JP3857444B2 - 半導体集積回路装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体メモリ部をチップ内部で自己検査する、いわゆるビルトインセルフテストを実施できる機能回路(以下、BIST回路という)を内蔵した半導体集積回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路装置の高密度化、高集積化の要求から、複数の機能ブロックを単一のチップ内に集積したLSIの普及が著しい。特に、最近では、大規模ロジック回路と大規模DRAMとを同一チップ内に集積化した混載LSIが注目されている。これに伴い、各機能ブロックをチップ内部で自己検査するBIST回路の検討が盛んに行われている。
【0003】
一般に、このBIST回路は、予めパターン化された所定の自己検査データをメモリ部に書き込んだ後、この自己検査データをメモリ部から読み出し、比較回路でこの読み出した自己検査データとメモリ部に書き込む前の自己検査データとを比較して両者の一致、不一致を調べ、これによって、メモリ部に対して正常にデータの読み書きが可能であるか否かを検査する。
【0004】
ところが、このように、メモリ部へ書き込んだ自己検査データと、書き込み前の自己検査データとを比較回路で直接に比較する構成にすると、メモリ部のデータバス幅(ビット数)が増加するのに従って比較回路の回路規模が増加し、その結果、チップ上に占めるBIST回路の面積が大きくなって、上述した高密度化、高集積化の要求に沿わなくなってしまう。また、比較回路の回路規模の増大に伴って、比較結果が出るまでに時間がかかり、高速クロックで動作するメモリ部を短時間で検査することが困難となる。
【0005】
そこで、本出願人は、上記のような問題を解消するために、図5に示すようなBIST回路を備えた半導体集積回路装置を提案している(たとえば、特願平10−062745号参照)。
【0006】
この半導体集積回路装置は、DRAM等からなるメモリ部1を有するとともに、このメモリ部1に対してBIST回路20が設けられている。なお、ここでは説明の都合上、メモリ部1は、4Mビットの記憶容量をもち、8ビット単位でデータの書き込み、読み出しが行われるものとするが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
上記のBIST回路20は、アドレス発生器4、データジェネレータ6、メモリ制御信号発生器8、比較回路10、およびミキサ回路12を主体に構成されている。
【0008】
アドレス発生器4は、図示しない複数のカウンタを組み合わせて構成されており、外部から与えられるクロックによって次の各種信号を発生する。すなわち、アドレス発生器4は、メモリ部1に対して自己検査データを読み書きするためのアドレスデータを発生するとともに、メモリ部1を動作させるための内部クロック(以下、ICLKと表記する)を発生する。また、メモリ制御信号生成用の位相信号を発生し、さらに、自己検査データ生成用のコントロール信号を発生する。
【0009】
上記のコントロール信号には2種類あって、予めパターン化された所定ビット(ここでは8ビット)からなる自己検査データがデータジェネレータ6から出力される周期でレベルが交互に反転するパターンコントロール信号(以下、PATCNT信号と表記する)と、メモリ部1の4Mビット分の全記憶領域に自己検査データが書き込まれるたびにレベルが交互に反転する(換言すれば、メモリ部1の全アドレスをアクセスする周期でレベルが反転する)リバースコントロール信号(以下、REVCNT信号と表記する)とがある。そして、PATCNT信号とREVCNT信号とは、データジェネレータ6と比較回路10とにそれぞれ共通に与えられ、また、REVCNT信号は単独でミキサ回路12に与えられるようになっている。
【0010】
データジェネレータ6は、アドレス発生器4からのPATCNT信号およびREVCNT信号に入力に応じて、たとえば図8に示すようなパターン化された自己検査データを発生する。すなわち、PATCNT信号がレベル反転するたびに、これに応じて“0”、“1”がレベル反転された自己検査データが交互に出力される。しかも、REVCNT信号がレベル反転するたびに(つまり、全アドレスをアクセスする周期で)、今回と前回の自己検査データの出力パターンが反転される。
【0011】
メモリ制御信号発生器8は、前述のアドレス発生器4からのメモリ制御信号生成用の位相信号を受けてメモリ部1への自己検査データの書き込みおよび読み出し動作を制御するためのメモリ制御信号を発生する。このメモリ制御信号としては、ローアドレスストローブ信号(RAS)、カラムアドレスストローブ信号(CAS)、ライトイネーブル信号(WE)、出力イネーブル信号(OE)などがある。さらに、データラッチ用のクロック(以下、DLCKと表記する)を発生し、これを比較回路10に出力する。
【0012】
上述したように、メモリ部1に書き込まれる自己検査データは、ランダムなパターンではなくて、図8に示したような単純なパターンの繰り返しであるため、比較回路10は、メモリ部1から読み出される自己検査データがPATCNT信号およびREVCNT信号に対応した所定のデータパターンと一致しているか否かを判定し、その判定結果として一致しておればパス(良好)、不一致であればフェイル(不良)を示すフラグ信号(以下、RECOG信号と表記する)を出力するようになっている。すなわち、メモリ部1から読み出された自己検査データのパターンが、図8に示したPATCNT信号およびREVCNT信号の組み合わせによって決まるデータパターンに一致しておればRECOG信号はパスを示すローレベル、不一致であればRECOG信号はフェイルを示すハイレベルとなる。
【0013】
図6は比較回路10の具体的な構成を示すブロック図である。
【0014】
この比較回路10は、メモリ部1から読み出される自己検査データ(ここでは8ビット)について、各ビットを一つ飛びで入力する一対のナンドゲート20a,20bおよび一対のオアゲート22a,22b、各々のナンドゲート20a,20bとオアゲート22a,22bの出力を入力する一対のオアゲート24a,24b、PATCNT信号とREVCNT信号を共に入力するイクスクリューシブオアゲート26、このイクスクリューシブオアゲート26の出力に基づいて上記の各オアゲート24a,24bのいずれか一方の出力を選択するセレクタ28、およびこのセレクタ28の出力をメモリ制御信号発生器8から与えられるDCLKに同期してラッチするDフリップフロップ30から構成されている。
【0015】
ミキサ回路12は、図7に示すようなイクスクリューシブオアゲート32で構成されており、比較回路10から出力されるRECOG信号と前述のREVCNT信号とを共に入力して両者の排他的論理和をとって検査結果信号(以下、MOUT信号と表記する)として出力する。
【0016】
次に、上記構成を備えた半導体集積回路装置において、メモリ部1を検査する場合のBIST回路20の動作について説明する。
【0017】
アドレス発生器4は、外部クロックの入力に応じて、メモリ部1に対して自己検査データを読み書きするためのアドレスデータ、メモリ部1を動作させるためのICLKをそれぞれ発生する。また、メモリ制御信号生成用の位相信号を発生しこれをメモリ制御信号発生器8に供給する。さらに、自己検査データ生成用のPATCNT信号およびREVCNT信号を発生する。
【0018】
PATCNT信号は、図9に示すように、予めパターン化された所定ビット(ここでは8ビット)からなる自己検査データがデータジェネレータから出力される周期Tpでレベルが交互に反転する。また、REVCNT信号は、同じく図9に示すように、全アドレスをアクセスする周期Trで(つまり、この例では4Mビット分の自己検査データが全てメモリ部に書き込まれるごとに)レベルが反転する。そして、PATCNT信号とREVCNT信号とは、データジェネレータ6と比較回路10とにそれぞれ共通に供給され、また、REVCNT信号は単独でミキサ回路12に与えられる。
【0019】
メモリ制御信号発生器8は、アドレス発生器4からの位相信号を受けてメモリ制御信号(RAS、CAS、WE、OE)を発生しこれらメモリ部1に供給するとともに、比較回路10に対してデータラッチ用のDCLKを供給する。
【0020】
データジェネレータ6は、アドレス発生器4からのPATCNT信号およびREVCNT信号に入力に応じて、図8に示すようなパターン化された自己検査データを発生する。
【0021】
すなわち、REVCNT信号とPATCNT信号が共にローレベルのときには、最上位ビット側から“10101010”なる自己検査データが出力される。REVCNT信号がローレベルで、PATCNT信号がハイレベルのときには、最上位ビット側から“01010101”なる自己検査データが出力される。REVCNT信号がハイレベルで、PATCNT信号がローレベルのときには、最上位ビット側から“01010101”なる自己検査データが出力される。REVCNT信号とPATCNT信号が共にハイレベルのときには、上記とはレベル反転された最上位ビット側から“01010101”なる自己検査データが出力される。
【0022】
したがって、データジェネレータ6から供給される自己検査データは、メモリ部1において、次のような状態で書き込まれることになる。
【0023】
たとえば、同じ行番号のアドレスでかつ8ビット分のメモリセル内では隣り合うビットが互いに反転したデータとなり、この8ビット分のメモリセルの上下左右にそれぞれ隣接する8ビットごとのメモリセルのデータは、このデータパターンを反転したデータが書き込まれている。たとえば、ある8ビット分のメモリセルに対して、自己検査データとして“10101010”が書き込まれているときには、このメモリセルの上下左右にそれぞれ隣接した8ビット分のメモリセルには“0101010”の自己検査データが書き込まれている。また、今回、メモリ部1に4Mビット分の自己検査データが書き込まれると、次回にメモリ部1に書き込まれる4Mビット分の自己検査データのパターンは、今回メモリ部1に自己検査データを書き込んで得られたパターンの“0”、“1”を丁度逆にしたパターンとなる。
【0024】
データジェネレータ6からの自己検査データがメモリ部1の全記憶領域に書き込まれると、メモリ部1からは、書き込んだときと同じアドレスから自己検査データが読み出され、この自己検査データが8ビット単位に順次比較回路10に入力される。
【0025】
比較回路10には、メモリ部1から8ビット単位で順次読み出される自己検査データ、アドレス発生器4からのPATCNT信号とREVCNT信号、およびメモリ制御信号発生器8からのデータラッチ用のDCLKが共に入力されるが、これらの各信号は同期がとれている。
【0026】
そして、図8から分かるように、REVCNT信号とPATCNT信号とが共にローレベルのとき(図8の状態1の場合)、あるいは共にハイレベルのとき(図8の状態4の場合)には、メモリ部1から読み出される自己検査データは、パスの場合、最上位ビット側から“10101010”となる。また、このとき、イクスクリューシブオアゲート26の出力はローレベルとなるが、これに応じてセレクタ28は一方のオアゲート24aの出力を選択する。このとき、ノアゲート20aの出力とオアゲート22bの出力とで決まるオアゲート24aの出力はローレベルとなっている。また、メモリ部1から読み出された自己検査データ“10101010”の内の1ビット分でも誤りがあれば、オアゲート24aの出力はハイレベルとなる。そして、このオアゲート24aの出力がセレクタ28を通じてDフリップフロップ30に入力されてDCLKの入力タイミングでRECOG信号としてラッチされる。したがって、メモリ部1から読み出された自己検査データのパターンが、図8に示したREVCNT信号とPATCNT信号との組み合わせによって決まるデータパターン“10101010”に一致しておればRECOG信号はパスを示すローレベルに、不一致であればRECOG信号はフェイルを示すハイレベルとなる。
【0027】
一方、REVCNT信号がローレベルでPATCNT信号がハイレベルのとき(図8の状態2の場合)、あるいはREVCNT信号がハイレベルでPATCNT信号がローレベルのとき(図8の状態3の場合)には、メモリ部1から読み出される自己検査データは、パスの場合、最上位ビット側から“01010101”となる。また、このとき、イクスクリューシブオアゲート26の出力はハイレベルとなるが、これに応じてセレクタ28は他方のオアゲート24bの出力を選択する。このとき、ノアゲート20bの出力とオアゲート22aの出力とで決まるオアゲート24bの出力はローレベルとなっている。また、メモリ部1から読み出された自己検査データ“01010101”の内の1ビット分でも誤りがあれば、オアゲート24bの出力はハイレベルとなる。そして、このオアゲート24bの出力がセレクタ28を通じてDフリップフロップ30に入力されてDCLKの入力タイミングでRECOG信号としてラッチされる。したがって、この場合も、メモリ部1から読み出された自己検査データのパターンが、図8に示したPATCNT信号およびREVCNT信号の組み合わせによって決まるデータパターン“01010101”に一致しておればRECOG信号はパスを示すローレベル、不一致であればRECOG信号はフェイルを示すハイレベルとなる。
【0028】
以上により、図9に示すように、メモリ部1から読み出される自己検査データのパターンが、PATCNT信号およびREVCNT信号の組み合わせによって決まるデータパターンと一致するパス状態が維持されれば、比較回路10から出力されるRECOG信号はローレベルが継続され、パターンの1ビットでも不一致になるフェイル状態になるとRECOG信号はそのたびに局部的にハイレベルになる(図9の時刻t1,t2,t3など)。
【0029】
こうして、比較回路10から出力されるRECOG信号は、ミキサ回路12に入力され、ここでRECOG信号とアドレス発生器4からのREVCNT信号との排他的論理和がとられて、MOUT信号として出力される。
【0030】
したがって、このMOUT信号は、図9に示すように、比較回路10からのRECOG信号がパス状態を示すときには、RECOG信号と全く同じ信号波形、つまり、常にメモリ部1の全アドレスをアクセスする周期Trでレベル反転する波形をもつ信号となる。また、比較回路10からのRECOG信号がフェイル状態を示すときには、RECOG信号の波形が局部的にハイレベルあるいはローレベルに変化する信号となる。
【0031】
このように、本出願人が提案した図5ないし図7に示した構成の半導体集積回路装置は、BIST回路20に比較回路10を設け、メモリ部1から読み出された自己検査データが、コントロール信号に対応した所定のデータパターンと合致しているかどうかによってパスかフェイルかを判定したRECOG信号を出力するので、つまり、従来のようにメモリ部1に対して読み書きする前後の自己検査データを直接比較してパス/フェイルを判定するのではないため、比較回路10において、メモリ部1の自己検査をするのに必要なデータ量を減らすことが可能となる。したがって、比較回路10の回路規模の削減やゲート段数を減らすことが可能となり、高速動作での検査を容易に行うことができる。
【0032】
また、ミキサ回路12を設けてそのMOUT信号出力が常に一定の周期Trで反転動作を行うようにしているので、BIST回路20の内部が正常に動作していることを確認することができる。さらに、メモリ部1の一部が故障してフェイルと判定されたときには、、MOUT信号の周期的に変化する波形の一部が局部的に不規則に変化するので、その周期的な波形と不規則な変化を起こした波形とのタイミングの差異から故障したアドレスを推定することが可能であり、メモリ部1の自己検査のための構成を簡略化できるなどの利点が得られる。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本出願人は、図5に示した構成の半導体集積回路装置において、BIST回路20について鋭意検討したところ、さらに改善の余地があるとの知見を得た。
【0034】
すなわち、図5に示した構成の装置において、メモリ部1がパスかフェイルかを判定するためには、ミキサ回路12の出力部に検査機器を接続することになるが、この場合、ミキサ回路12から出力されるMOUT信号は、図9に示したように、波形がリアルタイムで変化するので、メモリ部1のパス/フェイルの判断のためには、メモリ部1の全記憶領域をアクセスしている間中、検査機器は、常時、ミキサ回路12の出力であるMOUT信号を監視しておく必要に迫られる。
【0035】
特に、モニタバーイン検査を実施する場合には、一定時間が経過するたびに(つまり、一定の時間間隔で)パス/フェイルの判断を行うが、その場合、検査機器においては、実質的な検査以外の時間においても、常時、ミキサ回路12の出力を監視しておくのは余分な時間を浪費することになって効率的ではない。
【0036】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、メモリ部をチップ内部で自己検査するBIST回路を内蔵した半導体集積回路装置において、メモリ部のパス/フェイルの判定を、従来のようにミキサ回路の出力を常時監視しなくても、メモリ部の全記憶領域をアクセスした後の任意のタイミングにおいてチェックするだけで済むようにして、検査効率を高めることを課題とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため、次の構成を採用している。
【0038】
すなわち、請求項1記載の半導体集積回路装置は、外部クロックに同期して動作するメモリ部と、このメモリ部の良否を自己検査するBIST回路とを備え、前記BIST回路は、外部クロックの入力に応じて前記メモリ部の自己検査用のアドレスデータ、コントロール信号、および位相信号をそれぞれ発生するアドレス発生器と、前記アドレス発生器から出力される前記コントコール信号に対応した所定のデータパターンをもつ自己検査データを発生するデータジエネレータと、前記アドレス発生器から出力される前記位相信号を受けて前記メモリ部のアクセス動作制御用のメモリ制御信号を発生するメモリ制御信号発生器と、前記メモリ部からアドレス発生器のアドレス指定により読み出された自己検査データのデータパターンを、前記アドレス発生器からの前記コントロール信号に対応した所定のデータパターンと比較して、両者が一致しているか否かを判定し、その判定結果としてパス/フェイルフラグ信号を出力する比較回路と、この比較回路から出力されるパス/フェイルフラグ信号を記憶する判定記憶回路とを備えている。
【0039】
この請求項1記載の判定記憶回路としては、請求項2記載のように、前記パス/フェイルフラグ信号をラッチするフリップフロップと、前記パス/フェイルフラグ信号がフリップフロップでラッチされたタイミングに応じてフリップフロップへのパス/フェイルフラグ信号の入力を阻止するゲート回路とで構成することができる。
【0040】
請求項3記載の半導体集積回路装置は、外部クロックに同期して動作するメモリ部と、このメモリ部の良否を自己検査するBIST回路とを備え、このBIST回路は、外部クロックの入力に応じて前記メモリ部の自己検査用のアドレスデータ、コントロール信号、および位相信号をそれぞれ発生するアドレス発生器と、前記アドレス発生器から出力される前記コントコール信号に対応した所定のデータパターンをもつ自己検査データを発生するデータジエネレータと、前記アドレス発生器から出力される前記位相信号を受けて前記メモリ部のアクセス動作制御用のメモリ制御信号を発生するメモリ制御信号発生器と、前記メモリ部からアドレス発生器のアドレス指定により読み出された自己検査データのデータパターンを、前記アドレス発生器からの前記コントロール信号に対応した所定のデータパターンと比較して、両者が一致しているか否かをモリ実出力データのパス/フェイルを判定し、その判定結果としてパス/フェイルフラグ信号を出力する比較回路と、前記アドレス発生器から出力される前記コントロール信号に応じて前記比較回路の出力レベルを周期的に反転させて検査結果信号として出力するミキサ回路と、このミキサ回路の検査結果信号を記憶する判定記憶回路とを備えている。
【0041】
この請求項3記載の判定記憶回路としては、請求項4記載のように、前記ミキサ回路からの検査結果信号と前記アドレス発生器からの前記コントロール信号との排他的論理和をとるイクスクリューシブオアゲートと、このイクスクリューシブオアゲートの出力をラッチするフリップフロップと、前記イクスクリューシブオアゲートの出力がフリップフロップでラッチされたタイミングに応じてフリップフロップへの検査結果信号の入力を阻止するゲート回路とで構成することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0043】
図1は、この実施の形態に係る半導体集積回路装置の全体な基本構成を示すブロック図であり、図5に示した従来のものと対応する部分には、同一の符号を付す。
【0044】
図1において、1はメモリ部、2はBIST回路、4はアドレス発生器、6はデータジェネレータ、8はメモリ制御信号発生器、10は比較回路、12はミキサ回路であり、これらの構成は図5に示したものと同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0045】
この実施の形態の特徴は、比較回路10から出力されるRECOG信号を記憶する判定記憶回路40が設けられていることである。
【0046】
この判定記憶回路40は、図2に示すように、比較回路10から出力されるRECOG信号をラッチするDフリップフロップ42と、RECOG信号がDフリップフロップ42でラッチされたタイミングに応じてフリップフロップ42へのRECOG信号の入力を阻止するゲート回路としてのオアゲート44とからなる。
【0047】
そして、Dフリップフロップ42は、そのリセット端子Rに対して図示しない検査機器からの判定記憶イネーブル信号(以下、JEN信号と表記する)が、また、そのクロック端子CKに外部クロックがそれぞれ加わるようになっている。さらに、Dフリップフロップ42の正転出力部(Q)がオアゲート44の一方の入力端子に接続されている。
【0048】
次に、図1の構成の半導体集積回路装置において、メモリ部1を検査する場合のBIST回路2の動作、特に、ここでは判定記憶回路40の動作を主体に、図3に示すタイミングチャートを参照して説明する。
【0049】
図1の装置において、BIST回路2のアドレス発生器4、データジェネレータ6、メモリ制御信号発生器8、比較回路10、およびミキサ回路12の動作は、図5に示したものと全く同じである。
【0050】
したがって、比較回路10においては、図9に示したように、メモリ部1から読み出される自己検査データのパターンが、PATCNT信号およびREVCNT信号の組み合わせによって決まるデータパターンと一致するパス状態が維持されれば、RECOG信号は継続してローレベルとなり、また、パターンの1ビットでも不一致になるフェイル状態になるとRECOG信号はそのたびに一時的にハイレベルになる(図9の時刻t1,t2,t3など)。
【0051】
また、ミキサ回路についても、図9に示したように、比較回路10からのRECOG信号がパス状態を示すときには、MOUT信号は、RECOG信号と全く同じ信号波形、つまり、常にメモリ部1の全アドレスをアクセスする周期Trでレベル反転する波形となる。また、比較回路10からのRECOG信号がフェイル状態を示すときには、MOUT信号は、RECOG信号の波形が局部的にハイレベルあるいはローレベルに変化する。
【0052】
ここで、たとえば、モニタバーイン検査を実施する場合には、一定時間が経過するたびにパス/フェイルの判断を行う必要があるが、そのときには、図外の検査機器からDフリップフロップ42のリセット端子Rに加わえるJEN信号を一時的にローレベルにする(図3の時刻t1)。
【0053】
これにより、Dフリップフロップ42がリセットされてその正転出力部Qがローレベルになる。これに伴い、オアゲート44が開かれるため、比較回路10からのRECOG信号がDフリップフロップ42へ入力されるのが許容された状態になる。
【0054】
ここで、メモリ部1から読み出される自己検査データのパターンが比較回路10に予め設定されているデータパターンに常に一致していおれば(つまり、パス状態が維持されておれば)、比較回路10から出力されるRECOG信号は、図9に示したように常にローレベルとなるため、Dフリップフロップ42の正転出力部Qの出力JFLAGもそのままローレベルが維持される。
【0055】
しかし、メモリ部1から読み出される自己検査データのパターンが、比較回路10に予め設定されているデータパターンと1ビットでも不一致になると(つまり一時でもフェイル状態になると)、図9に示したように、RECOG信号はその不一致のときにハイレベルになる。そして、ハイレベルのRECOG信号がDフリップフロップ42に加わった時点で、外部クロック入力があると、そのRECOG信号がDフリップフロップ42でラッチされ、その結果、正転出力部Qの出力JFLAGはハイレベルになる(図3の時刻t2)。つまり、比較回路10でフェイル状態であると判定された情報が判定記憶回路40に記憶されたことになる。同時に、オアゲート44のゲート出力はDフリップフロップ42のハイレベル出力を受けてハイレベルが出力され、以降はRECOG信号を受付なくなる。
【0056】
したがって、図外の検査機器においては、次回のモニタバーイン検査を実施する前に、つまり、従来のようにミキサ回路12の出力を常時監視しなくても、JEN信号をローレベルにしてDフリップフロップ42をリセットする前の任意の時刻において、Dフリップフロップ42の正転出力部Qの出力JFLAGがローレベルかハイレベルかを調べることで、メモリ部1のパス/フェイルの判定を行うことができる。
【0057】
なお、上記の実施の形態では、比較回路から出力されるRECOG信号を判定記憶回路40で記憶するようにしているが、たとえば、図4に示すように、ミキサ回路12から出力されるMOUT信号を記憶する判定記憶回路50を設けることもできる。
【0058】
すなわち、図4に示す判定記憶回路50は、ミキサ回路12の出力であるMOUT信号とアドレス発生器4からのREVCNT信号との排他的論理和をとるイクスクリューシブオアゲート52と、このイクスクリューシブオアゲート52の出力をラッチするDフリップフロップ54と、Dフリップフロップ54で信号がラッチされたタイミングに応じてDフリップフロップ54への信号入力を阻止するオアゲート56とからなる。
【0059】
この構成においては、イクスクリューシブオアゲート52でMOUT信号とREVCNT信号との排他的論理和がとられる結果、その出力は、比較回路10から出力されるRECOG信号の信号波形と同じになる。したがって、Dフリップフロップ54とオアゲート56の動作は、図2に示した構成の判定記憶回路40におけるDフリップフロップ42とオアゲート44の動作と全く同じになる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、メモリ部をチップ内部で自己検査するBIST回路を内蔵した半導体集積回路装置において、メモリ部のパス/フェイルの判定を、従来のようにミキサ回路の出力を常時監視しなくても、メモリ部の全記憶領域をアクセスした後の任意のタイミングにおいてチェックするだけで済むため、検査効率を高めることができる。
【0061】
特に、一定の時間間隔でモニタが必要となるモニタバーイン検査を実施する場合に有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す半導体集積回路装置のブロック図
【図2】図1の装置の判定記憶回路の具体例を示すブロック図
【図3】図1の装置の動作説明に供するタイミングチャート
【図4】本発明の他の実施の形態を示す半導体集積回路装置のブロック図
【図5】従来の半導体集積回路装置のブロック図
【図6】図5の装置における比較回路の詳細を示すブロック図
【図7】図5の装置におけるミキサ回路の詳細を示すブロック図
【図8】図5の装置においてアドレス発生器から出力されるコントロール信号とデータジェネレータから出力される自己検査データとの関係を示す説明図
【図9】図5の装置における動作説明に供するタイミングチャート
【符号の説明】
1…メモリ部、2…BIST回路、4…アドレス発生器、6…データジェネレータ、8…メモリ制御信号発生器、10…比較回路、12…ミキサ回路、40,50…判定記憶回路、42…Dフリップフロップ、44…オアゲート、52…イクスクリューシブオアゲート、54…Dフリップフロップ、56…オアゲート。

Claims (4)

  1. 外部クロックに同期して動作するメモリ部と、このメモリ部の良否を自己検査するBIST回路とを備えた半導体集積回路装置において、
    前記BIST回路は、
    外部クロックの入力に応じて前記メモリ部の自己検査用のアドレスデータ、コントロール信号、および位相信号をそれぞれ発生するアドレス発生器と、
    前記アドレス発生器から出力される前記コントコール信号に対応した所定のデータパターンをもつ自己検査データを発生するデータジエネレータと、
    前記アドレス発生器から出力される前記位相信号を受けて前記メモリ部のアクセス動作制御用のメモリ制御信号を発生するメモリ制御信号発生器と、
    前記メモリ部からアドレス発生器のアドレス指定により読み出された自己検査データのデータパターンを、前記アドレス発生器からの前記コントロール信号に対応した所定のデータパターンと比較して、両者が一致しているか否かを判定し、その判定結果としてパス/フェイルフラグ信号を出力する比較回路と、
    この比較回路から出力されるパス/フェイルフラグ信号を記憶する判定記憶回路と、
    を備えることを特徴とする半導体集積回路装置。
  2. 請求項1記載の半導体集積回路装置において、
    前記判定記憶回路は、
    前記パス/フェイルフラグ信号をラッチするフリップフロップと、
    前記パス/フェイルフラグ信号がフリップフロップでラッチされたタイミングに応じてフリップフロップへのパス/フェイルフラグ信号の入力を阻止するゲート回路と、
    からなることを特徴とする半導体集積回路装置。
  3. 外部クロックに同期して動作するメモリ部と、このメモリ部の良否を自己検査するBIST回路とを備えた半導体集積回路装置において、
    前記BIST回路は、
    外部クロックの入力に応じて前記メモリ部の自己検査用のアドレスデータ、コントロール信号、および位相信号をそれぞれ発生するアドレス発生器と、
    前記アドレス発生器から出力される前記コントコール信号に対応した所定のデータパターンをもつ自己検査データを発生するデータジエネレータと、
    前記アドレス発生器から出力される前記位相信号を受けて前記メモリ部のアクセス動作制御用のメモリ制御信号を発生するメモリ制御信号発生器と、
    前記メモリ部からアドレス発生器のアドレス指定により読み出された自己検査データのデータパターンを、前記アドレス発生器からの前記コントロール信号に対応した所定のデータパターンと比較して、両者が一致しているか否かをモリ実出力データのパス/フェイルを判定し、その判定結果としてパス/フェイルフラグ信号を出力する比較回路と、
    前記アドレス発生器から出力される前記コントロール信号に応じて前記比較回路の出力レベルを周期的に反転させて検査結果信号として出力するミキサ回路と、
    このミキサ回路の検査結果信号を記憶する判定記憶回路と、
    を備えることを特徴とする半導体集積回路装置。
  4. 請求項3記載の半導体集積回路装置において、
    前記判定記憶回路は、
    前記ミキサ回路からの検査結果信号と前記アドレス発生器からの前記コントロール信号との排他的論理和をとるイクスクリューシブオアゲートと、
    このイクスクリューシブオアゲートの出力をラッチするフリップフロップと、
    前記イクスクリューシブオアゲートの出力がフリップフロップでラッチされたタイミングに応じてフリップフロップへの検査結果信号の入力を阻止するゲート回路と、
    からなることを特徴とする半導体集積回路装置。
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