/非エッジ情報Edpと共に書込んで、RAM 8K(LUT)に出力する。このフィードバックLUT処理を利用することにより、SIMD型プロセッサ33の状態遷移処理能力が向上する。
【0275】
−孤立点除去(図18)−
さらに、文字エッジは連続して存在するので、孤立点除去にて孤立しているエッジを非エッジ領域に補正する。そして、エッジ領域と判定した画素に対して”1”(エッジ領域)なるedge情報を与え、非エッジ領域と判定した画素に対応して”0”(非エッジ領域)なるedge情報を与える。
【0276】
−白背景分離323(図18)−
白背景分離323では、RGB白抽出,白判定,白パターンマッチング,黒判定,黒パターンマッチングおよび白補正等を行う。パターンマッチングでは、前述の、パターンマトリクスのデータをメモコンで1列に配列して、複数のプロセッサエレメントPEで同時に参照パターンのシリアルデータと比較して、一気に1マトリクスのマッチング(パターンが一致しているかの判定)を行う。
【0277】
RGB白地検出では、R,G,B画像データで白地領域を検出することにより、白背景分離の動作をアクティブにする。すなわち白背景分離の処理を起動する。具体的には、3×3画素マトリックスのR,G,B画像データのすべてが閾値thwssより小さければ、注目画素(3×3画素マトリックスの中心画素)が白領域と判定して白パターンマッチングをアクティブにする。これは、ある程度の広がりの白画素領域があるかを検出するものである。
【0278】
次に、黄色地を白背景としないために、仮想白画素を定める。ここでは注目画素を中心とする5×5画素マトリックスのどこかに、閾値thwc以下のB画像データが存在すれば、注目画素を仮想白画素とする。特に、B画像データのみで見ているのは、後述の白判定が、G画像データのみに基づいて判定を行っているので、G画像データでは検出できないYをB画像データにて検出する。
【0279】
次に、谷白画素検出で、上記RGB白地検出で検出できない小さな白領域の谷白画素を、図27の(b)に示すG画像データの5×5画素マトリクス分布RDPaおよびRDPbに基づいて検出する。具体的には、5×5画素マトリクス分布RDPaの、黒丸を付した画素群の中の最低濃度minyを摘出する。そして、5×5画素マトリクス分布RDPaの、白丸を付した画素群の中の最高濃度maxyを摘出する。次に、もう1つの5×5画素マトリクス分布RDPbの、黒丸を付した画素群の中の最低濃度mintを摘出する。そして、5×5画素マトリクス分布RDPbの、白丸を付した画素群の中の最高濃度maxtを摘出する。次に、(miny-maxy)と(mint-maxt)のうち、正値であって大きいほうの値を谷検出値OUTとし、このOUTの値がある閾値以上であると、注目画素(RDPaまたはRDPbの中心画素)を谷白画素と検出する。このように画像の谷状態を検出して、RGB白地検出では、検出しにくいところを補う。
【0280】
−白判定−
白判定にもちいる状態変数MS,SS[I]を生成し更新する。ここで、状態変数MSは処理対象ライン(注目ライン)の画素宛てのもの、状態変数SS[I]は処理対象ラインの1ライン前(処理済ライン)の画素宛てのものであり、いずれも白地の白の程度を表す4bitの白地情報である。状態変数MSおよびSS[I]が表す値の最高値は15に定めており、これが最も白い程度を意味し、最低値は0である。すなわち状態変数MSおよびSS[I]は、白の程度を示すデータであり、それが表す値が大きいほど、強い白を意味する。処理開始時に、状態変数MSおよびSS[I]は共に0に初期化する。
【0281】
そして、1ライン前かつ注目画素の主走査位置より前の白地情報SSを、注目画素の白地情報MSをそれから主走査方向xの1画素の位置ずれにつき1の低減率で下げた値に更新し、注目画素の白地情報を1ライン前の主走査方向xで主走査の後方に、前記低減率で伝搬させる(白伝搬処理)。但しこれは、1ライン前の白地情報のほうが小さい値である場合である。例えば1ライン前の画素が、RGB白地検出で白地(白領域)と検出したものであるときにはそれの白地情報は15であって最高値であるので書換えは行わない。
上述の、1ライン前の白地情報SSの白伝搬処理においては、1ライン前の白地情報SSをRAM 8Kに保持して、図26の(b)に示すように、メモコン内にフィードバックループを形成して、該RAM 8K(図26の(b)上のRAM 8K(LUT)に置き変わったもの)から読み出したデータ(Edp)と、SIMD型プロセッサ33が算出しメモコンに与える白伝搬処理値データの一方を、プロセッサ33の選択指定に応じてマルチプレクサ76,77で選択して、前記RAM 8Kの、読み出したデータ(Edp)のアドレスに再度書き込む。
【0282】
注目画素を更新してそれが白地でないものになると、注目画素が、仮想白画素かつ白地情報MSが閾値thw1(13)以上、である時に、注目画素宛ての白地情報MSを+1する。すなわち、1だけ白程度が強い値に更新する。白地情報MSの最高値maxは15に定めており、15を超える時には15にとどめる。この経路を進んできたときにも、前述の、白伝搬処理を行う。
【0283】
注目画素が仮想白画素かつ白地情報MSがthw1(13)未満、thw2(1)以上、かつ、谷白画素である時に、状態変数MSをそのままの値に保持する。この経路を進んできたときにも、前述の、白伝搬処理を行う。
【0284】
上記条件のいずれにも一致しないときは、注目画素の白地情報MSをー1する。すなわち白程度が1だけ弱い白地情報に更新する。白地情報MSの最低値MINは0であり、0未満になる時には0にとどめる。この経路を進んできたときにも、前述の、白伝搬処理を行う。
【0285】
−網点分離324(図18)−
G画像データを用いて、所定の大きさの二次元局所領域内の画素濃度情報から、網点ドットの一部を形成する画素(網点ピーク画素と呼ぶ)を検出する。局所領域に関して、次の二つの条件が同時に成立するときに、領域の中心画素を網点ピーク画素として検出する:
条件1:中心画素の濃度レベルが局所領域内で最大(山ピーク)または最小(谷ピーク)である;
条件2:中心画素に対し点対称関係にある全ての画素のペアについて、画素ペアの濃度レベルの平均と中心画素の濃度レベルとの差の絶対値が、閾値Th以上である。
【0286】
山と谷の網点ピーク画素を、所定の大きさの二次元の小領域毎に計数し、山と谷の網点ピーク画素の合計を小領域の計数値Pとする。この計数値Pが閾値Pthより大きいときに、小領域の全画素(あるいは画素単位の処理の場合、小領域の中心画素のみ)を網点領域と判定する。
【0287】
この小領域の網点領域か否かの判定においても、前記エッジ/非エッジ判定のときと同様に、図26の(a)あるいは図26の(b)に示すメモコン内フィードバックループを用いて、先行画素の確定網点/非網点のフィードバックと、注目画素が網点山ピーク,網点谷ピークか否の検出結果を網点/非網点判定用LUTに加えて、網点/非網点間の切替わりが単ピッチで頻繁に起こる振動を抑制し、網点/非網点検出の信頼性を高くしている。
【0288】
−7値化325a(図18)−
入力データR,G,Bを、c,m,yおよび色判定用w(白)の信号に変換する。色相分割の例としては、それぞれの色の境界を求め、1画素内のR,G,Bそれぞれの画像データの最大値と最小値の差をRGB差と定義して、色相空間を7領域に区画し、入力データがどの領域かを判定する。出力信号は、c,m,yに各1ビットの3ビットデータと、さらに、色判定用色画素検出のwの1ビットである。ここで色相毎に閾値をかえているのは、色相領域毎に、有彩範囲が異なる時に色相領域に応じた閾値を決定する。この色相分割は、一例であって、どんな式を使用してもよい。色相分割325aの出力c,m,y,wは、バッフアメモリ装置32に5ライン蓄え、色画素判定に用いる。
【0289】
そして、色画素用w画素が存在する時は、その画素のc=m=y=0に補正する。この補正により、注目画素を中心とする5×5画素マトリクスの白レベルが大きくなる。次に注目画素が、色相分割で得たc,m,yの全てが1(c=m=y=1)または全てが0(c=m=y=0)以外の画素(色画素)であるかを、該5×5画素マトリクスが、色画素パターン群のいずれに合致するか、パターンマッチングを行う。そして5×5画素マトリクス色細線用パターン群を用いるパターンマッチングで、注目画素が白に囲まれた色線画素かを検出する。次に、5×5画素マトリクスの白領域パターン群をパターンマッチングにより注目画素が白領域画素かを検出する。上記で抽出したパターンマッチング結果にもとづいて、白領域に囲まれた色画素を色画素候補として、それ以外で白領域が存在する時は、色画素としない。白領域がない色画素パターンマッチングで一致したものは、色画素候補とする。
【0290】
−色判定325b(図18)−
次に、5×5画素マトリクス内の各画素のc,m,yの1(c=1,m=1,y=1)の数をカウント1する。c,m,yそれぞれについてのカウント値の最大値と最小値との差が、thcnt以上でかつ最小値がthmin未満ならば、色画素候補1とする。thcnt,thminは、複写(処理)前に設定する閾値である。y,m,cにプレーン展開して、N×Nのマトリクスにおいてのそれぞれのプレーン毎に数を数えて、最少値をブラックと仮定している。このことにより、黒画素の読み取りが漏れても補正が可能となる。そして最大値と最小値の差で有彩画素を判定している。このことにより、黒画素が読取りから外れた画素を補正して、有彩画素を抽出する。注目画素を中心とする5×5画素マトリクス内に一定画素の有彩画素があると注目画素を有彩画素とする。注目画素が色画素候補1でかつ色画素候補2であれば、色画素1とする。
【0291】
次に、4×4画素のマトリックスにおいて、1画素以上の色画素1があれば、該4×4画素マトリックス全体を色画素1ブロックとブロック化をする。ブロック化以降の処理は、4×4画素を1ブロックとしてブロック単位出力する。孤立点除去にて、注目ブロックの隣り合うブロックに色画素1ブロックがなければ孤立点として、除去する。次に膨張処理にて、色画素1ブロックが存在する場合は、5×5ブロックに膨張する。膨張するのは、色画素の周辺を、黒文字処理をしないようにするためである。ここで、色画素1ブロックの時にL(有彩)、それ以外の時はH(無彩)の、B/C情報を発生する。
【0292】
以下、5×5画素マトリクス内の各画素の、c,m,yの1(c=1,m=1,y=1)の数をカウント,カウント値の最大値と最小値との差に従った色画素2,色画素3かの検出と、ブロック化,孤立ブロックの除去等を行う。更に、注目画素が黒画素候補1,2かをパターンマッチングにより判定し、注目画素が、黒画素候補1でかつ黒画素候補2であれば、黒画素とする。4×4画素のマトリックスにおいて、1画素以上の黒画素があれば、該4×4画素マトリックスの全体を黒画素ブロックとする。このブロック化以降の処理は、4×4画素を1ブロックとしてブロック単位で出力する。3×3ブロックのマトリックス内において、注目ブロックが黒画素ブロックで、その周辺画素が非黒画素ならば、注目ブロックを非黒画素ブロックにする。
【0293】
−統合色画素判定−
注目ブロックが、色画素判定で色画素2と判定されかつ無彩判定で黒画素と判定されていなければ、注目ブロックは色ブロックと判定する。また、色画素判定が色画素との判定の時も色ブロックと判定する。統合色画素判定で、色と判定したブロックに対して小さな文字を連続と見なすために、注目ブロックを中心とする9×9ブロックのマトリックス内に1ブロックでも色ブロックであれば、注目ブロックを色ブロックとする。ここで、大きく膨張させるのは、文字同士のすき間を埋めるためである。
【0294】
−連続カウント−
次に、色画素ブロックの連続性を見て、カラー原稿か白黒原稿かを判定する。上記膨張の出力データ(色画素ブロック)の中の色画素の連続数をカウントすることにより、カラー原稿かどうか判定する。注目画素が色画素ブロックにある時に注目画素の左上,上,右上および左の画素の色画素連続数を参照して、注目画素の色画素連続数を算出する。ここで、注目画素を、例えば図27の(b)の画素分布パターンMPpのc3画素とすると、左上,上,右上および左の画素はそれぞれ、b2,b3,b4およびc2の画素である。注目画素が色画素ブロックにないときには、該注目画素には0なる色画素連続数を与える。
【0295】
この処理において、図27の(a)に示すRAM 8K(LUT)に、左上,上,右上および左の画素b2,b3,b4およびc2の色画素連続数に対応する注目画素(c3)の色画素連続数の関係を規定したLUTをSIMD型プロセッサ33のデータRAM37から読み出して、書き込む。図27の(a)に示すように、メモコン内にフィードバックループを形成して、RAM 8K(LUT)から読み出したデータc2(左の画素c2の色画素連続数)と、先行ラインの各画素の色画素連続数を格納したラインメモリRAM 8K(LINE)から読み出した左上,上および右上画素b2,b3およびb4の色画素連続数(同じくb2,b3およびb4と表記)とを、マルチプレクサ75,76および出力レジスタ72で併合してLUTアクセスアドレスとしてメモリSWを介してRAM 8K(LUT)のアドレスラインに与えて、LUTからデータc3を読み出し、これを注目画素c3宛ての色画素連続数とする。
【0296】
このLUTによる色画素連続数決定のロジック概要をここで説明すると、注目画素が色画素ブロックにない場合はそれに0を与えるが、色画素ブロックにある場合は、先ず注目画素の上画素の色画素連続数が0であると、参照値Aに右上画素(b4)の色画素連続数に1を加えた値を与え、上画素(b3)の色画素連続数が0であると参照値Aに右上画素(b4)の色画素連続数を与える。次に、参照値Bに左上画素(b2)の色画素連続数に1を加えた値を与え、参照値Cには上画素(b3)の色画素連続数に1を加えた値を与え、また参照値Dには左画素(c2)の色画素連続数に1を加えた値を与える。そして、参照値A,B,CおよびDのうちの最高値を、注目画素(c3)の色画素連続数とする。上画素の色画素連続数が0でないとそれを注目画素に与える。
【0297】
注目画素(c3)に色画素連続数を上述のように与えると、この色画素連続数が設定値thacs以上であるかをチエックして、thacs以上であると、カラー原稿であると決定して、そこで連続カウントの処理を終える。色画素連続数が設定値thacs未満であると、注目画素を走査方向x,yの次の画素に更新して、上述の処理を繰返す。原稿全面について上述の処理をした結果、最後まで色画素連続数が設定値thacs未満であったときには、原稿は白黒画像であると決定する。
【0298】
上述の色画素連続数は、ほぼたての色付き線分と横の色付き線分の和となる。右上の色画素連続数が、他と異なるのは二重カウントを防ぐためである。同一原稿上のどれかの色画素群のなかの色画素連続数が1つでも設定値thacs以上になるとそこで、カラー原稿である、とカラーか白黒かの判定を確定する。
【0299】
−総合判定326(図18)−
総合判定326は、文字判定,膨張処理および文字なか判定からなる。
【0300】
−文字判定−
文字判定では、エッジ分離322の結果がエッジありで、網点分離324の結果が網点なしで白背景分離323の結果が白領域ありのときは、文字エッジと判定する。そうでないときには非文字エッジ(絵柄又は文字なか)と判定する。
【0301】
−膨張処理−
膨張処理では、文字判定の結果を8×8ブロックのOR処理をして、その後に3×3ブロックのAND処理をして4ブロックの膨張処理を行う。すなわち、注目ブロックを中心とする8×8ブロックのいずれかのブロックが文字エッジであると、注目ブロックも文字エッジブロックであると仮定し、該注目ブロックを中心とする3×3ブロックのすべてが文字エッジであると注目ブロックを文字エッジと確定し、そして、注目ブロックとそれに隣接する3ブロック、計4ブロックを文字エッジと見なす。OR処理してからAND処理するのは、特に黒文字の場合、黒文字の領域の周辺に小領域の非黒文字領域が存在すると、処理の差により違和感が感じられることがある。例えば黒が薄く見える。これを防ぐために、OR処理で非黒文字領域を大きくしている。AND処理は、望むべき膨張量にするために行っている。
【0302】
−文字なか判定−
文字なか判定は、エッジ分離322,白背景分離323,網点分離324,色判定325bおよび文字判定の結果を用いて、文字のなか領域(文字線幅内)か否を表す文字なか信号を生成する。文字なか信号を生成するために用いる処理と信号を、次に示す。
【0303】
文字なか用文字信号:文字判定の、文字エッジ/非文字エッジをあらわす出力信号を5×5ブロックのOR処理をする。この出力を文字なか用文字信号と言う;
白ブロック黒文字信号A:文字なか用文字信号がアクティブ(文字エッジ)で、白背景分離323の白ブロック補正の出力が白ブロック補正データありで、色判定325bの結果がノンアクティブ(無彩:黒画素ブロック)の時に、白ブロック黒文字信号Aをアクティブとする。すなわち、「白ブロック黒文字」を示すものとする。この場合(白地に囲まれた黒文字)は、文字である確率が非常に高い;
高濃度黒領域信号B:白背景分離323の黒ブロック化の3×3ブロックのORがアクティブ(黒)で、色判定325の結果がノンアクティブ(無彩)で、網点分離の結果がノンアクティブ(非網点)で、さらに、文字なか用文字信号がノンアクティブ(非文字エッジ)の時に、高濃度黒領域信号Bをアクティブにする。すなわち、「高濃度黒領域」を示すものとする。黒文字のなかは、濃度が濃いので、他の条件と組み合わせて文字なか判定をする;
黒文字信号C:文字なか用文字信号がアクティブ(文字エッジ)で、色判定325の結果がノンアクティブ(無彩)の時に、黒文字信号Cはアクティブ(黒文字)になる。このアクティブの黒文字部分は、文字のエッジである可能性が高く、その周辺に文字なかがある可能性が高い。
【0304】
ここで、文字なか候補の判定について説明する。白ブロック黒文字信号A,高濃度黒領域信号Bおよび黒文字信号Cを用いて、文字なか候補信号Qを表現すると、次式のようになる:
Q24=(A21&A22&A23&A24)
#((Q13#Q23#Q14#Q15)&(B24#C24))
記号の2桁の数字の上桁の数字の2は現在のラインy2を示し、1は1ライン前y1を示す。下桁の数字は、ライン上の画素位置xを示す。上式が表す処理を簡単に説明すると、白ブロック黒文字信号Aが連続して存在するとすなわちA21〜A24が全てアクティブであると、注目画素を文字なか候補であると仮定し、次に、文字なか候補確定の処理を開始する。すなわち、高濃度黒領域信号B24か黒文字信号C24の周辺に文字なか候補ありと判定した画素(Q13,Q23,Q14またはQ15)があると、注目画素も、文字なか候補と、判定を確定する。つまり、白ブロック文字信号A(アクティブ)が連続して存在するとこの条件をトリガーにして、文字なか候補の判定を開始する。
【0305】
白地に囲まれた黒文字(白ブロック黒文字信号Aがアクティブ)の場合は、そこが文字である確率が非常に高く、白ブロック黒文字信号A(アクティブ)が連続して存在するのは、ほとんどすべて文字であるからである。黒文字信号A(アクティブ)は、文字のエッジである可能性が高く、「文字なか」がその周辺にある可能性が高いので、上述のように、文字なか候補(Q24:アクティブ)としている。この結果を文字なか候補とする。
次に、文字なか候補(信号Q:アクティブ)から文字なか信号をつくる。文字なか信号は、文字エッジ信号でなく、文字なか候補であれば、文字なか信号あり(文字なか信号:アクティブ)と判定する。ここで最終的に出力するC/P信号は、以下の表のようになる:
C/P信号 文字エッジ信号 文字なか信号 領域判定内容
0 なし なし 絵柄領域
1 なし あり 文字なか領域
2 − − −
3 あり × 文字エッジ領域
C/P=2を出力するケースは存在しない。
【0306】
この2ビットのC/P信号に、1ビットのB/C信号を加えた3ビットの信号が像域データFdである。
【0307】
像域データFdは、IPU2におけるフィルタ処理および下色除去で参照され、また、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kにおけるγ変換および階調処理に参照される。
【0308】
IPU2におけるフィルタ処理は、RGBデータをMTF補正するフィルタ処理であり、N×Nの画素マトリックスに対応する係数マトリクスを用いて、各係数に各画像データを乗じて重み付け平均値を得る。C/P信号が3を表すもの(文字エッジ領域)である時には、鮮鋭化処理用の係数マトリクスを用い、0又は1を表すもの(文字なか領域又は絵柄領域)である時には平滑化処理用の係数マトリクスを用いて、重み付け平均値を導出する。
【0309】
下色除去は、画像データの色再現を向上させるためのものであり、色変換によって生成したY,M,Cデータの共通部分をUCR(加色除去)処理してBkデータを生成し、Y,M,C,Kデータを生成する。ここで、C/P信号が3(文字エッジ領域)以外の時(文字なか領域又は絵柄領域のとき)は、スケルトンブラック処理を行う。C/P信号が3(文字エッジ領域)の時は、フルブラック処理を行う。さらにC/P信号が3(文字エッジ領域)かつB/C信号がH(無彩領域)の時は、C,M,Yのデータをイレースする。これは、黒文字の時、黒成分のみで表現するためである。
【0310】
IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kのγ変換は、カラープリンタPTRの作像ユニット105の周波数特性やC/P信号に応じて、γ変換特性(いわゆるγカーブ)を変更し処理する。C/P信号が0(絵柄領域)又は1(文字なか領域)の時は画像を忠実に再現するγカーブを用い、C/P信号が3(文字エッジ領域)の時はγカーブを立たせてコントラストを強調する。
【0311】
IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの階調処理は、カラープリンタPTRの作像ユニット105の階調特性やC/P信号に応じて、ディザ処理,誤差拡散処理等の量子化を行う。IPU3kによるK画像データの階調処理では、C/P信号が0(絵柄領域)の時は階調重視の処理を行い、それ以外の時は解像力重視の処理を行う。Bk以外の作像の時は、C/P信号が0(絵柄領域)又は1(文字なか領域)の時は階調重視の処理を行い、それ以外の時は解像力重視の処理を行う。
【0312】
−第2実施例−
第2実施例のハードウエアは前述の第1実施例と略同様であるが、第2実施例のIPU1のSIMD型プロセッサ33が、その内部のプログラムメモリ36の読取り補正プログラムの中の像域分離プログラム、更にその中のマッチング制御プログラム、に基づいて行うパターン比較すなわちパターンマッチングの内容が異なる。
【0313】
図28に、この第2実施例のマッチング制御MaCaの内容を示す。なお、この処理は第1実施例の図19に示す処理に置き換わるものである。図28に示すマッチング制御MaCaの内容を次に説明する。
【0314】
例えば図21の(a)に代表例を示す黒画素連続,白画素連続の検出用の参照パターン群を用いる3×3マトリクスパターンに対するパターンマッチングのときには、SIMD型プロセッサ33バッファメモリ装置32のRAM6〜8を、3ラインのG画像データ格納用の入力ラインバッファに定め、かつRAM11を、3ラインの中の真中のライン(RAM7)の各画素宛てに、それを中心とする3×3画素マトリクスの画素情報データ群が、参照パターンと合致するか否を表す判定データを書込むための、判定結果格納用のラインバッファに定める。
【0315】
そして、図28を参照すると、SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38は、「マッチング制御」MaCaに進むと最初に、その内部のA+2個のプロセッサエレメントの各RAMの処理プログラム格納領域に、データRAM37にある「マッチング」処理プログラムを書込む。
【0316】
次にSIMD型プロセッサ33は、第1実施例と同様に、RAM6およびRAM7にそれぞれ1ライン分画像データを書込み、各プロセッサエレメントの内部RAMの参照データ格納領域に、データRAM37にある画像データ2値化のための閾値Th1を書込み、そして各ラインの第1ブロック画像データを、プロセッサエレメントPE No.1〜(A+1)に書込む(1〜8)。
【0317】
次に、プロセッサエレメントのRAMの記憶容量の限界近くの所定上限値まで画像データ群を格納したか、もしくは、1ライン上の全画素に関して上述のマトリクス画像データ群のSIMD型プロセッサ33への送出が完了したかをグローバルプロセッサ38がチェックして(41,42)、いずれも否であると、同一ライン上の次の注目画素群をパターン比較対象画素に設定して(7)、上述のステップ8の、プロセッサエレメントPEへの画像データ群の書込みを行う。
【0318】
プロセッサエレメントの内部RAMに所定上限値まで対象データを格納したとき又は1ライン上の全画素を注目画素とする対象データのSIMD型プロセッサ33への書込が終わったとき、グローバルプロセッサ38は、参照データiをプロセッサエレメントに与え(9a,9b)、第1ブロックの画像データ群の「マッチング」指令をプロセッサエレメントに与える(9c)。
【0319】
各プロセッサエレメントPE No.k(k=1〜A)は、第1ブロックの画像データ群に対して図20に示す「マッチング」9eを実行して判定データをflagレジスタに書込む。グローバルプロセッサ38は、RAM11上の、一致と判定したPEに割り当てたアドレスに、参照パターンNo.iを書込む。そして次のブロックの画像データ群の「マッチング」指令をA個のプロセッサエレメントに与える。このような処理(図28の9a〜11d/図20の9e)を、プロセッサエレメントPEの内部RAMに書込んでいる画像データ群のブロック数分繰り返し実行する。この複数回の「マッチング」(9e)を繰返すと、1ライン分の全画素宛てのパターンマッチングが終了したかをチェックして(11c)、終了していないと、同一ライン上の次の注目画素群をパターン比較対象画素に設定して(7)、上述のステップ(8)の画像データ群の転送を行う。
【0320】
この第2実施例のパターンマッチングでは、1ライン上の多くの画素を注目画素とするパターンマッチングを一気に実行するように各プロセッサエレメントが「マッチング」を多数回繰り返すので、パターンマッチング判定を更に高速にし得る。
【0321】
【発明の効果】
データ処理器(PEG)の各プロセッサエレメント(PE)の演算機能を用いて同時に並行して複数の画素マトリクスのパターンマッチングをすることができ、色々なサイズの2次元マトリクスに対応するパターンマッチングができる。また、高速なパターンマッチングが可能となる。画像データがプロセッサエレメント(PE)で処理できるビット幅の多値階調データであれば、画像データをそのままデータ処理器(PEG)に与えてプロセッサエレメント(PE)で2値化してパターンマッチングができるので、色々なビット構成の画像データ(例えば256階調,128階調,64階調などの画像データ)に柔軟に対応するパターンマッチングが可能である。しかも、データ処理器(PEG)の外の回路規模は小さくて済む。プロセッサエレメント(PE)での2値化により、例えば8ビット構成の画像データが1ビットに圧縮され、3×3画素マトリクスの9個の画像データ(総計9×8ビット)が2バイト(2×8ビット)の対象データ(T1k,T2k)に圧縮されるので、比較処理のデータ量が小さくなる。参照データ(R1i,R2i)も同様に小さいデータ量であり、制御情報メモリも小さくて済む。すなわち、参照データおよび対象データが共に、画素マトリクスの画像データ群を各画像データを1ビットで表しそれを1次元シリアル配列のプロセッサエレメント(PE)で処理できるビット幅に区切ったデータであるので、それらを格納する記憶手段も小さくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の、複合機能があるデジタルフルカラー複写機の外観を示す正面図である。
【図2】 図1に示すカラープリンタPTRの作像機構の概要を示す拡大縦断面図である。
【図3】 図1に示す複写機の電気系システムの概要を示すブロック図である。
【図4】 (a)および(b)はそれぞれ、図3に示すカラー原稿スキャナSCRおよびカラーデータインターフェース制御部CDICの画像処理系およびデータ転送系の概要を示すブロック図である。
【図5】 図4の(a)に示す第1画像処理ユニットIPU1の、入出力インターフェイス31およびバッファメモリ装置32の構成を示すブロック図である。
【図6】 (a)は図4の(a)および図5に示すSIMD型プロセッサ33の構成の概要を示すブロック図、(b)は1個のプロセッサエレメントPEの一部分の構成を示すブロック図である。
【図7】 図5に示すメモリスイッチSW1と、SIMD型プロセッサ33内の外部I/F39の、データラインの概要を示すブロック図である。
【図8】 図5に示すバッフアメモリ装置32とSIMD型プロセッサ33との組み合わせに係る画像データ処理装置の機能構成の概要を示すブロック図である。
【図9】 画像データ転送の際の、パラレル,シリアルのデータ配列の変換態様の数種を示すブロック図である。
【図10】 図5に示すバッフアメモリ装置32とSIMD型プロセッサ33との組合わせによる画像データ転送の流れの数例を示すブロック図である。
【図11】 (a)および(b)はそれぞれ、図3に示す第2画像処理ユニットIPU2および画像メモリアクセス制御部IMACの画像処理系およびデータ転送系の概要を示すブロック図である。
【図12】 (a),(b),(c)および(d)はそれぞれ、図3に示す第3画像処理ユニットIPU3Y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの画像処理系の概要を示すブロック図である。
【図13】 図3に示す画像処理システムにおける、画像データの流れの数例を示すフローチャートである。
【図14】 図3に示すシステムコントローラ106の、操作ボードOPBおよびパソコンPCからの画像処理コマンドに応答するシステム制御の概要を示すフローチャートである。
【図15】 図3に示すシステムコントローラ106の初期設定指令に応答してIPU1が実施する初期設定の内容を示すフローチャートである。
【図16】 (a)および(c)は、図5に示すSIMD型プロセッサ33の内部レジスタに書込む設定情報および管理情報の区分を示す図表である。(b)および(d)はメモコンに与える設定情報および管理情報の項目を示す図表である。
【図17】 設定情報によって、図5に示すRAM(0〜17)に設定されるデータ読み書き領域を模式的に示すブロック図である。
【図18】 図4に示すSIMD型プロセッサ33が行う像域分離でのデータ処理の概要を示す機能ブロック図である。
【図19】 図4に示すSIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38が行うマッチング制御の内容を示すフローチャートである。
【図20】 SIMD型プロセッサ33の各プロセッサエレメントのマッチング処理の内容を示すフローチャートである。
【図21】 (a)は、図18に示すエッジ分離322で、注目画素が白,黒連続画素かを判定するために用いる参照パターンの代表例を示すブロック図である。(b)および(d)は注目画素とその周辺画素のマトリクスを示すブロック図である。(c)および(e)はそれぞれ、(b)および(d)に示す画素マトリクスのデータ群を2値化し整数バイトの対象データにした場合のデータ分布を示すブロック図である。
【図22】 図8に示す画像データ処理装置の機能構成での、データの流れとプロセッサエレメントPEの内部RAM上のデータ格納領域RAM−A0〜RAM−A7へのデータ書込みの割付けを模式的に示すブロック図である。
【図23】 図6に示すSIMD型プロセッサ33のプロセッサエレメントPE群内におけるエレメント間のデータルートを示すブロック図である。
【図24】 図22に示すデータ格納領域RAM−A0〜RAM−A7の中のデータ配置を模式的に示すブロック図である。
【図25】 図5に示すメモコンのデータフィードバックによる確定エッジ/非エッジ情報の生成処理の内容を示すフローチャートである。
【図26】 (a)は、図5に示すメモコンのデータフィードバック機能の1態様を示すブロック図、(b)は、図5に示すメモコンのデータフィードバック機能のもう1つの態様を示すブロック図である。
【図27】 (a)は、図5に示すメモコンのデータフィードバック機能のもう1つの態様を示すブロック図である。(b)は、注目画素とその周辺画素のマトリクスを示すブロック図である。
【図28】 第2実施例のSIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38によるマッチング制御の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
ADF:自動原稿供給装置
SCR:カラー原稿スキャナ
OPB:操作ボード PTR:カラープリンタ
PC:パソコン PBX:交換器
PN:通信回線 2:光書込みユニット
3,4:給紙カセット
5:レジストローラ対
6:転写ベルトユニット
7:定着ユニット 8:排紙トレイ
10M,10C,10Y,10K:感光体ユニット
11M,11C,11Y,11K:感光体ドラム
20M,20C,20Y,20K:現像器
60:転写搬送ベルト
IPU1:第1画像処理ユニット
IPU2:第2画像処理ユニット
IPU3y,3m,3c,3k:第3画像処理ユニット
CDIC:カラーデータインターフェース制御部
IMAC:画像メモリアクセス制御部
HDD:ハードディスク装置
MEM:画像メモリ
LAN:ローカルエリアネットワーク
FONT:フォントROM
IDU:紙幣認識ユニット
SCI:システム制御インターフェイス
JTAG:IEEE1149.1規格に準拠したテスト回路
メモコン:メモリコントローラ
R0〜R31:レジスタ
「7 to 1」:演算器の中のデータセレクタ
A,F,M,T:レジスタ
R:R画像データ G:G画像データ
B:B画像データ Fd:像域データ
Y:Y画像データ M:M画像データ
C:C画像データ K:K画像データ

Claims (19)

  1. 複数ラインの多値画像データを蓄積でき、蓄積した画像データを画素単位で出力できるバッファメモリ
    複数ビット幅のデータを処理できるプロセッサエレメントの複数を含み複数のプロセッサエレメントで同時に並行してデータ処理ができるデータ処理器
    パターンマッチングの閾値および参照データと、メモリ指定情報および制御モード情報を含む設定情報、ならびに、指定メモリの指定領域情報を含む管理情報を格納する制御情報メモリ;および、
    前記バッファメモリのメモリを指定しその読み書きを制御するメモコン,該メモコンが指定するメモリを該メモコンに接続するメモリスイッチ、および、前記制御情報メモリから閾値および参照データならびに設定情報および管理情報を読出して前記データ処理器ならびにメモコンに与えるグローバルプロセッサを含み、該設定情報および管理情報にしたがってメモコンがメモリスイッチを用いて、データ処理器への各画素マトリクスの画像データ群の入力に適した形になるようにバッファメモリのメモリとデータ処理器を接続してデータ処理器にパターンマッチング対象の画像データを読出すバッファコントローラ;を備え、
    前記データ処理器の各プロセッサエレメントは、前記閾値,参照データ,パターンマッチング対象の画像データ,対象データおよび判定結果、を格納できる内部メモリを含み、前記バッファメモリが出力した画像データの中の、自己に宛てられた注目画素を含み該注目画素を中心とする画素マトリクスの画像データ群を前記内部メモリに格納して前記閾値を用いて2値化して該プロセッサエレメントが処理可能な1次元シリアル配列のビット幅に区切った対象データに変換して前記内部メモリに格納し該対象データが前記参照データと合致するかを判定して判定結果を前記内部メモリに格納する;
    画像データ処理装置。
  2. 前記閾値は複数であり、前記バッファコントローラがその中の1つを前記データ処理器に読出す、請求項に記載の画像データ処理装置。
  3. 前記バッファコントローラは、前記バッファメモリに対して前記画像データを読み書きするとき画像データのピーク値を検出し、検出値に対応する閾値を前記データ処理器に読出す、請求項に記載の画像データ処理装置。
  4. 前記データ処理器は、それぞれが画像データを転送しうる複数組のバスを含む同時に複数の画像データを並行して転送しうる入出力バスに接続され;前記バッファコントローラは更に、前記プロセッサの指定に応じて各メモコンを各組のバスに接続する選択手段を含む;請求項1乃至3のいずれか1つに記載の画像データ処理装置。
  5. 各プロセッサエレメントの各メモリは、複数組の画像データ群を格納し得る容量を有し;前記バッファコントローラは、前記合致判定に使用するプロセッサエレメントの数Aの整数m倍の数A・mの画素のそれぞれを注目画素としそれを中央にする画素マトリクスのパターンマッチング対象の画像データをデータ処理器に与えて、各プロセッサエレメントがm組の画素マトリクスの画像データ群の各組が参照データと合致するかを判定する;請求項1乃至3のいずれか1つに記載の画像データ処理装置。
  6. 参照データは、内容が異なる複数であり、前記バッファコントローラは、順次に参照データをデータ処理器に与える、請求項乃至のいずれか1つに記載の画像データ処理装置。
  7. 前記プロセッサエレメントは、複数fビット構成のデータを処理でき;参照データは、c×d画素マトリクスでなる参照パターンの参照2値データ群を予め1次元シリアル配列にしてf以下の複数aビット構成のデータのe個に収めたe個のデータでなり;前記データ処理器の各プロセッサエレメントが、パターンマッチング対象の画像データの中の、自己に宛てられた注目画素を中心とするc×d画素マトリクスの画像データ群を、各画像データを1ビットで表しそれを1次元シリアル配列の複数aビット構成のデータのe個に収めたe個のデータでなる対象データに変換して、対象データが参照データと合致するかを、前記aビット構成のデータ毎に対比して判定する;請求項に記載の画像データ処理装置、ただし、a,c,d及びfは2以上の整数,eは1以上の整数、及び、a×(e−1)<c×d≦a×e。
  8. f=a=8ビットすなわち1バイト、c×dは9以上、したがって参照データおよび対象データは、2バイト以上であり;各プロセッサエレメントは、対象データの各バイトを参照データの各対応バイトと比較し全バイトの合致をもって該参照データの参照マトリクスと合致と判定する;請求項に記載の画像データ処理装置。
  9. 原稿の画像を読取り、1画素の画素情報を複数ビット構成の多値階調データで表す画像データを生成する画像読取手段と、請求項1乃至8のいずれか1つに記載の画像データ処理装置と、を備える画像処理装置であって、
    前記制御情報メモリは、前記対象データが参照データと合致するかを判定するパターン比較プログラムを含む像域分離プログラムを書込むプログラムメモリを有する;画像処理装置。
  10. 前記バッファコントローラは、注目画素およびその周辺画素の画像データに基づく注目画素の像域判定に先行画素の像域判定結果を参照する像域判定手段に、その内部のレジスタに保持する先行画素の像域判定データと注目画素の画像処理データを与えて像域判定データを読出して前記レジスタにラッチして前記データ処理器に出力する;請求項に記載の画像処理装置。
  11. 前記プログラムメモリには、前記像域分離プログラムを含む読取補正プログラムが書込まれる;請求項に記載の画像処理装置。
  12. 前記バッファコントローラは、入力画像データをバッファメモリに書込み又はデータ処理器に与えるとき、一連の入力画像データの最大値データと最小値データの少なくとも一方を検出し保持して、データ処理器に与える機能を有する、請求項11に記載の画像処理装置。
  13. カラー画像読取手段を備える請求項11に記載の画像処理装置と、それが読取補正したRGB画像データをYMCK画像データに変換する第2画像処理装置と、YMCK画像データにプリンタ出力用の出力補正を加える第3画像処理装置を含みYMCK画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段と、を備え;
    前記第2および第3画像処理装置がそれぞれ、読み書き可能な、プログラムメモリおよびデータメモリ,入力画像データのそれぞれに並行して同時に同じ処理をする複数のプロセッサエレメントを有するデータ処理器,該データ処理器に対して入力する画像データを、複数ライン分一時蓄積するためのバッファメモリ、および、前記プログラムメモリおよびデータメモリのプログラムおよびデータに従って前記バッファメモリと画像データ入出力ポートと前記データ処理器の間のデータのやり取りをするバッファコントローラ、を含み;
    装置は更に、第2および第3画像処理装置のプログラムメモリのそれぞれに、前記RGB画像データをYMCK画像データに変換するプログラムおよび前記出力補正を加えるプログラムを書込む手段、を備える;カラー画像形成装置。
  14. 前記画像形成手段は、作像する感光体ユニットの数に対応した数の前記第3画像処理装置を含む、請求項13に記載のカラー画像形成装置。
  15. 画像データを転送するパラレルバス;画像メモリ;前記パラレルバス上の画像データを前記画像メモリに書込み、前記画像メモリの画像データを前記パラレルバスに読出す画像メモリ制御手段;および、画像読取手段,第2画像処理装置および前記パラレルバスの間の画像データのやりとりを制御する画像データ制御手段;を更に備える、請求項13に記載のカラー画像形成装置。
  16. 前記画像データ制御手段は、前記画像読取手段からの画像データを圧縮をして前記パラレルバスに出力するか、又は、第2画像処理装置へ転送し第2画像処理装置が処理した画像データを圧縮をして前記パラレルバスに出力するか、更には、パラレルバスのデータを伸張して第2画像処理装置に転送するかを制御する、請求項15に記載のカラー画像形成装置。
  17. 前記画像メモリ制御手段は、パソコン,LANなどの外部機器や前記パラレルバスに接続されたファクシミリ及び前記画像データ制御手段との間の画像データを前記画像メモリに圧縮して書込み、又は読み出して伸張する、請求項15又は請求項16に記載のカラー画像形成装置。
  18. 複数ラインの多値画像データを蓄積でき、蓄積した画像データを画素単位で出力できるバッファメモリのメモリを指定しその読み書きを制御するメモコン,該メモコンが指定するメモリを該メモコンに接続するメモリスイッチ,および、パターンマッチングの閾値および参照データと、メモリ指定情報および制御モード情報を含む設定情報、ならびに、指定メモリの指定領域情報を含む管理情報を格納する制御情報メモリから、閾値および参照データならびに設定情報および管理情報を読出すグローバルプロセッサ,を含むバッファコントローラを用いて、
    前記制御メモリから読み出した閾値および参照データを、複数ビット幅のデータを処理できるプロセッサエレメントの複数を含み複数のプロセッサエレメントで同時に並行してデータ処理ができるデータ処理器に与え、前記制御メモリから読み出した設定情報および管理情報はメモコンに与えて、
    メモコンがメモリスイッチを用いて、データ処理器への各画素マトリクスの画像データ群の入力に適した形になるようにバッファメモリのメモリとデータ処理器を接続してデータ処理器にパターンマッチング対象の画像データを読出し、
    前記閾値,参照データ,パターンマッチング対象の画像データ,対象データおよび判定結果、を格納できる内部メモリを含む前記データ処理器の各プロセッサエレメントによって、バッファメモリから読み出したパターンマッチング対象の画像データの中の、自己に宛てられた注目画素を含み該注目画素を中心とする画素マトリクスの画像データ群を前記内部メモリに格納して前記閾値を用いて2値化して該プロセッサエレメントが処理可能な1次元シリアル配列のビット幅に区切った対象データに変換して前記内部メモリに格納し該対象データが前記参照データと合致するかを判定して判定結果を前記内部メモリに格納する;
    パターンマッチング方法。
  19. 前記所定の閾値の値は、前記データ処理器に出力される画像データの階調数に合わせて設定する、請求項18に記載のパターンマッチング方法。
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