JP3701847B2 - アルミニウム合金の大気中無フラックス重ねろう付け法 - Google Patents

アルミニウム合金の大気中無フラックス重ねろう付け法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は大気中でも無フラックスでの接合が可能なアルミニウム板母材の重ねろう付け方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウムのろう付け法は大面積継手とか多点継手を一挙に作成できる効率的な方法として熱交換器やパネルの製造に用いられている。
またこの多点継手では継手へのろう材の配置効率の点よりろう材として一般的にはブレージングシートを用いている。
【0003】
このろう付け法としては主に 1.真空中での無フラックス法 2.非酸化雰囲気での非腐食性フラックス法 3.大気中での腐食性フラックス法 の3つが用いられている。
しかしこれらろう付け法のうち 1.では高価な真空炉が必要であり、 2.では真空式より低廉だがそれでもフラックス塗布工程や高価な気密性の高い雰囲気炉や消耗する高価な不活性ガスが必要であり、 3.では装置や消耗代で優れるがろう付け前後の腐食性フラックスの処理に多大の労力、コストが必要である等の各々課題を抱えている。
【0004】
これらの問題に対して、例えば大気中でかつ無フラックスのろう付けが可能な2枚のブレージングシート同士をろう付け温度に加熱して、加熱温度到達後に相互に擦りあわせる摩擦ろう付け法が知られている。(アルミニウムろう付けハンドブック、THE ALUMINUM ASSOCIATION編 P61)
しかしこの手法は炉の構造は通常の大気炉のもので良いが、擦りあわせ制御が難しく作業性に劣るという欠点があった。
【0005】
本発明者はこの問題に対して以前に大気中で無フラックスろう付け法としてブレージングシートの重ね界面に極薄板厚の金属板を挿入し加圧密着後、ろう溶融時に極薄金属板を引き抜く方法を提案した。(特開平8−174207)
この方法は確かに大気中で無フラックスろう付けを可能にし、自動化が可能ではあるが、極薄板厚の金属板を引き抜く作業が必要であったり、接合形状の融通性が劣る等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上記の従来技術の問題点を解消して、真空炉・気密性の雰囲気炉等の高価設備の設置も不要で、フラックス・不活性ガスの消耗もない低コストで、かつろう付け組立て時に挟み込むだけの作業簡便性に優れた大気中で無フラックスのアルミニウム重ね継手ろう付け法を提供する事を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明のひとつは、請求項1の、複数のアルミニウム母材の重ね合わせ界面に予めアルミニウム薄合わせ板材を挿入して行うアルミニウムの重ねろう付けにおいて、アルミニウム薄合わせ板材が3層構造の薄合わせ板材からなり、その芯材は融点が600℃以下のろう材からなり、その両皮材は芯材より融点の高いアルミニウム合金からなり、かつ少なくとも皮材と芯材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%(mass%、以下同じ)あるいは更にBiを0.01〜1%添加しており、重ね合わせた部材全体を加圧密着した状態で、ろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない範囲に加熱する事を特徴とするアルミニウム合金の大気中無フラックス重ねろう付け法である。
【0008】
また、請求項2の発明は、複数のアルミニウム母材の重ね合わせ界面に予めアルミニウム薄合わせ板材を挿入して行うアルミニウムの重ねろう付けにおいて、アルミニウム薄合わせ板材が5層構造の薄合わせ板材からなり、その両皮材と芯材との中間材は融点が600℃以下のろう材からなり、その両皮材と芯材は中間材より融点の高いアルミニウム合金からなり、かつ少なくとも皮材と芯材と中間材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%あるいは更にBiを0.01〜1%添加しており、重ね合わせた部材全体を加圧密着した状態で、ろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない範囲に加熱する事を特徴とするアルミニウム合金の大気中無フラックス重ねろう付け法である。
【0009】
そして、請求項3の発明は、2つのアルミニウム母材同士を重ねろう付けするに際し、少なくとも一方のアルミニウム母材に芯材の片面側に皮材と中間材を設けた3層合わせ板母材を用い、合わせ板母材の中間材には融点が600℃以下のろう材を用い、皮材および芯材は中間材より融点が高いアルミニウム合金からなり、かつ少なくとも芯材と皮材と中間材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%あるいは更にBiを0.01〜1%添加しており、合わせ板母材の皮材面を重ね合わせ界面側に配置して、アルミニウム板母材同士を加圧密着した状態で、ろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない範囲に加熱する事を特徴とするアルミニウム合金の大気中無フラックス重ねろう付け法である。
なお本明細書でろう付けとははんだ付け及びろう付を指す総称である。
【0010】
【発明の実施の形態】
ここで、アルミニウム母材の合金としては組み合わせるろう材の融点より高い融点の合金でさえあれば良く、通常 JIS A 1070、1050、1100、1200、3003、3203、3004、4003、4004、4104、4N04、5005、5N01、6061、6063、6N01、等の板および鋳物材のAC1A、AC1B,AC2A、AC2B,AC3A、AC4A、AC4B,AC4C,AC5A、AC8A、AC8B,AC8C等が好ましく使用できる。
【0011】
合金組み合わせおよび枚数は使用目的に応じたものであれば良く、特に制限はない。
挿入する3層および5層のアルミニウム薄合わせ板材の全板厚としては通常0.1〜1.0mmであれば良い。ろう材のクラッド率は全板厚の10〜80%が良い。
これら全板厚とクラッド率の下限未満では製造が難しくなったり、ろう材が不足でろう付け性が低下する。又全板厚とクラッド率の上限を超えると、不必要な厚さで経済的でなかったり、異種の低融点金属を挿入させるので異合金化の悪影響が大きくなるので好ましくない。
【0012】
3層薄合わせ板材での両皮材、5層薄合わせ板材での両皮材及び芯材、3層合わせ板母材の皮材及び芯材には、3層薄合わせ板材の芯材と5層薄合わせ板材と3層合わせ板母材の中間材より融点の高いアルミニウム合金を用いる以外には特に限定はなく、通常JIS A 1070、1050、1100、1200、3003、3203、3004、4003、4004、4104、4N045005、5N01、5052、5454、5086、5083、6061、6063、6N01等が好ましく使用できる。
【0013】
3層薄合わせ板材での芯材、5層薄合わせ板材での中間材、3層合わせ板母材の中間材には融点が600℃以下のろう材を用いる。この条件を満たすろう材としてはZn、Sn、Biの金属やAl−Si、Al−Cu、Al−Cu−Si、Zn−Al、Al−Ge合金が好ましく使用できる。
そして各構成部材の少なくとも一つ以上にMgを0.1〜6%添加する。
Mgはろう材の溶融時の濡れ性向上に有効であり、この添加量が0.1%未満ではその効果が不十分であり、6%を超えると添加効果が飽和して無意味になるとか、加工性が低下する問題が有り好ましくない。
ろう付け加熱時の加圧密着の程度が強固な場合には、Mgの添加は各構成部材のいずれか一つで良いが、加圧密着の程度を特に強固にしない場合にはぬれ性が劣化し易いため、この場合には各構成部材の複数への添加が好ましい。
【0014】
3層薄合わせ板材の芯材、5層薄合わせ板材での中間材、あるいは3層合わせ板母材の中間材等ろう材への添加の場合には、ろう材が溶融時に当然Mgが合金化している。
3層薄合わせ板材および5層薄合わせ板材の皮材、5層薄合わせ板材での芯材、あるいは3層合わせ板母材の皮材及び芯材への添加の場合には、ろう材が溶融時に皮材または芯材に侵入溶融化のエロージョンにより侵食して溶融ろう材中にMgが合金化する。
いずれの構成部材にMgを添加するかの使い分けは、例えば、ろう材へ添加した時にろう材の圧延加工性が著しく低下する場合に他の構成部材に添加して行えば良い。
【0015】
さらに、いずれかの構成部材にBiを添加するのが好ましい。
特に接合するアルミニウム母材がMgを含有した合金の場合(上記の例では3004、4003、4004、4104、4N04、5052等)には通常溶融ろう材の濡れ性が劣化するが、Biはこの劣化を防止する働きをするのでBiを0.01〜1.0%添加するのが好ましいのである。
その添加量が0.01%ではその効果が十分でなく1.0%を超えるとその効果が飽和し、それ以上の添加は無意味なので0.01〜1.0%が望ましい。
【0016】
また挿入式の合わせ板方式に代えて母材の少なくとも一方に合わせ板材を用いる場合にはその全板厚は特に限定しない。この場合は継手を構成する主要メンバ−の母材の板厚は使用目的に応じて随時設定すれば良い。またアルミニウム合わせ板材を両方に用いても良い。
但しこの時の皮材厚さ及び中間材(ろう材)厚さは0.1から1.0mmが望ましい。
【0017】
重ね合わせ部材全体を加圧密着する程度は通常0.001MPa以上の圧力が必要である。
なお、この際荷重が0.1MPa以上過大だとろうの染み出しは切り込み部だけでなく板端部からも生じるようになる。これを防止するためには薄合わせ板の板端部の酸化膜を厚くさせるのが一方法であるが、そのための手段としては合わせ板の切断にレーザー、プラズマ。アーク等の溶融切断を行うのが望ましい。
【0018】
またその他の染み出し防止策として、重ね面周辺に薄箔を置いて周辺のみを強加圧になるようにして周辺より内部の溶融ろうが外部に染み出さないに様にするとか、合わせ板の端部をレーザー、アーク等により板厚方向全体を溶融し混合合金化してこの部分の融点をろう材単独の融点より高くする等が考えられる。
ろう接合の加熱をろう材の液相線温度以上にすのは、ろう接であるからはんだ材又はろう材を溶融させる必要があるからで、またその上限加熱温度をろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない範囲にするのは、ろう材以外の部材の変形・劣化を防止するためである。
【0019】
上記ろう材の液相線温度は通常380〜590℃になる。
このろう接合した部材の凝固は温度を下げて行うとか、そのろう接温度で長時間そのまま保持をして液相拡散凝固させて行っても良い。
この際、保持時間は特に制約はないが通常1〜10時間程度が好ましい。
1時間未満だと拡散が十分でなく10時間以上では拡散が十分でありそれ以上の加熱は無意味である。
【0020】
本発明のろう接合が大気中でかつ無フラックスの条件下で可能な理由については以下の通りと推定される。
即ち一般にアルミニウムのろう付けを可能にするためには溶融ろうの濡れを生じさせる事が必須条件になるが、この条件を満たすためにはろう付け加熱中でのろう材及び接合母材の酸化防止作用と酸化皮膜破壊作用が必要と考えられている。なおこの際、この両作用の感受性は特に溶融ろう材において高く、ろう材への制御は母材に対するより厳しくする必要があると考えられている。
このため現状のろう付け法では前述の如くこの酸化防止と酸化皮膜破壊とに対して真空中での加熱と同時にろう材へ添加したMgの蒸発現象を活用するとか(真空ろう付け)、非酸化性雰囲気でのフラックスを活用する(非酸化雰囲気での非腐食性フラックスろう付け法)とかが行われている。
これに対し本発明の大気中でかつ無フラックスの条件下での酸化防止は、図1、2に示す様に、感受性の高いろう材を3層のアルミニウム薄合わせ板材での芯材又は5層のアルミニウム薄合わせ板材での中間材又は3層合わせ板母材の中間材に用いて、大気による直接酸化を防止している事、および母材と皮材に対しては密着重ね継手のため大気による酸化が最小限に押さえられる事により達成されていると考えられる。
本発明ではろう材が表面に露出していないにもかかわらずろう付が可能なのは内面のろうが溶融時に皮材を侵食して表面に染み出し液状化する事によると考えられる。
この際侵食による表面液状化ろうの酸化防止は表面へ露出直後では酸化膜の成長が十分でない事および密着継手による酸化抑制が働くためと考えられる。
【0021】
一方、酸化膜破壊については不明な点があるが一応以下の通りと考えている。ろう材中のMgが微少な重ね空間で真空ろう付けと同様にアルミニウム酸化皮膜を蒸発還元する作用が働いている事によると考えられる。
この際Mgの供給は3層のアルミニウム薄合わせ板材では皮材と芯材(ろう材)のいずれか一つ以上にMgを添加しており、皮材のみの添加の場合には低融点ろう材が溶融時に皮材に侵入溶融化するエロージョンにより侵食して溶融ろう材中にMgが合金化されることにより行われる。
また5層のアルミニウム薄合わせ板材、あるいは3層合わせ板母材では、皮材、芯材、中間材(ろう材)のいずれか一つ以上にMgを添加しており、中間材(ろう材)にMgが添加されていなくてもろう材の溶融時に3層の説明と同様、皮材及び芯材に侵入溶融化のエロージョンにより侵食して溶融ろう材中にMgを合金化することにより、ろう材へのMg供給が行われる。
【0022】
またBiがMg含有母材に対する溶融ろう材の濡れ性劣化を防止する機構に附いては不明な点が多いが、一応以下の通りと考えられる。
即ちMg含有母材ではその表面酸化皮膜がMg系酸化皮膜からなるが、この場合には溶融ろう材中のMgによる上記酸化皮膜を還元する作用が働かなくなる。Biはこうした状況下でMg系酸化皮膜の巻き上げ剥離作用を有する(Materials Science and Technology、1999年4月号P419)ためと考えられる。
【0023】
【実施例】
実施例1
図5に示す様に短冊状アルミニウム合金板母材(3003:固相線温度643℃、板厚3mm、30mm×100mm)2枚の重ね部(寸法30mm×30mm)の界面に表1に示す3種類の3層構造のアルミニウム薄板材(皮材クラッド率両面各8%、板厚0.1mm、100mm×200mm)を各々挿入して図1(a)の様に組み合わせて短冊形重ね継手構造とした。この重ね部を0.05MPaになるように加圧して表1に示す温度の大気加熱炉中に投入した。その後5時間保持した後取り出して冷却させた。
尚、比較として重ね部界面に挿入する部材として、一般的なブレージングシート(皮材4004、芯材3003、その他緒元は上に同じ)を使用した以外は上記と同様にした短冊形重ね継手も作成した。
この短冊形重ね継手に対して引張剪断試験をしてその破断位置を調べた。その結果を表1に示す。
その結果、比較例は重ね部で剥離したのに対し、発明例は全て母材部で破断しており、本発明のろう付け法は良好な接合性を示す事が確認された。
【0024】
【表1】
Figure 0003701847
【0025】
実施例2
重ね部界面に挿入する部材として、表2に示す5層構造のアルミニウム合わせ薄板(クラッド率皮材両面各5%、中間材15%、0.1mm厚)を各々挿入して図1(b)の様に組み合わせた以外は実施例1と同じにして短冊形重ね継手を作成し、引張剪断試験した。その結果を同表2に示す。
【0026】
【表2】
Figure 0003701847
【0027】
その結果、発明例は全て母材部で破断しており、本発明のろう付け法は良好な接合性を示す事が確認された。
【0028】
実施例3
3層合わせ板母材(皮材1100:固相線温度646℃、中間材4004:液相線温度577℃、芯材3003:固相線温度642℃、クラッド率:皮材5%、中間材10%、板厚3mm、30mm×100mm)と非積層のアルミニウム合金板母材(3003、板厚3mm、30mm×100mm)とを図1(c)の様に組み合わせ、アルミニウム薄板材を挿入する代わりに重ね面(30mm×30mm)側に3層合わせ板母材の皮材側が位置する様にした以外は実施例1と同様にして短冊形重ね継手を作成し、引張剪断試験した。
その結果、破断は非積層のアルミニウム合金板母材側で生じて継手の損傷は認められなかった。
このように、本発明のろう付け法は良好な接合性を示す事が確認された。
【0029】
【発明の効果】
この発明によれば真空炉とか気密性の雰囲気炉の高価設備が不要であり、またフラックスとか不活性ガスの消耗もなく低コストであり、かつろう付け組立て時に挟み込むだけの作業簡便性に優れたろう付けが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のろう付け法における各構成部材の組み合わせを示す。
アルミニウム母材間に3層のアルミニウム薄合わせ板材を挿入する場合の構成配置を図1(a)に、
アルミニウム母材間に5層のアルミニウム薄合わせ板材を挿入する場合の構成配置を図1(b)に、
一方のアルミニウム母材として3層の合わせ板母材を用いる場合の構成配置を図1(c)に、
両方のアルミニウム母材として3層の合わせ板母材を用いる場合の構成配置を図1(d)に、各々示す。
【図2】アルミニウム薄板材の積層構造を示す模式図である。
3層のアルミニウム薄合わせ板材の積層構造を図2(a)に、
5層のアルミニウム薄合わせ板材の積層構造を図2(b)に、
3層の合わせ板母材の積層構造を図2(c)に、各々示す。
【図3】ろう材の染み出しと溶融ろうの濡れ拡がりの模式図である。
【図4】実施例に用いた短冊形重ね継手の外観図である。
【符号の説明】
1 母材
2 アルミニウム薄合わせ板材
3 芯材
4 皮材
5 中間材
6 3層合わせ板母材
7 酸化膜

Claims (3)

  1. 複数のアルミニウム母材の重ね合わせ界面に予めアルミニウム薄合わせ板材を挿入して行うアルミニウムの重ねろう付けにおいて、アルミニウム薄合わせ板材が3層構造の薄合わせ板材からなり、その芯材は融点が600℃以下のろう材からなり、その両皮材は芯材より融点の高いアルミニウム合金からなり、かつ少なくとも皮材と芯材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%(mass%、以下同じ)あるいは更にBiを0.01〜1%添加しており、重ね合わせた部材全体を加圧密着した状態で、ろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない範囲に加熱する事を特徴とするアルミニウム合金の大気中無フラックス重ねろう付け法。
  2. 複数のアルミニウム母材の重ね合わせ界面に予めアルミニウム薄合わせ板材を挿入して行うアルミニウムの重ねろう付けにおいて、アルミニウム薄合わせ板材が5層構造の薄合わせ板材からなり、その両皮材と芯材との中間材は融点が600℃以下のろう材からなり、その両皮材と芯材は中間材より融点の高いアルミニウム合金からなり、かつ少なくとも皮材と芯材と中間材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%あるいは更にBiを0.01〜1%添加しており、重ね合わせた部材全体を加圧密着した状態で、ろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない範囲に加熱する事を特徴とするアルミニウム合金の大気中無フラックス重ねろう付け法。
  3. 2つのアルミニウム母材同士を重ねろう付けするに際し、少なくとも一方のアルミニウム母材に芯材の片面側に皮材と中間材を設けた3層合わせ板母材を用い、合わせ板母材の中間材には融点が600℃以下のろう材を用い、皮材および芯材は中間材より融点が高いアルミニウム合金からなり、かつ少なくとも芯材と皮材と中間材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%あるいは更にBiを0.01〜1%添加しており、合わせ板母材の皮材面を重ね合わせ界面側に配置して、アルミニウム板母材同士を加圧密着した状態で、ろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない範囲に加熱する事を特徴とするアルミニウム合金の大気中無フラックス重ねろう付け法。
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