JP2013124742A - 車両用歯車装置の歯打ち音防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】サブギヤを装着するためのピンの穴をさらに設ける必要のない車両用歯車装置の歯打ち音防止装置を提供する。
【解決手段】歯打ち音防止装置22において、円弧状スプリング38の一端部は円弧状貫通穴40の円穴40bに嵌め着けられた第1連結ピン42により第1減速歯車Mn1と連結され、円弧状スプリング38の他端部は第2連結ピン44によりサブギヤ36に連結されているので、第1減速歯車Mn1に新たな穴を加工することなくサブギヤ36が円弧状スプリング38を介して第1減速歯車Mn1に装着される。すなわち、サブギヤ36を装着するためのピンの穴をさらに設ける必要のない歯打ち音防止装置22が得られる。
【選択図】図3
【解決手段】歯打ち音防止装置22において、円弧状スプリング38の一端部は円弧状貫通穴40の円穴40bに嵌め着けられた第1連結ピン42により第1減速歯車Mn1と連結され、円弧状スプリング38の他端部は第2連結ピン44によりサブギヤ36に連結されているので、第1減速歯車Mn1に新たな穴を加工することなくサブギヤ36が円弧状スプリング38を介して第1減速歯車Mn1に装着される。すなわち、サブギヤ36を装着するためのピンの穴をさらに設ける必要のない歯打ち音防止装置22が得られる。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両用歯車装置に備えられる歯打ち音防止装置に関し、特に、歯打ち音防止装置を互いに噛み合う一対の歯車の一方に設置可能とする構造に関するものである。
互いに噛み合う一対の歯車を有する歯車装置を備える車両では、歯打ち音などの噛み合いノイズの低減が求められる。たとえば、動力分割プラネタリ3軸式ハイブリッド車両では、各軸に動力源が配置されることにより、一軸の動力変化によりギヤ歯同士が衝突する歯打ち音が発生する場合がある。特許文献1に記載されているように、バックラッシュを詰めるために制御でトルクを付与することが提案されている。また、他の文献では、歯打ち音が発生し難くなるようにエンジンの運転点を変更させる提案もある。このような、機構を変更することなく制御で対処するものであるため、歯打ち音の解消に限界がある。
これに対して、特許文献2に記載されているように、歯車の歯面誤差による起振力により歯車が共振して発生するギヤノイズなどの振動および騒音の対策のため、メインギヤを低剛性化する環状溝を設けるとともに円弧状の貫通穴をギヤ軸心方向に貫通して設け、メインギヤと同様の外周歯を有するサブギヤ(シザーズギヤ) を、それを周方向に付勢するスプリングを介してピンを用いてメインギヤに同心に装着し、メインギヤの外周歯とサブギヤの外周歯とで、メインギヤに噛み合う他の歯車の外周歯を挟むようにして、歯打ち音を機構的に防止する歯打ち音防止装置が提案されている。
ところで、上記歯打ち音防止装置では、メインギヤは、本来的に質量低減のために環状溝により肉盗み加工が施されるとともに低剛性化のための円弧状の貫通穴が形成されているため歯車強度が低くなっており、その上に、サブギヤを装着するためのピンを固定する穴を設けることは、メインギヤの強度維持の上で制約があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、サブギヤを装着するためのピンの穴をさらに設ける必要のない車両用歯車装置の歯打ち音防止装置を提供することにある。
上記目的を達成するための、第1発明の要旨とするところは、(a) 互いに噛み合う一対の第1歯車および第2歯車を有する車両用歯車装置において、該第1歯車に設けられて該第1歯車および該第2歯の間の歯打ち音を抑制する歯打ち音防止装置であって、(b) 前記第1歯車にその軸心に平行な方向に貫通するように形成された貫通穴と、(c) 前記第1歯車の外周歯と同様の外周歯を有し、該第1歯車の一端面に軸心まわりの相対回転可能に設けられたサブギヤと、(d) 前記貫通穴に嵌め着けられた第1連結ピンにより一端部が前記第1歯車に連結され、他端部が第2連結ピンにより前記サブギヤに連結された円弧状スプリングとを含み、(e) 前記円弧状スプリングの自由状態では、前記第1歯車の外周歯と前記サブギヤの外周歯とが周方向においてずらされていることにある。
第1発明の車両用歯車装置の歯打ち音防止装置によれば、円弧状スプリングの自由状態において相互に周方向にずらされている前記第1歯車の外周歯と前記サブギヤの外周歯とが前記第2歯車に噛み合わされると、第2歯車の外周歯は第1歯車の外周歯と前記サブギヤの外周歯とによって挟持された状態となるので、第1歯車と第2歯車との間の歯打ち音が抑制される。この歯打ち音防止装置では、円弧状スプリングの一端部は貫通穴に嵌め着けられた第1連結ピンにより第1歯車に連結され、円弧状スプリングの他端部は第2連結ピンにより前記サブギヤに連結されているので、第1歯車に新たな穴を加工することなくサブギヤが円弧状スプリングを介して第1歯車に装着される。すなわち、サブギヤを装着するためのピンの穴をさらに設ける必要のない車両用歯車装置の歯打ち音防止装置が得られる。
ここで、好適には、前記貫通穴は、前記第1歯車の周方向に長い円弧穴と、該円弧穴の両端に形成された円穴とを有する円弧状貫通穴であり、前記第1連結ピンは、該円弧状貫通穴の周方向の端部に形成された円穴に嵌め着けられている。このようにすれば、第1歯車に新たな穴を形成することなく、第1連結ピンを第1歯車に嵌め着けることができる。
また、好適には、前記円弧状スプリングの一端部には、前記円弧状貫通穴の両端部に形成された円穴よりも小径の連結穴が形成されており、前記第1連結ピンは、その円穴に嵌合する大径部とその連結穴に嵌合する小径部とを有する段付ピンである。このようにすれば、第1連結ピンの大径部を円弧状貫通穴の両端部に形成された円穴の径に嵌め着け可能な径に加工することにより、第1歯車に新たな穴を形成することなく、第1連結ピンを第1歯車に嵌め着けることができる。
また、好適には、前記円弧状スプリングは、前記円弧状貫通穴の径方向位置と同様の径を有して、前記第1歯車の端面に形成された環状溝内に収容されており、前記サブギヤは、円板状であって前記第1歯車のボス部と相対回転可能に嵌合した状態で該環状溝の開口を閉じるように第1歯車に装着されている。このようにすれば、軸方向寸法を増加させることなく、歯打ち音防止装置が設けられる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、所謂4軸式ハイブリッド用トランスアクスルであって、FF車両に好適に用いられる。この形式のトランスアクスルは、車輪の操舵装置との関係で車幅方向の寸法の制約があり、車幅方向すなわち軸心方向においてコンパクトに構成されることが望まれる。なお、図1では、トランスアクスルハウジングが除去されて示されている。図2は、各回転部材の軸心の位置関係を概略示すギヤ配置図であり、車両左側から見た図である。
車両用駆動装置10は、第1軸線S1上に配置された第1駆動部12と、第1軸線S1に平行な第3軸線S3上に配置された第2駆動部14とを備えている。第1駆動部12は、3つの回転要素であるサンギヤS、キャリヤCA、リングギヤRを有する遊星歯車装置PGと、キャリヤCAに対してダンパ装置Tlを介して連結されたエンジンE/Gと、サンギヤSに連結された第1モータジェネレータMG1と、リングギヤRに一体に連結された第1出力歯車Evとを備えている。第1駆動部12は、車幅方向の一端側(図1における左側)から第1モータジェネレータMG1、遊星歯車装置PG、第1出力歯車Ev、ダンパ装置Tl、エンジンE/Gの順番で略水平な第1軸線S1上に配置されている。そして、第1出力歯車Evは、その第1軸線S1と平行な第2軸線S2上に配置された第1減速歯車Mn1と噛み合わされているとともに、その第1減速歯車Mn1と同軸に配置されている第2減速歯車Mn2は、同じく第1軸線S1と平行な第5軸線S5上に配設されている差動歯車装置16の大径ギヤRGと噛み合わされている。差動歯車装置16は傘歯車式で、デフケースDcの内部に設けられたピニオンおよびそれと噛み合うサイドギヤを介して左右の車軸Dshに駆動力を分配し、左右の駆動輪である前輪18が回転駆動される。差動歯車装置16は、ピニオンおよびそれと噛み合うサイドギヤ等を収容する大径部分が大径ギヤRGよりも車両幅方向の一端側(図1における左側)と反対側に位置するように配置されている。第1出力歯車Evの歯数は大径ギヤRGよりも少なく、第1駆動部12の第1出力歯車Evから出力された回転は、それ等の第1出力歯車Evと大径ギヤRGで定まる所定の減速比で減速されて左右の前輪18に伝達される。大径ギヤRGを備える差動歯車装置16は、終減速機として機能している。
第2駆動部14は、第2モータジェネレータMG2と、その第2モータジェネレータMG2によって回転駆動される第2出力歯車Mvとを備えており、第1軸線S1と平行な第3軸線S3上に、車両幅方向の前記一端側(図1における左側)から第2モータジェネレータMG2、第2出力歯車Mvの順番で配置されている。第2出力歯車Mvは、第3軸線S3と平行な第2軸線S2上に配置されたカウンタ軸20に一体的に取り付けられた第1減速歯車Mn1と噛み合わされている。第2出力歯車Mvの歯数は第1減速歯車Mn1よりも少なく、カウンタ軸20は所定の減速比で減速回転させられる。これ等の第2出力歯車Mvと第1減速歯車Mn1との噛合位置は、車両幅方向において前記エンジンE/Gよりも前記一端側(図1における左側)である。ダンパ装置Tlは、図1には示されないトランスアクスルハウジング内に配置され、エンジンE/Gは、そのトランスアクスルハウジングに設けられたエンジン合せ面(図1におけるエンジンE/Gの左端)に一体的に固設されるが、そのエンジン合せ面までのトランスアクスルハウジング内に第2出力歯車Mvおよび第1減速歯車Mn1が配設される。デフケースDcが大径ギヤRGよりもエンジンE/G側へ突き出すように配置される差動歯車装置16も、そのデフケースDcがエンジン合せ面までのトランスアクスルハウジング内に略収容されるように配設されている。
上記カウンタ軸20には、第1減速歯車Mn1よりも車両幅方向の前記一端側(図1における左側)に、第1減速歯車Mn1よりも歯数が少ない第2減速歯車Mn2が一体的に取り付けられており、第2減速歯車Mn2は大径ギヤRGと噛み合わされている。これにより、第2駆動部14の駆動力は、第2出力歯車Mvから第1減速歯車Mn1、第2減速歯車Mn2を経て大径ギヤRGに伝達され、差動歯車装置16によって左右の車軸Dshに分配される。第2減速歯車Mn2の歯数は大径ギヤRGよりも少なく、第2駆動部14の第2出力歯車Mvから出力された回転は、第2出力歯車Mvとそれより大径の第1減速歯車Mn1との歯数比で定まる減速と、および第2減速歯車Mn2と大径ギヤRGとの歯数比で定まる減速との2段階で減速され、第1駆動部12よりも大きな減速比で減速されて差動歯車装置16に伝達される。
上記第1軸線S1〜第5軸線S5の位置関係は、図2から明らかなように、第1駆動部12の第1軸線S1が車両の最も前側に設定され、第2駆動部14の第3軸線S3は車両の最も後側で第1軸線S1の後方斜め上に設定され、差動歯車装置16の第5軸線S5は、車両前後方向において第1軸線S1と第3軸線S3との間であって第1軸線S1の後方斜め下に設定されている。また、第1減速歯車Mn1が配置された第2軸線S2は、車両前後方向において第1軸線S1と第5軸線S5との間であってそれ等を結ぶ線分の上方位置に設定されている。
このような車両用駆動装置10においては、第1駆動部12の第1出力歯車Evが第1減速歯車Mn1と噛み合わされているため、第1出力歯車Evの径寸法の設定や各軸配置の自由度を確保しつつ、ダンパ装置Tlの径寸法を大きくすることが可能で、軸方向すなわち車両幅方向の寸法を拡大することなく、NV性能やトルクリミッタのトルク容量を確保することが容易になる。一対の減速歯車を有するカウンタ軸20を用いないため、第1駆動部12側の減速比の設定の自由度が制約されるが、エンジン出力の減速比は比較的小さくて良い(例えば2〜5程度)ため、第1出力歯車Evと大径ギヤRGとの歯数比による減速だけで所定の減速比を確保することができる。
一方、第2駆動部14側については、一対の斜歯歯車である第1減速歯車Mn1および第2減速歯車Mn2を有する長手状のカウンタ軸20が設けられるため、減速比の設定の自由度が高くて十分な減速比(例えば8〜15程度)を容易に確保できる。また、その一対の第1減速歯車Mn1および第2減速歯車Mn2のうち車両幅方向において前記一端側(図1における左側)と反対側の減速歯車、すなわち第1減速歯車Mn1は、車両幅方向においてエンジンE/Gよりも一端側(図1における左側)で噛み合わされているため、軸方向すなち車両幅方向の寸法をできるだけ短く維持しつつ、エンジンE/G側まで突き出して配置される場合に比較して差動歯車装置16とエンジンE/Gとの間の距離(S1とS5との間の軸間距離)が小さく維持され、装置が全体としてコンパクトに構成される。
ところで、比較的慣性重量が大きい第2モータジェネレータMG2に連結されてそれとともに回転する第2出力歯車Mvと、それと噛み合って走行中に前輪18と共に連れまわる第1減速歯車Mn1との歯面間にバックラッシュが存在してそのバックラッシュの範囲で相対回転が許容される。このため、上記のように構成された車両用駆動装置10において第2モータジェネレータMG2の出力トルクが零或いは略零である走行中に、バックラッシュが詰められたときに衝突音すなわち歯打ち音が繰り返し発生し、車両の騒音となる可能性がある。しかし、本実施例の車両用駆動装置10においては、歯打ち音防止装置22が第1減速歯車Mn1に設けられ、その歯打ち音の発生が抑制されるようになっている。本実施例では、上記第1減速歯車Mn1およびそれが固定されたカウンタ軸20が第1歯車に対応し、カウンタ軸20が大径側ギヤの軸部に対応し、上記第2出力歯車Mvが第2歯車に対応し、それら第1減速歯車Mn1、カウンタ軸20、および第2出力歯車Mvが、車両用歯車装置に対応している。
図3に詳しく示すように、カウンタ軸20は、その一端部および他端部が一対の軸受24を介してトランスアクスルハウジング26により回転可能に支持されており、カウンタドライブギヤとして機能する第2減速歯車Mn2を一端部に一体に備え、カウンタドリブンギヤとして機能する第1減速歯車Mn1をスプライン嵌合によって相対回転不能に他端部に備えている。また、第2出力歯車Mvは、一対の軸受30を介してトランスアクスルハウジング26により回転可能に一端部および他端部が支持された長手状の軸部Mvaと、軸部Mvaの中間部に一体に形成された歯部Mvbと、図1に示す第2モータジェネレータMG2と連結するためにその軸部Mvaの一端に一体に形成されたスプライン嵌合歯32とを備えている。
第1減速歯車Mn1は、カウンタ軸20に嵌合される厚肉円筒状のボス部Mn1aと、外周歯が形成された外周部Mn1bと、それらを連結する肉薄環状壁である連結壁部Mn1cとを備え、連結壁部Mn1cの両側に環状溝CG1およびCG2が形成されている。ボス部Mn1aのうちのカウンタ軸20の軸端側部分は第2減速歯車Mn2側部分に比較して大径であり、端面が連結壁部Mn1cに接近している。そして、第1減速歯車Mn1の外周歯と同様の歯形を有して第2出力歯車Mvの歯部Mvbと噛み合う外周歯34が形成された円板状のサブギヤ36は、ボス部Mn1aのカウンタ軸20の軸端側部分に相対回転可能に嵌合され、カウンタ軸20の軸端側の環状溝CG2の開口を閉じるように第1減速歯車Mn1に装着されている。そして、サブギヤ36は、カウンタ軸20の軸端側の環状溝CG2内に収容されたC字状の円弧状スプリング38を介して第1減速歯車Mn1に連結されている。
図4は、第1減速歯車Mn1をカウンタ軸20の軸端側から見た正面図である。図4に詳しく示すように、第1減速歯車Mn1の連結壁部Mn1cには、軸心S2方向に貫通する円弧状貫通穴40が周方向に等間隔に複数個( 本実施例では3個) 形成されている。この円弧状貫通穴40は、第1減速歯車Mn1の周方向に長い円弧穴40aと、その円弧穴40aの両端に形成された円穴40bとを有している。この円弧状貫通穴40の円穴40bには、第1連結ピン42が圧入などにより嵌め着けられている。第1連結ピン42は、円穴40bに嵌合する大径部42aと大径部42aよりも小径の小径部42bとを備える段付ピンである。
円弧状スプリング38は、円周方向に長いC字形状であって、両端部が周方向に接近し或いは離隔する方向の弾性変形が可能なばね板材製或いは合成樹脂製であって、円穴40bよりも小径の連結用ピン穴38aおよび38bを両端部にそれぞれ備えている。円弧状スプリング38は、円弧状貫通穴40の円穴40b内に嵌め着けられた第1連結ピン42の小径部42bが連結用ピン穴38aに嵌め入れられることで一端部が第1減速歯車Mn1に連結され、第2連結ピン44が円弧状スプリング38の連結用ピン穴38bとサブギヤ36に形成された連結用ピン穴36aとに嵌め入れられることでその他端部が第2連結ピン44によりサブギヤ36に連結されている。これにより、サブギヤ36は、円弧状スプリング38の弾性変形で許容される範囲内で、第1減速歯車Mn1に対して相対回転が可能となっている。この円弧状スプリング38の自由状態では、第1減速歯車Mn1の外周歯とサブギヤ36の外周歯34とが周方向において所定角度ずらされている。図4において、サブギヤ36の外周歯34が実線で示され、それと重なる部位の第1減速歯車Mn1の外周歯が破線で示されている。
歯打ち音防止装置22は、第1減速歯車Mn1に相対回転可能に設けられたサブギヤ36と、サブギヤ36を第1減速歯車Mn1に連結するために、カウンタ軸20の軸端側の環状溝CG2内に収容されたC字状の円弧状スプリング38と、円弧状スプリング38の一端部を第1減速歯車Mn1に連結する第1連結ピン42と、円弧状スプリング38の他端部をサブギヤ36に連結する第2連結ピン44とから構成される。
歯車装置を構成する一対の互いに噛み合う第1減速歯車Mn1と第2出力歯車Mvとにおいて、相互の歯打ち音を抑制する歯打ち音防止装置22の作用を以下に説明する。前述のように円弧状スプリング38の自由状態では、第1減速歯車Mn1の外周歯とサブギヤ36の外周歯34とが周方向において、図4の破線に示すように所定角度ずらされていることから、第1減速歯車Mn1の外周歯およびサブギヤ36の外周歯34が第2出力歯車Mvの外周歯と噛み合わされると、第2出力歯車Mvの外周歯は第1減速歯車Mn1の外周歯とサブギヤ36の外周歯34とにより挟持された状態となるので、第1減速歯車Mn1の外周歯と第2出力歯車Mvの外周歯との間の歯打ち音が抑制される。
上述のように、本実施例の歯打ち音防止装置22によれば、円弧状スプリング38の一端部は円弧状貫通穴40の円穴40bに嵌め着けられた第1連結ピン42により第1減速歯車Mn1に連結され、円弧状スプリング38の他端部は第2連結ピン44によりサブギヤ36に連結されているので、第1減速歯車Mn1に新たな穴を加工することなくサブギヤ36が円弧状スプリング38を介して第1減速歯車Mn1に装着される。すなわち、サブギヤ36を装着するためのピンの穴をさらに設ける必要のない歯打ち音防止装置22が得られる。
また、本実施例の歯打ち音防止装置22によれば、円弧状貫通穴40は、第1減速歯車Mn1の周方向に長い円弧穴40aと、その円弧穴40aの両端に形成された円穴40bとを有する円弧状貫通穴であり、第1連結ピン42は、その円弧状貫通穴40の周方向の端部に形成された円穴40bに嵌め着けられている。このため、第1減速歯車Mn1に新たな穴を形成することなく、第1連結ピン42を第1減速歯車Mn1に嵌め着けることができる。
また、本実施例の歯打ち音防止装置22によれば、円弧状スプリング38の一端部には、円弧状貫通穴40の両端部に形成された円穴40bよりも小径の連結用ピン穴38aおよび38bがそれぞれ形成されており、第1連結ピン42は、その円穴40bに嵌合する大径部42aとその連結用ピン穴38aに嵌合する小径部42bとを有する段付ピンである。このため、第1連結ピン42の大径部42aを円弧状貫通穴40の両端部に形成された円穴40bの径に嵌め着け可能な径に加工することにより、第1減速歯車Mn1に新たな穴を形成することなく、第1連結ピン42を第1減速歯車Mn1に嵌め着けることができる。
また、本実施例の歯打ち音防止装置22によれば、円弧状スプリング38は、円弧状貫通穴40の径方向位置と同様の径を有して、第1減速歯車Mn1の端面に形成された環状溝CG2内に収容されており、サブギヤ36は、円板状であって第1減速歯車Mn1のボス部Mn1aと相対回転可能に嵌合した状態でその環状溝CG2の開口を閉じるように第1減速歯車Mn1に装着されている。このため、軸方向寸法を増加させることなく、歯打ち音防止装置22が設けられる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例において、第1減速歯車Mn1には3個の円弧状貫通穴40が形成されていたが、2個或いは4個以上であってもよい。また、円弧状貫通穴40に替えて、複数個の円形貫通穴が設けられていてもよい。
また、前述の実施例では、円弧状のスプリング38は板材であったが、一部または全部が線材から構成されていてもよい。
また、前述の実施例では、ハイブリッド車両のトランスアクスル内の歯車装置について説明されていたが、本発明は他の車両用動力伝達装置における歯車装置に対しても適用され得る。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両用駆動装置
20:カウンタ軸( 車両用歯車装置)
Mv:第2出力歯車( 第2歯車、車両用歯車装置)
Mn1:第1減速歯車( 第1歯車、車両用歯車装置)
22:歯打ち音防止装置
36:サブギヤ
38:円弧状スプリング
38a、38b:連結用ピン穴
40:円弧状貫通穴( 貫通穴)
40a:円弧穴
40b:円穴
42:第1連結ピン
42a:大径部
42b:小径部
44:第2連結ピン
CG2:環状溝
20:カウンタ軸( 車両用歯車装置)
Mv:第2出力歯車( 第2歯車、車両用歯車装置)
Mn1:第1減速歯車( 第1歯車、車両用歯車装置)
22:歯打ち音防止装置
36:サブギヤ
38:円弧状スプリング
38a、38b:連結用ピン穴
40:円弧状貫通穴( 貫通穴)
40a:円弧穴
40b:円穴
42:第1連結ピン
42a:大径部
42b:小径部
44:第2連結ピン
CG2:環状溝
Claims (4)
- 互いに噛み合う一対の第1歯車および第2歯車を有する車両用歯車装置において、該第1歯車に設けられて該第1歯車および該第2歯の間の歯打ち音を抑制する歯打ち音防止装置であって、
前記第1歯車にその軸心に平行な方向に貫通するように形成された貫通穴と、
前記第1歯車の外周歯と同様の外周歯を有し、該第1歯車の一端面に軸心まわりの相対回転可能に設けられたサブギヤと、
前記貫通穴に嵌め着けられた第1連結ピンにより一端部が前記第1歯車に連結され、他端部が第2連結ピンにより前記サブギヤに連結された円弧状スプリングとを、含み、
前記円弧状スプリングの自由状態では、前記第1歯車の外周歯と前記サブギヤの外周歯とが周方向においてずらされていることを特徴とする車両用歯車装置の歯打ち音防止装置。 - 前記貫通穴は、前記第1歯車の周方向に長い円弧穴と、該円弧穴の両端に形成された円穴とを有する円弧状貫通穴であり、
前記第1連結ピンは、該円弧状貫通穴の周方向の端部に形成された円穴に嵌め着けられていることを特徴とする請求項1の車両用歯車装置の歯打ち音防止装置。 - 前記円弧状スプリングの一端部には、前記円弧状貫通穴の両端部に形成された円穴よりも小径の連結穴が形成されており、
前記第1連結ピンは、その円穴に嵌合する大径部とその連結穴に嵌合する小径部とを有する段付ピンであることを特徴とする請求項2の車両用歯車装置の歯打ち音防止装置。 - 前記円弧状スプリングは、前記円弧状貫通穴の径方向位置と同様の径を有して、前記第1歯車の端面に形成された環状溝内に収容されており、
前記サブギヤは、円板状であって前記第1歯車のボス部と相対回転可能に嵌合した状態で該環状溝の開口を閉じるように第1歯車に装着されていることを特徴とする請求項2または3の車両用歯車装置の歯打ち音防止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011274678A JP2013124742A (ja) | 2011-12-15 | 2011-12-15 | 車両用歯車装置の歯打ち音防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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