JP3853382B2 - レトルト用包材 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、レトルト用包材に関し、更に詳しくは、例えば食品、薬品、飲料等、特に加圧加熱殺菌を施す内容物の包装に好適に利用可能なレトルト用包材に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、食品、薬品、飲料等、特に加圧加熱殺菌を施す内容物の包装材料には、包材をレトルト中で120℃程度の高温で、加熱・加圧処理することから、包装材料の機能としては、▲1▼耐熱性、▲2▼シール強度、▲3▼バリヤー性、▲4▼耐衝撃性をもつことが望まれている。
従来より、かかる目的を達成するため、レトルト用包材の最内層として、シール強度が高く、耐熱性にも優れ、更に包材自体の臭いもないフィルムとして、ポリプロピレン(以下、「PP」という)を使用している。具体的な層構成としては、外側から内側に向けて、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という)/延伸ナイロン(以下、「ONy」という)/アルミニウム(以下、「Al」という)/未延伸PP(以下、「CPP」という)、PET/Al/CPP、PET/ONy/CPP等の積層フィルムが広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の最内層としてPPを用いた従来の包装材料では、PP樹脂自体が、結晶性樹脂のため、ホモポリマー使用の際には、耐衝撃性が著しく低く、また、透明性が低いことから、エチレンとのランダムコポリマー、ブロックコポリマーとし、耐衝撃性、透明性を向上させている。また、一般にPPは耐油性に優れているといわれているが、エチレンとのランダムコポリマー、ブロックコポリマーとして使用した場合には、結晶化が均一におこらず、包材の耐油性が一定しないため、内容物として油が多い食品、例えば、内容物としてカレー、中華ソース等を使用した場合には、内容物の油が、包材にしみこむ場所としみこまない場所とが存在し、樹脂表面に凹凸、いわゆる柚肌が生じることとなり、見栄えが悪くなる。更には、レトルト用包材としてバリヤー性を付与させる場合にAlを積層するが、Alを積層すると、最内層であるPPの凹凸がAlの表面に顕著に現れ、包材としては、更に見栄えが悪くなる。また、Alに凹凸が生じてくると、Alに龜裂が生じる場合もあるため、龜裂部においてバリヤー性が劣り、包材全体としてのバリイヤー性がなくなる。
【0004】
本発明は、かかる欠点に基づいて創作されたものであり、本発明の目的は、耐衝撃性をもち、かつ、樹脂表面に柚肌を生じさせることなく、更には、シール強度が高く、包材自体の匂いが少なく、内容物の味覚を損うことがないフィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ポリエチレンテレフタレートフィルム層、延伸ナイロンフィルム層、アルミニウム層、および、シングルサイト触媒により重合したポリエチレンフィルム層を順次積層したレトルト用包材であって、その各層を接着剤層を介してドライラミネーションにより積層したことを特徴とするレトルト用包材を用いることにより、包材自体が耐衝撃性に優れ、かつ、最内層であるポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体の表面に柚肌を生じることがなく、更には、包材自体にも匂いが少ないため、内容物に包材自体の匂いが移行せず、内容物の味覚も損わなく、更には、包材自体のシール強度が高いレトルト用包材が得られることを見出し、本発明に創到したものである。
【0006】
すなわち、本発明は、ポリエチレンテレフタレートフィルム層、延伸ナイロンフィルム層、アルミニウム層、および、シングルサイト触媒により重合したポリエチレンフィルム層を順次積層したレトルト用包材であって、その各層を接着剤層を介してドライラミネーションにより積層したことを特徴とするレトルト用包材である。
【0008】
【作用】
本発明のレトルト用包材は、最内層を、シングルサイト触媒により重合されたポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体で構成してあり、このシングルサイト触媒により重合されたポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルムは、分子鎖が揃っているため、分子量分布も狭く、各分子のコモノマー含有量がほぼ等しいため、結晶化速度は遅く、耐衝撃性に優れた包装体が得られる。
【0009】
また、シングルサイト触媒により重合されたポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体は、分子鎖が揃っているため分子量分布も狭く、各分子のコモノマー含有量がほぼ等しいため、耐油性にも優れたフィルムが得られる。よって、内容物として油が多い食品、例えば、内容物としてカレー、中華ソース等を使用した場合には、内容物の油が、包装材料にしみこむ場所としみこまない場所とが存在し、樹脂表面に凹凸、いわゆる柚肌が生じることはなく、包装体としての見栄えも良いものである。
【0010】
よって、内層の表面に凹凸が生じないため、Alを積層させた場合でもAlに凹凸は生じないため、Alに亀裂が生じることもなく、レトルト用包材としてのバリヤー性も劣らない。
【0011】
また、シングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルムを用いると、このシングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルムは分子量分布が狭く、低分子量物の含有量が非常に少ないため、包材自体の臭いが少ない。従って、かかるフィルムを用いたレトルト包材を形成して、内容物を充填しても、包材自体の臭いが内容物へ移行することはなく、内容物の味覚も損なわれることがない。
【0012】
さらに、シングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルムで構成してあるため、このシングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルムは、分子鎖が揃っているため分子量分布も狭く、各分子のコモノマー含有量がほぼ等しいためヒートシール強度に優れたフィルムが得られる。よって、かかるフィルムを用いた包装体は、ヒートシール強度に優れ、かつ、強いラミネート強度の積層フィルムが得られるため、高い破袋強度が得られる。
【0013】
また、シングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルムは、コモノマーの量で融点をコントロールできるので、低温シール性に優れたフィルムが得られる。すなわち、コモノマーの量を増やすと融点が下がるので、低温シール性を有するフィルムが得られる。このため、包装体として、低温シール性に優れた包装体を得ることができるため、内容物の高速充填が可能となり、生産性が上がる。
【0014】
さらに、シングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルムは、分子量分布が狭く透明性がよいので、きれいなフィルムが得られ、包装体としても透明なきれいな包装体が得られる。
【0015】
また、シングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルムを用いると、このシングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルムは分子量分布が狭く、低分子量物の含有量が非常に少ないため、内容物への移臭がなく、従って、官能的にも良好なフィルムが得られる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明のレトルト包材の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図3に示すように、このレトルト用包材は、最内層がシングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルム層1であれば、最外層および中間層の構成に特に制限はなく、レトルト用包材の用途・目的に応じて種々の層構成とすることができる。
【0017】
たとえば、図1に示すレトルト用包材は、シングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルム層1を最内層とし、バリヤー層としてAl層2、中間層としてONy層3、最外層としてPET層を有するものである。
【0018】
また、図2に示すレトルト用包材は、シングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルム層1を最内層とし、バリヤー層としてAl層2、最外層としてPET層4を有するものである。
【0019】
さらに、図3に示すレトルト用包材は、シングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルム層1を最内層とし、中間層としてONy層3、最外層としてPET層4を有するものである。
【0020】
ここで、先ず、最内層1に用いるシングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルムについて説明する。シングルサイト触媒(メタロセン触媒、いわゆるカミンスキー触媒を含む)とは、活性点が均一(シングルサイト)であるという特徴を持つ。このシングルサイト触媒は、メタロセン系遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、無機物に担持されることもある。
【0021】
ここで、メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば、IVB族から選ばれた遷移金属〔チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)〕に、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラヒドロインデニル基、フルオニル基または置換フルオニル基が1乃至2結合しているか、あるいは、これらのうちの二つの基が共有結合で架橋したものが結合しており、他に水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アセチルアセトナート基、カルボニル基、窒素分子、酸素分子、ルイス塩基、ケイソ原子を含む置換基、不飽和炭化水素等の配位子を有するものが挙げられる。
【0022】
また、有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム、または鎖状あるいは環状アルミノキサン等が挙げられる。
【0023】
ここで、アルキルアルミニウムとしては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウフルオリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。
【0024】
また、鎖状あるいは環状アルミノキサンは、アルキルアルミニウムと水を接触させて生成される。例えば、重合時にアルキルアルミニウムを加えておき、後に水を添加するか、あるいは、錯塩の結晶水または有機・無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることで得られる。
【0025】
また、上記シングルサイト触媒を担持させる無機物としては、シリカゲル、ゼオライト、珪藻土等が挙げられる。
【0026】
重合方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、気相重合等が挙げられ、また、これらの重合はバッチ法であっても連続法であっても良い。
【0027】
また、重合条件は、通常、重合温度;−100〜250℃、重合期間;5分〜10時間、反応圧力;常圧〜300Kg/cm2 である。
【0028】
更に、エチレンと共重合されるコモノマーであるαオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、デセン等が挙げられる。これらのαオレフィンは単独で使用してもよく、二以上組合わせて使用しても良い。また、αオレフィンの混合率は、1〜50モル%とすることが好ましい。
【0029】
上記シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン−αオレフィン共重合体の物性は、例えば、分子量;5×103 〜5×106 、密度;0.89〜0.95(g/cm3 )、メルトインデックス〔MI〕;0.1〜50である。
【0030】
また、得られる樹脂は、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)と比較すると、エチレンとα−オレフィンの共重合比率がどの分子においても均一でコモノマー含量の多い低分子量物が少なく、コモノー含量の少ない高分子量物が少ないものである。
【0031】
かかるフィルムの形成方法は特に限定されないが、例えば、押し出し法、Tダイ法、インフレーション法等が挙げられる。これらのフィルムは適宜延伸して使用してもよい。また、このフィルムは、ドライラミネーションあるいはサンドラミネーション等により他のフィルムと積層される。
【0032】
シングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルム層1の厚さは、かかるフィルム厚は、用途によって異なるので一様に決定することは困難であるが、通常は、1〜1000μmであり、好ましくは10〜100μmである。この厚さが10μm以下では、充分なヒートシール性およびシール強度が得られないことがある。一方、この厚さを100μmより厚くしてもそれに相当する効果は変わらず、かえって製造コストの点で不利となるからである。
【0033】
なお、本発明のポリエチレンまたはエチレンーαオレフィン共重合体フィルムに、防曇剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、無機および有機充填剤、染料、顔料、などを適宜添加してもよい。
【0034】
また、図1または図2に示すレトルト用包材において、Al層2は、主にガスや水蒸気の外部からの流入を防止するバリヤー性の機能ないし作用を有する。具体的には、バリヤー性樹脂層としては、Alの他、、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、「EVOH」という)、ポリ塩化ビニリデン(以下、「PVDC」という)、無機酸化物の蒸着フィルムが使用できる。ここで、無機酸化物の蒸着フィルムとは、ポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等の熱可塑性樹脂フィルムに対して、酸化珪素(以下、「SiOx」という)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジュウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機物による薄膜層を真空蒸着、スパッタリング、プラズマCVD、化学蒸着等によって形成したものである。
【0035】
上記バイヤー性樹脂層の中で、廃棄後の環境対応性、包装材料の透明性の観点からは、無機酸化物の蒸着フィルムが望ましい。さらに、この中で、無機酸化物として、酸化珪素を使用した場合には、かかるフィルムは遮光性に劣るため、基材フィルムに白色印刷を施すか、あるいは、ポリエチレンナフタレートを積層させるか、あるいは、白色顔料入り基材を積層させることが望ましい。更に、蒸着法としては、真空蒸着よりもプラズマCVDの方がより透明なフィルムが得られる。
【0036】
また、図1または図3に示すレトルト用包材において、中間層ONy3は、強度を向上させる機能ないし作用を示す。具体的には、ONyの他、ポリカーボネート(以下、「PC」という)、未延伸ナイロン(以下、「CNy」という)等が挙げられる。その厚さは、通常、10〜40μm程度である。
なお、このONy層3を形成するONyの加工法は特に制限はなく、例えば、チューブラー法、テンター法、逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法等のいずれであってもよい。
【0037】
また、図1〜図3に示すレトルト用包材において、最外層はいずれもPET層4により形成されている。最外層を構成するフィルム層4としては、レトルト用包材であるため、高温で約120℃程度で加熱・加圧処理することから、包装材料が加熱および熱湯にさらされることなり、水に強く、更には、耐熱性が必要とされるからである。最外層を構成する具体的なフィルムとしては、PETの他、塩化ビニリデンコートポリエチレンテレフタレート(K−PET)、塩化ビニリデンコート2軸延伸ポリビニルアルコール(K−OV)、塩化ビニリデンコートセロファン、セロファン、延伸ポリプロピレン(OPP)、塩化ビニリデンコートポリプロピレ7(K−OPP)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。かかるフィルム厚は、通常、10〜30μmである。
【0038】
さらに、かかる最外層フィルム4の裏面に、必要に応じて印刷等を施してもよい。印刷方法としては、従来公知のグラビア印刷、フレキソ印刷等でよい。なお、印刷適性を付与するために、該フィルム表面に予めコロナ処理を施しておいてもよい。
【0039】
これらの各層は、前述の通り、ドライラミネーションあるいはサンドラミネーション等により積層されるが、この積層に好適に用いることのできる接着剤としては、例えばウレタン系接着剤が挙げられる。
【0040】
具体的な層構成としては、3層構成の場合には、例えば、外層側から内側層に向けて、PET/Al/シングルサイト触媒を用いて重合したエチレンまたはエチレン−αオレフィン共重合体フィルム(以下、「SSC」という)、PET/EVOH/SSC、PET/SiOx−PET/SSC、PET/ONy/SSC等の積層フィルムが挙げられる。
【0041】
また、4層構成の場合には、例えば、外層側から内側層に向けて、PET/ONy/Al/SSC、PET/ONy/EVOH/SSC、PET/ONy/SiOx−PET/SSC等の積層フィルム等が挙げられる。
【0042】
以上の実施例の他、他に種々の機能をもたせるため、上記フィルム層に他の層を設けてもよい。
【0043】
例えば、かかる積層材において、紫外線遮断性機能を有する場合には、紫外線遮断性機能を有するフィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、酸化チタン粉末や酸化亜鉛粉末を含有する樹脂コート層を形成した熱可塑性樹脂フィルム等によって形成したものを利用してもよい。
【0044】
以上のようにして構成されるレトルト用包材は、従来公知の製袋方法により製袋でき、具体的には、例えば、三方シール、スタンディング、ガセット、タテピロー、ヨコピロー等の種々の形状とされる。
【0045】
以下、具体的実験例を示し、本発明のレトルト用包材についてさらに具体的に説明する。
〔実施例〕
実施例1サンプルの作製
最外層から最内層の順に、PET層〔厚さ12μm〕/ONy層〔厚さ15μm〕/Al層〔厚さ7μm〕/シングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレン層〔厚さ70μm〕(密度:0.945)の各層をウレタン系接着剤を用いて積層することによりレトルト用包材を作成し、150mm×180mmに三方製袋してパウチとした。
実施例2サンプルの作製
最外層から最内層の順に、PET層〔厚さ12μm〕/ONy層〔厚さ15μm〕/Al層〔厚さ7μm〕/シングルサイト触媒を用いて重合したポリエチレン層〔厚さ80μm〕(密度:0.926)の各層をウレタン系接着剤を用いて積層することによりレトルト用包材を作製し、200mm×300mmに三方製袋してパウチとした。
【0046】
比較例1サンプルの作製
前記実施例1サンプルにおいて、最内層を線状低密度ポリエチレン層とした他は、前記実施例1と同様にしてパウチを作製した。
比較例2サンプルの作製
前記実施例1サンプルにおいて、最内層を高密度ポリエチレン層とした他は、前記実施例1と同様にしてパウチを作製した。
比較例3サンプルの作製
前記実施例1サンプルにおいて、最内層をポリプロピレンとエチレンとのブロックコポリマー層とした他は、前記実施例1と同様にしてパウチを作製した。
比較例4サンプルの作製
前記実施例2サンプルにおいて、最内層を線状低密度ポリエチレン層とした他は、前記実施例1と同様にしてパウチを作製した。
比較例5サンプルの作製
前記実施例2サンプルにおいて、最内層を高密度ポリエチレン層とした他は、前記実施例1と同様にしてパウチを作製した。
比較例6サンプルの作製
前記実施例1サンプルにおいて、最内層をポリプロピレンとエチレンとのブロックコポリマー層とした他は、前記実施例1と同様にしてパウチを作製した。
【0047】
〔実験1〕
前記のように作製した実施例サンプル1および比較例1、2、3サンプルについて、このパウチに水およびパスタ用ミートソース(油性食品)を充填し、温度120℃、30分間の加圧加熱(レトルト)殺菌を行い、内容物である水の味覚変化を評価し、更に、ミートソースのパウチの表面を評価した。その結果を下記表1に示す。
【0048】
〔表1〕
表1;水を充填したパウチ内の水の味覚の変化およびミートソースを充填したパウチの殺菌後のパウチ表面
【0049】
表1から明らかなように本実施例1サンプルでは、パウチ内の水の味覚の変化はなく、内容物がミートソースである油性食品の場合でも、表面に柚肌の発生つまり表面に凹凸が生じなかったことがわかる。これに対して比較例1、2、3サンプルでは、内容物に包材臭が移行し、内容物の味覚が損なわれるか、あるいは、油性食品(ミートソース)の充填殺菌後には、表面に細かい凹凸(柚肌)が現れるかいずれかの現象が現れた。
【0050】
〔実験2〕
実施例サンプル2および比較例4、5、6サンプルについて、このパウチに水(800ml)および炊き込みご飯の素(800g)を充填し、内容物である水の味覚の変化を評価し、更に、炊き込みご飯の素を充填したパウチの表面を評価した。その結果を表2に示す。
【0051】
〔表2〕
表2;水を充填したパウチ内の水の味覚の変化および炊き込みご飯の素を充填したパウチの殺菌後のパウチ表面
【0052】
表2から明らかなように本実施例2サンプルでは、パウチ内の水の味覚の変化はなく、内容物が炊き込みご飯の素である油性物の場合でも、表面に柚肌の発生つまり表面に凹凸が生じなかったことがわかる。これに対して比較例4、5、6サンプルでは、内容物に包材臭が移行し、内容物の味覚が損なわれるか、あるいは、油性食品(炊き込みご飯の素)の充填殺菌後には、表面に細かい凹凸(柚肌)が現れるかいずれかの現象が現れた。
【0053】
【発明の効果】
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。すなわち、ポリエチレンテレフタレートフィルム層、延伸ナイロンフィルム層、アルミニウム層、および、シングルサイト触媒により重合したポリエチレンフィルム層を順次積層したレトルト用包材であって、その各層を接着剤層を介してドライラミネーションにより積層したことを特徴とするレトルト用包材を用いることにより、かかるフィルムは包材自体の臭いが少ないため、包材自体の臭いが内容物へ移行することなく、内容物の味覚が損なわれることがない。更に、かかるフィルムは、耐油性に優れるため、内容物が油を多く含む場合でも、包材の表面に凹凸が生じることがなく、いわゆる柚子肌となることがない。また、かかるフィルムは、結晶化速度が遅いため、包装材料自体が耐衝撃性に優れ、かつ、包装材料自体のシール強度も高いレトルト用包材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレトルト用包材の層構成の一例を示す説明図である。
【図2】本発明のレトルト用包材の層構成の他の一例を示す説明図である。
【図3】本発明のレトルト用包材の層構成のさらに他の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 シングルサイト触媒を用いて重合したエチレンまたはエチレン−αオレフィン共重合体フィルム層
2 アルミニウム層(Al層)
3 延伸ナイロン層(ONy層)
4 ポリエチレンテレフタレート層(PET層)
Claims (1)
- ポリエチレンテレフタレートフィルム層、延伸ナイロンフィルム層、アルミニウム層、および、シングルサイト触媒により重合したポリエチレンフィルム層を順次積層したレトルト用包材であって、その各層を接着剤層を介してドライラミネーションにより積層したことを特徴とするレトルト用包材
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