JP2015110962A - ギヤカップリング及びこれを備えた車両用ホイール駆動装置 - Google Patents

ギヤカップリング及びこれを備えた車両用ホイール駆動装置 Download PDF

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彬広 川井
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Abstract

【課題】ギヤカップリングの回転停止時における異音の発生を抑制する。
【解決手段】ギヤカップリングは、はすば内歯車IGa,IGbが設けられたスリーブ91,95と、はすば内歯車IGa,IGbに噛合するはすば外歯車EGa,EGbが設けられたハブ93と、を備える。はすば外歯車EGaの歯のねじれ方向と、はすば外歯車EGbの歯のねじれ方向とは同じ向きに設定されており、2つのはすば外歯車EGa、EGbは、少なくともモジュール、圧力角、歯数、及び歯すじのねじれ角が同じ値に設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ギヤカップリング及びこれを備えた車両用ホイール駆動装置に関する。
従来から、歯車を用いてトルクを伝達するギヤカップリングが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたギヤカップリングは、スリーブと、該スリーブの内側に配置されたハブと、を備えている。スリーブの内周には内歯車が設けられ、ハブの外周には外歯車が設けられ、これら内歯車と外歯車とが噛合している。
特開2012−149762号公報
上記ギヤカップリングでは、回転停止に伴う自己調心作用の消失によってハブが自重落下する際などに、ハブの外歯車の歯先がスリーブの内歯車の歯底に衝突して、異音が生じることがあった。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ギヤカップリングの回転停止時における異音の発生を抑制することにある。
本発明の一態様は、はすば内歯車が設けられたスリーブと、そのはすば内歯車に噛合するはすば外歯車が設けられたハブと、を備えたギヤカップリングである。
このギヤカップリングでは、スリーブとハブとを、平歯車よりも噛合い率が大きいはすば歯車を用いて連結しているため、回転停止時に自重落下するハブを平歯車よりも多くの歯で受け止めることができる。すなわち、このギヤカップリングによれば、落下したハブからスリーブへ入力される荷重の伝達経路をより分散させることができるため、衝撃荷重の集中を緩和して、異音の発生を抑制することができる。
図1は、本発明の第1実施形態にかかるギヤカップリングを備えたホイール駆動装置の側断面図である。 図2は、図1に示すギヤカップリングの部分断面分解斜視図である。 図3は、図1に示すギヤカップリングの組付け方法を示す部分断面図である。 図4は、ギヤカップリングの自己調心作用及び遊びを説明する図である。 図5は、本発明の第2実施形態にかかるギヤカップリングを備えたホイール駆動装置の側断面図である。 図6は、図5に示すギヤカップリングの組付け方法を示す部分断面図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態にかかるギヤカップリング9を備えたホイール駆動装置について、図1及び2を参照して説明する。本実施形態にかかるホイール駆動装置は、車両に搭載されるインホイールモータ(In-Wheel Motor)IWMである。
図1に示すように、インホイールモータIWMは、図示されないタイヤを支持するホイール1の内部に駆動源を配設したものであり、モータケース3と、駆動源であるモータ5と、減速機7と、ギヤカップリング9とを備える。
モータケース3は、図示されないサスペンション機構を介して車体に支持され、モータ5及び減速機7を収容する。このモータケース3は、筒状のケース本体31と、ケース本体31の車幅方向内側(図1中の左側)の開口部を覆うカバー33と、ケース本体31の車幅方向外側(図1中の右側)の開口部を塞ぐエンドプレート35とから主に構成されている。エンドプレート35には、後述する駆動側スリーブ91を回転可能に支持するためのベアリング11が取り付けられている。
モータ5は、本実施形態では、電動モータである。このモータ5は、モータケース3のケース本体31の内周に配設された環状のステータ51と、ステータ51の径方向内側にステータ51と同軸上に配設されたロータ53とを有している。ステータ51は、モータケース3のケース本体31の内周面に固定されており、ロータ53は、ロータベアリング57により、モータケース3のカバー33に対して回転可能に支持されている。
減速機7は、モータ5の回転を減速してギヤカップリング9に伝達するものであり、本実施形態では、遊星歯車式減速機である。この減速機7は、モータ5のロータ53のロータ軸55上に形成された太陽ギヤ71と、モータケース3のケース本体31の内部に固定されたリングギヤ73と、太陽ギヤ71とリングギヤ73との間に配設された遊星ギヤ75とを有している。遊星ギヤ75は、キャリア77に支持された遊星ギヤシャフト75aに回転可能に支持されている。このキャリア77は、後述する駆動側スリーブ91にキャリア連結部79を介して連結されており、駆動側スリーブ91と一体的に回転するようになっている。また、遊星ギヤ75は、太陽ギヤ71に噛合する大径ピニオンギヤ部75bと、リングギヤ73に噛合する小径ピニオンギヤ部75cとが一体に形成されている。
ギヤカップリング9は、減速機7とホイール1との間のトルク伝達経路に配設され、モータ5の回転を減速機7からホイール1へと伝達する。以下のギヤカップリング9及びその構成要素の説明においては、車幅方向内側を入力側、車幅方向外側を出力側と称することもある。
ギヤカップリング9は、図1及び2に示すように、駆動側(入力側)スリーブ91と、ハブ93と、従動側(出力側)スリーブ95と、を備えている。
駆動側スリーブ91は、モータ5のロータ軸55と同軸上に配置され、ベアリング11により、モータケース3のケース本体31に対して回転可能に支持されている。駆動側スリーブ91は、略水平方向に延在する円筒状の形状を有しており、その内周面には、はすば内歯車IGaが形成されている。
駆動側スリーブ91の車幅方向内側には、ロータ軸支持部97が駆動側スリーブ91と一体に形成されている。ロータ軸支持部97は、ロータ軸55の先端部を、ベアリング13を介して回転可能に支持している。また、駆動側スリーブ91の車幅方向内側の外周面には、キャリア連結部79が駆動側スリーブ91と一体に形成されている。キャリア連結部79は、駆動側スリーブ91に接続された前壁部79aと、前壁部79aの外周縁部から車幅方向内側に延在して減速機7のキャリア77に接続された側壁部79bとを備えている。また、前壁部79aの外周縁部には、ベアリング11が外嵌されている。なお、駆動側スリーブ91の外周面とエンドプレート35の開口部との間の隙間は、シールリング15によりシールされている。
従動側スリーブ95は、モータ5のロータ軸55と同軸上に配置され、ベアリング17により、モータケース3のケース本体31に対して回転可能に支持されている。従動側スリーブ95は、略水平方向に延在する円筒状の形状を有しており、その内周面には、はすば内歯車IGbが形成されている。
従動側スリーブ95の車幅方向内側には、円筒状のベアリング部99が従動側スリーブ95と一体に形成されている。ベアリング部99は、ベアリング17を介してベアリングホルダ19に回転可能に支持されている。ベアリングホルダ19は、ボルト21により、エンドプレート35とともにモータケース3のケース本体31に締結固定されている。
また、従動側スリーブ95の外周面には、ホイール取付フランジ23が従動側スリーブ95と一体に形成されている。ホイール取付フランジ23には、複数のボルト孔25が設けられている。そして、これらボルト孔25にボルト27aを挿入し、これにナット27bを螺合させて、ホイール取付フランジ23にホイール1を取り付けている。
ハブ93は、駆動側スリーブ91及び従動側スリーブ95の内側に、これらのスリーブ91,95と同軸状に配設されたシャフトである。ハブ93の車幅方向内側(入力側)端部の外周面と車幅方向外側(出力側)端部の外周面とには、それぞれはすば外歯車EGa,EGbが形成されている。
ハブ93は、第1歯車係合部を介して駆動側スリーブ91にトルク伝達可能に連結されるとともに、第2歯車係合部を介して従動側スリーブ95にトルク伝達可能に連結されている。第1歯車係合部では、駆動側スリーブ91のはすば内歯車IGaとハブ93のはすば外歯車EGaとが噛合している。また、第2歯車係合部では、従動側スリーブ95のはすば内歯車IGbとハブ93のはすば外歯車EGbとが噛合している。
また、本実施形態では、ハブ93の入力側端部に設けられたはすば外歯車EGaの歯のねじれ方向と、出力側端部に設けられたはすば外歯車EGbの歯のねじれ方向とが、互いに同じ向きに設定されている。具体的には、はすば外歯車EGaのねじれ方向は、左ねじれであり、はすば外歯車EGbのねじれ方向も、左ねじれである。よって、駆動側スリーブ91のはすば内歯車IGaのねじれ方向は、右ねじれであり、従動側スリーブ95のはすば内歯車IGbのねじれ方向も、右ねじれである。
なお、ハブ93の両端部に設けられたはすば外歯車EGa,EGbは、ねじれ方向のみならず、他の歯車緒元も等しくなるように設定されている。他の歯車緒元としては、モジュール(軸直角モジュールまたは歯直角モジュール)、圧力角、歯数、歯すじのねじれ角、基準円直径、歯先円直径、歯底円直径、バックラッシ、転移量等が挙げられる。
また、図示は省略するが、はすば外歯車EGa,EGbの歯面には、クラウニングが施されている。これにより、ギヤカップリング9が、モータ5の回転軸とホイール1の回転軸との間の芯ずれ・角度ずれ・軸移動を許容しつつ、モータ5からホイール1へトルクを伝達できるようになっている。また、ギヤカップリング9は、歯車の歯面間に隙間を有するため、路面からホイール1に入力される衝撃がモータ5や減速機7などに直接伝達されることを抑制することができる。
以下、本実施形態にかかるホイール駆動装置におけるギヤカップリング9の組付け方法について、図3を参照して説明する。
まず、モータケース3を組み立てる。モータケース3の内部には、モータ5、減速機7、駆動側スリーブ91を収容する。また、モータケース3の車幅方向外側には、ベアリングホルダ19を、ボルト21により、モータケース3のケース本体31に締結固定して、従動側スリーブ95を駆動側スリーブ91と同軸上に位置決めする。
この状態で、ハブ93の入力側端部を、図3(a)に示すように、従動側スリーブ95の車幅方向外側(図3(a)の右側)から従動側スリーブ95に挿入する。その際、ハブ93は、挿入されるはすば外歯車EGaのねじれ方向と同じ方向に回転させながら挿入する。具体的には、ハブ93を、モータケース3の外側(車幅方向外側)から見て軸周りに反時計方向に回転させながら挿入する。このとき、従動側スリーブ95の内歯車IGbやハブ93のはすば外歯車EGaに潤滑用グリスを塗布するとよい。なお、ハブ93を軸周りに回転させる代わりに、従動側スリーブ95を、モータケース3の外側(車幅方向外側)から見て時計方向に回転させながら挿入してもよい。ハブ93は、はすば外歯車EGaが従動側スリーブ95のはすば内歯車IGbを通過してそのはすば内歯車IGbの車幅方向内側に抜けるまで挿入する。その後、挿入したはすば外歯車EGaを、駆動側スリーブ91のはすば内歯車IGaの手前まで移動させる。
次に、図3(b)に示すように、ハブ93の入力側端部を駆動側スリーブ91に装着するとともに、ハブ93の出力側端部を従動側スリーブ95に装着する。具体的には、駆動側スリーブ91のはすば内歯車IGaにハブ93のはすば外歯車EGaを挿入すると同時に、従動側スリーブ95のはすば内歯車IGbにハブ93のはすば外歯車EGbを挿入する。その際も、ハブ93は、挿入されるはすば外歯車EGa,EGbのねじれ方向と同じ方向に回転させながら挿入する。具体的には、ハブ93を、モータケース3の外側(車幅方向外側)から見て軸周りに反時計方向に回転させながら挿入する。このとき、両スリーブ91,95の内歯車IGa,IGbやハブ93のはすば外歯車EGa,EGbに潤滑用グリスを塗布するとよい。ハブ93のはすば外歯車EGbが従動側スリーブ95の内部に収容されたら、グリスを封入し、従動側スリーブ95の開放端部に抜け止め具29を取り付ける。
以下、本実施形態による作用効果を説明する。
一般に、ギヤカップリングは、スリーブに設けられた内歯車とハブに設けられた外歯車との噛み合いにより、駆動側スリーブから入力されたトルクを従動側スリーブに伝達する。トルク伝達時、噛み合い状態にある外歯車の歯面には、図4に示したように、歯面に対して略垂直に力Krが作用する。外歯車の歯面の法線方向は、外歯車の周方向に対して傾斜しているため、力Krは、径方向内側(回転中心軸側)向きの成分Ksを有している。
そして、ギヤカップリングが噛み合い状態にあるときは、外歯車の複数の歯に対して内歯車の複数の歯から径方向内側向きの力Ksが作用するため、ハブはスリーブの中心に位置するようになる。具体的には、ハブの中心軸がスリーブの中心軸または回転中心軸と略一致するようになる。これをギヤカップリングの自己調心作用とも呼ぶ。
一方、ギヤカップリングの回転が停止して、歯車の噛み合い接触が解かれると、上記自己調心作用が消失して、ハブは自重で落下する。このとき、ハブの外歯車の歯先とスリーブの内歯車の歯底とが衝突して、異音が発生することがある。
本実施形態のギヤカップリング9では、スリーブ91,95とハブ93とを、はすば内歯車IGa,IGbとはすば外歯車EGa,EGbとの噛合により連結している。はすば歯車は、噛合い率が平歯車に比較して大きく、そのため回転停止時に自重で落下するハブ93を、平歯車よりも多くの歯で受け止めることができる。すなわち、このギヤカップリング9によれば、自重落下するハブ93からの荷重が、より分散した経路を通ってスリーブ91,95に入力されることとなる。これにより、衝撃荷重の集中を緩和して、上記異音の発生を抑制(衝突音を低減)することができる。
次に、ハブが自重落下する際の移動量の観点から効果を説明する。いま歯車の軸に垂直な断面(図4)において、反噛み合い側の歯面間の遊び(バックラッシ)をDとし、外歯車の反噛み合い側の歯面の鉛直方向に対する角度をBとする。この場合、当該歯の鉛直方向の遊び(ガタ)Dvは、バックラッシに相当する隙間の鉛直方向幅D1(=D/sinB)を歯幅の範囲全体に亘って算出したときの最小値に略等しくなる(Dv≒min(D1))。つまり、ある歯車の鉛直方向の遊び(ガタ)は、角度Bの値にばらつきがあるほど(あるいは角度Bの変域が大きいほど)、小さくなる傾向があることがわかる。
はすば歯車は、歯すじが歯車の軸に対して傾斜しているため、はすば歯車の角度Bの変域は、平歯車のそれよりも大きくなる。そのため、はすば歯車の鉛直方向の遊び(ガタ)は、平歯車のそれよりも小さくなる。
このように、はすば歯車では、鉛直方向の遊びをより小さくすることができるので、本実施形態のギヤカップリング9によれば、ハブ93が落下する際の移動量をより小さくすることができる。これにより衝突時の衝撃を緩和して、上記異音の発生を抑制(衝突音を低減)することができる。
また、本実施形態のギヤカップリング9では、ハブ93に設けられた2つのはすば外歯車EGa,EGbの歯のねじれ方向が互いに同じ向きに設定されている。そのため、トルク伝達時、はすば歯車の噛み合い接触によって生じるスラスト力を相殺することができる。
さらに、本実施形態のギヤカップリング9では、ハブ93に設けられた2つのはすば外歯車EGa,EGbにおいて、少なくともモジュール、圧力角、歯数、及び歯すじのねじれ角を同じ値に設定した。そのため、ハブ93の入力側と出力側とを入れ換えて、ハブ93の入力側のはすば外歯車EGaを従動側スリーブ95のはすば内歯車IGbに挿入したり、出力側のはすば外歯車EGbを駆動側スリーブ91のはすば内歯車IGaに挿入したりすることが可能になる。また、本実施形態のように、従動側スリーブ95の端部が開放されている場合は、組み付けの際、駆動側スリーブ91と従動側スリーブ95とを同軸上に位置決めした後に、従動側スリーブ95の外側からハブ93を挿入することができる。これにより、ギヤカップリング9の組付作業が容易になり、生産性が向上する。また、ギヤカップリング9の入力側及び出力側の歯車の径を最小限に抑えつつ要求されるトルク伝達容量を確保して、ギヤカップリング9の小型化・軽量化を図ることができる。さらに、2つのはすば外歯車EGa,EGbの歯切り加工・研削・仕上げ加工等に共通の工具を用いることができ、はすば内歯車IGa,IGbについても共通の工具を用いることができるようになるので、ギヤカップリング9の生産性を向上させることができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態にかかるギヤカップリング9を備えたホイール駆動装置について、図5を参照して説明する。なお、第1実施形態のものと同様の部材には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
ギヤカップリング9Aは、第1実施形態にかかるギヤカップリング9と同様に、駆動側(入力側)スリーブ91Aと、駆動側スリーブ91Aにトルク伝達可能に連結されたハブ93Aと、ハブ93Aにトルク伝達可能に連結された従動側(出力側)スリーブ95Aと、を備えている。また、駆動側スリーブ91Aの内周面には、はすば内歯車IGcが形成されており、従動側スリーブ95Aの内周面には、はすば内歯車IGdが形成されている。さらに、ハブ93Aの入力側端部の外周面には、駆動側スリーブ91Aの内歯車IGcと噛合するはすば外歯車EGcが形成されており、ハブ93Aの出力側端部の外周面には、従動側スリーブ95Aの内歯車IGdと噛合するはすば外歯車EGdが形成されている。また、ハブ93Aの入力側のはすば外歯車EGcの歯のねじれ方向は、出力側のはすば外歯車EGdの歯のねじれ方向と同じ向きに設定されている。
本実施形態のギヤカップリング9Aでは、図5に示すように、ハブ93Aのはすば外歯車EGcの径とはすば外歯車EGdの径とが異なる。より詳細には、従動側スリーブ95Aに設けられたはすば内歯車IGdの歯先円直径が、ハブ93Aのはすば外歯車EGcの歯先円直径よりも大きくなるように設定されている。なお、はすば歯車IGc,EGc,IGd,EGdの噛み合い接触によって生じる逆向きのスラスト力は、歯車緒元(例えば、ねじれ角)を適宜調節することで相殺させることが可能である。
以下、本実施形態にかかるホイール駆動装置におけるギヤカップリング9Aの組付け方法について、図6を参照して説明する。
まず、モータケース3を組み立てる。モータケース3の内部には、モータ5、減速機7、駆動側スリーブ91Aを収容する。また、モータケース3の車幅方向外側には、ベアリングホルダ19を、ボルト21により、モータケース3のケース本体31に締結固定して、従動側スリーブ95Aを駆動側スリーブ91Aと同軸上に位置決めする。
この状態で、ハブ93Aの入力側端部を、図6に示すように、従動側スリーブ95Aの車幅方向外側(図6の右側)から従動側スリーブ95Aに挿入する。すなわち、ハブ93Aのはすば外歯車EGcを、従動側スリーブ95Aのはすば内歯車IGdの内側を通過させつつ、駆動側スリーブ91Aのはすば内歯車IGcの手前まで移動させる。
そして、駆動側スリーブ91Aのはすば内歯車IGcにハブ93Aのはすば外歯車EGcを挿入するとともに、従動側スリーブ95Aのはすば内歯車IGdにハブ93Aのはすば外歯車EGdを挿入する。その際、ハブ93Aは、はすば外歯車EGc,EGdのねじれ方向と同じ方向に回転させながら挿入する。具体的には、ハブ93Aを、モータケース3の外側(車幅方向外側)から見て軸周りに反時計方向に回転させながら挿入する。その際、はすば外歯車EGcのねじれ角とはすば外歯車EGdのねじれ角との差は、従動側スリーブ95Aを駆動側スリーブ91Aに対して回転させることにより吸収できる。このとき、各スリーブ91A,95Aのはすば内歯車IGc,IGdやハブ93のはすば外歯車EGc,EGdに潤滑用グリスを塗布するとよい。ハブ93Aのはすば外歯車EGdが従動側スリーブ95Aの内部に収容されたら、グリスを封入し、従動側スリーブ95Aの開放端部に抜け止め具29を取り付ける。
以下、本実施形態による作用効果を説明する。
本実施形態のギヤカップリング9Aによれば、第1実施形態のギヤカップリング9と同様の構成を備えているため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態のギヤカップリング9Aでは、従動側スリーブ95Aのはすば内歯車IGdの歯先円直径がハブ93Aのはすば外歯車EGcの歯先円直径より大きい。このため、ハブ93Aを従動側スリーブ95Aの車幅方向外側から挿入する場合に、はすば外歯車EGcを、従動側スリーブ95Aのはすば内歯車IGdと干渉させることなく、直接、駆動側スリーブ91Aのはすば内歯車IGcに挿入することができる。これにより、ギヤカップリング9Aの組付作業が容易になり、生産性が向上する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含むものである。
例えば、上記実施形態のギヤカップリング9,9Aでは、はすば歯車を入力側と出力側の両方に設けていたが、はすば歯車をいずれか一方にだけ設けたとしても、上記異音発生の抑制効果を得ることができることは勿論である。
また、上記実施形態のギヤカップリング9,9Aでは、ハブ93,93Aの両端部に設けたはすば外歯車EGa,EGb,EGc,EGdの歯のねじれ方向を左ねじれに設定していたが、右ねじれに設定してもよい。この場合、駆動側スリーブ91,91A及び従動側スリーブ95,95Aのはすば内歯車IGa,IGb,IGc,IGdのねじれ方向は、左ねじれになる。
さらに、上記実施形態のギヤカップリング9,9Aは、ハブ93,93Aの軸が略水平になるように取り付けられていたが、ギヤカップリング9,9Aの取り付け角度は、特に限定されない。例えば、傾斜配置されたギヤカップリングであっても、回転停止に伴う自己調心作用の消失によりハブが自重落下するものであれば、本発明を適用することができる。
また、上記実施形態のギヤカップリング9,9Aでは、駆動側スリーブ91,91Aとその内歯車IGa,IGcとが一体に形成され、従動側スリーブ95,95Aとその内歯車IGb,IGdとが一体に形成されているが、各スリーブ91,91A,95,95Aとそのはすば内歯車IGa,IGb,IGc,IGdとは別体に形成されていてもよい。また、ハブ93,93Aとそのはすば外歯車EGa,EGb,EGc,EGdとが一体に形成されているが、これらは別体に形成されていてもよい。
さらに、上記実施形態のホイール駆動装置は、減速機7を備えていたが、減速機7を備えないダイレクトドライブ方式のホイール駆動装置であっても本発明のギヤカップリング9を適用できる。
また、上記実施形態では、モータ5のロータ軸55と駆動側スリーブ91,91Aとが同軸上に配置されているが、ロータ軸55と駆動側スリーブ91,91Aの配置は、これに限定されず、例えば、ロータ軸55と駆動側スリーブ91,91Aとを互いに異なる軸上に配置してもよい。上記実施形態では、ハブ93,93Aを組み付ける際、従動側スリーブ95,95Aの車幅方向外側から従動側スリーブ95,95Aにハブ93,93Aを挿入していたが、ハブ93,93Aの挿入方向はこれに限定されない。例えば、ロータ軸55を駆動側スリーブ91,91Aと異なる軸上に配置して、駆動側スリーブ91,91Aの車幅方向内側を開放すれば、駆動側スリーブ91,91Aの車幅方向内側から駆動側スリーブ91,91Aにハブ93,93Aを挿入することができる。この場合、駆動側スリーブ91,91Aのはすば内歯車IGa,IGcの歯先円直径をハブ93,93Aの出力側のはすば外歯車EGb,EGdの歯先円直径より大きくしてもよい。このようにすることで、ハブ93,93Aの組付作業が容易になる。
上記実施形態では、本発明にかかるギヤカップリングをインホイールモータIWMに適用した例を示したが、本発明のギヤカップリングは、様々な分野に適用可能であり、例えば、自動車分野に限らず、鉄道車両分野にも好適に適用できる。本発明を自動車分野に適用した場合においても、車両の種類は特に限定されず、内燃機関のみを駆動源とする車両や電動モータを駆動源に含む電気車両(HEV,PHEV,EV)等にも本発明を好適に適用できる。
9,9A ギヤカップリング
91,91A 駆動側(入力側)スリーブ(第1、第2スリーブ)
93,93A ハブ
95,95A 従動側(出力側)スリーブ(第1、第2スリーブ)
IGa,IGb,IGc,IGd はすば内歯車(第1、第2はすば内歯車)
EGa,EGb,EGc,EGd はすば外歯車(第1、第2はすば外歯車)

Claims (5)

  1. 第1はすば内歯車が設けられた第1スリーブと、
    前記第1はすば内歯車に噛合する第1はすば外歯車が設けられたハブと、
    を備えたことを特徴とするギヤカップリング。
  2. 第2はすば内歯車が設けられた第2スリーブを更に備え、
    前記ハブには、前記第2はすば内歯車に噛合する第2はすば外歯車が更に設けられており、
    前記第1はすば外歯車の歯のねじれ方向と、前記第2はすば外歯車の歯のねじれ方向とが、同じ向きに設定されていることを特徴とする請求項1に記載のギヤカップリング。
  3. 前記第1はすば外歯車と前記第2はすば外歯車とで、少なくともモジュール、圧力角、歯数、及び歯すじのねじれ角を同じ値に設定したことを特徴とする請求項2に記載のギヤカップリング。
  4. 前記第2はすば内歯車の歯先円直径が、前記第1はすば外歯車の歯先円直径より大きいことを特徴とする請求項2に記載のギヤカップリング。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のギヤカップリングを備えた車両用ホイール駆動装置。
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