JP3909876B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機などで代表される遊技機に関し、詳しくは、遊技結果に応じて遊技者に所定の有価価値を付与可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において従来から一般的に知られているものに、たとえば、遊技結果に応じて遊技者に所定の有価価値を付与可能となる遊技機があった。さらに、この種の遊技機においては、遊技結果に応じて遊技者に付与された有価価値に関する情報などの遊技情報が出力されるように構成されていた。また、遊技機から出力されたこれらの遊技情報は、遊技場に設置されたホール用管理コンピュータなどの管理装置に入力されて、遊技機の遠隔管理がなされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の遊技機では、前述の遊技情報は管理装置の受信態様を考慮することなく一律に出力されていた。一方、管理装置側に設けられた遊技情報入力用の端子数や管理対象となる情報の種類は管理装置の種類によりまちまちで統一化されていない。このため、管理装置によっては、必要な遊技情報を受信するために遊技情報入力用の端子数を増設せねばならず、増設に伴う経費と手間がかかるという問題が生じていた。さらに、そのような増設そのものができない場合には、遊技機の遊技状態を正確に把握することが困難になるという不都合が生じていた。
【0004】
本発明は係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技機の遊技状態を遠隔で正確に把握することが可能となる遊技機を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、遊技結果に応じて遊技者に所定の有価価値を付与する遊技機であって、
前記遊技機の遊技状態を制御するとともに前記遊技機の遊技に関する遊技情報を生成する遊技制御手段と、
複数種類の前記遊技情報を複数種類の出力態様に合成可能な遊技情報合成手段と、
前記遊技情報合成手段により合成された遊技情報を出力する遊技情報出力手段とを有し、
前記遊技情報合成手段は、前記出力態様を選択可能となるように構成されていることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記遊技制御手段は、予め定められた遊技条件が成立することにより遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態にする特定遊技状態制御手段と、
前記遊技条件が成立しやすい特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段とを含み、
前記遊技情報には前記特定遊技状態になっている期間を特定可能な特定遊技状態情報と、
前記特別遊技状態になっている期間を特定可能な特別遊技状態情報とが含まれることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項2記載の発明の構成に加えて、可変表示動作を行なう可変表示装置をさらに含み、
前記特定遊技状態制御手段は、第1の遊技条件が成立したときに前記可変表示装置の可変表示動作を開始させ、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなって第2の遊技条件が成立することにより遊技状態を前記特定遊技状態にし、
前記特別遊技状態制御手段は、前記第1の遊技条件が成立しやすい第1特別遊技状態に制御する第1特別遊技状態制御手段と、前記第2の遊技条件が成立しやすい第2特別遊技状態に制御する第2特別遊技状態制御手段とを含み、
前記特別遊技状態情報は、前記第1特別遊技状態になっている期間を特定可能な第1特別遊技状態情報と、前記第2特別遊技状態になっている期間を特定可能な第2特別遊技状態情報とから成り、
前記遊技情報合成手段は、前記特定遊技状態情報と前記第1特別遊技状態情報と前記第2特別遊技状態情報とを合成して、前記特定遊技状態と前記第1特別遊技状態と前記第2特別遊技状態とのうちの少なくともいずれかの状態であることを示す情報を生成することを特徴とする。
請求項4に記載の本発明は、請求項2記載の発明の構成に加えて、可変表示動作を行なう可変表示装置をさらに含み、
前記特別遊技状態制御手段は、前記第1の遊技条件が成立しやすい第1特別遊 技状態に制御する第1特別遊技状態制御手段と、前記第2の遊技条件が成立しやすい第2特別遊技状態に制御する第2特別遊技状態制御手段とを含み、
前記特別遊技状態情報は、前記第1特別遊技状態になっている期間を特定可能な第1特別遊技状態情報と、前記第2特別遊技状態になっている期間を特定可能な第2特別遊技状態情報とから成り、
前記遊技情報合成手段は、前記第1特別遊技状態情報と前記第2特別遊技状態情報とを合成して、前記第1特別遊技状態と前記第2特別遊技状態とのうちの少なくともいずれかの状態であることを示す情報を生成することを特徴とする。
【0007】
【作用】
請求項1記載の本発明によれば、遊技制御手段の働きにより、遊技機の遊技状態が制御されるとともに前記遊技機の遊技に関する遊技情報が生成される。また遊技情報合成手段の働きにより、複数種類の前記遊技情報が複数種類の出力態様に合成される。そして遊技情報出力手段の働きにより、前記遊技情報合成手段で合成された遊技情報が出力される。さらに前記遊技情報合成手段の働きにより、前記出力態様が選択可能となっている。
【0008】
請求項2記載の本発明によれば、請求項1記載の発明の作用に加えて、前記遊技制御手段には、予め定められた遊技条件が成立することにより遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態にする特定遊技状態制御手段と、前記遊技条件が成立しやすい特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段とが含まれる。そして、前記遊技情報には前記特定遊技状態になっている期間を特定可能な特定遊技状態情報と、前記特別遊技状態になっている期間を特定可能な特別遊技状態情報とが含まれている。
請求項3記載の本発明によれば、請求項2記載の発明の作用に加えて、第1の遊技条件が成立した上でさらに第2の遊技条件が成立することにより遊技状態が前記特定遊技状態となる。第1特別遊技状態制御手段の働きにより、前記第1の遊技条件が成立しやすい第1特別遊技状態に制御される。第2特別遊技状態制御手段の働きにより、前記第2の遊技条件が成立しやすい第2特別遊技状態に制御される。前記特別遊技状態情報は、前記第1特別遊技状態になっている期間を特定可能な第1特別遊技状態情報と、前記第2特別遊技状態になっている期間を特定可能な第2特別遊技状態情報とから成り、前記遊技情報合成手段の働きにより、前記特定遊技状態情報と前記第1特別遊技状態情報と前記第2特別遊技状態情報とが合成されて、前記特定遊技状態と前記第1特別遊技状態と前記第2特別遊技状態とのうちの少なくともいずれかの状態であることを示す情報が生成される。
請求項4記載の本発明によれば、請求項2記載の発明の作用に加えて、第1の遊技条件が成立した上でさらに第2の遊技条件が成立することにより遊技状態が前記特定遊技状態となる。第1特別遊技状態制御手段の働きにより、前記第1の遊技条件が成立しやすい第1特別遊技状態に制御される。第2特別遊技状態制御手段の働きにより、前記第2の遊技条件が成立しやすい第2特別遊技状態に制御される。前記特別遊技状態情報は、前記第1特別遊技状態になっている期間を特定可能な第1特別遊技状態情報と、前記第2特別遊技状態になっている期間を特定可能な第2特別遊技状態情報とから成り、前記遊技情報合成手段の働きにより、前記第1特別遊技状態情報と前記第2特別遊技状態情報とが合成されて、前記 第1特別遊技状態と前記第2特別遊技状態とのうちの少なくともいずれかの状態であることを示す情報が生成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例として、パチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限られるものではなく、他にコイン遊技機やスロットマシン、その他の遊技機に適用することも可能である。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態に関わる遊技機の遊技盤の構成を示す正面図である。遊技盤1の前面には、2本の区画レール2が円上に植立されている。区画レール2は、外レールおよび内レールから構成され、外レールと内レールとで囲まれた領域を遊技領域という。
【0011】
遊技盤1を有するパチンコ遊技機34(図2参照)には、遊技者が打玉の打込を操作するための遊技操作ハンドル44(図2参照)が設けられている。この打球操作ハンドル44を遊技者が操作することにより、打玉が1個ずつ発射される。発射された打玉は、外レールと内レールとの間に形成された誘導路によって遊技領域3に導かれる。
【0012】
遊技領域3の中央には、複数種類の画像を変動表示するための可変表示装置4が設けられている。可変表示装置4の下方には、始動口10と、可変入賞球装置11とが設けられている。可変表示装置4は、本実施の形態の場合にはCRT(液晶表示装置)より構成されており、可変表示部5を有している。また、可変入賞球装置11の左側の通称「袖部」と呼ばれる位置には、いわゆる電動チューリップからなる可変始動口装置(普通電役)14が設けられている。遊技領域4の左右には、それぞれサイドランプA22,サイドランプB23が設けられている。サイドランプA22にはランプ32が設けられており、サイドランプB23にはランプ31が設けられている。さらに可変表示装置4の上部には入賞口7が設けられている。また、遊技領域3の右下の「袖部」の位置には、入賞口20が設けられている。
【0013】
可変入賞球装置11には、遊技領域3の前後方向に所定範囲で傾動可能な開閉板12が設けられている。可変入賞球装置11は、大当りが発生している場合以外においては開閉板12を閉成状態にし、打玉が入賞不可能な遊技者にとって不利な第2の状態となっている。一方、可変始動口装置(普通電役)14の始動口15または可変入賞球装置11の上部に設けられた始動口10に打玉が入賞し、始動玉検出器26または29が打玉を検出することにより可変表示装置4の可変表示部5上において、3つの図柄の変動表示が行なわれる(以下、それぞれの図柄を特に「特別図柄」という)。この変動表示が停止したとき、3つの図柄の組合せが予め定められた特定の組合せとなって大当りが発生すると、可変入賞球装置11は上記第2の状態から、打玉が入賞可能な遊技者にとって有利な第1の状態となり、開閉板11が開成状態となる。なお、大当りが発生する遊技状態を特に特定遊技状態という。
【0014】
可変入賞球装置11の前記第1の状態は、開閉板12が開成状態となった後に、30秒が経過するか、または、可変入賞球装置11の大入賞口に打玉が10個入賞するかのうちのいずれか早い方の条件が成立したことにより終了する。すなわち、上記条件が成立したとき開閉板12が閉成状態となり、可変入賞球装置11が遊技者にとって不利な第2の状態となる。大入賞口に入賞した打玉は、可変入賞球装置11の大入賞口内部に設けられた入賞玉検出器28により検出される。
【0015】
大入賞口の内側の左側部分には、通常「Vポケット」と呼ばれる特定領域が設けられている。大入賞口に入った打玉がこの特定領域に入賞すれば、その特定入賞玉がVポケットに設けられた特定玉検出器27により検出される。特定入賞玉が検出されると、その回の可変入賞球装置11の遊技者にとって有利な第1の状態が終了するのを待って、再度、可変入賞球装置11を前記第1の状態に駆動制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御により可変入賞球装置11は最高16回連続して前記第1の状態となる。なお、大入賞口に入った打玉の個数は、個数表示器24に逐次表示される。繰返し継続制御の終了後、遊技者にとって有利な第1の状態から遊技者にとって不利な第2の状態となる。
【0016】
始動口10または始動口15に打玉が入賞していわゆる始動入賞が発生したことをきっかけとして、可変表示装置4の可変表示が開始されるが、この可変表示がなされている最中に発生した始動入賞は記憶されて、その始動記憶の個数が始動記憶表示器6の点灯により遊技者に報知される。始動記憶がある場合には、可変表示の停止後に、再びその始動記憶に基づいた可変表示が開始される。始動記憶の上限は、4個に定められている。
【0017】
遊技領域3には、通過口13が設けられており、打玉がこの通過口13を通過すると、その旨が通過玉検出器30により検出されて、可変始動口装置14に設けられた可変表示器17における図柄(以下、可変表示器17に表示される図柄を普通図柄という)の可変表示が開始される。そして、その可変停止結果が予め定められた図柄になれば、可変始動口装置14の左右の可動片16が開成して、打玉が始動口15に入賞しやすい状態となる。可変表示器17の可変表示が行なわれている最中に打玉が通過口13を通過すれば、その通過数が通過記憶表示器18に表示される。この通過玉の記憶の上限は4個に定められている。また、打玉が通過口13を通過することを、特に普通図柄の始動通過と呼び、通過記憶表示器18に表示される通過玉の記憶を特に普通図柄の始動通過記憶と呼ぶ。
【0018】
始動記憶表示器6に表示される始動入賞記憶数が上限値に達している場合には、それ以上始動入賞が発生しても、その入賞は記憶されずに無効となる。同様に通過記憶表示器18に表示される通過玉記憶数(普通図柄の始動通過記憶数)が上限値に至っている場合に発生する普通図柄の始動通過は記憶されることなく無効となる。そのため、それらの始動入賞または普通図柄の始動通過に基づいた特別図柄または普通図柄の可変表示は行なわれない。始動入賞記憶数が上限値に至っている状態において発生した始動入賞を特に無効始動入賞と呼び、始動入賞した打玉を無効始動入賞玉と呼ぶ。これに対して、始動入賞記憶数が上限値に達していない状態において発生した始動入賞を特に有効始動入賞と呼び、始動入賞した打玉を特に有効始動入賞玉と呼ぶ。
【0019】
可変表示装置4の左右にはワープ入口と名付けられた、打玉を案内する通路8が設けられている。このワープ入口8に進入した打玉は、始動入賞口10の上方に設けられたワープ出口9まで案内されて、再度遊技領域3内に放出されて落下する。可変入賞球装置11の左右には、入賞口21が設けられている。その他、遊技領域3には風車19が設けられている。
【0020】
発射された打玉が、いずれの入賞口にも入賞しなかった場合には、アウト口25に進入して、打玉が回収される。
【0021】
図2は、図1の遊技盤1を有するパチンコ遊技機34とカードユニット35とを示す全体正面図である。カードユニット35には、カード利用可表示ランプ47が設けられており、このカード利用可表示ランプ47が点灯または点滅しているときにのみこのカードユニット35が使用可能な状態となっている。このカードユニット35は、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機34の間に挿入された状態で設置されており、左右どちらの遊技機に接続されているかが連結台方向表示器49により表示される。そして、遊技者が共通カードをカード挿入口50から挿入する。すると、その共通カードに記録されているカード残高が読取られる。そして、遊技者が貸玉操作を行なうことにより、予め定められた入力設定されている貸出単位額分が残高より減額されるとともに、その貸出単位額分の貸玉が上皿39内に貸出される。なお、共通カードとは、共通カードシステムに加盟している遊技場であれば全国ごとの遊技場であっても共通して使用できる遊技機専用のプリペイドカードのことである。
【0022】
カードユニット35には端数スイッチ48が設けられており、この端数表示スイッチ48を押圧操作することにより、たとえばカード残高、カード挿入前の残高、エラーが発生した場合のエラーコードなどの情報を遊技機の情報表示器(図示省略)に表示可能である。図中51はカードユニット錠であり、このカードユニット錠51に所定のキーを挿入して解錠操作することにより、カードユニット35の前面側を開成できるように構成されている。パチンコ遊技機34には、その開閉が自在であるガラス枠37が設けられており、このガラス枠37に設けられたガラス板からは遊技領域3が視認可能となっている。遊技者が打球操作ハンドル44を回動操作することにより、上皿39内に貯留されている打玉が1つずつ遊技領域3内に打込まれる。
【0023】
遊技領域3の上部の左右には、ステレオ音の効果音を発生するためのスピーカ36が設けられている。
【0024】
上皿39の下方には、上皿玉抜レバー40を操作することにより上皿39から排出される打玉を貯留しておくための下皿41が設けられており、下皿41に貯留された打玉は下皿玉抜レバー42を操作することにより排出できる。なお、図中38は前面枠を開閉できないようにするための鍵であり、43は遊技者が使用する灰皿である。また、遊技領域3を囲むようにして枠ランプ45が設けられている。46はLEDにより構成されるランプであり、大当りが発生したときなどに点滅または点灯して遊技効果を高めるのに使用される。
【0025】
次に、パチンコ遊技機34の遊技上の特徴点についてさらに詳細に説明する。可変表示装置4の可変表示部で可変表示される特別図柄が所定の組合せで停止表示されたとき、大当りが発生するが、大当りとなる特別図柄の組合せの中には高確率(確率変動)状態を発生させる特別の組合せが含まれている。この組合せを特に確率変動図柄の組合せと呼ぶ。遊技が高確率状態にある場合には、通常状態に比べて大当りが発生する確率が高く調整されている。また、可変表示器17における普通図柄の可変表示結果が当りとなる確率も高く調整されている。
【0026】
本実施の形態に示すパチンコ遊技機34では、確率変動図柄の組合せに基づいて大当りが発生して、所定回数の繰返し継続制御がすべて終了した後に1回目の確率変動が生じ、さらに、その後大当りが発生して、所定回数の繰返し継続制御がすべて終了した後に2回目の確率変動が生じる。1回目または2回目の確率変動時に発生した大当りが確率変動図柄の組合せによるものである場合には、その大当り以降、改めて1回目、2回目の確率変動が生じる。すなわち、確率変動図柄の組合せにより大当りとなった場合には、その大当り以降、少なくとも大当りが2回発生するまでの間、繰返し継続制御が行なわれていない遊技者にとって不利な第2の状態において高確率状態となる。2回目の確率変動が発生しているときまでに大当りとなった図柄の組合せが確率変動図柄の組合せでなかった場合、大当りに伴う繰返し継続制御終了後、確率変動の生じていない状態に戻る。
【0027】
また、このパチンコ遊技機34では前述した2回目の高確率状態中に大当りが発生して、所定の繰返し継続制御が終了して確率の変動していない状態に戻った際、普通図柄表示器17における普通図柄の変動時間(可変表示時間)を短縮する制御(以下、変動時間短縮制御)が行なわれる。変動時間短縮制御は、前述した大当り状態の終了後、可変表示装置が60回の可変表示をするまで継続される。このような変動時間短縮制御が行なわれると、可動片16が頻繁に開くため、大当りが発生する確率は向上していなくとも短時間で大当りが発生しやすくなり、遊技者に有利な状態となる。このように、大当りが発生する確率を直接向上させることなく、短期間のうちに大当りが発生しやすくなるように調整された遊技状態を特に普電開放向上状態と呼ぶ。さらに、普電開放向上状態でも高確率状態でもなく、また大当り状態(特定遊技状態)でもない状態を特に通常状態と呼ぶ。
【0028】
普通図柄の変動時間(可変表示時間)は通常状態においては30秒、変動時間短縮制御がなされる普電開放向上状態においては5秒になる。
【0029】
なお、パチンコ遊技機34では、大当りが発生する確率を直接向上させることなく、短期間のうちに大当りが発生しやすくなるように調整された普電開放向上状態を構成するのに変動時間短縮制御が行なわれるように構成したが、その他の手段を用いることも可能である。たとえば、可変始動口装置14への始動入賞を容易にするために、普通図柄の可変停止結果に基づいて開成する可動片16の開成時間が長くなるように制御する開成時間延長制御がなされるように構成したり、あるいは、可動片16の開成回数が多く(たとえば通常状態は1回に対して普電開放向上状態は2回となるようにする)なるように制御する開成回数増加制御がなされるように構成したりすることが考えられる。あるいは、変動時間短縮制御と開成時間延長制御と開成回数増加制御とを組合せて普電開放向上状態を構成してもよい。
【0030】
さらに本実施の形態に示すパチンコ遊技機34において大当りとなる特別図柄の組合せを構成する図柄の中に、「ラッキーナンバー」と呼ばれる特定の図柄が含まれている。通常、大当りが発生することにより獲得した賞球は、一旦景品などに交換しなければならず、したがってその賞球を直接遊技に使用することはできない。しかしながら、ラッキーナンバーで大当りが発生した場合には、獲得した賞球を直接遊技に使用することが可能となる。このようなラッキーナンバーで大当りが発生して特定遊技状態に移行することを特にラッキースタートと呼ぶ。
【0031】
図3は、図1および図2に示したパチンコ遊技機34とカードユニット35の背面図である。
【0032】
カードユニット35内には、カード処理器制御部(図示省略)とカードリーダライタ制御部(図示省略)とユニットボックス制御部(図示省略)とが設けられている。カード処理器制御部とインタフェース基板59とは電気的に接続されており、カード処理器制御部とインタフェース基板59とが互いに情報の送受信ができるように構成されている。また、このインタフェース基板59と払出し制御基板ボックス58内に収納されている払出し制御基板とが電気的に接続されている。さらに、インタフェース基板59と中継基板61とが電気的に接続されており、中継基板61と、遊技制御基板ボックス54内に収納されている遊技制御基板54a、および賞球払出しユニット53が、それぞれ電気的に接続されている。
【0033】
さらに、上皿39(図2参照)に設けられている各種表示器や各種操作ボタンのスイッチがインタフェース基板59に接続されている。
【0034】
カードユニット35において、所定の貸玉額が入力設定されれば、設定された貸玉額がカード処理器制御部に記憶される。遊技者は共通カードをカード挿入口50に挿入して玉貸動作を行なえば、玉貸額分の打玉が上皿39内に供給されるとともに、挿入されている共通カードから所定の単位額が玉貸額に相当するまで繰返し減額される。この単位額分の減額による単位額売上信号が遊技場のホストコンピュータである管理装置80(図17参照)に送信されるとともに、遊技場に設置されているターミナルボックスを介してカード発行会社に送信される。また、ユニットボックス制御部にカードユニット35の番号であるユニット番号が設定され、その設定番号が管理装置80に送信されるとともに、ターミナルボックスを介してカード発行会社に送信される。なお、カードリーダライタ制御部はカード挿入口50から挿入された共通カードの記録データを読取ったり書換えたりするための制御部である。
【0035】
賞球払出しユニット53には、払出しモータ(図示省略)が設けられており、玉誘導レール57bから供給されてきた打玉がこの払出しモータの回転力により横送りされ、その横送りされた打玉が1つずつ下方に落下して、上皿39内に払出される。玉誘導レール57bは、玉タンク57a内の貯留玉を2列に整列させながら流下させるものであり、その2列の流下経路にそれぞれタンク玉切れスイッチ(図示省略)とレール玉切れスイッチ(図示省略)とが設けられており、玉タンク57a内の貯留玉がなくなったこと、および玉誘導レール57b上の流下玉がなくなったことが検出され、その検出信号が払出し制御基板ボックス58内の払出し制御基板に入力される。
【0036】
遊技球貯留タンク57には、遊技機設置島から補給玉が補給装置(図示省略)を介して補給される。この遊技球貯留タンク57aに供給される補給玉が補給装置内の補給玉検出器により検出されるのであり、所定個数(たとえば10個)の補給玉が供給されたことを検出して1パルスの検出信号がこの補給玉検出器から出力される。カードユニット35からの玉貸要求信号を受けて遊技球貯留タンク57a内の補給玉を上皿39内に払出すのではなく、遊技者が玉貸器から購入してきた打玉を上皿39内に投入して遊技を行なう従来の一般的なパチンコ遊技機の場合には、前記補給装置から出力される出力信号が管理装置80に送信され、管理装置80ではその送信されてきた検出信号に基づいて遊技場にとって不利益となる不利益球数を検出する。ところが、本実施の形態のように、カードユニット35からの玉貸要求信号に基づいて遊技球貯留タンク57a内の貯留玉の一部を上皿39内に払出す方式のパチンコ遊技機においては、その遊技場にとって何ら不利益球数とはならない貸玉が遊技球貯留タンク57aに供給されることになり、その供給された貸玉が補給玉貸検出器により検出されて不利益球数情報として管理装置80に入力されてしまう結果、管理装置80で正確な不利益球数を検出できないという不都合が生じる。そこで、パチンコ遊技機34においては、打玉の入賞に基づいて払出される景品玉が所定個数(たとえば10個)に達する前に払出し制御基板から所定のパルス信号を出力してその所定のパルス信号が情報出力端子62から管理装置80に伝送されるように構成されている。このように構成することにより、打玉の貸出については何ら不利益球数情報としてのパルス信号が管理装置80に出力されることなく、入賞に伴う景品玉の払出しに関してのみパルス信号が管理装置80に送信され、管理装置80では正確な不利益球数情報を集計できる。
【0037】
遊技制御基板ボックス54内に構成されている遊技制御基板54aは、可変表示装置4(図1参照)の可変表示部5を構成する画像表示装置55、および中継基板61の情報中継端子82と配線により接続されている。遊技制御基板ボックス54の背面右側には、キースイッチ65が設けられている。このキースイッチ65は、可変表示装置4の可変停止時の表示結果が特定の識別情報の組合せとなる確率、すなわち大当りが発生する確率を可変設定するものであり、ノーマル位置,設定位置,確認位置の3つの位置に切換操作ができる。このキースイッチ65に所定の鍵を挿入して切換操作することにより確率が変更できるのであり、この切換操作回数に応じて、3段階に大当り確率を切換設定することができる。なお、キースイッチ65に代えて、たとえばスライドスイッチ,押釦スイッチ,スナップスイッチ,プッシュプルスイッチ,ロータリスイッチ,デジタルスイッチなどであってもよい。
【0038】
図中60は打球ユニットであり、遊技者が打球操作ハンドル44を操作することにより作動して、上皿39内の打玉を1つずつ遊技領域3内に発射するためのものである。また、電源基板52にはパチンコ遊技機34の電源スイッチ56が設けられている。この電源スイッチ56を操作することにより電源を一旦切った後再投入することができ、電源の立上げに伴い遊技制御基板54aの遊技制御マイクロコンピュータをリセットすることができる。
【0039】
中継基板61の情報中継端子83には、払出し制御基板,カード処理器制御部とがそれぞれ配線により接続されている。遊技制御基板54aから情報中継端子82には、後述する大当り情報や確率変動情報、有効始動情報、普通図柄の変動時間が短縮制御されているか否か、または、可動片16の開成時間延長制御がなされているか否かを示す普電開放向上状態情報などの遊技制御に関連する各種遊技情報が伝送される。払出し制御基板から情報中継端子83には補給情報や玉貸情報、あるいはエラーコード情報などが入力される。カード処理器制御部から情報中継端子83には、カード額面情報やユニットナンバー情報、あるいはエラーコード情報などが入力される。情報中継端子82,83に入力された情報は情報出力端子62を介して遊技機外部へ出力されて、管理装置80に送信される。ただし、大当り情報、確率変動情報、普電開放向上状態情報は出力態様切換スイッチ78の操作により決定される合成態様に従って合成が行なわれて、合成された情報が情報出力端子63,64より外部へ出力される。
【0040】
次に、パチンコ遊技機34の遊技制御基板54aに用いられる制御回路について説明する。図4および図5は、遊技制御基板54aの制御回路の構成を示すブロック図である。
【0041】
図4および図5を参照して、制御回路は、基本回路66、入力回路67、LED回路68、ソレノイド回路69、アドレスデコード回路70、定期リセット回路71、初期リセット回路72、情報出力回路73、電飾信号回路74、CRT回路75、ランプ回路76、電源回路77を含む。
【0042】
基本回路66は、制御用プログラムに従ってパチンコ遊技機の各種機器を制御する。基本回路66の内部には、制御用プログラムなどを記憶しているROMと、その制御用プログラムに従って制御動作を行なうためのCPUと、CPUのワーク用メモリとして機能するRAMと、I/Oポートと、クロック発生回路とが設けられている。なお、基本回路66の内部構成については図示を省略する。
【0043】
入力回路67は、始動口10に入賞した打玉を検出するための始動玉検出器26と、大入賞口の特定領域に入賞した打玉を検出するための特定玉検出器27と、可変入賞球装置11の大入賞口に入賞した打玉を検出するための入賞玉検出器28と、可変始動口装置14に入賞した打玉を検出するための始動玉検出器29と、通過口13を通過した打玉を検出するための通過玉検出器30とを接続される。入力回路67は、各検出器から出力される検出信号を基本回路66へ送信する。LED回路68には、個数表示器24の個数表示LED、始動記憶表示器6のLED、可変表示器17の普通図柄を表示するためのLED、通過記憶表示器18のLEDと接続される。LED回路68は、基本回路66から出力される制御信号に応じて、上記各LEDの点灯状態を制御する。
【0044】
ソレノイド回路69は、可変入賞球装置11の開閉板12を駆動するためのソレノイド74、および可変始動口装置14の可動片16を駆動するためのソレノイド75を制御するための回路である。ソレノイド回路69は、基本回路66から出力される制御信号に応答して、所定のタイミングでソレノイド74およびソレノイド75を作動させる。なお、ソレノイド74の作動タイミングに合わせて、LED回路68に設けられている飾りLED33が点灯する。また、ソレノイド75の動作に合せて、LED回路68に設けられているランプ(LED)31,32が点滅する。
【0045】
アドレスデコード回路70は、基本回路66から送られてきたアドレス信号をデコードし、基本回路46の内部に含まれるROM、RAM、I/Oポートなどのいずれか1つを選択するための信号を出力する回路である。
【0046】
定期リセット回路71は、基本回路66に対し、定期的(たとえば2msecごと)にリセットパルスを与え、所定のゲーム制御用プログラムを先頭から繰返し実行させるための回路である。
【0047】
初期リセット回路72は、電源投入時に基本回路66をリセットするための回路である。初期リセット回路72から送られてきた初期リセットパルスに応答して、基本回路66はパチンコ遊技機を初期化する。
【0048】
情報出力回路73は、基本回路66から与えられるデータ信号に基づいて、各種遊技情報を中継基板61に出力するための回路である。遊技情報には、大当りの発生を示すための大当り情報、確率変動状態の発生を示すための確率変動情報、始動口10または15に入賞した打玉のうち、可変表示装置4の可変表示を有効に行なわせる始動入賞に関する有効始動情報、前述した普電開放向上状態の発生を示すための普電開放向上状態情報などが含まれる。
【0049】
電飾信号回路74は、遊技機に設けられた複数種類の電飾(図示省略)の点灯状態を制御する電飾用基板(図示省略)へランプ制御データD0〜D3を送信する。ランプ制御データD0〜D3は、電飾の点灯状態を制御するためのデータであり、大当り時、あるいは高確率状態などにおける電飾の点灯状態を指定する。なお、ランプ制御データコモンは共通線信号である。
【0050】
CRT回路75は、基本回路66から出力される制御信号に従って、可変表示装置4に含まれる画像表示装置(CRT表示器)55を駆動制御するための回路である。CRT回路75からCRT表示器55に送信される信号の中には、コマンド信号としてのCD0〜CD7と、初期化信号であるINTとが含まれる。さらに、CRT回路75とCRT表示器55とを接続する信号線には、電源供給のための+5V線と、+12V線と、グランド信号線であるGND線とがある。
【0051】
ランプ回路76は、枠ランプ45、LED46と接続される。ランプ回路76は、基本回路66から出力される制御信号に応じて、上記各ランプの点灯状態を制御する。
【0052】
電源回路77は、AC24Vの交流電源に接続され、+30V、+21V、+12V、+5Vの複数種類の直流電圧を各回路に供給するための回路である。なお、電源回路77から発生される+30Vの直流電圧は画像表示装置(CRT表示器)55へ出力される。
【0053】
図6は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機34に用いられるランダムカウンタの種類とその内容を示す説明図である。ランダムカウンタとは、可変表示装置4の特別図柄の変動表示制御に用いられる乱数をカウントするカウンタである。本実施の形態では、WC RND1,WC RND L,WC RND C,WC RND R,WC RND RCHの5種類のランダムカウンタが用いられる。これらのランダムカウンタの値がパチンコ遊技中の所定のタイミングで読出され、その値に基づいて可変表示装置4の変動表示動作が制御される。ランダムカウンタのカウント値の読出処理は、基本回路66の内部に設けられたCPUが制御用ROMの制御プログラムに従って実行する。
【0054】
WC RND1は、可変表示装置4における特別図柄の変動表示の結果、大当りを発生させるか否かを事前に決定するための大当り決定用ランダムカウンタである。WC RND1は、確率設定スイッチ65(図3参照)の設定操作により決定される、設定1〜設定3の3種類のカウンタ値範囲を有する。設定1では、0〜293の範囲で、カウンタ値が0.002秒ごとに1つずつカウントアップされる。そして、その上限までカウントアップされると、再度0からカウントをし直すように構成されている。なお、0.002秒とは、基本回路66において、定期リセット回路71から出力された定期リセット信号に応答して制御用プログラムが繰返し実行される間隔である。設定2の場合には、0〜377の範囲でカウンタ値が設定1と同様にカウントアップされる。設定3では、0〜407の範囲でカウンタ値が設定1と同様にカウントアップされる。
【0055】
WC RND L、WC RND C、WC RND Rは、可変表示装置4の特別図柄の変動表示の結果、大当り以外とすることが事前に決定された場合に左側、中央、右側の図柄表示領域のそれぞれにおいて停止表示させる特別図柄の種類を決定するためのランダムカウンタである。WC RND Lのカウント範囲は、0〜12である。また、WC RND Cのカウント範囲は0〜15である。また、WC RND Rのカウント範囲は、0〜12である。WC RNDLのカウンタ値は0.002秒ごとに1つずつカウントアップされる。WCRND Cのカウンタ値は0.002秒ごとに1つずつカウントアップされるとともに、基本回路66の割込処理動作の余り時間を利用してカウントアップされる。WC RND Rのカウンタ値はWC RND Cの桁上げのとき1つずつカウントアップされる。WC RND RCHは、複数のリーチ動作の中から所定のリーチ動作を指定するためのリーチ動作指定数を決定するためのランダムカウンタである。ここで「リーチ」とは、可変表示装置4の可変表示部5において、当り図柄が2個揃って停止表示され、さらに、あと1個の当り図柄が停止表示されれば大当りが発生する状態を言う。このWC RND RCHにより決定されるリーチの種類の中には、最終的に大当たりの組合せとなる場合の手順も含まれている。WC RND RCHのカウンタ値は、0.002秒ごとに1つずつカウントアップされるとともに、基本回路66の割込処理動作の余り時間を利用して1つずつカウントアップされる。
【0056】
図7ないし図9は、ランダムカウンタWC RND1の値により大当りを発生させるか否かを事前に決定するための制御手順を示すフローチャートである。同図を参照して、可変表示装置4における特別図柄の変動表示の結果を大当りとするかまたは大当り以外とするかを決定し、さらに、可変表示部5に停止表示される左図柄、中図柄、右図柄の種類を決定するための手順について説明する。
【0057】
図7は、前述した大当り発生確率が設定1に設定されている場合のフローチャートである。WC RND1の値が「7」であれば大当りとなり、「7」以外であれば大当り以外となる。なお、高確率状態においては、WC RND1が「7」,「11」,「79」のうち、いずれかであれば大当りとなり、これらの値以外であれば大当り以外となる。大当りとすることが決定された場合には、引続いてWC RND Lの値を判定することにより、大当りを発生させるための特別図柄の種類を決定する。
【0058】
一方、大当り以外とすることが決定された場合は、引続いて、WC RNDL,WC RND C,WC RND Rの各値を判定することにより、停止表示させる左図柄,中図柄,右図柄の種類がそれぞれ決定される。なお、大当り以外とする場合に、決定された停止図柄の組合せが、偶然、大当りとなる組合せとなる場合は、WC RND Cの値から「1」を減算し、強制的に外れ図柄の組合せで停止表示するように調整する。
【0059】
図8は、大当り発生確率が設定2に設定されている場合のフローチャートである。設定2の場合には、設定1と同様にWC RND1の値が「7」であれば大当りとし、「7」以外であれば大当り以外とすることが事前に決定される。なお、高確率状態においては設定1と異なり、「7」,「11」,「79」,「307」,「311」,「331」,「373」のうち、いずれかの値であれば大当りとし、これらの値以外であれば大当り以外とすることが事前に決定される。大当りとするか大当り以外とするかが決定された後、停止図柄の表示選択制御方法については、図7の設定1で述べた内容と同様であるので省略する。
【0060】
図9は、大当り発生確率が設定3に設定されている場合のフローチャートである。設定3においては、設定1と同様にWC RND1の値が、「7」であれば大当りとし、「7」以外であれば大当り以外とすることが事前に決定される。なお、確率変動状態においては、設定1と異なりWC RND1の値が、「7」,「11」,「79」,「307」,「311」,「331」,「373」,「401」のうち、いずれかの値であれば大当りとし、これらの値以外の値であれば大当り以外とすることが事前に決定される。大当りとするか大当り以外とするかが事前に決定された後、停止図柄の表示選択制御方法については、図7の設定1で述べた内容と同様であるので省略する。
【0061】
以上より、大当りが発生する確率は通常状態において設定1では、1/294に設定されており、設定2では1/378に設定されており、設定3では1/408に設定されている。一方、高確率状態において大当りが発生する確率は、設定1では3/294に設定されており、設定2では7/378に設定されており、設定3では8/408に設定されている。
【0062】
図10は、高確率状態の発生動作を説明するための作用説明図である。ここで図10に示す条件装置とは、基本回路66内のROMに記憶されている制御プログラムにより構成されたものであり、特定遊技状態(大当り状態)となれば停止状態から作動状態に切換わり、その大当り制御が終了するまで作動状態を維持する。そして、この特別遊技状態の発生時における可変表示装置4の表示結果が特別図柄の組合せとなっていれば、以降の大当りが発生する確率が向上する高確率状態に制御される。そして、高確率状態において大当りが発生すれば、再度大当り制御が開始されて条件装置が作動状態となる。2回目の大当りの発生時点における可変表示装置4の表示結果が、大当りとなる特別図柄の組合せであるが確率変動図柄の組合せでない場合には、その2回目の大当り制御が終了したとしても高確率状態にはならない。図10においては、特別図柄の組合せが「1」,「3」,「5」,「7」,「9」のうちいずれかのぞろ目であれば高確率状態となる確率変動図柄の組合せであることが示されている。そして、確率変動図柄の組合せにより大当りが発生したことに基づいて1回目、2回目の高確率状態が発生している。
図11は、可変表示装置4に表示される特別図柄を示す図である。可変表示装置4の可変表示部5の左側に表示される左図柄と中央に表示される中図柄と右側に表示される右図柄それぞれの図柄が示されている。そして、図12の左側に示された数字は、図柄ポジションを表わす番号であり、中図柄を構成する図柄には、それぞれ00から15までの番号が割振られている。中図柄は「1」〜「9」の数字図柄と、「A」〜「G」のアルファベット図柄より構成されている。一方、左図柄,右図柄を構成する図柄は、00から12までの図柄ポジションに対して、順に「1」〜「9」の数字図柄と、「A」〜「D」のアルファベット図柄より構成されている。これらの図柄が可変表示部5において変動表示され、その変動表示の結果、左図柄、中図柄、右図柄がすべて同一の図柄で停止すれば大当りが発生する。
【0063】
図12ないし図16は、中継基板61の情報出力端子63,64より外部出力される遊技情報の出力例を示す図である。本実施の形態に示すパチンコ遊技機34の中継基板61には、遊技制御基板62aから伝送される大当り情報,確率変動情報,普電開放向上状態情報を選択的に合成可能な出力合成回路81(図17参照)が設けられている。すなわち、図12ないし図16の出力例は、出力合成回路81により合成される前述の3種類の遊技情報の出力例である。
【0064】
これら3種類の遊技情報は、特にパチンコ遊技機の管理データの算出を行なう上で重要な情報となっている。パチンコ遊技機の管理データとして、たとえば「ベース」と「有効始動回数」が挙げられる。「ベース」とは、百発の打込玉に対して平均して払出された賞球数であり、「有効始動回数」とは、遊技機稼働中に可変表示が行なわれた回数である。そして、これらのデータをもとに遊技盤面上の釘調整などが行なわれる。しかしながら、普通図柄の当り確率が向上しており、可動片16が開成しやすい高確率状態や可変入賞球装置が開いて多量の入賞球が払出し可能となる特定遊技状態、あるいは始動入賞が容易となるように調整される普電開放向上状態において払出された賞球数が「ベース」に含まれていたり、「有効始動回数」のデータに含まれていたりすると、釘調整を行なうのにあたり、適当な参考データとならない恐れがある。なぜなら、通常状態における打玉の流れを調整するために釘調整が行なわれる場合があるからである。したがって、通常状態以外の遊技状態を除いた「ベース」あるいは「有効始動回数」の算出が必要となるのであり、このために前記3種類の遊技情報は必要不可欠なものである。
【0065】
出力合成回路81に入力されるこれらの3種類の遊技情報は、出力合成回路により選択的に合成されて2出力の情報として、それぞれ情報出力端子63,64より外部出力される。これにより、3種類の情報を2つの出力端子で遊技機外部の管理装置などに送信することができる。なお、管理装置との接続については、図17および図18を用いて後述する。
【0066】
図12は、確率変動情報と普電開放向上状態情報とが合成された確変普電開放情報と、大当り情報との出力例を示す図である。図を参照して、可変表示装置4において確率変動図柄の組合せ以外の図柄の組合せである、通常図柄により大当りが発生することに伴い、大当り情報がオフからオンとなり、大当りが発生した旨を示す情報が遊技機外部のホール用管理コンピュータなどの管理装置へ出力される。また大当りが発生したことに伴い遊技状態が特定遊技状態となる。そして所定の繰返し継続制御が終了して遊技状態が特定遊技状態から通常状態に戻るタイミングに合わせて、大当り情報がオンからオフになり、繰返し継続制御が終了した旨が管理装置に通知される。なお、大当りを発生させた図柄の組合せは確率変動図柄の組合せではないので、繰返し継続制御が終了しても高確率状態にはならない。
【0067】
次に、大当りが確率変動図柄の組合せにより発生した場合には、大当りに伴う所定の繰返し継続制御が終了した後、高確率状態となるとともに確率変動情報がオフからオンになる。そして、1回目,2回目の大当りが発生するのに伴って、確率変動情報がオンからオフとなり、一方、大当り情報がオフからオンとなる。このように、図12に示した確率変動情報は大当りが発生して特定遊技状態となっている間は出力されずオフの状態となっている。
【0068】
確率変動が生じてから1回目,2回目の大当りが通常図柄で発生して、2回目の大当りに伴う繰返し継続制御が終了した後、普通図柄の変動時間短縮制御がなされる普電開放向上状態となるとともに、その旨を示す普電開放向上状態情報がオフからオンとなる。なお、前述したように普電開放向上状態は変動時間短縮制御以外で構成してもよく、図において「時間」,「開放時間」,「回数向上」とあるのは、それぞれ前述した変動時間短縮制御、開閉時間延長制御、開成回数増加制御を表わす。そして、このうち、いずれの制御方法で普電開放向上状態が構成されてもよく、その構成に応じて普電開放向上状態情報が出力されることを意味する。普電開放向上状態情報は普電開放向上状態が終了するのに合わせてオンからオフとなる。
【0069】
図13は、大当り情報と普電開放向上状態情報とが合成された大当り普電開放向上状態情報と、確率変動情報との出力例を示す図である。前述した図12の出力例と比較して図13の出力例では、大当り情報と普電開放向上状態情報とが合成されているので、2回目の高確率状態に大当りが発生してから、その大当りが終了して、さらに第2遊技状態が通常状態となるまで大当り普電開放向上状態情報が継続してオンの状態となっている。なお、確率変動情報は図13と同じく、高確率状態時のみオンとなっている。
【0070】
図14は、図12と同様に確率変動情報と普電開放向上状態情報とが合成された確変普電開放向上状態情報と、大当り情報との出力例を示す図である。図14の出力例は図12の出力例と異なり、確率変動情報は確率変動図柄の組合せによる大当りが発生してから2回の大当りが終了するまで継続してオンの状態で出力されている。したがって、確変普電開放向上状態情報は、確率変動図柄の組合せによる大当りが発生してから普電開放向上状態が終了するまで継続してオンとなっている。
【0071】
図15は、大当り情報と普電開放向上状態情報とが合成された大当り普電開放向上状態情報と、確率変動情報との出力例を示す図である。図15の出力例に示す確率変動情報は図13の出力例に示した確率変動情報と異なり、確率変動図柄の組合せによる大当りが発生してから2回の大当りが終了するまで継続してオンとなっている。なお、大当り普電開放向上状態情報の出力波形は図13と同様である。
【0072】
図16は、大当り情報および確率変動情報および普電開放向上状態情報が合成された大当り確変普電開放向上状態情報と、大当り情報により構成される出力例を示す図である。図16に示す大当り確変普電開放向上状態情報は、通常状態以外の遊技状態(特定遊技状態,普電開放向上状態,高確率状態)においては、その出力が常にオンとなっている。したがって、出力がオフの期間は、遊技状態が通常状態にあることがわかる。そこで、管理装置側では、この情報1つが入力されることで遊技状態が通常状態にあるか否かを判断することができる。これにより、この種の情報を入力することのできる端子が1つしかない管理装置においても、通常状態の判断が可能となる。
【0073】
図17は、中継基板61と遊技制御基板54a、および管理装置80との接続を示すブロック図である。遊技制御基板54aから出力される各種遊技情報は中継基板61の情報中継端子82に入力される。遊技情報として、たとえば有効始動情報、大当り情報、確率変動情報、普電開放向上状態情報が図に示されている。遊技制御基板54aから出力される各種遊技情報のうち、大当り情報、確率変動情報、普電開放向上状態情報は出力合成回路81に入力される。一方、これらの情報以外の遊技情報は情報出力端子62を介して管理装置80に入力される。
【0074】
出力合成回路81に入力された遊技情報は出力態様切換スイッチ78の選択操作により定められる合成態様に応じて合成される。この合成は、それぞれ出力態様切換スイッチ78のダイヤル位置「1」〜「5」に合わせて図12ないし図16に示した出力例のように行なわれる。合成が行なわれた後、情報出力端子63,64から管理装置80へ出力される。
【0075】
従来のパチンコ遊技機に、普電開放向上状態情報を外部出力可能なものは見られなかった。したがって、管理装置には従来より入力されていた遊技情報に加えて、普電開放向上状態情報を入力するための余剰端子がない場合が多い。そこで、本発明に係るパチンコ遊技機34では、普電開放向上状態情報を新たに出力し得るとともに、従来の管理装置でこの情報をも受信することが可能となるように、大当り情報、確率変動情報、普電開放向上状態情報を合成して出力端子2つから外部出力可能となるように構成したのである。これにより、従来の管理装置に新たな端子を設けることなく普電開放向上状態情報をも入力させることが可能となった。情報出力端子63および64から管理装置80に入力されたこれら3種類の情報と、情報出力端子62から管理装置80に入力された有効始動情報や打込情報、入賞球払出し情報などにより、管理装置80は通常状態におけるベースや有効始動回数を算出する。
【0076】
図18は、出力合成回路81における遊技情報合成に関するシステム例を示す図である。中継基板61に入力された確率変動情報と普電開放向上状態情報は、出力合成回路81内に構成されるOR回路に入力される。また大当り情報はOR回路に入力される信号とOR回路に入力されることなく直接管理装置80に入力される信号とに分岐する。なお、分岐した2つの大当り情報は、いずれも同一の情報内容であり、同一の信号である。OR回路では、入力された2種類の遊技情報の信号の和が演算されて、その和信号が大当り確変普電開放向上状態情報として管理装置80に送信される。すなわち、図18のシステム例により、図16に示した出力が得られる。図12ないし図15に示した出力もOR回路に入力する遊技情報を切換えることで得ることができる。図12に示す出力はOR回路に確率変動情報と普電開放向上状態情報を入力することで得られて、図13に示す出力はOR回路に大当り情報と普電開放向上状態情報とを入力することで得られて、図14に示す出力はOR回路に確率変動情報と普電開放向上状態情報を入力することで得られて、図15に示す出力はOR回路に大当り情報と普電開放向上状態情報を入力することで得られる。OR回路にどの種類の情報を入力するかを切換えて選択する選択手段は、前述の出力態様切換スイッチ78により構成されている。これにより、管理装置80の種類等により出力態様を切換えられるため、さまざまな管理装置80に最適な形で出力できる。
【0077】
【課題を解決するための手段の具体例】
以下に、以上説明した発明の実施の形態についての変形例や特徴点について説明する。
【0078】
図2に示したパチンコ遊技機34により、遊技結果に応じて遊技者に所定の有価価値を付与可能となる遊技機が構成されている。なお、パチンコ遊技機34は第1種のパチンコ遊技機であるが、本発明に係る遊技機はこれにこだわらず、第2種,第3種のパチンコ遊技機であってもよく、またはコイン遊技機やスロットマシンなどであってもよい。遊技機の遊技に関する遊技情報などを出力する遊技機であれればすべての遊技機に適用される。
【0079】
図4および図5に示した制御回路により、前記遊技機の遊技状態を制御するとともに前記遊技機の遊技に関する遊技情報を生成する遊技制御手段が構成されている。基本回路66、情報出力回路73などの各回路は図3に示す遊技制御基板ボックス54内に構成されている遊技制御基板54aに位置している。そして遊技制御基板54a内の情報出力回路73から出力された確率変動情報,普電開放向上状態情報,大当り情報などの遊技情報は図17に示す中継基板61に入力される。中継基板61内には、遊技制御基板54aから入力された大当り情報,確率変動情報,普電開放向上状態情報を合成可能な出力合成回路81が設けられている。さらに中継基板61には、出力合成回路81における遊技情報の合成態様を選択するための出力態様切換スイッチ78が設けられている。出力態様切換スイッチ78の操作により、遊技情報は図12ないし図16の出力例に示したような出力態様に合成される。そして、情報出力用端子63,64から合成された遊技情報が出力される。すなわち、出力合成回路81および出力態様切換スイッチ78により、複数種類の前記遊技情報を複数種類の出力態様に合成可能な遊技情報合成手段が構成されており、情報出力端子63,64により、前記遊技情報合成手段により合成された遊技情報を出力する遊技情報出力手段が構成されている。
【0080】
発明の実施の形態に示したパチンコ遊技機34は、打玉が始動口15あるいは始動口10に入賞することにより可変表示装置4の可変表示がなされて、その導出結果が大当りとなる図柄の組合せになることで、開閉板12が開成して多量の入賞玉が発生可能な状態となる。この場合、大当りの発生により開閉板12が開成している状態により、遊技者にとって有利な特定遊技状態が構成されている。さらに可変表示装置4において大当り図柄が導出表示されることにより、予め定められた遊技条件が構成されている。このような大当り状態の制御は、図4に示した基本回路66により行なわれている。すなわち、基本回路66により、予め定められた遊技条件が成立することにより遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技状態制御手段が構成されている。
【0081】
パチンコ遊技機34では、大当りとなる図柄の組合せが確率変動図柄の組合せであった場合には、大当りの発生する確率が向上した高確率状態となる。また、2回目の高確率状態中に大当りが発生して、所定の繰返し継続制御が終了して確率の向上していない状態に戻った際、普通図柄の変動時間短縮制御がなされる普電開放向上状態となる。普電開放向上状態においては、可動片16が頻繁に開くために始動口15に頻繁に入賞しやすくなり、可変表示装置4の可変表示動作を行なわせるための第1の遊技条件が成立しやすくなるため、結果的に大当りが発生する確率は向上していなくとも短時間で大当りが発生しやすくなる。すなわち、このような高確率状態および普電開放向上状態により、前記特定遊技状態が成立しやすい特別遊技状態が構成されている。なお、パチンコ遊技機34においては普電開放向上状態の一例として、普通図柄の変動時間が短縮される制御を示したが、これに限られるものではなく、前述した開成時間延長制御がなされてもよくまた、開成回数増加制御がなされてもよい。
【0082】
さらに、パチンコ遊技機34の遊技状態が大当り状態以外でかつ高確率状態以外でかつ普電開放向上状態以外の遊技状態により、前記特定遊技状態以外でかつ前記特別遊技状態以外の通常遊技状態が構成されている。そして、本実施の形態では、前記通常遊技状態になっている期間を特定するために、図12ないし図16に示したような遊技情報の出力がなされる。すなわち、図12ないし図16の出力例により、前記特定遊技状態以外でかつ前記特別遊技状態以外の通常遊技状態になっている期間を特定するのに必要となる特定情報が構成されている。図12ないし図16に示した出力用情報は中継基板61により生成されて、情報出力端子63,64より出力される。すなわち、中継基板61により、前記特定遊技状態以外でかつ前記特別遊技状態以外の通常遊技状態になっている期間を特定するのに必要となる特定情報を出力する情報出力手段が構成されている。
【0083】
図17に示したように、大当り情報、確率変動情報、普電開放向上状態情報を合成する出力合成回路81は、中継基板61に設けられている。また、合成態様を切換える出力態様切換スイッチ78も中継基板61に設けられている。すなわち、出力合成回路81により、前記特定情報を合成する合成手段が構成されており、出力態様切換スイッチ78により、操作により前記特定情報の合成態様を選択可能な合成態様選択操作手段が構成されている。また、遊技制御基板54aにより、遊技情報を生成する遊技情報生成手段が構成されている。しかしながら、出力合成回路81と出力態様切換スイッチ78を中継基板61に設けることなく、遊技制御基板54aに設けてもよい。なお、出力態様切換スイッチ78はスライドスイッチや押ボタンスイッチ、スナップスイッチ、プッシュプルスイッチ、ロータリースイッチ、デジタルスイッチなどであってもよい。
【0084】
図18に示したように、中継基板61からは大当り状態となっている期間を特定することができる大当り情報や高確率状態となっている期間を特定することができる確率変動情報、普電開放向上状態となっていることを特定できる普電開放向上状態情報などが出力される。すなわち、大当り情報により、前記特定遊技状態になっている期間を特定可能な特定遊技状態情報が構成されており、確率変動情報および普電開放向上状態情報により、前記特別遊技状態になっている期間を特定可能な特別遊技状態情報が構成されている。中継基板61からは、その他、可変表示装置4の可変表示が有効に行なわれるのに関連した始動入賞に関する有効始動情報や、遊技者に付与された入賞玉(景品玉)の個数を特定するのに必要となる入賞玉情報などが出力される。
【0085】
パチンコ遊技機34は、始動口10または始動口15に打玉が入賞することで可変表示装置4の可変表示がなされて、その可変表示結果が大当りとなる図柄の組合せ(たとえば、ぞろ目の図柄)となることで、大当り状態が発生する。すなわち、打玉が始動口10,15へ始動入賞することにより、前記第1の遊技条件の一例となる遊技条件が成立し、可変表示装置の可変表示結果がぞろ目の図柄となることで、前記第2の遊技条件の一例となる遊技条件が成立する。さらに、パチンコ遊技機34は可変始動口装置14の始動口15に打玉が入賞しやすい普電開放向上状態と、可変表示装置4において大当りの発生する確率が向上する高確率状態とを有している。すなわち、普電開放向上状態により、前記第1の遊技条件が成立しやすい第1特別遊技状態が構成されており、高確率状態により、前記第2の遊技条件が成立しやすい第2特別遊技状態が構成されている。さらに可変表示装置4により、遊技動作を行なう遊技装置が構成されている。
【0086】
可変表示装置4の表示導出結果が確率変動図柄の組合せとなった場合には、その後少なくとも大当りが2回発生するまで遊技状態が確率向上状態になるように繰返し制御される。図12および図13の出力例においては、遊技状態が高確率状態にあるときにのみ確率変動情報が出力されており、高確率状態の合間に発生する大当り状態においては確率変動情報は出力されていない。一方、図14および図15の出力例においては、確率変動図柄による大当りが発生してから該確率変動図柄の組合せに基づく高確率状態が終了するまで連続して確率変動情報が出力されている。すなわち、前記所定条件が成立してから前記第2特別遊技状態制御手段による繰返し制御が終了するまでの期間、前記第2特別遊技状態情報が出力される出力例は図12および図14に示されている。なお、大当りが確率変動図柄の組合せにより発生することにより、前記所定条件が構成されている。また、図14および図15に示した出力例により、遊技状態が前記第2特別遊技状態に制御されていない期間は前記第2特別遊技状態情報が出力されない旨が開示されている。
【0087】
図12ないし図16にパチンコ遊技機34から出力される大当り情報、確率変動情報、普電開放向上状態情報の出力例をそれぞれ示した。このうち、図12,図13の出力例では、確率変動情報は高確率状態時にのみオンとなるように構成されており、図14,図15の出力例では確率変動情報は確率変動図柄に基づく大当りが発生してから2回の大当り終了時まで継続してオンとなるように構成した。そして、このうちのいずれの出力態様で出力されるかは図17に示した出力態様切換スイッチ78の選択操作により決定されるように構成した。しかしながら、いずれの出力態様で出力されるかについては遊技制御基板54aにより定められるように構成してもよい。すなわち、遊技制御基板54aからの出力態様を固定とし、出力態様切換スイッチ78を設けないようにしてもよい。
【0088】
本発明に係るパチンコ遊技機34は、前記第1特別遊技状態の一例として普電開放向上状態を有し、さらに前記第2特別遊技状態の一例として高確率状態を有している。そして、普電開放向上状態は、図12ないし図16に示したように該普電開放向上状態に移行するように定められた大当り図柄で発生した大当りに伴う特定遊技状態終了後に出現するように構成されている。しかしながら、これにこだわることはなく、たとえば所定の入賞口に打玉が入賞することを機に普電開放向上状態が出現するように構成してもよい。あるいは、高確率状態を有することなく、普電開放向上状態のみを有する遊技機であってもよく、この場合には、普電開放向上状態情報と大当り情報とが中継基板61に入力されて、所望の出力態様に合成された後、管理装置などの外部装置へ出力されることになる。
【0089】
【課題を解決するための手段の具体例の効果】
請求項1記載の本発明によれば、前記遊技情報が複数種類の出力態様で出力可能であり、かつ、その出力態様は選択可能となるように構成されているので、遊技機から出力される遊技情報を受信する管理装置の受信態様に応じて遊技情報が最適の形で出力でき、これにより管理装置に遊技機の遊技状況を遠隔で正確に把握させることが可能となる。
【0090】
請求項2記載の本発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、前記遊技情報には前記特定遊技状態情報と、前記特別遊技状態情報とが含まれているので、遊技機の遊技状態が前記特別遊技状態になっている期間、および前記特別遊技状態になっている期間を管理装置に遠隔で正確に把握させることが可能となる。
請求項3記載の本発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加えて、前記特定遊技状態と前記第1特別遊技状態と前記第2特別遊技状態とのうちの少なくともいずれかの状態であることを示す情報の出力がオフの期間は、遊技状態が前記特定遊技状態以外でかつ前記特別遊技状態以外の通常遊技状態であることがわかる。
請求項4記載の本発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加えて、前記第1特別遊技状態と前記第2特別遊技状態とのうちの少なくともいずれかの状態であることを示す情報により、特別遊技状態になっている期間を特定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図2】本発明に係るパチンコ遊技機とカードユニットを示す正面図である。
【図3】パチンコ遊技機とカードユニットを示す裏面図である。
【図4】パチンコ遊技機に用いられる制御回路の構成を示す図である。
【図5】パチンコ遊技機に用いられる制御回路の構成を示す図である。
【図6】可変表示装置の可変表示制御に用いられる各種ランダムカウンタを説明する図である。
【図7】可変表示装置の可変表示制御動作を示すフローチャートである。
【図8】可変表示装置の可変表示制御動作を示すフローチャートである。
【図9】可変表示装置の可変表示制御動作を示すフローチャートである。
【図10】高確率状態の発生動作を説明するための作用説明図である。
【図11】可変表示装置に表示される停止図柄を示す図である。
【図12】パチンコ遊技機から出力される遊技情報の出力例を示す図である。
【図13】パチンコ遊技機から出力される遊技情報の出力例を示す図である。
【図14】パチンコ遊技機から出力される遊技情報の出力例を示す図である。
【図15】パチンコ遊技機から出力される遊技情報の出力例を示す図である。
【図16】パチンコ遊技機から出力される遊技情報の出力例を示す図である。
【図17】中継基板と遊技制御基板と管理装置との接続を示すブロック図である。
【図18】出力合成回路のシステム構成例を示す図である。
【符号の説明】
1は遊技盤、34はパチンコ遊技機、4は可変表示装置、5は可変表示部、10は始動口、14は可変始動口装置、13は通過口、17は可変表示器、11は可変入賞球装置、55は画像表示装置(CRT表示器)、54aは遊技制御基板、61は中継基板、62,63,64は情報出力端子、82,83は情報中継端子、78は出力態様切換スイッチ、79はOR回路、80は管理装置、81は出力合成回路である。

Claims (4)

  1. 遊技結果に応じて遊技者に所定の有価価値を付与する遊技機であって、
    前記遊技機の遊技状態を制御するとともに前記遊技機の遊技に関する遊技情報を生成する遊技制御手段と、
    複数種類の前記遊技情報を複数種類の出力態様に合成可能な遊技情報合成手段と、
    前記遊技情報合成手段により合成された遊技情報を出力する遊技情報出力手段とを有し、
    前記遊技情報合成手段は、前記出力態様を選択可能となるように構成されていることを特徴とする、遊技機。
  2. 前記遊技制御手段は、予め定められた遊技条件が成立することにより遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態にする特定遊技状態制御手段と、
    前記遊技条件が成立しやすい特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段とを含み、
    前記遊技情報には前記特定遊技状態になっている期間を特定可能な特定遊技状態情報と、
    前記特別遊技状態になっている期間を特定可能な特別遊技状態情報とが含まれることを特徴とする、請求項1記載の遊技機。
  3. 可変表示動作を行なう可変表示装置をさらに含み、
    前記特定遊技状態制御手段は、第1の遊技条件が成立したときに前記可変表示装置の可変表示動作を開始させ、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなって第2の遊技条件が成立することにより遊技状態を前記特定遊技状態にし、
    前記特別遊技状態制御手段は、前記第1の遊技条件が成立しやすい第1特別遊技状態に制御する第1特別遊技状態制御手段と、前記第2の遊技条件が成立しやすい第2特別遊技状態に制御する第2特別遊技状態制御手段とを含み、
    前記特別遊技状態情報は、前記第1特別遊技状態になっている期間を特定可能 な第1特別遊技状態情報と、前記第2特別遊技状態になっている期間を特定可能な第2特別遊技状態情報とから成り、
    前記遊技情報合成手段は、前記特定遊技状態情報と前記第1特別遊技状態情報と前記第2特別遊技状態情報とを合成して、前記特定遊技状態と前記第1特別遊技状態と前記第2特別遊技状態とのうちの少なくともいずれかの状態であることを示す情報を生成することを特徴とする、請求項2記載の遊技機。
  4. 可変表示動作を行なう可変表示装置をさらに含み、
    前記特定遊技状態制御手段は、第1の遊技条件が成立したときに前記可変表示装置の可変表示動作を開始させ、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せとなって第2の遊技条件が成立することにより遊技状態を前記特定遊技状態にし、
    前記特別遊技状態制御手段は、前記第1の遊技条件が成立しやすい第1特別遊技状態に制御する第1特別遊技状態制御手段と、前記第2の遊技条件が成立しやすい第2特別遊技状態に制御する第2特別遊技状態制御手段とを含み、
    前記特別遊技状態情報は、前記第1特別遊技状態になっている期間を特定可能な第1特別遊技状態情報と、前記第2特別遊技状態になっている期間を特定可能な第2特別遊技状態情報とから成り、
    前記遊技情報合成手段は、前記第1特別遊技状態情報と前記第2特別遊技状態情報とを合成して、前記第1特別遊技状態と前記第2特別遊技状態とのうちの少なくともいずれかの状態であることを示す情報を生成することを特徴とする、請求項2記載の遊技機。
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