JP3853668B2 - 自動二輪車用ジャッキスタンド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、起立した自動二輪車を持上げる自動二輪車用ジャッキスタンドの改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車の耐久レースにおいては保守・点検作業、特に車輪を交換する頻度が高い。レース中であるから、車輪の交換作業は迅速に行うことが要求される。迅速に交換作業を行うためには、起立した自動二輪車を持上げて、車輪を地上から浮かせた状態にする。そのためにジャッキスタンドを用いる。この種の自動二輪車用ジャッキスタンドとしては、例えば特開平2−147483号公報「自動二輪車」(以下、「従来の技術」と言う)が知られている。
【0003】
上記従来の技術は、同公報の第1図及び第2図によれば、自動二輪車1(符号は公報に記載されたものを引用した。以下同じ。)の車体前部にエアジャッキ20を設けたというものである。
【0004】
耐久レース中に自動二輪車1がピットインしたとき、エアジャッキ20のエアプラグ27に圧縮エア源のカプラー28をワンタッチ装着し、エア圧によってエアジャッキ20を伸張させることで、車体前部を持上げる。これで、前輪4を交換することができる。
一方、リヤジャッキ30を後輪12の後方から車体後部へ差込んだ後に、操作部33をスイング操作することで車体後部を持上げる。これで、後輪12を交換することができる。
【0005】
前・後輪4,12を交換した後には、エアジャッキ20から圧縮エアを放出することで車体前部を下げ、エアプラグ27からカプラー28を外す。そして、操作部33をスイング操作して車体後部を下げた後に、リヤジャッキ30を車体後部から引抜く。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術は、自動二輪車1自体にエアジャッキ20を設けたものである。しかし、車種によっては、エアジャッキ20を設けることができない場合がある。さらには、エアジャッキ20は比較的高価であり、圧縮エア源並びにエア配管も必要となるので、得策ではない。
また、車体前部を昇降するには、エアプラグ27に対するカプラー28の着脱操作と、エアジャッキ20へのエア供給操作又はエア放出操作という、2操作が必要である。
【0007】
一方、車体後部を持上げるには、リヤジャッキ30を後輪12の後方から車体後部へ差込む操作と、操作部33を操作してリヤジャッキ30で車体後部を持上げる操作という、2操作が必要である。持上げられた車体後部を下げるには、操作部33を操作してリヤジャッキ30で車体後部を下げる操作と、リヤジャッキ30を車体後部から引抜く操作という、2操作が必要である。
このように、保守・点検作業時における自動二輪車の昇降作業をより迅速に行うには改良の余地がある。
【0008】
そこで本発明の目的は、自動二輪車の昇降作業をより迅速に行うことができる自動二輪車用ジャッキスタンドの技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、ベースフレームと、このベースフレームに立った支柱と、この支柱に平行リンクを介して上下移動可能に取付けた昇降フレームと、この昇降フレームからほぼ水平に延したジャッキアップ用シャフトと、昇降フレームをてこの原理で上昇させる上昇用レバーと、上昇位置での上昇用レバーを保持させるために支柱と上昇用レバーとの間に渡すロック部材とからなり、ジャッキアップ用シャフトを自動二輪車の車体へ差込み、上昇用レバーの作用で自動二輪車を上昇させることのできる自動二輪車用ジャッキスタンドにおいて、
ロック部材の上端をピンで支柱に取付けることでロック部材をスイング可能とし、ロック部材をロック側に弾発する弾発部材及びロック部材をロック解除方向に引くロック解除部材を備え、このロック解除部材の他端を、ジャッキアップ用シャフトから離れつつ上昇する斜めの長孔に沿って移動させるようにし、ロック解除部材の他端にハンドルを設け、このハンドルを引上げることで、ロック部材のロック解除操作と、ジャッキスタンド全体の後進操作とを、この順に行えることを特徴とする。
【0010】
ジャッキアップ用シャフトを備えた昇降フレームが上昇位置にあるときに、上昇用レバーを保持させるべく、支柱と上昇用レバーとの間に渡すロック部材を設け、このロック部材の上端を支柱にスイング可能に取付け、ロック部材をロック側に弾発する弾発部材及びロック部材をロック解除方向に引くロック解除部材を備え、このロック解除部材の他端を、ジャッキアップ用シャフトから離れつつ上昇する斜めの長孔に沿って移動させるようにし、ロック解除部材の他端にハンドルを設けたので、ハンドルを長孔に沿って手で引上げることで、ロック解除操作を行うことができる。ロック部材のロック作用を解除することで、自動二輪車は自重によって元の接地状態に瞬時に戻る。
【0011】
ハンドルを長孔の上端まで引上げた時点、すなわち自動二輪車が元の接地状態に戻った直後に、ハンドルを握っている手を後方へ引くことで、ジャッキスタンド全体を後退させることができる。ジャッキアップ用シャフトを自動二輪車の車体から抜き取ることができる。
【0012】
このように、ハンドルを手で引上げるという操作だけで、ロック部材のロック解除操作と、ジャッキスタンド全体の後進操作とを、この順に実質的に「1操作」で行うことができる。保守・点検作業時における自動二輪車の昇降作業をより迅速に行うことができる。従って、保守・点検作業の時間を短縮できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は自動二輪車用ジャッキスタンドの作業者から見た方向に従う。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0014】
図1(a),(b)は本発明に係る自動二輪車用ジャッキスタンドによってジャッキアップする自動二輪車の構成図であり、(a)は自動二輪車10の左側面構造を示し、(b)は(a)のb−b線断面構造を示す。
【0015】
(a)に示すように自動二輪車10は、車体フレーム(車体)11のヘッドパイプ12にフロントフォーク13を回転可能に取付け、フロントフォーク13に前輪14を回転可能に取付け、車体フレーム11の後部下部にピボット軸15にてリヤアーム16を上下スイング可能に取付け、リヤアーム16の後端に後輪17を回転可能に取付け、車体フレーム11の後部下端に被ジャッキアップ部30を設けた、耐久レース用車両である。
図中、21はエンジン、22はチェーン、23はマフラ、24はハンドルバー、25はフロントカウルである。
【0016】
(b)に示すように被ジャッキアップ部30は、車体フレーム11にピボット軸15にて取付けた左右のブラケット31,32と、左右のブラケット31,32間に掛け渡したガイドパイプ33と、左のブラケット31の端部に設けたコーン状の挿入ガイド管34とからなる。挿入ガイド管34は車体左側方に開口する。左のブラケット31の貫通孔31a、右のブラケット32の貫通孔32a、ガイドパイプ33、及び挿入ガイド管34は互いに同心上に配列する。挿入ガイド管34から後述するジャッキアップ用シャフトを着脱することができる。
なお、被ジャッキアップ部30を車体前部や後輪17の車軸18にも設けることは任意である。
【0017】
図2は本発明に係る自動二輪車用ジャッキスタンドの左側面図であり、この自動二輪車用ジャッキスタンド40(以下、単に「ジャッキスタンド40」と言う。)は、高さ50〜60cm程度で重量10kg程度の小型且つ軽量の移動式ジャッキアップ装置であって、スタンド本体41に平行リンク50、昇降フレーム71、ジャッキアップ用シャフト74、上昇用レバー81、ロック機構90及びロック解除機構100を備える。
【0018】
スタンド本体41は、前部に左右の車輪45,45を備え、後部を床FLから浮き上げさせることで走行させ得る部材である。詳しくは、スタンド本体41は、前後(この図の左右)に細長くほぼ水平なベースフレーム42と、ベースフレーム42の後部上部に立った支柱43と、ベースフレーム42と支柱43との間のコーナに掛け渡したステー44と、ベースフレーム42の前端(図左側)に回転可能に取付けた左右の車輪45,45と、からなる。
【0019】
ジャッキアップ用シャフト74は、想像線にて示す被ジャッキアップ部30に着脱可能に嵌合する水平な細長い丸棒であり、先端が先細りテーパ状である。
このようなジャッキスタンド40によれば、水平なジャッキアップ用シャフト74を自動二輪車10の車体11、すなわち想像線にて示す被ジャッキアップ部30へ着脱可能に差込み、上昇用レバー81の作用で自動二輪車10を上昇させることができる。以下、ジャッキスタンド40を図3以降で詳しく説明する。
なお、車輪45,45の位置は、ジャッキアップ用シャフト74で持上げられた自動二輪車10の車体重心Gよりも前方(図左寄り)に設定されることになる。
【0020】
図3は本発明に係る自動二輪車用ジャッキスタンドの要部断面図であり、ジャッキスタンド40を機幅中央で断面して示す。
昇降フレーム71は、支柱43の上部に平行リンク50を介して昇降可能に取付けた、上下に細長い部材であり、支柱43の前に且つ支柱43に対して平行に配置することになる。この昇降フレーム71は、前部にシャフトホルダ72をピン73にて上下スイング可能に取付け、シャフトホルダ72にジャッキアップ用シャフト74の基端をボルト止めしたものである。75はジャッキアップ用シャフト74の水平度を調整する調整ボルトである。このようにして、昇降フレーム71から前方へジャッキアップ用シャフト74をほぼ水平に延すことができる。
【0021】
上昇用レバー81は、昇降フレーム71を「てこの原理」で上昇させるための前後に長い操作部材である。この上昇用レバー81は、長手途中の中間部を連結ピン55にて支柱43に上下スイング可能に取付け、中間部から前方へ延しその前端部を連結ピン56にて昇降フレーム71の下部に上下スイング可能に取付け、また、中間部から後方へ延ばしその後端部にハンドル(第1ハンドル82)を取付ける。
【0022】
ここで、平行リンク50について説明する。この平行リンク50は、4つのリンク51〜54並びに4つの連結ピン55〜58を組合せた4節リンクであり、上下変位可能である。
4つのリンク51〜54を、下から時計回りに第1リンク51、第2リンク52、第3リンク53、第4リンク54と呼ぶ。第1リンク51については、上昇用レバー81のうち中間部から前方へ延びた前部が兼ねる。第2リンク52については昇降フレーム71が兼ねる。第4リンク54については支柱43の上部が兼ねる。
【0023】
さらには、4つの連結ピン55〜58のうち、第4リンク54と第1リンク51とを繋ぐ連結ピンを第1連結ピン55、第1リンク51と第2リンク52とを繋ぐ連結ピンを第2連結ピン56、第2リンク52と第3リンク53とを繋ぐ連結ピンを第3連結ピン57、第3リンク53と第4リンク54とを繋ぐ連結ピンを第4連結ピン58と呼ぶ。
これら4つの連結ピン55〜58は、摩擦抵抗を低減するためにボールベアリング等の転がり軸受61〜64を介して、それぞれのリンク51〜54を繋ぐ。この結果、平行リンク50の作動は極めて円滑である。
【0024】
次に、ロック機構90について説明する。このロック機構90は、上昇位置での上昇用レバー81を保持させるために、支柱43と上昇用レバー81との間に渡すロック部材91、及び、このロック部材91をロック側に弾発する弾発部材92を備える。
詳しくは、上昇用レバー81は、機幅方向(図の表裏方向)に延びるロック用バー83を備える。ロック用バー83は丸棒である。一方、ロック部材91は、上端がピン(第4連結ピン58)で転がり軸受93を介して支柱43の上端部に取付けられることで、前後スイング可能な細長いバー部材であり、下端部にロック用段差部91aを有する。ロック用段差部91aは、上昇用レバー81が上昇位置にあるときにロック用バー83に掛け止める段差である。弾発部材92は引張ばねである。
【0025】
次に、ロック解除機構100について説明する。このロック解除機構100は、ロック部材91のロック解除操作と、ジャッキスタンド40全体の後進操作とを行う機構である。
詳しくは、ロック解除機構100は、支柱43の上端から後上方へ延びるブラケット101と、ブラケット101に形成した長孔102と、ブラケット101の後端に且つ長孔102の延長上に備えたハンドル(第2ハンドル103)と、ロック部材91をロック解除方向に引くロック解除部材110とを備える。長孔102は、ジャッキアップ用シャフト74から離れつつ上昇する斜めの孔、すなわち、後上方に長い孔である。
【0026】
ロック解除部材110は、スイング部材111及び引張り部材121の組合せ構造である。
スイング部材111は、ロック部材91よりも前方(図の左側)へ配置し、上端がピン112で支柱43の上端部に取付けられることで、前後スイング可能な部材であって、下端部に解除突部113並びに連結アーム114を一体に形成したものである。解除突部113は、ロック部材91の前面91bに一定の隙間を有して隣接する。連結アーム114は、引張り部材121の一端にピン115で前後スイング可能に連結する。
【0027】
引張り部材121は、他端にハンドル(第3ハンドル122)を設け、この第3ハンドル122を長孔102に、孔長手方向にスライド可能に嵌合したものである。
このようにして、ロック解除部材110の他端を、ジャッキアップ用シャフト74から離れつつ上昇する斜めの長孔102に沿って、移動させるようにし、ロック解除部材110の他端に第3ハンドル122を設けることができる。
【0028】
なお、支柱43は上端に上ストッパ131を備え、ステー44は下ストッパ132を備える。上ストッパ131は、昇降フレーム71が上昇したときの上限位置を決定する部材である。下ストッパ132は、昇降フレーム71が下降したときの下限位置を決定する部材である。なお、上ストッパ131及び下ストッパ132のストッパ位置は調整可能である。
【0029】
図4は本発明に係る自動二輪車用ジャッキスタンドの要部斜視図であり、支柱43に対する昇降フレーム71、上昇用レバー81、ロック機構90及びロック解除機構100の関係を示す。
支柱43は、機幅方向(左右方向)に一定の間隔を開けて立てた左右一対の支柱部43a,43aを組合せ、これら支柱部43a,43aの上端間を結合することで、1つの柱部材とする。昇降フレーム71及びジャッキアップ用シャフト74(図3参照)は、機幅中央に配置されることになる。
【0030】
上昇用レバー81,81は、支柱43の左右両側を挟み込むようにして左右一対設けたものであり、これら左右の上昇用レバー81,81間にロック用バー83を掛け渡した。上昇用レバー81,81が左右一対あるので、平行リンク50における第3リンク53,53も左右一対設ける。
【0031】
図5は図3の5−5線断面図であり、機幅中央CLに設けた支柱43の左右両側に、上昇用レバー81,81を第1連結ピン55にて転がり軸受61,61を介して取付け、上昇用レバー81,81の前端に、昇降フレーム71を第2連結ピン56にて転がり軸受62,62を介して取付け、上昇用レバー81,81間に、ロック用バー83の両端を支承ボルト84,84にて転がり軸受85,85を介して取付けたことを示す。
【0032】
ロック用バー83をボールベアリング等の転がり軸受85,85を介して回転可能に支承することで、ロック用バー83が回転するときの摩擦抵抗を極めて低減することができる。この結果、ロック用バー83は極めて円滑に回転できる。第1連結ピン55は、支柱43に溶接で一体に設けた部材である。第2連結ピン56は、昇降フレーム71に溶接で一体に設けた部材である。第1ハンドル82は、ピン86にて回転自在に取付けたものである。87はステー、88,89は止めボルトである。
【0033】
図6は図3の6−6線断面図であり、支柱43から後方へ延びた左右のブラケット101,101に、機幅方向に貫通した長孔102,102を設け、これらの長孔102,102に第3ハンドル122を貫通させ、第3ハンドル122の両端に止めボルト116,116で左右の引張り部材121,121をスイング可能に連結したことを示す。第2ハンドル103は、ピン117にて回転自在に取付けたものである。
【0034】
さらにこの図では、スイング部材111は、ピン112でニードルベアリング等の転がり軸受118,118を介して支柱43に取付け、機幅中央CLに解除突部113を設け、解除突部113の左右両側に連結アーム114,114を設け、連結アーム114,114の各一端にピン115,115を介して引張り部材121,121の各一端をスイング可能に連結したことを示す。119,119は止めボルトである。
第2ハンドル103から第3ハンドル122までの最大距離は、片手Haにおける親指Tuを第2ハンドル103に掛けたときに、他の指Fiを第3ハンドル122に掛けて第2ハンドル103側へ引き寄せることができる程度に設定される。
【0035】
次に、上記構成のジャッキスタンド40の作用について、図7〜図9に基づき説明する。
図7は本発明に係る自動二輪車用ジャッキスタンドの作用図(その1)であり、昇降フレーム71並びにジャッキアップ用シャフト74が下降位置にあることを示す。昇降フレーム71は下ストッパ132に当るので、この位置よりも下降することはない。このとき、上昇用レバー81の後端が持上がった位置にあるので、ロック用バー83は高位(高い位置)にある。このため、ロック部材91は、ロック用段差部91aよりも高位の前面91bが接するように、弾発部材92で弾発された状態にある。
【0036】
一方、スイング部材111は、自重によって解除突部113が下がり、ロック部材91の前面91bから離れている。このとき、スイング部材111の自重によって引張り部材121が前下方へ引かれるので、第3ハンドル122は長孔102の下端に当った状態にある。
【0037】
第1ハンドル82を手で握って押し下げることにより、上昇用レバー81は図時計回り方向にスイングする(矢印▲1▼)。この結果、第2連結ピン56を介して昇降フレーム71をてこの原理で上昇させることができる(矢印▲2▼)。
【0038】
上昇用レバー81が図時計回り方向にスイングすることに伴い、ロック用バー83は第1連結ピン55を中心とした旋回軌跡R1上を旋回する。ロック部材91は、弾発部材92によってロック用バー83側に弾発されているので、第1連結ピン55より高位の第4連結ピン58を中心とし、ロック用バー83の旋回に応じて図時計回り方向にスイングする(矢印▲3▼)。この結果を図8に示す。
【0039】
図8(a),(b)は本発明に係る自動二輪車用ジャッキスタンドの作用図(その2)である。
(a)は、ロック用バー83の旋回軌跡R1とロック用段差部91aの旋回軌跡R2とが一致したことを示す。この時点で、ロック用バー83にロック用段差部91aが引っ掛かる。ロック用バー83にロック用段差部91aが掛け止った状態は、昇降フレーム71が上昇位置まで上昇した状態と一致又はほぼ一致する。ロック用バー83にロック用段差部91aが掛け止っているので、この時点で第1ハンドル82から手を離しても、上昇用レバー81は実線にて示す下がった位置を維持する。
【0040】
(a)に示すように、支柱43に対して、昇降フレーム71は平行移動しつつ所定の上昇位置まで上昇する。このため、ジャッキアップ用シャフト74もほぼ水平状態を維持しつつ所定の上昇位置まで上昇する。
【0041】
その後、(b)のように手Haの親指Tuを第2ハンドル103に掛け、他の指Fiを第3ハンドル122に掛けて威勢良く握ることで、第3ハンドル122を第2ハンドル103側へ引き寄せる(矢印▲4▼)。このようにして、(a)のように後上方へ延びる長孔102をガイドとし、第3ハンドル122を引上げることができる。
【0042】
第3ハンドル122が斜めの長孔102に沿って上昇することで、引張り部材121も同方向に移動し、スイング部材111を図反時計回りにスイングさせる。この結果、スイング部材111の解除突部113は、ロック部材91の前面91bを蹴り上げることで(矢印▲5▼)、ロック部材91を図反時計回りにスイングさせる(矢印▲6▼)。ロック部材91が、弾発部材92の弾発力に抗して図反時計回りにスイングすることで、ロック用段差部91aはロック用バー83から外れる。
【0043】
ところで、ロック用バー83は転がり軸受85,85(図5参照)にて回転可能に支承されているので、摩擦抵抗が極めて小さく、回転が容易である。従って、ロック用段差部91aは、弾発部材92の弾発力に抗する程度の小さいスイング力でロック用バー83から外れる。
【0044】
図9(a),(b)は本発明に係る自動二輪車用ジャッキスタンドの作用図(その3)である。
(a)は、第3ハンドル122が長孔102の上端に当るとともに、ロック用段差部91aがロック用バー83から外れた時点の状態を示す。昇降フレーム71は自重によって下降を開始する。
【0045】
昇降フレーム71は、第2連結ピン56を介して上昇用レバー81を図反時計回りにスイングさせる(矢印▲7▼)。この結果、昇降フレーム71並びにジャッキアップ用シャフト74は、想像線にて示す元の下降位置まで自動的に下降する。上昇用レバー81も想像線にて示す元の位置まで自動復帰する。
【0046】
一方、第3ハンドル122が長孔102の上端に当った時点で、(b)のように第2・第3ハンドル103,122を握っている手Haを後方へ威勢良く引く(矢印▲8▼)。このようにして、ジャッキスタンド40全体を白抜き矢印▲9▼方向へ後退させることができる。
【0047】
次に、ジャッキスタンド40の使用例を図1及び図2に基づき説明する。
図2はジャッキアップ用シャフト74が下降位置にあることを示す。下降位置にあるジャッキアップ用シャフト74の高さは、接地して起立状態にある自動二輪車10の挿入ガイド管34の高さと、ほぼ同一である。
【0048】
車輪交換など、自動二輪車10の保守・点検作業は次の手順で行う。
先ず、図2の状態のジャッキスタンド40を、接地状態における自動二輪車10の側面に対して前進させる(図左側へ移動させる)。そして、ジャッキアップ用シャフト74を自動二輪車10の車体11へ差込む。すなわち、ジャッキアップ用シャフト74を挿入ガイド管34に差込むことで、ジャッキアップ用シャフト74を想像線にて示すように、被ジャッキアップ部30にセットする。
【0049】
次に、上昇用レバー81を手でスイング操作し、昇降フレーム71を介してジャッキアップ用シャフト74を上昇させることで、自動二輪車10を上昇させる。ジャッキアップ用シャフト74が上昇位置まで移動したときに、ロック部材91はロック用バー83をロックする。このため、上昇用レバー81から手を離してもジャッキアップ用シャフト74及び自動二輪車10は上昇位置に止まる。この状態で、自動二輪車10の保守・点検作業(車輪の交換等)を行う。
【0050】
保守・点検作業が完了したら、第3ハンドル122を長孔102に沿って手で威勢良く引上げることで、ロック解除操作を行う(第1解除操作)。ロック用バー83に対するロック部材91のロック作用は解除になる。昇降フレーム71や自動二輪車10の自重によって、ジャッキアップ用シャフト74は下降する。この結果、自動二輪車10は元の接地状態に瞬時に戻る。
【0051】
第3ハンドル122を長孔102の上端まで引上げた時点、すなわち自動二輪車10が元の接地状態に戻った直後に、第3ハンドル122を握っている手を後方(図2の右側)へ威勢良く引く(第2解除操作)。この結果、ジャッキスタンド40全体が後退する。従って、ジャッキアップ用シャフト74を自動二輪車10の車体11から抜き取ることができる。これで、作業を完了する。
【0052】
以上の説明から明らかなように、第3ハンドル122を手で引上げるという操作だけで、ロック部材91のロック解除操作(第1解除操作)と、ジャッキスタンド40全体の後進操作(第2解除操作)とを、この順に実質的に「1操作」で行うことができる。保守・点検作業時における自動二輪車10の昇降作業をより迅速に行うことができる。従って、保守・点検作業の時間を短縮できる。
【0053】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、ジャッキアップ用シャフトを備えた昇降フレームが上昇位置にあるときに、上昇用レバーを保持させるべく、支柱と上昇用レバーとの間に渡すロック部材を設け、このロック部材の上端を支柱にスイング可能に取付け、ロック部材をロック側に弾発する弾発部材及びロック部材をロック解除方向に引くロック解除部材を備え、このロック解除部材の他端を、ジャッキアップ用シャフトから離れつつ上昇する斜めの長孔に沿って移動させるようにし、ロック解除部材の他端にハンドルを設けたので、ハンドルを長孔に沿って手で引上げることで、ロック解除操作を行うことができる。ロック部材のロック作用を解除することで、自動二輪車は自重によって元の接地状態に瞬時に戻る。
【0054】
ハンドルを長孔の上端まで引上げた時点、すなわち自動二輪車が元の接地状態に戻った直後に、ハンドルを握っている手を後方へ引くことで、ジャッキスタンド全体を後退させることができる。ジャッキアップ用シャフトを自動二輪車の車体から抜き取ることができる。
【0055】
このように、ハンドルを手で引上げるという操作だけで、ロック部材のロック解除操作と、ジャッキスタンド全体の後進操作とを、この順に実質的に「1操作」で行うことができる。保守・点検作業時における自動二輪車の昇降作業をより迅速に行うことができる。従って、保守・点検作業の時間を短縮できる。
【0056】
さらには、手動操作だけで自動二輪車を昇降させることができるので、自動的に昇降させるための高価な駆動機構や動力源が不要であり、動力源が無い場所であっても自動二輪車用ジャッキスタンドを自由に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車用ジャッキスタンドによってジャッキアップする自動二輪車の構成図
【図2】本発明に係る自動二輪車用ジャッキスタンドの左側面図
【図3】本発明に係る自動二輪車用ジャッキスタンドの要部断面図
【図4】本発明に係る自動二輪車用ジャッキスタンドの要部斜視図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6線断面図
【図7】本発明に係る自動二輪車用ジャッキスタンドの作用図(その1)
【図8】本発明に係る自動二輪車用ジャッキスタンドの作用図(その2)
【図9】本発明に係る自動二輪車用ジャッキスタンドの作用図(その3)
【符号の説明】
10…自動二輪車、11…車体、30…被ジャッキアップ部、40…自動二輪車用ジャッキスタンド、42…ベースフレーム、43…支柱、50…平行リンク、58…ピン(第4連結ピン)、71…昇降フレーム、74…ジャッキアップ用シャフト、81…上昇用レバー、83…ロック用バー、91…ロック部材、91a…ロック用段差部、92…弾発部材、102…長孔、110…ロック解除部材、122…ハンドル(第3ハンドル)、Ha…手。

Claims (1)

  1. ベースフレームと、このベースフレームに立った支柱と、この支柱に平行リンクを介して上下移動可能に取付けた昇降フレームと、この昇降フレームからほぼ水平に延したジャッキアップ用シャフトと、前記昇降フレームをてこの原理で上昇させる上昇用レバーと、上昇位置での上昇用レバーを保持させるために前記支柱と前記上昇用レバーとの間に渡すロック部材とからなり、前記ジャッキアップ用シャフトを自動二輪車の車体へ差込み、上昇用レバーの作用で自動二輪車を上昇させることのできる自動二輪車用ジャッキスタンドにおいて、
    前記ロック部材の上端をピンで前記支柱に取付けることでロック部材をスイング可能とし、ロック部材をロック側に弾発する弾発部材及びロック部材をロック解除方向に引くロック解除部材を備え、このロック解除部材の他端を、前記ジャッキアップ用シャフトから離れつつ上昇する斜めの長孔に沿って移動させるようにし、前記ロック解除部材の他端にハンドルを設け、このハンドルを引上げることで、ロック部材のロック解除操作と、ジャッキスタンド全体の後進操作とを、この順に行えることを特徴とする自動二輪車用ジャッキスタンド。
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