JP3858982B2 - モータ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ制御装置に関し、特にモータに所定の定電流を流して回転駆動させるための回路に接合型トランジスタを用いたモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラや35mmカメラ等のカメラではシャッター(シャッター羽根)を駆動するためにモータが用いられている。シャッターの絞り量ないし開口量は、モータの回転角度(シャッター駆動量)で決まり、モータの回転角度は一定電流をモータに通電する時間で決まるから、カメラのシャッター制御を精密に行うためには、通電時間を正確に制御すると共にモータに流す電流値を精密に制御する必要がある。しかし、モータに流れる電流値は、電源電圧(バッテリー電圧)の変動やモータ駆動回路の定数バラツキ等によってばらつくことがあり、これによってモータに流れる電流値が変動してシャッターの絞り量や開口量が目標値からずれ、露光量が露光量演算部で指示された値からずれてしまうことがあった。
【0003】
そのため、従来にあっては、図1に示すようなモータ制御装置1を用いてモータ7を正逆任意の方向に回転駆動させると共にモータ2に流れる電流を検出してモータ2に流れる電流の値が一定になるようにフィードバック制御していた。このモータ制御装置1は、基準電圧Vrefを発生する基準電圧出力回路(基準電源)3、オペアンプを用いた差動増幅回路4、ロジック回路5、プリドライバ6、モータ駆動回路7から構成されている。モータ駆動回路7は、モータ2に一定の電流Imを流して正回転又は逆回転させると共にモータ2に流れる電流値Imに相当するフィードバック信号(電圧)Vfbを出力している。プリドライバ6は、ロジック回路5からの指令に応じてモータ駆動回路7による正回転駆動と逆回転駆動を切替えると共に、差動増幅回路4の出力電流Ioと等しい大きさの電流をモータ駆動回路7に供給している。基準電圧出力回路3の基準電圧Vrefは差動増幅回路4の非反転入力端子に入力され、フィードバック信号Vfbは差動増幅回路4の反転入力端子に入力されており、差動増幅回路4は、フィードバック信号Vfbの値と基準電圧Vrefを比較し、その差Vref−Vfbに比例した電流Ioを出力する。すなわち、基準電圧出力回路3の増幅率をk(k>0)とすれば、
Io=k(Vref−Vfb) …(1)
となる。
【0004】
いま、モータ2に流れる電流(以下、モータ電流という。)Imとプリドライバ6から出力される電流Ioとの比例定数をhfeとし、モータ電流Imとフィードバック信号Vfbとの比例定数をRsとすると、
Im=hfe・Io …(2)
Vfb=Rs・Im …(3)
と表わされる。この(3)式から得られる電流検出値Ifb(=Vfb/Rs)は、モータ電流Imに等しくなる。基準電圧出力回路3の出力(基準電圧)Vrefは、モータ電流の目標値をImtとしてフィードバック信号がVfb=Rs・Imtのとき、差動増幅回路4からIo=Imt/hfeの電流を出力するように設定されている。従って、モータ2に目標とするモータ電流Imtが流れている場合には、モータ制御装置1全体のバランスがとれ、安定に動作する。
【0005】
これに対し、電源電圧等の変動によってモータ2に目標とする値Imtよりも大きなモータ電流Imが流れた場合には、フィードバック信号Vfbが大きくなる[上記(3)式]ので、差動増幅回路4から出力される出力電流Ioが減少し[上記(1)式]、これによってモータ電流Imが減少させられる[上記(2)式]。逆に、目標とする値Imtよりも小さなモータ電流Imしか流れていない場合には、フィードバック信号Vfbが小さくなるので、差動増幅回路4から出力される出力電流Ioが増加し、これによってモータ電流Imが増加させられる。この結果、モータ電流Imは常に目標値Imtとなるようにフィードバック制御され、目標値Imtに等しくなった状態でモータ電流値Imが安定することになる。
【0006】
上記モータ制御装置1に用いられているモータ駆動回路7は、図2に示すような具体的回路構成を有している。このモータ駆動回路7は、モータ2を正回転駆動させるためのトランジスタQ1、Q4と、モータ2を逆回転駆動させるためのトランジスタQ2、Q3と、モータ2に流れる電流の値を検出するための電流検出用抵抗8とを備えている。
【0007】
トランジスタQ1、Q2はPNP型のバイポーラトランジスタであり、両トランジスタQ1、Q2のエミッタはいずれも電源ラインVccに接続され、トランジスタQ1のコレクタはモータ2の一方端子に接続され、トランジスタQ2のコレクタはモータ2の他方端子に接続されている。トランジスタQ3、Q4はNPN型のバイポーラトランジスタであり、トランジスタQ3のコレクタは前記トランジスタQ1のコレクタ及びモータ2の一方端子に接続され、トランジスタQ4のコレクタは前記トランジスタQ2のコレクタ及びモータ2の他方端子に接続されており、両トランジスタQ3、Q4のエミッタは電流検出用抵抗8を介して接地されている。各トランジスタQ1、Q2、Q3、Q4のベースにはそれぞれプリドライバ6の出力が接続されており、プリドライバ6の出力によって各トランジスタQ1、Q2、Q3、Q4がオン、オフ制御される。また、電流検出用抵抗8とトランジスタQ3、Q4のエミッタとの中点からは、フィードバック信号Vfbが取り出されている。
【0008】
しかして、このモータ駆動回路7にあっては、モータ2の停止時には、全てのトランジスタQ1、Q2、Q3、Q4をオフにしてモータ電流Imを0アンペアに保っている。このときには、電流検出用抵抗8には電流が流れないので、フィードバック信号Vfbも0ボルトとなる。
【0009】
モータ2を正回転駆動する場合には、図3に示すように、トランジスタQ2、Q3をオフに保ったままで、プリドライバ6からトランジスタQ1、Q4のベースに一定のベース電流Ioを流してトランジスタQ1、Q4をオンにする。この結果、電源ラインVccからグランドへ向けてトランジスタQ1→モータ2→トランジスタQ4→電流検出用抵抗8の経路で電流が流れる。このときモータ2に流れる電流をImとし、トランジスタQ3、Q4の増幅率をhfeとすると、プリドライバ6から供給されるベース電流Ioとモータ電流との間には、次の(4)式のような関係がある。
Im=hfe・Io …(4)
トランジスタQ1、Q4をオフに保ったままで、プリドライバ6からトランジスタQ2、Q3のベースに一定のベース電流Ioを流してトランジスタQ2、Q3をオンにし、モータ2を逆回転駆動した場合も同様に(4)式が成り立つ。
【0010】
また、図3に示すように、電流検出用抵抗8に流れる電流をIsとし、電流検出用抵抗8の抵抗値をRsとすると、フィードバック信号Vfbは、次の(5)式で表される。
Vfb=Rs・Is …(5)
【0011】
モータ2に流れた電流は電流検出用抵抗8にも流れるので、電流検出用抵抗8に流れる電流Isがモータ電流Imに等しい(Is=Im)とすると、上記(5)式は前記(3)式と等しくなり、フィードバック信号はVfb=Rs×Imで表される。よって、フィードバック信号によってモータ電流Imを検出することができ、検出したモータ電流が目標値Imtと異なる場合には、前記のようにしてモータ制御装置1でトランジスタQ1、Q4のベース電流を制御することによりモータ電流が目標値に保たれるようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図2に示すようなモータ駆動回路7でモータ2と電流検出用抵抗8の間のトランジスタQ3、Q4としてバイポーラトランジスタを用いている場合には、実際には、電流検出用抵抗8にはモータ電流だけでなくトランジスタQ3又はQ4のベース電流が流れ込んでおり、その結果、電流検出用抵抗8によるモータ電流の検出精度が悪くなっていた。
【0013】
電流検出用抵抗8によるモータ電流の検出値を、図3を参照して、計算により正確に求めると以下のようになる。モータ2に流れている電流をIm、トランジスタQ3及びQ4の増幅率をhfe、トランジスタQ3又はQ4のベース電流をIoとする。いま、トランジスタQ2、Q3がオフ、トランジスタQ1、Q4がオンになっていてモータ2が正回転駆動されている場合を考えると、モータ電流Im(=トランジスタQ4のコレクタ電流)は、前記(4)式又は(2)式で表される。また、電流検出用抵抗8の抵抗値をRs、電流検出用抵抗8に流れる電流(=トランジスタQ4のエミッタ電流)をIsとすると、この電流はモータ電流とベース電流との和であるから、次の(6)式で表される。
【数1】
【0014】
さらに、フィードバック信号(電流検出用抵抗8の上端の電圧)は、前記(6)式より、次の(7)式のようになる。これより前記(3)式は正確なものでないことが分かる。
【数2】
【0015】
よって、(7)式より、電流検出値Ifb(=Vfb/Rs)は、モータ電流Imを用いて次の(8)式で表され、モータ電流Imとは正確に一致しない。
【数3】
【0016】
上記(8)式に基づいて、検出精度(=Im/Ifb)と誤差(=1−精度)を求めると、次のような結果が得られる。
精度=1/(1+1/hfe)≒1−(1/hfe)
誤差≒1/hfe
ここで、増幅率hfe=100とすると、精度≒0.990、誤差≒1%という結果が得られ、増幅率hfe=30とすると、精度≒0.967、誤差≒3.33%となる。
【0017】
このような誤差は小さいものであるが、例えばカメラのシャッターを駆動するためのモータ駆動回路などでは、次第にモータに流れる電流制御バラツキに対する要求が厳しくなってきている。しかも、電源電圧のバラツキなどを考慮すると、モータ駆動回路そのものの電流制御バラツキをより小さくする必要があり、従来のようなモータ駆動回路では要求を満たすことが困難であった。
【0018】
なお、基準電圧出力回路3から出力される基準電圧Vrefの設定を、トランジスタQ3又はQ4に流れるベース電流分を含んだフィードバック信号でバランスするように設定することも考えられるが、モータ電流が変動すると、それにつれてベース電流も変動しているから、このような方法では精度のよいモータ電流の検出ないしモータ電流の制御を行うことはできない。
【0019】
【発明の開示】
本発明は上記のような解決課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、カメラその他の精密機器に用いられているモータに流れる電流をより高精度に制御することができるモータ制御回路を提供することにある。
【0020】
本発明にかかるモータ制御装置は、モータに流れる電流を検出するための電流検出部と、モータと該電流検出部との中間に接続された接合型トランジスタと、該接合型トランジスタに供給するベース電流によりモータに流れる電流を制御すると共に前記電流検出部により検出された電流値に基づいてモータに流れる電流が一定になるようにフィードバック制御する制御部とを備えたモータ制御装置において、前記制御部から前記接合型トランジスタに供給されるベース電流と等しい値の電流を前記接合型トランジスタと電流検出部との中間点から吸収する電流補償部を設けたことを特徴としている。ここで、接合型トランジスタの伝導型は特に限定されず、従って制御部から接合型トランジスタにベース電流が流れ込むものであっても、接合型トランジスタから流れ出るようになっているものでもよい。また、電流検出部は、モータよりも低電位側に接続されていても、高電位側に接続されていてもよい。
【0021】
本発明にかかるモータ制御装置にあっては、電流検出部によってモータに流れる電流を検出し、その電流値に基づいてモータに流れる電流をフィードバック制御しているので、モータに流れる電流の変動を抑制してモータ電流をほぼ一定に保つことができる。また、モータと電流検出部との中間に接合型トランジスタが接続されている場合には、接合型トランジスタのベース電流が電流検出部に流れ込んだり、モータ電流の一部が接合型トランジスタのベース電流として外部へ流れ出たりすることにより、電流検出部による電流検出値がモータ電流の値から外れる可能性があるが、本発明のモータ制御装置によれば、接合型トランジスタに供給されているベース電流と等しい値の電流を電流補償部により接合型トランジスタと電流検出部との中間点から吸収させている(ベース電流が負の場合も含む。すなわち、接合型トランジスタからベース電流が流れ出ている場合には、接合型トランジスタと電流検出部の中間点にベース電流に等しい値の電流を供給する。)ので、電流検出部では接合型トランジスタのベース電流の影響を受けることなく、モータに流れる電流値を高精度に検出することができる。よって、本発明によれば、モータに流れる電流を高精度に制御することができ、モータの回転をより安定させることができる。
【0022】
ここで、電流補償部としては、カレント・ミラー回路を用いることができる。カレントミラー回路としては、回路学上言われる狭義のカレント・ミラー回路に限らず、狭義のカレント・ミラー回路を複数組み合わせたようなものでもよい。また、カレント・ミラー回路としては、基準となる電流と従となる電流とがほぼ等しいものに限らず、従となる電流が基準となる電流のほぼ定数倍となっているものでもよい。さらに、電流補償部としては、より広くは定電流源(これには、カレント・ミラー回路も含まれる。)を用いることもできる。
【0023】
カレント・ミラー回路としては、ワイドラー型カレント・ミラー回路がよく知られているが、これ以外にもベース電流補償型カレント・ミラー回路やウィルソン型カレント・ミラー回路など任意のカレント・ミラー回路を用いることができ、ベース電流補償型カレント・ミラー回路やウィルソン型カレント・ミラー回路を用いることによってモータに流れる電流をより高精度に検出することができる。
【0024】
なお、この発明の以上説明した構成要素は、可能な限り組み合わせることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図4はデジタルカメラその他のカメラのシャッターを作動させるためのモータ12を一定電流で駆動するモータ制御装置11の構成を示すブロック図である。このモータ制御装置11は、基準電圧出力回路13、差動増幅回路14、ロジック回路15、プリドライバ16、モータ駆動回路17、プリドライバ出力補償回路18によって構成されている。
【0026】
基準電圧出力回路13は、フィードバック信号Vfbと比較することによってモータ12に所定のモータ電流を流すための基準電圧Vrefを出力する。この基準電圧Vrefを変化させることにより、モータ電流の目標値を変化させることができる。
【0027】
差動増幅回路14は、負帰還を掛けたオペアンプによって構成されており、差動増幅回路14の非反転入力端子には基準電圧出力回路13から出力された基準電圧Vrefが入力され、反転入力端子にはフィードバック信号Vfbが入力され、出力にはプリドライバ16が接続されている。差動増幅回路14の出力とプリドライバ16の入力との間には、基準電圧出力回路13から出力された基準電圧Vrefの値とフィードバック信号Vfbの値との差に応じた電流Ioが流れる。
【0028】
ロジック回路15は、プリドライバ16に接続されている。このロジック回路15は、プリドライバ16に制御用パルス信号を送り、モータ12の始動及び停止を制御し、また、モータ12の回転方向を正逆に切り替えるものである。
【0029】
プリドライバ16は、差動増幅回路14、ロジック回路15、モータ駆動回路17及びプリドライバ出力補償回路18に接続されており、差動増幅回路14から入力された電流Ioと等しい値の電流Ioをモータ駆動回路17及びプリドライバ出力補償回路18に出力する。このような機能を実現するため、プリドライバ16は例えば後述のようなカレント・ミラー回路によって構成されている。
【0030】
モータ駆動回路17は、プリドライバ16、モータ12及びプリドライバ出力補償回路18に接続されており、モータ12に所定のモータ電流Imを供給してモータ12を回転駆動させる。すなわち、プリドライバ16は、ロジック回路15からの制御パルス信号に応じてモータ駆動回路17を制御し、制御パルス信号出力期間モータ12を正回転駆動又は逆回転駆動させる。
【0031】
プリドライバ出力補償回路18は、プリドライバ16及びモータ駆動回路17に接続されており、モータ駆動回路17からの出力電流とプリドライバ16からの出力電流との差に比例した電流値に比例したフィードバック信号Vfbを差動増幅回路14へ出力する。モータ駆動回路17からは、本来モータ電流ImもしくはImに比例した電圧が出力されるべきであるが、後述のようにモータ駆動回路17として従来例のモータ駆動回路7と同じような回路を用いていると、モータ電流Imにバイポーラトランジスタのベース電流Ioが加わったIm+Ioが出力される。一方、プリドライバ16からプリドライバ出力補償回路18へは、ベース電流Ioと同じ電流が流れているから、プリドライバ出力補償回路18から差動増幅回路14へは(Im+Io)−Io=Imに比例したフィードバック信号
Vfb=Rs・Im
が出力される。ここで、Rsは比例定数であって、具体的には電流検出用抵抗の抵抗値である。
【0032】
しかして、モータ電流Imの目標値をImtとするとき、プリドライバ出力補償回路18からのフィードバック信号Vfb=Rs・Imtが差動増幅回路14の反転入力端子に入力されるとき、差動増幅回路14から
Io=Imt/hfe
の電流が出力されるように基準電圧Vrefが設定されていれば(hfeは比例定数であって、具体的にはモータ駆動回路17に用いられているバイポーラトランジスタの増幅率である。)、モータ12に目標とするモータ電流Imtが流れた状態でモータ制御装置11がバランスする。これに対し、モータ12に流れている電流Imが目標値Imtよりも減少した場合には、フィードバック信号Vfbが低くなるので、差動増幅回路14の出力電流Ioが増加してモータ電流Imtを増加させる方向に制御され、逆に、モータ電流Imが目標値Imtより増加した場合には、フィードバック信号Vfbが高くなるので、差動増幅回路14の出力電流Ioが減少してモータ電流Imtを減少させる方向に制御され、この結果、モータ電流Imが目標値Imtに等しくなるようにフィードバック制御される。しかも、本発明にあっては、フィードバック信号Vfb=Rs・Imがモータ電流Imにのみ比例し、ベース電流などを含まないので、モータ電流Imを高い精度でフィードバック制御することが可能になる。
【0033】
次に、図4に示したモータ制御装置11の各部の構成を詳細に説明する。まず、図5は基準電圧出力回路13の構成を示す回路図である。基準電圧出力回路13は、フィードバック信号Vfbと比較するための基準電圧Vrefを出力する基準電源であって、バンドギャップ回路19、分圧回路20、論理回路21によって構成されている。バンドギャップ回路19は、複数の端子を備えており、各端子からは一定電圧Vbg(例えば、1.2ボルトの電圧)を出力している。分圧回路20は、複数のスイッチ22a、22b、…と複数の抵抗23、24a、24b、…からなり、各抵抗23、24a、24b、…の一端は共に出力端子25に接続されており、抵抗23の他端はグランドに接地され、抵抗24a、24b、…の他端はそれぞれスイッチ22a、22b、…を介してバンドギャップ回路19の出力端子に接続されている。従って、開閉するスイッチ22a、22b、…の組み合わせを変えることにより、出力端子25から出力される基準電圧Vrefの値を変化させることができる。
【0034】
例えば、抵抗23、24a、24b、…の抵抗値をR0、R1、R2、…(これらの抵抗値は、全て同じであってもよく、異なっていてもよい。)とするとき、スイッチ22aのみが閉じられている場合には、バンドギャップ回路19の出力電圧Vbgを抵抗値R0とR1で分圧した値が出力電圧(基準電圧Vref)となるから、基準電圧は次式で表わされる。
Vref={R0/(R0+R1)}Vbg
また、スイッチ22a及び22bのみが閉じられている場合には、出力される基準電圧は、次式のようになる。
【0035】
論理回路21は外部から設定された分圧回路設定入力(例えば、基準電圧値)に応じて各スイッチ22a、22b、…を開閉制御するものであって、論理回路21の分圧回路設定入力に応じて基準電圧出力回路13から出力する基準電圧Vrefを変化させることができる。
【0036】
モータ12に流す電流値は、モータ12の種類やカメラ等のモータ使用機器の仕様などによって異なるので、論理回路21の分圧回路設定入力で基準電圧Vrefを調整できるようにし、それによってモータ電流の目標値を調整できるようにしている。これによって、モータ制御装置11の汎用化を図っている。
【0037】
図6は、差動増幅回路14、ロジック回路15、プリドライバ16、モータ駆動回路17及びプリドライバ出力補償回路18の構成を具体的に示す回路図であり、図7はモータ12が正回転しているときの駆動状態を説明するための図、図8はモータ12が逆回転しているときの駆動状態を説明するための図である。モータ駆動回路17は、モータ2を正回転駆動させるためのトランジスタQ11、Q14と、モータ2を逆回転駆動させるためのトランジスタQ12、Q13とを備えている。
【0038】
トランジスタQ11、Q12はNPN型のバイポーラトランジスタであり、両トランジスタQ11、Q12のコレクタはいずれも電源ラインVccに接続され、トランジスタQ11のエミッタはモータ2の一方端子に接続され、トランジスタQ12のエミッタはモータ2の他方端子に接続されている。トランジスタQ13、Q14はNPN型のバイポーラトランジスタであり、トランジスタQ13のコレクタは前記トランジスタQ11のエミッタ及びモータ2の一方端子に接続され、トランジスタQ14のコレクタは前記トランジスタQ12のエミッタ及びモータ2の他方端子に接続されており、両トランジスタQ13、Q14のエミッタはプリドライバ出力補償回路18の電流検出用抵抗31を介して接地されている。各トランジスタQ11、Q12、Q13、Q14のベースにはそれぞれプリドライバ16の出力が接続されており、プリドライバ16の出力によって各トランジスタQ11、Q12、Q13、Q14がオン、オフ制御される。
【0039】
プリドライバ16は、4つのカレント・ミラー回路26、27、28、29によって構成されている。カレント・ミラー回路26、27、28、29の制御側端子は共に差動増幅回路14の出力に接続されており、プリドライバ16のカレント・ミラー回路26、27、28、29の出力側端子はそれぞれトランジスタQ11、Q12、Q13、Q14のベースに接続されている。
【0040】
プリドライバ出力補償回路18は、カレント・ミラー回路30と、モータ12に流れる電流の値を検出するための電流検出用抵抗31によって構成されている。カレント・ミラー回路30の制御側端子は差動増幅回路14の出力に接続されており、カレント・ミラー回路30の出力側端子は電流検出用抵抗31の一端に接続され、電流検出用抵抗31の他端はグランドに接地されている。カレント・ミラー回路30と電流検出用抵抗31の中点からは、フィードバック信号Vfbが取り出される。
【0041】
図7及び図8に示すように、差動増幅回路14から出力される電流Ioはプリドライバ16(及びプリドライバ出力補償回路18)から差動増幅回路14へ向けて流れるようになっており、プリドライバ16を構成する各カレント・ミラー回路26〜29は各制御側端子から差動増幅回路14へ向けて電流Ioが流れ出ると出力側端子からも電流Ioが流れ出るように構成されており、プリドライバ出力補償回路18を構成するカレント・ミラー回路30は制御側端子から差動増幅回路14へ向けて電流Ioが流れ出ると出力側端子へ電流Ioが流れ込むように構成されている。
【0042】
また、ロジック回路15は、プリドライバ16を構成する4つのカレント・ミラー回路26を個々にオン、オフ制御するようになっており、全てのカレント・ミラー回路26がオフになっていると、モータ駆動回路17のいずれのトランジスタQ11、Q12、Q13、Q14にもベース電流が供給されず、トランジスタQ11〜Q14がオフに保たれるので、モータ電流Imが流れず、モータ12は停止する。
【0043】
これに対し、図7に示すように、ロジック回路15によりカレント・ミラー回路26及び29をオンにし、カレント・ミラー回路27及び28をオフにすると、モータ駆動回路17のトランジスタQ11及びQ14がオンになり、トランジスタQ12及びQ13がオフになるので、モータ12にトランジスタQ11側からトランジスタQ14側へ電流が流れてモータ12が正回転する。
【0044】
このとき、カレント・ミラー回路29からトランジスタQ14のベースに電流Ioが流れているので、モータ12に流れる電流Im(トランジスタQ14のコレクタ電流)は、トランジスタQ14の増幅率をhfeとすれば、次の(9)式で表わされる。
Im=hfe・Io …(9)
また、トランジスタQ14のエミッタから流れ出る電流は、コレクタ電流とベース電流の和となるから、Im+Ioとなる。一方、トランジスタQ14のエミッタから流れ出る電流のうちIoはカレント・ミラー回路30へ流れるので、電流検出用抵抗31に流れる電流Isは、次の(10)式で表わされる。
よって、電流検出用抵抗31の上端の電圧(フィードバック信号)Vfbは、次の(11)式で表わされる。
Vfb=Rs・Im …(11)
この(11)式から得られる電流検出値Ifb(=Vfb/Rs)は、ベース電流Ioを含まず、モータ電流Imに等しくなる。
【0045】
これとは反対に、図8に示すように、ロジック回路15によりカレント・ミラー回路27及び28をオンにし、カレント・ミラー回路26及び29をオフにすると、モータ駆動回路17のトランジスタQ12及びQ13がオンになり、トランジスタQ11及びQ14がオフになるので、モータ12にトランジスタQ12側からトランジスタQ13側へ電流が流れてモータ12が逆回転する。図8から分かるように、この場合もフィードバック信号Vfbは上記(11)式に等しくなり、電流検出値Ifb=Imとなる。
【0046】
(第1の具体回路)
図9は図6のようなモータ制御装置11の具体回路の一実施形態を示す回路図であって、基準電圧出力回路13は省略されている。この実施形態では、PNP型トランジスタ37(以下で用いているトランジスタは、いずれもバイポーラトランジスタである。)のエミッタが電源ラインVcc1に接続され、そのコレクタが差動増幅回路14の出力に接続され、さらにコレクタとベースとが接続されている。PNP型トランジスタ34、35はいずれもエミッタを電源ラインVcc1に接続されており、各トランジスタ34,35のコレクタはそれぞれトランジスタQ13、Q14のベースに接続され、各トランジスタ34、35のベースはトランジスタ37のベースに接続されている。トランジスタ34のコレクタとトランジスタQ13のベースとの中点は、スイッチ42を介してグランドに接地され、また、トランジスタ35のコレクタとトランジスタQ14のベースとの中点は、スイッチ43を介してグランドに接地されている。
【0047】
PNP型トランジスタ32はエミッタを電源ラインVcc1に接続されており、トランジスタ32のベースはトランジスタ37のベースに接続されており、トランジスタ32のコレクタは、トランジスタ44及び45からなるワイドラー型カレント・ミラー回路に接続されている。すなわち、NPN型トランジスタ44のベースとNPN型トランジスタ45のベースが接続されており、トランジスタ44、45のエミッタは共にグランドに接地されている。トランジスタ44のコレクタとベースは接続されていて、ここにトランジスタ32のコレクタが接続されている。トランジスタ45のコレクタは、トランジスタ46及び47からなるワイドラー型カレント・ミラー回路に接続されている。すなわち、PNP型トランジスタ46のベースとPNP型トランジスタ47のベースが接続されており、トランジスタ46、47のエミッタは共に電源ラインVcc2に接続されている。トランジスタ46のコレクタとベースは接続されていて、ここにトランジスタ45のコレクタが接続されている。トランジスタ47のコレクタはトランジスタQ11のベースに接続されている。また、トランジスタ32のコレクタとトランジスタ44のコレクタは、スイッチ40を介してグランドに接地されている。
【0048】
PNP型トランジスタ33はエミッタを電源ラインVcc1に接続されており、トランジスタ33のベースはトランジスタ37のベースに接続されており、トランジスタ33のコレクタは、トランジスタ48及び49からなるワイドラー型カレント・ミラー回路に接続されている。すなわち、NPN型トランジスタ48のベースとNPN型トランジスタ49のベースが接続されており、トランジスタ48、49のエミッタは共にグランドに接地されている。トランジスタ48のコレクタとベースは接続されていて、ここにトランジスタ33のコレクタが接続されている。トランジスタ49のコレクタは、トランジスタ50及び51からなるワイドラー型カレント・ミラー回路に接続されている。すなわち、PNP型トランジスタ50のベースとPNP型トランジスタ51のベースが接続されており、トランジスタ50、51のエミッタは共に電源ラインVcc2に接続されている。トランジスタ50のコレクタとベースは接続されていて、ここにトランジスタ49のコレクタが接続されている。トランジスタ51のコレクタはトランジスタQ12のベースに接続されている。また、トランジスタ33のコレクタとトランジスタ48のコレクタは、スイッチ41を介してグランドに接地されている。
【0049】
さらに、PNP型トランジスタ36のエミッタが電源ラインVcc1に接続され、そのコレクタがトランジスタ38のコレクタに接続され、トランジスタ36のベースはトランジスタ37のベースに接続されている。コレクタをトランジスタ36に接続されたNPN型トランジスタ38のエミッタはグランドに接地され、トランジスタ38のコレクタとベースが接続されており、NPN型トランジスタ39のコレクタは電流検出用抵抗31の高電位側に接続され、トランジスタ39のエミッタはグランドに接地されており、トランジスタ38のベースとトランジスタ39のベースが接続されている。
【0050】
よって、図9のトランジスタ37及び32からなるワイドラー型カレント・ミラー回路、トランジスタ44及び45からなるワイドラー型カレント・ミラー回路、トランジスタ46及び47からなるワイドラー型カレント・ミラー回路によって図6のカレント・ミラー回路26が構成され、トランジスタ37及び33からなるワイドラー型カレント・ミラー回路、トランジスタ48及び49からなるワイドラー型カレント・ミラー回路、トランジスタ50及び51からなるワイドラー型カレント・ミラー回路によって図6のカレント・ミラー回路27が構成され、トランジスタ37及びトランジスタ34からなるワイドラー型カレント・ミラー回路によって図6のカレント・ミラー回路28が構成され、トランジスタ37及びトランジスタ35からなるワイドラー型カレント・ミラー回路によって図6のカレント・ミラー回路29が構成されている。また、トランジスタ37及びトランジスタ36からなるワイドラー型カレント・ミラー回路と、トランジスタ38及びトランジスタ39からなるワイドラー型カレント・ミラー回路によって図6のカレント・ミラー回路30が構成されている。すなわち、トランジスタ32〜37によって多連出型のカレント・ミラー回路が構成されている。
【0051】
しかして、ロジック回路15によって全てのスイッチ40、41、42、43をオンにしていれば、モータ電流が流れず、モータ12は停止している。これに対し、スイッチ40及び43のみをオフにしていれば、モータ12に正方向に電流が流れてモータ12が正回転駆動され、また、スイッチ41及び42のみをオフにしていれば、モータ12に逆方向に電流が流れてモータ12が逆回転駆動される。
【0052】
このモータ制御装置11におけるモータ電流制御動作は、図6、図7及び図8により説明した通りである。いま、スイッチ40及び43のみがオフになっていてモータ12が正回転駆動されている場合を考えると、その時の状態は図10のような概略図で表わされる。プリドライバ16及びプリドライバ出力補償回路18のそれぞれのワイドラー型カレント・ミラー回路の働きにより、トランジスタ35のコレクタとトランジスタ36のコレクタからは同じ値の電流Ioが流れ出ている。トランジスタ35から流れ出た電流Ioは、モータ駆動回路17のトランジスタQ14のベースに流れ込み、トランジスタQ14のエミッタからは当該電流Ioとモータ電流Imとの和Im+Ioが流れ出ている。一方、トランジスタ36から流れ出た電流Ioは、トランジスタ38のコレクタに流れ、トランジスタ38とトランジスタ39からなるワイドラー型カレント・ミラー回路の働きでトランジスタ39のコレクタに電流Io(図10でIaで表わしているもの)が流れ込む。よって、トランジスタQ14のエミッタから流れ出た電流Im+Ioのうち、電流Ioがプリドライバ出力補償回路18のトランジスタ39へ流れ込むので、電流検出用抵抗31には電流Imだけが流れ、電流検出用抵抗31の抵抗値をRsとすると、フィードバック信号はVfb=Rs・Imとなり、検出電流値はImとなる。モータ12が逆回転駆動されている場合も同様である。
【0053】
つぎに、図9のような具体回路で示されるモータ制御装置11に関して検出電流値の検出精度と誤差を計算により求め、従来例の場合と比較する。いま、モータ12が正回転駆動している場合を考え、図10に示すように、プリドライバ16から差動増幅回路14に流れている電流をIoで表わすと、カレント・ミラー回路26、29がオンになっているのでトランジスタ32、35からモータ駆動回路17のトランジスタQ11、Q14のベースにそれぞれ電流Ioが流れると共に、カレント・ミラー回路30内でトランジスタ36からトランジスタ38に電流Ioが流れ出る。
【0054】
トランジスタQ14に着目すると、エミッタ電流としてモータ電流Imが流れ、ベース電流としてIoが流れているので、トランジスタの増幅率をhfeとすると、モータ電流Imとベース電流Ioとの間には、次の(12)式のような関係がある。
Im=hfe・Io …(12)
また、トランジスタQ14のエミッタから流れ出る電流Im+Ioは、(12)式を用いてImにより、次の(13)式で表わされる。
【数4】
【0055】
一方、トランジスタ38及び39からなるワイドラー型カレント・ミラー回路においては、トランジスタ38に流れ込む電流をIo、トランジスタ39に流れ込む電流をIa、両トランジスタ38及び39のベースに流れる電流をIb、トランジスタ38及び39の増幅率をトランジスタQ13、Q14と同じくhfeとするとき、容易に分かるように、
Io=Ia+2Ib
Ia=hfe・Ib
の関係がある。すなわち、ワイドラー型カレント・ミラー回路の両トランジスタ38、39に流れる電流IoとIaは厳密には等しくなく、ベース電流の2倍の差がある。この2つの式より次の(14)式が得られ、さらにモータ電流Imを用いて(15)式のように表わされる。
【数5】
【0056】
上記トランジスタQ14のエミッタから流れ出た電流〔(13)式〕のうち、(15)式で表わされる電流Iaがカレント・ミラー回路30に流れるので、結局電流検出用抵抗31に流れる電流Isとフィードバック信号Vfbは、次の(16)式及び(17)式で表わされる。
【数6】
【0057】
よって、検出電流Ifbは、モータ電流Imにより、上記(18)式のように表わされる。(18)式に基づいて、検出精度(=Im/Ifb)と誤差(=1−精度)を求めると、次の(19)式及び(20)式のような結果が得られる。
【数7】
【0058】
よって、従来例の回路では、誤差がhfeの−1乗のオーダーであったものが、−2乗のオーダーとなっており、誤差が小さくなっていることが分かる。具体的には、増幅率hfe=100とすると、精度≒0.9998、誤差≒0.02%という結果が得られ、増幅率hfe=30とすると、精度≒0.9978、誤差≒0.22%となる。従来例と比較すると以下のとおりである。
この結果、モータ12に流れる電流値の変動やバラツキを1%以下に抑えることも可能になる。
【0059】
なお、上記説明から分かるように、プリドライバ16の各トランジスタ32〜35とプリドライバ出力補償回路18のトランジスタ36から流れ出る電流Ioも、厳密には差動増幅回路14の出力電流には等しくないが、その場合でもトランジスタ32〜36の増幅率が等しければ各トランジスタ32〜36から流れ出る電流は等しいから、上記の動作説明や精度、誤差の計算結果に影響はない。
【0060】
(第2の具体回路)
図11は図6のようなモータ制御装置11の具体回路の別な実施形態を示す回路図であって、基準電圧出力回路13は省略されている。この実施形態では、プリドライバ出力補償回路18のカレント・ミラー回路30のうち、プリドライバ16側をワイドラー型カレント・ミラー回路によって構成し、電流検出用抵抗31側をベース電流補償型カレント・ミラー回路によって構成している。すなわち、図11に示すように、PNP型トランジスタ37のエミッタが電源ラインVcc1に接続され、そのコレクタが差動増幅回路14の出力に接続され、さらにコレクタとベースとが接続されており、PNP型トランジスタ36のエミッタが電源ラインVcc1に接続され、そのコレクタがトランジスタ38のコレクタに接続され、トランジスタ36のベースはトランジスタ37のベースに接続されている。よって、トランジスタ37及びトランジスタ36によってワイドラー型カレント・ミラー回路が構成されている。また、コレクタをトランジスタ36に接続されたNPN型トランジスタ38のエミッタはグランドに接地され、トランジスタ39のコレクタは電流検出用抵抗31の高電位側に接続され、トランジスタ39のエミッタはグランドに接地されており、トランジスタ38のベースとトランジスタ39のベースが接続されており、NPN型トランジスタ54のコレクタは電源ラインVcc3に接続され、トランジスタ54のベースはトランジスタ38のコレクタに接続され、トランジスタ54のエミッタは両トランジスタ38、39のベースに接続されている。よって、トランジスタ38、トランジスタ39及びトランジスタ54によってベース電流補償型カレント・ミラー回路が構成されている。
【0061】
この具体回路によるモータ制御装置11の場合も、モータ電流の検出動作はこれまでに述べたものと同様であるので、その動作については説明を省略し、検出電流値の検出精度と誤差を計算により求め、従来例の場合と比較する。いま、モータ12が正回転駆動している場合を考え、図12に示すように、プリドライバ16から差動増幅回路14に流れている電流をIoで表わすと、カレント・ミラー回路26、29がオンになっているのでトランジスタ32、35からモータ駆動回路17のトランジスタQ11、Q14のベースにそれぞれ電流Ioが流れると共に、カレント・ミラー回路30内でトランジスタ36からトランジスタ38に電流Ioが流れ出る。
【0062】
また、モータ電流をImとすると、トランジスタQ14のエミッタから流れ出る電流Im+Ioは、前記(13)式と同様、次の(21)式で表わされる。
【数8】
【0063】
一方、トランジスタ38、39及び54からなるベース電流補償型カレント・ミラー回路においては、トランジスタ38に流れ込む電流をIo、トランジスタ39に流れ込む電流をIa、電源ラインVcc3からトランジスタ54に流れる電流をId、両トランジスタ38及び39のベースに流れる電流をIb、トランジスタ38、39及び54の増幅率をトランジスタQ13、Q14と同じくhfeとするとき、次の(22)式、(23)式、(24)式が成り立つ。
【数9】
【0064】
上記(22)〜(24)式より、IaをIoで表すと、次の(25)式となる。また、これを前記(12)式を用いてモータ電流Imで表すと、(26)式となる。
【数10】
【0065】
上記トランジスタQ14のエミッタから流れ出た電流〔(21)式〕のうち、(26)式で表わされる電流Iaがカレント・ミラー回路30に流れるので、結局電流検出用抵抗31に流れる電流Isとフィードバック信号Vfbは、次の(27)式及び(28)式で表わされる。
【数11】
【0066】
よって、検出電流Ifbは、モータ電流Imにより、上記(29)式のように表わされる。(29)式に基づいて、検出精度(=Im/Ifb)と誤差(=1−精度)を求めると、次の(30)式及び(31)式のような結果が得られる。
【数12】
【0067】
よって、従来例の回路では、誤差がhfeの−1乗のオーダーであったものが、−3乗のオーダーとなっており、誤差が小さくなっていることが分かる。具体的には、増幅率hfe=100とすると、精度≒0.999998、誤差≒0.0002%という結果が得られ、増幅率hfe=30とすると、精度≒0.999926、誤差≒0.0074%となる。従来例と比較すると以下のとおりである。
【0068】
(第3の具体回路)
図13は図6のようなモータ制御装置11の具体回路のさらに別な実施形態を示す回路図であって、基準電圧出力回路13は省略されている。この実施形態では、プリドライバ出力補償回路18のカレント・ミラー回路30のうち、プリドライバ16側をワイドラー型カレント・ミラー回路によって構成し、電流検出用抵抗31側をウィルソン型カレント・ミラー回路によって構成している。すなわち、図13に示すように、PNP型トランジスタ37のエミッタが電源ラインVcc1に接続され、そのコレクタが差動増幅回路14の出力に接続され、さらにコレクタとベースとが接続されており、PNP型トランジスタ36のエミッタが電源ラインVcc1に接続され、そのコレクタがトランジスタ38のコレクタに接続され、そのベースはトランジスタ37のベースに接続されている。よって、トランジスタ37及びトランジスタ36によってワイドラー型カレント・ミラー回路が構成されている。また、コレクタをトランジスタ36に接続されたNPN型トランジスタ38のエミッタはグランドに接地され、トランジスタ55のコレクタは電流検出用抵抗31の高電位側に接続され、トランジスタ55のエミッタはトランジスタ39のコレクタに接続され、トランジスタ39のエミッタはグランドに接地されており、トランジスタ55のベースはトランジスタ38のコレクタに接続され、トランジスタ38のベースとトランジスタ39のベースが接続され、トランジスタ39のコレクタとベースが接続されている。よって、トランジスタ38、トランジスタ39及びトランジスタ55によってウィルソン型カレント・ミラー回路が構成されている。
【0069】
この具体回路によるモータ制御装置11の場合も、モータ電流の検出動作はこれまでに述べたものと同様であるので、その動作については説明を省略し、検出電流値の検出精度と誤差を計算により求め、従来例の場合と比較する。いま、モータ12が正回転駆動している場合を考え、図14に示すように、プリドライバ16から差動増幅回路14に流れている電流をIoで表わすと、カレント・ミラー回路26、29がオンになっているのでトランジスタ32、35からモータ駆動回路17のトランジスタQ11、Q14のベースにそれぞれ電流Ioが流れると共に、カレント・ミラー回路30内でトランジスタ36からトランジスタ38に電流Ioが流れ出る。
【0070】
また、モータ電流をImとすると、トランジスタQ14のエミッタから流れ出る電流Im+Ioは、前記(13)式と同様、次の(32)式で表わされる。
【数13】
【0071】
一方、トランジスタ38、39及び55からなるウィルソン型カレント・ミラー回路においては、トランジスタ38に流れ込む電流をIo、トランジスタ55に流れ込む電流をIa、トランジスタ55のベースに流れる電流をIe、両トランジスタ38及び39のベースに流れる電流をIb、トランジスタ55の増幅率をhfe1、トランジスタ38、39の増幅率をhfe2とするとき、次の(33)式、(34)式、(35)式が成り立つ。
(hfe1+1)Ie=(hfe2+2)Ib …(33)
Io−Ie=hfe2・Ib …(34)
Ia=hfe1・Ie …(35)
【0072】
ここで、トランジスタ38、39及び55の増幅率がモータ駆動回路17のトランジスタQ13、14の増幅率と同じで、
hfe1=hfe2=hfe
であるとすると、上記(33)〜(35)式より、Iaは次の(36)式と表せる。また、これを前記(12)式を用いてモータ電流Imで表すと、(37)式となる。
【数14】
【0073】
上記トランジスタQ14のエミッタから流れ出た電流〔(32)式〕のうち、(37)式で表わされる電流Iaがカレント・ミラー回路30に流れるので、結局電流検出用抵抗31に流れる電流Isとフィードバック信号Vfbは、次の(38)式及び(39)式で表わされる。
【数15】
【0074】
よって、検出電流Ifbは、モータ電流Imにより、上記(40)式のように表わされる。(40)式に基づいて、検出精度(=Im/Ifb)と誤差(=1−精度)を求めると、次の(41)式及び(42)式のような結果が得られる。
【数16】
【0075】
よって、従来例の回路では、誤差がhfeの−1乗のオーダーであったものが、−3乗のオーダーとなっており、誤差が小さくなっていることが分かる。具体的には、増幅率hfe=100とすると、精度≒0.999998、誤差≒0.0002%という結果が得られ、増幅率hfe=30とすると、精度≒0.999926、誤差≒0.0074%となる。従来例と比較すると以下のとおりである。
【0076】
また、(33)式、(34)式、(35)式で、
hfe1=hfe2+1
とすれば、Ie=Ibとなり、
Ia=Io
となる。よって、電流検出用抵抗31に流れる電流Isとフィードバック信号Vfbは、それぞれ
Is=Im …(43)
Vfb=Rs・Im …(44)
となり、検出電流Ifbは、
Ifb=Im …(45)
となる。
【0077】
(第4の具体回路)
図15はモータ制御装置11の具体回路のさらに別な実施形態を示す回路図であって、基準電圧出力回路13は省略されている。この実施形態では、プリドライバ出力補償回路18のカレント・ミラー回路30のうち、プリドライバ16側をウィルソン型カレント・ミラー回路によって構成している。すなわち、図15に示すように、トランジスタ37のエミッタがエミッタが電源ラインVcc1に接続され、そのコレクタが差動増幅回路14の出力に接続されており、PNP型トランジスタ36のエミッタが電源ラインVcc1に接続され、そのコレクタがPNP型トランジスタ60のエミッタに接続され、トランジスタ60のコレクタがトランジスタ38のコレクタに接続されており、トランジスタ36のベースとコレクタが接続され、トランジスタ36のベースとトランジスタ37のベースが接続され、トランジスタ60のベースがトランジスタ37のコレクタに接続されている。よって、トランジスタ37、36及び60によってウィルソン型カレント・ミラー回路が構成されている。
【0078】
図9の具体回路のようにカレント・ミラー回路26〜30としてワイドラー型カレント・ミラー回路を用いた場合には、トランジスタ32〜37に流れるベース電流をIvとしたとき、差動増幅回路14の出力に流れる電流とトランジスタ36からトランジスタ38に流れる電流やトランジスタ32〜35からトランジスタQ11〜Q14に流れる電流とは正確には等しくなく、4Ivだけ誤差がある。これに対し、図15に示す実施形態のように、プリドライバ出力補償回路18のプリドライバ16側をウィルソン型カレント・ミラー回路で構成することにより、差動増幅回路14の出力に流れる電流とプリドライバ出力補償回路18においてトランジスタ60からトランジスタ38に流れる電流との誤差を小さくすることができる。
【0079】
なお、図示しないが、差動増幅回路14の出力に流れる電流とプリドライバ出力補償回路18においてプリドライバ16側のトランジスタからトランジスタ38に流れる電流との誤差を小さくするためには、図15のようなウィルソン型カレント・ミラー回路以外にもベース電流補償型カレント・ミラー回路なども用いることができる。
【0080】
また、図15の具体回路では、カレント・ミラー回路26をトランジスタ37、32及び56からなるエラーアンプによって構成し、カレント・ミラー回路27をトランジスタ37、33及び57からなるエラーアンプによって構成し、カレント・ミラー回路28をトランジスタ37、34及び58からなるエラーアンプによって構成し、カレント・ミラー回路29をトランジスタ37、35及び59からなるエラーアンプによって構成している。
【0081】
図15の具体回路のように、カレント・ミラー回路26〜29をエラーアンプで構成することにより、差動増幅回路14の出力に流れる電流とカレント・ミラー回路26〜29からトランジスタQ11〜Q14に流れる電流との誤差も小さくすることができる。
【0082】
(第5の具体回路)
図16は図6のようなモータ制御装置11の具体回路のさらに別な実施形態を示す回路図であって、基準電圧出力回路13は省略されている。この実施形態では、PNP型トランジスタ37のエミッタが電源ラインVcc1に接続され、そのコレクタが差動増幅回路14の出力に接続され、さらにコレクタとベースとが接続されている。PNP型トランジスタ36のエミッタが電源ラインVcc1に接続され、そのコレクタがトランジスタ38のコレクタに接続され、トランジスタ36のベースはトランジスタ37のベースに接続されている。コレクタをトランジスタ36に接続されたNPN型トランジスタ38のエミッタはグランドに接地され、トランジスタ38のコレクタとベースが接続されており、NPN型トランジスタ39のコレクタは電流検出用抵抗31の高電位側に接続され、トランジスタ39のエミッタはグランドに接地されており、トランジスタ38のベースとトランジスタ39のベースが接続されている。
【0083】
PNP型トランジスタ61はエミッタを電源ラインVcc1に接続されており、トランジスタ61のベースはトランジスタ37のベースに接続されており、トランジスタ61のコレクタは、トランジスタ63、64及び65からなるワイドラー型カレント・ミラー回路に接続されている。すなわち、NPN型トランジスタ63のベースとNPN型トランジスタ64及びNPN型トランジスタ65の各ベースとが接続されており、トランジスタ63のコレクタとベースが接続されていて当該コレクタにトランジスタ61のコレクタが接続され、トランジスタ64のコレクタが電源ラインVcc4に接続され、トランジスタ65のコレクタは、トランジスタ66及び67からなるワイドラー型カレント・ミラー回路に接続されている。そして、各トランジスタ63、64及び65の各エミッタがトランジスタQ14のベースに接続されている。PNP型トランジスタ66のベースとPNP型トランジスタ67のベースは接続されており、トランジスタ66、67のエミッタは共に電源ラインVcc2に接続されている。トランジスタ66のコレクタとベースは接続されていて、ここにトランジスタ65のコレクタが接続されている。トランジスタ67のコレクタは、トランジスタQ11に接続されている。また、トランジスタ61のコレクタとトランジスタ63のコレクタは、スイッチ73を介してグランドに接地されている。
【0084】
PNP型トランジスタ62はエミッタを電源ラインVcc1に接続されており、トランジスタ62のベースはトランジスタ37のベースに接続されており、トランジスタ62のコレクタは、トランジスタ68、69及び70からなるワイドラー型カレント・ミラー回路に接続されている。すなわち、NPN型トランジスタ68のベースとNPN型トランジスタ69及びNPN型トランジスタ70の各ベースとが接続されており、トランジスタ68のコレクタとベースが接続されていて当該コレクタにトランジスタ62のコレクタが接続され、トランジスタ69のコレクタが電源ラインVcc4に接続され、トランジスタ70のコレクタは、トランジスタ71及び72からなるワイドラー型カレント・ミラー回路に接続されている。そして、各トランジスタ68、69及び70の各エミッタがトランジスタQ13のベースに接続されている。PNP型トランジスタ71のベースとPNP型トランジスタ72のベースは接続されており、トランジスタ71、72のエミッタは共に電源ラインVcc2に接続されている。トランジスタ71のコレクタとベースは接続されていて、ここにトランジスタ70のコレクタが接続されている。トランジスタ72のコレクタは、トランジスタQ12に接続されている。また、トランジスタ62のコレクタとトランジスタ68のコレクタは、スイッチ74を介してグランドに接地されている。
【0085】
よって、図16のトランジスタ37及び61からなるワイドラー型カレント・ミラー回路、トランジスタ63、64及び65からなるワイドラー型カレント・ミラー回路、トランジスタ66及び67からなるワイドラー型カレント・ミラー回路によって図6のカレント・ミラー回路26及び29が構成され、トランジスタ37及び62からなるワイドラー型カレント・ミラー回路、トランジスタ68、69及び70からなるワイドラー型カレント・ミラー回路、トランジスタ71及び72からなるワイドラー型カレント・ミラー回路によって図6のカレント・ミラー回路27及び28が構成されている。また、トランジスタ37及びトランジスタ36からなるワイドラー型カレント・ミラー回路と、トランジスタ38及びトランジスタ39からなるワイドラー型カレント・ミラー回路によって図6のカレント・ミラー回路30が構成されている。すなわち、トランジスタ36、37、61、62によって多連出型のカレント・ミラー回路が構成されている。また、トランジスタ39は、トランジスタ38と比較して3倍のエミッタ面積を持つ素子が用いられている。
【0086】
しかして、ロジック回路15によってスイッチ73、74をオンにしていれば、モータ電流が流れず、モータ12は停止している。これに対し、スイッチ73をオフにしていれば、モータ12に正方向に電流が流れてモータ12が正回転駆動され、また、スイッチ74をオフにしていれば、モータ12に逆方向に電流が流れてモータ12が逆回転駆動される。
【0087】
このモータ制御装置11においては、スイッチ73のみがオフになっていてモータ12が正回転駆動されている場合を考えると、その時の状態は図17のような概略図で表わされる。プリドライバ16及びプリドライバ出力補償回路18のそれぞれのワイドラー型カレント・ミラー回路の働きにより、トランジスタ61のコレクタとトランジスタ36のコレクタからは同じ値の電流Ioが流れ出ている。トランジスタ61から流れ出たコレクタ電流Ioは、トランジスタ63のコレクタ・エミッタ間を流れるので(ここの説明では、各トランジスタのベース電流成分は無視する。)、カレント・ミラー回路の働きでトランジスタ64及び65のコレクタ・エミッタ間にも電流Ioが流れる。この結果、トランジスタ61のコレクタ電流がカレント・ミラー回路により増幅され、トランジスタQ14のベースには、3Ioの電流が流れ込むことになる。この結果、モータ電流をImとすれば、トランジスタQ14のエミッタからは当該電流3Ioとモータ電流Imとの和Im+3Ioが流れ出ている。尚、トランジスタ66には電流Ioが流れるので、カレント・ミラー回路の働きでトランジスタ67にも電流Ioが流れ、その結果、トランジスタQ11のベースには、Ioの電流が供給される。
【0088】
一方、トランジスタ36から流れ出た電流Ioは、トランジスタ38のコレクタに流れる。ここで、トランジスタ39はトランジスタ38の3倍のエミッタ面積を有しているので、カレント・ミラー回路のバランスによってトランジスタ38に電流Ioが流れたとき、トランジスタ39には3倍の電流3Ioが流れる。よって、トランジスタQ14のエミッタから流れ出た電流Im+3Ioのうち、電流3Ioがプリドライバ出力補償回路18のトランジスタ39へ流れ込むので、電流検出用抵抗31には電流Imだけが流れ、電流検出用抵抗31の抵抗値をRsとすると、フィードバック信号はVfb=Rs・Imとなり、検出電流値はImとなる。モータ12が逆回転駆動されている場合も同様である。
【0089】
なお、上記各実施形態においては、トランジスタQ13、Q14としてNPN型のバイポーラトランジスタを用いたが、PNP型のバイポーラトランジスタを用いていても差し支えない。この場合には、図6のカレント・ミラー回路26、27として、例えばプリドライバ出力補償回路18と同様に2つのワイドラー型カレント・ミラー回路等から構成すればよい。
【0090】
【発明の効果】
本発明のモータ制御装置によれば、モータに接続された接合型トランジスタのベース電流がモータに流れた電流と合流して電流検出部に流れ込む(あるいは、モータ電流の一部がベース電流として電流検出部外へ流れ出る)場合でも、当該ベース電流が電流検出部の検出値に影響を与えないよう補償回路によってベース電流と等しい値の電流を引き抜いたり、供給したりすることができ、電流検出部にはモータに流れた電流と等しい値の電流だけが流れるようにできる。よって、電流検出部ではモータに流れた電流だけを精度よく検出することができるようになり、モータに流れる電流が一定に保たれるように高精度のフィードバック制御を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例によるモータ制御装置の構成を示すブロック回路図である。
【図2】同上のモータ制御装置に用いられているモータ駆動回路の具体回路図である。
【図3】モータ正回転駆動時に、同上のモータ駆動回路に流れる電流の経路を説明する図である。
【図4】本発明にかかるモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】同上のモータ制御装置に用いられている基準電圧出力回路の構成を示す回路図である。
【図6】図4のモータ制御装置の構成(基準電圧出力回路を除く。)を具体的に示した回路図である。
【図7】図6に示した構成により、モータが正回転しているときの駆動状態を説明するための図である。
【図8】図6に示した構成により、モータが逆回転しているときの駆動状態を説明するための図である。
【図9】本発明にかかるモータ制御装置の具体回路の一実施形態を示す回路図である。
【図10】図9のモータ制御装置において、モータが正回転駆動されている場合の状態を説明する図である。
【図11】本発明にかかるモータ制御装置の具体回路の別な一実施形態を示す回路図である。
【図12】図11のモータ制御装置において、モータが正回転駆動されている場合の状態を説明する図である。
【図13】本発明にかかるモータ制御装置の具体回路のさらに別な実施形態を示す回路図である。
【図14】図13のモータ制御装置において、モータが正回転駆動されている場合の状態を説明する図である。
【図15】本発明にかかるモータ制御装置の具体回路のさらに別な実施形態を示す回路図である。
【図16】本発明にかかるモータ制御装置の具体回路のさらに別な実施形態を示す回路図である。
【図17】図16のモータ制御装置において、モータが正回転駆動されている場合の状態を説明する図である。
【符号の説明】
12 モータ
13 基準電圧出力回路
14 差動増幅回路
16 プリドライバ
17 モータ駆動回路
Q11 トランジスタ
Q12 トランジスタ
Q13 トランジスタ
Q14 トランジスタ
18 プリドライバ出力補償回路
26、27、28、29 カレント・ミラー回路
30 カレント・ミラー回路
31 電流検出用抵抗
Claims (5)
- モータに流れる電流を検出するための電流検出部と、モータと該電流検出部との中間に接続された接合型トランジスタと、該接合型トランジスタに供給するベース電流によりモータに流れる電流を制御すると共に前記電流検出部により検出された電流値に基づいてモータに流れる電流が一定になるようにフィードバック制御する制御部とを備えたモータ制御装置において、
前記制御部から前記接合型トランジスタに供給されるベース電流と等しい値の電流を前記接合型トランジスタと電流検出部との中間点から吸収する電流補償部を設けたことを特徴とするモータ制御装置。 - 前記電流補償部は、定電流源によって構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のモータ制御装置。
- 前記電流補償部は、カレント・ミラー回路によって構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のモータ制御装置。
- 前記電流補償部は、ベース電流補償型カレント・ミラー回路によって構成されていることを特徴とする、請求項3に記載のモータ制御装置。
- 前記電流補償部は、ウィルソン型カレント・ミラー回路によって構成されていることを特徴とする、請求項3に記載のモータ制御装置。
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