JP3859028B2 - 平型ショーケースの風よけボード - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アイスクリーム等の食品を保冷・陳列する平型ショーケースに係り、特に販売店舗の外気の影響を受けないために設けられ安価に製作された平型ショーケースの風よけボードに関する。
【0002】
【従来の技術】
スーパーマーケットやコンビニ・ストア等のセルフサービス方式の食品販売店では、冷蔵食品や冷凍食品の陳列に、上部を開放した平型の冷凍・冷蔵ショーケースがよく用いられている。
図9はその一例を示すもので、平型のオープンショーケース21は、一般に、上部開放の箱形に形成された商品陳列部22と、この商品陳列部22を適度の高さに保つ台座部23とから構成され、台座部23内に、冷凍機構成機器24を収納している。また、商品陳列部22と台座部23との間には、冷気の循環ダクト25を形成し、該ダクト25内に、冷却器26や送風機27を配設している。この循環ダクト25の両端は、冷気吹出口28と冷気吸込口29とに連続しており、冷却器26で冷却された空気は、冷気吹出口28から商品陳列部22内に吹出して商品陳列部内を所定の冷却温度に保持し、冷気吸込口29から循環ダクト25に吸い込まれて、送風機27の作用でこの経路を循環する。
【0003】
ところで、従来、店舗内で空調(暖房)等や出入口からの外気の侵入による風が、直接、平型ショーケース庫内に入って、庫内温度(即ち、冷却性能)に影響を与える問題があった。
そこで、本出願人は、既に、実用新案登録第3015116号(従来例の図8,9にも示すように)において、商品陳列部22の上方開口部30に、ドーム状の透明材からなるフード31(本発明のボードに相当する)を、ショーケースの開口上縁に嵌合により着脱自在に取付けて、上記問題の解消を計っている。なお、32は、前後左右の各辺に設けられた商品取出口である。
【0004】
しかしながら、図8,9にも示すように、ドーム状の透明樹脂(アクリルあるいは塩化ビニル)製のフード31は、その下縁部に嵌合部33を持ち、ドーム状に立ち上げた部位の前後左右に商品取出口32を有する等、形状が複雑なため、製作にカット治具と、樹脂成形金型を利用する工程等が必須で、成型金型等が高価であり、結局、製作個数の多くない、この種のフード31が高価となる致命的な問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み創案されたもので、その目的とするところは、樹脂成形金型を利用する工程を要しない、設備投資を抑えた、極めて安価に製作でき、少量生産のショーケースにも対応できる平型ショーケースの風よけボードを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の平型ショーケースの風よけボードにおいては、上部に商品出し入れ用の開口部が設けられ、該開口部に冷却空気のエアカーテンが形成される平型ショーケースであって、前記開口部を覆うべく、ショーケースの開口上縁に、一体型の透明なドーム状のボードを着脱自在に取り付けた平型ショーケースの風よけボードにおいて、前記ボードを、平板状の透明カバーと、ショーケースの開口上縁に置くだけでフィットするワイヤー架台とに、それぞれ別体化して製作し、且つ、前記平板状の透明カバーを押し狭めて湾曲させ、その状態で透明カバーの両端部をワイヤー架台に弾発係合させ、これら両者を一体に組み立てたことを特徴としている。
【0007】
この場合、前記透明カバーの両端とワイヤー架台の係合面に両面テープ等の接着手段を介在させることもできる。この接着手段により、確実・強固な組立が可能となる。
そして、前記ワイヤー架台としては、四囲の枠状ワイヤーと、その両端の前後方向に溶着され、その裏面に前記透明カバーとの接着面を有するカバー押さえとからなる構造のものが、シンプルで望ましい。
また、ワイヤー架台の枠状ワイヤーは、その両端側の中途部からショーケースの庫内側に向けて、わずかに低くなるように傾斜部を持たせると、設置場所の手摺りレール形状にとらわれず、安定した設置ができ、好ましい。
【0008】
上記構成を採用したことにより、樹脂成形金型を利用する工程を必要としないので、設備投資を抑え、極めて安価に風よけボードを製作することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の風よけボードを取り付けたショーケースのボードの分解斜視図である。
【0010】
図1において、1は上部開放の商品出し入れ用の開口部2を有する平型ショーケースで、従来と同様に開口部2に冷却空気のエアカーテンを形成し、商品収納部(陳列部)3の冷蔵又は冷凍食品を保冷している。開口部2の四囲には、透明なガラス等からなる風防板4が立設され、風防板4の上部(ショーケース1の開口上縁)に上部レール5が設けられている。
6は、ワイヤー架台で、前記ショーケース1の左右両端の上部レール5,5に、その左右両端が載置されるように構成されている(勿論、後述する枠状ワイヤー6aの傾斜部6cの作用による。)
【0011】
図2に示すショーケース1aは、上部レール5a,5aに、庫内側に低い段を設けたもので、ワイヤー架台6がずれにくく、セットしやすい最も好適なものである。
また、図3に示すショーケース1bは、上部レール5b,5bが、曲率状(半円状)のもので、この形状のものにも簡単にセットできる。
更に、図示しないが、ショーケースの上部レール5,5が四角いものや、その他いろいろの形状に対して、ワイヤ架台6はセット可能である。
【0012】
8は、透明カバーで、前面側に商品取出口9を設け、湾曲形状で、前記ワイヤー架台6に接着等により取り付けられる。
即ち、別体化された透明カバー8と、ワイヤー架台6とを組立てることにより、風よけボード10が形成される。
【0013】
更に、風よけボード10を詳細に説明する。
図4は、透明カバー8の平面図で、素材は平板状を呈したアクリル樹脂である。前面側に半円状の切込み8aがあるのは、前述した商品取出口9を形成させるためである。透明カバー8は、組立て時、平板の左右両端を押し狭めて、湾曲状にして組立てられる。
【0014】
図5,6は、ワイヤー架台6の平面図と、正面断面図で、ワイヤー架台6は、四囲を約8mmの丸棒で棒状に形成した枠状ワイヤー6aと、左右両端に沿って枠状ワイヤー6aを包み込むように形成されるカバー押さえ6bとにより構成される。このカバー押さえ6bは左右両端の枠状ワイヤー6aの端部内側に溶接されている。
そして、ワイヤー架台6の枠状ワイヤー6aは、その左右両端側の中途部から、中央側に向けて、わずかに低くなるように傾斜部6c,6cを持っている。
【0015】
図7は、ワイヤー架台6と透明カバー8の接合構造を示す断面図である。この図に示すように、ワイヤー架台6のカバー押え6bの立ち上り部6dの裏面と、透明カバー8の端部の間には、約1.2mm厚で、幅約12mmの強力両面テープ11等の接着手段が設けられ、カバー押え6bと透明カバー8を不動に接着している。
【0016】
なお、この例においては、両面テープを用いてワイヤー架台6と透明カバー8を接着しているが、単に、透明カバー8の端部をワイヤー架台6のカバー押え6bの裏側に押し狭めて挟み込み、その透明カバー8の復元力(弾発力)により係合して組み立てることも可能である。
また、本発明の風よけボードは、店舗の設置場所により必要ない場合もあるが、着脱が容易であるため、適宜設置場所に応じて使い分けることができる。その為、店舗のレイアウトの変更等に柔軟に対処できる。
【0017】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の平型ショーケースの風よけボードによれば、次のような効果を奏する。
(1)透明ボードの製作には、カット治具と樹脂成形金型が必要であったが、本発明は樹脂成形金型を必要としないため、設備投資を抑えることができ、製品コストが安価である。
(2)透明ボードの取り付けは、そのワイヤー架台の形状を工夫したことにより前後左右にずれない。また、取付治具等を使用せず置くだけのため、着脱が容易である。
(3)透明ボードには取付枠等を付けていないため、上方からの見通しがよい。
(4)ワイヤー架台の枠状ワイヤーの形状を、その両端側の中途部からショーケース庫内側に向けて、わずかに低くなるように傾斜部を持たせたので、ショーケースの上部レールの丸いもの・四角いもの・その他色々な形状に対して、適合できるようになった。
(5)庫外の外気(店舗内)の影響を受けなくしたので、ショーケースの冷却性能を良好に維持することができると共に、店舗のレイアウト変更に、柔軟に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の風よけボードを取り付けたショーケースのボードの分解斜視図である。
【図2】本発明の風よけボードを取り付けたショーケースの典型例1aを示す正面断面説明図である。
【図3】本発明の風よけボードを取り付けたショーケースの典型例1bを示す正面断面説明図である。
【図4】本発明の風よけボードの透明カバーを示す平面図である。
【図5】本発明の風よけボードのワイヤー架台を示す平面図である。
【図6】本発明の風よけボードのワイヤー架台を示す正面断面図である。
【図7】本発明の透明カバーとワイヤー架台の接合構造を示す一部正面断面図である。
【図8】従来の風よけボードの斜視図である。
【図9】従来の風よけボードを被せたショーケースの正面断面図である。
【符号の説明】
1 平型ショーケース
1a 平型ショーケース
1b 平型ショーケース
2 開口部
3 商品収納部
4 風防板
5 上部レール
5a 上部レール
5b 上部レール
6 ワイヤー架台
6a 枠状ワイヤー
6b カバー押え
6c 傾斜部
6d 立ち上り部
8 透明カバー
8a 切欠き
9 商品取出口
10 風よけボード
11 両面テープ

Claims (4)

  1. 上部に商品出し入れ用の開口部が設けられ、該開口部に冷却空気のエアカーテンが形成される平型ショーケースであって、前記開口部を覆うべく、ショーケースの開口上縁に、一体型の透明なドーム状のボードを着脱自在に取り付けた平型ショーケースの風よけボードにおいて、
    前記ボードを、平板状の透明カバーと、ショーケースの開口上縁に置くだけでフィットするワイヤー架台とに、それぞれ別体化して製作し、且つ、
    前記平板状の透明カバーを押し狭めて湾曲させ、その状態で透明カバーの両端部をワイヤー架台に弾発係合させ、これら両者を一体に組み立てたことを特徴とする平型ショーケースの風よけボード。
  2. 前記透明カバーの両端とワイヤー架台の係合面に両面テープ等の接着手段を介在させたことを特徴とする請求項1記載の平型ショーケースの風よけボード。
  3. 前記ワイヤー架台は、四囲の枠状ワイヤーと、その両端の前後方向に溶着され、その裏面に前記透明カバーとの接着面を有するカバー押さえとからなることを特徴とする請求項1記載の平型ショーケースの風よけボード。
  4. 前記ワイヤー架台の枠状ワイヤーは、その両端側の中途部からショーケースの庫内側に向けて、わずかに低くなるように傾斜部を持つことを特徴とする請求項1,2又は3記載の平型ショーケースの風よけボード。
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