JP3855742B2 - 遊星歯車装置およびその振動抑制方法 - Google Patents

遊星歯車装置およびその振動抑制方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、太陽歯車と内歯車との間に、複数の遊星歯車が配置され、この複数の遊星歯車を、円周方向等間隔位置からずらして配置した遊星歯車装置およびその振動抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊星歯車装置は、図17にその概略を示すように、中心部に配置した太陽歯車1の周囲に、例えば三つの遊星歯車3a,3b,3cがそれぞれ配置され、さらにその外側に内歯車5が配置された構成となっている。複数の遊星歯車3a,3b,3cは、円周方向等間隔に配置されて円盤部材(ここでは模式的にY字形状で示している)7に支持され、自転および公転運動がなされる。
【0003】
このような遊星歯車装置における振動・騒音を抑制するものとして、例えば特開平6−10994号公報に記載されたものがある。これは、複数の遊星歯車を、円周方向等間隔位置に対してずらして配置し、複数の遊星歯車の噛み合い位相を調整することで、各遊星歯車相互の噛み合い位相を、[噛み合い周期/遊星歯車個数(N)]ずつずらし、噛み合い率ε≒1+(N−1)/Nとして噛み合い振動を低減するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、複数の遊星歯車の円周方向等間隔配置をずらすと、遊星歯車を含む円盤部材の重心位置が、円盤部材の回転中心位置から直径方向にずれることになり、遊星歯車の回転作動時に、前記重心のアンバランスから新たな振動が発生するという問題がある。
【0005】
そこで、この発明は、複数の遊星歯車の円周方向等間隔配置をずらした遊星歯車装置であっても、新たな振動の発生を抑制することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、太陽歯車と内歯車との間に、複数の遊星歯車が配置され、これら遊星歯車の各軸の両端部を軸組付用孔に挿入して支持する一対の円板を有した円盤部材を備えるとともに、前記複数の遊星歯車を、円周方向等間隔位置に対して円周方向にずらした位置で前記一対の円板に取り付けた遊星歯車装置において、前記複数の遊星歯車を含む前記円盤部材の重心位置が、前記円盤部材の回転中心位置に近付くように、前記一対の円板のうちの少なくとも一方の重量配分を、円周方向に互い隣接する前記軸組付用孔相互間における一方の軸組付用孔寄りに切欠を設けることで設定した構成としてある。
【0008】
請求項の発明は、請求項の発明の構成において、前記切欠は、前記一対の円板の双方に、互いに同一形状でかつ同一位置にそれぞれ設けられている構成としてある。
【0009】
請求項の発明は、請求項またはの発明の構成において、前記切欠は、丸孔である構成としてある。
【0011】
請求項の発明は、太陽歯車と内歯車との間に、複数の遊星歯車が配置され、この複数の遊星歯車を、円周方向等間隔位置に対して円周方向にずらして配置した遊星歯車装置の振動抑制方法において、前記複数の遊星歯車の各軸の両端部を軸組付用孔に挿入して支持して円盤部材を構成する2枚の円板を設け、この2枚の円板のうちの少なくとも一方の円板の、円周方向に互い隣接する前記軸組付用孔相互間における一方の軸組付用孔寄りに切欠を形成することで、前記遊星歯車装置の回転作動時での前記軸組付用孔における応力を分散させるとともに、前記複数の遊星歯車を含む前記円盤部材の重心位置を、前記円盤部材の回転中心位置に近付けるようにして振動を抑制するものとしてある。
【0012】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、複数の遊星歯車の各軸の両端部を軸組付用孔に挿入して支持して円盤部材を構成する一対の円板のうちの少なくとも一方の重量配分を、複数の遊星歯車を含む円盤部材の重心位置が、円盤部材の回転中心位置に近付くように設定したので、重心のアンバランスが解消されて遊星歯車装置の回転作動時での振動を抑制することができる。
また、上記回転作動時での振動を抑制するために、円板の円周方向に互い隣接する軸組付用孔相互間における一方の軸組付用孔寄りに切欠を設けることで、遊星歯車装置の回転作動時に発生する応力が切欠部位で大きくなり、そのため遊星歯車の各軸の両端部を支持する部位である軸組付用孔のみ集中して大きな応力が発生することなく分散でき、円板に発生する最大応力値が小さくなることから、円盤部材を厚肉化することなく耐久性を高く確保することができ、前記切欠形成によってそのまま軽量化が図れる。
【0014】
請求項の発明によれば、一対の円板の双方に切欠を設けることで、軸方向の重心位置も適正となり、振動抑制効果をより高めることができる。また、1枚の円板当たりの切欠の面積を小さくできるので、円板形状が複雑で切欠を設けるスペースが狭い場合であっても、重心のアンバランスを容易に解消することができる。さらに、1枚の円板に切欠を設ける場合に比べ、切欠面積を小さくできるので、強度を高めることができる。また、一対の円板双方に設けた切欠を、互いに同一形状でかつ同一位置となるようにすることで、軸方向の重心位置がさらに適正となり、振動抑制効果をさらに高めることができる。
【0015】
請求項の発明によれば、切欠を丸孔とすることで、切欠部の応力集中を最小限に抑えることができる。
【0017】
請求項の発明によれば、複数の遊星歯車の各軸の両端部を軸組付用孔に挿入して支持して円盤部材を構成する一対の円板のうちの少なくとも一方に切欠を設けることで、複数の遊星歯車を含む円盤部材の重心位置を、円盤部材の回転中心位置に近付けるようにしたので、重心のアンバランスが解消されて遊星歯車装置の回転作動時での振動を抑制することができる。
また、上記回転作動時での振動を抑制するために、円板の円周方向に互い隣接する軸組付用孔相互間における一方の軸組付用孔寄りに切欠を設けることで、遊星歯車装置の回転作動時に発生する応力が切欠部位で大きくなり、そのため遊星歯車の各軸の両端部を支持する部位である軸組付用孔のみ集中して大きな応力が発生することなく分散でき、円板に発生する最大応力値が小さくなることから、円盤部材を厚肉化することなく耐久性を高く確保することができ、前記切欠形成によってそのまま軽量化が図れる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0019】
図1は、この発明の第1の実施形態を示す遊星歯車装置の概略を示すもので、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。この遊星歯車装置は、中心部に配置した太陽歯車9の周囲に三つの遊星歯車11,13,15がそれぞれ配置され、さらにその外側に内歯車17が配置されている。
【0020】
三の遊星歯車11,13,15は、両側に配置した一対の円板20,30に両端が支持された軸12,14,16を介してそれぞれ支持され、自転および公転運動がなされる。上記した一対の円板20,30により円盤部材を構成している。
【0021】
ここで、三つの遊星歯車11,13,15のうち、図1中で下部の二つの遊星歯車13,15は、円周方向等間隔配置の状態から、上部の遊星歯車11に近付く方向にそれぞれθ1およびθ2だけ配置角度をずらしてある。すなわち、遊星歯車11と遊星歯車13との間の配置角度は、[120−θ1]°、遊星歯車11と遊星歯車15との間の配置角度は、[120−θ]°である。
【0022】
このように、二つの遊星歯車13,15を、円周方向等間隔配置の状態からずらすことで、前記特開平6−10994号公報に記載されたもののように、各遊星歯車の噛み合い位相を、[噛み合い周期/遊星歯車個数(N)]ずつずらして調整し、噛み合い率ε≒1+(N−1)/Nとして噛み合い振動を抑制している。
【0023】
上記したように、二つの遊星歯車13,15を、円周方向等間隔配置の状態からずらして配置すると、三つの遊星歯車11,13,15を支持して回転する円盤部材は、遊星歯車11,13,15を含む重心位置が回転中心位置からずれ、このままでは重心のアンバランスによって新たな振動が発生することになる。
【0024】
そこで、三つの遊星歯車11,13,15を支持する円盤部材における一方の円板20の図1中で上部における遊星歯車11の両側近傍には、切欠としての貫通孔20a,20bを形成してある。この各貫通孔20a,20bの形成位置は、三つの遊星歯車11,13,15を支持して回転する円盤部材の重心位置G3が、円盤部材の回転中心位置に近付くように重量配分が設定されている。この場合、重心位置G3は、円盤部材の回転中心位置に一致することが望ましい。
【0025】
次に、上記貫通孔20a,20bの形成位置の算出方法を説明する。図2のように、前記切欠20a,20bを設けずに、二つの遊星歯車13,15を、円周方向等間隔配置の状態からずらして配置した構成での、三つの遊星歯車11,13,15を支持して回転する円盤部材の重心位置Gは、
(x,y)=(r1{(COS(30°−θ1)−COS(30°−θ)}/3,r1{1−sin(30°−θ1)−sin(30°−θ)}/3)
であり、円盤部材の回転中心位置に対し遊星歯車11に寄った位置となる。
【0026】
一方、図3のように、円盤部材に対し貫通孔20a,20bを設けた場合の円盤部材の重心位置Gは、
(x,y)=(−r(COSθ−COSθ),−r(sinθ+sinθ))
であり、円盤部材の回転中心位置に対して遊星歯車11とは反対側に寄った位置となる。
【0027】
ここで、上記図2,図3での各重心G,Gのそれぞれのアンバランス量を相殺するように、貫通孔20a,20bの位置および大きさを決定する。重心は1次モーメントである(質量とその距離で決まる)ことから、切欠の位置を決めれば、切欠の大きさは、遊星歯車の配置角のずれ分で生じる重心の回転中心に対するずれの位置と釣り合うように、一意的に決めることができる。
【0028】
図2および図3での各重心GおよびGのアンバランス量が相殺されるには、各重心回りのモーメントが一致すればよい。遊星歯車1個の体積をV1,切欠1個の体積をVとすると。次式の(x,y)に対する連立方程式を求めればよい。
【0029】
Figure 0003855742
すなわち、円盤部材の中心からの貫通孔20a,20bの距離rおよび、x軸に対する貫通孔20a,20bの配置角度θ,θを決めると、貫通孔20a,20bの体積が一意的に決まる。
【0030】
このように、複数の遊星歯車11,13,15を円周方向等間隔位置からずらして配置することにより発生する複数の遊星歯車11,13,15を含む円盤部材の重心位置のずれを、この重心位置が円盤部材の回転中心位置となるように調整したので、重心のアンバランスが解消されて遊星歯車装置の回転作動時での振動を抑制することができる。
【0031】
重心のアンバランスを解消する技術として、質量の追加と削除が考えられるが、質量追加は、遊星歯車装置の重量が増加することになり、特に自動車などの輸送機器に遊星歯車装置を使用する場合には、燃費悪化などの副作用があるため、削除、すなわち切欠を設ける方が望ましい。
【0032】
ここで、一対の円板20,30には、軸12,14,16を取り付けるための軸組付用孔が必要となる。この場合、この各軸組付用孔と円板20(30)の外周縁との間の部分に応力が集中することが考えられるが、上記した切欠20a,20bを、その近傍(ここでは軸12の近傍)に形成することで、遊星歯車装置の回転作動時での応力を分散でき、円盤部材の耐久性が向上する。
【0033】
つまり、円板20に切欠(貫通孔20a,20b)を設けることで、遊星歯車装置の回転作動時に発生する応力が切欠部位で大きくなり、そのため遊星歯車の各軸の両端部を支持する部位のみ集中して大きな応力が発生することなく分散でき、円板20に発生する最大応力値が小さくなることから、円板20を厚肉化することなく耐久性を高く確保することができ、前記切欠形成によってそのまま軽量化も達成される。
【0034】
図4は、この発明の第2の実施形態を示す遊星歯車装置に適用される、より具体的な円盤部材21の正面図、図5は図4のA−A断面図、図6は図4の背面図である。この円盤部材21は、互いに平行となる第1の円板23および第2の円板25を備え、これら各円板23,25相互が、外周側の周壁部27によって連結されたものである。
【0035】
具体的には、第1の円板23と周壁部27とが、プレス成形によって断面ほぼL字形状に一体化したもので、周壁部27の円周方向3箇所の嵌合凸部27aを、第2の円板25の嵌合孔25aに嵌合させて互いに溶接接合したものである。このような円盤部材21は、鉄板をプレス成形するほか、鋳鉄あるいは鍛鉄の削り出しで製造してもよい。
【0036】
第1の円板23および第2の円板25には、図示しない三つの遊星歯車の各軸の両端が挿入される軸組付用孔23b,23c,23dおよび25b,25c,25dがそれぞれ形成されている。そして、図中で下部側の軸組付用孔23c,23dおよび25c,25dの形成位置は、前記図1に示したもののように、ここに組み付けられる各遊星歯車が、円周方向等間隔配置の状態から、図中上部の軸組付用孔23b,25bに組み付けられる遊星歯車に近付く方向にそれぞれθ1およびθ2だけ配置角度をずらしてある。
【0037】
また、周壁部27の上記軸組付用孔23b,23c,23dおよび25b,25c,25dに対応する部位には、遊星歯車を周壁部27の外部に露出させて図示しない内歯車に噛合させるための開口部27bが形成されている。
【0038】
そして、図中で上部の軸組付用孔23b,25bの両側近傍に形成されている凹部29,31に対し、図4中で斜線で示す部分を切り欠いて切欠29a,31aを設けている。他の軸組付用孔23cの両側近傍の凹部33,35および、軸組付用孔23dの両側近傍の凹部37,39については、凹部29,31と同形状のままであり、切欠29a,31aに相当するものは設けていない。
【0039】
このようにすることで、図示しない三つの遊星歯車を円周方向等間隔位置からずらして配置することにより発生する三つの遊星歯車を含む円盤部材21の回転中心位置Pからずれた重心位置を、回転中心位置Pに近付け、あるいは一致させることが可能となる。これにより、重心のアンバランスが解消されて遊星歯車装置の回転作動時での振動を抑制することができる。
【0040】
ここで、第1の円板23は遊星歯車の各軸の両端部を支持する部位として、軸組付用孔23b,23c,23dを備えるので、遊星歯車装置の回転作動時に、その部位、すなわち各孔と周壁部27との間の部分にのみ集中して大きな応力が発生することが考えられるが、上記した切欠29a,31aを、その近傍(ここでは軸組付用孔23bの近傍)に形成することで、これら切欠29a,31aの部位、すなわち切欠29a,31aと周壁部27との間でも発生する応力が大きくなるので、遊星歯車装置の回転作動時に発生する応力を分散でき、そのため円板23に発生する最大応力値が小さくなることから厚肉化することなく円盤部材21の耐久性を高く確保することができ、前記切欠形成によってそのまま軽量化が図れる。
【0041】
図7は、この発明の第3の実施形態を示す遊星歯車装置に適用される円盤部材21の正面図、図8は図7のB−B断面図、図9は図7の背面図である。この円盤部材21は、前記図4〜図6に示した切欠29a,31aに代えて、第1の円板23に切欠としての四角形状の角孔41,43を設けるとともに、第2の円板25にも切欠としての四角形状の角孔45,47を設けている。角孔41,43および角孔45,47は、四隅の角部がR形状となっている。
【0042】
第1の円板23の角孔41は、軸組付用孔23bと軸組付用孔23cとの間の軸組付用孔23c寄りに、軸組付用孔23bに対して75°の配置角度となるよう形成され、第1の円板23の角孔43は、軸組付用孔23bと軸組付用孔23dとの間の軸組付用孔23d寄りに、軸組付用孔23bに対して75°の角度位置となるよう形成されている。
【0043】
第2の円板25の角孔45は、第1の円板23の角孔41に対し、互いに同一形状でかつ、円周方向および半径方向について同一位置に形成されている。また第2の円板25の角孔47は、第1の円板23の角孔43に対し、互いに同一形状でかつ、円周方向および半径方向について同一位置に形成されている。
【0044】
第1の円板23および第2の円板25のそれぞれに、角孔41,43および角孔45,47で構成した切欠を形成することで、図示しない遊星歯車を含む円盤部材21の重心を回転中心位置に一致させるために、1枚の円板当たりの切欠面積を小さくでき、円板形状が複雑で切欠を設けるスペースが狭い場合であっても、重心のアンバランスを容易に解消することができる。また、1枚の円板当たりの切欠面積を小さくすることで、円盤部材21のねじり強度を高めることができる。
【0045】
また、第1および第2の各円板23および25の角孔41,43および角孔45,47は、形状が互いに同一でかつ、円周方向および半径方向について互いに同一位置に形成することで、円盤部材21における軸方向(図8中で左右方向)の重心位置が2枚の円板23,25相互間のほぼ中央位置となる。この結果、図示しない三つの遊星歯車を支持した状態の円盤部材21の重心位置がさらに適正となり、振動抑制効果をさらに高めることができる。
【0046】
また、この例においても、第1および第2の各円板23および25に、角孔41,43および45,47をそれぞれ形成することで、遊星歯車装置の回転作動時に第1および第2の各円板23および25に発生する応力を分散でき、円盤部材21は、一部位にのみ応力が集中することなく最大応力値を小さくでき、そのため厚肉化することなく耐久性を高く確保することができ、前記切欠形成によって、そのまま軽量化が図れる。
【0047】
図10は、この発明の第4の実施形態を示す遊星歯車装置に適用される円盤部材21の正面図、図11は図10のC−C断面図、図12は図10の背面図である。この円盤部材21は、前記図7〜図9に示した角孔41,43および角孔45,47に代えて、第1の円板23に切欠としての丸孔49,51を設けるとともに、第2の円板25に切欠としての丸孔53,55を設けている。
【0048】
このように、切欠を丸孔49,51および丸孔53,55とすることで、切欠部の応力集中を最小限に抑えることができるとともに、円盤部材21の生産工程においても、加工が容易となり、製造コストを抑えることができる。
【0049】
図13は、この発明の参考例を示す遊星歯車装置に適用される円盤部材21の正面図、図14は図13のD−D断面図、図15は図13の背面図である。この円盤部材21は、前記図10に示した丸孔49の位置を、軸組付用孔23bと軸組付用孔23cとの間の中間位置に設定するとともに、丸孔51の位置を、軸組付用孔23bと軸組付用孔23dとの間の中間位置に設定している。さらに、図12に示した丸孔53の位置を、軸組付用孔25bと軸組付用孔25cとの間の中間位置に設定するとともに、丸孔55の位置を、軸組付用孔25bと軸組付用孔25dとの間の中間位置に設定している。
【0050】
このように、切欠として設ける丸孔49,51および53,55を、円周方向に隣接する遊星歯車相互間の中間位置とすることで、丸孔49,51および53,55により軽量化でき、その際に遊星歯車から入力されるねじりトルクに対する円盤部材21の強度を高く確保することができる。
【0051】
また、上記した第4の実施形態および参考例においても、第1および第2の各円板23および25に、丸孔49,51および53,55をそれぞれ形成することで、遊星歯車装置の回転作動時での第1および第2の各円板23および25における応力を分散でき、円盤部材21の耐久性が向上する。
【0052】
なお、円盤部材21の周壁部27に切欠を設けることも考えられるが、この場合には、円盤部材のねじり強度の低下を招くので、好ましくない。
【0053】
図16は、遊星歯車装置作動時での円盤部材21に発生する最大応力を、切欠を設けていない従来例のものを100として、切欠を設けたものと比較している。ここで、最大応力値は、円板の内周面あるいは外周面と、軸組付用孔との間の体積が最も小さい領域で最大となる。これによれば、周壁部27に切欠を設けたものは、従来例に比べて最大応力値が増加しているのに対し、図13(図15)に示した軸組付用孔23b(軸組付用孔25b)に対して約60°の位置に丸孔49,51(丸孔53,55)を設けた例や、図示していないが同45°の位置に丸孔を設ける場合には、従来例に比べて最大応力値が減少していることがわかる。
【0054】
なお、切欠を形成する場合、その形状は、上記したような角孔や丸孔に限ることはなく、適宜設定できるものであり、また切欠の位置を決めれば、前記図1〜図3における第1の実施形態で説明したように、遊星歯車の配置角のずれ分で生じる重心の回転中心に対するずれの位置と釣り合うように、一意的に決めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す遊星歯車装置の概略を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】図1の遊星歯車装置に対し、切欠を設けずに、二つの遊星歯車を、円周方向等間隔位置の状態からずらして配置した構成の概略図である。
【図3】図1の遊星歯車装置における円盤部材の正面図である。
【図4】この発明の第2の実施形態を示す遊星歯車装置に適用される具体的な円盤部材の正面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図4の背面図である。
【図7】この発明の第3の実施形態を示す遊星歯車装置に適用される具体的な円盤部材の正面図である。
【図8】図7のB−B断面図である。
【図9】図7の背面図である。
【図10】この発明の第4の実施形態を示す遊星歯車装置に適用される具体的な円盤部材の正面図である。
【図11】図10のC−C断面図である。
【図12】図10の背面図である。
【図13】 この発明の参考例を示す遊星歯車装置に適用される具体的な円盤部材の正面図である。
【図14】図13のD−D断面図である。
【図15】図13の背面図である。
【図16】円盤部材に発生する最大応力を、切欠を設けていない従来例のものと、切欠を設けたものとを比較して示した説明図である。
【図17】一般的な遊星歯車装置の概略図である。
【符号の説明】
9 太陽歯車
11,13,15 遊星歯車
17 内歯車
20,30 円板
20a,20b 貫通孔(切欠)
21 円盤部材
23 第1の円板
25 第2の円板
29a,31a 切欠
41,43,45,47 角孔(切欠)
49,51,53,55 丸孔(切欠)

Claims (4)

  1. 太陽歯車と内歯車との間に、複数の遊星歯車が配置され、これら遊星歯車の各軸の両端部を軸組付用孔に挿入して支持する一対の円板を有した円盤部材を備えるとともに、前記複数の遊星歯車を、円周方向等間隔位置に対して円周方向にずらした位置で前記一対の円板に取り付けた遊星歯車装置において、前記複数の遊星歯車を含む前記円盤部材の重心位置が、前記円盤部材の回転中心位置に近付くように、前記一対の円板のうちの少なくとも一方の重量配分を、円周方向に互い隣接する前記軸組付用孔相互間における一方の軸組付用孔寄りに切欠を設けることで設定したことを特徴とする遊星歯車装置。
  2. 前記切欠は、前記一対の円板の双方に、互いに同一形状でかつ同一位置にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項記載の遊星歯車装置。
  3. 前記切欠は、丸孔であることを特徴とする請求項または記載の遊星歯車装置。
  4. 太陽歯車と内歯車との間に、複数の遊星歯車が配置され、この複数の遊星歯車を、円周方向等間隔位置に対して円周方向にずらして配置した遊星歯車装置の振動抑制方法において、前記複数の遊星歯車の各軸の両端部を軸組付用孔に挿入して支持して円盤部材を構成する2枚の円板を設け、この2枚の円板のうちの少なくとも一方の円板の、円周方向に互い隣接する前記軸組付用孔相互間における一方の軸組付用孔寄りに切欠を形成することで、前記遊星歯車装置の回転作動時での前記軸組付用孔における応力を分散させるとともに、前記複数の遊星歯車を含む前記円盤部材の重心位置を、前記円盤部材の回転中心位置に近付けるようにして振動を抑制することを特徴とする遊星歯車装置の振動抑制方法。
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