JP3608545B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐衝撃性および流動性に優れたポリエステル樹脂組成物に関する。本発明は特に、用いられるポリエステル樹脂がリサイクルされたポリエステル樹脂を含んでいても、優れた耐衝撃性および流動性を示すポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂からなる容器(以下、「PETボトル」と言う)をリサイクルして、再利用することが求められている。しかしながら、リサイクルされるポリエステル樹脂は、耐衝撃性が劣るという問題点を持っている。
【0003】
この問題点を解決するための樹脂組成物として、特公昭63−4566号には、ポリエステル樹脂と、エチレン・α−オレフィン共重合体と、エポキシ基含有エチレン共重合体とからなる樹脂組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載された樹脂組成物は、流動性が低いので成形性が劣る、という問題点を持っている。
本発明の目的は、耐衝撃性および流動性に優れたポリエステル樹脂組成物を提供することである。
本発明の目的はまた、用いられるポリエステル樹脂がリサイクルされたポリエステル樹脂を含んでいても、優れた耐衝撃性および流動性を示すポリエステル樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成し得るポリエステル樹脂組成物について鋭意研究を続けてきた。その結果、樹脂成分を特定の配合割合で用いることによって、上記目的を達成し得るポリエステル樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、ポリエステル樹脂(A)100重量部と、エチレン−α−オレフィン共重合体およびエチレン−α−オレフィン−ポリエン化合物共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の共重合体(B)1〜50重量部と、エポキシ基含有エチレン共重合体(C)1〜16重量部とからなり、下式(1)で表わされるS値が2.5〜4.5であるポリエステル樹脂組成物である。
S = log [B] + log [C] (1)
(式中、[B]及び[C]は、成分(A)100重量部に対する成分(B)及び(C)の重量部を、それぞれ表わす)
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる成分(A)のポリエステル樹脂として、ジオールとジカルボン酸との縮重合物を例示することができる。「ジカルボン酸」とは、遊離のジカルボン酸の他に、該ジカルボン酸のエステル、酸無水物、及び、ハロゲン化物のような誘導体をも意味する。
【0008】
ジオールとして、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、及び、ネオペンチルグリコールのような、炭素数2〜20の直鎖状または分岐状の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール及び1,4−シクロヘキサンジエタノールのような脂環状基を含むジオール;並びに、分子量400〜6000の、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、及び、ポリテトラメチレングリコールのような長鎖グリコール、を例示することができる。2種類以上のジオールを組合せて使用してもよい。
【0009】
ジカルボン酸として、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、及び、ドデカンジカルボン酸のような炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、1,2−ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、4,4’−ジカルボキシビフェニルエーテル、及び、ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環状基を含むジカルボン酸;並びに、これらジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、酸無水物、及び、ハロゲン化物、を例示することができる。2種類以上のジカルボン酸類を組合せて使用しても良い。中でも、ジカルボン酸として、テレフタル酸を40モル%以上含有するジカルボン酸が好適である。
【0010】
ポリエステル樹脂として、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジエチレンテレフタレート樹脂、及び、ポリネオペンチルテレフタレート樹脂を例示することができる。2種類以上のポリエステル樹脂からなる混合物を用いてもよい。
【0011】
好適なポリエステル樹脂として、ポリエチレンテレフタレート;イソフタル酸とテレフタル酸との混合物と、エチレングリコールとの縮重合物;アジピン酸とテレフタル酸との混合物と、エチレングリコールとの縮重合物;デカンジカルボン酸とテレフタル酸との混合物と、エチレングリコールとの縮重合物;エチレングリコールとプロピレングリコールとの混合物と、テレフタル酸との縮重合物;並びに、エチレングリコールとブチレングリコールとの混合物と、テレフタル酸との縮重合物を例示することができる。とりわけ好適なポリエステル樹脂は、テレフタル酸を80モル%以上含むジカルボン酸と、エチレングリコールを80モル%以上含むジオールとから得られるポリエステル樹脂である。
【0012】
本発明で用いられるポリエステル樹脂として、リサイクルされたポリエステル樹脂からなるポリエステル樹脂が好ましい。「リサイクルされたポリエステル樹脂」とは、再使用のために、使用後のポリエステル樹脂製成形物(例えばPETボトル)を粉末、粉砕品およびペレットのような形状にしたポリエステル樹脂を意味する。
【0013】
ポリエステル樹脂の固有粘度は、o−クロロフェノールを溶媒として25℃にて、通常、0.5〜1.0dl/gである。ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基濃度は、通常、15〜200m当量/Kgである。
【0014】
本発明で用いられる成分(B)のエチレン−α−オレフィン共重合体や、エチレン−α−オレフィン−ポリエン化合物共重合体のα−オレフィンとして、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、及び、1−エイコセンのような直鎖状のα−オレフィン;並びに、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、及び、2,2,4−トリメチル−1−ペンテンのような分岐状のα−オレフィンを例示することができる。これらの中、直鎖状のα−オレフィンが好ましい。中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、及び、1−デセンがとりわけ好適である。
【0015】
本発明で用いられる成分(B)のポリエン化合物として、共役ポリエン化合物および非共役ポリエン化合物のような、複数の二重結合を有する化合物を例示することができる。
【0016】
共役ポリエン化合物として、直鎖状の脂肪族共役ポリエン化合物、分岐状の脂肪族共役ポリエン化合物、及び、脂環族共役ポリエン化合物を例示することができる。共役ポリエン化合物は、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、及び、アラルキルオキシ基のような基を含んでいてもよい。
【0017】
脂肪族共役ポリエン化合物として、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3−ブタジエン、2−イソプロピル−1,3−ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、2−メチル−1,3−デカジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−オクタジエン、及び、2,3−ジメチル−1,3−デカジエンを例示することができる。
【0018】
脂環族共役ポリエン化合物として、2−メチル−1,3−シクロペンタジエン、2−メチル−1,3−シクロヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロヘキサジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−フルオロ−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロペンタジエン、及び、2−クロロ−1,3−シクロヘキサジエンを例示することができる。
【0019】
非共役ポリエン化合物として、直鎖状の脂肪族非共役ポリエン化合物、分岐状の脂肪族非共役ポリエン化合物、脂環族非共役ポリエン化合物、及び、芳香族非共役ポリエン化合物を例示することができる。非共役ポリエン化合物は、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、及び、アラルキルオキシ基のような基を含んでいてもよい。
【0020】
脂肪族非共役ポリエン化合物として、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,5,9−デカトリエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、
【0021】
5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、3−メチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,6−ヘプタジエン、4,4−ジメチル−1,6−ヘプタジエン、4−エチル−1,6−ヘプタジエン、
【0022】
4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、
【0023】
4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、
【0024】
5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、
【0025】
6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエン、6,10−ジメチル1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、及び、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエンを例示することができる。
【0026】
脂環族非共役ポリエン化合物として、ビニルシクロヘキセン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエン、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロペンタン、1,5−ジビニルシクロオクタン、1−アリル−4−ビニルシクロヘキサン、1,4−ジアリルシクロヘキサン、1−アリル−5−ビニルシクロオクタン、1,5−ジアリルシクロオクタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−4−ビニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−3−ビニルシクロペンタン、及び、メチルテトラヒドロインデンを例示することができる。
【0027】
成分(B)の共重合体中の単位の合計量を100mol%とするとき、該共重合体中のエチレン単位の含有量は通常10〜99mol%、α−オレフィン単位の含有量は1〜90mol%、ポリエン化合物単位の含有量は0〜50mol%である。ここで、「単位」とは、重合体中の、各モノマーから誘導される構造単位を意味する。例えば、「エチレン単位」とは、重合体中の、エチレンから誘導される構造単位を意味する。
【0028】
成形(B)の共重合体の製造方法として、チーグラー・ナッタ型触媒やメタロセン系触媒のような重合触媒の存在下にモノマーを重合させる公知の方法を例示することができる。メタロセン系触媒として、少なくとも1個のシクロペンタジエニル骨格を有する、周期表第4A族〜第6A族の遷移金属錯体を例示することができる。具体的なメタロセン系触媒として、特開平9−12635号公報や特開平9−151205号公報に記載されたメタロセン系触媒を例示することができる。
【0029】
成分(B)の共重合体は、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリプロピレンやポリエチレンのような他の熱可塑性樹脂と組合せて用いてもよい。特に、該共重合体が互着性を有するために、該共重合体と、成分(A)または成分(C)とをドライブレンドできない場合は、該共重合体と他の熱可塑性樹脂とを溶融混練した後ペレット化された成分を使用することが推奨される。
【0030】
本発明で用いられる成分(C)のエポキシ基含有エチレン共重合体は、エチレン単位とエポキシ基含有化合物単位とからなる共重合体である。該共重合体は更に、エチレン系不飽和エステル化合物単位を有していてもよい。エポキシ基含有エチレン共重合体がエチレン系不飽和エステル化合物単位を有する場合、該共重合体中の単位の合計量を100wt%とするとき、通常、該共重合体中のエチレン単位は20〜99%、エポキシ基含有化合物単位は1〜30%程及び、エチレン系不飽和エステル化合物単位は0〜50%である。
【0031】
エポキシ基含有化合物して、下式(2)で示される化合物を例示することができる。式中、Rは炭素数2〜18のアルケニル基を、Xはカルボニルオキシ基、メチレンオキシ基またはフェニレンオキシ基を表す。
Figure 0003608545
【0032】
上式(2)で表される化合物の中、Xがカルボニルオキシ基である不飽和カルボン酸グリシジルエステル、及び、Xがメチレンオキシ基である不飽和カルボン酸グリシジルエーテルが好ましい。
【0033】
不飽和カルボン酸グリシジルエステルとして、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、及び、イタコン酸グリシジルエステルを例示することができる。不飽和カルボン酸グリシジルエーテルとして、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、及び、スチレン−p−グリシジルエーテルを例示することができる。
【0034】
上記のエチレン系不飽和エステル化合物は、グリシジルエステル基を含有しない化合物である。該化合物として、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及び、酪酸ビニルのような飽和カルボン酸ビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、及び、メタクリル酸ブチルのような不飽和カルボン酸アルキルエステルを例示することができる。これらの中、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及び、メタクリル酸メチルが好ましい。
【0035】
エポキシ基含有エチレン共重合体は、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体、及び、交互共重合体の中のいずれであっても良い。該共重合体は、例えば、プロピレン−エチレンブロック共重合体にエポキシ基含有化合物をグラフトさせた共重合体(特許第6232980号公報参照)や、エチレン・エポキシ基含有モノマー共重合体にエチレン系不飽和エステル化合物をグラフトさせた共重合体(特許第2600248号公報参照)であっても良い。
【0036】
エポキシ基含有エチレン共重合体の、JIS K7210に準拠して測定したMFR(メルトフローレート)は、得られるポリエステル組成物の成形加工性、及び、アイゾット衝撃強度のような機械的物性の観点から、190℃、2.16kgにて、0.5〜100g/10分が好ましく、2〜50g/10分が更に好ましい。
【0037】
エポキシ基含有エチレン共重合体の、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー(GPC)によって測定したポリスチレン換算による数平均分子量は、得られるポリエステル組成物のアイゾット衝撃強度のような機械的物性、及び、成形加工性の観点から、10,000〜100,000が好ましい。
【0038】
エポキシ基含有エチレン共重合体の製造方法として、ラジカル発生剤の存在下、適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に、500〜4000気圧、100〜300℃で、単量体を共重合させる方法や、ポリエチレンと、エポキシ基含有モノマーと、ラジカル発生剤と、必要に応じてエチレン系不飽和エステルとを混合し、押出機中で溶融グラフト共重合させる方法を例示することができる。
【0039】
上式(1)で表されるSは2.5〜4.5、好ましくは3.6〜4.4である。Sが4.5を超えると、得られるポリエステル樹脂組成物の流動性が低下する傾向があり好ましくない。Sが2.5未満であると、得られるポリエステル樹脂組成物の耐衝撃性が低下する傾向があり、ひいては、該組成物からなる成形品の割れが生じる傾向があり好ましくない。
【0040】
成分(B)と(C)との合計量は、得られるポリエステル樹脂組成物の耐衝撃性および流動性の観点から、成分(A)100重量部に対して好ましくは10〜30重量部程度である。成分(B)が5重量部以上の場合、得られるポリエステル樹脂組成物の流動性の観点から、成分(A)100重量部に対して、成分(C)は約10重量部以下が好ましい。
【0041】
本発明のポリエステル樹脂組成物の、JIS K7210に準拠して測定される荷重2.16kg、290℃におけるMFR(メルトフローレート)は、得られるポリエステル樹脂組成物の溶融粘度および取扱い容易性の観点から、通常、40〜300g/10分が好ましい。
【0042】
本発明において用いられる成分(A)〜(C)は、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、光安定剤、核剤、滑剤、離型剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤および充填剤のような通常の樹脂用配合剤や、グラスファイバーのような補強剤や、ポリエチレン及びポリプロピレンのような他の熱可塑性樹脂と組合せて用いることができる。
【0043】
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法として、以下(1)〜(4)の方法を例示することができる。
(1)全成分をドライブレンドした後、一軸または二軸のスクリュー押出し機、バンバリーミキサー、ロール、及び、ニーダーのような装置で溶融混練する方法。
(2)各成分を射出成形機の押出機に直接供給して溶融混練する方法。この方法は、溶融混練後引き続き、該射出成形機によって組成物から射出成形品を得ることができるので、コスト的に有利である。
(3)成分(B)と成分(C)とを溶融混練してペレット化した後、次いで、これと成分(A)とを溶融混練する方法。
(4)成分(A)〜(C)の中の何れかの成分と熱可塑性樹脂とを溶融混錬してペレット化した後、次いで、これと残りの成分とを溶融混錬する方法。
【0044】
本発明のポリエステル樹脂組成物から得られる成形体として、モーターのカバーや電球ソケットカバーのような電気・電子用部品;インジェクションコイルカバー、エンジンカバー、及び、ホイールカバーのような自動車用部品;窓サッシのような土木・住宅関連建材;並びに、ハンガー、椅子、及び、ごみ箱のような家庭用雑貨、を例示することができる。中でも、好適な成形体は、防振性や耐衝撃性のような性能が求められる成形体や、大型の成形体である。
【0045】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1〜3、比較例1〜4
表1及び2に示す成分を、同表に示す割合(重量部)でドライブレンドした後、これを、径が30mmでL/Dが42の同方向二軸押出し機に18Kg/時間の速度で供給し、スクリュー回転数200rpmの下、290℃で溶融混練して、ペレット状の組成物を得た。
【0046】
得られたペレットを、120℃で6時間、除湿乾燥機で乾燥させた後、ASTM D256に準拠してMFRを測定した。得られたペレットを、射出成形機により成形温度290℃、金型温度50℃で成形して、厚み3.175mm(1/8インチ)、長さ60.3〜63.5mm、巾12.7±0.15mmの、Vノッチ付きアイゾット試験用試験片(ノッチ部の長さ=10.16±0.05mm)を作成し、ASTM D256に準拠してアイゾット衝撃強度を評価した。結果を表1及び2に示した。
【0047】
【表1】
Figure 0003608545
【0048】
【表2】
Figure 0003608545
【0049】
注1:リサイクルされたPETボトルを粉砕しリペレット化された、内海企画(株)社製の商品名がリサイクルペットレジンなるポリエステル樹脂。
注2:住友化学工業(株)社製の商品名がエスプレンV0111なるエチレン−プロピレン共重合体(プロピレン単位含量=22重量%)。
注3:住友化学工業(株)社製の商品名がボンドファーストEなるエポキシ基含有エチレン共重合体(グリシジルメタクリレート単位含量=12重量%、MFR(290℃、2.16kg)=3g/10分)。
注4:式(1)において、logは自然対数である。[B]又は[C]の値が1以下の場合、log[B]又はlog[C]の値を0(ゼロ)とみなす。
【0050】
【発明の効果】
以上、詳述したとおり、本発明によって、耐衝撃性および流動性に優れたポリエステル樹脂組成物を得ることができ、また、用いられるポリエステル樹脂がリサイクルされたポリエステル樹脂を含んでいても、優れた耐衝撃性および流動性を示すポリエステル樹脂組成物を得ることができる。

Claims (10)

  1. ポリエステル樹脂(A)100重量部と、エチレン−α−オレフィン共重合体およびエチレン−α−オレフィン−ポリエン化合物共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の共重合体(B)1〜50重量部と、エポキシ基含有エチレン共重合体(C)1〜16重量部とからなり、下式(1)で表わされるS値が2.5〜4.5であるポリエステル樹脂組成物。
    S = log [B] + log [C] (1)
    (式中、[B]及び[C]は、成分(A)100重量部に対する成分(B)及び(C)の重量部を、それぞれ表わす)
  2. ポリエステル樹脂(A)がポリエチレンテレタレート樹脂である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. ポリエステル樹脂(A)がリサイクルされたポリエステル樹脂である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. エチレン−α−オレフィン共重合体およびエチレン−α−オレフィン−ポリエン化合物共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の共重合体(B)が、該共重合体中の単量体単位の合計量を100モル%とするとき、エチレン単位10〜99モル%を含む共重合体である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. エポキシ基含有エチレン共重合体(C)が、該共重合体中の単量体単位の合計量を100重量%とするとき、エチレン単位20〜99重量%と、エポキシ基含有モノマー単位1〜30重量%と、エチレン系不飽和エステル単位0〜50重%とからなる共重合体である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. エポキシ基含有エチレン共重合体(C)が、下式(2)で表される化合物から誘導されるエポキシ基含有モノマー単位を含む共重合体である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
    Figure 0003608545
    (式中、Rは炭素数2〜18のアルケニル基を、Xはカルボニルオキシ基、メチレンオキシ基またはフェニレンオキシ基を表す。)
  7. ポリエステル樹脂組成物の、JIS K7210に準拠して測定される荷重2.16kg、290℃におけるMFR(メルトフローレート)が40〜300g/10分である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  8. 請求項1記載のポリエステル樹脂組成物からなる耐衝撃性向上剤。
  9. 請求項1記載のポリエステル樹脂組成物からなる流動性向上剤。
  10. 請求項1記載の樹脂組成物からなる射出成形体。
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