JP3857028B2 - デジタル・アナログ変換回路及びそれを用いた再生装置 - Google Patents
デジタル・アナログ変換回路及びそれを用いた再生装置 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はΔΣ変調器を用いたデジタル・アナログ変換回路及びそれを用いた再生装置に関し、特に、オーバーサンプリングを用いた、音声・オーディオ機器等で用いられるΔΣ型デジタル・アナログ変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル音声・オーディオ技術の分野等では、マルチビットのデジタル信号をデルタ−シグマ(ΔΣ)変調することで、ビット数の低減したデジタル信号に変換し、このビット数の低減したデジタル信号をアナログ信号へと変換するデジタル・アナログ変換方式が一般に用いられている。
【0003】
このΔΣ変調型デジタル・アナログ変換方式を用いると、量子化ノイズを高域側に集中させて可聴帯域内のノイズを低減させる事により、可聴帯域のSNを向上させることができる。
【0004】
一般にこのΔΣ変調器は、複数の積分器と複数の加算器及び量子化器から構成される。ΔΣ変調器につき図1及び図2を参照して説明する。図1は2次ΔΣ変調器の構成を、図2は図1中の積分器12、積分器14の構成を示す。
【0005】
例として、図1において、入力dinが16ビット、出力doutが1ビットの場合を説明する。入力dinは加算器11により、量子化器15の出力との差分が演算され、この差分が積分器12により積分されていく。さらに、この積分器12の出力は加算器13により、量子化器15の出力との差分が演算され、この差分が積分器14により積分されていく。そして、この積分器14の出力は量子化器15に入力され、量子化器15では入力の極性判定を行い、量子化器(15)入力≧0なら+1出力に相当する1を、量子化器(15)入力<0なら−1出力に相当する0を出力する。
【0006】
この量子化器15の出力はdoutになるとともに、加算器11及び加算器13へのフィードバック信号となる。つまり、このフィードバック信号は加算器11,13に対して負帰還がかかることとなる。出力doutはアナログ1ビットDACに入力され、1ビットDACでは+1の場合は出力電圧を上昇させ、−1の場合は出力電圧を下降させる。以上のループを繰り返すことで、入力dinの振幅変化に対して1ビットDAC出力電圧が追従していくこととなる。
【0007】
ここで、dinは16ビット幅なので+(215−1)から−215の入力振幅幅を持つ。また、量子化器15の出力が1の場合は215が、0の場合は−215が加算器11及び加算器13へフィードバックされ減算される。
【0008】
以上のように構成されたΔΣ変調器1において、入力dinがしばらく入っていた後、入力dinが無くなった場合(無音時)の動作を考える。
【0009】
入力dinが”0”となることから、積分器12に保持されている量子化誤差値が±215以内になった時点で、それ以上保持している誤差値が減少することは無くなり、入力dinが無音状態の間、積分器12はある一定の誤差値を保持することとなる。そして、この積分器12の誤差値は積分器14の入力となっているため、積分器14はこの誤差値を積分していくこととなり、積分器14の出力は積分器12が保持している量子化誤差分ずつ、順次増加もしくは減少していくこととなる。この動作により、入力dinが無いにもかかわらず出力doutからある特定のノイズが発生することとなってしまう。
【0010】
従来、無音時を検出して1ビットDAC以降のアナログ部でミュートする方法や、同様に無音時を検出して積分器12及び積分器14に対してリセットをかけ、積分器の値を0にする等の方法がとられていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アナログ部でミュートする場合はミュート回路を付加しなければならず、回路の複雑化、コストアップという問題があった。また積分器にリセットをかける方法では、リセットをかけた時点で積分器の値が急に変化することから、この変化がノイズとなって現れるという問題があった。
【0012】
本発明は、これら問題点を解決するためになされたもので、ミュート回路の付加や積分器のリセットを行うこと無しに、簡単な回路を付加することで上記特定ノイズの発生を阻止することが可能な、デジタル・アナログ変換回路を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に記載の発明は、オーバサンプリングされたマルチビット入力信号をΔΣ変調することでビット数の低減したデジタル信号に変換するΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループと、前記ビット数の低減したデジタル信号をアナログ信号に変換する手段とを有するデジタル・アナログ変換回路であって、前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループは、複数の積分器と複数の加算器および量子化器から構成され、前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループ内に含まれる量子化誤差を保持する前記量子化器の入力側に縦続接続された積分器のそれぞれが、積分器入力信号とフィードバック処理手段の出力とを加算する加算器と、前記加算器出力を保持する遅延回路と、前記遅延回路出力を時系列的に蓄積する時系列値レジスタと、前記時系列値レジスタの出力パターンと量子化出力の符号ビットパターンとの比較を行う傾斜判定手段と、前記遅延回路の出力に基づき積分器が保持している量子化誤差が0であるかを判定する誤差値判定手段と、前記傾斜判定手段と誤差値判定手段との出力に応じて遅延回路に保持される値を増減させるためのフィードバック処理手段とを有することを特徴とする。
【0014】
この発明の請求項2に記載の発明は、前記傾斜判定手段は、前記時系列値レジスタの出力パターンを比較することで、前記マルチビット入力信号もしくは2段目以降の積分器の前段の積分器の出力信号の変化状態が、傾斜が緩やかであるかもしくは傾斜が無い状態を検出することを特徴とする。
【0015】
この発明の請求項3に記載の発明は、前記フィードバック処理手段は、前記傾斜判定手段と誤差値判定手段との出力に基づき積分器入力信号の傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が正である場合は遅延回路の値を減少させ、傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が負である場合は遅延回路の値を増加させ、それ以外では遅延回路の値は変更しないように処理を行うことを特徴とする。
【0016】
この発明の請求項4に記載の発明は、オーバサンプリングされたマルチビット入力信号をΔΣ変調することでビット数の低減したデジタル信号に変換するΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループと、前記ビット数の低減したデジタル信号をアナログ信号に変換する手段とを有するデジタル・アナログ変換回路であって、前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループは、複数の積分器と複数の加算器および量子化器から構成され、前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループ内に含まれる量子化誤差を保持する前記量子化器の入力側に縦続接続された積分器のうち最終段の積分器を除くそれぞれの積分器が、積分器入力信号とフィードバック処理手段の出力とを加算する加算器と、前記加算器出力を保持する遅延回路と、前記遅延回路出力を時系列的に蓄積する時系列値レジスタと、前記時系列値レジスタの出力パターンと量子化出力の符号ビットパターンとの比較を行う傾斜判定手段と、前記遅延回路の出力に基づき積分器が保持している量子化誤差が0であるかを判定する誤差値判定手段と、前記傾斜判定手段と誤差値判定手段との出力に応じて遅延回路に保持される値を増減させるためのフィードバック処理手段とを有することを特徴とする。
【0017】
この発明の請求項5に記載の発明は、前記傾斜判定手段は、前記時系列値レジスタの出力パターンを比較することで、前記マルチビット入力信号もしくは2段目以降の積分器の前段の積分器の出力信号の変化状態が、傾斜が緩やかであるかもしくは傾斜が無い状態を検出することを特徴とする。
【0018】
この発明の請求項6に記載の発明は、前記フィードバック処理手段は、前記傾斜判定手段と誤差値判定手段との出力に基づき積分器入力信号の傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が正である場合は遅延回路の値を減少させ、傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が負である場合は遅延回路の値を増加させ、それ以外では遅延回路の値は変更しないように処理を行うことを特徴とする。
【0019】
この発明の請求項7に記載の発明は、オーバサンプリングされたマルチビット入力信号をΔΣ変調することでビット数の低減したデジタル信号に変換するΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループと、前記ビット数の低減したデジタル信号をアナログ信号に変換する手段とを有するデジタル・アナログ変換回路であって、前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループは、複数の積分器と複数の加算器および量子化器から構成され、前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループ内に含まれる量子化誤差を保持する前記量子化器の入力側に縦続接続された積分器のそれぞれが、積分器入力信号とフィードバック処理手段の出力とを加算する加算器と、前記加算器出力を保持する遅延回路と、ΔΣ変調器の出力である前記ビット数の低減したデジタル信号出力を時系列的に蓄積する時系列値レジスタと、前記時系列値レジスタの出力パターンと量子化出力パターンとの比較を行う傾斜判定手段と、前記遅延回路の出力に基づき積分器が保持している量子化誤差が0であるかを判定する誤差値判定手段と、前記傾斜判定手段と誤差値判定手段との出力に応じて遅延回路に保持される値を増減させるためのフィードバック処理手段とを有し、前記フィードバック処理手段は、前記傾斜判定手段と誤差値判定手段で前記ビット数の低減したデジタル信号出力の傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が正である場合は遅延回路の値を減少させ、傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が負である場合は遅延回路の値を増加させ、それ以外では遅延回路の値は変更しないように処理を行うことを特徴とする。
【0020】
この発明の請求項8に記載の発明は、前記傾斜判定手段は、前記時系列値レジスタの出力パターンを比較することで、前記マルチビット入力信号もしくは2段目以降の積分器の前段の積分器の出力信号の変化状態が、傾斜が緩やかであるかもしくは傾斜が無い状態を検出することを特徴とする。
【0021】
この発明の請求項9に記載の発明は、オーバサンプリングされたマルチビット入力信号をΔΣ変調することでビット数の低減したデジタル信号に変換するΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループと、前記ビット数の低減したデジタル信号をアナログ信号に変換する手段とを有するデジタル・アナログ変換回路であって、前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループは、複数の積分器と複数の加算器および量子化器から構成され、前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループ内に含まれる量子化誤差を保持する前記量子化器の入力側に縦続接続された積分器のうち最終段の積分器を除くそれぞれの積分器が、積分器入力信号とフィードバック処理手段の出力とを加算する加算器と、前記加算器出力を保持する遅延回路と、ΔΣ変調器の出力である前記ビット数の低減したデジタル信号出力を時系列的に蓄積する時系列値レジスタと、前記時系列値レジスタの出力パターンと量子化出力パターンとの比較を行う傾斜判定手段と、前記遅延回路の出力に基づき積分器が保持している量子化誤差が0であるかを判定する誤差値判定手段と、前記傾斜判定手段と誤差値判定手段との出力に応じて遅延回路に保持される値を増減させるためのフィードバック処理手段とを有し、前記フィードバック処理手段は、前記傾斜判定手段と誤差値判定手段で前記ビット数の低減したデジタル信号出力の傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が正である場合は遅延回路の値を減少させ、傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が負である場合は遅延回路の値を増加させ、それ以外では遅延回路の値は変更しないように処理を行うことを特徴とする。
【0022】
この発明の請求項10に記載の発明は、前記傾斜判定手段は、前記時系列値レジスタの出力パターンを比較することで、前記マルチビット入力信号もしくは2段目以降の積分器の前段の積分器の出力信号の変化状態が、傾斜が緩やかであるかもしくは傾斜が無い状態を検出することを特徴とする。
【0023】
この発明の請求項11に記載の発明は、デジタル音楽データを入力する手段と、入力されたデジタルデータをPCM変調する手段と、PCM変調されたデータをオーバサンプリングしたマルチビット入力信号に基づきΔΣ変調器によりデジタル・アナログ変換する手段と、デジタル・アナログ変換する手段からの信号を増幅する手段と、を備えた再生装置において、デジタル・アナログ変換する手段に前記請求項1乃至10のいずれかに記載のデジタル・アナログ変換回路を用いたことを特徴とする。
【0024】
上記したように、この発明は、本来の積分器に簡単な回路を付加することにより、積分器に残っている誤差を0に収束させていくことで、入力信号が無くなった状態でもノイズの発生を押さえることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。本発明のデジタル・アナログ変換回路の基本構成は前述した図1と同様である。なお、図1において、実際のデータの流れとしては、積分器14での演算のオーバーフローを避けるために、加算器13には積分器12出力の1/2が入力されている。
【0026】
図4に図1で示した2次ΔΣ変調器において、入力dinが無入力状態で、積分器12および積分器14がリセット後の状態での、積分器12、積分器14、および量子化器15の各出力波形を示す。
【0027】
積分器12出力は、±0を中心に±8000hの範囲で振動している。また、量子化器15出力は、”0011”(−−++に対応)を繰り返しており、よってこの”0011”の繰り返しパターンが無音時の量子化器15の出力パターンであることが示される。
【0028】
この状態から信号が入力dinに入力され、その後、入力信号が無くなった(無音状態への移行)状態を考える。この例では、積分器12,14へのフィードバックは±215なので、入力dinが0となっても積分器12および積分器14には、±215以下の誤差は残ることとなる。
【0029】
図5に積分器12、積分器14に+100hの誤差が残った場合の積分器12、積分器14および量子化器15の出力を示す。積分器12の出力は図4の積分器12出力と比較すると、+100hのオフセットを持って同様に振動しているのがわかる。
【0030】
これに対し、積分器14の出力は図4の積分器14出力と比べ、1変化点毎に+80hの割合で誤差値が増加しているのがわかる。これは積分器12のオフセット分の+100hの1/2が積分器14に順次加算されていくためである。そして、この状態が継続すると、積分器14の誤差値がオーバーフローを起こすため、このオーバーフローが発生した時点で量子化器14の出力の”0011”の繰り返しパターンが変化し、その後また”0011”のパターンが繰り返されていくこととなる。このパターン変化が可聴帯域でのノイズとなって現れることとなる。
【0031】
なお、積分器に残った誤差が負の場合でもこのノイズ発生の過程は同様である。図6に積分器12、積分器14に−100hの誤差が残った場合を示す。
【0032】
以上より、このノイズ発生を除去するには最終段の積分器の入力に対するオフセットを0にすれば、つまり最終段以前の積分器の残誤差を0にすれば良いことが分かる。もちろんあわせて最終段の積分器の残誤差を0にしても良い。
【0033】
このため本発明では積分器の出力パターンを比較して入力信号dinの信号傾斜が小さい
ときを検出し、この場合に積分器の残誤差が正の状態なら積分器の残誤差を減少させていき、負の状態なら積分器の残誤差を増加させていくことで、最終的に積分器の残誤差を0とする事で、ノイズの発生を除去する。
【0034】
図3に本発明に用いられる積分器の構成図を示す。
【0035】
まず信号傾斜が小さいときの検出について説明する。傾斜が0の場合、量子化器出力は”0011”のパターンが続くこととなる。また傾斜が小さい場合は、量子化器出力パターンとして大多数が”0011”となることとなる。この傾斜が小さい場合の積分器12出力を見ると、積分器12の残誤差が0の場合、積分器12出力は図4の通りであるが、簡単の為に積分器12出力の符号ビットだけを順に見ると”00010001”(正または0の場合0、負の場合1)となっている。同様に残誤差が正の場合は図5の通り、”00010001”となり、負の場合は”10111011”となる。
【0036】
つまり、図3の時系列レジスタ33で図3の遅延回路32出力、つまり積分器出力の符号ビットのみを蓄積していく。そして、図3の傾斜判定回路34により前記パターンとの比較を行うことにより、傾斜が小さい時であって、積分器残誤差が正もしくは0であるか、負であるかの判定を行う。もちろん符号ビットだけでなく、下位の数値ビットまでを判定範囲に加えることでより正確に信号傾斜検出が可能である。
【0037】
また、前記の判定だけでは残誤差が正であるか0であるかの区別がつかないので、図5の積分器12出力で+100hが現れている期間で積分器の残誤差が0であるかどうかを、図3の誤差値判定回路35にて判定する。
【0038】
そして、前記傾斜判定34の出力と前記誤差値判定35の出力から、図3のフィードバック処理回路36を通すことにより、誤差値が正の場合は図3の遅延回路32の値から減少させた値を加算器31に返し、誤差値が負の場合は図3の遅延回路32の値から増加させた値を加算器31に返し、また誤差値が0の場合は図3の遅延回路32の値をそのまま加算器31に返すことにより、積分器の残誤差つまり遅延回路32の値を0に収束させていく。
【0039】
ここで、フィードバック処理により増減する値は、大きな値を取ると0への収束が早くなるが、入力信号に対して影響を与えることとなるため、収束時間は長くなるが増減値は最小値、例えば±1に押さえるのが望ましい。
【0040】
またこの動作では、前記のように入力信号dinが0となったのを検出して積分器をリセットしたときのような積分器の値の急激な変化が起こらないため、積分器の値を変更することによるノイズ発生は起こらない。
【0041】
また、前記信号傾斜が小さいときの検出については、図7に示すように、時系列レジスタ33に与えるデータを積分器出力の符号ビットの代りに量子化器15の出力を使用しても、”0011”のパターンマッチを行うことにより、同様の判定が可能である。この場合、誤差値判定35では遅延回路32出力に対して正、負、0の判定を行うこととなる。
【0042】
以上のように従来の積分器に対して前記のように、時系列レジスタ、傾斜判定、誤差値判定、フィードバック処理、これらの簡単な回路を付加することで、無音状態でのノイズの発生を押さえることが出来る。
【0043】
図8に上記した本発明のデジタル・アナログ変換器1を用いた音声再生装置を示す。図8に示すものは、CDなどの再生並びにDSB(デジタル音声放送)などのデジタル音声を再生する装置に本発明のデジタル・アナログ変換器1を用いたものである。アンテナ41よりデジタル音声を受信し、デジタル入力回路42に受信した符号化されたデジタル信号が格納されてゆく。そして、復号化回路43にて、符号化されたデジタル音声信号を復号化し、PCM回路44でPCM変調され、フィルター45にてオーバーサンプリングされ、本発明のデジタル・アナログ変換器1にてマルチビット入力信号をΔΣ変調することでビット数の低減したデジタル信号に変換し、1ビットのDAC46でアナログ信号に変換して、図示しないスピーカ等から音声を出力する。
【0044】
また、CDの場合には、CD再生装置47により、CDに格納された音楽データを読み出し、PCM回路48でPCM変調される。そして、フィルター45にてオーバーサンプリングされ、本発明のデジタル・アナログ変換器1にてマルチビット入力信号をΔΣ変調することでビット数の低減したデジタル信号に変換し、1ビットのDAC46でアナログ信号に変換して、図示しないスピーカ等から音声を出力する。このように、本発明のデジタル・アナログ変換器1を用いることにより、無音状態でのノイズの発生を押さえた音声再生装置が得られる。また、上記した1ビットのDACの変わりにD級アンプを用いることも出来る。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、従来の積分器に簡単な回路を付加することにより、積分器に残っている誤差を0に収束させていくことで、入力信号が無くなった状態でもノイズの発生を押さえることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的な2次ΔΣ変調器の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1中の積分器12、積分器14の構成を示すブロック図である。
【図3】 この発明の積分器の構成を示すブロック図である。
【図4】 図1における積分器12、14及び量子化器の出力を示す図である。
【図5】 図1における積分器12、14及び量子化器の出力を示す図である。
【図6】 図1における積分器12、14及び量子化器の出力を示す図である。
【図7】 この発明の積分器の他の構成を示すブロック図である。
【図8】 この発明の2次ΔΣ変調器を用いた生成装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
11、13 加算器
12、14 積分器
15 量子化器
32 遅延回路
33 時系列レジスタ
34 傾斜判定回路
35 誤差判定回路
36 フィードバック処理回路
Claims (11)
- オーバサンプリングされたマルチビット入力信号をΔΣ変調することでビット数の低減したデジタル信号に変換するΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループと、前記ビット数の低減したデジタル信号をアナログ信号に変換する手段とを有するデジタル・アナログ変換回路であって、
前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループは、複数の積分器と複数の加算器および量子化器から構成され、前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループ内に含まれる量子化誤差を保持する前記量子化器の入力側に縦続接続された積分器のそれぞれが、積分器入力信号とフィードバック処理手段の出力とを加算する加算器と、前記加算器出力を保持する遅延回路と、前記遅延回路出力を時系列的に蓄積する時系列値レジスタと、前記時系列値レジスタの出力パターンと量子化出力の符号ビットパターンとの比較を行う傾斜判定手段と、前記遅延回路の出力に基づき積分器が保持している量子化誤差が0であるかを判定する誤差値判定手段と、前記傾斜判定手段と誤差値判定手段との出力に応じて遅延回路に保持される値を増減させるためのフィードバック処理手段とを有することを特徴とするデジタル・アナログ変換回路。 - 前記傾斜判定手段は、前記時系列値レジスタの出力パターンを比較することで、前記マルチビット入力信号もしくは2段目以降の積分器の前段の積分器の出力信号の変化状態が、傾斜が緩やかであるかもしくは傾斜が無い状態を検出することを特徴とする請求項1に記載のデジタル・アナログ変換回路。
- 前記フィードバック処理手段は、前記傾斜判定手段と誤差値判定手段との出力に基づき積分器入力信号の傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が正である場合は遅延回路の値を減少させ、傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が負である場合は遅延回路の値を増加させ、それ以外では遅延回路の値は変更しないように処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のデジタル・アナログ変換回路。
- オーバサンプリングされたマルチビット入力信号をΔΣ変調することでビット数の低減したデジタル信号に変換するΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループと、前記ビット数の低減したデジタル信号をアナログ信号に変換する手段とを有するデジタル・アナログ変換回路であって、
前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループは、複数の積分器と複数の加算器および量子化器から構成され、前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループ内に含まれる量子化誤差を保持する前記量子化器の入力側に縦続接続された積分器のうち最終段の積分器を除くそれぞれの積分器が、積分器入力信号とフィードバック処理手段の出力とを加算する加算器と、前記加算器出力を保持する遅延回路と、前記遅延回路出力を時系列的に蓄積する時系列値レジスタと、前記時系列値レジスタの出力パターンと量子化出力の符号ビットパターンとの比較を行う傾斜判定手段と、前記遅延回路の出力に基づき積分器が保持している量子化誤差が0であるかを判定する誤差値判定手段と、前記傾斜判定手段と誤差値判定手段との出力に応じて遅延回路に保持される値を増減させるためのフィードバック処理手段とを有することを特徴とするデジタル・アナログ変換回路。 - 前記傾斜判定手段は、前記時系列値レジスタの出力パターンを比較することで、前記マルチビット入力信号もしくは2段目以降の積分器の前段の積分器の出力信号の変化状態が、傾斜が緩やかであるかもしくは傾斜が無い状態を検出することを特徴とする請求項4に記載のデジタル・アナログ変換回路。
- 前記フィードバック処理手段は、前記前記傾斜判定手段と誤差値判定手段との出力に基づき積分器入力信号の傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が正である場合は遅延回路の値を減少させ、傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が負である場合は遅延回路の値を増加させ、それ以外では遅延回路の値は変更しないように処理を行うことを特徴とする請求項4に記載のデジタル・アナログ変換回路。
- オーバサンプリングされたマルチビット入力信号をΔΣ変調することでビット数の低減したデジタル信号に変換するΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループと、前記ビット数の低減したデジタル信号をアナログ信号に変換する手段とを有するデジタル・アナログ変換回路であって、
前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループは、複数の積分器と複数の加算器および量子化器から構成され、前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループ内に含まれる量子化誤差を保持する前記量子化器の入力側に縦続接続された積分器のそれぞれが、積分器入力信号とフィードバック処理手段の出力とを加算する加算器と、前記加算器出力を保持する遅延回路と、ΔΣ変調器の出力である前記ビット数の低減したデジタル信号出力を時系列的に蓄積する時系列値レジスタと、前記時系列値レジスタの出力パターンと量子化出力パターンとの比較を行う傾斜判定手段と、前記遅延回路の出力に基づき積分器が保持している量子化誤差が0であるかを判定する誤差値判定手段と、前記傾斜判定手段と誤差値判定手段との出力に応じて遅延回路に保持される値を増減させるためのフィードバック処理手段とを有し、前記フィードバック処理手段は、前記傾斜判定手段と誤差値判定手段で前記ビット数の低減したデジタル信号出力の傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が正である場合は遅延回路の値を減少させ、傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が負である場合は遅延回路の値を増加させ、それ以外では遅延回路の値は変更しないように処理を行うことを特徴とするデジタル・アナログ変換回路。 - 前記傾斜判定手段は、前記時系列値レジスタの出力パターンを比較することで、前記マルチビット入力信号もしくは2段目以降の積分器の前段の積分器の出力信号の変化状態が、傾斜が緩やかであるかもしくは傾斜が無い状態を検出することを特徴とする請求項7に記載のデジタル・アナログ変換回路。
のデジタル・アナログ変換回路。 - オーバサンプリングされたマルチビット入力信号をΔΣ変調することでビット数の低減したデジタル信号に変換するΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループと、前記ビット数の低減したデジタル信号をアナログ信号に変換する手段とを有するデジタル・アナログ変換回路であって、
前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループは、複数の積分器と複数の加算器および量子化器から構成され、前記ΔΣ変調型ノイズシェーピング量子化ループ内に含まれる量子化誤差を保持する前記量子化器の入力側に縦続接続された積分器のうち最終段の積分器を除くそれぞれの積分器が、積分器入力信号とフィードバック処理手段の出力とを加算する加算器と、前記加算器出力を保持する遅延回路と、ΔΣ変調器の出力である前記ビット数の低減したデジタル信号出力を時系列的に蓄積する時系列値レジスタと、前記時系列値レジスタの出力パターンと量子化出力パターンとの比較を行う傾斜判定手段と、前記遅延回路の出力に基づき積分器が保持している量子化誤差が0であるかを判定する誤差値判定手段と、前記傾斜判定手段と誤差値判定手段との出力に応じて遅延回路に保持される値を増減させるためのフィードバック処理手段とを有し、前記フィードバック処理手段は、前記傾斜判定手段と誤差値判定手段で前記ビット数の低減したデジタル信号出力の傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が正である場合は遅延回路の値を減少させ、傾斜が緩やかもしくは傾斜が無い場合で量子化誤差の状態が負である場合は遅延回路の値を増加させ、それ以外では遅延回路の値は変更しないように処理を行うことを特徴とするデジタル・アナログ変換回路。 - 前記傾斜判定手段は、前記時系列値レジスタの出力パターンを比較することで、前記マルチビット入力信号もしくは2段目以降の積分器の前段の積分器の出力信号の変化状態が、傾斜が緩やかであるかもしくは傾斜が無い状態を検出することを特徴とする請求項9に記載のデジタル・アナログ変換回路。
- デジタル音楽データを入力する手段と、入力されたデジタルデータをPCM変調する手段と、PCM変調されたデータをオーバサンプリングしたマルチビット入力信号に基づきΔΣ変調器によりデジタル・アナログ変換する手段と、デジタル・アナログ変換する手段からの信号を増幅する手段と、を備えた再生装置において、デジタル・アナログ変換する手段に前記請求項1乃至10のいずれかに記載のデジタル・アナログ変換回路を用いたことを特徴とする再生装置。
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