JP3855657B2 - 燃料電池システムの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の出力を増減する補機及び燃料電池の出力の増減に寄与しない補機を制御して、燃料電池から発電した電力を駆動モータ等の負荷回路に供給する燃料電池システムの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、燃料電池からの発電電力を駆動源として駆動する燃料電池搭載車両が知られている。この燃料電池搭載車両では、燃料電池からなるエネルギー発生手段と、バッテリ等の蓄電手段とを有し、燃料電池からの発電電力を駆動モータやバッテリに供給する制御をする制御装置を備える。
【0003】
この制御装置では、燃費及び運転性の向上を図り、車両減速時に駆動モータで使用されずに発生する回生電力を蓄電手段に充電する制御を行うことが多く、特開2000−92610号公報で開示されている。
【0004】
この特開2000−92610号公報で開示されている制御装置は、車両速度が高い場合には蓄電手段の目標充電レベルを低く設定することで、例えば車両速度が高速から低速に減速したときに発生する大きな回生電力を蓄電手段に充電することを可能にする。一方、この制御装置では、車両速度が低い場合には蓄電手段の目標充電レベルを高く設定することで、車両速度が低速から高速に加速したときに必要な電力を確保する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の燃料電池搭載車両の制御装置では、以下に示す問題点がある。
【0006】
第1に、従来の燃料電池搭載車両の制御装置では、車速により蓄電手段の充電レベル(SOC)状態を変化させて回生電力の充電量を確保するという構成となっていたため、例えば下り坂を車両が走行しているときに駆動モータによる駆動力を発生すること無く車両速度が高くなるような場合にも、蓄電手段の充電レベルが低下したままであるため、従来の制御装置では、回生電力を蓄えるための十分な充電容量を確保することができない問題がある。
【0007】
第2に、従来の燃料電池搭載車両の制御装置では、低車速では充電レベルを高く設定するので、燃料電池搭載車両が停止したすぐ後に最低出力状態(アイドル状態)で余剰電力が発生した場合に、初めのうちは蓄電手段に余剰電力を充電することが可能であるが、最低出力状態が長時間連続すると、充電容量を十分に確保することができなくなり、余剰電力を消費できなくなる。
【0008】
第3に、従来の燃料電池搭載車両の制御装置では、蓄電手段を備えることを前提としているが、近年より蓄電手段を備えない燃料電池搭載車両が提案されており、この場合には、回生電力や最低出力状態での余剰電力を蓄電することができないため、この余剰電力を処理するための手段が必要になってしまう。
【0009】
そこで、本発明は、上述した実状に鑑みて提案されたものであり、常に十分な充電レベルを保つと共に、余剰電力を確実に消費することができる燃料電池システムの制御装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明では、上述の課題を解決するために、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されて発電をする燃料電池と、この燃料電池からの発電電力を使用して駆動する負荷手段と、上記燃料電池が発電する電力を増減させるために消費電力が増減される電力出力増減用補機と、消費電力が増減されても上記燃料電池が発電する電力を増減させない電力出力増減用外補機とを備えた燃料電池システムの制御装置において、外部からのセンサ信号に基づいて、上記燃料電池の運転状態を検出する状態判定手段と、上記燃料電池で発電し、上記負荷手段で消費されない総発電力を演算する総発電力演算手段と、上記電力出力増減用補機が動作する目標となる第1目標消費電力を演算する第1演算手段と、上記電力出力増減用外補機が動作する目標となる第2目標消費電力を演算する第2演算手段と、上記電力出力増減用補機の消費電力を演算する消費電力演算手段と、上記総発電力から上記消費電力演算手段で演算した消費電力を減算して、上記電力出力増減用補機で消費されない余剰電力を演算する余剰電力演算手段と、上記状態判定手段により上記燃料電池の運転状態が最低出力状態であると判定したときに、上記総発電力演算手段により総発電力を演算し、上記第1演算手段により演算された第1目標消費電力で上記電力出力増減用補機が動作したときの消費電力を上記消費電力演算手段で演算し、この消費電力を総発電力から減算して上記余剰電力演算手段により余剰電力を演算し、この余剰電力を上記電力出力増減用外補機で消費する第2目標消費電力を演算するように上記第2演算手段を制御する制御手段とを備える。
【0011】
請求項2に係る発明では、上記制御手段は、上記燃料電池の出力を増加させない範囲で上記電力出力増減用補機での消費電力を増加させるように第1演算手段を制御する処理を更に行う。
【0012】
請求項3に係る発明では、上記総発電力演算手段は、上記負荷手段で消費されない回生電力と上記最低出力状態における上記燃料電池の発電量との和を上記総発電力量とし、上記余剰電力演算手段は上記回生電力を含む総発電量を用いて余剰電力を演算する。
【0013】
請求項4に係る発明では、上記制御手段は、上記回生電力を含む余剰電力が上記電力出力増減用外補機の消費可能な電力以下となるように、回生電力を制御する。
【0014】
請求項5に係る発明では、上記燃料電池車両は上記燃料電池で発電した電力を充電すると共に放電する蓄電手段を更に備え、上記余剰電力演算手段は、上記燃料電池の最低出力状態時の発電電力から上記燃料電池の電力出力増減用補機での第1消費電力と上記蓄電手段の充電可能電力を減算した値を上記余剰電力とし、上記制御手段は、演算した余剰電力以上で、且つ余剰電力と充電可能電力及び放電可能電力との合計以下の電力量を上記電力出力増減用外補機で消費するように上記第2演算手段を制御する。
【0015】
請求項6に係る発明では、上記電力出力増減用補機は、上記燃料電池に空気を供給するコンプレッサを少なくとも含む。
【0016】
請求項7に係る発明では、上記電力出力増減用外補機は、上記燃料電池に冷却水を供給する冷却水供給用ポンプ、上記燃料電池に供給する空気及び水素を加湿する水の流量を制御する加湿用ポンプ、上記冷却水を冷却するためのラジエータファンのうち少なくとも1つを含む。
【0017】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、状態判定手段により燃料電池の運転状態が最低出力状態であると判定したときに、余剰電力量を電力出力増減用外補機で消費するように第2演算手段を制御するので、燃料電池での発電量を変化させることなく、常に十分な充電レベルを保つと共に、余剰電力を確実に消費することができる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、請求項1の発明により奏する効果に加えて、燃料電池の出力を増加させない範囲で電力出力増減用補機での消費電力を増加させるので、余剰電力の消費を燃料電池の電力出力増減用補機と電力出力増減用外補機で分担することができ、消費可能な余剰電力の範囲を広げることができる。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、請求項2の発明により奏する効果に加えて、負荷手段で消費されない回生電力と最低出力状態における上記燃料電池の発電量との和を総発電力量とし、余剰電力演算手段により回生電力を含む総発電量を用いて余剰電力を演算するので、回生電力が蓄電手段に蓄電されることによる蓄電手段の過充電を防止することができる。
【0020】
請求項4に係る発明によれば、請求項1の発明により奏する効果に加えて、回生電力を含む余剰電力が電力出力増減用外補機の消費可能な電力以下となるように、回生電力を制御するので、補機を保護しつつ回生することができる。
【0021】
請求項5に係る発明によれば、燃料電池の最低出力状態時の発電電力から燃料電池の電力出力増減用補機での第1消費電力と蓄電手段の充電可能電力を減算した値を余剰電力とし、演算した余剰電力以上で、且つ余剰電力と充電可能電力及び放電可能電力との合計以下の電力量を電力出力増減用外補機で消費するように第2演算手段を制御するので、蓄電手段の充放電可能範囲を利用して余剰電力を消費することができる。
【0022】
請求項6に係る発明によれば、電力出力増減用補機として燃料電池に空気を供給するコンプレッサを少なくとも含むので、燃料電池の最低出力を増加させない範囲でコンプレッサの消費電力を増加させて、余剰電力の消費を容易とすることができる。
【0023】
請求項7に係る発明によれば、電力出力増減用外補機として燃料電池に冷却水を供給する冷却水供給用ポンプ、燃料電池に供給する空気及び水素を加湿する水の流量を制御する加湿用ポンプ、冷却水を冷却するためのラジエータファンのうち少なくとも1つを含むので、燃料電池システム全体の運転状態に応じて最適な電力出力増減用外補機を用いて、容易に余剰電力を消費することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】
本発明は、例えば図1に示す燃料電池車両に適用される。
【0026】
[本発明を適用した燃料電池車両の構成(図1)]
図1からわかるように、燃料電池車両は、水素含有ガス及び空気が供給されて発電する燃料電池スタック1を備えるものである。この燃料電池スタック1は、例えば固体高分子電解質膜を挟んで酸化剤極と燃料極を対設した燃料電池構造体をセパレータで狭持した複数の燃料電池構造体からなる。この燃料電池スタック1は、酸化剤極側に酸化剤ガスとして空気が供給されるとともに、燃料極側に燃料ガスとして水素ガスが供給されることで発電をする。
【0027】
燃料電池車両は、燃料電池スタック1に供給する空気及び水素ガスを加湿するのに使用される純水を貯蔵する図示しない純水タンク内の純水を流通させる純水供給ポンプ2と、燃料電池スタック1に空気を供給するコンプレッサ3と、燃料電池スタック1を冷却するための冷却水を供給する冷却水供給ポンプ4と、燃料電池スタック1に水素ガスを供給する水素ボンベ5とを備える。
【0028】
また、この燃料電池車両は、後述の制御装置からの制御信号に従って、燃料電池スタック1で発電した直流電圧を所定周波数の交流電圧にする純水供給インバータ6と、コンプレッサインバータ7と、冷却水供給インバータ8とを備える。
【0029】
更に、この燃料電池車両は、純水供給ポンプ2からの純水を用いてコンプレッサ3からの空気及び水素ボンベ5からの水素ガスに加湿をして燃料電池スタック1に空気及び水素ガスを供給する加湿器9を備える。
【0030】
更にまた、この燃料電池車両は、燃料電池スタック1からの発電電力を蓄えるバッテリ10と、負荷を駆動するための駆動用インバータ11と、負荷となる駆動モータ12と、駆動モータ12による駆動力を伝達する作動装置13と、作動装置13から伝達された駆動力で駆動する駆動輪14とを備える。
【0031】
更にまた、燃料電池車両は、上述した各部を制御する制御装置15を備える。制御装置15は、アクセル開度センサ16、車速センサ17、ブレーキセンサ18、シフトスイッチ19と接続され、アクセル開度センサ16、車速センサ17及びブレーキセンサ18からセンサ信号が入力されると共に、シフトスイッチ19からスイッチ信号が入力される。制御装置15は、センサ信号及びスイッチ信号に基づいて、純水供給インバータ6、コンプレッサインバータ7、冷却水供給インバータ8及び駆動用インバータ11に制御信号を出力して各部の動作を制御する。
【0032】
このような燃料電池車両では、燃料電池スタック1で発電させて駆動モータ12を駆動させるときには、純水供給ポンプ2を駆動して加湿器9に純水を供給するように純水供給インバータ6を制御すると共に、コンプレッサ3を駆動して加湿器9を介して燃料電池スタック1に空気及び水素ガスを供給するようにコンプレッサインバータ7及び水素ボンベ5を駆動し、冷却水供給ポンプ4を駆動して冷却水を燃料電池スタック1に供給するように冷却水供給インバータ8を制御する。これにより、燃料電池スタック1では、酸化剤極に空気が供給されると共に燃料極に水素ガスが供給されて発電をする。
【0033】
制御装置15は、アクセル開度センサ16、車速センサ17、ブレーキセンサ18及びシフトスイッチ19からの信号に基づいて、燃料電池スタック1の発電電力を認識し、燃料電池車両の状態を制御する。
【0034】
制御装置15は、燃料電池車両の速度を加速するアクセル操作がされたことを示すセンサ信号がアクセル開度センサ16から入力されたことに応じて、燃料電池スタック1の発電量を多くするようにコンプレッサインバータ7及び水素ボンベ5に制御信号を出力する。
【0035】
また、制御装置15は、燃料電池車両の速度を減速するブレーキ操作がされたことを示すセンサ信号がブレーキセンサ18から入力されたことに応じて、燃料電池スタック1の発電量を少なくするようにコンプレッサ3及び水素ボンベ5に制御信号を出力する。
【0036】
ここで、燃料電池スタック1は、燃料電池車両が停止又は減速したことに応じて燃料電池スタック1の発電を停止すると、燃料電池スタック1内部のイオン交換膜の乾きや燃料極への空気通過が発生し、燃料電池スタック1を再起動するのに時間がかかるため、燃料電池を停止せずに最低出力電力(アイドル発電電力)を出力している最低出力状態がある。したがって、バッテリ10の充電レベル(SOC)が十分に高く、燃料電池車両が停止している場合や減速時で燃料電池スタック1の発電出力を必要としない場合には燃費向上のために発電を停止することが望ましいが、制御装置15は、最低出力電力を発電する状態を継続するように各部を制御する必要がある。しかし、最低出力電力を継続して発電しているときに燃料電池スタック1から出力される電力から、補機を駆動する電力を差し引いた正味発電量が正の値であり、余剰であるときにはバッテリ10の充電レベルが連続的に上昇して過電圧状態となってしまう恐れがある。これに対し、制御装置15では、燃料電池スタック1を最低出力状態としているときに、補機により余剰な電力を消費する電力消費処理をする。
【0037】
制御装置15は、燃料電池スタック1からの最低出力電力から電力出力増減に使用される電力出力増減用補機での消費電力を除いた電力量をバッテリ10に充電できる範囲内で充電し、バッテリ10に充電できない余剰電力量を電力出力増減に使用されない電力出力増減用外補機で消費する制御をする電力消費処理をする。また、制御装置15は、例えば燃料電池車両の速度が減速したことにより駆動モータ12で使用されずに発生する回生電力を含む余剰電力量を補機で消費する電力消費処理をする。
【0038】
更に、制御装置15は、バッテリ10への充電をせずに電力消費処理をする。すなわち制御装置15は、余剰電力をバッテリ10に充電せずに、燃料電池車両を構成する補機のみを使用して電力消費をする電力消費処理をする。
【0039】
これにより、制御装置15はバッテリ10を過電圧状態とすることなく、最低出力状態を継続する。
【0040】
ここで、上記電力出力増減用補機は例えばコンプレッサ3であり、上記電力出力増減用外補機は例えば純水供給ポンプ2、冷却水供給ポンプ4や図示しないラジエータ用ファンなどがある。
【0041】
「制御装置の構成(図2)」
図2に、制御装置15の内部構成を示す。図2からわかるように、制御装置15は、アクセル開度センサ16、車速センサ17、ブレーキセンサ18やその他のセンサからセンサ信号を入力する入力ポート21と、入力ポート21で入力したセンサ信号をA/D変換するA/D変換器22と、A/D変換器22からのデータを使用して電力消費処理をするCPU(Central Processing Unit)23と、電力消費処理を実行するための電力消費プログラムや各種データなどを格納するROM(Read Only Memory)24と、CPU23のプログラム実行中の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)25と、CPU23で生成した制御信号を各部に出力する出力ポート26とを備える。
【0042】
このような制御装置15では、各種センサからセンサ信号がA/D変換器22を介して入力され、センサ信号に基づいて、燃料電池車両を構成する補機の駆動量などを演算して、純水供給ポンプ2やコンプレッサ3、冷却水供給ポンプ4及び純水供給インバータ6に制御信号を出力ポート26から出力する。
【0043】
また、制御装置15では、各種センサ信号に基づいて電力消費処理をするときには、ROM24から電力消費処理プログラムや各種データを読み出して、RAM25を作業領域として使用して補機を駆動する制御信号を出力ポート26を介して出力する。
【0044】
「CPUの機能的な構成(図3)」
図3に、CPU23の機能的な構成を示す。図3からわかるように、CPU23は、各種センサ信号に基づいて燃料電池スタック1が最低出力状態となっているか否かを判定する最低出力制御判定部31と、電力出力増減用補機の消費電力を演算する電力出力増減用補機消費電力演算部32と、燃料電池スタック1の総発電電力を演算する総発電力演算部33と、最低出力制御判定部31、電力出力増減用補機消費電力演算部32及び総発電力演算部33からの出力情報に基づいて余剰電力を演算する余剰電力演算部34と、最低出力制御判定部31からの出力情報に基づいて電力出力増減用補機を駆動する目標点となる目標動作点を演算する電力出力増減用補機目標動作点演算部35と、余剰電力演算部34からの出力情報に基づいて電力出力増減用外補機を駆動する目標点となる目標動作点を演算する電力出力増減用外補機目標動作点演算部36とを備える。
【0045】
このような構成のCPU23では、最低出力制御判定部31により燃料電池スタック1が最低出力状態となっている場合に、上記電力消費処理を行うに際して、コンプレッサ3等の電力出力増減用補機での消費電力を電力出力増減用補機消費電力演算部32で演算すると共に、最低出力電力或いは回生電力を含む総発電力量を総発電力演算部33で演算して、余剰電力演算部34により余剰電力を演算し、余剰電力を消費するための電力出力増減用補機の目標動作点及び電力出力増減用外補機の目標動作点を電力出力増減用補機目標動作点演算部35及び電力出力増減用外補機目標動作点演算部36で演算して、電力出力増減用補機及び電力出力増減用外補機に制御信号を出力する。
【0046】
「コンプレッサの消費電力と燃料電池出力との関係」
図4に、コンプレッサ3の消費電力と燃料電池スタック1からの発電電力との関係を示す。図4からわかるように、コンプレッサ3での消費電力が大きくなることに応じて燃料電池スタック1での発電電力が大きくなる。図4では、通常の空気流量及び圧力におけるコンプレッサ3の消費電力(x1)と燃料電池スタック1の発電電力との関係をf(x)、f(x)からコンプレッサ3での消費電力(x1)分を除いた電力をf(x)−x1、空気圧力を高くしたときにおけるコンプレッサ3の消費電力(x2)と燃料電池スタック1の発電電力との関係をf’(x)、f’(x)からコンプレッサ3での消費電力(x2)分を除いた電力をf’(x)−x2で示す。特性f(x)においてコンプレッサ3以外の補機の消費電力をPload、特性f’(x)においてコンプレッサ3以外の補機の消費電力をPload’とする。
【0047】
図4によれば、コンプレッサ3から燃料電池スタック1に供給する空気の圧力を大きくすることで、燃料電池スタック1の発電電力が同じときに、コンプレッサ3の消費電力がx1からx2に増加することがわかる。これにより、制御装置15は、空気圧力制御の目標値を高くするようにコンプレッサ3を制御することで、同じ発電電力を得るためのコンプレッサ3の消費電力を増加させて余剰電力を消費することができる。したがって、制御装置15は、空気圧力を高くすることでコンプレッサ3での消費電力を増加して、コンプレッサ3以外の補機で消費できる電力と合わせて消費可能な電力の範囲を大きくすることができる。
【0048】
<<制御装置による電力消費処理手順(第1実施例)>>
制御装置15は、最低出力状態としている場合において、図5に示すように、燃料電池スタック1(FC)の最低出力電力を総発電力Pallとし、総発電力Pallからコンプレッサ3での消費電力Pcompを除いた余剰電力Psurpを電力出力増減用外補機で消費する電力消費処理をする。
【0049】
図6に、制御装置15により電力消費処理を行うときの処理手順を示す。図6に示す処理は、CPU23によりROM24に格納された電力消費プログラム等を読み出して実行され、所定時間毎に実行することで要求に追従して消費電力量を制御する。
【0050】
図6によれば、先ず、ステップS1では、制御装置15は外部からのセンサ信号に基づいて燃料電池車両が要求する燃料電池要求出力tPfcを演算して、ステップS2に処理を進める。
【0051】
ステップS2では、制御装置15はステップS1で演算された燃料電池要求出力tPfcに基づいてコンプレッサ3からの空気圧力の要求である空気圧力要求値tPr_air0を演算して、ステップS3に処理を進める。
【0052】
ステップS3では、制御装置15はステップS1で演算された燃料電池要求出力tPfcに基づいてコンプレッサ3の目標回転数tNcompを演算して、ステップS4に処理を進める。
【0053】
ステップS4では、現在の燃料電池スタック1での発電電力が最低出力電圧(アイドル状態)であるか否かの判定を、各種センサ信号に基づいて最低出力制御判定部31により行う。燃料電池スタック1が最低出力状態であると最低出力制御判定部31で判定したときにはステップS5に処理を進め、最低出力状態でないと判定したときにはステップS9に処理を進める。
【0054】
ステップS5では、総発電力演算部33により総発電力Pallを演算してRAM25に格納してステップS6に処理を進める。総発電力演算部33により総発電力Pallを演算するときには、図7に示すように、先ず、ステップS11では最低出力Pidlを演算し、次のステップS12では最低出力Pidlに基づいて総発電力Pallを演算する。ここで、総発電力演算部33は燃料電池車両が最低出力状態にあることから、最低出力Pidlと総発電力Pallとの値を同じとする。
【0055】
ステップS6では、コンプレッサ3の消費電力を総発電力Pallから減算して余剰電力演算部34により余剰電力Psurpを演算して、ステップS7に処理を進める。余剰電力演算部34により余剰電力Psurpを演算するときには、図8に示すように、先ず、ステップS21ではステップS5で演算した総発電力PallをRAM25から読み出し、次のステップS22では現在のコンプレッサ3の消費電力Pcompを電力出力増減用補機消費電力演算部32で演算し、次のステップS23では演算して得た総発電力Pallからコンプレッサ消費電力Pcompを減算して余剰電力Psurpを求めてRAM25に格納してステップS7に処理を進める。
【0056】
ステップS7では、ステップS6で求めた余剰電力Psurpを電力出力増減用外補機で消費するように燃料電池車両の各部を制御して、ステップS8に処理を進める。余剰電力Psurpを消費するときには、図9に示すように、先ず、ステップS31ではRAM25から余剰電力Psurpを読み出し、次のステップS32では余剰電力Psurpに基づいて補機消費電力Ploadを電力出力増減用外補機目標動作点演算部36により演算する。この実施例では、補機消費電力Ploadを余剰電力Psurpと同じ値とするように補機消費電力Pload'だけ増加させる。次のステップS33では、演算した補機消費電力に基づいて、補機の動作目標点を演算して処理を終了する。ここで、制御装置15は熱制御や水制御による補機の目標動作点、例えば冷却水供給ポンプ4の回転数として動作目標点tNpompを演算し、動作目標点tNpompを補機消費電力Ploadの関数g()として表現する。
【0057】
ステップS8では、ステップS7で求めた動作目標点にしたがって、電力出力増減用外補機に制御信号を出力することで、余剰電力Psurpを消費する。この例では、制御装置15から冷却水供給ポンプ4に動作目標点tNpompの回転数で動作することを示す制御信号を冷却水供給インバータ8に出力して、余剰電力Psurpを消費する。
【0058】
一方、ステップS4で現在の燃料電池スタック1での発電電力が最低出力電圧でないと判定したステップS9では、コンプレッサ3からの目標空気圧力tPr_airを演算してステップS10に処理を進める。
【0059】
ステップS10では、熱制御や水制御を行う電力出力増減用外補機の目標動作点を演算してステップS8の処理をして処理を終了する。
【0060】
このような処理をする制御装置15を備えた燃料電池車両では、燃料電池スタック1が最低出力状態となっているときには、ステップS5〜ステップS7までの処理を行うことにより、余剰電力Psurpを冷却水供給ポンプ4などの電力出力増減用外補機で消費する処理をするので、燃料電池スタック1での発電量を変化させることなく、余剰電力Psurpを消費することができる。したがって、この燃料電池車両によれば、燃料電池の発電電力を制御することなく余剰電力Psurpを確実に消費することができる。
【0061】
また、この燃料電池車両によれば、バッテリ10を過電圧状態とすることなく、アイドル発電状態を継続することが可能である。
【0062】
更に、この燃料電池車両によれば、制御装置15により燃料電池システム全体の運転状態に応じて最適な電力出力増減用外補機を選択して、余剰電力を消費する制御をすることで、容易に余剰電力を消費することができる。
【0063】
<<制御装置による電力消費処理手順(第2実施例)>>
つぎに、制御装置15による他の電力消費処理について説明する。なお、以下に説明する第2実施例では上述の第1実施例と同じ部分の説明は省略する。
【0064】
制御装置15は、最低出力状態としている場合において、図10に示すように、燃料電池スタック1の最低出力電力を総発電力Pallとし、燃料電池スタック1の最低出力を増加させない範囲でコンプレッサ3の消費電力Pcompを増加させ、総発電力Pallからコンプレッサ3での消費電力Pcompを除いた余剰電力Psurpを電力出力増減用外補機で消費する電力消費処理をする。
【0065】
第2実施例では、上述の図6のステップS6において、図11に示す処理を行って余剰電力Psurpを演算する点で、第1実施例と異なる。図11によれば、先ず、ステップS41では、ステップS5で演算した総発電力PallをRAM25から読み出す処理をしてステップS42に処理を進める。
【0066】
ステップS42では、ステップS2で演算した空気圧力要求値tPr_air0に空気圧力の変化分dPr_airを加算して補正することで空気圧力目標値tPr_airを演算して、ステップS43に処理を進める。ここで、変化分dPr_airは、燃料電池スタック1からの最低出力電力を増加させない範囲とする。
【0067】
ステップS43では、ステップS42で演算した空気圧力目標値tPr_airで動作したときのコンプレッサ3の消費電力Pcomp’を演算して、ステップS44に処理を進める。
【0068】
ステップS44では、ステップS41で読み出した総発電力PallからステップS43で演算した消費電力Pcomp’を減算して余剰電力Psurpを演算する。
【0069】
このような処理をする制御装置15を備えた燃料電池車両によれば、最低出力を増加させない範囲でコンプレッサ3の消費電力を増加させて余剰電力Psurpの一部を消費すると共に、その小さくした余剰電力を電力出力増減用外補機で消費することができ、余剰電力Psurpの消費を電力出力増減用補機及び電力出力増減用外補機で分担することができるので、第1実施例で発揮する効果に加えて、消費可能な余剰電力の範囲を広げることができる。
【0070】
<<制御装置による電力消費処理手順(第3実施例)>>
つぎに、制御装置15による他の電力消費処理について説明する。なお、以下に説明する第3実施例では上述の第1実施例と同じ部分の説明は省略する。
【0071】
制御装置15は、最低出力状態としている場合において、図12に示すように、総発電力Pallを燃料電池スタック1の最低出力電力と回生電力との和とし、総発電力Pallから電力出力増減用補機での消費電力Pcompを除いた余剰電力Psurpを電力出力増減用外補機で消費する電力消費処理を行う。
【0072】
第3実施例では、上述の図6のステップS5において、図13に示す処理を行って総発電力Pallを演算する点で、第1実施例と異なる。図13によれば、先ず、ステップS51では燃料電池スタック1の最低電力Pidlを演算してステップS52に処理を進める。
【0073】
ステップS52では、ステップS51で最低電力Pidlを演算したときの回生電力Precを演算して、ステップS53に処理を進める。
【0074】
ステップS53では、ステップS51で求めた最低電力Pidlと回生電力Precとを加算して総発電力Pallを求めて、ステップS6に処理を進めて、ステップS6以降の処理を行う
これにより、燃料電池車両では、求めた総発電力Pallからコンプレッサ3での消費電力Pcompを減算して余剰電力Psurpを求め、この余剰電力Psurpを電力出力増減用外補機で消費する。
【0075】
このような処理を行う制御装置15を備えた燃料電池車両によれば、総発電力Pallに回生電力Precを含めて余剰電力Psurpを消費するので、例えば車速が減速したときに回生電力Precが発生したときでもバッテリ10を過電圧とすることがない。
【0076】
また、この燃料電池車両では、第3実施例で説明した処理及び第2実施例で説明した処理を行っても良いことは勿論であり、これにより、第1実施例及び第2実施例で発揮できる効果を併せて発揮することができる。
【0077】
<<制御装置による電力消費処理手順(第4実施例)>>
つぎに、制御装置15による他の電力消費処理について説明する。なお、以下に説明する第4実施例では上述実施例と同じ部分の説明は省略する。
【0078】
制御装置15は、最低出力状態としている場合において、図14に示すように、燃料電池スタック1の最低出力とその時の回生電力Precとの和を総発電力Pallとし、燃料電池スタック1の最低出力を増加させない範囲で電力出力増減用補機の消費電力を増加させ、総発電力Pallから電力出力増減用補機での消費電力を除いた余剰電力Psurpを電力出力増減用外補機で消費する電力消費処理を行う。
【0079】
このような処理を行う制御装置15を備えた燃料電池車両によれば、回生電力を燃料電池スタック1の電力出力増減用外補機でその時に消費可能な電力で消費するので、補機を保護すると共に、回生することができる。
【0080】
<<制御装置による電力消費処理手順(第5実施例)>>
つぎに、制御装置15による他の電力制御処理について説明する。なお、以下に説明する第5実施例では上述の実施例と同じ部分の説明は省略する。
【0081】
制御装置15は、最低出力状態としている場合において、電力消費処理を行うときには、図15に示すように、燃料電池スタック1の最低出力を総発電力Pallとし、総発電力Pallから電力出力増減用補機での消費電力Pcomp及びバッテリ10の充電上限値Pchglmtを減算した電力量を余剰電力Psurpとする。制御装置15は、バッテリ10の充電上限の範囲の充電可能電力がある場合には総発電力Pallを、電力出力増減用補機、電力出力増減用外補機、バッテリ10の充電により消費する。また、制御装置15は、バッテリ10の放電上限の範囲の放電可能電力がある場合には、総発電力Pallの一部を消費すると共に、バッテリ10から放電上限値Pdchglmtを補機に供給して、バッテリ10の電力を放電することができる。このように、制御装置15は、余剰電力Psurpを消費したうえで、バッテリ10での充放電可能範囲でバッテリ10へ充放電するように電力出力増減用外補機の駆動量を制御する。
【0082】
第5実施例では、制御装置15は、図16に示す手順で図6中のステップS6での処理をし、次いで図17に示す手順で図6中のステップS7での処理をする。第5実施例では、ステップS5での処理が終了するとステップS61に処理を進め、ステップS61では、ステップS5で求めた総発電力PallをRAM25から読み出し、ステップS62に処理を進める。
【0083】
ステップS62では、その時のコンプレッサ3の消費電力Pcompを電力出力増減用補機目標動作点演算部35により演算してRAM25に格納して、ステップS63に処理を進める。
【0084】
ステップS63では、バッテリ10に充電可能な電力である充電上限値Pchglmtを演算してRAM25に格納して、ステップS64に処理を進める。
【0085】
ステップS64では、ステップS61で読み出した総発電力Pallから、消費電力Pcomp及び充電上限値Pchglmtを減算して、余剰電力演算部34により余剰電力Psurpを求めてRAM25に格納して、次の図17に示すステップS71に処理を進める。
【0086】
ステップS71では、ステップS61でRAM25に格納した余剰電力Psurpを読み出してステップS72に処理を進める。
【0087】
ステップS72では、ステップS63でRAM25に格納されたバッテリ10の充電上限値Pchglmtを読み出す処理をして、ステップS73に処理を進める。
【0088】
ステップS73では、その時にバッテリ10から放電可能な電力である放電上限値Pdchglmtを演算して、ステップS74に処理を進める。
【0089】
ステップS74では、ステップS71で読み出した余剰電力Psurp、ステップS72で読み出した充電上限値Pchglmt及びステップS73で演算した放電上限値Pdchglmtに基づいて電力出力増減用外補機の消費電力Ploadを所定の範囲内の値となるように電力出力増減用外補機目標動作点演算部36により演算して、ステップS75に処理を進める。このとき、制御装置15では、余剰電力Psurp以上で、且つ余剰電力Psurp、充電上限値Pchglmt及び放電上限値Pdchglmtの合計以下となるとなるように電力出力増減用外補機での消費電力Ploadを演算する。
【0090】
ステップS75では、ステップS74で演算した消費電力Ploadに基づいて、電力出力増減用外補機の目標動作点tNpompを電力出力増減用外補機目標動作点演算部36により演算して、次のステップS8に処理を進める。ここで、制御装置15は熱制御や水制御による補機の目標動作点、例えば冷却水供給ポンプ4の回転数として動作目標点tNpompを演算し、動作目標点tNpompを補機消費電力Ploadの関数g()として表現する。
【0091】
このような処理をする制御装置15を備えた燃料電池車両によれば、燃料電池車両が充電可能なバッテリ10を備えており、コンプレッサ3以外の補機で余剰電力Psurpを消費する際に、少なくとも余剰電力Psurp以上で、且つ余剰電力Psurpと充電上限値Pchglmt及び放電上限値Pdchglmtの合計以下となるように例えば冷却水供給ポンプ4などの電力出力増減用外補機の目標動作点となるように消費電力Ploadを決定するので、バッテリ10の充放電可能範囲を利用して余剰電力Psurpを消費することができる。
【0092】
<<制御装置による電力消費処理手順(第6実施例)>>
つぎに、制御装置15による他の電力制御処理について説明する。なお、以下に説明する第6実施例では上述の実施例と同じ部分の説明は省略する。
【0093】
制御装置15は、最低出力状態としている場合において、電力消費処理を行うときには、図18に示すように、燃料電池スタック1の最低出力を総発電力Pallとし、燃料電池スタック1の最低出力を増加させない範囲で電力出力増減用補機での消費電力Pcompを増加させる制御をする。また、制御装置15は、総発電力Pallから電力出力増減用補機での消費電力Pcomp及びバッテリ10への充電上限値を減算した余剰電力Psurpを電力出力増減用外補機で消費する。このとき、制御装置15は、充放電可能範囲でバッテリ10を使用して、電力出力増減用外補機の消費電力を制御する。
【0094】
第6実施例では、制御装置15は、図19に示す手順で図6中のステップS6での処理をする。第6実施例では、ステップS5での処理が終了するとステップS81に処理を進め、ステップS81では、ステップS5で求めた総発電力PallをRAM25から読み出し、ステップS82に処理を進める。
【0095】
ステップS82では、上述のステップS2で演算した空気圧力要求値を第2実施例と同様に処理することで空気圧力制御の目標値tPr_airを演算して、ステップS83に処理を進める。
【0096】
ステップS83では、その時のコンプレッサ3の消費電力Pcomp'を電力出力増減用補機消費電力演算部32により演算して、ステップS84に処理を進める。
【0097】
ステップS84では、バッテリ10に充電可能な電力である充電上限値Pchglmtを演算してRAM25に格納して、ステップS85に処理を進める。
【0098】
ステップS85では、ステップS81で読み出した総発電力Pall、ステップS83で演算した消費電力Pcomp'及びステップS84で演算した充電上限値Pchglmtに基づいて余剰電力演算部34により余剰電力Psurpを演算して、ステップS7に処理進める。
【0099】
このような処理をする制御装置15を備えた燃料電池車両によれば、コンプレッサ3の消費電力を燃料電池スタック1の出力が増加しない範囲で増加させると共に、電力出力増減用外補機の消費電力Ploadをバッテリ10の放充電可能範囲で変化させて余剰電力Psurpを決定することができる。
【0100】
<<制御装置による電力消費処理手順(第7実施例)>>
つぎに、制御装置15による他の電力制御処理について説明する。なお、以下に説明する第7実施例では上述の実施例と同じ部分の説明は省略する。
【0101】
制御装置15は、最低出力状態としている場合において、電力消費処理を行うときには、図20に示すように、総発電力Pallを、燃料電池スタック1の最低出力とその時の回生電力との和とする。また、制御装置15は、余剰電力Psurpを、コンプレッサ3での消費電力Pcomp及びバッテリ10での充電上限値を除いた値とする。更に、制御装置15では、求めた余剰電力Psurpを補機で消費すると共に、コンプレッサ3を駆動して消費し、電力出力増減用外補機で消費すると共に、バッテリ10に充電をする制御をする。
【0102】
<<制御装置による電力消費処理手順(第8実施例)>>
つぎに、制御装置15による他の電力制御処理について説明する。なお、以下に説明する第8実施例では上述の実施例と同じ部分の説明は省略する。
【0103】
制御装置15は、最低出力状態としている場合において、電力消費処理を行うときには、図21に示すように、燃料電池スタック1の最低出力とその時の回生電力との和を総発電力Pallとし、燃料電池スタック1の最低出力を増加させない範囲で電力出力増減用補機での消費電力を増加させる制御をする。また、制御装置15は、総発電力Pallから電力出力増減用補機での消費電力及びバッテリ10への充電上限値を除算した余剰電力を電力出力増減用外補機で消費する。このとき、制御装置15は、充放電可能範囲でバッテリ10を使用して、電力出力増減用外補機の消費電力を制御する。
【0104】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料電池車両の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明を適用した制御装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図4】コンプレッサの消費電力と燃料電池スタックからの発電電力との関係を示す図である。
【図5】第1実施例の電力消費処理における総発電力Pall、コンプレッサの消費電力Pcomp、電力出力増減用外補機の消費電力Ploadの関係を示す図である。
【図6】制御装置による電力消費処理(第1実施例)を行うときの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】制御装置により総発電力Pallを演算するときの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】制御装置により余剰電力Psurpを演算するときの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】制御装置により余剰電力を消費するときの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】第2実施例の電力消費処理における総発電力Pall、コンプレッサの消費電力Pcomp、余剰電力Psurp、電力出力増減用外補機の消費電力Ploadの関係を示す図である。
【図11】第2実施例における余剰電力Psurpを演算するときの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第3実施例の電力消費処理において、回生電力を含む総発電力Psurp、コンプレッサの消費電力Pcomp、余剰電力Psurp、電力出力増減用外補機の消費電力Ploadの関係を示す図である。
【図13】第3実施例の電力消費処理における総発電力Pallを演算するときの処理手順を示すフローチャートである。
【図14】第4実施例の電力消費処理において、総発電力Pall、コンプレッサの消費電力Pcomp、余剰電力Psurp、電力出力増減用外補機の消費電力Ploadの関係を示す図である。
【図15】第5実施例の電力消費処理において、総発電力Pall、コンプレッサの消費電力Pcomp、バッテリの放電上限値Pdchglmt及び充電上限値Pchglmt、余剰電力Psurp、電力出力増減用外補機の消費電力Ploadの関係を示す図である。
【図16】第5実施例の電力消費処理において、制御装置により余剰電力Psurpを演算するときの処理手順を示すフローチャートである。
【図17】第5実施例の電力消費処理において、制御装置により余剰電力Psurpを消費するときの処理手順を示すフローチャートである。
【図18】第6実施例の電力消費処理において、総発電力Psurp、コンプレッサの消費電力Pcomp、バッテリの放電上限値Pdchglmt及び充電上限値Pchglmt、余剰電力Psurp、電力出力増減用外補機の消費電力Ploadの関係を示す図である。
【図19】第6実施例の電力消費処理において、制御装置により余剰電力Psurpを演算するときの処理手順を示すフローチャートである。
【図20】第7実施例の電力消費処理において、回生電力を含む総発電力Psurp、コンプレッサの消費電力Pcomp、バッテリの放電上限値Pdchglmt及び充電上限値Pchglmt、余剰電力Psurp、電力出力増減用外補機の消費電力Ploadの関係を示す図である。
【図21】第8実施例の電力消費処理において、総発電力Psurp、コンプレッサの消費電力Pcomp、バッテリの放電上限値Pdchglmt及び充電上限値Pchglmt、余剰電力Psurp、電力出力増減用外補機の消費電力Ploadの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 純水供給ポンプ
3 コンプレッサ
4 冷却水供給ポンプ
5 水素ボンベ
6 純水供給インバータ
7 コンプレッサインバータ
8 冷却水供給インバータ
9 加湿器
10 バッテリ
11 駆動用インバータ
12 駆動モータ
13 作動装置
14 駆動輪
15 制御装置
16 アクセル開度センサ
17 車速センサ
18 ブレーキセンサ
19 シフトスイッチ
21 入力ポート
22 A/D変換器
23 CPU
24 ROM
25 RAM
26 出力ポート
31 最低出力制御判定部
32 電力出力増減用補機消費電力演算部
33 総発電力演算部
34 余剰電力演算部
35 電力出力増減用補機目標動作点演算部
36 電力出力増減用外補機目標動作点演算部

Claims (7)

  1. 燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されて発電をする燃料電池と、この燃料電池からの発電電力を使用して駆動する負荷手段と、上記燃料電池が発電する電力を増減させるために消費電力が増減される電力出力増減用補機と、消費電力が増減されても上記燃料電池が発電する電力を増減させない電力出力増減用外補機とを備えた燃料電池システムの制御装置において、
    外部からのセンサ信号に基づいて、上記燃料電池の運転状態を検出する状態判定手段と、
    上記燃料電池で発電し、上記負荷手段で消費されない総発電力を演算する総発電力演算手段と、
    上記電力出力増減用補機が動作する目標となる第1目標消費電力を演算する第1演算手段と、
    上記電力出力増減用外補機が動作する目標となる第2目標消費電力を演算する第2演算手段と、
    上記電力出力増減用補機の消費電力を演算する消費電力演算手段と、
    上記総発電力から上記消費電力演算手段で演算した消費電力を減算して、上記電力出力増減用補機で消費されない余剰電力を演算する余剰電力演算手段と、
    上記状態判定手段により上記燃料電池の運転状態が最低出力状態であると判定したときに、上記総発電力演算手段により総発電力を演算し、上記第1演算手段により演算された第1目標消費電力で上記電力出力増減用補機が動作したときの消費電力を上記消費電力演算手段で演算し、この消費電力を総発電力から減算して上記余剰電力演算手段により余剰電力を演算し、この余剰電力を上記電力出力増減用外補機で消費する第2目標消費電力を演算するように上記第2演算手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする燃料電池システムの制御装置。
  2. 上記制御手段は、上記燃料電池の出力を増加させない範囲で上記電力出力増減用補機での消費電力を増加させるように第1演算手段を制御する処理を更に行うことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムの制御装置。
  3. 上記総発電力演算手段は、上記負荷手段で消費されない回生電力と上記最低出力状態における上記燃料電池の発電量との和を上記総発電力量とし、
    上記余剰電力演算手段は上記回生電力を含む総発電量を用いて余剰電力を演算することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃料電池システムの制御装置。
  4. 上記制御手段は、上記回生電力を含む余剰電力が上記電力出力増減用外補機の消費可能な電力以下となるように、回生電力を制御することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムの制御装置。
  5. 上記燃料電池車両は上記燃料電池で発電した電力を充電すると共に放電する蓄電手段を更に備え、
    上記余剰電力演算手段は、上記燃料電池の最低出力状態時の発電電力から上記燃料電池の電力出力増減用補機での第1消費電力と上記蓄電手段の充電可能電力を減算した値を上記余剰電力とし、
    上記制御手段は、演算した余剰電力以上で、且つ余剰電力と充電可能電力及び放電可能電力との合計以下の電力量を上記電力出力増減用外補機で消費するように上記第2演算手段を制御することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一に記載の燃料電池システムの制御装置。
  6. 上記電力出力増減用補機は、上記燃料電池に空気を供給するコンプレッサを少なくとも含むことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一に記載の燃料電池システムの制御装置。
  7. 上記電力出力増減用外補機は、上記燃料電池に冷却水を供給する冷却水供給用ポンプ、上記燃料電池に供給する空気及び水素を加湿する水の流量を制御する加湿用ポンプ、上記冷却水を冷却するためのラジエータファンのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一に記載の燃料電池システムの制御装置。
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