JP3853146B2 - 高所作業車の作動制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自走可能な車両に起伏、伸縮作動等が可能なブームを搭載し、このブームの先端に作業台を取り付けて構成される自走式高所作業車に関し、さらに詳しくはこの自走式高所作業車におけるブームの作動や走行作動を制御する作動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような高所作業車においては、ブームを起伏、伸縮作動等させることによりブーム先端の作業台を所望高所に移動させ、作業台に搭乗した作業者により高所作業が行われる。このように高所作業を行うときに、ブームの起伏および伸縮に応じて車体に対する作業台の位置が変化し、作業台等から車体に作用する転倒方向モーメントが変化する。このため、このように変化する転倒方向モーメントが過大となって車体の安定性が損なわれることを防止するため、モーメント規制装置、作業範囲規制装置といった転倒防止装置を用いることが従来から良く知られている。
【0003】
作業範囲規制装置は、作業台の移動位置に対して発生する転倒モーメントを予め算出し、この転倒モーメントが許容モーメント(車体の安定性を損なわない範囲で許容される転倒モーメント)以内に収まるような範囲を許容作業範囲として設定しておき、実際の高所作業において作業台の移動位置を検出し、検出された作業台の位置が許容作業範囲を越えて移動するようなブームの作動等を規制するように構成される。
【0004】
このように予め許容作業範囲を設定する場合には、一般的に、作業台の積載荷重を定格荷重(すなわち、最大許容積載荷重)とした場合において発生する転倒モーメントを演算し、この演算転倒モーメントが許容モーメント以内に収まる範囲が設定される。このため、作業台の積載荷重が定格荷重より小さい状態で高所作業を行う場合には、許容作業範囲をある程度越えて作業台を移動させても転倒モーメントが許容モーメントを越えることがないのであるが、実際には許容作業範囲を超えて作業台を移動させることができない。すなわち、作業台積載荷重が小さいときには実際には許容作業範囲より広い作業範囲での作業台の移動が可能であるにも拘わらず、定格荷重で決まる狭い許容作業範囲内でしか作業台の移動を行わせることができない。
【0005】
一方、モーメント規制装置は、例えば、ブームの起伏作動を行わせる起伏シリンダの軸力を検出するとともにブームの起伏角を検出し、これら検出値からブームおよびブームに取り付けられた作業台等から車体に作用する実際の転倒モーメントを求め、このように求めた転倒モーメントが許容モーメントを越えるようなブームの作動等を規制するものである。このように起伏シリンダの軸力等に基づいて実際の転倒モーメントを求めてブームの作動規制を行う場合には、実際の作業台積載荷重に応じた転倒モーメントが求められるため、そのときの作業台積載荷重に応じて許容される最大移動範囲内での作業台の移動が可能であるという利点があり、上述した作業範囲規制装置による場合より広い作業範囲での作業が可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自走式高所作業車においては、車両を停止した状態での高所作業のみならず、車両を走行移動させながら高所作業を行うことができるように構成されることも多い。このように車両を走行移動させながら高所作業を行う場合に、走行時の振動による加振力がブームおよび作業台に作用し、検出される起伏シリンダの軸力がこの振動の影響を受けて変動する。このように変動する軸力を用いて転倒モーメントを求めたのでは転倒モーメントも変動し、正確なモーメント規制制御を行うことができないという問題がある。
【0007】
なお、このような走行時の軸力検出値の変動の影響を抑えるため、例えば、検出値にヒステリシスを持たせたり、検出間隔を長くして軸力検出を行わせたり、検出値にフィルタをかけて変動を抑えたりする手法がある。しかしながら、いずれの方法でもモーメント規制制御の精度が低下したり、制御が不安定化したりするという問題がある。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑みたもので、自走式高所作業車において停止時においても走行時においても比較的精度良く且つ安定したブーム等の作動制御(転倒防止制御)を行うことができるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、本発明に係る作動制御装置は、自走可能な車両に起伏、伸縮作動等が可能にブームを搭載し、このブームの先端に作業台を取り付けて構成される自走式高所作業車に用いられるものであり、ブームおよび作業台から車両に作用するとして算出される転倒モーメントと予め記憶設定された許容モーメントとを比較検出し、この転倒モーメントが許容モーメントを越えるようなブームの作動を規制するモーメント規制手段と、ブームの作動に基づく作業台もしくはブーム先端部の位置と作業台が移動可能な範囲として予め設定された許容作業範囲とを比較検出し、この検出位置が予め設定された許容作業範囲を超えるようなブームの作動を規制する作業範囲規制手段と、車両が走行しているか否かを検出する走行検出手段と、モーメント規制手段による規制と作業範囲規制手段による規制とを切換設定する切換手段とを備えて構成される。そして、走行検出手段により車両が停止していることが検出されている状態では、切換手段によりモーメント規制手段によるブームの作動規制に切り換えてブームの作動規制を行い、走行検出手段により車両が走行していることが検出されている状態では切換手段により作業範囲規制手段によるブームの作動規制に切り換えてブームの作動規制を行う。
【0010】
このような構成の作動制御装置を用いた高所作業車によれば、車両が停止している状態では転倒モーメントの正確な検出が可能であるため、モーメント規制手段により実際の作業台荷重に対応した最大の作業範囲(作業台の移動可能範囲)内での高所作業を行うことができる。一方、車両が走行している状態では走行振動による加振力によりモーメント検出が不正確となるため、作業範囲規制手段を用いて予め設定された許容作業範囲内での高所作業のみを可能となし、走行振動の影響を受けない安全な高所作業を確保する。これにより、走行中および停止時のいずれにおいても、確実に安全性を確保した上で許容される最大作業範囲の下での作業が可能となる。
【0011】
なお、車両が走行している状態の作業範囲規制手段によるブームの作動規制は、車両がこの走行を開始する直前において車両に作用する転倒モーメントに基づいて設定される許容作業範囲を用いて行うのが好ましい。走行開始直前において車両に作用する転倒モーメントは、車両停止時において検出される転倒モーメントで正確な検出が可能であり、且つこの転倒モーメントは実際の作業台荷重に対応したものである。このため、このように走行開始直前において検出された転倒モーメントに基づいて許容作業範囲を設定すれば、その時点で安全性を確保した上で最適な許容作業範囲が設定可能である。
【0012】
また、作業台の積載荷重を検出する荷重検出器を設け、この荷重検出器により検出された作業台の積載荷重が許容荷重を越えるときには車両の走行を規制するのが好ましい。積載荷重が許容荷重を越える状態での高所作業は安全性を低下させるおそれが高いため、このような場合には車両走行を規制し、常に安全性の高い作業のみを許容するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る作動制御装置を有した高所作業車の一例を図2に示している。この高所作業車は前後輪1a,1bを有して自走可能な走行体1の上に旋回装置2を介して水平旋回自在に配設された旋回車体3を有して構成される。旋回車体3にはブーム4が枢結されて取り付けられており、ブーム4は起伏シリンダ5により起伏作動される。ブーム4は、図示のように、基端ブーム4a、中間ブーム4bおよび先端ブーム4cを有して入れ子式に構成されており、内蔵の伸縮シリンダ(図示せず)により伸縮作動される。また、ブーム4の先端にはブームヘッド4dが取り付けられている。
【0014】
ブームヘッド4dには上下に揺動自在に支持部材7が取り付けられており、支持部材7には上方に延びる垂直ポストが一体に設けられている。この支持部材7は上部レベリングシリンダ6aによりブームヘッド4dに対して上下に揺動されるように構成されている。ブーム4と旋回台3との間には下部レベリングシリンダ6bが配設されており、下部レベリングシリンダ6bと上部レベリングシリンダ6aとの作用により、ブーム4の起伏角の如何に拘わらず垂直ポストが常に垂直上方を向くように支持部材7の揺動制御(レベリング制御)が行われる。
【0015】
支持部材7の垂直ポストに嵌合してポスト部材8が取り付けられており、ポスト部材8は垂直ポストを中心として水平回転自在となっている。このポスト部材8に平行リンク機構9を介して作業台10が取り付けられており、平行リンク機構9の作用を受けて、作業台10はある程度上下に揺動する。なお、作業台10にはここに搭乗した作業者が操作する操作レバー、スイッチ類からなる操作装置15が設けられている。
【0016】
さらに、作業台10を平行リンク機構9のみによって上下移動自在に保持した上で、この上下移動を規制するとともに作業台10の積載荷重が許容荷重を越えたか否かを検出する荷重センサ装置が設けられている。この構成について、図3を参照して説明する。
【0017】
まず、ポスト部材8に対する作業台10の支持構造を説明する。ポスト部材8には上下に間隔をおいて上下リンク支持部材8a,8bが固定されており、これらリンク支持部材8a,8bにそれぞれ上下リンク部材9a,9bの基端部が上下に揺動自在に枢結されている。これら上下リンク部材9a,9bの先端部はそれぞれ作業台10と一体に構成されて側方に突出する連結部10bに上下に揺動自在に枢結されている。このように基端部および先端部がリンク支持部材8a,8bおよび連結部10bに枢結された状態で、上下リンク部材9a,9bは上下に所定間隔をおいて平行に延びており、平行リンク機構9が構成されている。
【0018】
このため、作業台9はポスト部材8に対して平行リンク機構9の揺動作動に応じて上下に移動可能である。さらに、ポスト部材8が支持部材7に対して水平旋回することにより作業台10は支持部材7の回りを水平旋回(首振り)作動可能となっている。但し、上記平行リンク機構9による支持のみでは、作業台10の自重により平行リンク機構9は下方に揺動して作業台10は下動した状態となる。このため、作業台10から一体に延びる支持アーム10aと上リンク支持部材8aとの間に支持バネ11が配設されている。支持バネ11は上リンク支持部材8aに対して支持アーム10aを介して作業台10を上方に押し上げるように作用し、作業台10の搭載荷重が零もしくは小さいときに図2(A)に示す位置に作業台10を保持する。
【0019】
一方、作業台10の積載もしくは搭載荷重Wが増加すると、この荷重Wが支持アーム10aを介して支持バネ11に作用し、支持バネ11を圧縮変形させる。これにより、図2(B)に示すように、平行リンク機構9が揺動して作業台10が支持バネ11の圧縮変形量だけ下動する。ここで、上リンク支持部材8aには支持アーム10aに対向して過積載検出リミットスイッチ12が配設されており、支持バネ11の圧縮変形により作業台10が下動したときに支持アーム10aが過積載検出リミットスイッチ12を押してこれをオン作動させるようになっている。このように支持アーム10aが過積載検出リミットスイッチ12をオン作動させるときの作業台10の積載荷重Wが許容荷重になるように設定されており、過積載検出リミットスイッチ12のオン作動により作業台10の積載荷重が許容荷重を越えたことを検出できるようになっている。このことから分かるように、過積載検出リミットスイッチ12が作業台10の積載荷重が許容荷重を越えたことを検出する荷重センサ(荷重検出器)を構成する。なお、過積載検出リミットスイッチ12のオン、オフの関係は逆でも良い。
【0020】
以上の構成の高所作業車を用いて作業を行うときには、作業者が作業台10に搭乗し、作業台10に設けられている操作装置15を操作して、走行制御や、旋回台3の旋回、ブーム4の起伏および伸縮作動制御を行い、高所作業車を走行移動させたり、作業者が搭乗したまま作業台10を所望高所に移動させたりする。これにより作業者は所望高所での作業が可能となる。
【0021】
このような操作装置15の操作に基づき、走行制御や、ブームの作動制御等を行う作動制御装置について図1を参照して説明する。この制御装置は、旋回装置2による旋回車体3の旋回角を検出する旋回角センサ21と、ブーム4の起伏角を検出する起伏角センサ22と、ブーム4の伸張量を検出する伸張量センサ23と、起伏シリンダ5に作用する軸力を検出する軸力センサ24と、作業台10の積載荷重を検出する荷重センサ25とを有し、さらに、これら各センサからの検出信号が入力されるコントローラ20を有する。このコントローラ20には、ブーム操作装置27からのブーム操作信号と、走行操作装置28からの走行操作信号も入力される。なお、これらブーム操作装置27と走行操作装置28は上記操作装置15に含まれ、作業台10に搭乗した作業者が操作する。
【0022】
コントローラ20は、ブーム操作装置27からブーム操作信号を受けると、このブーム操作信号に応じた作動(例えば、旋回車体3の旋回作動、ブーム4の起伏および伸縮作動、作業台10の水平旋回すなわち首振り作動)を行わせるように制御バルブ群30の作動を制御する。これにより、油圧供給源35からの油圧が制御バルブ群30から対応するブームアクチュエータ(すなわち、旋回車体3の旋回作動用油圧モータ、起伏シリンダ5、ブーム伸縮シリンダ、作業台首振り作動用油圧モータ等)に作動油圧を供給し、ブーム操作信号に応じた各種作動を行わせる。これにより、作業台10を所望高所に移動させるブーム作動制御が可能である。
【0023】
コントローラ20が走行操作装置28から走行操作信号を受けると、この走行操作信号に応じた車両走行作動、すなわち、前後輪1a,1bを駆動する走行用油圧モータの駆動制御を行わせるように制御バルブ群30の作動を制御する。これにより、油圧供給源35からの油圧が制御バルブ群30から走行用油圧モータ(走行アクチュエータ)に供給され車両の走行制御が行われる。
【0024】
ここでブーム操作装置27を操作して作業者が搭乗した作業台10を所望高所に移動させて高所作業を行うときに、作業台10の移動に応じて変化する転倒モーメントが前後輪1a,1bにより安定支持可能な許容モーメント以内となるように作業台10の移動を規制する転倒防止装置がこの高所作業車に設けられている。この高所作業車においては、ブーム操作装置27によりブームの作動制御を行って作業台10を所望高所に移動させて行われる高所作業を、高所作業車が停止した状態のみならず走行させながらも可能なように構成されている。このため、コントローラ20には、車両が停止状態で用いられる転倒防止装置としてモーメント規制装置20aが設けられ、車両が走行状態で用いられる転倒防止装置として作業範囲規制装置20bが設けられている。
【0025】
モーメント規制装置20aは、起伏角センサ22からの起伏角情報と軸力センサ24からの起伏シリンダ5の軸力情報とに基づいてブーム4および作業台10から車体に作用する実転倒モーメントMrを算出する。次に、旋回角センサ21からの旋回角情報を検知し、予め旋回角に対応して設定記憶されている許容モーメントMaを読み出し、実転倒モーメントMrと許容モーメントMaとを比較する。そして、実転倒モーメントMrが許容モーメントMaを越えるようなブーム4の作動を規制する規制信号を制御バルブ群30に出力する。これにより、制御バルブ群30の作動が規制され、転倒モーメントを増加させるようなブームアクチュエータの作動(例えば、ブーム4の伸長作動、倒伏作動等)が規制され、実転倒モーメントMrが許容モーメントMaを上回って安定性が低下するような事態の発生が未然に防止される。
【0026】
作業範囲規制装置20bは、起伏角センサ22からの起伏角情報と伸張量センサ23からの伸張量情報とに基づいて作業台10の位置が求められる。作業範囲規制装置20bには、作業台10に所定荷重を搭載したときにおいて転倒モーメントが許容モーメント以下としたままで作業台10が移動可能な範囲(すなわち、許容作業範囲)が設定記憶されており、上記のようにして求められた作業台10の位置がこのように設定された許容作業範囲を超えるようなブーム4の作動を規制する規制信号を制御バルブ群30に出力する。これにより、許容作業範囲を超えて作業台10を移動させるようなブーム4の作動が規制され、安定性が低下するような事態の発生が未然に防止される。
【0027】
上記許容作業範囲は、安全性を確保するという観点から、作業台10に定格荷重(最大許容積載荷重)を搭載した状態で許容作業範囲が設定される。このため、作業台10の搭載荷重が小さいときには実際に移動可能な作業範囲より小さな作業範囲内での作業しか許容されないことになる。これに対してモーメント規制制御装置による規制では、実際の作業台積載荷重に対応してブームの作動規制が行われるため、より適切な作業範囲内での作業が可能である。しかしながら、転倒モーメントは軸力センサ24の検出値から求められるため、走行中においては走行振動等によりブーム4および作業台10の加振力が軸力センサ24に作用してその検出値が変動する。このため、転倒モーメントの検出が不正確になるという問題がある。
【0028】
このようなことから、コントローラ20においては、走行操作装置28からの走行操作信号等に基づいて高所作業車が走行中であるか停止中であるかを判断し、停止中のときにはモーメント規制装置20aによるブーム4の作動規制を行い、走行中のときには作業範囲規制装置20bによるブームの作動規制を行う。これにより、停止および走行のいずれにおいても安定性を確実に保持した上で、可能な限り広い作業範囲を設定することが可能であり、最も適切な転倒防止制御を行うことができる。このことから分かるように、走行操作信号などに基づいて高所作業車が走行中であるか停止中であるかを判断するコントローラ20の機能が請求の範囲の走行検出手段を構成する。また、この走行検出に基づいて、停止中のときにモーメント規制装置20aによるブーム作動規制を行なわせ、走行中では作業範囲規制装置20bによるブーム作動規制を行わせるコントローラ20の機能が請求の範囲の切換手段を構成する。
【0029】
なお、上記においては作業範囲規制装置20bにより設定される許容作業範囲が作業台10に定格荷重を搭載した状態で設定されるとしたが、走行開始直前の転倒モーメントに基づいて許容作業範囲を設定しても良い。転倒モーメントは作業台の実荷重に対応するものであり、これにより実際の作業台積載荷重に対応した最も適切な許容作業範囲が設定可能である。なお、走行開始直前とは、各走行時それぞれの開始直前を意味し、このため、転倒モーメント値が継続的に更新記憶されるメモリを有し、走行を開始したときに開始直前にメモリに記憶されている転倒モーメントを読み出してこれに対応する許容作業範囲が設定される。
【0030】
以上の例では、転倒モーメントを起伏シリンダ5の軸力と起伏角とから演算しているが、作業台10の積載荷重を荷重センサ25により検出し、これとブーム4の起伏角および伸張量とから転倒モーメントを算出しても良い。また、以上の例において、モーメント規制装置20aもしくは作業範囲規制装置20bによりブーム4の作動規制が行われるときには、アラーム装置29により警報作動が行われ、作業者に作動規制が行われていることを通知する。
【0031】
このように荷重センサ25は作業台10の積載荷重を検出するものであるが、図3に示した過荷重検出リミットスイッチ12により荷重センサ25を構成することもできる。上述のように、過荷重検出リミットスイッチ12は、作業台10の積載荷重が許容荷重以上となるときにオン作動されるものであり、この作動信号がコントローラ20に出力されると、制御バルブ群30に走行規制信号を出力する。これにより走行アクチュエータの作動が規制され、作業台10に許容荷重以上の荷重が作用した状態では走行が禁止され、安全性が確保される。なお、積載荷重が許容荷重以上のときには、走行を規制するだけでなく、ブーム4の作動等も規制するのが好ましい。また、このような規制が行われるときにもアラーム装置29による警報作動が行われる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、車両が停止している状態では転倒モーメントの正確な検出が可能であるため、モーメント規制手段により実際の作業台荷重に対応した最大の作業範囲(作業台の移動可能範囲)内での高所作業を行うことができる。一方、車両が走行している状態では走行振動による加振力によりモーメント検出が不正確となるため、作業範囲規制手段を用いて予め設定された許容作業範囲内での高所作業のみを可能となし、走行振動の影響を受けない安全な高所作業を確保することができる。これにより、走行中および停止時のいずれにおいても、確実に安全性を確保した上で許容される最大作業範囲の下での作業が可能となる。
【0033】
なお、車両が走行している状態の作業範囲規制手段によるブームの作動規制は、車両がこの走行を開始する直前において車両に作用する転倒モーメントに基づいて設定される許容作業範囲を用いて行うのが好ましい。走行開始直前において車両に作用する転倒モーメントは、車両停止時において検出される転倒モーメントで正確な検出が可能であり、且つこの転倒モーメントは実際の作業台荷重に対応したものであるため、このように走行開始直前において検出された転倒モーメントに基づいて許容作業範囲を設定すれば、その時点で安全性を確保した上で最適な許容作業範囲が設定可能である。
【0034】
また、作業台の積載荷重を検出する荷重検出器を設け、この荷重検出器により検出された作業台の積載荷重が許容荷重を越えるときには車両の走行を規制するのが好ましい。積載荷重が許容荷重を越える状態での高所作業は安全性を低下させるおそれが高いため、このような場合には車両走行を規制し、常に安全性の高い作業のみを許容することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作動制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記作動制御装置を有した高所作業車を示す正面図である。
【図3】上記高所作業車におけるブーム先端部構成を示す拡大正面図である。
【符号の説明】
1 走行体
3 旋回車体
4 ブーム
10 作業台
11 支持バネ
12 過積載検出リミットスイッチ
20 コントローラ
27 ブーム操作装置
28 走行操作装置
30 制御バルブ群

Claims (2)

  1. 自走可能な車両と、前記車両に起伏、伸縮作動等が可能に搭載されたブームと、前記ブームの先端に取り付けられて前記ブームの起伏、伸縮作動等に応じて移動される作業台とを有して構成される自走式高所作業車の作動制御装置であって、
    前記ブームおよび前記作業台から前記車両に作用するとして算出される転倒モーメントと予め記憶設定された許容モーメントとを比較検出し、前記転倒モーメントが許容モーメントを越えるような前記ブームの作動を規制するモーメント規制手段と、
    前記ブームの作動に基づく前記作業台もしくは前記ブーム先端部の位置と前記作業台が移動可能な範囲として予め設定された許容作業範囲とを比較検出し、前記位置が予め設定された許容作業範囲を超えるような前記ブームの作動を規制する作業範囲規制手段と、前記車両が走行しているか否かを検出する走行検出手段と、前記モーメント規制手段による規制と前記作業範囲規制手段による規制とを切換設定する切換手段とを備え、前記走行検出手段により前記車両が停止していることが検出されている状態では前記切換手段により前記モーメント規制手段による前記ブームの作動規制に切り換え、前記走行検出手段により前記車両が走行していることが検出されている状態では前記切換手段により前記作業範囲規制手段による前記ブームの作動規制に切り換えることを特徴とする高所作業車の作動制御装置。
  2. 前記車両が走行している状態の前記作業範囲規制手段による前記ブームの作動規制は、前記車両が走行を開始する直前において前記車両に作用する転倒モーメントに基づいて設定される許容作業範囲を用いて行われることを特徴とする請求項1に記載の高所作業車の作動制御装置。
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