JP3951252B2 - ランプリフレクター - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ランプリレクターに関し、特に自動車用として使用される、ガラス面が曇らない、成形性、表面光沢の良好なランプリフレクターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ランプリフレクターとしては、不飽和ポリエステル樹脂、及びポリアミド樹脂組成物の成形品が使用されていた。ところが、最近では作業性の効率の関係から不飽和ポリエステル樹脂の使用が減少し、ポリアミド樹脂への変更がなされてきた。また最近では機能性アップの要求に伴い、ヘッドランプの形状が小型化、薄型化されてきたので、図1に示すような樹脂の成形品が使用されている。なお、図1は自動車用ランプリフレクター1と、このランプリフレクター1と組合わせて使用されるランプケース2とランプ3、そしてその全体を覆うガラス4を備えた自動車用ランプユニットの斜視図を示し、図2は前記ランプユニットを組み立てたヘッドランプの斜視図を示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
最近、機能性アップの要求に伴い、ランプの形状が小型化、薄型化される傾向にあり、その結果ランプの温度が従来よりも高温になるため、リフレクターの吸湿水分が蒸発しそれがリフレクターと組み合わせられているガラス面に付着し、ガラス面が曇るという問題が発生してきた。このため、吸湿しやすいポリアミド樹脂成形品に変わるものが望まれている。
【0004】
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであって、その課題は、良好な表面性と成形性を有する上に、長期間の使用においてもガラス面を曇らせることのないランプリフレクターを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、良好な表面性、成形性を有し、かつ組み合わせて使用するガラス面を曇らせないランプリフレクターを鋭意検討した結果、ついに本発明を完成するに到った。すなわち本発明は、ポリエチレンテレフタレート100重量部に対してポリブチレンテレフタレート60〜200重量部、および、タルク、クレイ、およびワラストナイトから選ばれる少なくとも1種の粉末無機強化材50〜160重量部を含有し、かつ射出成形により得られた42×42×2mmの成形品を、60℃水中に24時間浸し、その後表面温度150℃に調節されたホットプレート上に置き、それを60φ、高さ80mmのガラス秤量瓶で覆い、100時間処理し、ガラス秤量瓶の内面に付着水滴をガラス秤量瓶の重量変化より測定した析出水分量が0重量%以上0.11重量%以下であるポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とするランプリフレクターである。
【0006】
本発明において使用されるポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートとしては、エチレングリコールまたはブチレングリコールとテレフタル酸(その誘導体を含む)との重合体のみならず、少なくとも80モル%以上のエチレンテレフタレートやブチレンテレフタレート繰り返し単位を含む共重合ポリエステルが挙げられる。共重合成分としては公知の酸成分および/またはグリコール成分が使用できる。すなわち、共重合成分としては、例えば、イソフタル酸、ナフタレン1,4または2,6ジカルボン酸、ジフェニルエーテル4,4ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸のような酸成分、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなグリコール成分、p−オキシ安息香酸、p−ヒドロキシエトキシ安息香酸のようなオキシ酸が挙げられる。
【0007】
また本発明に使用されるポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)は、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(6/4重量比)により30℃で測定して求めた固有粘度が通常0.4以上であり、0.5以上が好ましい。また、上記ポリエステル樹脂を主体とし、これにポリシクロジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステルやポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート、ポリラクトン等の脂肪族ポリエステルやポリカーボネート等の他の熱可塑性樹脂を混合してもよいが、ポリアミド樹脂など吸湿性の大きな樹脂は好ましくない。
【0008】
本発明に使用されるポリブチレンテレフタレートの配合量はポリエチレンテレフタレート100重量部に対して、60〜200重量部、さらに好ましくは90〜160重量部の範囲である。ポリブチレンテレフタレートの量が60重量部未満では成形時の金型温度が120℃程度でないと成形品の表面光沢が良くならず、成形性に劣る。また、ポリブチレンテレフタレートの量が200重量部を越えると成形品の表面の光沢が悪くなるので好ましくない。
【0009】
本発明に用いられる無機強化材は、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維強化材、チタン酸等のウイスカー、タルク、ワラストナイト、ベントナイト、モンモリロナイト、炭酸カルシウム等の粉末強化材が挙げられる。無機強化材により成形品の剛性や熱変形温度が上がり、寸法安定性が増す。ポリエチレンテレフタレート100重量部に対して、タルク、クレイ、およびワラストナイトから選ばれる少なくとも1種の粉末無機強化材が50〜160重量部配合される。200重量部を越えると成形品の外観が悪くなり、また成形時の流動性も悪くなるため好ましくない。
【0010】
上記ポリエステル組成物は、目的、用途に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、着色剤等の添加剤を配合してもよい。
【0011】
また上記ポリエステル組成物の製造方法としては特に制限されるものではなく、任意の方法で行われる。例えば、全成分を予備混合した後、押出機やニーダ中で混練配合して得たペレットに、さらに他の成分を溶融混合する方法等が挙げられる。
【0012】
得られた組成物は、特殊な成形法や成形条件は必要ではく、通常の熱可塑性ポリエステル樹脂の成形条件によって成形することが出来、本発明はランプリフレクターに成形される。
【0013】
【作用】
本発明ランプリフレクターは、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレート樹脂を含む樹脂組成物から形成されるので、良好な表面性と成形性を有する。しかも、その樹脂組成物は吸湿性が非常に少ないことにより、使用中に発生する水分が殆どないので、長時間使用してもガラス面を曇らせることがない。
【0014】
【実施例】
以下本発明を実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例中の部および%は重量基準である。
なお、射出成形品の熱変形温度はASTM D648に準じて測定した。また、ガラス面への析出量は、次のようにして評価した。
【0015】
射出成形により得られた42×42×2mmの成形品を、60℃水中に24時間浸し、その後表面温度150℃に調節されたホットプレート上に置き、それを60φ、高さ80mmのガラス秤量瓶で覆い、100時間処理した。ガラス秤量瓶の内面には成形品から析出した水滴が付着した。その後ガラス秤量瓶の重量変化より、析出水分の量を評価した。
【0016】
実施例1〜4、比較例1〜6
ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ガラス繊維、タルク、モンタン酸エステル、ポリアミド樹脂、PP樹脂、ABS樹脂をそれぞれ表1に示した割合で溶融混合した後、2軸押出機のホッパーに投入し、溶融混練してコンパウンドチップを得た。このコンパウンドチップを130℃で4時間乾燥した後、シリンダー温度270℃に調節した射出成形機によりテストピースの平板を成形し、析出水分の発生量を上述の方法で評価した。その結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】
表1より明らかなように、本発明品は析出水分量が減少しガラス秤量瓶の透明性が保持されることを示していることが判る。なお、この結果は、自動車用ランプユニットの実用テストの結果とよく対応した。また、本発明によれば、良好な表面性と成形性を保持しながら、高温時の水分の析出量を低減してガラス面を曇らせることがないので設計の自由度が大きくなり、また高温での使用も可能となり、従来使用できなかった用途まで応用する範囲を広げることができるので、産業界に寄与すること大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車用ランプユニットの一実施態様例の斜視図である。
【図2】自動車用ヘッドランプの一実施態様例の斜視図である。
【符号の説明】
1:ランプリフレクター
2:ランプケース
3:ランプ
4:ガラス
Claims (1)
- ポリエチレンテレフタレート100重量部に対してポリブチレンテレフタレート60〜200重量部、および、タルク、クレイ、およびワラストナイトから選ばれる少なくとも1種の粉末無機強化材50〜160重量部を含有し、かつ射出成形により得られた42×42×2mmの成形品を、60℃水中に24時間浸し、その後表面温度150℃に調節されたホットプレート上に置き、それを60φ、高さ80mmのガラス秤量瓶で覆い、100時間処理し、ガラス秤量瓶の内面に付着水滴をガラス秤量瓶の重量変化より測定した析出水分量が0重量%以上0.11重量%以下であるポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とするランプリフレクター。
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JP34929192A JP3951252B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | ランプリフレクター |
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Family
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- 1992-12-28 JP JP34929192A patent/JP3951252B2/ja not_active Expired - Lifetime
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