JP3856948B2 - ポリプロピレン組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形性、耐衝撃性等に優れたポリプロピレン組成物に関する。なかんずく汎用のポリプロピレン成形品において、ポリエチレンテレフタレートの再生品を混合使用可能とするような配合処方に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートは、容器、フィルム、繊維などの分野で広く使用されており、これら成形品から多量のスクラップが発生する。とりわけボトルやトレイなどの容器類からのスクラップの再利用が大きな社会問題となっている。このようなスクラップの再利用にあたって、多くの場合、ポリエチレンテレフタレートが低分子化しており、機械的強度の大きい成形品が得難いこと、またスクラップを洗浄する必要があり、その結果、多くの水分を含むため、使用に当たって乾燥しなければならないなどの問題点を抱えている。このような問題点はあるものの、一部で再利用が始まっているが、未だ再利用率は低い。
【0003】
本発明者らはこのような現状に鑑み、汎用のポリプロピレンに配合することによって、ポリエチレンテレフタレートスクラップの再利用が図れないかと考えた。ポリプロピレンに少量のポリエチレンテレフタレートを配合すると、曲げ弾性率を改良したり、成形収縮を小さくすることが期待できるが、ポリプロピレンの他の物性を大きく低下させることが問題である。例えば、破断伸びや衝撃強度が大きく低下し、成形性の低下や成形品の外観が悪化するなどの悪影響が見られる。
【0004】
ポリプロピレンとポリエステルの組成物における成形性や成形品外観を改良する目的で、少量のエポキシ基含有共重合体を配合すると効果的であることが、例えば特開昭61−60744号公報に記載されている。この提案では、ポリプロピレンとポリエステルの配合割合が非常に広範であること、またポリエステルとしてポリブチレンテレフタレートが主として検討されていることから、ポリプロピレンの多量成分に対し、少量のポリエチレンテレフタレートを配合した系は、僅か1例が示されているにすぎない。その例によれば、エポキシ基含有共重合体として、エチレン・メタクリル酸グリシジル共重合体が使用されており、組成物の押出し安定性が改良され、成形品外観が改良されることは示されているが、耐衝撃性の改良は僅かである。
【0005】
そして耐衝撃性の改良のためには、上記提案のエポキシ基含有共重合体を使用するとともに、ポリプロピレンとして、不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフトしたものや不飽和エポキシ化合物をグラフトする必要があることが、特開昭61−60746号や特開平1−213352号の各公報に示唆されている。例えば後者によれば、ポリプロピレンとして未変性のものを使用し、またエポキシ基含有共重合体としてエチレン・メタクリル酸グリシジル共重合体を用いると、衝撃強度が充分に大きい組成物は得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような変性ポリプロピレンを使用する方法では、その変性コストが高いため、大量消費が期待できず、したがって大量のポリエチレンテレフタレートスクラップを処理するという目的には合致しない。そのため本発明者らは、未変性のポリプロピレンを使用してもポリエチレンテレフタレートを配合したときの成形性、成形品外観は勿論のこと、耐衝撃性を顕著に改良できるような処方を求めて検討を行った。その結果、特定のターポリマーを配合する処方を見いだすに至った。
【0007】
したがって本発明の目的は、ポリエチレンテレフタレートを配合したポリプロピレン組成物において、成形性、耐衝撃性等が改良された新たな処方を提供するものであり、とくにポリエチレンテレフタレートとしてスクラップ再生品を使用することが可能な処方を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリプロピレン60〜95重量部及びポリエチレンテレフタレート40〜5重量部とからなる重合体成分100重量部当たり、(メタ)アクリル酸アルキルエステル含量が15〜40重量%、(メタ)アクリル酸グリシジル含量が1〜15重量%及び残部がエチレンであるエチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体1〜20重量部を配合してなるポリプロピレン組成物に関する。本発明においては、上記組成物に、さらに(メタ)アクリル酸アクリルエステル含量が15〜40重量%で残部がエチレンであるエチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を1〜10重量部の割合で配合することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するポリプロピレンは、立体特異性触媒の存在下で重合して得られるプロピレン単独重合体又はプロピレンを主体とするプロピレンと他のα−オレフィン、例えばエチレンとの共重合体である。上記共重合体にあっては、α−オレフィン含量が、通常30モル%以下程度のものであり、ランダム共重合体やブロック共重合体であってもよい。このようなポリプロピレンとしては、成形性や機械的強度を考慮すると、230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.1〜100g/10分、とくに0.5〜50g/10分のものを使用するのが好ましい。
【0010】
ポリプロピレンとして、プロピレン単独重合体を用いた場合には、本発明の組成物にすることにより、曲げ弾性率を大きくすることが可能であり、またプロピレン重合体単独よりも衝撃強度の大きい組成物を得ることも可能である。とくにプロピレン単独重合体やこれに少量のポリエチレンテレフタレートを配合した組成物は、高剛性であるものの耐衝撃性はあまり良好でないが、本発明によれば、これを大幅に改良することが可能であり、その配合処方によっては、剛性も高い水準に維持することが可能である。
【0011】
またポリプロピレンブロック共重合体は、一般に衝撃強度は大きいが、プロピレン単独重合体と同様に成形収縮が大きい。これにポリエチレンテレフタレートを配合すると衝撃強度は著しく低下するが、本発明によればこの衝撃強度をポリプロピレンブロック共重合体のそれに近づけることができ、また成形収縮を小さくすることができる。
【0012】
本発明で使用するポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸単位とエチレングリコール単位とからのみ誘導されるもののみならず、少量の共重合成分を含むものであってもよい。このような共重合成分は、例えば単量体全体の20モル%以下、好ましくは10モル%以下の割合で含まれていても良い。共重合成分の1例として、例えば、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸のような脂肪族ジカルボン酸、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコールのような脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノールのような脂環式ジオールを例示することができる。勿論、少量の3官能性以上のポリカルボン酸やポリオールが共重合されたものであってもよい。
【0013】
ポリエチレンテレフタレートとしてはまた、25℃のオルソクロルフェノール中で測定した固有粘度が、0.4〜1.5dl/g程度のものを使用することができる。とくにポリエチレンテレフタレートスクラップから回収される分子量の減じられたもので、このような固有粘度範囲に入り、しかも水分を含有するものでも使用することができる。しかしながら、一般には乾燥させて用いた方が、衝撃強度の高い組成物を得ることができるが、一般のポリエチレンテレフタレートの成形時におけるような厳密な乾燥を行わなくても、充分に衝撃強度の大きい組成物を得ることが可能である。
【0014】
本発明では、上記ポリプロピレンとポリエチレンテレフタレートからなる成分に加え、(メタ)アクリル酸アルキルエステル含量が15〜40重量%、好ましくは20〜35重量%、一層好ましくは25〜35重量%、(メタ)アクリル酸グリシジル含量が、1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%及び残部がエチレンであるエチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル3元共重合体を配合する。上記3元共重合体中の(メタ)アクリル酸アルキルエステル含量が、上記範囲より少ないものや、あるいはこのようなエステル成分を含まない共重合体を用いても、成形性に優れ、かつ耐衝撃性に優れた組成物を得ることはできない。また(メタ)アクリル酸アルキルエステル含量を上記範囲より大きいものを用いても、これ以上の物性改良効果は期待できず、却って曲げ弾性率の低下や耐熱性の低下等の悪影響がでてくるので好ましくない。
【0015】
また上記共重合体における(メタ)アクリル酸グリシジルが上記範囲より少ないか、あるいはこれを含まないような共重合体を使用した場合には衝撃強度の充分大きい組成物を得ることはできない。またその含量が上記範囲より大きい共重合体を使用した場合には、ポリエチレンテレフタレートとの過剰な反応によるブツやゲルの発生や溶融粘度の上昇による流動性の低下を来たし、外観及び成形加工性に優れた組成物を得ることができない。
【0016】
上記共重合体における(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチルなどを例示することができる。これらの中では、炭素数1〜10程度、とくに炭素数2〜8程度のアルキルエステルを使用するのが好ましい。
【0017】
上記共重合体としてはまた、改質効果を最大限に発揮させるためには、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜100g/10分、とくに1〜50g/10分程度のものを使用するのが好ましい。
【0018】
本発明においては、ポリプロピレンとポリエチレンテレフタレートの配合比率は、前者60〜95重量部、好ましくは70〜90重量部に対し、後者40〜5重量部、好ましくは30〜10重量部(合計で100重量部)である。ポリエチレンテレフタレートの配合割合が上記範囲より少ないと、組成物の曲げ弾性率が小さくなり、また成形収縮率が大きくなるので、ポリエチレンテレフタレート配合による利点が少なくなる。またその配合割合を上記範囲より大きくすると、成形加工性や耐衝撃性等が低下するので、いずれも好ましくない。またエチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体の配合割合は、その重合組成によっても若干異なるが、ポリプロピレンとポリエチレンテレフタレートの合計量100重量部当たり、1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部である。すなわちその配合量が過少であると、耐衝撃性良好な組成物を得ることが難しく、またその配合量が多くなり過ぎると、曲げ弾性率、耐熱性等が良好な組成物を得ることはできない。
【0019】
本発明においては、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート及び、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体からなる3成分系組成物に更に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル含量が15〜40重量%、好ましくは20〜35重量%で残部がエチレンであるエチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を、上記組成物に対し、1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部程度配合することができる。ここに(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、上記例示のものと同様であり、また共重合体として好適なものは、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜50g/10分、とくに1〜30g/10分程度のものである。このような共重合体を配合した場合、これより高価なエチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル3元共重合体の配合量を少なくしても同様な効果を期待することができるが、あまり多量に配合すると組成物の剛性を低下させる結果となる。
【0020】
本発明の組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂や添加剤を配合することができる。このような添加剤の例としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、耐候安定性、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、難燃剤、発泡剤、顔料、染料、無機充填剤、補強繊維などを挙げることができる。
【0021】
本発明の組成物は、各重合体成分を溶融条件下で混練することによって得ることができる。本発明の組成物から各種成形品を製造する場合、上記混練後、そのまま成形する方法や一旦ペレット化したのち、再溶融して各種成形を行う方法を採用することができるが、一般には後者の方法の方が物性良好な成形品を品質安定性よく製造することができる。この場合の成形温度も、一般にはポリエチレンテレフタレートの融点以上の条件が採用されるが、ポリプロピレンの融点以上でポリエチレンテレフタレートの融点以下であっても、物性良好な成形品を得ることが可能である。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、成形加工性、耐衝撃性、低収縮性、耐熱性等に優れた組成物を提供することができる。このような組成物は、ポリプロピレンの有する優れた特長を有しており、ポリプロピレンと同様な用途に使用することができる。例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、プレス成形、真空成形などの各種成形品に成形して、各種家電製品のハウジング、工業部品及びツールボックス、ダストボックス、ラック、植木鉢等の日用雑貨品などの用途に使用することができる。
【0023】
また、本発明の配合処方によればスクラップから再生したポリエチレンテレフタレートからでも、物性の優れたポリプロピレン組成物が得られるので、ポリエチレンテレフタレートのリサイクルが有効に行われ、省資源及び環境問題の改善に大きな効果がある。
【0024】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例、比較例に使用した各種重合体の種類及び組成物の物性評価方法は下記のとおりである。
【0025】
1.原料重合体
(1)ポリプロピレン
【表1】
【0026】
(2)ポリエチレンテレフタレート
【表2】
【0027】
(3)エチレン共重合体
【表3】
E・nBA・GMA:エチレン・アクリル酸n−ブチル・グリシジルメタクリレート共重合体
E・EA :エチレン・アクリル酸エチル共重合体
E・GMA :エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体
【0028】
2.物性測定法
(1)引張特性:
JIS K7113準拠 JIS1号試験片
引張速度=50mm/min, 標線間=50mm
【0029】
(2)曲げ弾性率:
ASTM D790 曲げ速度=5mm/min
【0030】
(3)ノッチ付きIZOD衝撃強度:
JIS K7115
試験片厚み1/8インチ(1/10インチ切削ノッチ)
測定温度23℃,−20℃
【0031】
(4)デュポン衝撃:
試験片2mm厚平板、ポンチ撃心半径1/4インチ
測定温度23℃,−20℃
【0032】
(5)成形収縮率
試験片2mm厚平板
精度1/1000mmのノギスで樹脂の流れ方向(MD)及び、流れ方向と垂直方向(TD)の収縮率を求めた。
【0033】
[実施例1]
ブロックPPであるPP▲1▼((株)グランドポリマー製J704)と、ポリエチレンテレフタレートPET▲1▼(三井化学(株)製J135)を75:25重量部の割合で配合し、更にこの組成物100重量部に対し、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体であるEC▲1▼を5重量部加えてドライブレンドし、30mmφ2軸押出機(L/D=32)にて270℃で溶融混練した。次いで得られたペレットを熱風乾燥機で70℃×2hr(窒素雰囲気中)の乾燥後、東芝IS−100E(型締力100トン)にてシリンダ−温度270℃、金型温度35℃で射出成形を行い、物性測定用の試験片を作製した。これら、各試験片を用い前記2.に示す条件で物性の評価を行なった。配合組成を表4に、組成物の物性測定結果を表5に示す。
【0034】
[比較例1]
ポリエチレンテレフタレートもエチレン共重合体も添加せず、ブロックPP(PP▲1▼)単独で、東芝IS−100E(型締力100トン)にてシリンダー温度230℃、金型温度35℃で射出成形を行い、物性測定用の試験片を作製し、実施例1と同様にして物性評価を行なった。結果を表4及び5に示す。この組成物は成形時の収縮率が非常に大きい。
【0035】
[比較例2]
実施例1においてエチレン共重合体を添加せず、ポリプロピレンとポリエチレンテレフタレートのみの配合でドライブレンド後、実施例1と同様にして試験片を作製し、実施例1と同様にして物性評価を行なった。結果を表4及び5に示す。耐衝撃性は非常に低い。
【0036】
[比較例3]
実施例1においてエチレン共重合体としてEC▲1▼の代わりにエチレン・メタクリル酸グリシジル共重合体であるEC▲6▼[”ボンドファースト2C”(住友化学(株)製)]を5重量部加えた以外は実施例1と同様にして組成物の試験片を作製し、物性評価を行なった。結果を表4及び5に示す。3元共重合体を配合したものに比べて、耐衝撃性が劣る結果となっている。
【0037】
[実施例2]
実施例1においてPET▲1▼をリサイクルPETであるPET▲2▼(市販PETボトルを粉砕後、押出機でペレット化したもの)に代えた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製し、物性評価を行なった。結果を表4及び5に示す。
【0038】
[実施例3]
実施例2において、得られたペレットの乾燥方法を、熱風乾燥機にて140℃×4hrの条件に代えた以外は、実施例2と同様にして物性評価を行なった。結果を表4及び5に示す。
【0039】
[実施例4]
実施例2においてエチレン共重合体としてEC▲1▼の代わりにEC▲2▼を5重量部加えた以外は実施例2と同様にして物性評価を行なった。結果を表4及び5に示す。
【0040】
[比較例4]
実施例2においてエチレン共重合体を添加せず、PP▲1▼とPET▲2▼のみの配合でドライブレンド後、実施例2と同様にして試験片を作製し、物性評価を行なった。結果を表4及び5に示す。耐衝撃性は非常に低い。
【0041】
[比較例5]
実施例2においてエチレン共重合体としてEC▲1▼の代わりにエチレン・メタクリル酸グリシジル共重合体であるEC▲6▼[”ボンドファースト2C”(住友化学(株)製)]を5重量部加えた以外は実施例2と同様にして物性評価を行なった。結果を表4及び5に示す。3元共重合体を配合したものに比べて、耐衝撃性は低い。
【0042】
[比較例6]
実施例2においてエチレン共重合体としてEC▲1▼の代わりにEC▲3▼を5重量部加えた以外は実施例2と同様にして物性評価を行なった。結果を表4及び5に示す。添加したエチレン共重合体EC▲3▼は3元共重合体であるが、アクリル酸n−ブチルの含有量が少ないため、本発明の3元共重合体添加のものに比べて、耐衝撃性は低い。
【0043】
[実施例5]
実施例2においてエチレン共重合体としてEC▲1▼5重量部の代わりにEC▲1▼を3重量部とエチレン・アクリル酸エチル共重合体であるEC▲4▼を2重量部加えた以外は実施例2と同様にして物性評価を行なった。結果を表4及び5に示す。3元共重合体を5重量部添加したものにほぼ匹敵する物性が得られる。
【0044】
[比較例7]
実施例5においてエチレン共重合体としてEC▲4▼のみを5重量部添加した以外は実施例5と同様にして物性評価を行なった。結果を表4及び5に示す。エチレン・アクリル酸エチル共重合体のみの配合では耐衝撃強度は充分改善されない。
【0045】
[比較例8]
実施例2においてエチレン共重合体としてEC▲1▼の代わりにエチレン・アクリル酸エチル共重合体であるEC▲4▼を5重量部加えた以外は実施例2と同様にして物性評価を行なった。結果を表4及び5に示す。比較例7と同様、耐衝撃性は低い。
【0046】
[実施例6]
実施例2において、ポリプロピレンをホモPPであるJ103(PP▲2▼)に代えた以外は実施例2と同様にして物性評価を行なった。結果を表4及び5に示す。
【0047】
[比較例9]
実施例6で用いたホモPP(PP▲2▼)に、ポリエチレンテレフタレートもエチレン共重合体も添加せず、単独で東芝IS−100E(型締力100トン)にてシリンダー温度230℃、金型温度35℃で射出成形を行い、物性測定用の試験片を作製し、実施例6と同様にして物性評価を行なった。結果を表4及び5に示す。耐衝撃性が非常に低く、また成形収縮が大きい。
【0048】
[比較例10]
実施例6においてエチレン共重合体を添加せず、PP▲2▼とPET▲2▼のみの配合でドライブレンド後、実施例2と同様にして試験片を作製し、実施例1と同様にして物性評価を行なった。結果を表4及び5に示す。耐衝撃性は非常に低い。
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
Claims (3)
- ポリプロピレン60〜95重量部及びポリエチレンテレフタレート40〜5重量部とからなる重合体成分100重量部当たり、(メタ)アクリル酸アルキルエステル含量が15〜40重量%、(メタ)アクリル酸グリシジル含量が1〜15重量%及び残部がエチレンであるエチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体1〜20重量部を配合してなるポリプロピレン組成物。
- ポリプロピレン60〜95重量部及びポリエチレンテレフタレート40〜5重量部とからなる重合体成分100重量部当たり、(メタ)アクリル酸アルキルエステル含量が15〜40重量%、(メタ)アクリル酸グリシジル含量が1〜15重量%及び残部がエチレンであるエチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体1〜20重量部及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル含量が15〜40重量%で残部がエチレンであるエチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体1〜10重量部を配合してなるポリプロピレン組成物。
- ポリエチレンテレフタレートが、再生ポリエチレンテレフタレートである請求項1又は2記載のポリプロピレン組成物。
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