JP3559021B2 - データ変換装置,画像処理装置およびデータ変換方法 - Google Patents

データ変換装置,画像処理装置およびデータ変換方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ変換装置それを用いる画像処理装置およびデータ変換方法に関する。
【0002】
【従来技術】
コンピュータの処理容量および処理速度の向上に伴い、コンピュータによるデータ処理が増え、データ変換或は補正の機会も多くなっている。例えば、原稿スキャナが読取ったRGB画像データに読取り歪を補償又は修正する読取補正(CCDライン間補正,主走査レジスト調整,シェーディング補正,ドット補正,縦スジ補正,γ変換等),読取った画像が文字,線などの濃淡が2値的なもの(以下単に文字と称す)のエッジ(文字エッジ)又は中(線幅内:文字なか)か、写真などの網点画像(以下単に写真と称す)か、更に、有彩か、無彩か、を判定する像域分離,読取補正をしたRGB画像データのYMCK画像データへの変換を主とする中間処理(フィルタ処理,地肌除去,色変換すなわちYMCK画像データへの変換,下色除去,主走査変倍,主走査シフト,主走査ミラーリング,副走査間引き,マスク処理および単色文字出力の場合の2値化)、ならびに、中間処理したYMCK画像データをプリンタの出力特性に合うように補正する出力補正(プリンタγ変換および階調処理)などがあり、また階調処理には、濃度変換,ディザ処理,誤差拡散処理等があるなど、多種多様な処理がある。
【0003】
そしてデータの処理形態も、フィルタ処理における積和演算,像域分離におけるパターンマッチング,LUT(Look Up Table:変換テーブル)を用いるデータ変換(例えばγ変換)或は補正演算(例えばシェーディング補正)等々、様々である。
【0004】
先行の画像データ処理と後行の画像データ処理の処理速度が異なる場合には、これらの間でバッファメモリに画像データを一時格納する必要がある。フィルタ処理やパターンマッチングでは、数ラインに及ぶ画素マトリクスの画像データ群を同時に参照する必要があるため、数ライン分のラインバッファメモリが必要である。従って、画像データ処理では、バッフアメモリ装置が用いられる。
【0005】
特開平8−305329号公報は、データの流れに沿って入力データセレクタ6,入力データラッチ10,1つのメモリ部1,出力データラッチ11および出力データセレクタ9をこの順に接続し、さらに書込アドレスセレクタ7,読出しアドレスセレクタ8および各セレクタを制御するCPU12を備えて、CPU12によるセレクタの設定によりメモリ部1を、TV受信映像信号のラインメモリと非線形演算のためのルックアップテーブルに選択使用する信号処理装置を開示している。ルックアップテーブルのデータはCPU12が発生してメモリ部1に書込む。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
カラー画像処理および調整には、上述のように、多種多様なデータ変換或はデータ補正があり、各種の処理に必要なメモリ容量やデータ処理量は、データ処理の種類や処理を行うデータの内容などにより異なることが多く、各処理で必要なメモリ量の総計を1つのメモリリソースでもつ場合、時系列の処理の流れからすれば所要タイミングが異なるメモリを重複して確保することになり、少ないメモリリソースを有効に活用することが重要となる。
【0007】
また、カラー画像処理の場合は、白黒画像処理に比べ処理をする画像データ量が多くなるため益々処理の高速化が大きな課題となり、そのための1手段としてメモリリソースの抑制も課題となる。例えば、デジタル複写機や複合機のような画像形成装置で、様々な画像処理を画像処理専用のプロセッサで処理する場合において、装置のカラー化に伴いカラー独特な処理や処理データの増加により、処理速度が低下してしまう。
【0008】
特に、カラー画像読取(カラースキャナ)やカラー画像形成(カラープリンタ)では、カラーγ変換における処理量が大きな問題となる。例えば、読取りRGB画像データのγ変換に、R,G,B各データ宛に1つ、少なくとも3個のLUTが必要であり、また、プリント出力用のYMCK画像データのγ変換に、Y,M,C,K各データ宛に1つ、少なくとも4個のLUTが必要であり、これらを用いるカラーγ変換に時間がかかる。
【0009】
前記特開平8−305329号公報の信号処理装置のデータ処理は、ラインメモリの使用態様でのCPU12による出力データセレクタ9の切り替え制御によるラインデータへの0の挿入と、ルックアップテーブルの使用態様でのルックアップテーブルによるデータ変換であり、上述のようなデータ変換を高速化するのに適用は難しい。
【0010】
本発明は、バッファメモリを有効に活用することを第1の目的とし、加えてカラー画像処理装置のデータ処理を高速にすることを第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)処理に適したビット幅で入力された所定数のデータを同時に並行して処理可能なデータ処理器(図8のPEG);
装置外部より逐次的に入力されるデータを蓄えることができ、前記データ処理器(PEG)に対しては処理に適したビット幅の単位で所定数のデータを同時に並行して入出力可能なバッファメモリ(BM);
データバッファ機能とは別の機能を指定する情報ならびに使用領域情報を含む、バッファメモリ(BM)の制御情報データ(管理情報)を記憶する制御情報メモリ(CM);および、
前記制御情報データ(管理情報)に基づいて前記バッファメモリにデータバッファ機能領域と別の機能領域を割付けて前記バッファメモリの各機能領域が前記データ処理器への並行入出力に適した形になるように、バッファメモリとデータ処理器との間のデータ転送ラインを適応的に定めるバッファコントローラ;
を備えるデータ変換装置。
【0012】
なお、理解を容易にするために括弧内には、図面に示し後述する実施例の対応要素,相当要素の記号もしくは対応事項又はその記号等を、参考までに付記した。以下も同様である。
【0013】
これによれば、バッファコントローラ(図8のBC)が、制御情報メモリ(CM)に記憶されている制御情報データ(管理情報)を参照して、バッファメモリ(BM)にデータバッファ機能と別の機能領域を割付けて、各機能領域がデータ処理器(PEG)への並行入出力に適した形になるように、バッファメモリ(BM)とデータ処理器(PEG)との間のデータ転送ラインを適応的に定める。
【0014】
したがって、バッフアメモリを別の機能例えばLUTに使用することが出来、しかも、一部はバッファ機能として、他の一部は別の機能として並行して使用できるので、バッファメモリ(BM)を有効に活用することができる。バッファメモリ(BM)とデータ処理器(PEG)との間で、データ処理器の処理に適したビット幅単位の所定数のデータを、同時に並行して転送できるので、データ転送が高速化でき、また、データ処理器(PEG)が所定数のデータを同時に並行して処理可能であることと相伴って、多量のデータを、高速に処理できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(2)前記データ処理器(PEG)は、所定数の処理手段(PE)を有し;前記制御情報メモリ(CM)に格納されたバッファメモリ(BM)の制御情報データ(管理情報)は、前記処理手段(PE)ごとに設定可能なデータである;上記(1)記載のデータ変換装置。
【0016】
これによれば、データ処理器(PEG)の各処理手段(PE)宛てにバッファメモリ(BM)に各機能領域を設定できる。
【0017】
(3)前記バッファコントローラ(BC)は、バッファメモリ(BM)のメモリ領域を指定しその読み書きを制御する複数のメモコン(0〜19)を有し、前記制御情報メモリ(CM)に格納された処理手段(PE)ごとに定義されたバッファメモリの制御情報データをメモコンに個別に設定することで、各々の処理手段ごとにバッファメモリへの機能領域の割付けが可能である;上記(2)のデータ変換装置。
【0018】
これによれば、各々の処理手段ごとに各々のメモコンにてバッファメモリに機能領域を割付けて個別にかつ並行してバッファメモリを使用できる。
【0019】
(4)前記制御情報メモリ(CM)は、バッファコントローラ(BC)およびデータ処理器(PEG)がデータ読取りできる、制御情報データ(管理情報)が書込まれるデータメモリ(37)を含む;上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のデータ変換装置。
【0020】
バッファメモリの制御情報データ(管理情報)はデータメモリ(37)に記憶されており、その情報をバッファコントローラ(BCの中のグローバルプロセッサ38)が読取って解読(デコード)し、バッファメモリ(BM)の読み書き制御を設定する(メモコンおよびメモリSWをセットする)。バッファコントローラ(BC)およびデータ処理器(PEG)に共用のメモリにバッファ制御情報データを持つので、余分なメモリを必要としなくなり、かつ、バッファ制御情報データの格納,読出し制御が簡単になる。
【0021】
(5)前記制御情報メモリ(CM)は、バッファコントローラ(BC)の動作を記述したプログラムを格納するプログラムメモリ(36)を含む;上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のデータ変換装置。
【0022】
データ処理制御プログラム中に、あるいはそれと並列にバッファメモリの制御情報データ(管理情報)があるので、余分なメモリを必要としなくなり、かつ、データ処理制御プログラムの進行に伴うバッファ制御情報データの読出しとバッファメモリ(BM)の設定が簡単になる。
【0023】
(6)前記バッファメモリの制御情報データとは、バッファメモリ上での前記別の機能領域の開始アドレス,終了アドレス,対応する機能領域を元のバッファメモリとするか前記別の機能領域とするかをきめる属性情報である;上記(1)〜(5)のデータ変換装置。
【0024】
バッファコントローラ(BC)としては、バッファメモリを前記別の機能として使用するバッファメモリ上での開始アドレスおよび終了アドレスを持ち、該情報によってバッファメモリ(BM)の前記別の機能を管理する。メモリを区分して使用する際には、使用する領域が重複してはいけない。本実施態様のように明示的に前記別の機能開始アドレスと終了アドレスおよび属性情報を用いて、バッファメモリの機能およびその領域の管理を行えば、このような問題なく、メモリの区分使用が可能になる。
【0025】
(6a)前記バッファコントローラ(BC)は、バッファメモリ(BM)の制御情報データ(管理情報)に含まれる、バッファメモリ上での開始アドレス、バッファメモリ上での終了アドレス、バッファメモリをラインバッファとして使用するかそれともLUTとして使用するか等の使用態様(使用モード)に関する情報を元に、バッファメモリ(BM)の制御を行う、上記(1)乃至(5)のいずれかのデータ変換装置。
【0026】
バッファコントローラ(BC)としては、バッファメモリ上での開始アドレス、バッファメモリ上での終了アドレス、バッファメモリをラインバッファとして使用するかそれともLUTとして使用するか等の使用態様に関する情報をバッファメモリ(BM)の各メモリ毎に持ち、該情報によってバッファメモリ(BM)を管理する。メモリを区分して使用する際には、使用する領域が重複してはいけない。本実施態様のように明示的に開始アドレスと終了アドレス、使用態様で管理を行えば、このような問題なく、メモリの区分使用が可能になる。
【0027】
(6b)前記制御情報メモリ(CM)の制御情報データは、メモリ指定情報(From/To)および制御モード情報(CM1〜CM6)を含む設定情報、ならびに、指定メモリの使用モード情報(バッファ/LUT)を含む管理情報(図16)を含み;
前記バッファコントローラ(図8のBC)は、バッファメモリ(BM)のメモリ(RAM0〜17)を指定しその読み書きを制御するメモコン(0〜19),該メモコンが指定するメモリを該メモコンに接続するメモリスイッチ(メモリSW1〜SW3)、および、前記設定情報および管理情報を前記制御情報メモリ(CM)から読出して前記メモコンに与えるプロセッサ(38)、を含む;上記(1)乃至(5)のいずれかのデータ変換装置。
【0028】
(6c)前記制御モード情報が「ライン分割ブロック転送」(CM4/CM5)のとき前記プロセッサ(38)は、前記メモコンに与える、メモリアクセスの開始アドレスおよび終了アドレスを、順次に1画素分変更する、上記(6b)のデータ変換装置。
【0029】
(6d)前記プロセッサ(38)は、複数bのメモコンに順次に同一のメモリアクセスの開始アドレスおよび終了アドレスを与え、各メモコンから開始アドレスから終了アドレスまでの画像データを受けた後に、開始アドレスおよび終了アドレスを所定数分変更する、上記(6c)のデータ変換装置。
【0030】
これにより、a×b画素マトリクスの画像データ群の区切りで、データ処理器PEGに画像データを入力できる。
【0031】
(6e)前記制御モード情報が「奇数/偶数集成」(CM6)のとき前記メモコンは、与えられる並行2連のデータから交互に画像データを読出して1連で出力する上記(6b)のデータ変換装置。
【0032】
これによれば、奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列とを、奇数番列と偶数番列の画像データを交互に摘出して1連にした1ライン出力をすることが出来、また、異色の画像データを交互に摘出して1連にした2色1連の出力をすることができ、或は、画像データと像域分離データ(Fd)を交互に摘出して1連にして出力できる。
【0033】
(6f)前記制御モード情報が「奇数/偶数分離」(CM7)のとき前記メモコンは、与えられる1連のデータを、先頭から順番に交互に2連に振り分けて出力する上記(6b)のデータ変換装置。
【0034】
これによれば、1ラインの画像データを奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連で出力をすることが出来、また、異色の画像データを交互に並べて1連にした2色1連の画像データを、各色1連として2連で出力をすることができ、或は、画像データと像域データ(Fd)を交互に並べた1連のデータを、画像データと像域データ(Fd)に分離して2連で出力できる。
【0035】
(6g)前記データ処理器(PEG)は、それぞれが画像データを転送しうる第1バスおよび第2バスを含む同時に2つの画像データを並行して転送しうる入出力バス(図7の33内)に接続され;
前記バッファコントローラ(図8のBC)は更に、前記プロセッサ(38)が指定するメモコンの1つを第1バスに他の1つを第2バスに接続する選択手段(Ds20,Ds21:図7)を含む;
上記(6b)のデータ変換装置。
【0036】
(7)前記別の機能領域とは、LUT領域である、上記(1)乃至(6g)のいずれかに記載のデータ変換装置。これによれば、バッファメモリ(BM)を用いて、LUTによるデータ変換を行うことができる。
【0037】
(8)前記制御情報メモリ(CM)は、変換テーブルをバッファメモリ(BM)に形成するための変換用データを記憶し;
前記バッファコントローラ(BC)が、制御情報メモリ(CM)の制御情報データおよび変換用データに基づいて、バッファメモリ(BM)内のメモリに複数の変換テーブルを形成し、各変換テーブルに複数連の被変換データの各連を対応付けて、各変換テーブルから各連の被変換データに対応する変換済データを同時に並行して読出す;上記(1)のデータ変換装置。
【0038】
これによれば、1つの変換テーブルを形成するための変換用データに基づいて、バッファメモリ(BM)に同一の複数の変換テーブルが形成される。バッファコントローラ(BC)が、バッファメモリ(BM)に形成された前記複数の変換テーブルのそれぞれに複数連の被変換データの各連を対応付けて、各変換テーブルから各連の被変換データに対応する変換済データを同時に並行して読出すので、変換速度(データ変換量/時間)が高速になる。
【0039】
(9)前記制御情報メモリ(36,37)の変換用データは前記変換テーブルを生成する演算プログラムを含み;
前記データ処理器(PEG)は、それぞれが複数の多値階調データのそれぞれに並行して同時に同じデータ処理をする複数のデータ処理手段(PE)、を有し;
前記データ処理器(PEG)が、前記演算プログラムに基づいて前記複数のデータ処理手段を用いて前記変換テーブルを生成し;
前記バッファコントローラ(BC)が、前記データ処理手段が生成した変換テーブルと同一の複数の変換テーブルを、前記バッファメモリ(BM)に形成する;上記(8)のデータ変換装置。
【0040】
データ処理器(PEG)の複数のデータ処理手段(PE)で複数の多値階調データの各変換済データを算出すると、変換テーブル生成時間が短くなる。
【0041】
(10)前記演算プログラムは、複数ビット構成の多値階調データの変換済データへの変換特性の入力階調範囲(0〜255)を複数の区間に区分する境界値(x1〜x7),各区間の変換特性を直線近似するパラメータ(a1〜a8,b1〜b8)、および、前記複数ビット構成で表し得る階調範囲の各階調を表す多値階調データ、に基づいて補間演算により、各階調を表す多値階調データに対応付ける変換済データを算出するものである;上記(9)のデータ変換装置。
【0042】
たとえば320個の、上記機能のデータ処理手段(PE)を持つSIMD(Single Instruction stream Multi−Data stream)型のデータ処理器(33/53y,53m,53c,53kのPEG)を用いて、8ビット構成の多値階調データの、各値0〜255を表す多値階調データすなわち総計256個の多値階調データを、同時に補間演算による変換をすると、補間演算は略50ステップ前後とステップ数が多いが、同時に256個の演算結果が得られる。各値0〜255を表す多値階調データを1つづつ順次に変換する場合には、全部の変換が時系列で略50×256ステップ前後となるのに対して、上記補間演算の場合は時系列で略50ステップ前後と、大幅な時系列ステップ数の減少となり、変換テーブル生成時間が大幅に短くなる。すなわち変換テーブル生成速度を大幅に高速化できる。
【0043】
また例えば、0〜255を表わす1バイト(8ビット)構成の多値階調データを変換するために用いる変換テーブルは、0〜255の各アドレスに1バイトの変換済データを不揮発性のメモリ(HDD)に格納しておくと、256バイトのメモリ容量を必要とする。これに対して、被変換データを表わす多値階調データの8ビットが表し得る範囲を複数m、例えばm=8、の区間に区分し、各区間で直線近似で変換演算してRAMに変換テーブルを生成する場合には、HDD(又はROM108)から読み出して制御情報メモリ(36,37)に格納するデータ量は、各区間およびそこでの演算式を規定する境界値(x1〜x7)および補間演算パラメータ(a1〜a8,b1〜b8)を合わせて、例えば略3×8=24バイトとなり、データ量および所要メモリ容量の少量化が可能である。特に、各色成分画像データ宛てに複数組の変換特性が異なるγ変換テーブルを生成するための変換用データを準備しておいて、その中の1組を選択する場合に、制御情報メモリ(36,37)に格納するデータ量を大幅に削減できる。
【0044】
更には、コントローラ(106)がデータ処理装置(33)のプログラムメモリ(36)に、変換特性が異なったプログラムを書込むことによりすなわち書換えにより、変換特性が変わる。変換特性の選択又は変更を容易にできる。
【0045】
(10a)前記補間演算は、前記各階調を表す多値階調データについてのすべての直線近似パラメータ(a1〜a8,b1〜b8)を用いた全区間の変換済データの算出,多値階調データと前記境界値(x1〜x7)のそれぞれとの大小比較による多値階調データが属する区間の判定、および、該属する区間の変換済データのみの出力(図23)、を含む上記(10)のデータ変換装置。
【0046】
すなわち、1グループの多値階調データ群(D0〜Dn)のそれぞれの、各区間i、i=1〜m、の補間演算をデータ処理器(PEG)で同時に並行して実行し、全区間での補間演算を遂行すると、その間に、どのデータ処理手段(PE)も1回、正しい変換値を算出する。この正しい変換値を変換済データとして出力する。
【0047】
これにより、誤りのない変換済データを得ることができる。各値の多値階調データに対して、それを与えられたデータ処理手段(PE)は、見かけ上はm回(例えば、m=8)補間演算を繰り返す。したがって演算回数は多くなるが、1回の演算が簡単で時間が短いので、複数nの多値階調データ全体としての変換時間は短い。
【0048】
(10b)前記補間演算は、前記各階調を表す多値階調データのそれぞれを各データ処理手段(PE)に対応させて入力し、各多値階調データに対して全区間の補間演算を順次に実行し、前記境界値との大きさの比較により各多値階調データがどの区間に対応するかを判定することで、全区間の出力値の中から対応する区間の補間演算値のみを有効にする、上記(10a)のデータ変換装置。
【0049】
これによれば、各データ処理手段(PE)が同一時点には同一の区間の補間演算をして変換済データを算出する。しかしこのとき各データ処理手段(PE)に与えられる各多値階調データは同一ではなく、すべてが該補間演算が宛てられる区間iに入っているものとは限らない。区間iに入っていない多値階調データが与えられたデータ処理手段(PE)の演算出力はエラーであり、区間iに入っている多値階調データが与えられたデータ処理手段(PE)の演算出力が正しい値である。
【0050】
各区間i、i=1〜m、の補間演算を1つづつ、すべてのデータ処理手段(PE)で同時に同じ演算を並行して実行し、全区間の補間演算を遂行すると、その間に、どのデータ処理手段(PE)も1回、正しい変換値を算出する。この正しい変換値を有効とする。すなわち変換済データとして出力する。
【0051】
これにより、単一の命令に従う処理を並列に実行するSIMD型プロセッサによって、区分区間の簡易な演算で、誤りのない変換済データを得ることができる。1つの多値階調データに対して、それを与えられたデータ処理手段(PE)は、見かけ上はm回(例えば、m=8)補間演算を繰り返す。すなわち、各区間の補間演算yi、i=1〜m、のそれぞれを実行する。したがって演算回数は多くなるが、1回の演算が簡単で時間が短いので、大きなn値の複数(n+1)の多値階調データ全体としての変換時間は短い。
【0052】
(10c)前記制御情報メモリ(36,37)は、変換特性が異なった複数組の、補間演算のそれぞれの境界値(x1〜x7)および直線近似パラメータ(a1〜a8,b1〜b8)と、1組の境界値および直線近似パラメータに基いて補間演算する演算プログラムと、を保持する、上記(9)の画像処理装置。
【0053】
これによれば、複数の変換特性が選択可となる。例えば、ユーザ指定或は画像データが表わす画像の特性対応で自動的に1組を選択してプログラムメモリに書込めばよい。
【0054】
(10d)前記プログラムメモリに書込まれた前記演算プログラムは、前記制御情報メモリ(36,37)の1組の境界値および直線近似パラメータを含む、上記(10c)に記載のデータ変換装置。
【0055】
例えば図20に2点鎖線で示すγカーブに従うγ変換の、多値階調データのビット数(例えば1バイト=8ビット)が表し得る0〜255の範囲をm(例えばm=8)個の区間i(i=1〜m)に区分し、各区間iの補間演算式yi、i=1〜m、にしたがって、多値階調データx(画像データが表す値:0〜255)を変換する場合、補間演算式yiを、
yi=ai・x+bi ・・・(1)
と近似直線式に定めた場合を、図19に示すフローチャートを参照して説明する。
【0056】
データ処理器(PEG)が、n+1個(n=255)の多値階調データ群に対して同時に、次のステップγp1〜γp9を実行するプログラムを一組とし、演算式が異なる複数組を制御情報メモリ(36,37)に準備しておく。
【0057】
ステップγp1:各データ処理手段であるプロセッサエレメントPEj、j=0〜n、にn+1個の多値階調データ群の各データDjをセットする;
ステップγp2:第m区間の直線近似パラメータam,bmをプロセッサエレメントのパラメータ設定用レジスタに書込む。
【0058】
ステップγp3〜7:第1〜第(m−1)区間の中の、補間演算式
y1=a1・x+b1 ・・・(1−1)
を適用する第1区間の境界値x1をプロセッサエレメントPE0〜PEnに与えて、x1<Dj(与えられている多値階調データが与えられた境界値より大きい)かの比較を指示し、そして第1区間の直線近似パラメータa1,b1を与える。各プロセッサエレメントPEjは、自身にセットされた多値階調データDjが第1区間にある(x1<Dj:NO,すなわちx1≧Djである)かをチェックして、第1区間であると自身のフラグに「1」を立てる。そして、フラグに「1」を立てていると、次に与えられる前記第1区間の直線近似パラメータa1,b1を自身のパラメータ設定用レジスタに書込む。フラグに「1」を立てていないとこの書込はしない。
【0059】
第2区間(i=2)、境界値x2、の補間演算式
y2=a2・x+b2 ・・・(1−2)
ただし、x=x2のとき、a2・x2+b2=a1・x2+b1、すなわち第1区間の線分:(1−1)式と第2区間の線分:(1−2)式は連続である、の境界値x2を全プロセッサエレメントPE0〜PEnにあたえてx2<Djかの比較を指示し、そして第2区間の補間演算パラメータa2,b2を与える。各PEjは、自身にセットされた多値階調データDjが第2区間にある(x2<Dj:NO,すなわちx2≧Djである)かをチェックして、第2区間であると自身のフラグに「1」を立てる。そして、フラグに「1」を立てていると、次に与えられる前記第2区間の直線近似パラメータa2,b2を自身に書込む。フラグに「1」を立てていないとこの書込はしない。
【0060】
同様に、第3区間(i=3)の補間演算式
y3=a3・x+b3 ・・・(1−3)
の境界値x3および直線近似パラメータa3,b3を全プロセッサエレメントPE0〜PEnに与える。ただし、x=x3のとき、a3・x3+b3=a2・x3+b2、すなわち第2区間の線分:(1−2)式と第3区間の線分:(1−3)式は連続である。全データ処理手段(PE)PE0〜PEnは、上記と同様に動作する;


・。
【0061】
最後に、最後の区間mより1つ前の区間(i=m−1=7)の補間演算式
y(m−1)=a(m−1)・x+ ・・・(1−m−1)
の境界値x(m−1)および直線近似パラメータa(m−1),b(m−1)を全プロセッサエレメントPE0〜PEnに与える。ただし、x=x(m−2)のとき、a(m−1)・x(m−2)+b(m−1)=a(m−2)・x(m−2)+b(m−2)、すなわち第(m−2)区間の線分:(1−m−2)式と第(m−1)区間の線分:(1−m−1)式は連続である。全プロセッサエレメントPE0〜PEnは、上記ステップ2のときと同様に動作する。なお、最後の区間i=m(=8)の直線近似パラメータam,bmは、ステップγp2で全プロセッサエレメントPE0〜PEnのパラメータ設定用レジスタに書込んだので、自身にセットされた画像データDjが第1〜(m−1)区間の何れでもなかったプロセッサエレメントは、最後の区間i=m(=8)の直線近似パラメータam,bmを自身に保持していることになる。
【0062】
ステップγp8:全プロセッサエレメントPE0〜PEnに、A・x+Bの演算を指示する。xはプロセッサエレメント個別に与えられている画像データDjを意味し、A,Bはエレメント個別に書込んだ直線近似パラメータai,biを意味する。各プロセッサエレメントPEjは、ADj=ai・Dj+biを算出する;
ステップγp9:全プロセッサエレメントPEの算出値AD0〜ADnを出力する。
【0063】
1組のプログラムの上述の処理は、プログラム設計で言われるステップ数で表現すると50ステップ余りであり、演算式を規定する直線近似パラメータおよび境界値の数は例えば区間数m=8とすると、3×8=24バイトとなり、1組のプログラムのデータ量および所要メモリ容量の少量化が可能である。従って、少ないデータ量で複数組のプログラムを準備しておくことが容易である。
【0064】
本実施態様によれば、複数の変換特性が選択可となる。例えば、ユーザ指定或は画像データが表わす画像の特性対応で自動的に1組を選択してプログラムメモリに書込めばよい。
【0065】
(10e)前記制御情報メモリ(CM)は、前記補間演算で参照するデータを記憶するための読み書き可能なデータメモリ(37)を有し;該データメモリ(37)には、前記制御情報メモリ(36,37)の1組の境界値および直線近似パラメータが書込まれ、前記プログラムメモリ(36)には前記演算プログラムが書込まれる、上記(10c)のデータ変換装置。
【0066】
例えば、各区間iの補間演算式yi、i=1〜m、にしたがって、画像データx(画像データが表す値)を変換する場合、補間演算式yiを、
yi=ai・x+bi ・・・(1)
と定めた場合を説明すると1組の境界値および直線近似パラメータは、
第1区間(i=1)宛ての、前記のx1,a1,b1;
第2区間(i=2)宛ての、前記のx2,a2,b2;
第3区間(i=3)宛ての、前記のx3,a3,b3;
・ ・
・ ・
・ ・
第m区間(i=m)宛ての、前記のxm,am,bm;
の集合である。
【0067】
この場合、演算プログラムは、n+1個の画像データ群に対して同時に、次のデータ処理を実行する1組のみである:
ステップγp1a:各プロセッサエレメントPEj、j=0〜n、にn+1個の多値階調データ群の中の各画像データDjをセットする;
ステップγp2a:選択した組の境界値および直線近似パラメータの中の第m区間の補間演算パラメータam,bmを全プロセッサエレメントのパラメータ設定用レジスタに書込む。
【0068】
ステップγp3a〜γp7a:選択した組の境界値および直線近似パラメータの中の、第1区間(i=1)宛ての境界値x1および直線近似パラメータa1,b1を摘出して、上記(9)のステップγp3〜γp7と同様な態様で全プロセッサエレメントPE0〜PEnに与える;
第2区間(i=2)宛ての境界値x2および直線近似パラメータa2,b2を摘出して、上記(9)のステップγp3〜γp7と同様な態様で全プロセッサエレメントPE0〜PEnに与える;
第3区間(i=3)宛ての境界値x3および直線近似パラメータa3,b3を摘出して、上記(9)のステップγp3〜γp7と同様な態様で全プロセッサエレメントPE0〜PEnに与える;


・。
【0069】
最後に、最後の区間mより1つ前の区間(i=m−1=7)宛ての境界値x(m−1)および直線近似パラメータa(m−1),b(m−1)を摘出して、上記(8)のステップγp3〜γp7と同様な態様で全プロセッサエレメントPE0〜PEnに与える。
【0070】
ステップγp8a:上記(9)のステップγp8と同様;
ステップγp9a:上記(9)のステップγp9と同様。
【0071】
この実施態様によれば、複数の画像処理の種類又は変換特性が選択可となる。ユーザ指定或は画像データの特性対応で自動的に1組の境界値および直線近似パラメータを選択して、ただ1組のプログラムにしたがって、選択した1組の境界値および直線近似パラメータによって規定される特性の変換を実行することができる。境界値および直線近似パラメータの数は比較的に少なく、プログラムは1組のみ準備すればよいので、変換のために準備するデータ量(境界値,直線近似パラメータおよびプログラムのデータ総計)が少なくて済む。従ってそれらを格納するためのメモリ容量が少なくて済む。
【0072】
(10f)前記補間演算は、複数ビット構成の多値階調データの変換済データへの変換特性を表すベジェ曲線を規定する変換式に基づいて、前記複数ビット構成で表し得る階調範囲の各階調を表す多値階調データに対応付ける変換済データを算出するものである;上記(9)のデータ変換装置。
【0073】
例えば、特許第3112751号に提示した、拡張3次元ベジェ曲線を用いると、例えば、始点(0)および終点(255)の勾配c,dをパラメータとして与えて、変換式を
y=cx(255−x)+(3×255−d)(255−x)x+x
y:変換済データ(出力データ),x:被変換データ(入力データ)
として、x=0〜255の各値でのyを算出して、xをアドレスとし、yを格納データとする変換テーブルを生成できる。少ないパラメータで所望の形状の特性曲線を生成することができる。
【0074】
(11)前記制御情報メモリ(36,37)の変換用データは変換テーブルを含み;前記バッファコントローラ(BC)が、該制御情報メモリ(36,37)の1つの変換テーブルと同一の複数の変換テーブルを前記バッファメモリ(BM)に形成する;上記(8)に記載のデータ変換装置。
【0075】
これによれば、前記制御情報メモリ(36,37)の1つの変換テーブルと同一の複数の変換テーブルがバッファメモリ(BM)に形成される。バッファコントローラ(BC)が、バッファメモリ(BM)に形成された前記複数の変換テーブルのそれぞれに複数連の被変換データの各連を対応付けて、各変換テーブルから各連の被変換データに対応する変換済データを同時に並行して読出すので、変換速度(データ変換量/時間)が高速になる。
【0076】
(12)前記バッファメモリには同一の2つの変換テーブルが形成され;前記バッファコントローラ(BC)は、一方の変換テーブルに1ラインの奇数番画素の多値画像データの連なりを、他方の変換テーブルに偶数番画素の多値画像データの連なりを対応付けて、各変換テーブルから各連の各多値画像データに対応する変換済データを同時に並行して読出す;上記(8)乃至(11)のいずれかに記載のデータ変換装置。
【0077】
これによれば、1ライン上の奇数番画素と偶数番画素の多値画像データを、並行して同時に階調特性変換する。バッファメモリ(BM)およびデータ処理器(PEG)ともに、複数連の各多値階調データを並行して同時に入出力できるので、1ライン上の各画素の画像データを1画素ごとに順次に変換処理する場合の2倍の速度で1ラインの画像データを変換処理することができる。データ変換装置全体としての画像データ処理速度を2倍に高速化できる。
【0078】
(13)被変換データは画像データであり、変換テーブルはγ変換テーブルである、上記(8)乃至(12)のいずれかに記載のデータ変換装置。複数連のカラー画像データの各画像データを同時に並行してγ変換するので、γ変換速度を高速化できる。
【0079】
(14)原稿の画像を読取り、画像データを生成する画像読取手段(SCR)と画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段(PTR)の少なくとも1つと、上記(1)乃至(12)の何れかのデータ変換装置(IPU1/IPU3y,3m,3c,3k)と、を有する画像処理装置。
【0080】
これによれば、上記画像処理装置において、上記(8)乃至(12)に記述した作用効果が、同様に得られる。
【0081】
(15)前記画像読取手段(SCR)が、前記データ変換装置を含みRGB画像データに読取補正を加える第1画像処理手段(IPU1)を備え、
画像処理装置は更に、読取補正を加えたRGB画像データのYMCK画像データへの変換を含む画像データ処理をする第2画像処理手段(IPU2)を備え、
前記画像形成手段(PTR)は、前記YMCK画像データにプリンタ出力用の出力補正を加える第3画像処理手段(IPU3y,3m,3c,3k)を含み、
第1および第3画像処理手段(IPU1,IPU3y,3m,3c,3k)のそれぞれが前記構成の各データ変換装置を含み、RGB画像データの変換用の各色宛て複数の変換テーブルおよびYMCK画像データの変換用の各色宛て複数の変換テーブルをそれぞれ、第1および第3画像処理手段の各データ変換装置のバッファメモリに形成する、上記(14)の画像処理装置。
【0082】
これによれば、第1および第3画像処理手段のそれぞれが、RGB画像データおよびYMCK画像データのそれぞれに対して上記(8)乃至(12)に記述した階調特性の変換をそれぞれ実行する。したがって、上記(8)乃至(12)に記述した作用効果が、RGB画像データおよびYMCK画像データの変換のいずれでも、同様に得られる。
【0083】
(16)前記画像形成手段(SCR)は、作像する感光体ユニット(10Y,M,C,K)の数に対応した数の前記第3画像処理手段(IPU3y,3m,3c,3k)を含む、上記(15)の画像処理装置。
【0084】
例えば1組の感光体ユニットで順次にY,M,CおよびK画像を形成する場合には、各色画像データは作像順にプリンタに与えればよいので、1つの第3画像処理手段で、各色画像データの階調特性変換に対応できる。該変換がプリンタの各色画像形成のタイミングを遅くしてしまうことはない。
【0085】
例えば4組の感光体ユニット(10Y,M,C,K)のタンデム配列の場合、作像開始には時間ずれがあるものの略同時に並行して各色画像を形成して、同一転写紙上に重ね転写する。1つの第3画像処理手段でYMCK各色画像データのγ変換をすると、プリンタの各色画像形成のタイミングを遅くしてしまう。本実施態様では、4組の感光体ユニット(10Y,M,C,K)のそれぞれに対応する各画像処理手段(IPU3y,3m,3c,3k)を備えるので、各色画像形成のタイミングを遅らせる必要がなく、1つの感光体ユニットで順次に各色画像を形成する場合よりも、速くフルカラー画像プリントが得られる。
【0086】
(17)第3画像処理手段のデータ変換装置のデータ処理器(PEG)は、ディザ処理にも使えディザ処理で用いられる複数種類のマトリクス構成数をカバーできる数(96×整数 以上)のデータ処理手段(PE)を含む、上記(15)又は(16)の画像処理装置。
【0087】
これによれば、前記データ処理器(PEG)を、複数種類のマトリクス構成の何れのディザ処理にも使用できる。
【0088】
(18)画像データを転送するパラレルバス(Pb);画像メモリ(MEM);前記パラレルバス上の画像データを前記画像メモリに書込み、前記画像メモリの画像データを前記パラレルバスに読出す画像メモリ制御手段(IMAC);および、画像読取手段(SCR),第2画像処理手段(IPU2)および前記パラレルバス(Pb)の間の画像データのやりとりを制御する画像データ制御手段(CDIC);を更に備える、上記(15)の画像処理装置。
【0089】
例えば、画像データ制御手段(CDIC)によって画像読取手段(SCR)の出力RGB画像データを第2画像処理手段(IPU2)に与えてそのYMCK出力を画像形成手段(PTR)の第3画象処理手段に与えてその出力用YMCK画像データをプリントアウトできる。
【0090】
また画像データ制御手段(CDIC)によって画像読取手段(SCR)の出力RGB画像データをパラレルバス(Pb)に送出し、画像メモリ制御手段(IMAC)によってパラレルバス(Pb)の画像データを画像メモリ(MEM)に書込むことができる。そして、画像メモリ制御手段(IMAC)によって画像メモリ(MEM)のRGB画像データをパラレルバス(Pb)に読み出し、画像データ制御手段(CDIC)によってパラレルバス(Pb)のRGB画像データを第2画像処理手段(IPU2)に与えてその出力であるYMCK画像データを画像形成手段(PTR)の第3画象処理手段に与えて、その出力用YMCK画像データをプリントアウトできる。
【0091】
(19)前記画像データ制御手段(CDIC)は、前記画像読取手段(SCR)からの画像データを圧縮をして前記パラレルバス(Pb)に出力するか、又は、第2画像処理手段(IPU2)へ転送し第2画像処理手段(IPU2)が処理した画像データを圧縮をして前記パラレルバス(Pb)に出力するか、更には、パラレルバス(Pb)のデータを伸張して第2画像処理手段(IPU2)に転送するかを制御する、上記(18)のカラー画像処理装置。
【0092】
例えば、画像データ制御手段(CDIC)によって画像読取手段(SCR)の出力RGB画像データをバス転送用に圧縮1してパラレルバス(Pb)に送出し、画像メモリ制御手段(IMAC)によってパラレルバス(Pb)の画像データを更にメモリ書込み用に圧縮2して画像メモリ(MEM)に書込むことができる。そして、画像メモリ制御手段(IMAC)によって画像メモリ(MEM)のRGB画像データを伸張2(圧縮2の伸張)してパラレルバス(Pb)に読み出し、画像データ制御手段(CDIC)によってパラレルバス(Pb)のRGB画像データを伸張1(圧縮1の伸張)して第2画像処理手段(IPU2)に与えてその出力であるYMCK画像データを画像形成手段(PTR)の第3画象処理手段に与えて、その出力用YMCK画像データをプリントアウトできる。
【0093】
第2画像処理手段(IPU2)の出力であるYMCK画像データを、ただちには第3画像処理手段(IPU3)に出力せずに、画像データ制御手段(CDIC)によって圧縮1してパラレルバス(Pb)に送出し、画像メモリ制御手段(IMAC)によってパラレルバス(Pb)のYMCK画像データを圧縮2して画像メモリ(MEM)に書込むことができる。そして、画像メモリ制御手段(IMAC)によって画像メモリ(MEM)からYMCK画像データを伸張2してパラレルバス(Pb)に読み出し画像データ制御手段(CDIC)によって伸張1して画像形成手段(PTR)の第3画象処理手段に与えて、その出力用YMCK画像データをプリントアウトできる。
【0094】
従って、画像メモリ(MEM)を利用して、RGB画像データおよびYMCK画像データの蓄積,格納ができる。また、画像メモリ(MEM)に対する読み書きを利用して、画像編集を行うことができる。
【0095】
(20)前記画像メモリ制御手段(IMAC)は、パソコン,LANなどの外部機器や前記パラレルバスに接続されたファクシミリ及び前記画像データ制御手段との間の画像データを前記画像メモリ(MEM)に圧縮して書込み、または読み出して伸張する、上記(18)又は(19)の画像処理装置。
【0096】
これは、いわゆる複合機能複写機の態様であり、画像データを一旦画像メモリ(MEM)に格納することにより、高度な画像処理或は画像編集を施すことが出来るほかに、画像メモリ制御手段(IMAC)は、LANなどの外部機器や前記パラレルバスに接続されたファクシミリ及び前記画像データ制御手段(CDIC)との間で画像データをやり取りできる。そして、画像データをやり取りするときならびにプリントアウトするとき、第1画像処理手段(IPU1),第2画像処理手段(IPU2)ならびに第3画像処理手段(IPU3)で高速に画像処理できる。
【0097】
(21)上記(1)に記載のデータ変換装置を用い、その制御情報メモリ(CM)にLUTデータ演算プログラムを格納しておきそれに基づいて、データ処理器(PEG)で、多値階調データの階調を変換するLUTデータを算出し;制御情報メモリ(CM)の制御情報データに基づいてバッファコントローラ(BC)でバッファメモリ(BM)にLUT書込領域を定めて算出したLUTデータを書込み;制御情報メモリ(CM)の制御情報データに基づいてバッファコントローラ(BC)で転送先を定めて被変換データを前記LUT書込領域のLUTデータアドレスに変換して該LUT書込領域にアクセスしてLUTデータを読出して前記転送先に送出する;ことを特徴とするデータ変換方法。
【0098】
これによれば、上記(1)に記述した作用効果が、同様に得られる。加えて、LUTデータに変えてそれを生成するLUTデータ演算プログラムを制御情報メモリ(CM)に格納するので、LUTをバッファメモリにけいせいするために制御情報メモリ(CM)に格納するデータ量を削減することができる。また、LUTの変換特性の変更も容易である。
【0099】
(22)上記(1)に記載のデータ変換装置を用い、その制御情報メモリ(CM)に多値階調データの階調を変換するLUTデータを格納しておきそれを、制御情報メモリ(CM)の制御情報データに基づいてバッファコントローラ(BC)でバッファメモリ(BM)にLUT書込領域を定めてそこに書込み;制御情報メモリ(CM)の制御情報データに基づいてバッファコントローラ(BC)で転送先を定めて被変換データを前記LUT書込領域のLUTデータアドレスに変換して該LUT書込領域にアクセスしてLUTデータを読出して前記転送先に送出する;ことを特徴とするデータ変換方法。
【0100】
これによれば、上記(1)に記述した作用効果が、同様に得られる。加えて制御情報メモリ(CM)に格納しているLUTデータをそのままバッファメモリに書込むことによりバッファメモリにLUTを形成するので、バッファメモリ上にLUTを形成する速度を早くできる。
【0101】
(23)前記バッファコントローラ(BC)で、制御情報メモリ(CM)の制御情報データに基づいてバッファメモリ(BM)に複数のLUT書込領域を定めてそれらに同一のLUTデータを書込み;制御情報メモリ(CM)の制御情報データに基づいてバッファコントローラ(BC)で各転送先を定めて複数連の被変換データの各連を各LUT書込領域のLUTデータアドレスに変換して各LUT書込領域にアクセスして各LUTデータを読出して各転送先に送出する;上記(21)又は(22)のデータ変換方法。
【0102】
これによれば、上記(8)又は(11)に記述した作用効果が、同様に得られる。
【0103】
(24)前記バッファメモリ(BM)に同一の2つの変換テーブルを形成し、前記バッファメモリによって、一方の変換テーブルに1ラインの奇数番画素の多値画像データの連なりを、他方の変換テーブルに偶数番画素の多値画像データの連なりを対応付けて、各変換テーブルから各連の多値画像データに対応する変換済データを同時に並行して読出す;上記(23)のデータ変換方法。
【0104】
これによれば、上記(12)に記述した作用効果が、同様に得られる。
【0105】
(25)変換対象データは、カラー画像データであり、変換テーブルはカラーγ変換テーブルである、上記(24)のデータ変換方法。
【0106】
これによれば、上記(13)に記述した作用効果が、同様に得られる。
【0107】
(26)原稿の画像を読取り、1画素の画情報を複数ビット構成の多値階調データで表すカラー画像データを生成する画像読取手段(SCR)とカラー画像データに基づいてカラー画像を形成するカラー画像形成手段(PTR)の少なくとも1つと、カラー画像データにγ変換を含む画像データ処理を施すデータ変換装置とを備えるカラー画像処理装置において、該データ変換装置が、
読み書き可能なプログラムメモリ(36)、および、該プログラムメモリのプログラムに従ってそれぞれが複数の多値階調データのそれぞれに並行して同時に同じデータ処理をする複数のプロセッサエレメント(PE)、を有するデータ処理装置(33/53y,53m,53c,53k);
γ変換特性の入力階調範囲を複数の区間に区分する境界値(x1〜x7),各区間の直線近似による補間演算を規定する補間演算パラメータ(a1〜a8,b1〜b8)、および前記複数ビット構成で表し得る階調範囲の各階調を表わす多値階調データ、に基づいて補間演算により、各階調を表す多値階調データをγ変換する補間演算プログラムを、前記プログラムメモリ(36)に書込むコントローラ(106);および、前記データ処理装置(33/53y,53m,53c,53k)が前記補間演算プログラムに従ってγ変換した前記各階調を表す多値階調データ対応のγ変換データ群を含むγ変換テーブルの同一のもの複数組を記憶保持し、各γ変換テーブルのそれぞれに複数連のカラー画像データの各連を対応付けて、各γ変換テーブルから各連のカラー画像データに対応するγ変換済データを同時に並行して読出す、バッファメモリ装置(32);
を含むことを特徴とするカラー画像処理装置。
【0108】
これによれば、前記カラー画像処理装置において、上記(10)に記述した作用効果を、カラー画像データのγ変換に関して、同様に得ることができる。
【0109】
(27)少なくともバッファメモリ(図8のBM)の制御情報データ(管理情報)を記憶する制御情報メモリ(CM)と、
逐次的に入力されるデータを蓄え、蓄えたデータの所定数を同時にデータ処理器(PEG)に出力し、また、データ処理器(PEG)で処理された所定数の処理済データを一旦蓄えて出力可能なバッファメモリ(BM)と、
該バッファメモリ(BM)の所定数のデータを同時に並行して入力して処理しあるいは処理した所定数のデータを同時に並行して前記バッファメモリ(BM)に出力するデータ処理器(PEG)と、
前記バッファメモリ(BM)が該データ処理器(PEG)への並行入出力に適した形になるように、両者の接続を適応的に変化させることができるバッファコントローラ(BC)とを備え、
該バッファコントローラ(BC)が、制御情報メモリ(CM)の制御情報データ(管理情報)を元に、バッファメモリ(BM)をデータ処理器(PEG)への並行入出力に適した設定にした後に、バッファメモリ(BM)からデータ処理器(PEG)に所定数のデータを同時に並行して入力しあるいはデータ処理器(PEG)が処理した所定数のデータを同時に並行してバッファメモリ(BM)に出力する、ことを特徴とするデータ変換装置(図8)。
【0110】
すなわち、バッファコントローラ(図8のBC)が、制御情報メモリ(CM)に記憶されている制御情報データ(管理情報)を参照して、バッファメモリ(BM)の使用態様(使用領域&使用モード)を決定する。続いて、決定した使用態様に従って、バッファコントローラ(BC)は、バッファメモリ(BM)中のメモリと、データ処理器(PEG)との接続を行い、データ処理器(PEG)中のデータ処理手段であるプロセッサエレメントPE列に対するデータ転送を行う。
【0111】
この実施態様によれば、データ処理器(PEG)への並行入出力に適した形になるように、バッファメモリ(BM)とデータ処理器(PEG)の接続をバッファコントローラ(BC)で適応的に変化させることができるので、少ないバッファメモリ(BM)で多様な処理が可能になる。
(28)少なくともバッファメモリ(図8のBM)の制御情報データ(管理情報)、ならびに、変換テーブルおよび補間演算データの2つのうちの1つ以上を含む変換用データ、を記憶する制御情報メモリ(CM)と、
逐次的に入力されるデータを蓄え、蓄えたデータの所定数を同時にデータ処理器(PEG)に出力し、また、データ処理器で処理された所定数の処理済データを一旦蓄えて出力可能なバッファメモリ(BM)と、
該バッファメモリ(BM)の所定数のデータを同時に並行して入力して処理しあるいは処理した所定数のデータを同時に並行して出力するデータ処理器(PEG)と、
前記バッファメモリ(BM)が該データ処理器(PEG)への並行入出力に適した形になるように、両者の接続を適応的に変化させ、また、前記制御情報メモリ(CM)の変換用データに基づいて、同一の複数の変換テーブルを前記バッファメモリ(BM)に形成することができるバッファコントローラ(BC)とを備え、
前記バッファメモリ(BM)が、そのメモリの一部又は全部を、バッファコントローラ(BC)によってデータ処理器(PEG)への並行入出力に適した状態に設定された後に、バッファメモリ(BM)からデータ処理器(PEG)に所定数のデータを同時に並行して入力しあるいはデータ処理器(PEG)が処理した所定数のデータを同時に並行してバッファメモリ(BM)に出力するか、あるいは、前記バッファメモリ(BM)に形成された前記複数の変換テーブルのそれぞれに複数連の被変換データの各連を対応付けて、各変換テーブルから各連の被変換データに対応する変換済データを同時に並行して読出すか、または両者の処理を行う、ことを特徴とするデータ変換装置。
【0112】
バッファメモリ(BM)をラインバッファ、LUT変換、もしくはその両者として使用することが特徴であり、その設定は上記(27)と同じ態様で行う。これによれば、処理に適した形にデータ処理器(PEG)とバッファメモリ(BM)とを接続可能になるため、少ないバッファメモリで多様な処理が可能になる。また、バッファメモリ(BM)をテーブル変換として使用可能であるため、変換テーブルによるデータ変換を高速にすることが可能である。
【0113】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0114】
【実施例】
−第1実施例−
図1に本発明の一実施例の複合機能フルカラーデジタル複写機の外観を示す。このフルカラー複写機は、大略で、自動原稿送り装置ADFと、操作ボードOPBと、カラースキャナSCRと、カラープリンタPTR、の各ユニットで構成されている。機内のカラー画像データ処理装置ACP(図3)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)、および、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)に接続された交換器PBXが接続されており、交換器PBXにファクシミリボードのファクシミリコントロールユニットFCU(図3)が接続されている。プリンタPTRのプリント済の用紙は、排紙トレイ8上に排出される。
【0115】
図2に、カラープリンタPTRの機構を示す。この実施例のカラープリンタPTRは、レーザプリンタである。このレーザプリンタPTRは、マゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットが、転写紙の移動方向(図中の右下から左上方向)に沿ってこの順に配置されている。即ち、4連ドラム方式のフルカラー画像形成装置である。
【0116】
これらマゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(K)のトナー像形成ユニットは、それぞれ、感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kを有する感光体ユニット10M,10C,10Yおよび10Kと現像ユニット20M,20C,20Yおよび20Kとを備えている。また、各トナー像形成部の配置は、各感光体ユニット内の感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kの回転軸が水平x軸に平行になるように、且つ、転写紙移動方向(y,z平面上でy軸に対して45°をなす左上がり線)に所定ピッチの配列となるように、設定されている。各感光体ユニットの感光体ドラムとしては、表面に有機感光体(OPC)層を有する直径が30mmの感光体ドラムを用いた。
【0117】
また、レーザプリンタPTRは、上記トナ−像形成ユニットのほか、レーザ走査による光書込ユニット2、給紙カセット3,4、レジストローラ対5、転写紙を担持して各トナ−像形成部の転写位置を通過するように搬送する転写搬送ベルト60を有する転写ベルトユニット6、ベルト定着方式の定着ユニット7、排紙トレイ8等を備えている。また、レーザプリンタPTRは、図示していない手差しトレイ、トナ−補給容器、廃トナーボトル、両面・反転ユニット、電源ユニットなども備えている。
【0118】
光書込ユニット2は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kの表面にレーザ光を、x方向に振り走査しながら照射する。また図2上の一点鎖線は、転写紙の搬送経路を示している。給紙カセット3,4から給送された転写紙は、図示しない搬送ガイドで案内されながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ対5に送られる。このレジストローラ対5により所定のタイミングで転写搬送ベルト60に送出された転写紙は転写搬送ベルト60で担持され、各トナ−像形成部の転写位置を通過するように搬送される。
【0119】
各トナー像形成部の感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kに形成されたトナー像が、転写搬送ベルト60で担持され搬送される転写紙に転写され、各色トナー像の重ね合わせ即ちカラー画像が形成された転写紙は、定着ユニット7に送られる。定着ユニット7を通過する時トナー像が転写紙に定着する。トナー像が定着した転写紙は、排紙トレイ8上に排出される。すなわち転写は、転写紙上にじかにトナー像を転写する直接転写方式である。
【0120】
イエローYのトナ−像形成ユニットの概要を次に説明する。他のトナ−像形成ユニットも、イエローYのものと同様な構成である。イエローYのトナー像形成ユニットは、前述のように感光体ユニット10Y及び現像ユニット20Yを備えている。感光体ユニット10Yは、感光体ドラム11Yのほか、感光体ドラム表面に潤滑剤を塗布するブラシローラ,感光体ドラム表面をクリーニングする揺動可能なブレード,感光体ドラム表面に光を照射する除電ランプ,感光体ドラム表面を一様帯電する非接触型の帯電ローラ、等を備えている。
【0121】
感光体ユニット10Yにおいて、交流電圧が印加された帯電ローラにより一様帯電された感光体ドラム11Yの表面に、光書込ユニット2で、プリントデータに基づいて変調されポリゴンミラーで偏向されたレーザ光Lが走査されながら照射されると、感光体ドラム11Yの表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム11Y上の静電潜像は、現像ユニット20Yで現像されてイエローYのトナー像となる。転写搬送ベルト60上の転写紙が通過する転写位置では、感光体ドラム11Y上のトナー像が転写紙に転写される。トナ−像が転写された後の感光体ドラム11Yの表面は、ブラシローラで所定量の潤滑剤が塗布された後、ブレードでクリーニングされ、除電ランプから照射された光によって除電され、次の静電潜像の形成に備えられる。
【0122】
現像ユニット20Yは、磁性キャリア及びマイナス帯電のトナ−を含む二成分現像剤を収納している。そして、現像ケース1Yの感光体ドラム側の開口から一部露出するように配設された現像ローラや、搬送スクリュウ、ドクタブレード、トナ−濃度センサ,粉体ポンプ等を備えている。現像ケース内に収容された現像剤は、搬送スクリュウで攪拌搬送されることにより摩擦帯電する。そして、現像剤の一部が現像ローラの表面に担持される。ドクタブレードが現像ローラの表面の現像剤の層厚を均一に規制し、現像ローラの表面の現像剤中のトナーが感光体ドラムに移り、これにより静電潜像に対応するトナー像が感光体ドラム11Y上に現われる。現像ケース内の現像剤のトナー濃度はトナ−濃度センサで検知される。濃度不足の時には、粉体ポンプが駆動されてトナーが補給される。
【0123】
次に、転写ベルトユニット6の概要を説明する。転写ベルトユニット6の転写搬送ベルト60は、体積抵抗率が10〜1011Ωcmである高抵抗の無端状単層ベルトであり、その材質はPVDF(ポリふっ化ビニリデン)である。この転写搬送ベルト60は、各トナ−像形成部の感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kに接触対向する各転写位置を通過するように、4つの接地された張架ローラに掛け回されている。これらの張架ローラのうち、2点鎖線矢印で示す転写紙移動方向上流側の入口ローラには、電源から所定電圧が印加された静電吸着ローラが対向するように配置されている。これらの2つのローラの間を通過した転写紙は、転写搬送ベルト60上に静電吸着される。また、転写紙移動方向下流側の出口ローラは、転写搬送ベルトを摩擦駆動する駆動ローラであり、図示しない駆動源に接続されている。また、転写搬送ベルト60の外周面には、電源から所定のクリーニング用電圧が印加されたバイアスローラが接触するように配置されている。このバイアスローラにより転写搬送ベルト60上に付着したトナー等の異物が除去される。
【0124】
また、感光体ドラム11M,11C,11Yおよび11Kに接触対向する接触対向部を形成している転写搬送ベルト60の裏面に接触するように、転写バイアス印加部材を設けている。これらの転写バイアス印加部材は、マイラ製の固定ブラシであり、各転写バイアス電源から転写バイアスが印加される。この転写バイアス印加部材で印加された転写バイアスにより、転写搬送ベルト60に転写電荷が付与され、各転写位置において転写搬送ベルト60と感光体ドラム表面との間に所定強度の転写電界が形成される。
【0125】
図3に、図1に示す複写機の電気系システムの主要部を示す。原稿を光学的に読み取るカラー原稿スキャナSCRは、読み取りユニット21にて、原稿に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子に集光する。受光素子(本実施例ではCCD)は、読み取りユニット21のセンサー・ボード・ユニット(以下単にSBUと称す)にあり、CCDに於いて電気信号に変換されたRGB画像信号は、SBU上でディジタル信号すなわち読取った各8ビット多値のR,G,B画像デ−タに変換された後、SBUから、第1画像処理ユニットIPU1(以下、単にIPU1と表現する)に与えられる。
【0126】
IPU1は、入力RGB画像デ−タのそれぞれ(R,G,B画像データ)に、読取補正(CCDライン間補正,主走査レジスト調整,シェーディング補正,ドット補正,縦スジ補正およびスキャナγ変換)を加えると共に、RGB画像データが表す画像が、文字,線などの濃淡が2値的なもの(以下単に文字と称す)のエッジ(文字エッジ)又は中(線幅内:文字なか)か、写真などの網点画像(以下単に写真と称す)か、更に、有彩か、無彩か、を判定する像域分離を行う。また、RGB画像データが、紙幣や証券などの、複製禁止物を表すものであるかの判定(以下単に紙幣認識と称す)を行う。
【0127】
そしてIPU1は、読取補正をした各8ビット多値のRGB画像データに、像域分離結果すなわち判定結果を表す像域データFdを加えて、それらを圧縮/伸張及びカラーデータインターフェース制御部CDIC(以下単にCDICと称す)に出力する。紙幣認識の結果が複製禁止物であるとIPU1は、システムコントローラ106にこれを報知する。システムコントローラ106はこの報知に応答して、カラー原稿スキャナSCRによる原稿画像読取りに付帯する画像処理条件(たとえば複写指示の場合には、フルカラー読取りか否か)を参照して、忠実な複製となる複写条件が設定されていると複製画を大きく色違いにする、画像毀損用のスキャナγ変換をIPU1に設定する。
【0128】
CDICは、RGB画像データおよびYMCK画像データとそれらに付帯する像域データFdに関し、IPU1,パラレルバスPbおよび中間処理用の第2画像処理ユニットIPU2(以下、単にIPU2と表現する)の間のデータ転送、ならびに、図1に示すデジタル複写機全体制御を司るシステムコントローラ106と、主に読取ユニット21の動作とカラープリンタPTRの画像形成プロセス制御を司るプロセスコントローラ101との間の、画像データ転送およびその他の制御に関する通信を行う。システムコントローラ106とプロセスコントローラ101は、パラレルバスPb,CDIC及びシリアルバスSbを介して相互に通信を行う。CDICは、その内部に於いてパラレルバスPbとシリアルバスSbとのデータインターフェースのためのデータフォーマット変換を行う。
【0129】
カラー原稿スキャナSCRのIPU1からの、像域データFd付きのRGB画像データ(以下単にRGB画像データと称すこともある)は、CDICを経由してIPU2又はパラレルバスPbに転送又は送出される。パラレルバスPbに送出したRGB画像データは、画像メモリアクセス制御部IMAC(以下単にIMACと称す)によって画像メモリMEMに書込まれる。画像メモリMEMからパラレルバスPbに読み出したRGB画像データは、ファクシミリ送信のときにはFCUに、そうでないときにはIPU2に出力される。
【0130】
IPU2はRGB画像データを各8ビット多値のYMCK画像データに変換し更にその前後に数種の画像処理を加える。YMCK画像データは、CDICを経由してパラレルバスPbに送出されIMACによって画像メモリMEMに格納される,或は、IPU2から直接に、Y,M,CおよびKの画像データごとにそれぞれ、第3画像処理ユニットIPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3k(以下、単にIPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kと表現する)に出力される。
【0131】
IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kはそれぞれ、Y,M,CおよびK画像データに各色プリンタγ変換を施してから、階調処理によりプリント出力用の2値のY,M,CおよびK画像データに変換しカラープリンタPTRの作像ユニット105に出力する。
【0132】
上述のようにCDICには、RGB画像デ−タ又はYMCK画像データをメモリMEMに蓄積して再利用するジョブと、RGB画像デ−タをメモリMEMに蓄積しないでIPU2でYMCK画像データに変換してIPU3y,3m,3c,3kに出力しプリントアウトするジョブとがある。メモリMEMに蓄積する例としては、1枚の原稿を複数枚複写する場合、読取りユニット21を1回だけ動作させ、IPU1のRGB画像デ−タ又はそれをIPU2で変換したYMCK画像データをメモリMEMに蓄積し、蓄積データを複数回読み出す使い方がある。メモリMEMを使わない例としては、1枚の原稿を1枚だけ複写する場合、IPU1のRGB画像デ−タをそのままIPU2に出力しそのYMCK画像データをIPU3でプリンタ出力用に処理すれば良いので、メモリMEMへの書込みを行う必要はない。
【0133】
まず、メモリMEMを使わない場合、IPU1からCDICへ転送された画像データは、CDICからIPU2に送られる。IPU2は、RGB画像データに中間処理(フィルタ処理,地肌除去,色変換すなわちYMCK画像データへの変換,下色除去,主走査変倍,主走査シフト,主走査ミラーリング,副走査間引き,マスク処理および単色文字出力の場合の2値化)を施す。
【0134】
IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kはそれぞれ、Y,M,CおよびK画像データに、出力補正(プリンタγ変換および階調処理)を施す。階調処理により2値化されたY,M,CおよびK画像データが、レ−ザプリンタPTRの作像ユニット105に於いてY,M,CおよびK作像ユニットのレーザ変調器に与えられ、各色画像形成用の2値静電潜像が、感光体ドラム11Y,11M,11Cおよび11Kに形成される。階調処理には、濃度変換,ディザ処理,誤差拡散処理等が有り、階調情報の面積近似を主な処理とする。
【0135】
メモリMEMに蓄積し、それからの読み出し時に付加的な処理、例えば画像方向の回転,画像の合成等を行う場合は、IPU1からCDICへ転送されたデータは、CDICでバス転送用の1次圧縮をしてからパラレルバスPbを経由してIMACに送られる。ここではシステムコントローラ106の制御に基づき画像データと画像メモリMEMのアクセス制御,外部パソコンPC(以下単にPCと称す)のプリント用データの展開(文字コ−ド/キャラクタビット変換),メモリー有効活用のための画像データの2次圧縮を行う。
【0136】
IMACで2次圧縮したデータは画像メモリMEMへ蓄積し、蓄積データを必要に応じて読み出す。読み出したデータはIMACで2次伸張(2次圧縮の伸張)をして1次圧縮データに戻しIMACからパラレルバスPb経由でCDICへ戻される。CDICでは、1次伸張(1次圧縮の伸張)をして画像データに戻してIPU2に送り、RGB画像データの場合はそこでYMCK画像データに変換して、上述と同様に圧縮して画像メモリMEMに書込む。又は、IPU2のYMCK画像データを直ちにIPU3y〜3kに送り、作像ユニット105で画像を形成する。
【0137】
上述の画像データの流れに於いて、IMACの、画像メモリMEMおよびパラレルバスPbに対する画像データの読み書き制御、ならびに、CDICの、IPU1およびIPU2とパラレルバスPbとの間のバス制御により、デジタル複写機の複合機能を実現する。複写機能の1つであるFAX送信機能は、カラー原稿スキャナSCRの読取りユニット21が発生するRGB画像データをIPU1にて読取補正し、必要に応じて更にIPU2でYMCK画像データに変換して、CDIC及びパラレルバスPbを経由してFCUへ転送する。FCUにて公衆回線通信網PN(以下単にPNと称す)へのデータ変換を行い、PNへFAXデータとして送信する。FAX受信は、PNからの回線データをFCUにて画像データに変換し、パラレルバスPb及びCDICを経由してIPU2へ転送する。受信データがRGB画像データであるとIPU2でYMCK画像データに変換するが、受信データがYMCK画像データであると特別な中間処理は行わず、IPU3y〜3kに送り、作像ユニット105で画像を形成する。
【0138】
複数ジョブ、例えばコピー機能,FAX送受信機能およびプリンタ出力機能、が並行に動作する状況に於いて、カラー原稿スキャナSCR,カラープリンタPTR,パラレルバスPbおよびIPU2の使用権のジョブへの割り振りを、システムコントロ−ラ106およびプロセスコントロラ101にて制御する。
【0139】
プロセスコントローラ101は画像データの流れを制御し、システムコントローラ106はシステム全体を制御し各リソースの起動を管理する。このデジタル複合機能カラー複写機の機能選択は、操作ボ−ドOPBにて選択入力し、コピー機能,FAX機能等の処理内容を設定する。パソコンPCのプリントコマンドに応答するプリンタ出力機能の処理内容は、パソコンPCのプリントコマンドが設定する。
【0140】
カラー原稿スキャナSCRが出力する読取補正をしたRGB画像データを、一旦メモリMEMに蓄積しておけば、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3k、ならびに必要に応じてIPU2で施す処理を変える事によって種々の再生画像を確認することができる。例えばγ変換特性を変えてみたり、再生画像の濃度を振ってみたり、ディザマトリクスの線数を変更してみたりする事で、再生画像の雰囲気を変更できる。この時処理を変更する度に画像をカラー原稿スキャナSCRで読み込み直す必要はなく、MEMから格納画像を読み出せば同一データに対し、何度でも異なる処理を実施できる。
【0141】
図4の(a)に、カラー原稿スキャナSCRの画像データ処理系の概要を示す。CCD22が発生したR,G,B画像信号はA/Dコンバータ23で8ビット多値のR,G,B画像データに変換されて、インターフェース(以下ではI/Fと称す)24を通して、IPU1に与えられる。
【0142】
IPU1の主要部は、入出力I/F31,バッファメモリ装置32、および、データ処理装置であるSIMD型プロセッサ33を結合したカラー画像処理ユニットである。
【0143】
図5に、IPU1のカラー画像処理ユニット(31+32+33)の各部の構成を示す。入出力I/F31には、画像データの入,出力をする画像ポート0〜4、および、制御データ,制御信号あるいは同期信号のやり取りをするモード設定器(モード指定デコーダ),SCI(System Control Interface),割込みコントローラ,JTAG(回路自動テスト),ホストI/Fおよびクロックジェネレータ、ならびにタイマがある。画像ポート0および1は画像データの入力専用,画像ポート2は画像データの入出力用、ならびに、画像ポート3および4は出力専用である。
【0144】
各画像ポート0〜4には、第1ポートと第2ポートがあり、第1及び第2各ポートで1バイトのデータを同時に入力および又は出力できる。これにより各画像ポート0〜4は、2バイトのデータを同時に並行して入力および又は出力できる。RGBおよびYMCKカラー画像データ(多値階調)は8ビット、モノクロ読取りおよび又はモノクロプリントが指定(モノクロ処理モード指定)された場合の読取りデータ,プリント出力データ(多値階調)も8ビットである。したがってモノクロ処理モードのときには、2つの画像データ即ち2画素の画像データを同時に並行して入力/出力できる。カラー処理モードの時には、1画素のRGB各画像データの2つを同時に並行して入力/出力できる。
【0145】
バッファメモリ装置32の、各メモリであるRAM0〜15のそれぞれは、8Kバイトの記憶容量がある。8Kバイトは、A3版短辺に平行な1ラインの600dpiの多値の画像データ(8ビット:R,G,B,Y,M,C,K画像データの1種)を格納しうる容量であり、ラインバッフアとして画像データの入力および又は出力に用いられる、あるいは、LUTとして用いられる。この種のRAMが16個あり、それぞれ2バイト一括の読み書きと、1バイトづつの読み書きとを選択できるものである。2個のRAM16,17は、それぞれ2Kバイトの容量であり、これらは、画像データ転送元又は転送先との間のシリアルデータ転送の速度差吸収のために、画像データを循環シフトする循環シフトレジスタとして使用するものである。
【0146】
これらのRAM0〜17はメモリスイッチSW1〜SW3の何れかに接続されている。画像ポート0〜4,メモリスイッチSW1〜SW3およびSIMD型プロセッサ33の3者の間にはメモリコントローラ「メモコン」0〜17が介挿されている。画像ポート0〜4のそれぞれに接続したメモコン0〜5,11および12は、SIMD型プロセッサ33が与える入出力モード指定に応じて、画像ポートに対するデータ入出力機能を有する。これらのメモコンに対して、画像ポート,SIMD型プロセッサ33又はRAM(0〜17)が、データ転送の発送側となり、また、データ転送の受取側となる。
【0147】
その他のメモコン6〜10および13〜19も、SIMD型プロセッサ33が与える入出力モード指定に応じて、データの転送方向(From/To)を定めるデータセレクト機能を有するが、これらのメモコンに対しては、SIMD型プロセッサ33又はRAM(0〜17)がデータ転送の発送側となり、また、データ転送の受取側となる。しかし、画像ポートに対する接続機能は無い。
【0148】
メモコン0〜19の何れも、SIMD型プロセッサ33が与えるRAM指定に応じて、メモリスイッチ(SW1〜SW3)を、指定されたRAM(0〜17)に自己メモコンを接続するように設定する。
【0149】
メモコン0〜19のそれぞれには、SIMD型プロセッサ33が与えるメモコン設定情報を格納する設定情報レジスタおよびSIMD型プロセッサ33が指定する接続先RAM(0〜17)の管理情報を格納する管理情報レジスタならびにDMA(ダイレクトメモリアクセス)コントローラ(DMAC)がある。また、DMACには、接続先RAM(0〜17)の読み書きアドレスを定めるアドレスカウンタ,開始アドレスレジスタ(ラッチ),終了アドレスレジスタ,使用モードレジスタ、および、メモリ入出力制御回路がある。これら開始アドレスレジスタ,終了アドレスレジスタおよび使用モードレジスタはそれぞれ、RAMの複数の領域区分(図17)での各領域宛ての開始アドレス,終了アドレスおよび使用モード(バッフアメモリ/LUT)を保持しえるように、複数の情報を格納できる。
【0150】
前記メモリ入出力制御回路は、前記設定情報レジスタおよび管理情報レジスタのデータ群をデコードし、データ転送の発送側のタイミング信号に同期して、受取側への制御信号およびタイミング信号を生成するデコーダを含み、更に、8KバイトのRAM0〜15は、1ラインデータの、奇数番画素データと偶数番画素データへの分離、またその逆の、奇数番画素データと偶数番画素データの1ラインへの集成、の各データ処理に用いる偶数番(又は奇数番)画素同期信号を生成するための、画素同期パルスを1/2に分周する1/2分周器を含む。
【0151】
バッファメモリRAM(0〜17)に対してデータを読み書きするときには、前記メモリ入出力制御回路のデコーダは、前記アドレスカウンタの画素同期パルスのカウント値(画素アドレス)を、前記開始アドレスレジスタおよび終了アドレスレジスタのデータと比較して、現在のRAMアクセス領域を検知し、検知した領域の使用モードデータを使用モードレジスタから読み出して、それを動作モード制御信号にデコードしてRAM(0〜17)に対する読み書きを制御する。
【0152】
メモコン設定情報により、あるメモコンA(0〜19の1つ)に、接続すべきあるRAMa(0〜17の1つ)が指定され、その使用モードに「バッフアメモリ」(書込/読出し)が指定された場合には、該メモコンAは、メモリスイッチ(SW1〜SW3)の内部のデータセレクタを該メモコンAが該RAMaにアクセスする接続に定める。この場合に、メモコン設定情報がたとえば入力カラー画像データの読込みを指定するときには、プロセッサ33が指定したRAMa(0〜17)に、同じく指定した画像ポートに入ってくるカラー画像データを書込む。
【0153】
RAMの使用モードがLUT(変換テーブル)であり、メモコン設定情報がLUTを生成する(RAMにLUTデータを書込む)もののときには、メモコンB(0〜19の1つ)は、SIMD型プロセッサ33が与えるγ変換データを、該プロセッサ33が指定したRAMb(0〜15の1つ)の、プロセッサ33が指定したアドレス(開始アドレス〜終了アドレス)に書込む。
【0154】
メモコン設定情報がLUTを用いるカラー画像データの階調特性の変換(例えばγ変換)であると、メモコンC(0〜19の1つ)はプロセッサ33が指定した画像ポート又はRAMc(0〜15の1つ)の入力画像データをアドレスデータとして送出し、メモコンBがLUTがあるRAMbを該アドレスデータでアクセスして入力画像データに対応するγ変換データを読出して、プロセッサ33又はそれが指定したRAMd(0〜15の1つ)に書込む。あるいは画像ポートに出力することもできる。
【0155】
メモコン設定情報による指定モードがカラー画像データの送出であると、プロセッサ33が出力する、またはそれが指定したRAMe(0〜15の1つ)の、カラー画像データを画像ポートに送出する。
【0156】
指定モードにはその他に数種があり、パラレル/シリアル変換又はその逆の変換を行う、RAM(0〜17)へのカラー画像データの書込みならびにRAM(0〜17)のカラー画像データの読み出しもある。
【0157】
図6の(a)に、図5に示す、データ処理装置であるSIMD型プロセッサ33の内部構成の概略を示し、図6の(b)には、(a)に示す1つのプロセッサエレメントPEの一部分の構成を拡大して示す。プロセッサエレメントPE群がデータ処理器(PEG:図8)である。
【0158】
データ処理装置であるSIMD型プロセッサ33は、内部にプロセッサエレメントPE区分のローカルメモリRAM群を持ち、使用するメモリ領域,データパスの経路をグローバルプロセッサ38にあるデータバスコントロールに於いて制御する。入力されたデータおよび出力のためのデータはローカルメモリRAM群をバッファーメモリとして割り当て、それぞれに格納し、外部I/F39にて外部に出力する。ローカルメモリRAMを含みそれぞれが8ビット以上の多値画像データに対して並行して同じ画像処理を行う320個のプロセッサエレメントPE群すなわちデータ処理器(PEG:図8)に、グローバルプロセッサ38が同時に同一の演算命令を与える。プロセッサエレメントPEの演算結果は再度ローカールメモリRAMに格納する。そして外部I/F39を通してメモコンに出力する。
【0159】
プロセッサエレメントPEの処理手順,処理のためのパラメータ等はプログラムRAM36及びデータRAM37との間でやり取りを行う。プログラムRAM36,データRAM37には、システムコントローラ106の命令によって、ハードディスクHDDのプログラムおよびデータが、IMAC/パラレルバスPb/CDIC/シリアルバスSb経由で、ダウンロードされる。このデータ転送は、外部I/F39にあるDMAC(ダイレクトメモリアクセスコントローラ)が、システムコントローラ106が与えるロードコマンドに応答して実行する。このデータの流れは、該DMACの要求に応じてプロセスコントローラ101が設定する。
【0160】
画像処理の内容を変えたり、システムで要求される処理形態(画像処理の組合せ)が変更になる場合、HDDからプログラムRAM36及びデータRAM37に転送するデータセットの、システムコントローラ106による選択を、操作ボードOPB又はパソコンPCからの指示により変更して対応する。また、HDDの、プログラムRAM36及びデータRAM37に転送するデータセットを、書換えて対応する場合もある。
【0161】
図7に、図5に示す第1群のRAM0〜3,16および17と、SIMD型プロセッサ33との間の、データラインを示す。図7上のデータラインの1本線は、8ビットデータをビットパラレルで転送しうる1組のバスを意味している。第1のメモリスイッチSW1には、上記第1群のRAMにアクセスする第1群のメモコン0〜3,18および19のそれぞれに接続した第1群のデータセレクタDs0〜Ds3,Ds18およびDs19がある。
【0162】
この第1群のデータセレクタ(6個)の各共通ポートは、第1群のメモコンの各バッフア側接続ポートに接続されているが、第1群のデータセレクタの第0〜5選択ポートはそれぞれ、第1群のRAM0〜3,16および17のそれぞれに接続されている。第1群のメモコンの各データ処理側接続ポートは、SIMD型プロセッサ33の外部I/F39の中の一対のデータセレクタDs20,Ds21の、第0〜5選択ポートのそれぞれに接続されている。外部I/F39の中の第1および第2のデータセレクタDs20およびDs21の各共通ポートは、SIMD型プロセッサ33の中の外部I/F39内の入出力バスに含まれる第1および第2バスのそれぞれに接続されている。
【0163】
上述のデータセレクタDs0〜Ds21の何れの選択ポートおよび共通ポートともに、8ビット構成のデータをビットパラレルで入出力できるものである。
【0164】
図5に示す第2および第3群のRAM4〜9,RAM10〜15と、第2及び第3のメモリスイッチSW2,SW3と、外部I/F39内の一対のデータセレクタDs20,Ds21とのデータラインの接続も、上述の第1群の場合と同様である。
【0165】
SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38(図6の(a))が、1つのメモコン(例えばメモコン0)を指定する選択ポート指定データ(制御データ)を第1のデータセレクタDs20に与え、もう1つのメモコン(たとえばメモコン1)を指定する選択ポート指定データを第2のデータセレクタDs21に与えることにより、2つのメモコン(0と1)の各共通ポートが、SIMD型プロセッサ33の外部I/F39内の入出力バス(第1および第2バス)に接続される。グローバルプロセッサ38が、これらのメモコン0,1にそれぞれ、RAM0およびRAM1を指定する各設定情報(図16の(b))を与えると、メモコン0がデータセレクタDs0に第0選択ポート(RAM0)を指定する選択ポート指定データ(制御データ)を与え、これによりデータセレクタDs0がRAM0をメモコン0に接続する。メモコン1はデータセレクタDs1に第1選択ポート(RAM1)を指定する選択ポート指定データを与え、これによりデータセレクタDs1がRAM1をメモコン1に接続する。以上により、SIMD型プロセッサ33の外部I/F39内の入出力バスの第1バスにはRAM0が、第2バスにはRAM1が接続されている。
【0166】
メモコン0およびメモコン1は、入力画像ポート0の第1および第2ポートからデータを受けることができるので、グローバルプロセッサ38が、RAM0およびRAM1の指定に変えて、入力画像ポート0の第1および第2ポートを指定する設定情報を与えたときには、メモコン0が入力画像ポート0の第1ポートをデータセレクタDs20の第0ポートに接続する。メモコン1は入力画像ポート0の第2ポートをデータセレクタDs21の第1ポートに接続する。これにより、SIMD型プロセッサ33の外部I/F内入出力バスの第1バスには入力画像ポート0の第1ポートが、同外部I/F内入出力バスの第2バスには入力画像ポート0の第2ポートが接続されている。
【0167】
SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38は、上述のデータセレクタDs20,Ds21およびメモコン0〜19に与える制御情報データの切り換えによって、外部I/F39内の入出力バスの中の第1および第2バスのそれぞれに、RAM0〜17および画像ポート0〜4の中の任意の1つ(8ビットデータ入出力ポート)を選択接続できる。すなわち外部I/F39内の入出力バスには、同時に並行して2組(2連)のデータを入出力できる。この入出力に、RAM0〜17のどれでも利用できる。
【0168】
外部I/F39内の入出力バスには、データ処理器であるプロセッサエレメントPE群(PEG:図8)の各エレメントPEのRAM(図6の(b))が接続されており、グローバルプロセッサ38が、個々のエレメントPEのRAMの読み/書きDMA転送をメモコンに設定することにより、SIMD型プロセッサ33の外から個々のエレメントPEのRAMにデータを書き込み、あるいは、個々のエレメントPEのRAMから、SIMD型プロセッサ33の外にデータを読み出すことができる。すなわち、図5に示す画像ポート0〜4およびRAM0〜RAM17と、SIMD型プロセッサ33のプロセッサエレメントPE群(PEG)との間のデータ転送ができる。
【0169】
再度図4の(a)を参照すると、IPU1のカラー画像処理ユニット(31+32+33)の画像処理機能は、SIMD型プロセッサ33の内部のプログラムメモリであるRAM36に書込まれた読取処理プログラムにより定まる。該読取処理プログラムは、入力RGB画像データに、CCDライン間補正,主走査レジスト調整,シェーディング補正,ドット補正,縦スジ補正およびスキャナγ変換をこの順に順次に加え、しかも縦スジ補正まで施したRGB画像データに基いて像域分離して像域データFdを生成して画像上の同一位置対応で読取処理を終えた出力RGB画像データに付加してCDICに出力すると共に、外付けの紙幣認識ユニット34に、縦スジ補正まで施したRGB画像データを与えるものである。
【0170】
スキャナγ変換は、R,GおよびB画像データの各γ変換用LUT(変換テーブル)を形成した、図5に示すバッファメモリ装置32の6つのRAM(0〜17)に、RGB画像データを読み出しアドレスとして与えて、与えた画像データ対応のγ変換データを読み出して、SIMD型プロセッサ33に与えるものである。
【0171】
少し詳しく説明すると、2つのRAM(0〜17)にR画像データの同一のγ変換テーブルγLUT−Rを書込み、奇数番画素のR画像データ列と偶数番画素のR画像データ列の二連で同時に並行して与えられる奇数番R画像データと偶数番画像データを、同時に並行して各RAM(0〜17)のγLUT−Rに与えて、それぞれの画像データのγ変換データを読出して同時に並行してSIMD型プロセッサ33に出力する。他の2つのRAM(0〜17)にG画像データ用の同一のγ変換テーブルγLUT−Gを、更に別の2つのRAM(0〜17)にB画像データ用の同一のγ変換テーブルγLUT−Bを書込んで、R画像データのγ変換と同様にG画像データおよびB画像データのγ変換を行ってSIMD型プロセッサ33に出力する。ただしSIMD型プロセッサ33が同時に受け入れることができるデータは2バイト(同一色の奇数画素と偶数画素、合わせて2画素のγ変換データ)であるので、RGB画像データのγ変換は色間でタイミングをずらして行う。
【0172】
RAM(0〜17)に書込むための、R,GおよびB画像データの各γ変換用LUTの生成処理の内容は、図18,図19および図20を参照して後述する。
【0173】
図8に、図5に示すバッフアメモリ装置32とSIMD型プロセッサ33の組合せであるデータ変換装置の、機能区分を示す。RAM0〜17群がバッファメモリBMであり、それに対してデータを読み書きするバッファコントローラBCに、メモリスイッチSW1〜SW3群,メモコン0〜19群,外部I/F39およびグローバルプロセッサ38が含まれる。このバッファコントローラBCが、画像ポート0〜4群,バッファメモリBMおよびプロセッサエレメントPE群を含むデータ処理器PEGの三者間のデータ転送を制御する。
【0174】
グローバルプロセッサ38は、プログラムRAM36のデータプログラムに基づいて前記三者間のデータ転送モードを定め、かつデータ処理器PEGのデータ処理の内容を定める。
【0175】
プログラムRAM36のデータプログラムの中に、データ転送モードを定める転送モードデータ(上位階層の制御データ)ならびにデータ処理器PEG宛の処理モードデータ(上位階層の制御データ)がある。
【0176】
グローバルプロセッサ38は転送モードデータを認識した(読取った)制御ステージ(タイミング)では、転送モードデータをデコード(解読)してデータRAM37から、該転送モードデータ対応の、外部IF39(のデータセレクタDs20,Ds21)を制御する下位制御データ(メモコン指定データ)およびそれによって特定されるメモコンに与える下位階層の制御情報データ(設定情報&管理情報:図16)を読み出して、外部IF39に、またそれを介してメモコンに与える。
【0177】
また、グローバルプロセッサ38は上記処理モードデータを認識した制御ステージでは、データ処理モードをデコードしてデータRAM37から、該データ処理モード宛てのデータ処理器PEGのデータ処理プログラムおよび参照データ,設定データを読出してデータ処理器PEGの各プロセッサエレメントPEの内部RAMに書き込む。
【0178】
したがって、図8に示す態様では、下記変換用データ(変換テーブル及び又は補間演算データ)の詳細は後述するが、プログラムRAM36およびデータRAM37で構成される制御情報メモリCMが、バッファメモリBM(RAM0〜17)の制御情報データ、ならびに、変換テーブル又は補間演算データを含む変換用データ、を記憶する制御情報メモリである。
【0179】
バッファメモリBMが、逐次的に入力されるデータを蓄え、蓄えたデータの所定数を同時にデータ処理器PEGに出力し、また、データ処理器PEGで処理された所定数の処理済データを一旦蓄えて出力可能なバッファメモリである。プロセッサエレメントPE群であるデータ処理器PEGが、該バッファメモリBMの所定数のデータを同時に並行して入力して処理しあるいは処理した所定数のデータを同時に並行して出力するデータ処理器である。そして、バッファコントローラBCが、前記バッファメモリBMが該データ処理器(PEG)の並行入出力に適した形になるように、両者の接続を適応的に変化させ、また、前記制御情報メモリ(CM)の変換用データに基づいて、同一の複数の変換テーブルを前記バッファメモリ(BM)に形成することができるバッファコントローラである。
【0180】
これらによって、バッファメモリBMを、そのメモリ(RAM0〜17のいずれか)の一部又は全部を、データ処理器(PEG)の並行入出力に適した状態に設定した後に、バッファメモリ(BM)からデータ処理器(PEG)に所定数のデータを同時に並行して入力しあるいはデータ処理器(PEG)が処理した所定数のデータを同時に並行してバッファメモリBMに出力するか、あるいは、詳細は後述するが、バッファメモリBMに形成された複数の変換テーブルのそれぞれに複数連の被変換データの各連を対応付けて、各変換テーブルから各連の被変換データに対応する変換済データを同時に並行して読出すか、または両者の処理を行う。
【0181】
バッファコントローラ(BC)による、画像ポート0〜4,バッファメモリ(BM)およびデータ処理器PEGの各プロセッサエレメントPE、の3者間のデータ転送制御は、図16を参照して後述する。
【0182】
図9に、メモコン(0〜19)が行うことができる画像データのパラレル,シリアル変換の数種を示す。(a)は、画像ポート(0〜4),RAM(0〜17)又はSIMD型プロセッサ33から、与えられる色別R,G,B画像データ(3連;1連は1色の1ラインの画像データ)と像域データFd(1連;1ラインの像域データ)を、1つのメモコンで2連を1連に集成して、合計で2連にパラレル/シリアル変換する態様を示す。この例では、パラレル2連入力のR画像データとG画像データが、交互ピックアップ集成により、1連に変換され、パラレル2連入力のB画像データと像域データFdが、交互ピックアップ集成により、1連に変換される。
【0183】
(b)は、上記(a)でシリアル変換された2連のシリアルデータを、元の4連のパラレルデータに戻すシリアル/パラレル変換を示す。ここでは、各1連のシリアルデータが、並び順でピックアップされて交互に2連に分配される。すなわち奇数番データ列と偶数番データ列の2連に分離される。
【0184】
(c)は、IPU1のバッファメモリ装置32では実行されないが、IPU2の同様なバッフアメモリで、IPU3y〜3kへのYMCK画像データ出力のときに実行されるパラレル/シリアル変換を示し、5連のパラレルデータ、すなわち色別Y,M,C,K画像データ(4連)と像域データFd(1連)、を4連のシリアルデータに変換する。変換した各1連のシリアルデータはIPU3y〜3kのそれぞれに転送される。IPU3y〜3kは、逆変換すなわちシリアル/パラレル変換により、各1色の画像データ(Y,M,C,K)と像域データFdの2連に分ける。
【0185】
(d)は、IPU1のバッファメモリ装置32では実行されないが、IPU2の同様なバッフアメモリで、IPU2のSIMD型プロセッサが生成したパラレルYMCK画像データをパラレルバスPbにシリアル出力するときに実行されるパラレル/シリアル変換を示し、4連のパラレルデータ、すなわち色別Y,M,C,K画像データ(4連)、を2連のシリアルデータに変換する。この2連のシリアルデータを受けるときには、IPU2は逆変換すなわちシリアル/パラレル変換により、元の4連の色別Y,M,C,K画像データに分ける。
【0186】
(e)は、1ライン上の画像データを奇数番画素のものの連なりと、偶数番画素のものの連なりの二連に分離する(実線矢印)。或はその逆に、奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列すなわち二連を1ラインの連なりに集成する(破線矢印)。図上には、モノクロモードで読取りユニット21が出力するモノクロ画像データBkの分離/集成を示すが、カラー画像データの一色のもの(例えばR画像データ)でも同様である(BkをRと読み替えればよい)。
【0187】
SIMD型プロセッサ33は、外部(メモコン)とのデータ入出力に関し、同時に並行して2バイトのデータを入出力できる入出力ポートを持ち、2バイト同時に入出力できるのはもとより、各バイトのそれぞれを個別に入出力できる。2バイト入出力および1バイトづつの入出力を任意に設定できる。
【0188】
図10に、メモコン(0〜19)が行うことができる画像データのパラレル,シリアル変換、ならびに、IPU1,IPU2およびIPU3y〜IPU3kが実施し得るデータ入出力モードの数例A〜Gを示す。
【0189】
AのAf方向(実線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU1において、読取りユニット21が与える1ラインの画像データ(モノクロ画像モードの白黒画像データ又はカラー画像モードでのRGB画像データのうちの1色の画像データ)をメモコンA(0〜19の1つ)に与えて、メモコンAで1ライン上の各画像データを並び順で交互に振り分けて奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連に分離して、奇数番画素の画像データと偶数番画素の画像データとを同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、プロセッサ33で両画像データを同時に並行して入力して各画像データに同時に並行してデータ処理を施してメモコンB(0〜19の1つ)に出力し、メモコンBで奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列から交互に画像データを摘出して1ラインに合成して、CDICに送出する、「1ライン入力の分離処理モード」のものである。
【0190】
なお、必要に応じてメモコンA及びメモコンBの入力側,出力側にラインバッフアメモリ(RAM 0〜17のいずれか)もしくはLUT(RAM 0〜17のいずれか)を介挿することもある。また、メモコンA,BおよびCは、同一のものを指す場合もあるし、別体の場合もある。これらは、以下に説明する他のモードにおいても同様である。
【0191】
AのAr方向(破線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU2あるいはIPU3y〜3kにおいて、CDIC又はIPU2が与える1ラインの画像データをメモコンBで奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連に分離して、SIMD型プロセッサ33で奇数番画素の画像データと偶数番画素の画像データとを同時に並行して処理して、同時に並行して出力し、メモコンAで1ラインに合成して、IPU3y〜3k又は作像ユニット105に送出する、「1ライン入力の分離処理モード」のものである。
【0192】
BのBf方向(実線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU1において、読取りユニット21が与える1ライン上の奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連(モノクロ画像モードの白黒画像データ又はカラー画像モードでのRGB画像データのうちの1色の画像データ)をメモコンAを介して、同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、プロセッサ33で同時に並行して処理を施して同時に並行して出力し、メモコンBで処理後の奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列を1ラインに合成して、CDICに送出する、「奇数偶数画素分離入力モード」のものである。
【0193】
BのBr方向(破線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU2あるいはIPU3y〜3kにおいて、CDIC又はIPU2が与える1ラインの画像データをメモコンBで奇数番画素の画像データ列と偶数番画素の画像データ列の2連に分離して、SIMD型プロセッサ33で奇数番画素の画像データと偶数番画素の画像データとを同時に並行して処理して、同時に並行して出力し、メモコンAで2連のまま同時に並行して、IPU3y〜3k又は作像ユニット105に送出する、「奇数偶数画素分離出力モード」のものである。
【0194】
CのCf方向(実線矢印)の画像データの流れは、IPU2において、読取りユニット21が与える1ラインのRGB画像データの2つRおよびG画像データを、メモコンAを介して同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、プロセッサ33で同時に並行して処理を施して同時に並行して出力し、メモコンBで処理後のR画像データとG画像データを一連に合成してCDICに送出する、「複数色並行処理モード」のものである。
【0195】
CのCr方向(破線矢印)の画像データの流れは、IPU2において、CDICが与える、R画像データとG画像データを交互に配列した一連の画像データをメモコンBでR画像データ列とG画像データ列の2連に分離して、SIMD型プロセッサ33でR画像データとG画像データとを同時に並行して処理して、同時に並行して出力し、メモコンAで2連のまま同時に並行して、CDICに送出する、「複数色分離出力モード」のものである。
【0196】
DのDf方向(実線矢印)およびDr方向(破線矢印)の画像データの流れは、それぞれCのCf方向およびCr方向の画像データの流れと同様である。ただし、カラー読取りのRGB画像データは3連(3色)であるので、Dにおいては、もう一連のデータXが加えられる。このデータXはダミーデータの場合と、後述の像域データFdの場合がある。
【0197】
EのEf方向およびFのFf方向(いずれも実線矢印)の画像データの流れは、IPU2において、YMCK画像データの2連Y,M/C,KをメモコンAを介して、同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、プロセッサ33で同時に並行して処理を施して同時に並行して出力し、メモコンBで処理後の2連Y,M/C,Kの画像データを一連に合成してCDICに送出する、「複数色並行処理モード」のものである。
【0198】
EのEr方向およびFのFr方向(破線矢印)の画像データの流れは、IPU2において、CDICが与える、2色の画像データY,M/C,Kを交互に配列した一連の画像データを、メモコンBで2色すなわち2連に分離して、SIMD型プロセッサ33で2色を同時に並行して処理して、メモコンAで2連のまま同時に並行して、IPU3y,IPU3m/IPU3c,IPU3kに出力する「複数色分離出力モード」のものである。
【0199】
GのGf方向(実線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU1において、モノクロ画像モードにおいて読取りユニット21が与える2ラインの白黒画像データをメモコンAを介して、同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、プロセッサ33で同時に並行して処理を施して同時に並行して出力し、メモコンBで処理後の2ラインの画像データをラインメモリ(RAM0〜17のいずれか)に順次に格納して、格納を終えると、1ラインごとにCDICに送出する、「白黒複数ライン処理モード」のものである。
【0200】
GのGr方向(破線矢印)の画像データの流れは、例えばIPU2あるいはIPU3kにおいて、CDIC又はIPU2がシリアルに与える2ラインの画像データをメモコンBでラインメモリ(RAM 0〜17のいずれか)に蓄積して、2ライン分を同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、そこで同時に並行して処理して同時に並行して出力し、メモコンAで2連(2ライン)のまま同時に並行して、IPU3k又は作像ユニット105に送出する、「白黒複数ライン出力モード」のものである。
【0201】
なお、メモコンおよびSIMD型プロセッサ33共に、一連のみの入出力および処理は当然可能である。また、各メモコンには単体で、図10のB〜Gに示すメモコンAおよびSIMD型プロセッサ33を省略した形での、メモコンB(図10のB〜Fの場合)およびメモコンC(図10のGの場合)の、2連入力/一連出力のパラレル/シリアル変換(以下では単にシリアル変換という)の機能、ならびに、一連入力/2連出力のシリアル/パラレル変換(以下では単にパラレル変換という)の機能がある。
【0202】
この機能を用いてRGB画像データと共に像域データFdを転送する場合には、RおよびG画像データは、メモコンで2連入力/一連出力のシリアル変換(Cf出力)で一連にしてCDICに送出するが、B画像データは、像域データFdと共に2連入力/一連出力のシリアル変換(Df出力、ただしX=Fd)で一連にしてCDICに送出する。また、IPU2からIPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kに、YMCK画像データのそれぞれと像域データFdとを送出するときには、IPU2の4個のメモコンのそれぞれで、Y,M,CおよびK画像データのそれぞれと像域データFdとを、2連入力/一連出力のシリアル変換(Cf出力)で一連にして、それぞれをIPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kに転送する。IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの各メモコンは、一連入力/2連出力のパラレル変換によって、Y,M,CおよびK画像データのそれぞれと像域データFdとの2連に分離する。
【0203】
この実施例では、バッフアメモリ装置32の画像ポートが2バイト(16ビット)パラレル入力および又は出力が可能なものであるので、同時に二連の画像データを並行して入,出力できる。したがって、画像ポートとSIMD型プロセッサ33との間でメモコンを介して同時に二連の画像データを並行して入出力できる。この場合には、図10のケースA〜Gの何れでも、画像ポートからメモコンAに画像データを入力して、すなわちケースAの場合には一連の画像データを、ケースB〜Gの場合には二連の画像データを入力して、メモコンAで二連に画像データを振り分けて同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、SIMD型プロセッサは同時に並行して処理をして、処理済データを二連で同時に出力し、メモコンA(別個のメモコンでもよい)がそのまま二連を、画像ポートを通して出力できる。この場合は、図10上では、SIMD型プロセッサ33に図10上最左端(画像ポート側)から実線矢印で示す方向(右向き)の流れで画像データを与えて、SIMD型プロセッサ33で折り返すように、処理済画像データを破線矢印で示す左向き方向(左端:画像ポート)に出力する形態のデータフローを採用するのが好ましい。
【0204】
画像ポートが1バイト(8ビット)の場合、あるいは2バイト以上であっても、データ入,出力の相手先が一連の画像データ入出力仕様の場合には、図10のA〜Gの何れでも、画像ポートからメモコンB(ケースGではメモコンC)に一連の画像データを入力して、メモコンBで二連に振り分けて同時に並行してSIMD型プロセッサ33に与えて、SIMD型プロセッサは同時に並行して処理をして、処理済データを二連で同時に出力し、メモコンB(別のメモコンでもよい)が一連に合成して画像ポートを通して出力する。この場合は、図10上では、SIMD型プロセッサ33に図10上最右端(画像ポート側)から点線矢印Ar〜Grで示す方向(左向き)の流れで画像データを与えて、SIMD型プロセッサ33で折り返すように、処理済画像データを実線矢印Af〜Gfで示す右向き方向(右端:画像ポート)に出力する形態のデータフローを採用する。
【0205】
即ち、本実施例のバッフアメモリ装置32は、図10上のA〜Gの、図10上最左端から最右端に流れるデータフロー,その逆に最右端から最左端に流れるデータフロー,最左端からSIMD型プロセッサ33で折り返して最左端に戻るデータフロー、および、最右端からSIMD型プロセッサ33で折り返して最右端に戻るデータフロー、の何れも任意に設定または選択できる。なお、これらのデータフローの何れでも、メモコンA,B,Cは同一のものであってもよいし、別個のものであっても良い。又、ラインバッフアメモリ(RAM 0〜17のいずれか)は必要に応じてメモコンの入力側および又は出力側に介挿する。
【0206】
図4の(b)に、CDICの機能構成の概要を示す。画像データ入出力制御121は、IPU1が図9の(a)に示す態様でシリアル変換したRGB画像データ(像域データFdを含む)をうけて、IPU2に出力する。IPU2は、そのメモコンで図9の(b)に示すパラレル/シリアル変換をして、RGB画像データのそれぞれと像域データFdに分離し、RGB画像データを中間処理を施してYMCK各記録色の画像データに変換した8ビット構成の多値YMCK画像データを発生して、画像形成(プリントアウト)が指定されているときには、図9の(c)に示すパラレル/シリアル変換をして、IPU3y〜IPU3kに出力する。パラレルバスPbに出力する指定の場合には、図9の(d)に示すパラレル/シリアル変換をしてCDICの画像データ入出力制御122に送りだす。
【0207】
画像データ入出力制御122が受けたデータは、パラレルバスPbでの転送効率を高めるためにデータ圧縮部123に於いて、画像データの1次圧縮を行う。圧縮した画像デ−タは、データ変換部124でパラレルデータに変換してパラレルデータI/F125を介してパラレルバスPbへ送出される。パラレルデータバスPbからパラレルデータI/F125を介して入力される画像データは、データ変換部124でシリアル変換される。このデータは、バス転送のために1次圧縮されており、データ伸張部126で伸張される。伸張された画像データは、図9の(d)のメモコン出力側に示す2連のシリアルデータであり、画像データ出力制御127によってIPU2へ転送される。IPU2では、パラレル変換によりY,M,C,K画像データに分ける。
【0208】
CDICは、パラレルバスPbで転送するパラレルデータとシリアルバスSbで転送するシリアルデータの変換機能を併せ持つ。システムコントローラ106は、パラレルバスPbにデータを転送し、プロセスコントローラ101は、シリアルバスSbにデータを転送する。2つのコントローラ106,101の通信のために、デ−タ変換部124およびシリアルデ−タI/F129で、パラレル/シリアルデータ変換を行う。シリアルデータI/F128は、IPU2用であり、IPU2ともシリアルデ−タ転送する。
【0209】
図11の(a)に、IPU2の概要を示す。IPU2は、入出力I/F41,バッファメモリ42およびSIMD型プロセッサ43を結合したカラー画像処理ユニットである。これは、図5に示すIPU1のカラー画像処理ユニット(31+32+33)と同様の構成であるが、SIMD型プロセッサ43のプログラムRAMおよびデータRAMに格納されるデータが、IPU2では、RGB画像データに中間処理(フィルタ処理,地肌除去,色変換すなわちYMCK画像データへの変換,下色除去,主走査変倍,主走査シフト,主走査ミラーリング,副走査間引き,マスク処理および単色文字出力の場合の2値化)を行うものである。
【0210】
図11の(b)に、IMACの機能構成の概略を示す。パラレルデータI/F141に於いて、パラレルバスPbに対する画像データの入,出力を管理し、MEMへの画像データの格納/読み出しと、主に外部のパソコンPCから入力されるコードデータの画像データへの展開を制御する。PCから入力されたコードデータは、ラインバッファ142に格納する。すなわち、ローカル領域でのデータの格納を行い、ラインバッファ142に格納したコードデータは、システムコントローラI/F144を介して入力されたシステムコントローラ106からの展開処理命令に基づき、ビデオ制御143に於いて画像データに展開する。
【0211】
展開した画像データもしくはパラレルデータI/F141を介してパラレルバスPbから入力される画像データは、MEMに格納される。この場合、データ変換部45に於いて格納対象となる画像データを選択し、データ圧縮部46においてメモリ使用効率を上げるためにデータの2次圧縮を行い、メモリアクセス制御部147にてMEMのアドレスを管理しながらMEMに2次圧縮したデータを格納する。MEMに格納された画像データの読み出しは、メモリアクセス制御部147にて読み出し先アドレスを制御し、読み出された画像データをデータ伸張部48にて伸張する。伸張された画像データは、パレルバスPbで転送用に1次圧縮されたものであり、これをパラレルバスPbへ転送する場合、パラレルデータI/F141を介してデータ転送を行う。
【0212】
図3に示す、FAX送受信を行うファクシミリコントロールユニットFCUは、画像データを通信形式に変換して外部回線PNに送信し、又、外部回線PNからのデータを画像データに戻して外部I/F部及びパラレルバスPbを介して作像ユニット105において記録出力する。FCUは、FAX画像処理,画像メモリ,メモリ制御部,ファクシミリ制御部,画像圧縮伸張,モデム及び網制御装置からなる。画像データの出力バッファ機能に関してはIMAC及びMEMでその機能の一部をおぎなう。
【0213】
この様に構成されたFAX送受信部FCUでは、画像情報の伝送を開始するとき、FCU内においてファクシミリ制御部がメモリ制御部に指令し、FCU内の画像メモリから蓄積している画像情報を順次読み出させる。読み出された画像情報は、FCU内のFAX画像処理によって元の信号に復元されるとともに、密度変換処理及び変倍処理がなされ、ファクシミリ制御部に加えられる。ファクシミリ制御部に加えられた画像信号は、画像圧縮伸張部によって符号圧縮され、モデムによって変調された後、網制御装置を介して宛先へと送出される。そして、送信が完了した画像情報は、画像メモリから削除される。
【0214】
受信時には、受信画像は一旦FCU内の画像メモリに蓄積され、その時に受信画像を記録出力可能であれば、1枚分の画像の受信を完了した時点で記録出力される。
【0215】
図12に、IPU3y〜3kの概要を示す。IPU3y〜3kは同一の構成で、ほぼ同様な内容の出力補正(プリンタγ変換および階調処理)を行う。そこでここではIPU3yを説明する。IPU3yは、入出力I/F51y,バッファメモリ52yおよびSIMD型プロセッサ53yを結合したカラー画像処理ユニットである。これは、図5に示すIPU1のカラー画像処理ユニット(31+32+33)と同様の構成であるが、SIMD型プロセッサ53yのプログラムRAMおよびデータRAMに格納されるデータが、IPU3yでは、Y画像データにY用のプリンタγ変換を加えさらに、階調処理によってプリント出力用の2値データに変換するものである。階調処理では、濃度階調処理,ディザ処理および誤差拡散2値化があり、画像処理モード指定または像域データFdに応じてそれらの1つを実施するが、本実施例のIPU3yは、誤差拡散2値化ユニット35(図5に2点鎖線で示す)をSIMDプロセッサ53yに接続したものである。図12においてはこの誤差拡散2値化ユニット35の図示は省略している。
【0216】
IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの説明はそれぞれ、上記IPU3yの説明のY(y)を、M(m),C(c)およびK(k)とおき変えたものとなる。なお、IPU3y〜3kは、図9の(c)のメモコンの出力側に示す、像域データFdを含むシリアルデータを受けるときには、図9の(c)のパラレル/シリアル変換、の逆変換をして、YMCK画像データと像域データFdとを分離する。例えばIPU3yは、Y画像データと像域データFdが交互に配置された1連のシリアルデータを、Y画像データのみの1連と、像域データFdのみの1連に、パラレル変換する。
【0217】
1ライン上の奇数番画素のデータ列と偶数番画素のデータ列の2連で、同時に並行して2画素(奇数番画素と偶数番画素)の画像データを受けるときには、同時に取り込んでIPU3y〜3kの内部で2画素の画像データを同時に並行して処理する。IPU3y〜3kで生成した作像ユニット105に出力するための、奇数番画素のデータ列と偶数番画素のデータ列の2連は、図9の(e)に破線矢印で示すように、奇数番画素および偶数番画素のデータをシリアルに1連に並ぶ1ラインのプリント出力用の画像データ列に集成してから、作像ユニット105に出力する。なお、作像ユニット105において、奇数番画素と偶数番画素とを別個のレーザ光又は別個の走査線で露光する場合には、奇数番画素のデータ列と偶数番画素のデータ列の2連のままで作像ユニット105に出力する。また、図9の(e)には、IPU3kが処理するBk画像データの場合を表記するが、IPU3y〜3cが処理するY,MおよびC画像データの場合も同様である。
【0218】
以上の例において、画像データ制御手段であるCDICと画像メモリ制御手段であるIMACは、パラレルバスPbで接続されている。各独立した、カラー原稿スキャナSCR,第2のカラー画像処理ユニットIPU2およびカラープリンタPTRは直接パラレルバスPbに接続せずにCDICあるいはIPU2に接続するため、事実上、パラレルバスPbの使用管理は、CDICとIMACによってのみ行われる。よってパラレルバスPbの調停や転送の制御が容易であり、かつ効率的である。
【0219】
図13に、画像メモリMEMに画像を蓄積する処理ならびにMEMから画像を読出す処理のフローを示す。(a)はカラー原稿スキャナSCRが発生するRGB画像データ又はIPU2が変換したYMCK画像データをMEMに書き込むまでの画像データの処理あるいは転送過程Ip1〜Ip14を示し、(b)はMEMから画像データを読み出して、カラープリンタPTRの作像ユニット105に出力するまで、又は、RGB画像データを読出してIPU2でYMCK画像データに変換して再度MEMに書込むまで、の画像データの処理あるいは転送過程Op1〜Op13を示す。CDICの制御により、このようなバス及びユニット間のデータフローが制御される。
【0220】
なお、カラー原稿スキャナSCRが発生するRGB画像データをMEMに書込むときには、CDICは、ステップIp4からIP6に進むルート(A)を選択する。カラー原稿スキャナSCRが発生するRGB画像データをIPU2でYMCK画像データに変換してそのままプリントアウトするときにはルート(B)を選択する。IPU2のYMCK画像データを一旦MEMに書込む時には、ステップIp4からIP5に進むルート(C)を選択する。
【0221】
メモリMEMから読出すときには、読出しデータがYMCK画像データであるときにはCDICは、ステップOp8からOP10に進むルート(D)を選択し、RGB画像データを読出してYMCKデータに変換してから再度MEMに書込む時には、ステップOp8からIP10に進むルート(E)を選択し、RGB画像データを読出してYMCKデータに変換してプリントアウトするときには、ステップOp8からOP9に進むルート(F)を選択する。
【0222】
上述のIPU1におけるRGB画像データの読取補正,IPU2におけるYMCK画像データへの変換を含む中間処理、および、IPU3y〜IPU3kにおけるプリンタ出力用の出力補正、のいずれにも、1ライン上に分布する各画素宛ての各画像データに、大要では同一の処理を行う画像処理が多い。細かくは、像域データFdの違いに対応して処理内容を切換える処理もあるが、その場合でも像域データFdが同じであれば同じ内容の画像処理を行う。
【0223】
したがって、カラー画像処理ユニットIPU1〜IPU3にはSIMD型プロセッサ33,43,53y,53m,53c,53kを用いて、多数のプロセッサエレメントPEによって、多数の、多値階調のカラー画像データのそれぞれに同時に並行して同じ画像処理を施すことにより、前記読取補正,中間処理および出力補正の総てでカラー画像処理速度を高くしている。
【0224】
なお、本実施例でSIMD型プロセッサ33,43,53Y,53m,53c,53kは、それぞれが8ビット以上の多値画像データを処理する総計320個のプロセッサエレメントPEを備え、同時に320個(320画素分)の画像データを処理できる。例えばディザ処理で用いられるマトリクスは、例えば4×4,6×6,8×8,16×16のサイズが考えられ、これらの何れにも適応しえて、しかも、ディザ処理速度を速くするために同時に複数個のマトリクスの処理を並行して行おうとすれば、4,8は16の約数のため6と16の最小公倍数である96(=6×16)の整数倍の数のプロセッサエレメントPEが必要である。そこで本実施例では、オフセット分32個を加えて、96×3+32=320個のプロセッサエレメントPEを設けている。これらオフセットのものは、96×3個の画素群の画像データを処理する場合に、該画素群の両外側の近傍画素の画像データを参照するときに、該近傍画素の画像データ保持用又は供給用もしくは中間的な演算処理用に使用される。
【0225】
注目画素を中心に2次元方向にそれぞれ複数の画素があるマトリクスの区分で、注目画素の画像データにエッジ強調又は平滑化の処理を施すフィルタ処理(MTF補正)のとき、また、マトリクスの画像データ分布をエッジパターンマトリクスと比較して注目画素が画像エッジであるかを判定するエッジ検出など、マトリクス区分の画像データ処理をする場合には、実質上演算データを算出出力する96×3個のプロセッサエレメントPE(実効エレメント)の両側に夫々16個プロセッサエレメントをオフセット分として割当てて、それらにも96×3個の画素群の両外側の近傍画素の画像データを与えて、積和演算或はパターン比較をして、結果を実効エレメントに供給する必要がある。したがって、画像処理の内容によっては、96×3個以上のプロセッサエレメントが同時並行の画像データ処理に用いられる。
【0226】
なお、上述の、γ変換用LUTを生成するための直線近似の補間演算の場合には、近傍画素の画像データを注目画素の補間演算に参照する必要はないので、320個のプロセッサエレメントPEのすべてを、実効エレメントとして320画素の画像データの同時並行の補間演算に用いることができる。しかし、γ変換対象のカラー画像データが、本実施例では、8ビット構成の多値階調データであって、0〜255まで総計256個の多値階調データの補間演算をすればよいので、0〜255まで総計256個の多値階調データ群の全てを、256個のプロセッサエレメントPEを使用して同時に算出する。
【0227】
なお、例えば9,10,11,12ビット構成などで、多値階調データの数が、512個,1024個,2048個など、320個を超える場合には、たとえば512個のときには最初の0〜319の多値階調データ群を一度に補間演算してLUT用RAMに算出したγ変換データを書込み、つぎに残りの320〜511の多値階調データ群を一度に補間演算してLUT用RAMに算出したγ変換データを書込むなど、数回に分けて補間演算によるγ変換データを実行すればよい。
【0228】
ここで、IPU1,IPU2およびIPU3y〜3kが実行する、多数の画像データに同時に並行して同一の処理を行う多くの画像処理の中の、γ変換(IPU1におけるスキャナγ変換&IPU3y〜3kにおけるプリンタγ変換)に用いるLUTの生成を説明する。
【0229】
ハードディスクHDD(図3)には、SIMD型プロセッサ33,43,53y,53m,53cおよび53kそれぞれのプログラムRAMおよびデータRAM(36,37:図6)にロードする、画像処理プログラムおよびデータがある。
【0230】
システムコントローラ106が、電源オンに応じて発生するリセット信号ならびに操作ボードOPBまたはホストPCからのリセット指示に応答してシステムの初期設定をするとき、ハードディスクHDDにある、各プロセッサ33,43,53y,53m,53cおよび53k宛てのプログラムおよびデータを、上述のIMAC,パラレルバスPb,CDIC,シリアルバスSbおよびプロセスコントローラ101を用いるデータ転送を利用して、各プロセッサ33,43,53y,53m,53cおよび53kのプログラムRAMおよびデータRAMにロードする。
【0231】
図14に、操作ボードOPBまたはホストPCからの画像処理の指示に応答するシステムコントローラ106の、システム設定の概要を示す。システムコントローラ106は、操作ボードOPB,パソコンPC,FCU,カラー原稿スキャナSCRおよびカラープリンタPTRとの間で、コマンド,応答および状態情報のやり取りをして、操作ボードOPB,パソコンPCあるいはFCUから画像処理コマンド(命令,指示)を受けると(ステップSc1)、コマンドを解析する(ステップSc2)。すなわち命令データをデコードする。なお、以下において、括弧内には、ステップという語を省略して、ステップNo.又は符号のみを記す。
【0232】
そしてシステムコントローラ106は、コマンド解析結果にしたがって、図3に示すシステム構成各要素の動作モードを決定してそれらに動作モードを指定し(Sc3)、動作モード対応の画像処理用データを転送する(Sc4)。システム構成各要素は、受けた動作モードおよび処理用データを自身に設定して、その実行が可能であると、レディをシステムコントローラ106に報知する。指定動作モードの実行に関わりがある全ての要素がレディであるとシステムコントローラ106は、システム構成各要素に画像処理の開始を指示する(Sc)。
【0233】
図15には、システムコントローラ106が初期設定を指示したときの、それに応答したIPU1のSIMD型プロセッサ33の、自己の初期設定の内容を示す。システムコントローラ106は初期設定コマンドでHDDの、SIMD型プロセッサ33宛てのプログラムおよび画像処理用データの転送元アドレスおよびダウンロード指示をSIMD型プロセッサ33に与える。SIMD型プロセッサ33の外部I/F39のDMACが、これに応答して、指定があったアドレスのプログラムデータをプログラムRAM36に、画像処理用データ(参照データ)をデータRAM37に書込む(Sd1)。
【0234】
このデータ転送が完了すると、DMACのレディ報知に応答してSIMD型プロセッサ33がプログラムRAM36の初期設定プログラムにしたがって、バッファメモリ装置32の設定(Sd2),シェーディング補正LUTの生成(Sd3),ドット補正LUTの生成(Sd4)、R,G&B各γ変換のLUTの生成(Sd5),IDUγ変換のLUTの生成(Sd6)および像域分離で用いる各種LUTの生成(Sd7)を行い、これらを完了するとレディを報知する。
【0235】
バッファメモリ装置32の設定(Sd2)では、初期設定プログラムの中でのメモコンおよびメモリ割当てにしたがって、図5に示す20個のメモコン0〜19の制御機能の設定、ならびに、16個のRAM(0〜15)および2個のRAM(16,17)の用途割り当てを行う。用途種の主のものは、入力画像データを一時保持する入力ラインバッフア,出力用の画像データを一時保持する出力ラインバッフア,処理途中の画像データを一時保持する中間ラインバッフア,LUTおよびデータ遅延又は同期用の遅延メモリ、であり、メモコンの制御機能は、これら各用途でのRAMアクセスコントロールである。
【0236】
このような設定は、SIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38が、データRAM37から読み出してグローバルプロセッサ38内のメモコン設定レジスタおよびバッファメモリ管理レジスタに書込んだ、図5に示す20個のメモコンそれぞれ宛てのメモコン設定情報および該設定情報に含まれるRAM(0〜17)宛ての管理情報を、該当のメモコンに出力することにより、実現する。なお、これらのメモコン設定情報の初期情報は、SIMD型プロセッサ33が初期設定プログラムにしたがって、データRAM37から読出してメモコン設定レジスタおよびバッファメモリ管理レジスタに書込んだものであるが、その後画像処理が始まると、その進行にしたがって、メモコン設定情報およびRAM宛ての管理情報は書き換えられる。例えば、入力ラインバッファに指定されたRAMe(0〜15の1つ)(のデータ読み書きを制御するメモコンe)に対しては、入力画像データを受け入れるタイミングでは「書込」が指定されるが、受け入れ(書込)が完了して、それの画像データを所定個数ごとに読出して画像処理を施すタイミングでは、「読出し」が指定される。
【0237】
図16の(a)に、1組のメモコン設定レジスタ上のメモコン設定情報の区分を示し、図16の(c)には1組のバッファメモリ管理レジスタ上のバッファメモリ管理情報の区分を示す。1組のメモコン設定レジスタと1組のバッファメモリ管理レジスタとは対になっており、データRAM37にはHDDから複数対が書き込まれる。各対は、IPU1のデータ処理モードに対応付けられており、データ処理モードに応じた1対をグローバルプロセッサ38がその内部に読込み、その中の各メモコン設定情報およびそれにリンクした各バッファメモリ管理情報を、該当のメモコンに出力する。
【0238】
図16の(b)に、メモコン設定レジスタ上の1つのメモコン設定情報の主要項目を示す。主要項目には、転送モード,From(データ送出側要素ID),To(データ受取側ID)および制御モードがある。
【0239】
転送モードの主要なものは次の通りである:
(TM1)画像ポート入力データの、バッファRAM(0〜17)への格納;
(TM2)画像ポート入力データの、SIMD型プロセッサ33のプロセッサエレメントPEへの直送;
(TM3)バッファRAM(0〜17)からプロセッサエレメントPEへ送出;
(TM4)プロセッサエレメントPEからバッファRAM(0〜17)へ出力;
(TM5)プロセッサエレメントPEから画像ポートへの直送出力;
(TM6)バッファRAM(0〜17)から画像ポートに出力;
(TM7)画像ポート入力データをLUTを設定したRAM(0〜17)のアドレスラインに出力;
(TM8)バッファRAM(0〜17)の画像データをLUTを設定したRAM(0〜17)に出力;
(TM9)LUTを設定したRAM(0〜17)の読出しデータをプロセッサエレメントPEへ送出;
(TM10)LUTを設定したバッファRAM(0〜17)の読出しデータをバッファRAM(0〜17)に格納;および、
(TM11)LUTを設定したバッファRAM(0〜17)の読出しデータを画像ポートに出力。
【0240】
Fromの項には、メモコンにデータを与える送出側要素(画像ポート,RAM0〜17、又は、SIMD型プロセッサ33のプロセッサエレメントNo.0〜n−1)のデータ出力ポートのIDが、Toの項にはメモコンからデータを受ける受取側要素(画像ポート,RAM0〜17又はSIMD型プロセッサ33のプロセッサエレメントNo.0〜n−1)のデータ入力ポートのIDが書込まれる。
【0241】
制御モードの主要なものは次の通りである:
(CM1)ラスター転送1(画像ポート0〜4/プロセッサエレメントPE間の直送);
(CM2)ラスター転送2(RAM0〜17への書込み);
(CM3)ラスター転送3(RAM0〜17からの読出し);
(CM4)ライン分割ブロック転送1(RAM0〜17からの読出し);
(CM5)ライン分割ブロック転送2(RAM0〜17への書込み);
(CM6)奇数/偶数集成;および、
(CM7)奇数/偶数分離。
【0242】
図5に示す18個のRAM(0〜17)の1つRAM0を、画像データ入力用のラインバッフアに指定し、その読み書きにメモコン0を指定してRAM0に入力画像データを書込むときには、メモコン0にSIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38が、RAM36又は37(制御情報メモリCM:図8)から読み出した次の設定情報および管理情報を与える;
設定情報
転送モード:上記(TM1)
From:画像ポート0の第1入力ポート
To:RAM0
制御モード:上記(CM1)
管理情報
開始アドレス:(例えば0)
終了アドレス:(例えば2047)
使用モード:バッファメモリ。
【0243】
メモコン0は、これらの情報に基づいて、メモリスイッチSW1のデータセレクタを、メモコン0からRAM0へのデータ書込みに設定して、画像ポート0の第1入力ポートにラスター走査の形態でシリアルに到来する、1ライン(2048個の画素分)の画像データ(1画素の濃度を8ビットで表わす8ビット構成)を、RAM0に書き込む。開始アドレスから終了アドレスまでが、書込指定領域である。
【0244】
このRAM0への書込の後に、1ラインのデータ数より少ない数の所定数毎に画像データをRAM0から読出してSIMD型プロセッサ33のプロセッサエレメントNo.0〜kに入力するときには、メモコン0にSIMD型プロセッサ33のグローバルプロセッサ38が、最初は、つぎの設定情報および管理情報を与える;
設定情報
転送モード:上記(TM3)
From:RAM0
To:プロセッサエレメントNo.0
制御モード:上記(CM4)
管理情報
開始アドレス:(例えば0)
終了アドレス:(例えば7)
使用モード:バッファメモリ。
【0245】
メモコン0は、これらの情報に基づいて、メモリスイッチSW1のデータセレクタを、RAM0からメモコン0へのデータ読出しに設定して、RAM0の開始アドレス(0)から終了アドレス(7)までの画像データをシリアルに読出してプロセッサエレメントNo.0に入力する。開始アドレスから終了アドレスまでが、読出し指定領域である。グローバルプロセッサ38は、これらのアドレスを順次に所定数(例えば8)を加算した値に更新しかつプロセッサエレメントNo.を1インクレメントすることによって、所定数(8)のブロック区分で、画像データを順次にプロセッサエレメントNo.0〜kに取り込むことができる。なお、制御モードを上記(CM3)としかつ開始アドレスおよび終了アドレスを、1ラインの先頭(0)および最後(2047)としてToを画像ポート4とすれば、RAM0から画像ポート4への1ライン分のシリアル(ラスター走査態様の)出力となる。
【0246】
RAM0からメモコン0を介したSIMD型プロセッサ33への上記ブロック転送を、他のRAMおよびメモコンを用いるブロック転送と組み合わせて実行することにより、SIMD型プロセッサ33に、主走査,副走査方向共に複数画素の画素マトリクスの画像データ群の区切りで画像データを入力できる。この態様は、たとえば各メモリである各RAM(0〜17の1つ)に各メモコンを割当てて各メモコンからプロセッサエレメントNo.0〜kの全てに各ラインを分割した各ブロックの画像データ群を転送する態様である。もう1つの態様に、各プロセッサエレメントNo.0〜kに各メモコン(例えば0〜k)を割当てて各メモコンで複数のRAMから順次に、各ラインの各ブロックの画像データ群を読出して各プロセッサエレメントNo.0〜kに転送する態様である。すなわち、バッファメモリ/データ処理器PEG(PE群)間のデータ転送には、各メモリ(RAM0〜17)に各メモコンを割当てる態様と、各プロセッサエレメントPEに各メモコンを割り当てる態様の2通りと、両者の組合わせ、合わせて3態様がある。
【0247】
例えば3×3画素マトリクスの区切りで画像データをSIMD型プロセッサ33のプロセッサエレメントNo.0〜kに画像データを入力するときには、例えばRAM0〜RAM2に第1〜3ラインの各ラインの画像データを書込んでから、メモコン0(RAM0),メモコン1(RAM1)およびメモコン2(RAM2)の順に、開始アドレス0および終了アドレス2、To=プロセッサエレメントNo.0、のブロック転送を設定して、RAM0〜RAM2の各3画素の画像データを読出しプロセッサエレメントNo.0(の内部RAM)に取込む。これにより、1画素を注目画素としてそれを中心にする1組の3×3画素マトリクスの画像データ群をプロセッサエレメントNo.0に取込んだことになる。次の3×3画素マトリクスの画像データ群を取込むときには、同様に、メモコン0(RAM0),メモコン1(RAM1)およびメモコン2(RAM2)の順に、開始アドレス1および終了アドレス3、To=プロセッサエレメントNo.1、のブロック転送を設定してRAM0〜RAM2の各3画素の画像データを読出しプロセッサエレメントNo.1に取込む。開始および終了アドレスを順次に所定数(1)を加算した値に更新し、かつToを順次に次のプロセッサエレメントNo.を指定するものに変更することによって、1ライン上の各画素をその並び順に順次に注目画素としそれを中心とする3×3画素マトリクスの画像データ群の区切りで、画像データをSIMD型プロセッサ33に順次に取り込むことができる。
【0248】
SIMD型プロセッサ33のRAM36又は37(制御情報メモリCM:図8)のLUTデータ演算プログラムに基づいて、データ処理器PEGで、8ビット構成(256階調)の画像データをγ変換するLUTのデータを算出して、図5に示す18個のRAM(0〜17)の1つたとえばRAM6のアドレスA〜(A+255)に書込むLUTの形成のときには、グローバルプロセッサ38が、メモコン6に、SIMD型プロセッサ33のRAM36又は37(制御情報メモリCM:図8)から読み出した次の設定情報および管理情報を与える;
設定情報
転送モード:上記(TM4)
From:データ処理器PEG(PE群)
To:RAM6
制御モード:上記(CM1)
管理情報
開始アドレス:A
終了アドレス:A+255
使用モード:LUT(書込み)。
【0249】
メモコン6は、これらの情報に基づいて、メモリスイッチSW2のデータセレクタを、メモコン6からRAM6へのデータ書込みに設定して、データ処理器PEGの各PEが算出した各LUTデータを、RAM6の開始アドレスAから終了アドレスA+255の領域に書込む。
【0250】
奇数番画素の画像データと偶数番画素の画像データとを同時に並行してγ変換する場合にはさらに、例えば、
設定情報
転送モード:上記(TM10)
From:RAM6
To:RAM7
制御モード:上記(CM3)
管理情報
開始アドレス:A
終了アドレス:A+255
使用モード:LUT(書込み)
として、RAM6のLUTをRAM3に転送(複写)して、たとえばRAM6を奇数番画素の画像データのγ変換用に、RAM7を偶数番画素の画像データのγ変換用に定める。
【0251】
RAM6のLUTを用いて画像データをγ変換するときには、例えば、メモコン4に、
設定情報
転送モード:上記(TM7)
From:画像ポート2
To:RAM6
制御モード:上記(CM3)
管理情報
開始アドレス:A
終了アドレス:A+255
使用モード:LUT(読出し)
を与えて、画像ポート2に到来する画像データをRAM6の開始アドレスA〜終了アドレス(A+255)にメモコン4で変換してRAM6のアドレスバスに与える。RAM6の読出しデータがγ変換したデータである。画像ポートに到来する画像データは一旦別のRAM例えばRAM4に格納して、それから読み出してRAM6アクセスのためのアドレスデータに変換しても良い。この場合には、メモコン4をRAM4への画像データ書込みに用い、メモコン6をRAM6の読出しデータの転送(送出)にもちいる。
【0252】
RAM2から読出したγ変換したデータの転送には、転送モードを(TM9),(TM10)又は(TM11)として、例えばメモコン6を用いて、データ処理器PEG,他のRAMたとえばRAM8又は画像ポート2に送出する。
【0253】
奇数番画素と偶数番画素の画像データを同時に並行してガンマ変換するときには、上述のRAM6のLUTを用いるγ変換を例えば奇数番画素の画像データのγ変換に適用し、同様なγ変換を例えば、RAM7に形成したLUT,メモコン5,RAM5,メモコン7,RAM9を用いて同様に行う。
【0254】
SIMD型プロセッサ33はその他に、前記設定情報および管理情報を用いて、図9に示すデータの集成/分離を行うことが出来、また、RAM0〜17をLUTにも用いることができる。また、それらのRAMのそれぞれは、1領域をラインバッフアとして画像データの入出力に使用するとともに、他の1領域をLUTとして使用することもできる。ただし、ラインバッフアとLUTに対するアクセスは時分割となる。つまり異なったタイミングでアクセスする。
【0255】
図9の(a),(c)および(d)に示すデータの集成を行うときには、前記設定情報のFromが2箇所となり、制御モードが上記(CM6)の奇数/偶数集成となる。この場合には、この処理が指定されたメモコンは、画素同期パルスとその1/2分周パルスから、奇数画素タイミングと偶数画素タイミングを判定して、奇数画素タイミングではFromの2箇所の一方から、偶数画素タイミングでは他方から画像データを摘出してToに送出する。図9の(b)に示すデータの分離を行うときには、前記設定情報のToが2箇所となり、制御モードが上記(CM7)の奇数/偶数集成となる。この場合には、この処理が指定されたメモコンは、画素同期パルスとその1/2分周パルスから、奇数画素タイミングと偶数画素タイミングを判定して、奇数画素タイミングではFromの画像データをToの2箇所の一方に、偶数画素タイミングでは他方に、画像データを仕分けして送出する。
【0256】
なお、上述の例では、バッファメモリBMの各メモリ(RAM0〜17)の領域指定と機能指定を、図16の(d)に示すように、1領域ごとに、開始アドレス,終了アドレスおよび使用モード(データバッファ/LUT)の各情報を宛てている。すなわち、制御情報データの中のメモリ管理情報を、開始アドレス,終了アドレスおよび使用モードとしている。
【0257】
もう1つの例では、制御情報データの中のメモリ管理情報を、データバッファとは別の機能領域であるLUT領域の開始アドレス,終了アドレス,対応する機能領域を元のデータバッファとするか前記別の機能領域とするかをきめる属性情報とする。例えば、全領域をデータバッファとして使用するメモリ(RAM0〜17)に関しては、使用領域の開始アドレス,終了アドレスがメモリ管理情報に含まれるが、属性情報の欄は、空白(初期化によりクリア状態)となる。一部領域のみ又は全領域をLUT(データバッファとは別の機能)として使用するメモリ(RAM0〜17の1つ)に関しては、使用領域の開始アドレス,終了アドレスおよび機能切換りを示す属性情報の欄がメモリ管理情報に含まれる。1つのメモリ(RAM0〜17の1つ)に、データバッファ領域,LUT領域およびデータバッファ領域をこの順に定めるときには、第1領域のデータバッファ領域の管理情報は、開始アドレス,終了アドレスに有効データがあるが属性情報の欄は空白のものとなり、第2領域のLUT領域の管理情報は、開始アドレス,終了アドレスおよび機能切換りを示す属性情報となり、第3領域の元のデータバッファ領域の管理情報も、開始アドレス,終了アドレスおよび機能切換りを示す属性情報となる。メモコンは、メモリの領域の機能割付けを、先頭はまずデータバッファと仮定して、先頭から、機能切換りを示す属性情報が現れるまでの領域は自動的にデータバッファと定め、初めて機能切換りを示す属性情報が現れた領域をLUT(別の機能)領域と定め、次に機能切換りを示す属性情報が現れるまでの領域は自動的にLUT(別の機能)領域と定めて、機能切換りを示す属性情報が現れた領域は元のデータバッファ機能と定める。
【0258】
図17に、1つのRAM(0〜17)の使用態様の数種を示す。(a)は、1つのRAM(0〜17)(バイト)を、A3サイズの短辺長を1ラインとする画像データの1ライン分のラインバッファメモリ(入力バッファ,中間バッファ又は出力バッファ)として使用する場合の、1つのRAM(0〜17)上のデータ読書き領域を示す。(b)は、A4サイズの短辺長を1ラインとする画像データの2ライン分のラインバッファメモリとして使用する態様を、(c)はA3サイズ用1ライン分のラインバッファメモリおよび1つのLUTに用いる態様を、(d)は1つのLUTとして使用する態様を、(e)は7つのLUTとして使用する態様を示す。(e)の態様は、例えば単色成分用のLUTを7種準備しておいて、像域分離結果に応じてリアルタイムで、或は操作ボードOPB又はパソコンPCからの特性指定に応じて、1つを選択使用する場合に好適である。
【0259】
(f)は、一部のRAM(0〜17)を、HDDから読み出したLUTあるいはSIMD型プロセッサ33で生成したLUTの一時格納用のメモリとして使用する態様である。例えばRGB画像データの各γ変換用の3個のLUT10,LUT11,LUT12をSIMD型プロセッサ33で生成して格納しておき、RGB画像データのγ変換を行うときには、R画像データ用のLUT10を、別の2つのRAM(0〜17)に書込んで、これらを用いて奇数番画素のR画像データの一連と偶数番画素のR画像データの一連の、各画像データを同時に並行してγ変換する。G画像データおよびB画像データについても同様である。
【0260】
図15に示すドット補正LUTの生成(Sd4)、R,G&B各γ変換のLUTの生成(Sd5),IDUγ変換のLUTの生成(Sd6)および像域分離で用いる各種LUTの生成(Sd7)は、図14に示す「システム制御」SCLにおいて、操作ボードOPB又はパソコンPCから、LUTの変更又は調整が指示されたときにも、それに応じたシステムコントローラ106の指示に応じてSIMD型プロセッサ33が起動し、指示に含まれる特性指定データに対応するLUTに、RAM(0〜17)の対応LUTを書き換える。
【0261】
ここで、IPU1で行われるR,G&B各γ変換のLUTの生成(Sd5)、ならびに、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3で行われるY,M,C&K各γ変換のLUTの生成、の内容を説明する。
【0262】
ハードディスク装置HDDの、IPU1宛ての読取補正プログラムには、γ変換の位置に、スキャナγ変換のプログラムの格納アドレス(例えば第1グループのS1R,S1G&S1B:図18)が挿入されており、HDDから読取補正プログラムをIPU1のプロセッサ33のプログラムRAM36に転送するときに、該格納アドレスのR,GおよびBスキャナγ変換のプログラムを、該格納アドレスと置き変えて、転送する。プログラムRAM36に転送した後でも、プログラムRAM36のプログラムは、操作ボードOPB或はホストPCからの変更操作(書換え指示入力)によってシステムコントローラ106に書換え命令を与えて、図18に示す他のグループのもの(例えばS3R,S3G,S3Bのもの)に書換えることができる。
【0263】
同様に、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの夫々宛てのY,M,CおよびK出力補正プログラムにも、γ変換の位置に、Y,M,CおよびKプリンタγ変換のプログラムの格納アドレス(例えば第1グループのP1Y,P1M,P1CおよびP1K:図18)が挿入されており、HDDからY,M,CおよびK出力補正プログラムを、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kのプロセッサ53y,53m,53cおよび53kの各プログラムRAMに転送するときに、該格納アドレスのプリンタγ変換のプログラムを、該格納アドレスと置き変えて、転送する。各プログラムRAMに転送した後でも、操作ボードOPB或はホストPCからの変更操作によって、図18に示す他のグループのもの(例えばP3Y,P3M,P3C,P3Kのもの)に書換えることができる。ここで、補間演算プログラムによるγ変換のためのLUTの生成を説明する。
【0264】
図20を参照されたい。本実施例では、読取ユニット21が出力するRGB画像データのIPU1でのγ変換ならびにIPU2が出力するYMCK画像データのIPU3y〜IPU3kでのγ変換で、入力画像データx(横軸値:R,G,B/Y,M,C,K画像データ)を、図20に2点鎖線で示す略S字カーブの変換特性(特性曲線は色々である)となるように、出力画像データy(縦軸値;イエローyではない)に変換(階調特性の変換)をするが、8ビット構成の入力画像データxが表し得る数値範囲0〜255をそれより少ない複数m=8区間に分割して、変換特性曲線の各区間を、図20上に実線で示す直線で近似した。これらの直線を表わす数式を用いる、直線近似の補間演算により、0〜255を表す各階調データをγ変換する。これらの補間演算式の適用区間を次に示す。
【0265】
区間No.i 境界値 演算式(パラメータai,bi)
1 x1 y1=a1・x+b1
2 x2 y2=a2・x+b2
3 x3 y3=a3・x+b3
4 x4 y4=a4・x+b4
5 x5 y5=a5・x+b5
6 x6 y6=a6・x+b6
7 x7 y7=a7・x+b7
8 (x8:不要) y8=a8・x+b8
なお、隣接する区間の境界において両区間の演算式は繋がっている。例えばy1=a1・x+b1とy2=a2・x+b2に、x=x1を与えたときの、y1の値=y2の値、すなわち、
y1=a1・x1+b1=a2・x1+b2=y2
である。
【0266】
境界値はxi(x1〜x8)、補間演算パラメータは傾きai(a1〜a8)およびy切片(オフセット)bi(b1〜b8)である。
【0267】
図18に示すリスト上の各変換プログラムは、これらの演算式に従って、入力階調データxに対応するγ変換した出力階調データyを算出するものである。なお、図18に示すリスト上の多数の変換プログラムは、直線式(を規定するパラメータ)あるいは区間(を規定する境界値)が異なるものである。すなわちγ変換特性(階調変換特性)が異なるものである。
【0268】
図19に、IPU1,IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kのSIMD型プロセッサ33,53y,53m,53c,53kの、プログラムRAM(36)の変換プログラムに基いたグローバルプロセッサ(38)による、n+1個(n=255)の、0〜255の各値を表す階調データの同時並行のγ変換の内容を示す。なお、本実施例では、階調データは、8ビット構成の多値階調データである。
【0269】
グローバルプロセッサ(38)はまず、全プロセッサエレメントPE0〜PEnを初期化してから、n+1個の0〜255の各値を表す階調データD0〜Dnのそれぞれを、320個ある中のn+1個のプロセッサエレメントPE0〜PEnの各入力レジスタにセットする(ステップγp1)。なお、以下においてカッコ内には、ステップという語を省略して、ステップNo.記号のみを記す。
【0270】
次に、グローバルプロセッサ(38)は、全プロセッサエレメントPE0〜PEnに最後区間i=m=8の補間演算パラメータam(a8),bm(b8)を与え、各プロセッサエレメントはそれらを自己のパラメータ設定用レジスタに書込む(γp2)。
【0271】
次に、グローバルプロセッサ(38)は、演算対象区間iを第1区間(i=1)に定めて(γp3)、区間iの境界値xiをプロセッサエレメントPE0〜PEnに与えて、比較を指示する。PE0〜PEnはそれぞれ、セットされている階調データDj(D0〜Dnのそれぞれ)が第i区間である(xi<Dj:NO,すなわちxi≧Djである)かをチェックして、第i区間であると自身のフラグに「1」を立てる(γp4)。次に、第i区間の計算式を規定するパラメータA=ai,B=biをプロセッサエレメントPE0〜PEnに与える。ここで、自身のフラグに始めて「1」を立てた(フラグを「0」から「1」に切換えた)プロセッサエレメントは、自身のパラメータ設定用レジスタに、パラメータA=ai,B=biを書込む(γp5)。
【0272】
第1区間を演算対象区間とした上記処理を同様に、演算対象区間iを順次に第2(i=2),第3(i=3),・・・と更新して、第m−1=7区間(i=7)まで繰返し実行する(γp6/γp7/γp4/γp5/γp6)。ただし、すでにフラグに「1」を立てており、「0」から「1」への切換わりのないプロセッサエレメントは、自身のパラメータ設定用レジスタに新たにパラメータA=ai,B=biを更新書込みすることはしない。
【0273】
第m−1=7区間まで実行すると、プロセッサエレメントPE0〜PEnのいずれもが、自身にセットされている階調データが属する区間に宛てられているパラメータA=ai,B=biを、自身のパラメータ設定用レジスタに保持していることになる。
【0274】
ここでグローバルプロセッサは、Y=A・x+B、xはセットしている階調データ、なる演算指示をプロセッサエレメントPE0〜PEnにあたえる。プロセッサエレメントPE0〜PEnは、パラメータ設定用レジスタに保持しているA=ai,B=biを用いて、Y=A・x+Bを算出し、算出したYを表すデータすなわちγ変換した階調データすなわちγ変換データを、自身の出力レジスタに格納する(γp8)。グローバルプロセッサ(38)は、プロセッサエレメントPE0〜PEnの出力レジスタのデータ(AD0〜ADn:算出したY)をプロセッサエレメントのRAMの出力データ領域に書込み、メモコン設定レジスタ(図16の(a))でγ変換用LUTの読み書きを指定したメモコン(図5)にそこのデータの読み出しを指示する。該メモコンは、設定情報でLUTに指定されたRAM(0〜17)の指定領域に、0〜255の各値の階調データ宛てに、そのγ変換データ(γ変換テーブル)を書込む(γp9)。
【0275】
この第1実施例の上述の補間演算では、プロセッサエレメントPE群に対する1グループの階調データ群D0〜Dnのセット;プロセッサエレメント群に対するi区間の境界値の同時供給とそれに続く該区間iの補間演算パラメータの同時供給、の区間i=1〜mについての実行、すなわちm回の繰返し;および、一回の演算式の指定と算出指示;によって、階調データ群D0〜Dnの変換が完了する。
【0276】
プロセッサエレメント群は算出演算は1回のみであり、変換速度が速い。320個のデータ処理手段(PE)の中の256個を用いて0〜255の各値を表す総計256個の階調データを同時にγ変換する場合の、画像処理器(33)のデータ処理ステップ数は少ない。従来の、階調データのγ変換を256回繰り返して行う場合と対比して、大幅なステップ数の低減となり、γ変換用LUTの生成速度が速い。
【0277】
上述のγ変換は、IPU1のSIMD型プロセッサ33のプログラムRAM(36)に書込んだ読取補正プログラムの中のスキャナγ変換プログラム、又は、IPU3y〜3kのSIMD型プロセッサのプログラムRAMに書込んだ出力補正プログラムの中のプリンタγ変換プログラムを、ハードディスクHDDにある他の、γ変換特性が異なるものに書換えることにより、変更できる。
【0278】
上述の、図19のステップγp9でRAM(0〜17)に書込んだγ変換テーブルは、γ変換を行うときに、図21に示すように、1つの変換テーブルγLUT−Rを2つのRAM(0〜17)に書込んで、一方を奇数画素の画像データのγ変換に、他方を偶数画素の画像データのγ変換に割り当てる。図21には、R画像データのγ変換時のデータの流れを示す。G画像データおよびB画像データのγ変換も同様である。図21においては、奇数番画素のR画像データの一連と、それと同一ライン上の偶数番画素のR画像データの一連との、画像上は隣り合う各画素のR画像データが同時に並行して1つの画像ポートを介してメモコンに与えられる。メモコンは、奇数番画素のR画像データに第1のγLUT−Rの書込始端アドレスを加えたLUTアクセスアドレスを第1のγLUT−Rを格納している第1のRAM(0〜17)に読み出しアドレスとして、また、偶数番画素のR画像データに第2のγLUT−Rの書込始端アドレスを加えたLUTアクセスアドレスを第2のγLUT−Rを格納している第2のRAM(0〜17)に読み出しアドレスとして同時に並行して与えて、それらのアドレスの第1のγ変換データ(第1のγLUT−Rのデータ)および第2のγ変換データ(第2のγLUT−Rのデータ)を読み出して、読み出しデータを同時に並行してSIMD型プロセッサ33に出力する。なお、画像ポートから入力画像データを直接にメモコンに与えるのに変えて、入力画像データを一旦RAM(0〜17)に格納してからメモコンに与えることもできる。また、γ変換データをLUTから読出して直接にSIMD型プロセッサ33に出力するのに変えて、一旦RAM(0〜17)に蓄えてから出力することもできる。
【0279】
上述のように第1実施例では、γ変換テーブルの生成(図19)において、境界値を最小値から順番に大きいものに変更して、階調データと比較したが、境界値を最大値から順番に小さいものに変更して階調データと比較する態様も有り得る。例えば、図19のステツプγp2ではA=a1,B=b1をパラメータ設定用レジスタに書込み、ステップγp3ではiを8に設定し、ステップγp4ではx(i−1)をエレメントPE0〜PEnにあたえて第i区間にある(Dj≧x(i−1))かをチェックする。そしてステップγp6ではiが1かをチェックして、1であるとステップγp8に進み、1になっていないと、ステップγp7でiを1デクレメントする。
【0280】
−第2実施例−
第2実施例のハードウエアは、上述の第1実施例と同じであるが、第2実施例は、LUT生成用γ変換の補間演算でのデータ処理の内容が少し異なる。
【0281】
図22に、第2実施例のIPU1およびIPU3y〜3kが実行する、LUT生成用γ変換(IPU1におけるスキャナγ変換用LUTの生成&IPU3y〜3kにおけるプリンタγ変換用LUTの生成)の内容を示す。
【0282】
第2実施例のSIMD型プロセッサ(33)のグローバルプロセッサ(38)はまず、全プロセッサエレメントPE0〜PEnを初期化してから、n+1個(n=255)の、それぞれが0〜255の各値を表す階調データD0〜Dnのそれぞれを、n+1個のプロセッサエレメントPE0〜PEnの各入力レジスタにセットする(ステップaγp1)。
【0283】
次に、グローバルプロセッサ(38)は、演算対象区間iを第1区間(i=1)に定めて(aγp2)、区間iの補間演算パラメータai,biを全プロセッサエレメントPE0〜PEnに与えて、yi=ai・x+biの算出を指示する(aγp3)。全プロセッサエレメントPE0〜PEnは、それぞれに与えられている階調データDj(D0〜Dnのそれぞれ)をxとして、yiを算出し、それぞれ算出値A0〜Anを得る(aγp3)。
【0284】
次に、グローバルプロセッサ(38)は、第i区間の境界値xiを全プロセッサエレメントPE0〜PEnに与えて、比較を指示する。PE0〜PEnはそれぞれ、セットされている階調データDjが第i区間である(xi<Dj:NO,すなわちxi≧Djである)かをチェックして、第i区間であると自身のフラグに「1」を立てる(aγp4)。
【0285】
次に、自身のフラグに始めて「1」を立てた(フラグを「0」から「1」に切換えた)プロセッサエレメントは、算出値Aj(A0〜Anのいずれか)を出力レジスタADjに書込む(aγp5)。自身のフラグを「0」から「1」に切換えなかったプロセッサエレメントは、この書込をしない。
【0286】
第1区間を演算対象区間とした上記処理を同様に、演算対象区間iを順次に第2(i=2),第3(i=3),・・・と更新して、第m−1=7区間(i=7)まで繰返し実行する(aγp6/aγp7/aγp3/aγp4/aγp5/aγp6)。ただし、すでにフラグに「1」を立てており、「0」から「1」への切換わりのないプロセッサエレメントは、出力レジスタAjへの算出値の書込はしない。そして最後の第m=8区間では、フラグに「1」を立てていないプロセッサエレメントのみが、算出値Ajを出力レジスタADjに書込む。
【0287】
第m−1=7区間まで実行すると、プロセッサエレメントPE0〜PEnのいずれもが、自身にセットされている階調データが属する区間に宛てられているパラメータA=ai,B=biに基づいた算出値を出力レジスタに保持していることになる。
【0288】
次にグローバルプロセッサ(38)は、プロセッサエレメントPE0〜PEnの出力レジスタのデータ(AD0〜ADn)をプロセッサエレメントのRAMの出力データ領域に書込み、メモコン設定レジスタ(図16の(a))でγ変換用LUTの読み書きを指定したメモコン(図5)にそこのデータの読み出しを指示する。該メモコンは、設定情報でLUTに指定されたRAM(0〜17)のLUT形成用の指定領域に、0〜255の各値の階調データ宛てに、そのγ変換データを書込む(aγp8)。
【0289】
この第2実施例の補間演算によれば、各プロセッサエレメントが同一時点には同一の区間の補間演算をしてγ変換データを算出する。しかしこのとき各プロセッサエレメントに与えられる各階調データは同一とは限らず、すべてが該補間演算が宛てられる区間iに入っているものとは限らない。区間iに入っていない階調データが与えられたプロセッサエレメントの演算出力はエラーであり、区間iに入っている階調データが与えられたプロセッサエレメントの演算出力が正しい値である。
【0290】
各区間i、i=1〜m、の補間演算を1つづつ、すべてのプロセッサエレメントで同時に同じ演算を並行して実行し、全区間の補間演算を遂行すると、その間に、どのプロセッサエレメントも1回、正しい変換値を算出する。この正しい変換値を有効とする。すなわち変換データとして出力する。
【0291】
1つの階調データに対して、それを与えられたプロセッサエレメントは、見かけ上はm回(例えば、m=8)補間演算を繰り返す。すなわち、各区間の補間演算yi、i=1〜m、のそれぞれを実行する。したがって演算回数は多くなるが、1回の演算が簡単で時間が短いので、大きなn値の複数nの階調データ全体としての変換時間は短い。
【0292】
−第3実施例−
第3実施例のハードウエアは、上述の第1実施例と同じであるが、第3実施例は、γ変換用LUTの生成に用いる補間演算プログラムの構成が少し異なる。第3実施例のIPU1およびIPU3y〜3kが実行する、γ変換(IPU1におけるスキャナγ変換用LUTの生成&IPU3y〜3kにおけるプリンタγ変換用LUTの生成)を説明する。
【0293】
IPU1宛ての読取補正プログラムには、γ変換用LUTの生成の位置に、スキャナγ変換のプログラムの格納アドレスS00(図23)が挿入されており、HDDから読取補正プログラムをIPU1のSIMD型プロセッサ33のプログラムRAM36に転送するときに、該格納アドレスS00のスキャナγ変換のプログラムを、該格納アドレスと置き変えて転送する。これに加えて、1セットのR,G,B γ変換用の「境界値,パラメータ」群、例えばアドレスS1R,S1GおよびS1B(図23)のデータを、SIMD型プロセッサ33のデータRAM37のγ変換用データ格納領域に転送して書込む。一組例えばアドレスS1Rの、R γ変換用の、「境界値,パラメータ」群は、図20に示す区間の境界値xiおよび補間演算式yiのパラメータai,biであり、i=1〜8、の8区間分である。
【0294】
図24に、一組のパラメータ群の、データRAM37上の情報区分を模式的に示す。
【0295】
前記1セットすなわち3組(R用,G用およびB用:アドレスS1R,S1GおよびS1B)をデータRAM37に書込んだ後でも、操作ボードOPB或はホストPCからの変更操作によって、図23に示す他のグループのもの(例えばS3R,S3G,S3Bのもの)に書換えることができる。
【0296】
同様に、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの夫々宛てのY,M,CおよびK出力補正プログラムにも、γ変換の位置に、γ変換のプログラムの格納アドレス(P00:図23)が挿入されており、HDDからY,M,CおよびK出力補正プログラムを、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kのプロセッサ53y,53m,53cおよび53kの各プログラムRAM(36)に転送するときに、該格納アドレスP00のプリンタγ変換のプログラムを、該格納アドレスと置き変えて、転送する。これに加えて、1セットのY,M,C,およびKそれぞれのγ変換用の「境界値,パラメータ」群、例えばアドレスP1Y,P1M,P1CおよびP1K(図23)のデータ、のそれぞれを、SIMD型プロセッサ53y,53m,53cおよび53kの各データRAMのγ変換用データ格納領域に転送して書込む。データRAMに書込んだ後でも、操作ボードOPB或はホストPCからの変更操作によって、図23に示す他のグループのもの(例えばP3Y,P3M,P3CおよびP3Kのもの)に書換えることができる。
【0297】
第3実施例のγ変換処理フローは、図19に示す第1実施例のものと同様である。ただし、境界値xiおよびパラメータai,biは、SIMDプロセッサ(33)内のデータRAM(37)から読出してプロセッサエレメントPEに与える。
【0298】
−補間演算の変形例−
上述の各実施例の補間演算はいずれも直線近似式を用いるものである。しかし、一変形例では、直線近似による補間演算にかえてベジェ曲線を規定する変換式に基づいて、複数ビット構成で表し得る階調範囲の各階調を表す多値階調データに対応付ける変換済データを算出して変換テーブルを生成する。例えば、特許第3112751号に提示した、拡張3次元ベジェ曲線を用いると、例えば1バイトの階調データの場合、始点(0)および終点(255)の勾配c,dをパラメータとして与えて、変換式を
y=cx(255−x)+(3×255−d)(255−x)x+x
y:変換済データ(出力データ),x:被変換データ(入力データ)
として、x=0〜255の各値でのyを算出して、xをアドレスとし、yを格納データとする変換テーブルを生成できる。少ないパラメータで所望の形状の特性曲線を生成することができる。
【0299】
−第4実施例−
第4実施例のハードウエアは、上述の第1実施例と同じであるが、第4実施例は、γ変換テーブルの補間演算による生成は行わず、原変換テーブルをHDDに格納しているものである。IPU1宛ての読取補正プログラムには、γ変換用LUTの生成の位置に、スキャナγ変換のプログラムの格納アドレスS00(図25)が挿入されており、HDDから読取補正プログラムをIPU1のSIMD型プロセッサ33のプログラムRAM36に転送するときに、該格納アドレスS00のスキャナγ変換のプログラムを、該格納アドレスと置き変えて転送する。これに加えて、1セットのR,G,B γ変換テーブル、例えばアドレスS1R,S1GおよびS1B(図25)の変換テーブルを、SIMD型プロセッサ33のデータRAM37のγ変換テーブル格納領域に転送して書込む。
【0300】
RGB画像データのγ変換のときには、SIMD型プロセッサ33が、データRAM37からγ変換テーブルを読み出して、例えば図21に示すように、1つの変換テーブルを2つのRAM(0〜17)に書込んで、1ライン上の奇数番画素の画像データと偶数番画素の画像データを同時に並行してγ変換する。
【0301】
具体的には、SIMD型プロセッサ33のRAM36又は37(制御情報メモリCM:図8)のLUTデータを、図5に示す18個のRAM(0〜17)の1つたとえばRAM6のアドレスA〜(A+255)に書込むLUTの形成のときには、グローバルプロセッサ38が、メモコン6に、SIMD型プロセッサ33のRAM36又は37(制御情報メモリCM:図8)から読み出した次の設定情報および管理情報を与える;
設定情報
転送モード:上記(TM4)
From:RAM36又は37(制御情報メモリCM)
To:RAM6
制御モード:上記(CM1)
管理情報
開始アドレス:A
終了アドレス:A+255
使用モード:LUT(書込み)。
【0302】
メモコン6は、これらの情報に基づいて、メモリスイッチSW2のデータセレクタを、メモコン6からRAM6へのデータ書込みに設定して、RAM36又は37のLUTデータを、RAM6の開始アドレスAから終了アドレスA+255の領域に書込む。その他のγ変換のための設定および制御は、前述の第1実施例の場合と同様であるので、ここでの具体的な説明は省略する。
【0303】
前記1セットすなわち3組(R用,G用およびB用:アドレスS1R,S1GおよびS1B)のγ変換テーブルをデータRAM37に書込んだ後でも、操作ボードOPB或はホストPCからの変更操作によって、図25に示す他のグループのもの(例えばS3R,S3G,S3Bのもの)に書換えることができる。
【0304】
同様に、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの夫々宛てのY,M,CおよびK出力補正プログラムにも、γ変換の位置に、γ変換のプログラムの格納アドレス(P00:図25)が挿入されており、HDDからY,M,CおよびK出力補正プログラムを、IPU3y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kのプロセッサ53y,53m,53cおよび53kの各プログラムRAM(36)に転送するときに、該格納アドレスP00のプリンタγ変換のプログラムを、該格納アドレスと置き変えて、転送する。これに加えて、1セットのY,M,C,およびKそれぞれのγ変換テーブル、例えばアドレスP1Y,P1M,P1CおよびP1K(図25)のデータ、のそれぞれを、SIMD型プロセッサ53y,53m,53cおよび53kの各データRAMのγ変換テーブル格納領域に転送して書込む。データRAMに書込んだ後でも、操作ボードOPB或はホストPCからの変更操作によって、図25に示す他のグループのもの(例えばP3Y,P3M,P3CおよびP3Kのもの)に書換えることができる。
【0305】
なお、上記第1〜4実施例のいずれも、YMCK画像データの処理を、4組のSIMD型プロセッサ53y,53m,53c,53kで、色別に同時に並行処理するようにしたが、YMCK画像データのプリンタγ変換あるいは出力処理の全体を、1つのSIMD型プロセッサで色毎に順次に行うこともできる。これは、1組の感光体ユニットで順次に各色像を形成するいわゆるワンドラム方式のカラープリンタに適合する。しかし、実施例に示した4組の感光体ユニットをタンデム配列したカラープリンタでは、上述のようにYMCK画像データのそれぞれあて、合計4組のSIMD型プロセッサ53Y,53m,53c,53kを用いるのが、YMCK画像データの出力処理の全体が極めて高速になり、高速プリントアウトに好ましい。
【0306】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、データ処理器(PEG)への並行入出力に適した形になるように、バッファメモリ(BM)とデータ処理器(PEG)の接続をバッファコントローラ(BC)で適応的に変化させることができるので、少ないバッファメモリ(BM)で多様な処理が可能になる。
【0307】
一態様では、上記のように、制御情報メモリ(36,37)の1つの変換テーブルを形成するための変換用データに基づいて、バッファメモリ装置(32)に同一の複数の変換テーブル(図21のγLUT−R)が形成される。バッファコントローラ(BC)が、バッファメモリ装置(32)に形成された前記複数の変換テーブルのそれぞれに複数連の被変換データの各連を対応付けて、各変換テーブルから各連の被変換データに対応する変換済データを同時に並行して読出すので、変換速度(データ変換量/時間)が高速になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の、複合機能があるデジタルフルカラー複写機の外観を示す正面図である。
【図2】図1に示すカラープリンタPTRの作像機構の概要を示す拡大縦断面図である。
【図3】図1に示す複写機の電気系システムの概要を示すブロック図である。
【図4】(a)および(b)はそれぞれ、図3に示すカラー原稿スキャナSCRおよびカラーデータインターフェース制御部CDICの画像処理系およびデータ転送系の概要を示すブロック図である。
【図5】図4の(a)に示す第1画像処理ユニットIPU1の、入出力インターフェイス31およびバッファメモリ装置32の構成を示すブロック図である。
【図6】(a)は図4の(a)および図5に示すSIMD型プロセッサ33の構成の概要を示すブロック図、(b)は1個のプロセッサエレメントPEの一部分の構成を示すブロック図である。
【図7】図5に示すメモリスイッチSW1と、SIMD型プロセッサ33内の外部I/F39の、データラインの概要を示すブロック図である。
【図8】図5に示すバッフアメモリ装置32とSIMD型プロセッサ33との組み合わせに係るデータ変換装置の機能構成の概要を示すブロック図である。
【図9】画像データ転送の際の、パラレル,シリアルのデータ配列の変換態様の数種を示すブロック図である。
【図10】図5に示すバッフアメモリ装置32とSIMD型プロセッサ33との組合わせによる画像データ転送の流れの数例を示すブロック図である。
【図11】(a)および(b)はそれぞれ、図3に示す第2画像処理ユニットIPU2および画像メモリアクセス制御部IMACの画像処理系およびデータ転送系の概要を示すブロック図である。
【図12】図3に示す第3画像処理ユニットIPU3Y,IPU3m,IPU3cおよびIPU3kの画像処理系の概要を示すブロック図である。
【図13】図3に示す画像処理システムにおける、画像データの流れの数例を示すフローチャートである。
【図14】図3に示すシステムコントローラ106の、操作ボードOPBおよびパソコンPCからの画像処理コマンドに応答するシステム制御の概要を示すフローチャートである。
【図15】図3に示すシステムコントローラ106の初期設定指令に応答してIPU1が実施する初期設定の内容を示すフローチャートである。
【図16】(a)および(c)は、図5に示すSIMD型プロセッサ33の内部レジスタに書込む設定情報および管理情報の区分を示す図表である。(b)および(d)はメモコンに与える設定情報および管理情報の項目を示す図表である。
【図17】設定情報によって、図5に示すRAM(0〜17)に設定されるデータ読み書き領域を模式的に示すブロック図である。
【図18】本願発明の第1実施例の、図3に示すハードディスク装置HDDに格納されている、γ変換用データの区分を示す図表である。
【図19】図6に示すグローバルプロセッサ38が、プログラムRAM36に格納された読取補正プログラムの中のγ変換プログラムに基いて実行する補間演算処理の過程を示すフローチャートである。
【図20】γ変換特性カーブを2点鎖線で示し、その近似直線を実線で示すグラフである。
【図21】補間演算処理によって生成された変換テーブルを用いるR画像データのγ変換のときの画像データの流れを示すブロック図である。
【図22】第2実施例においてSIMD型プロセッサのグローバルプロセッサ38が、プログラムRAM36に格納された読取補正プログラムの中のγ変換プログラムに基いて実行する補間演算処理の過程を示すフローチャートである。
【図23】本願発明の第3実施例の、ハードディスク装置HDDに格納されている、γ変換用データの区分を示す図表である。
【図24】HDDから読出してデータRAM37に書込んだ一組のパラメータ群のRAM37上の分布を模式的に示す図表である。
【図25】本願発明の第4実施例の、ハードディスク装置HDDに格納されている、γ変換用データの区分を示す図表である。
【符号の説明】
ADF:自動原稿供給装置
SCR:カラー原稿スキャナ
OPB:操作ボード PTR:カラープリンタ
PC:パソコン PBX:交換器
PN:通信回線 2:光書込みユニット
3,4:給紙カセット 5:レジストローラ対
6:転写ベルトユニット
7:定着ユニット 8:排紙トレイ
10M,10C,10Y,10K:感光体ユニット
11M,11C,11Y,11K:感光体ドラム
20M,20C,20Y,20K:現像器
60:転写搬送ベルト IPU1:第1画像処理ユニット
IPU2:第2画像処理ユニット
IPU3y,3m,3c,3k:第3画像処理ユニット
CDIC:カラーデータインターフェース制御部
IMAC:画像メモリアクセス制御部
HDD:ハードディスク装置
MEM:画像メモリ LAN:ローカルエリアネットワーク
FONT:フォントROM
IDU:紙幣認識ユニット
SCI:システム制御インターフェイス
JTAG:IEEE1149.1規格に準拠したテスト回路
メモコン:メモリコントローラ
R:R画像データ G:G画像データ
B:B画像データ Fd:像域データ
Y:Y画像データ M:M画像データ
C:C画像データ K:K画像データ

Claims (23)

  1. 処理に適したビット幅で入力された所定数のデータを同時に並行して処理可能なデータ処理器;
    装置外部より逐次的に入力されるデータを蓄えることができ、前記データ処理器に対しては処理に適したビット幅の単位で所定数のデータを同時に並行して入出力可能なバッファメモリ;
    データバッファ機能とは別の機能を指定する情報ならびに使用領域情報を含む、バッファメモリの制御情報データを記憶する制御情報メモリ;および、
    前記制御情報データに基づいて前記バッファメモリにデータバッファ機能領域と別の機能領域を割付けて前記バッファメモリの各機能領域が前記データ処理器への並行入出力に適した形になるように、バッファメモリとデータ処理器との間のデータ転送ラインを適応的に定めるバッファコントローラ;
    を備えるデータ変換装置。
  2. 前記データ処理器は、所定数の処理手段を有し;前記制御情報メモリに格納されたバッファメモリの制御情報データは、前記処理手段ごとに設定可能なデータである;請求項1に記載のデータ変換装置。
  3. 前記バッファコントローラは、バッファメモリのメモリ領域を指定しその読み書きを制御する複数のメモコンを有し、前記制御情報メモリに格納された処理手段ごとに定義されたバッファメモリの制御情報データをメモコンに個別に設定することで、各々の処理手段ごとにバッファメモリへの機能領域の割付けが可能である;請求項2に記載のデータ変換装置。
  4. 前記制御情報メモリは、バッファコントローラおよびデータ処理器がデータ読取りできる、制御情報データが書込まれるデータメモリ、を含む;請求項1乃至3のいずれかに記載のデータ変換装置。
  5. 前記制御情報メモリは、バッファコントローラの動作を記述したプログラムを格納するプログラムメモリ、を含む;請求項1乃至4のいずれかに記載のデータ変換装置。
  6. 前記バッファメモリの制御情報データとは、バッファメモリ上での前記別の機能領域の開始アドレス,終了アドレス,対応する機能領域を元のバッファメモリとするか前記別の機能領域とするかをきめる属性情報である;請求項1乃至5のいずれかに記載のデータ変換装置。
  7. 前記別の機能領域とは、LUT領域である、請求項1乃至6のいずれかに記載のデータ変換装置。
  8. 前記制御情報メモリは、変換テーブルをバッファメモリに形成するための変換用データを記憶し;
    前記バッファコントローラが、制御情報メモリの制御情報データおよび変換用データに基づいて、バッファメモリ内のメモリに複数の変換テーブルを形成し、各変換テーブルに複数連の被変換データの各連を対応付けて、各変換テーブルから各連の被変換データに対応する変換済データを同時に並行して読出す;請求項1記載のデータ変換装置。
  9. 前記制御情報メモリの変換用データは前記変換テーブルを生成する演算プログラムを含み;
    前記データ処理器は、それぞれが複数のデータのそれぞれに同時に並行して同じデータ処理をする複数のデータ処理手段を有し;
    前記データ処理器が、前記演算プログラムに基づいて前記複数のデータ処理手段を用いて前記変換テーブルを生成し;
    前記バッファコントローラが、前記データ処理器が生成した変換テーブルと同一の複数の変換テーブルを、前記バッファメモリに形成する;請求項8に記載のデータ変換装置。
  10. 前記演算プログラムは、複数ビット構成の多値階調データの変換済データへの変換特性の入力階調範囲を複数の区間に区分する境界値,各区間の変換特性を直線近似するパラメータ、および、前記複数ビット構成で表し得る階調範囲の各階調を表す多値階調データ、に基づいて補間演算により、各階調を表す多値階調データに対応付ける変換済データを算出するものである;請求項9記載のデータ変換装置。
  11. 前記制御情報メモリの変換用データは変換テーブルを含み;前記バッファコントローラが、該制御情報メモリの1つの変換テーブルと同一の複数の変換テーブルを前記バッファメモリに形成する;請求項8に記載のデータ変換装置。
  12. 前記バッファメモリには同一の2つの変換テーブルが形成され;前記バッファコントローラは、一方の変換テーブルに1ラインの奇数番画素の画像データの連なりを、他方の変換テーブルに偶数番画素の画像データの連なりを対応付けて、各変換テーブルから各連の各画像データに対応する変換済データを同時に並行して読出す;請求項8乃至11のいずれかに記載のデータ変換装置。
  13. 被変換データは画像データであり、変換テーブルはγ変換テーブルである、請求項8乃至12のいずれかに記載のデータ変換装置。
  14. 原稿の画像を読取り、画像データを生成する画像読取手段と画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段の少なくとも1つと、請求項1乃至13の何れかに記載のデータ変換装置と、を有する画像処理装置。
  15. 前記画像読取手段が、前記データ変換装置を含みRGB画像データに読取補正を加える第1画像処理手段を備え、
    画像処理装置は更に、読取補正を加えたRGB画像データのYMCK画像データへの変換を含む画像データ処理をする第2画像処理手段を備え、
    前記画像形成手段は、前記YMCK画像データにプリンタ出力用の出力補正を加える第3画像処理手段を含み、
    第1および第3画像処理手段のそれぞれが前記構成の各データ変換装置を含み、RGB画像データの変換用の各色宛て複数の変換テーブルおよびYMCK画像データの変換用の各色宛て複数の変換テーブルをそれぞれ、第1および第3画像処理手段の各データ変換装置のバッファメモリに形成する、請求項14に記載の画像処理装置。
  16. 前記画像形成手段は、作像する感光体ユニットの数に対応した数の前記第3画像処理手段を含む、請求項15に記載の画像処理装置。
  17. 第3画像処理手段のデータ変換装置のデータ処理器は、ディザ処理にも使えディザ処理で用いられる複数種類のマトリクス構成数をカバーできる数のデータ処理手段を含む、請求項15又は請求項16に記載の画像処理装置。
  18. 画像データを転送するパラレルバス;画像メモリ;前記パラレルバス上の画像データを前記画像メモリに書込み、前記画像メモリの画像データを前記パラレルバスに読出す画像メモリ制御手段;および、画像読取手段,第2画像処理手段および前記パラレルバスの間の画像データのやりとりを制御する画像データ制御手段;を更に備える、請求項15に記載の画像処理装置。
  19. 前記画像データ制御手段は、前記画像読取手段からの画像データを圧縮をして前記パラレルバスに出力するか、又は、第2画像処理手段へ転送し第2画像処理手段が処理した画像データを圧縮をして前記パラレルバスに出力するか、更には、パラレルバスのデータを伸張して第2画像処理手段に転送するかを制御する;請求項18に記載の画像処理装置。
  20. 前記画像メモリ制御手段は、パソコン,LANなどの外部機器や前記パラレルバスに接続されたファクシミリ及び前記画像データ制御手段との間の画像データを前記画像メモリに圧縮して書込み、又は読み出して伸張する、請求項18又は請求項19に記載の画像処理装置。
  21. 請求項1に記載のデータ変換装置を用い、その制御情報メモリにLUTデータ演算プログラムを格納しておきそれに基づいて、データ処理器で、多値階調データの階調を変換するLUTデータを算出し;制御情報メモリの制御情報データに基づいてバッファコントローラでバッファメモリにLUT書込領域を定めて算出したLUTデータを書込み;制御情報メモリの制御情報データに基づいてバッファコントローラで転送先を定めて被変換データを前記LUT書込領域のLUTデータアドレスに変換して該LUT書込領域にアクセスしてLUTデータを読出して前記転送先に送出する;ことを特徴とするデータ変換方法。
  22. 請求項1に記載のデータ変換装置を用い、その制御情報メモリに多値階調データの階調を変換するLUTデータを格納しておきそれを、制御情報メモリの制御情報データに基づいてバッファコントローラでバッファメモリにLUT書込領域を定めてそこに書込み;制御情報メモリの制御情報データに基づいてバッファコントローラで転送先を定めて被変換データを前記LUT書込領域のLUTデータアドレスに変換して該LUT書込領域にアクセスしてLUTデータを読出して前記転送先に送出する;ことを特徴とするデータ変換方法。
  23. 前記バッファコントローラで、制御情報メモリの制御情報データに基づいてバッファメモリに複数のLUT書込領域を定めてそれらに同一のLUTデータを書込み;制御情報メモリの制御情報データに基づいてバッファコントローラで各転送先を定めて複数連の被変換データの各連を各LUT書込領域のLUTデータアドレスに変換して各LUT書込領域にアクセスして各LUTデータを読出して各転送先に送出する;請求項21又は請求項22に記載のデータ変換方法。
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