以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例として、パチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限られるものではなく、他にコイン遊技機やスロットマシン、その他の遊技機に適用することも可能である。
図1は、本発明の実施の形態に係る遊技機の遊技盤の構成を示す正面図である。遊技盤1の前面には、2本の区画レール2が円状に植立されている。区画レール2は、外レールおよび内レールから構成され、外レールと内レールとで囲まれた領域を遊技領域3という。
遊技盤1を有するパチンコ遊技機34(図2参照)には、遊技者が打玉の打込を操作するための打球操作ハンドル44(図2参照)が設けられている。この打球操作ハンドル44を遊技者が操作することにより、打玉が1個ずつ発射される。発射された打玉は、外レールと内レールとの間に形成された誘導路によって遊技領域3に導かれる。
遊技領域3の中央には、複数種類の画像を変動表示するための可変表示装置4が設けられている。可変表示装置4の下方には、始動口10と、可変入賞球装置11とが設けられている。可変表示装置4は、本実施の形態の場合にはCRT(液晶表示装置)より構成されており、可変表示部5を有している。また、可変入賞球装置11の左側の通称「袖部」と呼ばれる位置には、いわゆる電動チューリップからなる可変始動口装置14が設けられている。遊技領域3の左右には、それぞれサイドランプA22、サイドランプB23が設けられている。サイドランプA22にはランプ32が設けられており、サイドランプB23にはランプ31が設けられている。さらに可変表示装置4の上部には入賞口7が設けられている。また、遊技領域3の右下の「袖部」の位置には、入賞口20が設けられている。
可変入賞球装置11には、遊技領域3の前後方向に所定範囲で傾動可能な開閉板12が設けられている。可変入賞球装置11は、大当りが発生している場合以外においては開閉板12を閉成状態にし、打玉が入賞不可能な遊技者にとって不利な第2の状態となっている。一方、可変始動口装置14の始動口15または可変入賞球装置11の上部に設けられた始動口10に打玉が入賞し、始動玉検出器26または29が玉を検出することにより、可変表示装置4の可変表示部5上において、3つの図柄の変動表示が行なわれる(以下、それぞれの図柄を特に「特別図柄」という)。この変動表示が停止したとき、3つの図柄の組合せが予め定められた特定の組合せとなって大当りが発生すると、可変入賞球装置11は上記第2の状態から、打玉が入賞可能な遊技者にとって有利な第1の状態となり、開閉板11が開成状態となる。なお、大当りが発生する遊技状態を特に特定遊技状態という。
可変入賞球装置11の前記第1の状態は、開閉板12が開成状態となった後に、30秒が経過するか、または、可変入賞球装置11の大入賞口に打玉が10個入賞するかのうちのいずれか早い方の条件が成立したことにより終了する。すなわち、上記条件が成立したとき開閉板12が閉成状態となり、可変入賞球装置11が遊技者にとって不利な第2の状態となる。大入賞口に入賞した打玉は、可変入賞球装置11の大入賞口内部に設けられた入賞玉検出器28により検出される。
大入賞口の内側の左側部分には、通称「Vポケット」と呼ばれる特定領域が設けられている。大入賞口に入った打玉がこの特定領域に入賞すれば、その特定入賞玉がVポケットに設けられた特定玉検出器27により検出される。特定入賞玉が検出されると、その回の可変入賞球装置11の遊技者にとって有利な第1の状態が終了するのを待って、再度、可変入賞球装置11を前記第1の状態に駆動制御する繰り返し継続制御が行なわれる。この繰り返し継続制御により可変入賞球装置11は最高16回連続して前記第1の状態となる。なお、大入賞口に入った打玉の個数は、個数表示器24に逐次表示される。繰り返し継続制御の終了後、遊技者にとって有利な第1の状態から遊技者にとって不利な第2の状態となる。
始動口10または始動口15に打玉が入賞して、いわゆる始動入賞が発生したことをきっかけとして、可変表示装置4の可変表示が開始されるが、この可変表示がなされている最中に発生した始動入賞は記憶されて、その始動記憶の個数が始動記憶表示器6の点灯により遊技者に報知される。始動記憶がある場合には、可変表示の停止後に、再びその始動記憶に基づいた可変表示が開始される。始動記憶の上限は、4個に定められている。
遊技領域3には、通過口13が設けられており、打玉がこの通過口13を通過すると、その旨が通過玉検出器30により検出されて、可変始動口装置14に設けられた可変表示器17における図柄(以下、可変表示器17に表示される図柄を普通図柄という)の可変表示が開始される。そして、その可変停止結果が予め定められた図柄になれば、可変始動口装置14の左右の開閉片16が開成して、打玉が始動口15に入賞しやすい状態となる。可変表示器17の可変表示が行なわれている最中に打玉が通過口13を通過すれば、その通過数が通過記憶表示器18に表示される。この通過玉の記憶の上限は4個に定められている。
始動記憶表示器6または通過記憶表示器18に表示される始動入賞記憶数が上限値に至っている場合には、それ以上始動入賞しても、その入賞は記憶されずに無効となる。そのため、その始動入賞に基づいた特別図柄または普通図柄の可変表示は行なわれない。始動入賞記憶数が上限値に至っていない状態において発生した始動入賞を特に有効始動入賞と呼び、始動入賞した打玉を特に有効始動入賞玉と呼ぶ。これに対し、始動入賞記憶数が上限値に至っている状態において発生した始動入賞を特に無効始動入賞と呼び、始動入賞した打玉を無効始動入賞玉と呼ぶ。
可変表示装置4の左右にはワープ入口と名付けられた、打玉を案内する通路8が設けられている。このワープ入口8に進入した打玉は、始動入賞口10の上方に設けられたワープ出口9まで案内されて、再度遊技領域3内に放出されて落下する。可変入賞球装置11の左右には入賞口21が設けられている。その他、遊技領域3には風車19が設けられている。
発射された打玉が、いずれの入賞口にも入賞しなかった場合には、アウト口25に進入して、打玉が回収される。
図2は、図1の遊技盤1を有する第1種のパチンコ遊技機34とカードユニット35とを示す全体正面図である。カードユニット35には、カード利用可表示ランプ47が設けられており、このカード利用可表示ランプ47が点灯または点滅しているときにのみこのカードユニット35が使用可能な状態となっている。このカードユニット35は、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機34の間に挿入された状態で設置されており、左右どちらの遊技機に接続されているかが連結台方向表示器49により表示される。そして、遊技者が記録媒体の一例の共通カードをカード挿入口50から挿入する。すると、その共通カードに記録されている遊技者所有の有価価値の一例のカード残高が読取られる。そして、遊技者が貸玉操作を行なうことにより、予め入力設定されている貸出単位額分の残高が減額されるとともに、その貸出単位額分の打玉が上皿39内に貸出される。なお、共通カードとは、共通カードシステムに加盟している遊技場であれば全国どこの遊技場であっても共通して使用できる遊技機専用のプリペイドカードのことである。
カード挿入口50に共通カードが挿入されている状態では、カード利用可表示ランプ47が点灯または点滅しており、他の遊技者がこの表示を見ることにより、先客がいるか否かを判断することができる。カードユニット35には端数表示スイッチ48が設けられており、この端数表示スイッチ48を押圧操作することにより、たとえばカード残高、カード挿入前の残高、エラーが発生した場合のエラーコードなどの情報を遊技機に設けられた情報表示器(図示省略)に表示可能である。図中51はカードユニット錠であり、このカードユニット錠51に所定のキーを挿入して解錠操作することにより、カードユニット35の前面側を開成できるように構成されている。パチンコ遊技機34には、その開閉が自在であるガラス枠37が設けられており、このガラス枠37に設けられたガラス板からは遊技領域3が視認可能となっている。遊技者が打球操作ハンドル44を回動操作することにより、上皿39内に貯留されている打玉が1つずつ遊技領域3内に打込まれる。
遊技領域3の上部の左右には、ステレオ音の効果音を発生するためのスピーカ36が設けられている。
上皿39の下方には、上皿39から上皿玉抜きレバー40を操作することにより排出される打玉を貯留しておくための下皿41が設けられており、下皿41に貯留された打玉は下皿玉抜きレバー42を操作することにより排出できる。なお、図中38は前面枠を開閉できないようにするための鍵であり、43は遊技者が使用する灰皿である。
次に、パチンコ遊技機34の遊技上の特徴点についてさらに詳細に説明する。可変表示装置4の可変表示部5で可変表示される特別図柄が所定の組合せで停止表示されたとき、大当りが発生するが、大当りとなる特別図柄の組合せの中には確率向上(変動)状態を発生させる特定の組合せが含まれている。この組合せを特に確率変動図柄の組合せと呼ぶ。遊技が確率向上状態にある場合には、通常状態に比べて大当りが発生する確率が高く調整されている。また、可変表示器17における普通図柄の可変表示結果が当りとなる確率も高く調整されている。さらに当りに基づいた開閉片16の開成時間が通常状態に比べて長くなり、打玉が始動口15に入賞する確率が高くなる。本実施の形態に示すパチンコ遊技機34では、確率変動図柄の組合せに基づいて大当りが発生して、所定回数の繰り返し継続制御がすべて終了した後に1回目の確率変動が生じ、さらに、その後大当りが発生して、所定回数の繰り返し継続制御がすべて終了した後に2回目の確率変動が生じる。1回目または2回目の確率変動時に発生した大当りが確率変動図柄の組合せによるものである場合には、その大当り以降、改めて1回目、2回目の確率変動が生じる。つまり、確率変動図柄の組合せにより大当りとなった場合には、その大当り以降、少なくとも大当りが2回発生するまでの間、繰り返し継続制御が行なわれていない遊技者にとって不利な第2の状態において確率向上状態となる。2回目の確率変動が発生しているときに大当りとなった図柄の組合せが確率変動図柄の組合せでなかった場合、大当りに伴う繰り返し継続制御終了後、確率変動の生じていない通常状態に戻る。遊技状態が確率向上状態にある場合には、飾りLED33(図1参照)が点滅し、その旨が遊技者に報知される。
また、このパチンコ遊技機34では前述した2回目の高確率状態中に大当りが発生して、所定の繰返し継続制御が終了して確率の変動していない状態に戻った際、普通図柄表示器17における普通図柄の変動時間(可変表示時間)を短縮する制御(以下、変動時間短縮制御)が行なわれる。変動時間短縮制御は、前述した大当り状態の終了後、可変表示装置が60回の可変表示をするまで継続される。このような変動時間短縮制御が行なわれると、可動片16は頻繁に開くため、大当りが発生する確率は向上していなくとも短時間で大当りが発生しやすくなり、遊技者に有利な状態となる。このように大当りが発生する確率を直接向上させることなく、短期間のうちに大当りが発生しやすくなるように調整された遊技状態を特に普電開放向上状態と呼ぶ。さらに、普電開放向上状態でも高確率状態でもなく、また大当り状態(特定遊技状態)でもない状態を特に通常状態と呼ぶ。
普通図柄の変動時間(可変表示時間)は通常状態においては30秒、変動時間短縮制御がなされる普電開放向上状態においては5秒になる。
なお、パチンコ遊技機34では、大当りが発生する確率を直接向上させることなく、短期間のうちに大当りが発生しやすくなるように調整された普電開放向上状態を構成するのに変動時間短縮制御が行なわれるように構成したが、その他の手段を用いることも可能である。たとえば、可変始動口装置14への始動入賞を容易にするために、普通図柄の可変停止結果に基づいて開成する可動片16の開成時間が長くなるように制御する開成時間延長制御がなされるように構成したり、あるいは、可動片16の開成回数が多く(たとえば通常状態は1回に対して普電開放向上状態は2回となるようにする)なるように制御する開成回数増加制御がなされるように構成したりすることが考えられる。あるいは、変動時間短縮制御と開成時間延長制御と開成回数増加制御とを組合せて普電開放向上状態を構成してもよい。
さらに本実施の形態に示すパチンコ遊技機34において大当りとなる特別図柄の組合せを構成する図柄の中に、「ラッキーナンバー」と呼ばれる特定の図柄が含まれている。通常、大当りが発生することにより獲得した賞球は、一旦景品などに交換しなければならず、したがってその賞球を直接遊技に使用することはできない。しかしながら、ラッキーナンバーで大当りが発生した場合には、獲得した賞球を直接遊技に使用することが可能となる。このようなラッキーナンバーで大当りが発生して特定遊技状態に移行することを特にラッキースタートと呼ぶ。
図3は、本発明に用いられる遊技機の他の例を示す第3種のパチンコ遊技機およびカードユニットを示す正面図である。カードユニット35に関しては図2に示したものと同様の構成であるために、ここでは説明の繰り返しを省略する。
パチンコ遊技機300の遊技盤311の前面に形成されている遊技領域301には、複数種類の識別情報を可変表示可能な普通可変表示装置302が設けられており、打玉が普通図柄用始動口304に入賞して始動入賞玉検出器305で検出されることにより、この普通可変表示装置302が可変開始した後停止制御される。そして、普通可変表示装置302の可変停止時の表示結果が特定の表示態様となればソレノイド308が励磁されて普通可変入賞球装置306の左右1対の可動部材307が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば5秒間)の経過または打玉の所定個数(たとえば3個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了して第2の状態となる。第1の状態となっている普通可変入賞球装置306内に進入した打玉は入賞個数検出器325により検出される。そして、その始動入賞が最大4個まで記憶されて、始動入賞記憶数が始動記憶表示器303に表示される。なお、普通図柄用始動口304は上方から進入した打玉がそのまま下方から放出される通過口で構成してもよい。
前記入賞個数検出器325で検出された打玉は振分装置326に導かれる。この振分装置326はモータ327により常時回転する回転体328が設けられており、この回転体328の外周に打玉を受入れて回転誘導するための玉受入れ凹部330,329が形成されている。そして、前記入賞個数検出器325が検出された打玉が玉受入れ凹部330内に受入れられれば、通常入賞口331に誘導されて通常入賞口331内に入賞する。一方、入賞個数検出器325で検出された打玉が玉受入れ凹部329により受入れられれば、通常入賞口331を通り過ぎてその下方に設けられている権利入賞口(特別装置作動口)332にまで回転誘導されてその権利入賞口332に入賞する。
この権利入賞口332に入賞した打玉は権利入賞玉検出スイッチ332により検出され、その検出出力に基づいてパチンコ遊技機300の遊技状態が権利発生状態(特定遊技状態)となる。この権利発生状態の期間中に打玉が大入賞口用始動口314に入賞して大入賞口用始動入賞玉検出スイッチ315により検出されれば、ソレノイド318が励磁されて特別可変入賞球装置316の左右1対の可動部材317が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば10秒間)の経過または打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了して遊技者にとって不利な第2の状態となる。この特別可変入賞球装置316に入賞した入賞玉が入賞個数検出器319により検出され、その検出個数は入賞個数表示器321により表示される。さらに、前記権利発生の期間中に再度打玉が大入賞口用始動口314に入賞すれば、特別可変入賞球装置316を再度第1の状態に駆動制御する繰り返し継続制御が行なわれる。この繰り返し継続制御は、たとえば権利発生中に始動口314に16個入賞するまでと定められており、16個入賞することにより前記発生した権利が消滅する。現時点における繰り返し継続制御の残り回数が残回数表示器320により表示される。一方、権利発生中において打玉が再度権利入賞口332内に入賞すれば、発生している権利が消滅する。この権利が消滅した後あるいは権利が発生していない状態では、いくら打玉が大入賞口用始動口314に入賞したとしても、特別可変入賞球装置316は第1の状態にならない。
遊技領域301内に打込まれた打玉が始動入賞口322に入賞すれば、可変入賞球装置323が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となり、その第1の状態となっている可変入賞球装置323内に打玉が入賞すれば可変入賞球装置323が閉成して第2の状態となる。遊技領域311内には、さらに通常入賞口322や、装飾ランプ324が設けられている。またパチンコ遊技機300の上方部分には、大当り中や確率変動中に点灯するランプ310が設けられている。
その他、普通可変表示装置302の可変停止時の表示結果に応じて、確率向上状態が発生する点やラッキースタートとなる点、または可変表示時間の短縮や延長が行なわれる点については、図1および図2に示した第1種のパチンコ遊技機34と同様の機能を有する。これらの機能についての詳細な説明については、前述した第1種のパチンコ遊技機34についての説明と重複するので省略する。
図4は、図1および図2に示したパチンコ遊技機とカードユニットの背面図である。なお、図3に示したパチンコ遊技機300の背面図は、図4のものとほぼ同様であるため、図4を代表例として示しここでは図示を省略する。
カードユニット35内には、カード処理機制御部76(図11,12参照)とカードリーダライタ制御部(図示省略)とユニットボックス制御部(図示省略)とが設けられている。カード処理機制御部76とインタフェース基板59とは電気的に接続されており、カード処理機制御部76とインタフェース基板59とが互いに情報の送受信ができるように構成されている。またこのインタフェース基板59と払出制御基板ボックス58内に収納されている払出制御基板58aが電気的に接続されている。さらに、インタフェース基板59と中継基板61とが電気的に接続されており、中継基板61と、遊技制御基板ボックス55内に収納されている遊技制御基板54a,賞球払出ユニット53が、それぞれ電気的に接続されている。
さらに、上皿39(図2参照)に設けられている各種表示器や各種操作ボタンのスイッチがインタフェース基板59に接続されている。
カードユニット35において、所定の貸玉額が入力設定されれば、設定された貸玉額がカード処理機制御部76に記憶される。遊技者は共通カードをカード挿入口50に挿入して玉貸動作を行なえば、玉貸額分の打玉が上皿39内に供給されるとともに、挿入されている共通カードから所定の単位額が玉貸額に相当するまで繰り返し減額される。この単位額分の減額による単位額売上信号が遊技場のホストコンピュータである管理装置63(図11,12参照)に送信されるとともに、遊技場に設置されているターミナルボックスを介してカード発行会社に送信される。また、ユニットボックス制御部にはカードユニット35の番号であるユニット番号が設定され、その設定番号が管理装置63に送信されるとともに、ターミナルボックスを介してカード発行会社に送信される。なお、カードリーダライタ制御部はカード挿入口50から挿入された共通カードの記録データを読取ったり書換えたりするための制御部である。
賞球払出ユニット53には、払出モータ(図示省略)が設けられており、玉誘導レール57bから供給されてきた打玉がこの払出モータの回転力により横送りされ、その横送りされた打玉が1つずつ下方に落下して、上皿39内に払出される。玉誘導レール57bは、玉タンク57a内の貯留玉を2列に整列させながら流下させるものであり、その2列の流下経路にそれぞれタンク玉切れスイッチ(図示省略)とレール玉切れスイッチ(図示省略)とが設けられており、玉タンク57a内の貯留玉がなくなったこと、および玉誘導レール57b上の流下玉がなくなったことが検出され、その検出信号が払出制御基板ボックス58内の払出制御基板58aに入力される。
遊技球貯留タンク57aには、遊技機設置島から補給玉が補給装置(図示省略)を介して補給される。この遊技球貯留タンク57aに供給される補給玉が補給装置内の補給玉検出器により検出されるのであり、所定個数(たとえば10個)の補給玉が供給されたことを検出して1パルスの検出信号がこの補給玉検出器から出力される。カードユニット35からの玉貸要求信号を受けて遊技球貯留タンク57a内の補給玉を上皿39内に払出すのではなく遊技者が玉貸器から購入してきた貸玉を上皿39内に投入して遊技を行なう従来の一般的なパチンコ遊技機の場合には、前記補給装置から出力される出力信号が管理装置63に送信され、管理装置63ではその送信されてきた検出信号に基づいて遊技場にとって不利益となる不利益球数を検出する。ところが、本実施の形態のように、カードユニット35からの玉貸要求信号に基づいて遊技球貯留タンク57a内の貯留玉の一部を上皿39内に払出す方式のパチンコ遊技機においては、その遊技場にとって何ら不利益球数とはならない貸玉が遊技球貯留タンク57aに供給されることになり、その供給された貸玉が補給玉貸検出器により検出されて不利益球数情報として管理装置63に入力されてしまう結果、管理装置63で正確な不利益球数を計数できないという不都合が生ずる。そこで、パチンコ遊技機34においては、打玉の入賞に基づいて払出される景品玉が所定個数(たとえば10個)に達する前に払出制御基板58aから所定のパルス信号を出力してその所定のパルス信号が情報出力端子62から管理装置63に伝送されるように構成されている。このように構成することにより、打玉の貸出については何ら不利益球数情報としてのパルス信号が管理装置63に出力されることなく、入賞に伴う景品玉の払出に関してのみパルス信号が管理装置63に送信され、管理装置63では正確な不利益球数情報を集計できる。
遊技制御基板ボックス54内に構成されている遊技制御基板54aは、可変表示装置4(図1参照)の可変表示部5を構成する画像表示装置55、および中継基板61の情報中継端子68と配線により接続されている。遊技制御基板ボックス54の背面右側には、キースイッチ79が設けられている。このキースイッチ79は、可変表示装置4の可変停止時の表示結果が特定の識別情報の組合せとなる確率、すなわち大当りが発生する確率を可変設定するものであり、ノーマル位置,設定位置,確認位置の3つの位置に切換操作ができる。このキースイッチ79に所定の鍵を挿入して切換操作することにより確率が変更設定できるのであり、この切換操作回数に応じて、3段階に確率を切換設定することができる。なお、キースイッチ79に代えて、たとえばスライドスイッチ,押ボタンスイッチ,スナップスイッチ,プッシュプルスイッチ,ロータリスイッチ,ディジタルスイッチなどであってもよい。
図中60は打球ユニットであり、遊技者が打球操作ハンドル44を操作することにより作動して、上皿39内の打玉を1つずつ遊技領域3内に発射するためのものである。また、電源基板52にはパチンコ遊技機34の電源スイッチ56が設けられている。この電源スイッチ56を操作することにより電源を一旦切った後再投入することができ、電源の立上げに伴い遊技制御基板54aの遊技制御マイクロコンピュータをリセットすることができる。
中継基板61の情報中継端子69には、払出制御基板58a、カード処理機制御部76とがそれぞれ配線により接続されている。遊技制御基板54aから情報中継端子68には、始動口入賞情報やラッキーナンバー情報、大当り情報、確率変動情報、有効始動情報、普通図柄の変動時間が短縮制御されているか否か、または、可動片16の開成時間延長制御がなされているか否かを示す普電開放向上状態情報などの遊技制御に関する各種遊技情報が伝送される。払出制御基板58aから情報中継端子69には補給情報や玉貸情報、あるいはエラーコード情報が入力される。情報中継端子68,69に入力された各種情報は情報出力端子62を介して遊技機外部へ出力されて、管理装置63に送信される。ただし、大当り情報、確率変動情報、普電開放向上状態情報は出力態様切換スイッチ64の操作により決定される合成態様に従って合成が行なわれて、合成された情報が情報出力端子62から外部へ出力されるように構成されている。
図5は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機34に用いられるランダムカウンタの種類とその内容を示す説明図である。ランダムカウンタとは、可変表示装置4の特別図柄の変動表示制御に用いられる乱数をカウントするカウンタである。本実施の形態では、WC RND1,WC RND L,WC RND C,WC RND R,WC RND RCHの5種類のランダムカウンタが用いられる。これらのランダムカウンタの値がパチンコ遊技中の所定のタイミングで読出され、その値に基づいて可変表示装置4の変動表示動作が制御される。ランダムカウンタのカウント値の読出処理は、遊技制御基板54aの内部に設けられたCPUが制御用ROMの制御プログラムに従って実行する。
WC RND1は、可変表示装置4における特別図柄の変動表示の結果、大当りを発生させるか否かを事前に決定するための大当り決定用ランダムカウンタである。WC RND1は、キースイッチ79(図4参照)の設定操作により決定される、設定1〜設定3の3種類のカウンタ値範囲を有する。設定1では、0〜293の範囲で、カウンタ値が0.002秒ごとに1つずつカウントアップされる。そして、その上限までカウントアップされると、再度0からカウントをし直すように構成されている。設定2の場合には、0〜377の範囲でカウンタ値が設定1と同様にカウントアップされる。設定3では、0〜407の範囲でカウンタ値が設定1と同様にカウントアップされる。
WC RND L、WC RND C、WC RND Rは、可変表示装置4の特別図柄の変動表示の結果、大当り以外とすることが事前に決定された場合に左側、中央、右側の図柄表示領域のそれぞれにおいて停止表示させる特別図柄の種類を決定するためのランダムカウンタである。WC RND Lのカウント範囲は、0〜12である。また、WC RND Cのカウント範囲は0〜15である。また、WC RND Rのカウント範囲は、0〜12である。WC RND Lのカウンタ値は0.002秒ごとに1つずつカウントアップされる。WC
RND Cのカウンタ値は0.002秒ごとに1つずつカウントアップされるとともに、制御プログラムの割込処理動作の余り時間を利用してカウントアップされる。WC RND Rのカウンタ値はWC RND Cの桁上げのとき1つずつカウントアップされる。WC RND RCHは、複数のリーチ動作の中から所定のリーチ動作を指定するためのリーチ動作指定数を決定するためのランダムカウンタである。ここで「リーチ」とは、可変表示装置4の可変表示部5において、当り図柄が2個揃って停止表示され、さらに、あと1個の当り図柄が停止表示されれば大当りが発生する状態を言う。このWC RND RCHにより決定されるリーチの種類の中には、最終的に大当たりの組合せとなる場合の手順も含まれている。WC RND RCHのカウンタ値は、0.002秒ごとに1つずつカウントアップされるとともに、制御プログラムの割込処理動作の余り時間を利用して1つずつカウントアップされる。
図6ないし図8は、ランダムカウンタWC RND1の値により大当りを発生させるか否かを事前に決定するための制御手順を示すフローチャートである。同図を参照して、可変表示装置4における特別図柄の変動表示の結果を大当りとするかまたは大当り以外とするかを決定し、さらに、可変表示部5に停止表示される左図柄、中図柄、右図柄の種類を決定するための手順について説明する。
図6は、前述した大当り発生確率が設定1に設定されている場合のフローチャートである。WC RND1の値が「7」であれば大当りとなり、「7」以外であれば大当り以外となる。なお、高確率状態においては、WC RND1が「7」,「11」,「79」のうち、いずれかであれば大当りとなり、これらの値以外であれば大当り以外となる。大当りとすることが決定された場合には、引続いてWC RND Lの値を判定することにより、大当りを発生させるための特別図柄の種類を決定する。
一方、大当り以外とすることが決定された場合は、引続いて、WC RND
L,WC RND C,WC RND Rの各値を判定することにより、停止表示させる左図柄,中図柄,右図柄の種類がそれぞれ決定される。なお、大当り以外とする場合に、決定された停止図柄の組合せが、偶然、大当りとなる組合せとなる場合は、WC RND Cの値から「1」を減算し、強制的に外れ図柄の組合せで停止表示するように調整する。
図7は、大当り発生確率が設定2に設定されている場合のフローチャートである。設定2の場合には、設定1と同様にWC RND1の値が「7」であれば大当りとし、「7」以外であれば大当り以外とすることが事前に決定される。なお、高確率状態においては設定1と異なり、「7」,「11」,「79」,「307」,「311」,「331」,「373」のうち、いずれかの値であれば大当りとし、これらの値以外であれば大当り以外とすることが事前に決定される。大当りとするか大当り以外とするかが決定された後、停止図柄の表示選択制御方法については、図6の設定1で述べた内容と同様であるので省略する。
図8は、大当り発生確率が設定3に設定されている場合のフローチャートである。設定3においては、設定1と同様にWC RND1の値が、「7」であれば大当りとし、「7」以外であれば大当り以外とすることが事前に決定される。なお、確率変動状態においては、設定1と異なりWC RND1の値が、「7」,「11」,「79」,「307」,「311」,「331」,「373」,「401」のうち、いずれかの値であれば大当りとし、これらの値以外の値であれば大当り以外とすることが事前に決定される。大当りとするか大当り以外とするかが事前に決定された後、停止図柄の表示選択制御方法については、図6の設定1で述べた内容と同様であるので省略する。
以上より、大当りが発生する確率は通常状態において設定1では、1/294に設定されており、設定2では1/378に設定されており、設定3では1/408に設定されている。一方、高確率状態において大当りが発生する確率は、設定1では3/294に設定されており、設定2では7/378に設定されており、設定3では8/408に設定されている。
図9は、高確率状態の発生動作を説明するための作用説明図である。ここで図9に示す条件装置とは、遊技制御基板54a内のROMに記憶されている制御プログラムにより構成されたものであり、特定遊技状態(大当り状態)となれば停止状態から作動状態に切換わり、その大当り制御が終了するまで作動状態を維持する。そして、この特別遊技状態の発生時における可変表示装置4の表示結果が特別図柄の組合せとなっていれば、以降の大当りが発生する確率が向上する高確率状態に制御される。そして、高確率状態において大当りが発生すれば、再度大当り制御が開始されて条件装置が作動状態となる。2回目の大当りの発生時点における可変表示装置4の表示結果が、大当りとなる特別図柄の組合せであるが確率変動図柄の組合せでない場合には、その2回目の大当り制御が終了したとしても高確率状態にはならない。図9においては、特別図柄の組合せが「1」,「3」,「5」,「7」,「9」のうちいずれかのぞろ目であれば高確率状態となる確率変動図柄の組合せであることが示されている。そして、確率変動図柄の組合せにより大当りが発生したことに基づいて1回目、2回目の高確率状態が発生している。
図10は、可変表示装置4に表示される特別図柄を示す図である。可変表示装置4の可変表示部5の左側に表示される左図柄と中央に表示される中図柄と右側に表示される右図柄それぞれの図柄が示されている。そして、図10の左側に示された数字は、図柄ポジションを表わす番号であり、中図柄を構成する図柄には、それぞれ00から15までの番号が割振られている。中図柄は「1」〜「9」の数字図柄と、「A」〜「G」のアルファベット図柄より構成されている。一方、左図柄,右図柄を構成する図柄は、00から12までの図柄ポジションに対して、順に「1」〜「9」の数字図柄と、「A」〜「D」のアルファベット図柄より構成されている。これらの図柄が可変表示部5において変動表示され、その変動表示の結果、左図柄、中図柄、右図柄がすべて同一の図柄で停止すれば大当りが発生する。
図11および図12はパチンコ遊技機34および300から管理装置63に入力される遊技情報を説明するための機能ブロック図である。図11は図1および図2に示した第1種のパチンコ遊技機の場合を示し、図12は図3に示した第3種のパチンコ遊技機の場合を示している。
図1および図2に示したパチンコ遊技機34に設けられている払出制御基板58aから遊技制御基板54aに打玉の入賞に伴う入賞情報が転送される。遊技制御基板54aでは、その伝送されてきた入賞情報に基づいて打玉が入賞した入賞口に対応する入賞個数情報を払出制御基板58aに送り返す。払出制御基板58aでは、返信されてきた賞球個数情報に基づいて賞球の払出を行なう。また、カードユニット35に設けられているカード処理機制御部76からは遊技者の貸玉操作に従った貸玉指令信号が払出制御基板58aに送信される。そして払出制御基板58aは、この送信されてきた払出指令信号に従って貸玉を払出す。貸玉が良好に払出されれば払出制御基板58aは払出が行なわれた旨の信号をカード処理機制御部76に返信する。
一方、払出制御基板58aは情報中継端子69に、打玉の入賞に伴い払出された景品玉情報である補給情報(不利益情報),玉貸が行なわれた旨を表わす玉貸情報,その他、打玉の払出系統に何らかの異常が発生した場合にその異常の原因や種類を表わすエラーコードの情報を伝送する。そしてこれらの情報が情報中継端子69から情報出力端子62を介して管理装置63の情報入力端子70に送信される。
またカード処理機制御部76は、挿入された共通カードが500円カードか1000円カードか5000円カードかなどのカード額面に関する情報,ユニットナンバー情報,カードユニット35に何らかの異常が発生した場合のその異常の原因や種類を表わすエラーコードの情報を情報中継端子69に入力する。そしてそれらの情報が、情報出力端子62を介して管理装置63の情報入力端子70に送信されて管理装置63に入力される。
遊技制御基板54aは、情報中継端子68と情報出力端子62を介して管理装置63の情報入力端子70に、パチンコ遊技機34の機種を特定する機種コード情報,特定遊技状態の発生確率の設定値情報,可変表示部5において大当りが発生した場合の特別図柄大当り情報(特定遊技状態の発生情報),その大当りが発生したときの大当り図柄に関する情報,可変表示部5において発生した大当りの図柄がラッキーナンバーであることを示す情報,可変入賞球装置11が開放して第1の状態となったことに関する情報(大入賞口開放情報),特定遊技状態の発生確率が向上している状態であることを表わす確率変動中情報,始動口10,15に打玉が始動入賞したことを表わす特別図柄始動入賞情報,始動口10,15に始動入賞した打玉のうち有効に可変表示装置4を可変表示させるために用いられた有効始動入賞に関する情報である特別図柄有効始動情報,始動口10,15に入賞した打玉のうち可変表示装置4を可変表示させるために用いられることなく無効となった特別図柄無効始動情報,可変表示器23に表示される普通図柄の可変表示開始のきっかけとなる通過口24への打玉の入賞があった場合に、その旨を表わす普通図柄始動入賞情報,普通図柄始動入賞情報により通知される始動入賞のうち可変表示器23を有効に可変表示させるのに用いられた有効始動入賞に関する情報である普通図柄有効始動入賞情報,可変表示器23を可変表示させるのに用いられることなく無効となった始動入賞に関する情報である普通図柄無効始動入賞情報,可変入賞球装置11への打玉の入賞個数に関する情報である大入賞口入賞情報,特定入賞領域(Vポケット)への打玉の入賞に関するV入賞情報,確率向上状態以外での通常状態において始動口10,15に入賞した打玉のうち可変表示装置4を有効に可変表示させるために用いられた有効始動入賞に関する情報である確率変動外有効始動情報,可変表示部5において、いわゆるリーチが成立していることを表わすリーチ情報などを送信する。情報入力端子70は送信されてきたそれらの情報を管理装置63に入力する。管理装置63には、CPU65,ROM66,RAM67が設けられており、入力されたそれらの情報を集計して記憶する。前記有効始動情報を集計するのは、第1種のパチンコ遊技機34の場合、前述したように始動入賞記憶の上限がたとえば「4」に定められており、その上限を超えて入賞した始動入賞玉は無効となり、可変表示制御には用いられないため実際に可変表示制御に用いられた有効な始動入賞回数を知りたいという遊技場のニーズに応えるためである。なお、この実施の形態では、始動入賞情報に関して、有効始動入賞情報,無効始動入賞情報および有効始動入賞であるか無効始動入賞であるかを区別することなく始動入賞があれば出力される全始動入賞情報(有効始動入賞情報+無効始動入賞情報)がすべて出力されるように構成されているが、これらの3種類の情報のうち、いずれか2種類のみが出力されるように構成してもよい。すなわち、前述した3種類の始動入賞情報のうち少なくとも2種類の始動入賞情報が出力されることで、出力されることのない始動入賞情報は出力された2種類の始動入賞情報から算出可能であり、この算出機能を管理装置63側に設けることで3種類の情報が把握される。
遊技領域3内に打込まれた打玉が打込玉センサ78により検出されれば、その打込情報が情報入力端子70を介して管理装置63に入力される。
図12は、図3に示した第3種のパチンコ遊技機300から出力されるデータを示している。図11の場合と同様の部分は説明の繰り返しを省略し、ここでは主に相違点についてのみ説明する。
遊技制御基板54aから情報出力端子62,情報入力端子70を介して管理装置63に送信される情報のうち、権利発生中情報とは、図3に示した第3種のパチンコ遊技機300における権利入賞口(特別装置作動口)332へ打玉が入賞して権利発生状態(特定遊技状態)となった場合に、その権利発生中であることを示す情報(特定遊技状態の発生情報)である。大当り図柄情報とは、普通可変表示装置302の可変停止時の表示結果が普通可変入賞球装置306を第1の状態にして大当り状態に移行させる図柄になった場合のその大当り図柄に関する情報である。普通図柄有効始動(入賞)情報とは、普通図柄始動入賞玉のうち、実際に普通可変表示装置を可変開始させるのに用いられた入賞玉情報(遊技装置の遊技のための実行に関する情報)である。特別装置入賞情報とは、権利入賞口(特別装置作動口)332に打玉が入賞したことに関する情報である。普通電役開放情報とは、普通可変入賞球装置(普通電役)306が開放して第1の状態となったことに関する情報である。普通電役入賞情報とは、普通可変入賞球装置(普通電役)306への打玉の入賞個数に関する情報である。なお、図示していないが、図11と同様に普通図柄無効始動入賞情報が出力される。あるいは、普通図柄始動入賞情報,普通図柄有効始動入賞情報,普通図柄無効始動入賞情報のうち、いずれか2種類の情報のみが出力されるように構成してもよい。
図13は、パチンコ遊技機34の遊技制御基板54aにおける始動入賞情報の処理に関するブロック図である。始動入賞検出手段の一例となる始動玉検出器26,29により始動入賞が検知されると、その旨が始動入賞情報発信制御手段73へ入力される。始動入賞情報発信制御手段73は、計時手段71に基づいて情報中継手段へ出力する全始動入賞情報の出力時間間隔が少なくとも所定時間以上となるように出力制御を行なう。具体的には、全始動入賞情報を出力してから所定時間が経過する以前に始動入賞検知手段26,29より始動入賞の検知情報が入力されれば、所定時間となるまで検知情報を計数手段72へ記憶させておき、所定時間となった際に計数手段72の記憶に基づいて全始動入賞情報を出力する。すなわち、全始動入賞情報を出力してから所定時間内に検出された始動入賞は計数手段72を用いてバッファリングが行なわれて、計時手段71で所定時間が計時されるごとにバッファメモリとしての計数手段72の記憶値に基づいて順次全始動入賞情報が出力されるように構成されている。また、計時手段71は、全始動入賞情報の出力時間を調整するためにも使用される。具体的には、図14で後述する全始動入賞情報のパルス幅を調整するものであり、たとえば、パルスが0.5秒間立上がった状態となるように調整する。なお、全始動入賞情報を出力してから所定時間経過後に始動入賞が検知されれば、計数手段72の記憶がない状態であれば一旦計数手段72にバッファリングされるものの即座に始動入賞情報発信制御手段73から情報中継手段へ全始動入賞情報として出力される。また、パチンコ遊技機34では前記所定時間は、たとえば、0.5秒に設定されている。
一方、可変表示装置4の可変表示制御が終了して停止図柄が導出されれば、その旨が図柄確定検知手段75で検知される。そして、その検知情報が有効始動情報発信手段74へ入力される。有効始動情報発信手段74は、その検知情報に基づいて有効始動情報を情報中継手段へ出力する。計時手段81は計時手段71と同様に、有効始動情報のパルス幅を調整するのに用いられる。
なお、有効始動情報発信手段74に始動入賞情報発信制御手段73で見られるような計数手段72が設けられていないのは、可変表示装置4の可変表示時間が常に0.5秒以上であるために有効始動情報の出力時間を調整しなくとも、その出力時間間隔は常に0.5秒以上となるからである。
もちろん、前記所定時間の設定と可変表示時間の長さとの関係において、出力時間間隔の調整が必要であれば、有効始動情報発信手段74に計数手段72を設けて出力時間間隔の制御を行なうように構成してもよい。
始動入賞情報発信制御手段73,有効始動情報発信手段74,図柄確定検知手段75は遊技制御基板54a内に設けられているCPUで構成されており、計時手段71,計数手段72,計時手段81はRAMで構成されている。また、情報中継手段は中継基板61で構成されている。
図14は、遊技制御基板54aから出力される全始動入賞情報(全始動入賞玉信号)と有効始動情報(図柄確定信号)の出力タイミングを示すタイミングチャートである。
「入賞玉検出器(始動玉検出器26,29)」における丸付数字1〜丸付数字5の5回の始動入賞の検出に基づいて「始動記憶」の始動記憶数が変化する。「始動記憶」の枠内の数字はその時点における始動記憶数を表わし、下向き矢印は、可変表示装置4の可変表示が開始された時点を表わす。
始動入賞丸付数字1のあった時点で可変表示が開始(「始動記憶」の1つ目の下向き矢印)しているので、それまで「3」であった始動記憶が可変表示の開始に基づいて一旦、「2(図示省略)」となり、即座に始動入賞丸付数字1に基づいて「3」となる。
引続いて始動入賞丸付数字2に基づいて始動記憶が「4」となる。さらに始動入賞丸付数字3のあった時点で可変表示が開始(「始動記憶」の2つ目の下向き矢印)しているので、それまで「4」であった始動記憶が可変表示の開始に基づいて一旦「3(図示省略)」となり、即座に始動入賞丸付数字3に基づいて「4」となる。
引続いて、始動入賞丸付数字4が発生するが、始動記憶は上限値「4」に達しているために、始動記憶の加算更新はなされない。したがって始動入賞丸付数字4は無効始動入賞となる。このように制御することにより、複数の始動入賞が短期間に集中して成立した場合であっても情報の受け側である管理装置が始動入賞情報を認識し切れずに、それらの欠落が生じるといった不都合を回避することができる。また、それにより管理装置は始動入賞状況を正確に把握できるとともに、それにより算出される各種遊技データも正確に算出できるようになった。
その後、可変表示が開始(「始動記憶」の3つ目の下向き矢印)することに基づいて始動記憶が減算されて「3」となる。
さらに、丸付数字1の始動入賞に基づいて始動記憶が「3」となってから3回目の可変表示が開始する。この可変表示はすなわち丸付数字1の始動入賞に基づいて行なわれるものであり、以降、引続いて丸付数字2,丸付数字3の始動入賞に基づく可変表示が行なわれる。下向き矢印丸付数字1〜丸付数字3,丸付数字5はそれぞれの始動入賞に基づく可変表示がなされる時点を示す。なお、丸付数字4は無効始動入賞となっているために、丸付数字4に基づく可変表示が行なわれない。
「図柄確定信号」は有効始動情報を表わし、前述のとおり、可変表示制御が終了して図柄が停止表示された際に出力される。たとえば、図において丸付数字1の可変表示制御が終了して丸付数字2の可変表示制御が行なわれる際に丸付数字1の可変表示制御終了に基づいた有効始動情報が出力される。すなわち、丸付数字1の始動入賞に基づいた可変表示が終了した時点において初めて、丸付数字1に基づいた有効始動情報が出力される。同様にして、丸付数字2の始動入賞に基づく可変表示制御が終了した際に丸付数字2の有効始動情報が出力されるとともに丸付数字3の始動入賞に基づく可変表示制御が開始される。さらに、丸付数字3の可変表示制御が終了した際に丸付数字3の有効始動情報が出力されるとともに、丸付数字4の始動入賞は無効であるため丸付数字5の始動入賞に基づく可変表示制御が開始される。
「全始動入賞玉信号」は全始動入賞情報を表わし、有効始動玉であるか無効始動玉であるかを問わず、始動口への打玉の入賞があるごとに出力される信号である。
全始動入賞情報は「入賞玉検出器」で検出される始動玉信号のパルスの立下がりに呼応して0.5秒間の時間幅をもって出力される。たとえば、丸付数字1,丸付数字2の「入賞玉検出器」におけるパルスの立下がりに呼応して全始動入賞情報である全始動入賞玉信号丸付数字1,丸付数字2がそれぞれ0.5秒間立上がっているのが図に示されている。ただし、図13で説明したように、全始動入賞玉信号の出力間隔は常に0.5秒以上となるように制御されるので、たとえば丸付数字3の全始動入賞玉信号に関しては、「入賞玉検出器」における丸付数字3のパルスの立下がりに遅れて、丸付数字2の全始動入賞玉信号のパルスが立下がった時点から0.5秒後に出力されているのがわかる。丸付数字4の全始動入賞玉信号についても同様である。なお、各パルス内の「有効」は有効始動玉に基づく信号であることを意味し、「無効」は無効始動玉に基づく信号であることを意味している。
図15は、全始動入賞情報,有効始動情報,大当り情報の各遊技情報をセットするための制御手順を示すフローチャートである。遊技制御基板54a内のCPUは、このフローチャートに示す制御手順に従って各遊技情報のデータをセットする。そして、情報出力データとしてセットした後、各データを出力する。
まず、S1において情報出力データのクリア処理がなされる。次にS2に進み、図柄確定回数情報タイマのタイマ値を更新(−1)して、タイマが終了したか否かの判定がなされる。タイマが終了しておれば、S4に進み、一方、終了していなければS3に進み、図柄確定回数情報がセットされる。
ここで、図柄確定回数情報とは、有効始動情報を意味する。したがって、S2における図柄確定回数情報タイマとは、図13に示した計時手段81のことである。すなわち、このフローチャートが繰返し実行されている間は、S2において図柄確定回数情報タイマのタイマ更新処理が終了するまで繰返しS3で有効始動情報がセットされる。図柄確定回路情報タイマで計数される時間は、たとえば0.5秒であり、0.5秒間、有効始動情報が出力されることになる。これにより、図14に示した有効始動情報(図柄確定信号)のパルス幅が、たとえば0.5秒の時間幅となる。
次に、S4に進み、大当り情報の出力条件となっているか否か、すなわち大当りが発生しているか否かが判断されて、大当りが発生しておればS5に進み、大当り情報がセットされる。
S4で大当りが発生していないか、あるいはS5で大当り情報がセットされた後にS6に進み、始動口情報が出力中であるか否かが判断される。ここで、始動口情報とは、全始動入賞情報を意味する。すなわち、S6では、図14において説明した全始動入賞情報(全始動入賞玉信号)のパルスが立上がった状態にあるか否かが判断される。
全始動入賞情報が出力中であると判断された場合には、S9に進み、始動口情報タイマが更新(−1)されて出力中以外か、すなわちタイマが終了したか否かが判断される。始動口情報タイマとは、図13に示した計時手段71である。したがって、S9により、出力中の全始動入賞情報のパルス幅が0.5秒の時間幅となっているか否かが判断される。始動口情報タイマが終了していなければ、S10に進み、全始動入賞情報を継続して出力すべく始動口情報(全始動入賞情報)がセットされる。
一方、S6において始動口情報(全始動入賞情報)が出力中でないと判断された場合には、S7に進み、始動口情報カウンタのカウンタ値が0であるか否かが判断される。始動口情報カウンタは、図13において説明した計数手段72により構成される。すなわち、計数手段72内に始動入賞の検出情報が記憶されているか否かの判断がなされる。
始動口情報カウンタのカウンタ値が0である場合にはS11に進み、一方、0でない場合にはS8に進み、始動口情報カウンタが更新(−1)されるとともに始動口情報タイマがセットされる。すなわち、新たに全始動入賞情報を出力すべく、その出力時間を制御するためのタイマがセットされるのである。その後、前述したS9の判断がなされて、NOと判断された場合にはS10に進み、始動口情報がセットされる。
以上の制御手順によって、S3,S5,S10でしかるべき遊技情報がセットされた後、S11に進み、各遊技情報を出力すべく、情報出力データがセットされて処理が終了する。
図16は、始動入賞が発生した場合に、遊技制御基板54aのCPUにおいて行なわれる制御の手順を示すフローチャートである。
始動入賞が発生すれば、その旨が始動玉検出器26,29により検出される。そして、SA1において、入賞記憶数が最大値以上であるか否か、すなわち、始動記憶数が既に所定値に達しているか否かが判断される。具体的には、始動記憶数が既に「4」に達しているか否かが判断される。入賞記憶数(始動記憶数)が既に所定値に達している場合には、SA6に進み、始動口情報カウンタのカウンタ値が更新(+1)されて処理が終了する。始動口情報カウンタとは、前述のとおり図13の計数手段72により構成されている。
一方、入賞記憶数が所定値に達していない場合にはSA2に進み、入賞記憶数に対応するバンクポインタの算出が行なわれる。具体的には、始動記憶数1〜4に対応して設けられた記憶領域のアドレスの算出がなされる。この記憶領域は、遊技制御基板54a内に構成されているRAM内に設けられており、始動入賞に対応して前述した各種ランダムカウンタが格納される。このような記憶領域を、特にランダム格納バンクと呼ぶ。次に、SA3に進み、大当り判定用のランダムカウンタWC RND1の値がSA2で算出されたアドレスに対応するランダム格納バンク内に格納される。次にSA4に進み、可変表示装置4で停止表示されるリール停止図柄を決定づけるWC RND L,WC RND C,WC RND Rの各ランダムカウンタ値がSA3で格納されている大当り判定用のランダムカウンタWC RND1と対応づけてランダム格納バンク内に格納される。
次にSA5に進み、入賞記憶カウンタが更新(+1)される。入賞記憶カウンタとは、SA1の判断に用いられるカウンタであり、入賞記憶カウンタのカウンタ値が「4」以上であればSA1においてYESの判断がなされ、一方、「4」未満であればNOの判断がなされる。入賞記憶カウンタは、遊技制御基板54a内に構成されているRAMにより構成される。
SA5で入賞記憶カウンタの更新がなされた後、あるいは、SA1において入賞記憶数が最大値以上であると判断された場合には、SA6に進み、始動口情報カウンタが更新(+1)されて処理が終了する。
図16のフローチャートに示したように、パチンコ遊技機34においては、始動入賞の発生が入賞記憶カウンタにより記憶された時点において、該始動入賞に基づいて大当りを発生させるか否かが事前に決定されているとともに、その停止図柄までもが事前に決定されている。
図17ないし図21は、中継基板61の情報出力端子62より外部出力される遊技情報の出力例を示す図である。本実施の形態に示すパチンコ遊技機34の中継基板61には、遊技制御基板54から伝送される大当り情報,確率変動情報,普電開放向上状態情報を選択的に合成可能な出力合成回路80(図22参照)が設けられている。すなわち、図17ないし図21の出力例は、出力合成回路80により合成される前述の3種類の遊技情報の出力例である。
これら3種類の遊技情報は、特にパチンコ遊技機の管理データの算出を行なう上で重要な情報となっている。パチンコ遊技機の管理データとして、たとえば「ベース」と「有効始動回数」が挙げられる。「ベース」とは、100発の打込玉に対して平均して払出された賞球数であり、「有効始動回数」とは、遊技機稼働中に可変表示が行なわれた回数である。そして、これらのデータをもとに遊技盤面上の釘調整などが行なわれる。しかしながら、普通図柄の当り確率が向上しており、可動片16が開成しやすい高確率状態や可変入賞球装置が開いて多量の入賞球が払出し可能となる特定遊技状態、あるいは始動入賞が容易となるように調整される普電開放向上状態において払出された賞球数が「ベース」に含まれていたり、「有効始動回数」のデータに含まれていたりすると、釘調整を行なうのにあたり、適当な参考データとならない恐れがある。なぜなら、通常状態における打玉の流れを調整するために釘調整が行なわれる場合があるからである。したがって、通常状態以外の遊技状態を除いた「ベース」あるいは「有効始動回数」の算出が必要となるのであり、このために前記3種類の遊技情報は必要不可欠なものである。
出力合成回路80に入力されるこれらの3種類の遊技情報は、出力合成回路80により選択的に合成されて2出力の情報として、情報出力端子62より外部出力される。これにより、3種類の情報を出力端子62の端子のうち、2つの端子を用いて遊技機外部の管理装置などに送信することができる。なお、管理装置との接続については、図22および図23を用いて後述する。
図17は、確率変動情報と普電開放向上状態情報とが合成された確変普電開放情報と、大当り情報との出力例を示す図である。図を参照して、可変表示装置4において確率変動図柄の組合せ以外の図柄の組合せである、通常図柄により大当りが発生することに伴い、大当り情報がオフからオンとなり、大当りが発生した旨を示す情報が遊技機外部の管理装置へ出力される。また大当りが発生したことに伴い遊技状態が特定遊技状態となる。そして所定の繰返し継続制御が終了して遊技状態が特定遊技状態から通常状態に戻るタイミングに合わせて、大当り情報がオンからオフになり、繰返し継続制御が終了した旨が管理装置に通知される。なお、大当りを発生させた図柄の組合せは確率変動図柄の組合せではないので、繰返し継続制御が終了しても高確率状態にはならない。
次に、大当りが確率変動図柄の組合せにより発生した場合には、大当りに伴う所定の繰返し継続制御が終了した後、高確率状態となるとともに確率変動情報がオフからオンになる。そして、1回目,2回目の大当りが発生するのに伴って、確率変動情報がオンからオフとなり、一方、大当り情報がオフからオンとなる。このように、図17に示した確率変動情報は大当りが発生して特定遊技状態となっている間は出力されずオフの状態となっている。
確率変動が生じてから1回目,2回目の大当りが通常図柄で発生して、2回目の大当りに伴う繰返し継続制御が終了した後、普通図柄の変動時間短縮制御がなされる普電開放向上状態となるとともに、その旨を示す普電開放向上状態情報がオフからオンとなる。なお、前述したように普電開放向上状態は変動時間短縮制御以外で構成してもよく、図において「時間」,「開放時間」,「回数向上」とあるのは、それぞれ前述した変動時間短縮制御、開閉時間延長制御、開成回数増加制御を表わす。そして、このうち、いずれの制御方法で普電開放向上状態が構成されてもよく、その構成に応じて普電開放向上状態情報が出力されることを意味する。普電開放向上状態情報は普電開放向上状態が終了するのに合わせてオンからオフとなる。
図18は、大当り情報と普電開放向上状態情報とが合成された大当り普電開放向上状態情報と、確率変動情報との出力例を示す図である。前述した図17の出力例と比較して図18の出力例では、大当り情報と普電開放向上状態情報とが合成されているので、2回目の高確率状態に大当りが発生してから、その大当りが終了して、さらに第2遊技状態が通常状態となるまで大当り普電開放向上状態情報が継続してオンの状態となっている。なお、確率変動情報は図13と同じく、高確率状態時のみオンとなっている。
図19は、図17と同様に確率変動情報と普電開放向上状態情報とが合成された確変普電開放向上状態情報と、大当り情報との出力例を示す図である。図19の出力例は図17の出力例と異なり、確率変動情報は確率変動図柄の組合せによる大当りが発生してから2回の大当りが終了するまで継続してオンの状態で出力されている。したがって、確変普電開放向上状態情報は、確率変動図柄の組合せによる大当りが発生してから普電開放向上状態が終了するまで継続してオンとなっている。このような構成にすれば、確変普電開放向上状態情報を参照することにより、管理装置側では、遊技状態が高確率状態かもしくは普電開放向上状態にあるか否かの把握が可能となる。したがって、この情報を参考にして前述した「ベース」や「有効始動回数」などの管理データを算出することが可能となる。
図20は、大当り情報と普電開放向上状態情報とが合成された大当り普電開放向上状態情報と、確率変動情報との出力例を示す図である。図20の出力例に示す確率変動情報は図18の出力例に示した確率変動情報と異なり、確率変動図柄の組合せによる大当りが発生してから2回の大当りが終了するまで継続してオンとなっている。なお、大当り普電開放向上状態情報の出力波形は図18と同様である。
図21は、大当り情報および確率変動情報および普電開放向上状態情報が合成された大当り確変普電開放向上状態情報と、大当り情報により構成される出力例を示す図である。図21に示す大当り確変普電開放向上状態情報は、通常状態以外の遊技状態(特定遊技状態,普電開放向上状態,高確率状態)においては、その出力が常にオンとなっている。したがって、出力がオフの期間は、遊技状態が通常状態にあることがわかる。そこで、管理装置側では、この情報1つが入力されることで遊技状態が通常状態にあるか否かを判断することができる。これにより、この種の情報を入力することのできる端子が1つしかない管理装置においても、通常状態の判断が可能となる。
図22は、中継基板61と遊技制御基板54a、および管理装置63との接続を示すブロック図である。遊技制御基板54aから出力される各種遊技情報は中継基板61の情報中継端子68に入力される。遊技情報として、たとえば有効始動情報、全始動入賞情報、大当り情報、確率変動情報、普電開放向上状態情報が図に示されている。遊技制御基板54aから出力される各種遊技情報のうち、大当り情報、確率変動情報、普電開放向上状態情報は出力合成回路80に入力される。一方、これらの情報以外の遊技情報は情報出力端子62を介して管理装置63に入力される。
出力合成回路80に入力された遊技情報は出力態様切換スイッチ64の選択操作により定められる合成態様に応じて合成される。この合成は、それぞれ出力態様切換スイッチ64のダイヤル位置「1」〜「5」に合わせて図17ないし図21に示した出力例のように行なわれる。合成が行なわれた後、情報出力端子62から管理装置63へ出力される。
従来のパチンコ遊技機に、普電開放向上状態情報を外部出力可能なものは見られなかった。したがって、管理装置には従来より入力されていた遊技情報に加えて、普電開放向上状態情報を入力するための余剰端子がない場合が多い。そこで、本発明に係るパチンコ遊技機34では、普電開放向上状態情報を新たに出力し得るとともに、従来の管理装置でこの情報をも受信することが可能となるように、大当り情報、確率変動情報、普電開放向上状態情報を合成して出力端子2つから外部出力可能となるように構成したのである。これにより、従来の管理装置に新たな端子を設けることなく普電開放向上状態情報をも入力させることが可能となった。情報出力端子62から管理装置63に入力されたこれら3種類の情報と同じく、情報出力端子62から管理装置63に入力された有効始動情報や全始動入賞情報、打込情報、入賞球払出し情報などにより、管理装置63は通常状態におけるベースや有効始動回数を算出する。
図23は、出力合成回路80における遊技情報合成に関するシステム例を示す図である。中継基板61に入力された確率変動情報と普電開放向上状態情報は、出力合成回路80内に構成されるOR回路77に入力される。また大当り情報はOR回路77に入力される信号とOR回路77に入力されることなく直接管理装置63に入力される信号とに分岐する。なお、分岐した2つの大当り情報は、いずれも同一の情報内容であり、同一の信号である。OR回路77では、入力された2種類の遊技情報の信号の和が演算されて、その和信号が大当り確変普電開放向上状態情報として管理装置63に送信される。すなわち、図23のシステム例により、図21に示した出力が得られる。図17ないし図20に示した出力もOR回路77に入力する遊技情報を切換えることで得ることができる。図17に示す出力はOR回路77に確率変動情報と普電開放向上状態情報を入力することで得られて、図18に示す出力はOR回路77に大当り情報と普電開放向上状態情報とを入力することで得られて、図19に示す出力はOR回路77に確率変動情報と普電開放向上状態情報を入力することで得られて、図20に示す出力はOR回路77に大当り情報と普電開放向上状態情報を入力することで得られる。OR回路77にどの種類の情報を入力するかを切換えて選択する選択手段は、前述の出力態様切換スイッチ64により構成されている。これにより、管理装置63の種類等により出力態様を切換えられるため、さまざまな管理装置63に最適な形で出力できる。
図24ないし図26は、管理装置63から出力される各種遊技管理情報の出力フォーマット例である。各図において「S単位時間」は、後述する「低確S」,「高確S」,「平均S」,「最大入」,「最小入」の各データの算出単位時間を示している。単位時間は30秒,1分,10分の中から任意に選択でき、図24および図25は30秒が選択されたフォーマットである。出力フォーマットには、遊技機の各台番ごとに各種データが表示されて、さらに各データの平均値あるいは合計値が表示されるよう構成されている。
図24は図1および図2に示した第1種のパチンコ遊技機34に関しての出力フォーマット例である。「打込」は、遊技領域3に打込まれた打玉の累計数を表わしている。「補給」は、遊技機設置島64からパチンコ遊技機34に補給された補給玉の累計数を表わしている。「差玉」は、「打込」と「補給」との差数を示している。「稼動」は遊技機の累計稼動時間を示しており、図11または図12に示した打込玉センサ78により検出される打玉の弾発数に基づいた時間が表示される。「特回」は、大当りが発生した累計回数である。「確変」は、高確率状態が発生した累計回数である。「−差」および「+差」は、「差玉」の推移におけるマイナス側の最大値およびプラス側の最大値を表わす差玉数である。「低確B」は、低確率状態(高確率状態でない通常状態)におけるベース値であり、「低確率時の補給玉数×1分間の発射数/低確率時の打込玉数」である。「高確B」は、高確率状態におけるベース値であり、「高確率時の補給玉数×1分間の発射数/高確率時の打込玉数」である。「平均B」は、大当り発生時以外におけるベース値であり、「(補給玉数−大当り状態中の補給玉数)×1分間の発射数/(打込玉数−大当り状態中の打込玉数)」である。「低確S」は、低確率状態における単位時間当りの有効始動入賞回数であり、「(低確率時の有効始動入賞回数×単位時間当りの発射数)/低確率時の打込玉数」である。「高確S」は、高確率状態における単位時間当りの有効始動入賞回数であり、「(高確率時の有効始動入賞回数×単位時間当りの発射数)/高確率時の打込玉数」である。「平均S」は、低確率状態および高確率状態を含めた単位時間当りの有効始動入賞回数であり、「(低確率時の有効始動入賞回数+高確率時の有効始動入賞回数)×単位時間当りの発射数/(低確率時の打込玉数+高確率時の打込玉数)」である。
ここで、「低確S」,「高確S」,「平均S」における各データの算出にかかる単位時間は、前述のとおり、管理装置63の操作により30秒、1分、10分のうちのいずれかを選択でき、図24の場合には単位時間として30秒が選択されていることが「S単位時間」の欄より認識できる。よって「単位時間あたりの発射数」とは、この場合、30秒間あたりの発射数となる。パチンコ遊技機34の場合には、打球操作ハンドル44(図2参照)が操作されて連続して打玉が発射されている際の1分間あたりの発射数は「100発」である。したがって、図24における「単位時間あたりの発射数」は「50発」となる。
「無効入」は、無効始動入賞回数の累計値である。「全始入」は、全始動入賞回数(無効始動入賞回数+有効始動入賞回数)の累計値である。「最大入」は、単位時間毎の有効始動入賞回数のうち、最大の有効始動入賞回数である。「最小入」は、単位時間毎の有効始動入賞回数のうち、最小の有効始動入賞回数である。図24においては、「最大入」と「最小入」には、それぞれ単位時間30秒とした場合の全始動入賞回数の最大値と最小値とが表示される。
「TS」は、大当りが発生してから次回大当りが発生するまでの有効始動入賞回数の平均値である。「TY」は、大当り1回についての平均出玉数である。「平均I」は、大当りが発生してから次回大当りが発生するまでの間の打込玉数の平均値である。「割数」は、「(売上玉数−差玉数)/売上玉数」である。「設定」には、釘調整が終了しているか否かなどのチェックなどが行なわれる。
なお、「低確S」,「高確S」,「平均S」の算出においては、それぞれ有効始動入賞回数を用いたが、全始動入賞回数や無効始動入賞回数を用いて算出してもよい。これらのデータにより遊技店は全始動入賞数などの入賞情報を得られるため、有効始動数のみを釘調整用データとして用いた場合よりもさらに遊技機の状態を知ることができ、高い精度での釘調整が可能となる。
図25は、図3に示した第3種のパチンコ遊技機300に関しての出力フォーマット例である。出力フォーマットに表示されるデータのうち、図24において説明したものと重複するものは説明を省略し、異なるもののみの説明を行なう。「B」は、大当り状態以外におけるベース値であり「(補給玉数−大当り状態中の補給玉数)×1分間の発射数/(打込玉数−大当り状態中の打込玉数)」である。「TO」は、大当り状態発生中に遊技領域に打込まれた打玉数である。「有効S」は、有効始動入賞回数である。
図26は、始動入賞に関する情報のみを単位時間毎にまとめて出力した出力フォーマット例を示す。「低確S」,「高確S」,「平均S」,「無効入」,「全始入」,「最大入」,「最小入」,の各項目のデータについて、それぞれ30秒,1分,10分当りのデータが表示されている。このような出力フォーマットによれば、たとえば同一番台の遊技機において10分当りの最大有効始動入賞回数と最小有効始動入賞回数とが、さほどの開きがなくても、30秒当りの最大有効始動入賞回数と最小有効始動入賞回数との開きが大きい場合には、短い周期で有効始動入賞の発生にばらつきが生じていることが一瞥して認識することが可能となる。なお、各データの説明については図24と重複するので省略する。
以下に、以上説明した発明の実施の形態の特徴点や変形例を記載する。
(1) 図13で説明したように、パチンコ遊技機34の遊技制御基板54aで全始動入賞情報の出力時間間隔が制御される。しかしながら、この制御が中継基板61で行なわれるように構成してもよい。また、パチンコ遊技機34では出力時間間隔を、たとえば0.5秒に構成したが、これ以外の時間であってもよく、また、パチンコ遊技機34に設けた所定のスイッチなどでこの時間を自由に選択できるように構成してもよい。
(2) また、有効始動情報については、可変表示装置4の可変表示結果が導出表示されたタイミングに合わせて出力されるように構成した。これにより、管理装置側では、遊技機から出力される有効始動情報を可変表示装置4の可変表示がなされた回数にかかわる情報ととらえて、可変表示制御実行回数を正確に把握できる。したがって、大当りの発生に基づいて大当り情報が管理装置に入力された場合に、管理装置では、前回大当り情報が入力されてから今回大当り情報が入力されるまでに遊技機から入力された有効始動情報の数に基づいて、可変表示回数に対する大当りの発生率を正確に算出することが可能となる。
あるいは、大当りが発生してから、次回大当りが発生するまでの有効始動入賞回数が把握できることより、これを基に前述した「TS」に関するデータを正確に算出することも可能となる。すなわち、有効始動入賞の発生したタイミングで「TS」の算出に必要となる有効始動情報を出力した場合には、その情報の中には、可変表示が終了していないタイミングで始動入賞が発生したためにその入賞が始動記憶されてしまい、有効始動情報の出力時点では未だ可変表示に有効に使用されていない始動入賞に関する情報も含まれるために、「TS」の算出にあたり始動記憶数分の誤差を生ずることになる。一方、実施の形態に示したように可変表示装置4の可変表示結果が導出表示されたタイミングに合わせて有効始動情報が出力されるように構成したために、このような誤差を生ずることのない、正確な「TS」を算出することが可能となるのである。
(3) もちろん、これらの効果を奏するために、必ずしも有効始動情報を可変表示装置4の可変表示結果が導出表示されたタイミングで出力するように構成する必要はなく、可変表示制御が開始してから所定時間経過後に出力するように構成してもよい。たとえば、所定時間を0.5秒にしてもよく、大当りが発生して大当り情報が管理装置に入力される場合に、その大当りの発生を誘発した始動入賞にかかわる有効始動情報が該大当り情報よりも先に遊技機から出力されさえすればよい。
(4) また、有効始動情報を可変表示結果が導出表示されたタイミング以降の所定期間経過後に出力するように構成すると前記有効始動情報が前記大当り情報よりも遅れる可能性があり、大当りの発生確率の算出時に、その有効始動情報が算出情報として取込まれない可能性がある。しかし、有効始動情報が常に前記所定時間経過後に出力されるのであれば、算出情報として取込まれなかった有効始動情報は、次回の大当り発生率や「TS」の算出情報として取込まれることになる。したがって、相対的に見れば、大当りの発生率の算出にあたり、(3)の構成に比べてみても、大当りの発生率等の正確性は維持できる。
(5) (2)で述べた構成、あるいは(4)で述べた構成によれば、常に有効始動に基づいた可変表示制御が終了して、可変表示結果が導出表示されて以降に該有効始動入賞に基づいた有効始動情報が出力される。すなわち、可変表示制御が終了するまでは有効始動情報は出力されないのであり、これにより、停電などの何らかのトラブルにより可変表示制御は中断されてしまう場合には有効始動情報が出力されない。したがって、管理装置側では、前述の大当り発生率等を算出するにあたり、真に可変表示制御のなされた回数として有効始動情報を活用でき、これにより、たとえば、正確な大当り発生率等を算出することができる。
(6) さらに、有効始動情報の出力タイミングについて、たとえば、始動入賞が発生した時点において、始動入賞記憶数の上限を超えることのない始動入賞であるか否かが判断されて、その結果に基づいて有効始動情報が即座に出力されるように構成することが考えられる。このような構成にすると、有効始動入賞に基づいた可変表示がなされていないにもかかわらず、可変表示制御に先行して次々と有効始動情報が出力されるので、大当りの発生率の算出などを目的とする場合には不適切な構成となる。しかし、有効始動入賞の発生状況をリアルタイムに把握する場合は利便性の高い構成となる。
(7) この場合には、有効始動入賞となる始動入賞が0.5秒以内に連続して発生した際に有効始動情報発信手段74から0.5秒以内に2つ以上の有効始動情報が出力される恐れが生じる。この場合には、有効始動情報発信手段74に対して全始動入賞情報発信規制手段73と同様の計数手段72を設けて、有効始動入賞が0.5秒以内に連続して検知されればバッファリングが行なわれるようにして、計時手段81に基づいて常に0.5秒以上の間隔をもって有効始動情報が出力されるように構成する。
(8) パチンコ遊技機34は、打玉が始動口15あるいは始動口10に入賞することにより可変表示装置4の可変表示がなされて、その導出結果が大当りとなる図柄の組合せとなることで、開閉板12が開成して多量の入賞玉が発生可能な状態となる。この場合、大当りの発生により開閉板12が開成している状態により、遊技者にとって有利な特定遊技状態が構成されている。さらに可変表示装置4において大当り図柄が導出表示されることにより、予め定められた遊技条件が構成されている。また、パチンコ遊技機34では、大当りとなる図柄の組合せが確率変動図柄の組合せであった場合には、大当りの発生する確率が向上した高確率状態となる。また、2回目の高確率状態中に大当りが発生して、所定の繰返し継続制御が終了して確率の向上していない状態に戻った際、普通図柄の変動時間短縮制御がなされる普電開放向上状態となる。普電開放向上状態においては、可動片16が頻繁に開くために始動口15に頻繁に入賞しやすくなり、可変表示装置4の可変表示動作を行なわせるための第1の遊技条件が成立しやすくなるため、結果的に大当りが発生する確率は向上していなくとも短時間で大当りが発生しやすくなる。すなわち、このような高確率状態および普電開放向上状態により、前記特定遊技状態が成立しやすい特別遊技状態が構成されている。なお、パチンコ遊技機34においては普電開放向上状態の一例として、普通図柄の変動時間が短縮される制御を示したが、これに限られるものではなく、前述した開成時間延長制御がなれてもよく、また、開成回数増加制御がなされてもよい。
(9) さらに、パチンコ遊技機34の遊技状態が大当り状態以外でかつ高確率状態以外でかつ普電開放向上状態以外の遊技状態により、前記特定遊技状態以外でかつ前記特別遊技状態以外の通常遊技状態が構成されている。そして、本実施の形態では、前記通常遊技状態になっている期間を特定するために、図17ないし図21に示したような遊技情報の出力がなされる。すなわち、図17ないし図21の出力例により、前記特定遊技状態以外でかつ前記特別遊技状態以外の通常遊技状態になっている期間を特定するのに必要となる特定情報が構成されている。図17ないし図21に示した出力用情報は中継基板61により生成されて、情報出力端子60により出力される。すなわち、中継基板61により、前記特定遊技状態以外でかつ前記特別遊技状態以外の通常遊技状態になっている期間を特定するのに必要となる特定情報を出力する情報出力手段が構成されている。
(10) 図23に示したように、大当り情報、確率変動情報、普電開放向上状態情報を合成する出力合成回路80は、中継基板61に設けられている。また、合成態様を切換える出力対応切換スイッチ64も中継基板61に設けられている。すなわち、出力合成回路80により、前記特定情報を合成する合成手段が構成されており、出力態様切換スイッチ64により、操作により前記特定情報の合成態様を選択可能な合成態様選択操作手段が構成されている。また、遊技制御基板54aにより、遊技情報を生成する遊技情報生成手段が構成されている。しかしながら、出力合成回路80と出力態様切換スイッチ64を中継基板61に設けることなく、遊技制御基板54aに設けてもよい。また、出力態様切換スイッチ64の機能の1つとして、全始動入賞情報あるいは有効始動情報の出力時間間隔の最低値を選択できるように構成してもよい。なお、出力態様切換スイッチ64はスライドスイッチや押しボタンスイッチ、スナップスイッチ、プッシュプルスイッチ、ロータリースイッチ、デジタルスイッチなどであってもよい。
図1および図2または図3に示した第1種のパチンコ遊技機34または第3種のパチンコ遊技機300により、表示状態が変化可能な可変表示装置を有する遊技機が構成されている。本発明に係る遊技機はこれらのパチンコ遊技にのみ構成されるのではなく、たとえば、第2種のパチンコ遊技機や、スロットマシン、その他、表示状態が変化可能な可変表示装置を有する遊技機であればすべての遊技機が含まれる。
図4に示した画像表示装置55および図13に示した遊技制御基板54aにより、遊技状態に応じて所定の可変表示条件が成立した場合に前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう可変表示制御手段が構成されている。さらに、打玉が始動口10,15へ入賞することにより、前記可変表示条件が構成されている。
図4に示す遊技制御基板ボックス54内に構成されている遊技制御基板54aと中継基板61により、前記可変表示条件の成立を表わす可変表示条件成立情報を該可変表示条件の成立ごとに遊技機外部へ出力可能な遊技情報出力手段が構成されている。さらに、図13に示したブロック図に、前記可変表示条件成立情報の出力間隔が予め定められた期間以上となるように制御する制御内容にかかわる構成が開示されている。さらに、その制御内容は図15に示したフローチャートに示されている。
図1および図2に示したパチンコ遊技機は、打玉が始動口10,14へ入賞したことを条件として可変表示装置4の可変表示がなされる。一方、図3に示したパチンコ遊技機300は打玉が普通図柄用始動口304に入賞したことに基づいて普通可変表示装置302における図柄の可変表示がなされる。いずれの遊技機においても、可変表示中に始動入賞が発生した場合には、その入賞個数が4個まで記憶される。このような始動入賞の記憶は遊技制御基板54aのRAMによりなされている。すなわち、遊技制御基板54aにより、条件成立回数記憶手段が構成されている。
図16に示したように、始動入賞記憶数、すなわち、入賞記憶カウンタの値が最大値以上であればSA1においてYESの判断がなされて、可変表示制御にかかわるSA2〜SA5の制御がなされない。一方、入賞記憶カウンタのカウンタ値が最大値以上でなければSA2〜SA5に示す制御がなされて、現在行なわれている可変表示制御が終了した後に引続いて可変表示制御を行なうための準備がなされる。すなわち、図16のフローチャートに、前記可変表示制御を終了した後、再度可変表示制御可能となった場合に前記条件成立回数記憶手段の記憶に基づいて前記可変表示制御を行ない、一方、前記条件成立記憶手段の記憶数の上限を超えて成立した可変表示条件に基づいて前記可変表示制御を行なうことなく該可変表示条件を無効とする、可変表示制御手段の制御内容が開示されている。
図11に示した特別図柄全始動入賞情報,図13に示した全始動入賞情報発信制御手段73から出力される全始動入賞情報,図14に示した全始動入賞玉信号,図15に示した始動口情報,図22,図23に示した全始動入賞情報,図24〜26に示した全始動入賞情報は全て同一種類の情報であり、図1,図2に示した第1種のパチンコ遊技機34においては打玉が始動口10あるいは15に入賞したことに基づいて発生する情報である。すなわち、有効始動情報と無効始動情報との和である全始動入賞情報を示している。図3に示した第3種のパチンコ遊技機300の場合には、打玉が普通図柄用始動口304に入賞して始動入賞玉検出器305で検出されることに基づいて、この全始動入賞情報が出力されることになる。第3種のパチンコ遊技機300における全始動入賞情報は、図12に示す普通図柄全始動入賞情報で表わされている。すなわち、第1種のパチンコ遊技機34および第3種のパチンコ遊技機300における全始動入賞情報により、前記可変表示条件成立情報が構成されている。しかしながら、これにこだわることなく、可変表示条件成立情報として、無効始動入賞に関する情報である無効始動入賞情報が出力されるようにしてもよい。また、有効始動入賞に関する情報である有効始動情報が出力されるようにしてもよい。
また、前記全始動入賞情報は可変表示装置4あるいは普通可変表示装置302における可変表示制御が有効に行なわれるか否かにかかわらず、打玉が始動口10または15に入賞すること、あるいは普通図柄用始動口304に入賞することを条件として出力される情報である。すなわち、この全始動入賞情報により、前記条件成立回数記憶手段の記憶数の上限を超えているか否かにかかわらず成立した可変表示条件である全可変表示条件の成立を表わす全可変表示条件成立情報が構成されている。
さらに、図11の特別図柄有効始動情報,図12の普通図柄有効始動情報,図13の有効始動情報発信手段74から出力される有効始動情報,図14に示した図柄確定信号,図15に示した図柄確定回数情報,図22および図23に示した有効始動情報,図25に示した「有効S」は、可変表示装置4あるいは普通可変表示装置302における可変表示を有効に行なわせることのできる始動入賞に関する情報である。すなわち、これらの情報により、前記条件成立記憶手段の記憶数の範囲内で成立して前記可変表示制御が有効に行なわれる有効可変表示条件の成立を表わす有効可変表示条件成立情報が構成されている。
さらに、図13に示した図柄確定検知手段75および有効始動情報発信手段74により、前記有効可変表示条件の成立に基づいた可変表示装置の表示結果が導出表示されて以降に該有効可変表示条件の成立を表わす有効可変表示条件成立情報が出力される。
34はパチンコ遊技機(第1種パチンコ遊技機)、10,15は始動口、14は可変始動口装置、6は始動記憶表示器、4は可変表示装置、13は通過口、17は可変表示器、61は中継基板、68,69は情報中継端子、62は情報出力端子、18は通過記憶表示器、54aは遊技制御基板、300はパチンコ遊技機(第3種パチンコ遊技機)、302は普通可変表示装置、304は普通図柄用始動口、303は始動入賞記憶数表示器、26,29は始動玉検出器、305は始動入賞玉検出器、5は可変表示部、55は画像表示装置(CRT表示器)、64は出力態様切換スイッチ、80は出力合成回路、71は計時手段、72は計数手段、73は始動入賞情報発信制御手段、74は有効始動情報発信手段、75は図柄確定検知手段、81は計時手段である。