JP3857562B2 - ヒートシンクの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子、電気機器に設けられている電子デバイス、回路基板、変換器等の発熱部分に取り付けて放熱に用いるヒートシンクの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子、電気機器に設けられている電子デバイス、回路基板、変換器等の発熱部分に取り付けて、その放熱、冷却に用いられるヒートシンクとしては、アルミニウム等の熱伝導性に優れた金属等からなるフィンを複数配列させた構造のものが広く採用されている。
このようなヒートシンクの製造方法として代表的には下記のものが知られており、汎用されている。
(1)台座の面上に一体に複数のフィンを突設した部材を、押し出し成形によって形成する(押し出し成形体)。
(2)特公平5−58814号に記載の方法。
互いに平行な上下一対の対向面に複数の溝が形成された押し出し枠体を用い、この押し出し枠体の上下に対向する前記溝を案内として一対の対向面間に圧延フィン材を装入し、この圧延フィン材を押し出し枠体と固着させた後、押し出し枠体と圧延フィン材とを前記一対の対向面の中間で2分割するようにして切断する。圧延フィン材と押し出し枠体との固着は、圧延フィン材として使用したブレージングシートの溝へのろう付けが代表に挙げられているが、さらに、接着剤による接着、圧入固着も採用可能である。
(3)特開平6−21282号、特開平6−198383号、特開平6−315731号に記載の方法。
枠体等のベース部材に形成されている溝条に装入嵌合したフィン材をカシメ固定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、電子、電気機器の内部での電気部品、電子部品の実装密度の高度化や、消費電力の増大等によって発熱量の増大等が急激に進んでおり、放熱装置としても、より放熱能力の大きいものが求められるようになってきている。前述のようなヒートシンクでは、放熱能力の増大のため、トング値(H/P:ここで、Hはフィン高さ、Pはフィン間隔)の増大、すなわち間隔Pの減縮が切望されている。
【0004】
しかしながら、前述の(1)の方法は、一体押し出し成形体を形成するものであるため、フィンの板厚の減縮に限界があり(通常厚板状になる)、フィン間隔を減縮出来ないといった問題がある。また、押し出し成形材であるため高価であるといった問題もある。(2)の方法は、溝付きの押し出し枠体自体が高価であるといった問題がある。また、フィン全体がブレージングシートであるため、ろう付けの際にろうの流れ出しが生じやすく、商品性が不良になりやすいといった問題もある。(3)の方法は、単純カシメ、又は複合カシメであるため、生産性が低く、フィン間にカシメ作業を行うためのスペースを確保する必要があるから、間隔Pの減縮には限界がある。また、加工費が嵩むといった問題がある。
このように、(1)〜(3)の方法は、間隔Pの減縮に限界があったり、コスト面や製造面で問題があり、いずれも問題の根本的な解決が不可能なものであった。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、トング値が大きく(フィンの高さHに対する間隔Pが小さい)、生産性が高く、しかも低コスト化できるヒートシンクの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、前記問題を解決するため、以下の構成を採用した。
請求項1記載の発明は、アルミニウム又はその合金製のフィンが適宜間隔をおいて複数枚並列に配列され、かつ、各フィンがその基部同士を連結してなる連結部上に突出されている構成のヒートシンクを製造する方法であって、複数枚の前記フィンを、各フィンの前記基部同士が隣り合うようにして適宜間隔をおいて並列に配列させるとともに、ろう材及びアルミニウム合金母材からなりろう材及びアルミニウム合金母材の内の少なくとも一つ以上にMgを0.1〜6%(mass%、以下同じ)添加してなる間隔部材を、隣り合うフィンの基部間に装入し、次いで、配列されているフィンを配列の両端から加圧密着した状態で、大気中無フラックス状態で、前記間隔部材の装入部をろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の最低値を超えない範囲に加熱し、溶融ろう材を前記間隔部材のアルミニウム合金母材の侵食によって前記間隔部材の両面のアルミニウム合金母材である皮材の表面に染み出させることでろう付け結合することを特徴とするヒートシンクの製造方法。
請求項2記載の発明は、アルミニウム又はその合金製のフィンが適宜間隔をおいて複数枚並列に配列され、かつ、各フィンがその基部同士を連結してなる連結部上に突出されている構成のヒートシンクを製造する方法であって、複数枚の前記フィンを、その端部以外の位置に前記ヒートシンクの基部を形成する部分として設定した基部領域がフィン間で隣り合うようにして適宜間隔をおいて並列に配列するとともに、ろう材及びアルミニウム合金母材からなりろう材及びアルミニウム合金母材の内の少なくとも一つ以上にMgを0.1〜6%添加してなる間隔部材を、隣り合うフィンの基部領域間に装入し、
次いで、配列されているフィンを配列の両端から加圧密着した状態で、大気中無フラックス状態で、前記間隔部材の装入部をろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の最低値を超えない範囲に加熱し、溶融ろう材を前記間隔部材のアルミニウム合金母材の侵食によって前記間隔部材の両面のアルミニウム合金母材である皮材の表面に染み出させることでろう付け結合してろう付け結合部を形成した後、このろう付け結合部を前記フィンと直交する方向に切断して二つのヒートシンクを形成することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、アルミニウム又はその合金製のフィンが適宜間隔をおいて複数枚並列に配列され、かつ、各フィンがその基部同士を連結してなる連結部上に突出されている構成のヒートシンクを製造する方法であって、複数枚の前記フィンを、その対向する両端部に前記ヒートシンクの基部を形成する部分として設定した基部領域がフィン間で隣り合うようにして適宜間隔をおいて並列に配列するとともに、ろう材及びアルミニウム合金母材からなりろう材及びアルミニウム合金母材の内の少なくとも一つ以上にMgを0.1〜6%添加してなる間隔部材を、隣り合うフィンの基部領域間に装入し、次いで、配列されているフィンを配列の両端から加圧密着した状態で、大気中無フラックス状態で、前記間隔部材の装入部をろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の最低値を超えない範囲に加熱し、溶融ろう材を前記間隔部材のアルミニウム合金母材の侵食によって前記間隔部材の両面のアルミニウム合金母材である皮材の表面に染み出させることでろう付け結合して一対のろう付け結合部を形成した後、対向するろう付け結合部間において各フィンを該フィンに直交する方向に切断して二つのヒートシンクを形成することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法において、前記間隔部材が3層構造のアルミニウム薄合わせ板材であり、その芯材は融点が600℃以下のろう材からなり、両皮材は前記芯材よりも融点の高いアルミニウム合金製の薄板材からなり、皮材と芯材の少なくともいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%添加してあることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法において、前記間隔部材が5層構造のアルミニウム薄合わせ板材であり、両皮材と芯材との中間材は融点が600℃以下のろう材からなり、両皮材及び芯材は前記中間材よりも融点が高いアルミニウム合金製の薄板材からなり、かつ皮材及び芯材及び中間材の内の少なくともいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%添加してあることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法において、間隔部材を介して隣り合う一対のフィンの内の少なくとも一方が、芯材の片面側に皮材と中間材とを設けた3層構造のアルミニウム薄合わせ板母材であり、両皮材と芯材との中間材は融点が600℃以下のろう材からなり、両皮材及び芯材は前記中間材よりも融点が高いアルミニウム合金からなり、かつ皮材及び芯材及び中間材の内の少なくともいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%添加してあることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るヒートシンクでは、配列したフィン間が間隔部材を介してろう付け結合されている構成であり、隣り合うフィン間に確保された間隔(隙間)は間隔部材の厚さ分であり、大きいトング値が得られる。また、各フィンに突設した隆起によって、フィン間の間隔を一定に維持することができ、長期にわたって形状安定性を確保できる。また、フィンよりも曲げ強度の大きい強度板体間にフィンを配置した構成では、フィンを折れ曲がり変形から防護できる。
【0008】
本発明に係るヒートシンクの製造方法では、間隔部材を介したろう付け結合によって複数枚のフィンを一体的に結合するので、隣り合うフィン間には間隔部材の厚さに相当する間隔(隙間)が確保されていれば良く、大きいトング値が容易に得られる。
【0009】
本発明に係るヒートシンクの製造方法は、本発明者の一人である竹野親二が既に提案している特願2000−200409記載の「アルミニウム合金の大気中無フラックス重ねろう付け法」を本発明に応用したものである。本発明は、大気中無フラックスろう付けによる製造方法であり、真空炉や雰囲気炉といった設備を使用すること無く、安価な製造を実現できるものである
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1、図2は、本実施の形態のヒートシンク1を示す図であって、図1は斜視図、図2は断面図である。
図1、図2中、符号2はフィン、3は連結部である。
このヒートシンク1は、アルミニウム製薄板によって形成された複数枚(図1、図2では9枚)の各フィン2の基部4を連結部3にて連結し、この連結部3上に各フィン2を突出させた構成になっている。複数枚のフィン2は、適宜間隔をおいて複数枚並列に配列されている。
【0012】
前記連結部3は全体としてプレート状に形成されている。この連結部3では、隣り合うフィン2の基部4間に、ろう材及びアルミニウム合金母材からなる間隔部材5が装入され、この間隔部材5に各フィンの基部4が一体にろう付けされて連結されている。
【0013】
次に、このヒートシンク1の製造方法について3つの例(製造方法:第1〜3例)を説明する。
【0014】
(製造方法:第1例)
まず、製造方法の第1例を説明する。
この例では、まず、複数枚のフィン2を、各フィン2の一端部である基部4(後に形成される連結部3に一体化される部分)同士が隣り合うようにして適宜間隔をおいて並列に配列させるとともに、隣り合う基部4間に間隔部材5を装入する。次いで、図3に示すように、加圧手段6を用いて、配列されているフィン2を配列の両端から加圧密着させ、この状態を維持したまま大気加熱炉内での加熱等によって、前記基部4と基部4間に装入されている前記間隔部材5とからなる装入部7を加熱することで、各基部4と間隔部材5とをろう付けし、全てのフィン2の基部4を間隔部材5を介したろう付け結合により一体化する。装入部7の各フィン2の基部4と間隔部材5とのろう付け結合による一体化が完了すれば、連結部3(換言すればろう付け結合部)が形成される。これにより前記ヒートシンク1が形成される。
図2に示すように、連結部3の底部を切断(切断線13での切断)することで、ろう付け時の溶融ろうのはみ出しや表面(底面)の凹凸等を除去して、平坦な底面を簡単に得ることができる。
【0015】
なお、装入部7を加熱する手段としては、前述の大気加熱炉のように、複数枚のフィン2と各フィン2の基部4間への間隔部材5の装入が完了したもの(以下「ユニット8」。図3参照)全体を加熱するもの以外、例えば、レーザー等による局所的な加熱によって装入部7のみを加熱するものであっても良い。
【0016】
図3に例示した加圧手段6は、前記ユニット8を一対の断面L形型材9a、9b間に挟み込み、前記ボルト10とナット11との締結力によって前記断面L形型材9a、9b間を接近させることで、これら一対の断面L形型材9a、9bを介して前記ユニット8を構成する複数枚のフィン2と間隔部材5を加圧密着させるようになっている。ユニット8は、各フィン2が、加圧手段6による加圧の圧力の作用方向に直交する向きとなるようにして、一対の断面L形型材9a、9b間に配置される。
なお、加圧手段6の構成部材の素材はステンレス鋼が望ましい。加圧手段6は、特に装入部7を両側から加圧して、各フィン2の基部4と各基部4間に装入されている間隔部材5との間の加圧密着状態を確保するようになっていれば良く、フィン2の前記基部4に対向する先端部12付近まで含めて加圧力を作用させる必要は無い。加圧手段としては、前述の加圧手段6に限定されず、各種構成が採用可能である。ユニット8を挟み込む部材の具体的構成は断面L形型材に限定されず、各種構成が採用可能である。
【0017】
(製造方法:第2例)
次に、製造方法の第2例を説明する。
この例では、ヒートシンク1を構成するフィン2の2倍あるいはそれよりもやや大きい程度の寸法(例えば長さ寸法Lは、フィン2の高さ寸法H(図1中、連結部3からの突出長(L0)と連結部3中に埋設状態となる埋設長(D)の合計)の2倍)を有するフィン2aを用意し、このフィン2aを適宜間隔をおいて複数枚並列に配列するが、このとき、その長さ方向中央部の位置に設定した基部領域21がフィン2a間で隣り合うようにする。ここで、基部領域21とは、後述のように、各フィン2aと間隔部材5とのろう付け一体化後の切断によってヒートシンク1の基部4となる部分のことである。
【0018】
隣り合うフィン2aの基部領域21間にはろう材及びアルミニウム合金母材からなる間隔部材5を装入する。次いで、配列されているフィン2aを図3に例示した加圧手段6等を用いて配列の両端から加圧密着させ(図4中、矢印Aは加圧力の作用方向)、この加圧密着状態を維持したまま、各フィン2aの基部領域21と隣り合う基部領域21間に装入された各間隔部材5とによって構成される装入部22を加熱することで、各基部領域21と間隔部材5とをろう付けし、全てのフィン2aの基部領域21を間隔部材5を介したろう付け結合により一体化する。ここで、フィン2aの加圧密着装入部22を加熱する手段としては、前述の第1例の製造方法にて採用可能なものと同様で良い。
【0019】
ろう付け結合による一体化が完了した後、前記装入部22の一体化によって形成されたろう付け結合部を各フィン2と直交する方向に切断する(参考として図4の装入部22に切断面23の位置を書き込んだ)。これによって、同時に、二つのヒートシンク1が得られる。
【0020】
(製造方法:第3例)
次に、製造方法の第3例を説明する。
この例では、ヒートシンク1を構成するフィン2の2倍あるいはそれよりもやや大きい程度の寸法を有するフィン2aを使用することは前述の第2例と同じであるが、図5に示すように、このフィン2aの対向する両端部に設定した基部領域31、32がフィン2a間で隣り合うようにして複数枚の前記フィン2aを適宜間隔をおいて並列に配列するとともに、隣り合うフィン2a間を、両フィン2aの基部領域31、31間、基部領域32、32間に装入した間隔部材5を介してろう付け結合して一体化する点が異なる。これにより、各フィン2aの基部領域31及び隣り合う基部領域31間に装入された間隔部材5からなる装入部33がろう付けによって一体化されたろう付け結合部と、各フィン2aの基部領域32及び隣り合う基部領域32間に装入された間隔部材5からなる装入部34がろう付けによって一体化されたろう付け結合部とが対向する両側に形成される。ろう付け結合のための加熱手段、この加熱時のフィン2aと間隔部材5との加圧密着を維持するための加圧手段としては、第1例、第2例と同様のものが採用できる。
さらに、この一体化の後、両ろう付け結合部の中間位置を切断する(切断位置は、図5中、一対の装入部33、34間の中間に書き込んだ仮想線35(切断面)と同じになる)。これにより、同時に二つのヒートシンク1が得られる。
【0021】
ところで、上述の製造方法第1〜3例にて使用する間隔部材5としては、下記(a)、(b)のいずれかを採用することが好ましい。
(a)図6に示すように、3層構造のアルミニウム薄合わせ板材であり(区別のため、この間隔部材5に符号51を付す)、その芯材51aは融点が600℃以下のろう材からなり、両皮材51bは前記芯材51aよりも融点の高いアルミニウム合金製の薄板材からなり、少なくとも皮材51bと芯材51aのいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%(mass%、以下同じ)添加し、更に、少なくとも皮材51bと芯材51aのいずれか一つ以上にBiを0.01〜1%添加したもの。
(b)図7に示すように、5層構造のアルミニウム薄合わせ板材であり(区別のため、この間隔部材5に符号52を付す)、両皮材52bと芯材52aとの間の中間材52cは融点が600℃以下のろう材からなり、芯材52a及び両皮材52bは前記中間材52cよりも融点が高いアルミニウム合金からなり、かつ芯材52a及び両皮材52b及び中間材52cの内の少なくともいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%添加し、更に、芯材52a及び両皮材52b及び中間材52cの内の少なくともいずれか一つ以上にBiを0.01〜1%添加したもの。
なお、3層薄合わせ板材である間隔部材51の皮材51b、5層薄合わせ板材である間隔部材52の芯材52a及び皮材52bは、ろう材51a、52cに対して該間隔部材51、52を構成するアルミニウム合金母材として機能する。
【0022】
(a)、(b)の間隔部材5(アルミニウム薄合わせ板材)の全板厚としては0.1〜1.0mm程度、ろう材(間隔部材51の芯材51a、間隔部材52の中間材52c。以下、間隔部材51の芯材51aを「ろう材51a」、間隔部材52の中間材52cを「ろう材52c」と称する場合がある)のクラッド率は全板厚の10〜80%が適切である。これら全板厚とクラッド率の下限未満では製造が難しくなったり、ろう材が不足でろう付け性が低下する。また、全板厚とクラッド率の上限を超えると、不必要な厚さとなって不経済になる。
【0023】
ろう材51a、52cとしては、前述ように融点600℃以下のものを採用する。この条件を満たすろう材としては、Zn、Sn、Bi等の金属、Al−Si、Al−Cu、Al−Cu−Si、Zn−Al、Al−Ge等の合金が好ましく使用できる。
【0024】
間隔部材51の皮材51bには、芯材51aよりも融点の高いアルミニウム合金を用いる以外には特に限定は無い。間隔部材52の芯材52a及び皮材52bには、中間材52cよりも融点の高いアルミニウム合金を用いる以外には特に限定は無い。これら間隔部材51の皮材51bや、間隔部材52の芯材52a及び皮材52bとしては、JIS A 1070、1050、1100、1200、3003、3203、3004、4003、4004、4104、4N045005、5N01、5052、5454、5086、5083、6061、6063、6N01等が好ましく使用できる。
【0025】
また、フィン2、2aを形成するアルミニウム合金としては、ろう材51a、52cよりも融点の高いものを用いる点以外には特に限定は無く、例えば、JIS A 1070、1050、1100、1200、3003、3203、3004、4003、4004、4104、4N045005、5N01、5052、5454、5086、5083、6061、6063、6N01等が採用可能である。
【0026】
間隔部材51を構成する芯材51a、皮材51bの少なくともいずれか一つ、間隔部材52を構成する芯材52a、皮材52b、中間材52cの少なくともいずれか一つに添加するMgは、ろう材51a、52cの溶融時の濡れ性向上に有効である。0.1%未満では濡れ性向上の効果が不十分であり、6%を超えると添加効果が飽和するためそれ以上の添加が無意味である。
ろう付け加熱時の加圧密着の程度が強固な場合には、Mgの添加は、間隔部材51の構成部材のいずれか一つ、間隔部材52の構成部材のいずれか一つで良いが、加圧密着の程度が低い場合には濡れ性が劣化しやすいため、間隔部材51、52の構成部材の内の2以上への添加とすることが好ましい。
【0027】
間隔部材51を構成する芯材51a、皮材51bの少なくともいずれか一つ、間隔部材52を構成する芯材52a、皮材52b、中間材52cの少なくともいずれか一つに添加するBiは、特に接合対象のアルミニウム製のフィン2、2aがMgを含有した合金からなる場合(JIS A 3004、4003、4004、4104、4N04、5052等)に対するろう材51a、52cの溶融時の濡れ性向上に有効である。前述のようなMgを含有したアルミニウム製のフィン2、2aではろう材51a、52cの濡れ性が劣化しやすい傾向があるが、Biの添加は、この濡れ性劣化を防止する機能を果たす。添加量が0.01%未満では濡れ性確保の効果が不充分であり、1%を超える添加では濡れ性確保の効果が飽和して無意味である。
【0028】
第1〜3例の製造方法において、フィン2、2a及び間隔部材5の加熱時にこれらを加圧密着する圧力は、0.001〜0.1MPa程度が適切である。
0.001MPa未満では密着不足を生じる懸念があり、0.1MPaを超えると圧力過大であり、板状の間隔部材51、52の板端部から溶融ろうの染み出しが生じるようになる。
【0029】
第1〜3例の製造方法では、フィン2、2a及び間隔部材5の加熱は、具体的には、ろう材51a、52cの液相線温度以上、かつ、間隔部材51、52のろう材51a、52c以外の構成部材の固相線温度の最低値を超えない範囲にする。これにより、ろう材51a、52cを溶融させる一方、間隔部材51、52のろう材51a、52c以外の構成部材の変形、劣化を防止する。
【0030】
前述したろう材51a、52cの液相線温度は通常380〜590℃であり、ろう接合後には、温度を下げて凝固させるか、ろう接温度で長時間保持して液相拡散凝固させる。液相拡散凝固の場合は、ろう接温度のでの保持時間は1〜10時間程度が適切である。
【0031】
この間隔部材51、52を用いた第1〜3例の製造方法では、上述のように0.001〜0.1MPa程度の圧力で各フィン2、2aと間隔部材5とを加圧密着させた状態で、ろう材51a、52cの液相線温度以上、かつ、間隔部材51、52のろう材51a、52c以外の構成部材の固相線温度の最低値を超えない範囲の温度で加熱することで、ろう接を実現できる。このろう接ではフィン2、2a表面等にろうの露出、流出が見られない。これは、このろう接が、間隔部材51、52の内部のろう材51a、52cが溶融時に皮材51b、52bを侵食して間隔部材5表面に染み出し、液状化して、フィン2、2aに接するようになっているためと考えられる。
【0032】
ところで、一般にアルミニウムのろう付けでは、溶融ろうの漏れを生じさせることが必須であり、ろう材や接合対象のアルミニウム母材(本発明のフィンに相当)の表面酸化被膜の破壊作用と、ろう接後の酸化防止作用とが必要である。このため従来から、真空炉中でのろう材の加熱によるろう材中の添加Mgの蒸発現象を活用する真空ろう付けや、非酸化性雰囲気中でフラックスを活用する(非酸化雰囲気での非腐食性フラックスろう付け)などが行われている。
【0033】
これに対して、間隔部材51、52を使用して行う第1〜3例の製造方法は、大気中での無フラックス条件下で行うことができる。
つまり、まず、ろう接後の酸化防止については、フィン2、2aや間隔部材51、52の他の構成部材に比べて感受性の高いろう材51a、52cについて問題となる。本発明の間隔部材51、52ではろう材51a、52cは溶融されるまで皮材51、52bに保護状態になっており、ろう接後のろう材の大気による直接酸化が防止される。しかも、侵食によって皮材51b、52b表面に染み出した溶融ろう材が、皮材51b、52b表面への染み出しと同時にフィン2、2aと密着状態となるため、フィン2、2aと間隔部材5との間の密着構造によって酸化抑制が働き、酸化膜の成長が不充分になることから、ろう接後の酸化防止のための特別な対策は殆ど(あるいは全く)考慮の必要が無くなる。
【0034】
また、酸化膜破壊については、不明な点があるものの、間隔部材51を構成する芯材51a、皮材51bの少なくともいずれか一つ、間隔部材52を構成する芯材52a、皮材52b、中間材52cの少なくともいずれか一つへのMgの添加によって、ろう接加熱時に、このMgがアルミニウム酸化被膜を蒸発還元することに起因するものと考えられる。なお、Mgは、ろう材51a、52cにMgが添加されていなくても、ろう接加熱時にろう材51a、52cの侵入溶融化のエロージョンによって、その周囲の間隔部材51、52の構成部材(皮材等)に侵食することで溶融ろう材51a、52cにMgが供給される。
【0035】
3層薄合わせ板材からなる間隔部材51を用いたフィンのろう付け例(実施例1)、5層合わせ板材からなる間隔部材52を用いたフィンのろう付け例(実施例2)を、製造方法1に準拠して実施し、カシメ法を用いたフィンの固定(比較例)の場合と比較した。
【0036】
(実施例1)
図8(a)に示すように、2枚のフィン2を用い、配列させた各フィン2の基部4同士間に間隔部材51を装入し、図3に示すようにステンレスボルト(80mmφ)を以て締結し、加圧密着状態を維持して加熱して各フィン2と間隔部材51とをろう付けし、ろう付け前の間隔部材51の全板厚t10と、ろう接後(図8(b)参照)のフィン2間の隙間t11(換言すれば間隔部材51のろう接後の全板厚)とを計測した。
ここでのフィン2、間隔部材51の材質、寸法等を含むろう接条件は以下の通りである。
フィン2:材質;JIS A 1100のアルミニウム合金。板厚0.5mm
加熱温度:600℃
加熱時の加圧密着のための圧力(締め付けトルク):200N・m
ろう接後のろう材の凝固:温度を下げて凝固させる
間隔部材51:全板厚(t10)1.0mmの3層薄合わせ板材
芯材51a:JIS A 4104。板厚0.8mm
皮材51b:JIS A 1100(固相線温度565℃)。板厚0.1mm
クラッド率:両皮材51bがそれぞれ10%、芯材51aが80%
【0037】
(実施例2)
図9(a)に示すように、2枚のフィン2を用い、配列させた各フィン2の基部4同士間に間隔部材51を装入し、加圧密着状態を維持して加熱して各フィン2と間隔部材52とをろう付けし、ろう付け前の間隔部材52の全板厚t20と、ろう接後(図9(b)参照)のフィン2間の隙間t21(換言すれば間隔部材52のろう接後の全板厚)とを計測した。
ここでのフィン2、間隔部材52の材質、寸法等を含むろう接条件は以下の通りである。
フィン2:材質;JIS A 1100のアルミニウム合金。板厚0.5mm
加熱温度:600℃
加熱時の加圧密着のための圧力(締め付けトルク):200N・m
ろう接後のろう材の凝固:温度を下げて凝固させる
間隔部材52:全板厚(t20)1.0mmの5層薄合わせ板材
芯材52a:JIS A 3003。板厚0.78mm
皮材52b:JIS A 1100。板厚0.1mm
中間材52c:JIS A 4104。板厚0.01mm
クラッド率:両皮材52aがそれぞれ1%、両中間材52cがそれぞれ10%、芯材52aが78%。
【0038】
(比較例)
比較例として、カシメ法(特開平6−198383号記載の方法)を採用した。すなわち、図10に示すように、ベース部材40に形成されている溝条41(溝幅1.0mm)にフィン材42(板厚8mm)を装入嵌合し、さらにベース部材40の前記溝条41の開口部近傍を工具でかしめて固定した。
【0039】
(比較結果)
実施例1、2共に、間隔部材51、52を介した一対のフィン2のろう付け接合部分に、優れた強度が得られた。
また、実施例1では、ろう接後のフィン2間の隙間t11は、0.98mmであった。実施例2では、ろう接後のフィン2間の隙間t21は、0.98mmであった。ろう接に伴う間隔部材51、52の全板厚の縮小の原因は、ステンレスボルトの締め付け効果と考えられるが、間隔部材51、52の全板厚の寸法縮小は非常に少ない。これは、溶融ろう材の無駄な漏出が非常に少ないためと考えられる。溶融ろうの漏出が少なければ、ろうの漏出防止のための処置が簡単になり、あるいは、不要になるため、製造コストの低下が図れる。また、ろう付け結合部53、54での漏れ出した溶融ろうの付着や、ろうの漏出によるろう付け結合部53、54の凹凸等も発生しないため、ろう接後のろう付け結合部53、54の美観を容易に確保でき、ろう接後処理が簡単になるなどの利点がある。
また、比較例の従来のカシメ法によるフィン42間の間隔t3は3.2mmであった。このことから、実施例1、2の方が、比較例に比べてフィン間の間隔を大幅に減縮できることは明らかであり、大きいトング値が得られる。
【0040】
(フィン自体がろう材を含む薄合わせ板母材である場合)
第1〜3例の製造方法において、図11に示すように、フィン2、2aとして、融点が600℃以下のろう材である中間材63(以下「ろう材」と称する場合がある)を、いずれも該中間材63よりも融点の高いアルミニウム合金製の芯材61と皮材62との間に挟み込んだ3層構造の薄合わせ板母材であるフィン60(以下「薄合わせ板母60」と称する場合がある)を採用することも可能である。芯材61及び皮材62及び中間材63の内の少なくともいずれか一つ以上にはMgを0.1〜6%、さらに、芯材61及び皮材62及び中間材63の内の少なくともいずれか一つ以上にBiを0.01〜1%添加することが好ましい。但し、これらMgやBiの添加は、間隔部材5に添加されているもので足りる場合(濡れ性の確保等が充分である場合)には省略が可能である。
【0041】
この3層薄合わせ板母材60の全板厚には特に制限は無く、図9(a)、(b)のフィン2、2aと同様に数mm程度を確保できる。この薄合わせ板母材60を構成する芯材61や皮材62の材質は前述の間隔部材51の皮材51bや、間隔部材52の芯材52a並びに皮材52bと同様のものを採用できる。中間材63のクラッド率、ろう材63(中間材63)の材質等は、前述の間隔部材51、52のろう材51a、52cと同様のものを採用できる。
この薄合わせ板母材60を用いたろう接での加熱温度、加圧密着のための圧力等の条件は、間隔部材51、52の使用時に要求されるものと同様である。
【0042】
この3層薄合わせ板母材60は、芯材61の板厚が全板厚の90%程度を占めており、ろう接時の加熱(加熱温度は、ろう材63の液相線温度以上でかつ芯材61及び皮材62の固相線温度の最低値を超えない範囲)によっても、寸法や形状の変形が殆ど無く、全体がアルミニウム合金製のフィン2、2aと同様に取り扱うことができる。
また、この薄合わせ板母材60は、ろう接時の加熱温度に加熱したときに、芯材61の側には溶融ろう材の染み出しは殆ど無く、溶融ろう材の染み出しは皮材62側が中心であり、この皮材62の側では芯材61側に比べて間隔部材5との間に非常に高い接合強度を確保できる。例えば、図12に示すように、両端に配置した薄合わせ板母材60(フィン60)間に複数枚のフィン2と各フィン2、60間の間隔を確保する間隔部材5を配置して(両端の各フィン60は、皮材62が対向する内側を向くようにする)、前述の製造方法1の要領でろう付けすると、フィン2、60の配列の両端に位置する一対のフィン60に優れた接合強度が確保されるため、この一対のフィン60間に配置されているフィン2を外力に対して保護して変形を防止する保護機能等を果たす。
【0043】
(ヒートシンクの他の態様1)
図13に示すヒートシンク70は、前記フィン2よりも曲げ強度が大きい一対の強度板体71と、この一対の強度板体71間に配列された複数枚のフィン2とが、これら強度板体71の基部72とフィン2の基部4とを間隔部材5を介したろう付けによって一体に連結してなるプレート状の連結部73(ろう付け結合部)上に突出されている構成であり、外側の一対の強度板体71によって、その内側のフィン2の形状維持、変形防止を図ったものである。前記強度板体71は、アルミニウム又はその合金によって形成されており、例えば、フィン2よりも板厚の大きいアルミニウム板等が採用される。また、この強度板体71としては、例えば、前述の薄合わせ板母材60を採用して連結部73での接合強度を高めておき、フィン2の防護を一層効果的に行えるようにすることも可能である。
【0044】
(ヒートシンクの他の態様2)
図14(a)、(b)は、図1、図2に例示したヒートシンク1の各フィン2の前記基部4から該基部4に対向する先端部12の間(つまり、フィン2の連結部3からの突出部分)に、隣り合うフィン2間の間隔に相当する突出寸法の隆起81を形成した例を示す(このヒートシンクに符号80を付す)。前述の隆起81は、フィン2間距離の確保と、フィン2の変形防止に寄与する。このヒートシンク80は、プレス加工等によって予め隆起81が形成されたフィン2(区別のため、このフィン2に符号82を付す)を用いて、前述の第1〜3例のいずれかの製造方法によって製造することができる。このとき、フィン82の隆起81によって、製造工程全体にわたって目的のフィン82間距離を確保することができ、ろう接後の製品にも優れた寸法精度を容易に確保できる等の利点がある。
【0045】
一つのフィン82における前記隆起81の形成数は1つに限らず、複数であっても良い。前記隆起81は、フィン82からの突出頂点83を中心とする円錐状等に限定されず、例えば、フィン82にある程度の長さを以て形成されたリブ状等であっても良い。但し、ヒートシンク80としての冷却能力をより効果的に得るには、隣り合うフィン82間の通気性を確保することが重要であるから、隆起81としては隣り合うフィン82間の通気性を阻害しない形状に形成することが必要である。
【0046】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されず、適宜変更が可能である。
前記実施の形態では、間隔部材51、52を構成する部材の内の1以上、薄合わせ板材60を構成する部材の内の1以上にBiを添加した構成を例示したが、間隔部材51、52や薄合わせ板材60のろう接対象の部材に対する溶融ろうの濡れ性(Mg添加に起因する濡れ性)が特に悪くならない場合はBiの添加は必須では無く、省略可能である。
ヒートシンクの具体的形状は、前述の実施の形態に例示したものに限定されず、例えば、フィンの数、各フィンの形状等は適宜選択可能である。
前述の製造方法の第2例(図4)では装入部22を加熱一体化したろう付け結合部を2等分に切断して同形状の2つのヒートシンク1を得る構成、第3例(図5)では一対の装入部33、34を加熱一体化したろう付け結合部の中間を切断して2等分にすることで同形状の2つのヒートシンク1を得る構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば第2例、第3例において、2等分以外の位置で切断して異なる形状のヒートシンクを二つ得る構成も採用可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のヒートシンクの製造方法によれば、隣り合うフィン間に、間隔部材の厚さ分だけ隙間が確保されれば良いので、フィン間距離を小さくしてトング値を増大でき、優れた冷却性能を得ることができる。また、フィン間に間隔部材を装入して加熱し、フィン間を間隔部材を介して一体にろう接するだけで簡単に製造でき、製造能率の向上、製造コストの低下を実現できるといった優れた効果を奏する。特に、本発明は、大気中無フラックスろう付けによる製造方法であり、真空炉や雰囲気炉といった設備を使用しなくても良いので、製造コストの一層の低下を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態のヒートシンクの一例を示す斜視図である。
【図2】 図1のヒートシンクを示す断面図である。
【図3】 本発明に係るヒートシンクの製造方法を示す図であって、複数枚配列させたフィンとフィン間に装入した間隔部材とを加圧密着させる加圧手段の一例を示す断面図である。
【図4】 本発明に係るヒートシンクの製造方法の第2例を示す図であって、複数枚配列させたフィン間で、各フィンの中央部に設定した基部領域同士間に間隔部材を装入した状態を示す断面図である。
【図5】 本発明に係るヒートシンクの製造方法の第3例を示す図であって、複数枚配列させたフィン間で、各フィンの対向する両端部に設定した基部領域同士間に間隔部材を装入した状態を示す断面図である。
【図6】 本発明に係るヒートシンクの製造方法に適用される間隔部材を示す図であり、3層薄合わせ板材を示す断面図である。
【図7】 本発明に係るヒートシンクの製造方法に適用される間隔部材を示す図であり、5層薄合わせ板材を示す断面図である。
【図8】 図6の3層薄合わせ板材である間隔部材を用いたフィン間のろう付け(実施例1)を示す断面図であって、(a)は加熱ろう付け前、(b)はろう付け後を示す。
【図9】 図7の5層薄合わせ板材である間隔部材を用いたフィン間のろう付け(実施例2)を示す断面図であって、(a)は加熱ろう付け前、(b)はろう付け後を示す。
【図10】 比較例のヒートシンク構造を示す図であって、カシメ法によってベース部材にフィンをカシメ固定した状態を示す断面図である。
【図11】 3層薄合わせ板母材であるフィン示す断面図である。
【図12】 図11のフィンを用いて構成したヒートシンクの一例を示す断面図である。
【図13】 両端に配置された補強板体間にフィンが配列されている構成のヒートシンクを示す断面図である。
【図14】 フィン間の間隔確保用の隆起がフィンに突設されているヒートシンクを示す図であって、(a)はヒートシンクを示す断面図、(b)は隆起近傍を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1…ヒートシンク、2,2a…フィン、3…連結部(ろう付け結合部)、4…基部、5…間隔部材、51…間隔部材(3層薄合わせ板材)、51a…芯材(ろう材)、51b…皮材、52…間隔部材(5層薄合わせ板材)、52a…芯材、52b…皮材、52c…中間材(ろう材)、53,54…ろう付け結合部、7…装入部、12…先端部、21…基部領域、22…装入部、31,32…基部領域、33,34…装入部、60…3層薄合わせ板母材(フィン)、61…芯材、62…皮材、63…中間材(ろう材)、70…ヒートシンク、71…強度板体、72…基部、73…連結部(ろう付け結合部)、80…ヒートシンク、81…隆起、82…フィン。
Claims (6)
- アルミニウム又はその合金製のフィンが適宜間隔をおいて複数枚並列に配列され、かつ、各フィンがその基部同士を連結してなる連結部上に突出されている構成のヒートシンクを製造する方法であって、
複数枚の前記フィンを、各フィンの前記基部同士が隣り合うようにして適宜間隔をおいて並列に配列させるとともに、ろう材及びアルミニウム合金母材からなりろう材及びアルミニウム合金母材の内の少なくとも一つ以上にMgを0.1〜6%(mass%、以下同じ)添加してなる間隔部材を、隣り合うフィンの基部間に装入し、
次いで、配列されているフィンを配列の両端から加圧密着した状態で、大気中無フラックス状態で、前記間隔部材の装入部をろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の最低値を超えない範囲に加熱し、溶融ろう材を前記間隔部材のアルミニウム合金母材の侵食によって前記間隔部材の両面のアルミニウム合金母材である皮材の表面に染み出させることでろう付け結合することを特徴とするヒートシンクの製造方法。 - アルミニウム又はその合金製のフィンが適宜間隔をおいて複数枚並列に配列され、かつ、各フィンがその基部同士を連結してなる連結部上に突出されている構成のヒートシンクを製造する方法であって、
複数枚の前記フィンを、その端部以外の位置に前記ヒートシンクの基部を形成する部分として設定した基部領域がフィン間で隣り合うようにして適宜間隔をおいて並列に配列するとともに、ろう材及びアルミニウム合金母材からなりろう材及びアルミニウム合金母材の内の少なくとも一つ以上にMgを0.1〜6%添加してなる間隔部材を、隣り合うフィンの基部領域間に装入し、
次いで、配列されているフィンを配列の両端から加圧密着した状態で、大気中無フラックス状態で、前記間隔部材の装入部をろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の最低値を超えない範囲に加熱し、溶融ろう材を前記間隔部材のアルミニウム合金母材の侵食によって前記間隔部材の両面のアルミニウム合金母材である皮材の表面に染み出させることでろう付け結合してろう付け結合部を形成した後、このろう付け結合部を前記フィンと直交する方向に切断して二つのヒートシンクを形成することを特徴とするヒートシンクの製造方法。 - アルミニウム又はその合金製のフィンが適宜間隔をおいて複数枚並列に配列され、かつ、各フィンがその基部同士を連結してなる連結部上に突出されている構成のヒートシンクを製造する方法であって、
複数枚の前記フィンを、その対向する両端部に前記ヒートシンクの基部を形成する部分として設定した基部領域がフィン間で隣り合うようにして適宜間隔をおいて並列に配列するとともに、ろう材及びアルミニウム合金母材からなりろう材及びアルミニウム合金母材の内の少なくとも一つ以上にMgを0.1〜6%添加してなる間隔部材を、隣り合うフィンの基部領域間に装入し、
次いで、配列されているフィンを配列の両端から加圧密着した状態で、大気中無フラックス状態で、前記間隔部材の装入部をろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の最低値を超えない範囲に加熱し、溶融ろう材を前記間隔部材のアルミニウム合金母材の侵食によって前記間隔部材の両面のアルミニウム合金母材である皮材の表面に染み出させることでろう付け結合して一対のろう付け結合部を形成した後、対向するろう付け結合部間において各フィンを該フィンに直交する方向に切断して二つのヒートシンクを形成することを特徴とするヒートシンクの製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法において、
前記間隔部材が3層構造のアルミニウム薄合わせ板材であり、その芯材は融点が600℃以下のろう材からなり、両皮材は前記芯材よりも融点の高いアルミニウム合金製の薄板材からなり、皮材と芯材の少なくともいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%添加してあることを特徴とするヒートシンクの製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法において、
前記間隔部材が5層構造のアルミニウム薄合わせ板材であり、両皮材と芯材との中間材は融点が600℃以下のろう材からなり、両皮材及び芯材は前記中間材よりも融点が高いアルミニウム合金製の薄板材からなり、かつ皮材及び芯材及び中間材の内の少なくともいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%添加してあるヒートシンクの製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のヒートシンクの製造方法において、
間隔部材を介して隣り合う一対のフィンの内の少なくとも一方が、芯材の片面側に皮材と中間材とを設けた3層構造のアルミニウム薄合わせ板母材であり、両皮材と芯材との中間材は融点が600℃以下のろう材からなり、両皮材及び芯材は前記中間材よりも融点が高いアルミニウム合金からなり、かつ皮材及び芯材及び中間材の内の少なくともいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%添加してあることを特徴とするヒートシンクの製造方法。
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