JP3853862B2 - 回路遮断器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、大電流の遮断における溶融金属のコイルばねへの付着を防止できる回路遮断器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8から図13は、従来の回路遮断器を示すものである。図8は回路遮断器の開路状態の側断面図、図9は回路遮断器の閉路状態の側断面図である。図10は可動接触子に関連する構成を示す部分図、図11は従来の回路遮断器の課題を説明するための図、図12、図13は隔離バリアの構造図である。
【0003】
図8において、1は可動接触子、2は可動接触子1の一端に固着された可動接点、3は可動接触子1の回動により可動接点2と接離する固定接点、4は固定接点3が固着されている固定接触子、5は固定接触子4の他端に設けられた端子部であり、外部から電線が接続される。6は消弧装置であり、6aは可動接点2および固定接点3の間に発生したアークを冷却、消弧する磁性体の金属よりなる消弧板、6bは消弧板6aを保持する消弧側板である。7は可動接触子1を回動させる機構部、8は機構部7を手動で操作するためのハンドル、9は回路遮断器に過電流が流れた場合に検出し機構部7をトリップさせる引き外し装置、10はもう一方の端子部である。11はカバー、12はベースで、上記の部品を収納する筐体を構成している。
【0004】
13は機構部7と連動する樹脂成形されたクロスバーである。図10に示すように、可動接触子1はクロスバー13に可動接触子1を貫通する支持軸14を支軸として回動可能に軸支されている。
多極の接点を有する回路遮断器においては、各可動接触子1の支持軸14を含む部分はクロスバー13の絶縁壁13aに囲まれた樹脂成形品の空洞部13b内に配設されるが、各樹脂成形された空洞部13b間は絶縁壁13aと一体成形された1本の結合軸13cで1連に結合されクロスバー13を形成している。この結合軸13cは回路遮断器のベース12に凹設されたU字溝ブロック(図示せず)のU字壁内に回転可能に支持されている。
【0005】
可動接触子1のクロスバー13への組立工程は、図11に示すように可動接触子1を挟んで支持軸14が挿入される孔の両側部分にコイル部15aを有する1対のねじりコイルばね15を配設したのち、可動接触子1に支持軸14を貫通させ、これら可動接触子1とねじりコイルばね15の組立体をクロスバー13の背後(図10の左手)の開口部からクロスバー13内部の空洞部13bに挿入して、支持軸14をクロスバー13空洞部13bの溝(図示せず)に装着する。
次に一方の端部15dを可動接触子1の端部の窪みに設けられた可動接触子18の下辺の幅より少し長いストップピン18に係合させる。
また図11に示すようにねじりコイルばね15の一端15cは空洞部上端13dに保持され、ねじりコイルばね15のもう一方の端部15dはストップピン18を介して可動接触子1に対し時計方向に付勢力を与えている。このねじりコイルばね15により回路遮断器が閉路状態のとき可動接点2と固定接点3とは所定の圧力で接触するようにしている。
【0006】
16は可動接点2と固定接点3の間に発生したアークを隔離する隔離バリアで、遮断容量が大きい回路遮断器に使用される。
隔離バリア16は図12のように、可動接触子1の回動を妨げないような切り溝16aを設けたり、あるいは図13のように可動接触子1に略密着する角穴16bを設け、可動接触子1を上記角穴16bに貫通させて可動接触子1と共に回動するように構成される。
【0007】
次に動作について説明する。図8において、ハンドル8を操作すると、機構部7が動作してクロスバー13が回動しさらに可動接触子1が回動して、可動接点2と固定接点3とを接触、開離する。端子部5を電源に、端子部10を負荷に接続し、接点を接触させることにより電力が電源から負荷に供給される。この状態で、通電の信頼性を確保するために、ねじりコイルばね15によって可動接点2は固定接点3に規定の接触圧力で押さえつけられている。ここで回路遮断器より負荷側の回路で過電流が流れると、引き外し装置9で検出し、機構部7を動作させ、可動接触子1を回動させることにより可動接点2と固定接点3が開離し、可動接点2と固定接点3の間にアークが発生する。
【0008】
しかし、短絡事故などが起こり、回路に大きな短絡電流が流れると、可動接点2と固定接点3の間の接触面における電磁反発力や、固定接触子4と可動接触子1との間の電磁反発力が非常に強くなり、可動接点2に加わっているねじりコイルばね15による接触圧力に打ち勝つために、可動接触子1は引外し装置9および機構部7の動作を待たずに回動し、可動接点2と固定接点3の開離が起こる。このとき発生したアークは、消弧装置6の磁気作用により消弧板6aの方向に引き伸ばされるとともに消弧板6aによって冷却されるため消弧され、機構部7の動作後に遮断が完了する。
【0009】
この遮断動作中において、アークの強大なエネルギーは消弧板6a、可動接触子1、固定接触子4や、可動接点2、固定接点3などの金属部品の表面を溶融し、遮断器内部へ飛散させる。そのため、隔離バリア16を挿入し、アークおよびアークによって溶融された金属などを隔離する方法がとられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
短絡電流などの大電流を遮断する場合、上に述べたアークによる大量のエネルギーは、導電部材である可動接触子1、固定接触子4や可動接点2,固定接点3、構造部材である消弧板6aなどの金属の表面を溶融する。
この高温で飛散する金属溶融物がねじりコイルばね15に付着した場合、ねじりコイルばね15が付着した高温の金属溶融物により溶断されたり、コイル部15aの線間が溶着されたり、また溶断しなくても熱的損傷を受けるなどして初期の荷重特性が維持できなくなる。例えばねじりコイルばね15のばね力による可動接点2と固定接点3との間の接触圧力は、初期の接触圧力の1/2から1/10程度まで低下する。
このため遮断後の通電において、可動接点2、固定接点3の異常発熱や導通不良などが生じ、信頼性が低下するという問題があった。
【0011】
また可動接触子1の固定接点3と対向する対向面に高温の金属溶融物が付着すると、図11に示すように可動接触子1とクロスバー13との間に金属溶融物20が入り、固定接点3と対向する可動接触子1の対向面である可動接触子1の腕部の下側に高温の金属溶融物20が付着して可動接点2と固定接点3との接触圧力が低下して信頼性を低下するという問題があった。
【0012】
またこの金属溶融物20がもたらすねじりコイルばね15などの損傷を防ぐ目的で使用される隔離バリア16は、例えば図12のような形状で切り溝16aを有するため、溶融物のねじりコイルばね15の方向への通過を防止するにはあまり適していない。
【0013】
また、図13に示す隔離バリア16は、可動接触子1と略密着しているため、金属溶融物のねじりコイルばね15への付着は抑制できるが、隔離バリア16は可動接触子1と共に回動するため、頻繁な開閉操作を行う場合、隔離バリア16の機械的損傷が大きい。また受圧面積が大きく、遮断時のアークによる高い圧力を瞬間的に受けた場合大きく変形しやすく、変形により可動接触子1の回動を妨げたり、可動接点2と固定接点3との接触圧力を低下させるなど信頼性を損なうという問題点があった。
【0014】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、アークによる金属溶融物のねじりコイルばね15への付着を防止し信頼性のある回路遮断器を得ることを目的とする。
また、機械的損傷が小さく、信頼性の高い回路遮断器を得ることを目的とする。また、信頼性が高く安価な回路遮断器を得ることを目的とする。
さらに、可動接触子の固定接点に対向する対向部への金属溶融物の付着を防止して信頼性の高い回路遮断器を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、固定接点を有する固定接触子、固定接点と対向配置された可動接点を有する可動接触子、可動接触子を回動可能に軸支するクロスバー、可動接触子を挟んで両側に配設される一対のコイル部を有しクロスバーの支持軸にコイル部が嵌挿され可動接点を固定接点に所定の圧力で接触させるねじりコイルばねがクロスバー内部の空洞部内に設けられた回路遮断器において、コイルばねのコイル部の外周に円筒状の一対の絶縁バリアを設けるようにしたものである。
【0017】
請求項2に記載の発明は、絶縁バリアは開口部が拡張可能な弾力性を有する略C字状に樹脂で成形されたC字状遮蔽部材であるようにしたものである。
【0018】
請求項3に記載の発明は、絶縁バリアは開口部が拡張可能な弾力性を有する略C字状に形成された一対のC字状遮蔽部材と一対の略C字状遮蔽部材とこの一対のC字状遮蔽部材を可動接触子をはさんで連結する連結部材と可動接触子の固定接点と対向する対向部を覆って可動接点の近傍まで延在された延長部材とが弾力性のある樹脂で一体成形された連結遮蔽部材にしたものである。
【0019】
請求項4に記載の発明は、絶縁バリアはねじりコイルばねのコイル部とクロスバーとで挟持される可撓性のシート状遮蔽部材であるようにしたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.
図1、図2はこの発明の実施の一形態を示す図である。図1は回路遮断器の閉路状態を示す側断面図、図2はこの発明の絶縁バリアを示す図である。
図1において、21は可動接触子、22は可動接触子21の一端に固着された可動接点、23は可動接触子21の回動により可動接点22と接離する固定接点、24は固定接点23が固着されている固定接触子、25は固定接触子24の他端に設けられた端子部であり、外部から電線が接続される。26は消弧装置であり、26aは可動接点22および固定接点23の間に発生したアークを冷却、消弧する磁性体の金属よりなる消弧板、26bは消弧板26aを保持する消弧側板である。
【0021】
27はハンドル28と連動する機構部、33は機構部27と連結されたクロスバーで、このクロスバー33に可動接触子21が支持軸34により回動可能に支持されている。これらの構成の関係及び動作は図10、図11に示した従来のものと同様なので説明を省略する。
35はコイル部35aを有するねじりコイルばねであり、コイル部35aが可動接触子21を貫通する支持軸34の両端に嵌挿されて可動接触子21に時計方向の回転力を与える。これにより、回路遮断器が閉路状態のとき、可動接点22と固定接点23とを所定の圧力で接触させるための付勢力が与えられる。35bはねじりコイルばね35のばね部で、35cは可動接触子21の両側のコイル部35aを連結する連結部である。
36は、可動接点22、固定接点23間に発生したアークを隔離する隔離バリアである。
【0022】
40はねじりコイルばね35の一対のコイル部35aを遮蔽する外周遮蔽部材及び絶縁バリアとしてのチューブである。これは図1において、少なくとも可動接点22の移動範囲Xにおける可動接点22から見えるコイル部35aの部分Y(黒く塗って示した部分)が遮蔽されるためのものである。
図2に示されるようにチューブ40は円筒状のシリコンチューブを切断したものである。またチューブ40の材質としてはシリコン樹脂以外にも、ビニル樹脂系のものや、フッ素樹脂系の材料を用いてもよい。
高温の金属溶融物の付着を防止するものであるから耐熱性の高いものがよいことはいうまでもなく、この点からシリコン系やフッ素系の樹脂が適している。
ねじりコイルの直径が10mmから20mm程度のものに対し、チューブ40の厚さは加工性や弾力性の面から0.5から2mm程度が望ましい。またチューブ40のコイル部35aへの装着性の点から、チューブ40の内径をコイル部35aの寸法誤差を考慮してコイル部35aの外径よりわずかに大きくする。
【0023】
可動接触子21のクロスバー33への組立工程は、ねじりコイルばね35のコイル部35aにチューブ40で被覆したものを用いること以外は図10、図11により示した従来のものと同様なので省略する。
【0024】
次に動作について説明する。図1に示すように、少なくとも可動接触子21の可動接点22の移動範囲Xの可動接点22から見えるコイルばね35のコイル部35aの部分Yが遮蔽されるようにコイル部35aの外周全体をチューブ40で覆ったので、金属溶融物のコイル部35aへの付着が防止でき、ねじりコイルばね35の性能を低下させない。例えば、チューブ40を装着することにより、可動接点22と固定接点23との間の接触圧力が初期状態の1/2以下にならないようにできる。
【0025】
また、チューブ40は可動接触子21と共に回動せず、またチューブ40の受圧面積が小さいので、遮断時のアークによる高い圧力のための変形や移動がなく、また可動接触子21の回動や金属溶融物の飛来によるチューブ40の機械的損傷を少なくすることができる。
【0026】
発明の実施の形態2.
この発明の実施の形態2は、絶縁バリアとして略C字状の樹脂成形品のC字状遮蔽部材41を用いたものである。
図3はこの発明の実施の形態2のC字状遮蔽部材41の斜視図である。C字状遮蔽部材41は合成樹脂の成形品で、その内径は、ねじりコイルばね35のコイル部35aの外径よりやや小さく、C字の開口部41aの寸法Aはコイル部35aの外径Bより少し小さく、しまりばめとなっている。図において、C字の開口部41aをコイル部35aにあてがい押し込むと、C字形開口部が樹脂成形品の弾力性によりコイル部35aの径より広く拡張されて簡単に装着でき装着後脱落しにくい。C字状遮蔽部材41の内径は、ねじりコイルばね35のコイル部35aの外径とほぼ同じ大きさであってもよい。
【0027】
C字状遮蔽部材41の材質としては、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)に強化剤としてガラス繊維を30wt%程度含有させた樹脂などがよい。成形品の肉厚はコイル部35aの径が例えば10mmから20mmのものに対し1から2mm程度が好ましく、強度や弾力性など必要に応じて増減するのが望ましい。
また略C字状の寸法例としてねじりコイルばね35のコイル部35aの外径Bが例えば10mmの場合、C字状遮蔽部材41の開口部41aの寸法Aは装着性と外れにくさの点から8.5から9.5mm程度とするのが望ましい。
【0028】
この構造のC字状遮蔽部材41によれば、ねじりコイルばね35の溶融金属の飛来する側の部分を遮蔽しているのでコイル部35aに金属溶融物の付着の可能性を小さくすると共に、C字状遮蔽部材41が可動接触子21と共に回動しないので機械的損傷が少ない。また、C字状遮蔽部材41をC字構造の弾力性を有する樹脂成形品としたので着脱が容易で、またC字状遮蔽部材41はその弾力性によりコイル部35aにしっかり保持され脱落しにくい。
【0029】
発明の実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3の絶縁バリアとしての連結遮蔽部材51を示す斜視図である。
連結遮蔽部材51は一対のC字状遮蔽部材51aと上記一対のC字状遮蔽部材51aを可動接触子21をはさんで連結する連結部材51bと連結部材51bの下辺51dの延長部材51cとが弾力性のある樹脂で一体成形されたものである。ここでC字状遮蔽部材51aは図3で示したC字状遮蔽部材41と同様である。図4ではC字状遮蔽部材51aと連結部材51bとは可動接触子21の下側部分51dで連結されており、また連結部材51bと一体に延長部材51cが形成
されており、可動接触子21の固定接点23と対向する対向部21dを覆って可動接点22の近傍まで延在している。
【0030】
また連結部材51bの側壁51fには連結遮蔽部材51を可動接触子21に保持するためのL形の折曲部51eを設けている。
連結遮蔽部材51の弾力性のある樹脂の材質、肉厚については実施の形態1又は2のものと同様のものである。
図4においては、連結部材51bと連結される延長部材51cは対向部21dのみを覆うものについて示したが、可動接点22の近傍まで側壁51fおよびL形の折曲部51eを延長すればさらに効果的である。
【0031】
この連結遮蔽部材51の装着は、C字状遮蔽部材41のC字開口部を上にして図4の下方からコイル部35aにあてがい装着した後、連結遮蔽部51をコイル部35aを軸に回転させ、連結部51bを樹脂成形品の弾力性を利用して可動接触子21に嵌めこみ、保持用のL形折曲部51eで可動接触子21に保持することにより行われる。
【0032】
この構造によれば、金属の飛来する側のねじりコイルばね35の面を樹脂成形品のC字状遮蔽部材51aで遮蔽しているのでコイル部35aに金属溶融物が付着しない。また、一対のねじりコイルばね35の両側が一体に連結されているので絶縁バリア51の装着を容易としている。
また金属溶融物は金属には付着しやすいが樹脂には付着しにくいので、樹脂成形品で被覆されている可動接触子21の固定接点23に対向する面21dにも金属溶融物20が付着しない。
従って可動接触子21に例えば図11に示したように、可動接触子21とクロスバー33との間に金属溶融物20が付着して可動接点22と固定接点23の接触不良を発生させるのを減少できるので信頼性を向上することができる。
【0033】
発明の実施の形態4.
図5はこの発明の実施の形態4の絶縁バリアとしてのシート状遮蔽部材42を示す斜視図である。シート状遮蔽部材42は略中央に可動接触子21が貫通する長方形の開口部42cを持つ可撓性の絶縁シートであり、例えば、高耐熱性のガラスクロスシートまたはシリコン系やフッ素系の樹脂フィルム等でできている。シート状遮蔽部材42の開口部42cに可動接触子21が挿通され、上部は図7
に示すようにねじりコイルばね35とクロスバー33とで挟持されている。なおシート状遮蔽部材42の形状は図6の斜視図に示す絶縁バリア43のように切欠43aを有する略コ字状のものにしてもよい。ねじりコイルばねのコイル部35aの径が例えば10から20mmのとき、ガラスクロスシートまたは樹脂フィルム等によるシート状遮蔽部材42に使用される材料の厚さは0.1から0.5mm程度が可撓性の面から望ましい。
【0034】
このようにシート状遮蔽部材42として可撓性の絶縁シートを使用してねじりコイルばね35に密着して装着するので、アークによる溶融物がコイル部35aとシート状遮蔽部材42との隙間から侵入してコイル部35aに付着することを防止できる。
また、シート状遮蔽部材42が可動接触子21と共に回動しないので開閉による機械的損傷を少なくすることができる。
また、打ち抜き加工や折り曲げ加工により安価に製作できる。
【0035】
請求項1記載の発明によれば、コイルばねのコイル部の外周に円筒状の一対の絶縁バリアを設けたので、遮断時に生成される金属溶融物のねじりコイルばねのコイル部への付着を防止でき、信頼性の向上を図ることができる。
【0037】
請求項2記載の発明によれば、絶縁バリアは開口部が拡張可能な弾力性を有する樹脂で成形されたC字状遮蔽部材であるようにしたので、絶縁バリアの着脱が容易で、組立工数を低減でき安価にすることができる。
【0038】
請求項3記載の発明によれば、絶縁バリアは開口部が拡張可能な弾力性を有する略C字状に形成された一対のC字状遮蔽部材と連結部材と可動接触子の固定接点と対向する対向部を覆って可動接点の近傍まで延在された延長部材とが樹脂により一体成形された連結遮蔽部材としたので、絶縁バリアの着脱を容易にするとともに、可動接触子の固定接点との対向面への金属溶融物の付着を防止でき、一層信頼性を向上することができる。
【0039】
請求項4記載の発明によれば、絶縁バリアはねじりコイルばねのコイル部に挟持された可撓性のシート状遮蔽部材としたので、金属溶融物がねじりコイルばねのコイル部への付着を防止でき、安価に信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の一実施形態を示す回路遮断器の側断面図である。
【図2】 発明の実施の形態1のチューブの装着を示す斜視図である。
【図3】 発明の実施の形態2のC字状遮蔽部材の装着を示す斜視図である。
【図4】 発明の実施の形態3の連結遮蔽部材の装着を示す斜視図である。
【図5】 発明の実施の形態4のシート状遮蔽部材の装着を示す斜視図である。
【図6】 発明の実施の形態4の他のシート状遮蔽部材を示す斜視図である。
【図7】 発明の実施の形態4のシート状遮蔽部材の装着を示す斜視図である。
【図8】 従来の回路遮断器の開路状態の側断面図である。
【図9】 従来の回路遮断器の閉路状態の側断面図である。
【図10】 従来の可動接触子に関連する機構を示す部分図である。
【図11】 従来の回路遮断器の課題を説明するための図である。
【図12】 従来の遮断器の隔離バリアの構造図である。
【図13】 従来の遮断器の隔離バリアの構造図である。
【符号の説明】
21 可動接触子、 22 可動接点、 23 固定接点、
24 固定接触子、 33 クロスバー、 35 ねじりコイルばね、
35a コイル部、 40 チューブ、 41 C字状遮蔽部材、
42 シート状遮蔽部材、51 連結遮蔽部材
Claims (4)
- 固定接点を有する固定接触子、上記固定接点と対向配置された可動接点を有する可動接触子、上記可動接触子を支持軸により回動可能に軸支するクロスバー、上記可動接触子を挟んで両側に配設される一対のコイル部を有し上記クロスバーの支持軸にコイル部が嵌挿され上記可動接点を上記固定接点に所定の圧力で接触させるねじりコイルばねが上記クロスバー内部の空洞部内に設けられた回路遮断器において、上記コイルばねのコイル部の外周に円筒状の一対の絶縁バリアを設けたことを特徴とする回路遮断器。
- 絶縁バリアは開口部が拡張可能な弾力性を有する略C字状に樹脂で成形されたC字状遮蔽部材であることを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
- 絶縁バリアは開口部が拡張可能な弾力性を有する略C字状に形成された一対のC字状遮蔽部材と上記一対のC字状遮蔽部材を可動接触子をはさんで連結する連結部材と上記可動接触子の固定接点と対向する対向部を覆って可動接点の近傍まで延在された延長部材とが弾力性のある樹脂で一体成形された連結遮蔽部材であることを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
- 絶縁バリアはねじりコイルばねのコイル部とクロスバーとで挟持される可撓性のシート状遮蔽部材であることを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
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