JP3664156B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエステル樹脂組成物に関する。詳しくは、ペットボトルの粉砕品又はその粉砕品を溶融混練して得られるリペレット品などの(A)ポリエステル樹脂、(B)特定のエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム並びに(C)エポキシ基含有エチレン共重合体を含有する耐衝撃性および流動性に優れたポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、ペットボトルなどにポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂製の容器が使用され、その回収品のリサイクル(再利用)が求められている。ポリエステル樹脂は一度成形加工すると熱劣化や加水分解の影響を受け、再度成形加工すると耐衝撃性が低下してしまうという問題点があった。
【0003】
この問題点を解決するために、ポリエステル樹脂に、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム及びエポキシ基含有エチレン共重合体を含有せしめる方法が、特公昭63−4566号公報に提案されている。しかしながらこの方法では、耐衝撃性を向上するためには、ポリエステル樹脂に対し、より多くのエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムやエポキシ基含有エチレン共重合体を添加する必要がある。このことにより樹脂組成物の流動性が低下し、特に型締力が500トン以上、射出容積が1500cm3以上の大型射出成形機などにより該組成物を成形すると、いわゆるショートショットが発生する問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐衝撃性改良効果のより大きなエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム及びエポキシ基含有エチレン共重合体を使用した、耐衝撃性および流動性に優れるポリエステル樹脂組成物に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、下記の(A)50〜97重量%、(B)2〜40重量%及び(C)1〜15重量%((A)+(B)+(C)=100重量%とする)を含有するポリエステル樹脂組成物に係わるものである。
(A):ポリエステル樹脂
(B):示差走査熱量計(DSC)を用い、JIS−K−7122に準拠して測定した場合の結晶融解熱量が3J/g以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム
(C):エポキシ基含有エチレン共重合体
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明における(A)成分はポリエステル樹脂であり、例えば、ジオールとジカルボン酸類との縮重合物などが挙げられる。
【0007】
ここで、ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール等の炭素数2〜20の直鎖若しくは分岐状の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジエタノール等の脂環状基を含むジオール、分子量400〜6000のポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の長鎖グリコールなどが挙げられる。ジオールとして2種類以上のジオールを使用してもよい。
【0008】
また、ジカルボン酸類としては、例えば、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、1,2−ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、4,4’−ジカルボキシビフェニルエーテル、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環状基を含むジカルボン酸、ジカルボン酸のメチルあるいはエチルエステル、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸ハロゲン化物などが挙げられる。
【0009】
ジカルボン酸類としては、2種類以上のジカルボン酸類を使用しても良い。中でも、40モル%以上のテレフタル酸を含有するジカルボン酸類を使用することが好ましい。
【0010】
(A)成分の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジエチレンテレフタレート樹脂、ポリネオペンチルテレフタレート樹脂などが挙げられる。
【0011】
(A)成分としては、2種類以上のポリエステル樹脂の混合物であっても良い。
【0012】
(A)成分の中でも、例えば、ポリエチレンテレフタレート、イソフタル酸とテレフタル酸の混合物とエチレングリコールとの縮重合物、アジピン酸とテレフタル酸の混合物とエチレングリコールとの縮重合物、デカンジカルボン酸とテレフタル酸の混合物とエチレングリコールとの縮重合物、エチレングリコールとプロピレングリコールの混合物とテレフタル酸との縮重合物、エチレングリコールとブチレングリコールの混合物とテレフタル酸との縮重合物などのポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましく、とりわけジカルボン酸類成分の約80モル%以上がテレフタル酸で、ジオール成分の80モル%以上がエチレングリコールであるポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
【0013】
(A)成分として、少なくとも1回ペットボトルなどに成形された回収ポリエステル樹脂でもよく、該樹脂の形状としては、粉末、粉砕品、ペレット品などが例示される。また、(A)成分として回収ポリエステル樹脂の溶融混錬物、もしくはそのリペレット品を使用しても良い。
【0014】
(A)成分の固有粘度としては、o−クロロフェノールを溶媒として25℃にて、通常、0.5〜1.0dl/gの範囲であることが好ましい。また、(A)成分の末端カルボキシル基の濃度としては、通常、15〜200m当量/Kgの範囲であることが好ましい。
【0015】
本発明における(B)成分は、示差走査熱量計(DSC)を用い、JIS−K−7122に準拠して測定した場合の結晶融解熱量が3J/g以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムである。
【0016】
(B)成分の結晶融解熱量は3J/g以下である。該熱量が過大であると得られるポリエステル樹脂組成物の耐衝撃性と流動性のバランスに劣る。
【0017】
α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン等の直鎖状のα−オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状のα−オレフィンが挙げられる。中でも直鎖状のα−オレフィンが好ましく、とりわけ、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンが好適である。
【0024】
成分(B)のエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム中のエチレン由来単位/α−オレフィン由来単位のモル比が5/95〜70/30であることが好ましい。
【0026】
また(B)成分は、JIS−K−7210に準拠して測定したMFR(メルトフローレート)が、190℃、2.16kgで0.1〜100g/10分の範囲にあることが好ましく、0.5〜20g/10分の範囲にあることが更に好ましい。MFRが過少の場合は得られるポリエステル組成物の流動性が低下する傾向にある。一方MFRが過多である場合には得られるポリエステル組成物の機械的物性、例えば衝撃強度などが低下する傾向にある。
【0027】
(B)成分の製造方法としては、例えば、公知のチーグラー・ナッタ型触媒又はメタロセン系触媒を用いる方法などが挙げられる。メタロセン系触媒としては、シクロペンタジエニル骨格を少なくとも1個有する周期表第4A族〜第6A族の遷移金属錯体などが例示される。メタロセン系触媒の具体例としては、例えば、特開平9−12635号公報や特開平9−151205号公報記載のメタロセン系触媒をあげることができる。
【0028】
本発明における(C)成分のエポキシ基含有エチレン共重合体は、エチレン単位及びエポキシ基含有モノマー単位を必須成分とし、エチレン系不飽和エステル化合物単位を任意成分とするものである。
【0029】
(C)成分の単量体単位が、エチレン単位及びエポキシ基含有モノマーからなる場合、構成する単量体単位100重量%に対して、エチレン単位は70〜99重量%の範囲であり、エポキシ基含有モノマー単位は1〜30重量%の範囲であることが好ましい。
【0030】
(C)成分の単量体単位が、エチレン単位、エポキシ基含有モノマー及びエチレン系不飽和エステル化合物単位からなる場合、構成する単量体単位100重量%に対して、エチレン単位は20〜98重量%の範囲であり、エポキシ基含有モノマー単位は1〜30重量%の範囲であり、エチレン系不飽和エステル化合物単位は1〜50重量%の範囲であることが好ましい。
【0031】
エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
(式中、Rは炭素数2〜18のアルケニル基を、Xはカルボニルオキシ基、メチレンオキシ基またはフェニレンオキシ基を表す。)
【0032】
上記の一般式(1)の中でも、Xがカルボニルオキシ基である不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位、及び、Xがメチレンオキシ基である不飽和カルボン酸グリシジルエーテル単位が好ましい。不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸グリシジルエステルなどが挙げられ、不飽和グリシジルエーテルとしては、例えば、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0033】
(C)成分に用いられるエチレン系不飽和エステルは、グリシジルエステル基を含有しない不飽和カルボン酸エステルであり、具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等の飽和カルボン酸ビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等の不飽和カルボン酸アルキルエステルなどが例示される。中でも、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル等が好ましい。
【0034】
また、(C)成分は、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体のいずれであっても良く、例えば特許第6232980号公報記載のプロピレン−エチレンブロック共重合体にエポキシ基含有モノマーをグラフトさせた共重合体、特許第2600248号公報記載のエチレン・エポキシ基含有モノマー共重合体にエチレン系不飽和エステル化合物をグラフトさせた共重合体等であっても良い。
【0035】
また(C)成分は、JIS−K−7210に準拠して測定したMFR(メルトフローレート)が、190℃、2.16kgで0.5〜100g/10分の範囲にあることが好ましく、2〜50g/10分の範囲にあることが更に好ましい。MFRが過少の場合は得られるポリエステル組成物の流動性が低下する傾向にある。一方MFRが過多である場合には得られるポリエステル組成物の機械的物性、例えば衝撃強度などが低下する傾向にある。
【0036】
また、(C)成分をゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって測定したポリスチレン換算による数平均分子量は、10,000〜100,000の範囲にあることが好ましい。該分子量が過少の場合、得られるポリエステル組成物の機械的物性、例えば衝撃強度が低下する傾向があり、一方該分子量が過多の場合、得られるポリエステル組成物の流動性が低下する傾向にあり好ましくない。
【0037】
(C)成分の製造方法としては、例えば、単量体をラジカル発生剤の存在下に、50〜400MPa、100〜300℃、適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下又は不存在下に共重合させる方法、ポリエチレンにエポキシ基含有モノマー、必要に応じて用いるエチレン系不飽和エステル、ラジカル発生剤等を混合し、押出機中で溶融グラフト共重合させる方法等が挙げられる。
【0038】
本発明のポリエステル樹脂組成物は、上記の(A)〜(C)を含有し、(A)50〜97重量%、(B)2〜40重量%及び(C)1〜15重量%((A)+(B)+(C)=100重量%とする)を含有し、さらに好ましくは、(A)60〜95重量%、(B)3〜35重量%及び(C)2〜10重量%を含有するものである。
【0039】
(A)が過少であると得られるポリエステル樹脂組成物の流動性や得られる成型品の剛性が劣り、一方(A)が過多であると得られるポリエステル樹脂組成物を用いて成形した成形品の衝撃強度が劣る。(B)が過少であると得られるポリエステル樹脂組成物を用いて成形した成形品の衝撃強度が劣り、一方(B)が過多であると得られるポリエステル樹脂組成物を用いて成形した成形品の耐熱性が劣る。(C)が過少であると得られるポリエステル樹脂組成物を用いて成形した成形品の衝撃強度が劣り、一方(C)が過多であると得られるポリエステル樹脂組成物の流動性が劣る。
【0040】
本発明のポリエステル樹脂組成物のMFR(メルトフローレート)は、通常、40〜300g/10分(290℃、2.16kg、JIS−K−7210に準拠)の範囲内である。40未満であると溶融粘度が上昇し、大型の射出成形機での成形が困難になる傾向があり、また300を超えると樹脂組成物の取扱いが困難になる傾向があり好ましくない。
【0041】
本発明のポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて、樹脂に使用される他の配合剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、光安定剤、核剤、滑剤、離型剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、およびグラスファイバーなどの補強剤等を含有すことができる。
【0042】
また、本発明の目的を損なわない範囲でポリエチレン、ポリプロピレン等の他の熱可塑性樹脂を配合してもよい。
【0043】
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法としては、例えば、(A)〜(C)成分をドライブレンドした後、一軸もしくは二軸のスクリュー押出し機、バンバリーミキサー、ロール、各種ニーダー等で溶融混練する方法、ドライブレンド後、そのまま射出成形する方法、(B)成分と(C)成分とは予め溶融混練してペレット化し続いて(A)成分と溶融混練する方法、(A)〜(C)成分のある成分と熱可塑性樹脂を溶融混練してペレットとしたのち、他の成分と溶融混練する方法などが挙げられる。
【0044】
結晶性が小さい(B)成分をペレットとして取り扱うには、(B)成分と熱可塑性樹脂を溶融混合して得られるマスターバッチペレットに成分(A)、(C)を混合することが好ましい。(B)成分と熱可塑性樹脂の重量比は50/50〜90/10の範囲内であることが好ましい。(B)成分が過多である(熱可塑性樹脂が過少である)と得られるマスターバッチペレットが保管中に互着しペレットとしての使用に耐えられなくなることがあり、一方(B)成分が過少である(熱可塑性樹脂が過多である)と、得られるポリエステル樹脂組成物中の熱可塑性樹脂含有量が多くなり、成形品の衝撃強度が劣ることがある。
【0045】
特に成分(B)をペレット化するのに使用する熱可塑性樹脂の量を少なくしたい時は、熱可塑性樹脂を鞘とし、(B)成分を芯とする形状を有する多層構造マスターバッチペレットとすることが好ましい。こうすることでより少ない熱可塑性樹脂量で、成分(B)のマスターバッチペレットの互着を抑止することができる。(B)成分と熱可塑性樹脂の重量比は50/50〜99/1の範囲内であることが好ましい。(B)成分が過多である(熱可塑性樹脂が過少である)と得られるマスターバッチペレットが保管中に互着しペレットとしての使用に耐えられなくなることがあり、一方(B)成分が過少である(熱可塑性樹脂が過多である)と、得られるポリエステル樹脂組成物中の熱可塑性樹脂含有量が多くなり、成形品の衝撃強度が劣ることがある。
【0046】
ここで使用する熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、成分(A)、成分(C)等をあげることができ、中でもポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や成分(C)を使用することがより好ましく、成分(C)を使用することが特に好ましい。熱可塑性樹脂として成分(C)を使用したマスターバッチを使用する場合は、成分(A)とともに成分(C)を追加添加してもよいし、マスターバッチ化に使用した成分(C)のみでよい場合は、成分(A)を添加するだけで、本発明のポリエステル樹脂組成物を得ることができる。
【0047】
こうして得られたポリエステル樹脂組成物の成形体は、車両部品、電気・電子機器部品、電線、建築材料、農・水産・園芸用品、化学産業用品、土木資材、産業・工業資材、家具、文房具、日用・雑貨用品、衣服、容器・包装用品、玩具、レジャー用品、医療用品等の用途に用いることができる。具体的には、モーター等のカバー、電球ソケットカバー等の電気・電子用部品、インジェクションコイルカバー、エンジンカバー、ホイールカバー等の自動車用部品、窓サッシ等の土木・住宅関連建材、ハンガー、椅子、ごみ箱等の家庭用雑貨、バインダー、手帳、表紙、ファイル、下敷き等の文房具、ごみ袋等の包装用品に使用することができる。中でも、防振性、耐衝撃性などが求められる成形体、大型の成形体に好適である。
【0048】
【実施例】
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、これらは例示のためのものであり、本発明を限定するものではない。
[1]成分(B)と熱可塑性樹脂のマスターバッチペレット作製
成分(B)としてのエチレン−プロピレン共重合体ゴム(ムーニー粘度ML1+4100℃=43、プロピレン含量53重量%、JIS−K−7122に準拠して測定した結晶融解熱量は検出されない)を粉砕機でチップ状に粉砕し、互着防止剤としてフローセンUF4(住友精化社製粉末状ポリエチレン)を1phrまぶしたのち、芯用二軸押出機(46φmm、L/D=35)に供給し、一方でランダムポリプロピレン(商品名:住友ノーブレンW531、住友化学工業社製、230℃MFR=8)を鞘用単軸押出機(40φmm、L/D=25)に供給した。それぞれの押出機から温度240℃で芯鞘型ダイ(口金6個)に芯鞘比が、芯/鞘=95/5重量%で供給した。押し出された6本のストランドを水槽に通し冷却しペレタイザーにてカッティングし、ペレット外径4.0φmm、長さ4.0mm、鞘厚み0.06mmの芯鞘構造をとる2層ペレットを得た。該ペレットに互着防止剤としてフローセンUF4を2000ppmまぶした。
【0049】
[2]ポリエステル樹脂組成物とその成型体の作製、ならびに評価
表1の記載に従って、各成分を配合、ドライブレンドした後、φ30mmの同方向二軸押出し機(L/D=42)に供給し、290℃の温度下、200rpmのスクリュー回転数、18Kg/時間の供給速度にて溶融混練し、ペレット状の組成物を得た。
次いで、得られた組成物を150℃、4時間、除湿乾燥機で乾燥させた後、JIS−K−7210に準拠したメルトフローレート(290℃、2.16kg荷重)を測定した。続いて射出成形機を用いて成形温度280℃、金型温度60℃で試験片を作製し、ASTM−D256に準拠したアイゾット衝撃試験、JIS−K−7203に準拠した曲げ弾性率を評価した。
【0050】
【表1】
【0051】
(A):ボトル粉砕物のリペレット品「リサイクルペットレジン」(内海企画社製)
(C):エポキシ基含有エチレン共重合体「ボンドファーストE」(住友化学工業社製、グリシジルメタクリレート含量=12重量%、MFR(190℃、2.16kg)=3g/10分)
(D):エチレン・プロピレン共重合体「エスプレンSPO V0111」(住友化学工業社製、プロピレン含量=22重量%、MFR(190℃、2.16kg)=0.9g/10分)JIS−K−7122に準拠して測定した結晶融解熱量=54J/g)
【0052】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により耐衝撃性および流動性に優れるポリエステル樹脂組成物を提供することができた。
Claims (6)
- 下記の(A)50〜97重量%、(B)2〜40重量%及び(C)1〜15重量%((A)+(B)+(C)=100重量%とする)を含有するポリエステル樹脂組成物。
(A):ポリエステル樹脂
(B):示差走査熱量計(DSC)を用い、JIS−K−7122に準拠して測定した場合の結晶融解熱量が3J/g以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム
(C):エポキシ基含有エチレン共重合体 - (A)成分がポリエチレンテレフタレート樹脂である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
- (A)成分がペットボトルの粉砕品又はペットボトルのリペレット品である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
- (C)成分における単量体単位のそれぞれの含量が、(C)成分を構成する単量体単位100重量%に対して、エチレン単位70〜99重量%、エポキシ基含有モノマー単位1〜30重量%である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
- (B)成分と熱可塑性樹脂を溶融混合して得られるマスターバッチペレットに成分(A)、(C)を混合して得られる請求項1記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- 熱可塑性樹脂を鞘とし、(B)成分を芯とする形状を有する多層ペレットに成分(A)、(C)を混合して得られる請求項1記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
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