JP3852122B2 - 錯体及びそれを用いたヒドロキシスルフィド類の製造方法 - Google Patents

錯体及びそれを用いたヒドロキシスルフィド類の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学活性グリコールオキシドと三塩化ガリウムとから調製した光学活性ガリウムグリコールオキシド錯体に関するものである。また本発明は、その錯体存在下、エポキシド類とチオール類を反応させることを特徴とする、光学活性ヒドロキシスルフィド類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでにヒドロキシスルフィド類の製造方法としては、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化サマリウム等の存在下、エポキシド類とチオール類とを反応させる方法が報告されている(Tetrahedron Lett.,28,6065(1987))。また、光学活性ヒドロキシスルフィド類の製造方法としては、光学活性酒石酸塩と塩化亜鉛あるいは塩化マンガンの存在下、エポキシド類とチオール類とを反応させる方法が報告されている(Bull. Chem. Soc. Jpn.,61,1213(1988))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前者の方法によれば、光学活性ヒドロキシスルフィド類を得ることはできない。また後者の方法によれば、光学活性ヒドロキシスルフィド類を得ることはできるものの、反応時間が5〜14日間と非常に長く、さらに光学収率も満足のいくものではない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に関し鋭意検討を重ねた結果、エポキシド類とチオール類との反応において、光学活性グリコールオキシドと三塩化ガリウムとから調製した光学活性ガリウムグリコールオキシド錯体を存在させることにより、短い反応時間で、かつ満足のいく光学収率で光学活性ヒドロキシスルフィド類が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明の特徴は一般式(I)
【0006】
【化4】
Figure 0003852122
【0007】
[式中、R1は(炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基が置換してもよい)ナフチル基または(炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基が置換してもよい)フェナントリル基、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。]で表される光学活性グリコールオキシドと三塩化ガリウムとから調製されることを特徴とする光学活性ガリウムグリコールオキシド錯体にある。
【0008】
また本発明は、一般式(II)
【0009】
【化5】
Figure 0003852122
【0010】
[式中、R2、R3は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または互いに連結して(カルボニル基を含んでもよい)5〜8員環を示す。]で表されるエポキシド類とR4−SH(R4は炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、フェネチル基またはフェニルプロピル基を示す。)で表されるチオール類とを、上述の光学活性ガリウムグリコールオキシド錯体の存在下、反応させることを特徴とする一般式(III)
【0011】
【化6】
Figure 0003852122
【0012】
[式中、R2、R3、R4は前記と同じである。]で表される光学活性ヒドロキシスルフィド類の製造方法にある。以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0013】
本明細書中、R1、R2、R3、R4の置換基として挙げられている炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖、分枝あるいは環状アルキル基を挙げることができる。
【0014】
2、R3が互いに連結した(カルボニル基を含んでもよい)5〜8員環としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロペンテノン等を挙げることができる。
【0015】
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等を挙げることができる。アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム等を挙げることができる。
【0016】
一般式(I)で表される光学活性グリコールオキシドは、光学活性グリコールに溶媒中で、反応に不活性な雰囲気下、塩基を作用させることにより得ることができる。塩基の使用量としては、光学活性グリコール1モルに対し1〜3モル、好ましくは1.9〜2.1モルである。溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、水等の反応に不活性な溶媒の単一または混合物を挙げることができる。反応に不活性な雰囲気としては、アルゴン、窒素、ヘリウム等を挙げることができる。反応温度としては、−50〜120℃、好ましくは−20〜100℃である。反応時間としては、0.1〜5時間、好ましくは0.2〜2時間である。
【0017】
光学活性グリコールとしては、1,1´−ビ−2−ナフトール、6,6´−ジフェニル−1,1´−ビ−2−ナフトール、6,6´−ジメチル−1,1´−ビ−2−ナフトール、6,6´−ジエチル−1,1´−ビ−2−ナフトール、3,3´−ジフェニル−1,1´−ビ−2−ナフトール、3,3´−ジフェニル−2,2´−ビ−1−ナフトール、2,2´−ジフェニル−3,3´−ビ−4,4´−フェナントロール、9,9´−ビ−10,10´−フェナントロール等の光学活性体を挙げることができる。光学活性体の光学純度としては必ずしも100%でなくてもよい。
【0018】
塩基としては、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。
【0019】
本発明の光学活性ガリウムグリコールオキシド錯体は、一般式(I)で表される光学活性グリコールオキシドに溶媒中、反応に不活性な雰囲気下、三塩化ガリウムを作用させることにより得ることができる。溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等の反応に不活性な溶媒の単一または混合物を挙げることができる。反応に不活性な雰囲気としては、アルゴン、窒素、ヘリウム等を挙げることができる。反応に供される反応剤の量としては、三塩化ガリウム1モルに対し、光学活性グリコールオキシド0.5〜6モル、好ましくは1〜3モルである。反応温度としては、−50〜120℃、好ましくは−20〜100℃である。反応時間としては、0.1〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
【0020】
調製した光学活性ガリウムグリコールオキシド錯体は、単離せずにそのまま一般式(III)で表される光学活性ヒドロキシスルフィド類の製造に用いてもよい。
【0021】
本発明の光学活性ヒドロキシスルフィド類の製造方法は、光学活性ガリウムグリコールオキシド錯体の存在下、一般式(II)で表されるエポキシド類とR4−SHで表されるチオール類とを反応溶媒中、反応に不活性な雰囲気下で反応させる。溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、リン酸ヘキサメチルトリアミド等の極性溶媒等の反応に不活性な溶媒の単一または混合物を挙げることができる。
【0022】
反応に不活性な雰囲気としては、アルゴン、窒素、ヘリウム等を挙げることができる。反応に供される反応剤の量としては、エポキシド類1モルに対し、チオール類0.5〜3モル、好ましくは0.9〜1.5モル、光学活性ガリウムグリコールオキシド錯体(調製時の三塩化ガリウムの量として)0.001〜3モル、好ましくは0.01〜1.5モルである。反応温度としては、−50〜140℃、好ましくは0〜100℃である。反応時間としては、0.1〜168時間、好ましくは0.2〜72時間である。本製造方法では、反応剤の添加順序には特に制限はないが、好ましくは最後にチオール類を添加するのがよく、さらに好ましくはチオール類を1〜7時間かけてゆっくり添加するのがよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明によって、光学活性ガリウムグリコールオキシド錯体を得ることができる。またエポキシド類とチオール類との反応において、光学活性ガリウムグリコールオキシド錯体を存在させることにより、短い反応時間かつ満足のいく光学収率で光学活性ヒドロキシスルフィド類を得ることができる。本発明によって得られる光学活性ヒドロキシスルフィド類は、例えば光学活性アリルアルコール類へ容易に導くこともでき、有機中間体及び医農薬中間体として有用な化合物である。
【0024】
【実施例】
以下本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
実施例1 (R)−1,1´−ビ−2−ナフトール−ジリチウム塩溶液の調製。
【0026】
(R)−1,1´−ビ−2−ナフトール(573mg,2.00mmol)の無水テトラヒドロフラン溶液(7.5ml)に、氷冷下、n−ブチルリチウム (1.56Mヘキサン溶液)(2.57ml,4.01mmol)を加え、10分間攪拌し、更に室温にて20分間攪拌することにより(R)−1,1´−ビ−2−ナフトール−ジリチウム塩溶液を調製した。
【0027】
実施例2 三塩化ガリウムと(R)−1,1´−ビ−2−ナフトール−ジリチウム塩とからの錯体(Ga−Li−(R)−BINOL)溶液の調製。
【0028】
三塩化ガリウム(1.823g,10.4mmol)のトルエン(30ml)溶液を調製し、その内の2.89ml(1.00mmol)をテトラヒドロフラン(5ml)に加え、室温下、更に実施例1で調製した(R)−1,1´−ビ−2−ナフトール−ジリチウム塩溶液を加えた。更にテトラヒドロフラン(1.5ml)を加え、この溶液を2時間攪拌した後、一晩放置することにより錯体(Ga−Li−(R)−BINOL)溶液(0.05M)を調製した。
【0029】
13C−NMR(溶媒:THF、ロック溶媒として重水使用、単位:δppm):121.0,121.3,124.0,125.2,126.3,127.0,127.3,128.4,134.6,157.4。
【0030】
実施例3 (1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールの製造法(1)。
【0031】
実施例2で調製した錯体(Ga−Li−(R)−BINOL)溶液(0.05M)1.0ml(0.05mmol)を反応容器に入れ、室温下30分間、真空ポンプを用いて溶媒を留去した。残渣に溶媒としてトルエン(1.0ml)、シクロヘキセンオキシド(0.5mmol)、ベンジルチオール(0.6mmol)を順次加え、室温下にて15時間攪拌した。反応混合物はジエチルエーテル(20ml)で希釈し、5%くえん酸水溶液(10ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)、飽和食塩水(10ml)にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:アセトン=10:1)にて精製することにより、(1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールを得た。
【0032】
化学収率=87%、光学収率=40%ee。
【0033】
光学収率はHPLC分析により決定した(ダイセルCHIRALCEL OD;ヘキサン:イソプロパノール=95:5、フロー速度;0.5ml/分)。また、(R)−BINOLはカラム精製において溶出液をアセトンにすることによりほぼ定量的に回収した。
【0034】
1H−NMR(溶媒:CDCl3、単位:δppm):1.17−1.51 (4H,m),1.63−1.74(2H,m),1.97−2.12(2H,m),2.40(1H,ddd,J=4.3,7.9,10.2Hz),2.79(1H,s),3.31(1H,dt,J=5.3,9.6Hz),[3.76(d,J=13.2Hz),3.82(d,J=13.2Hz),each1H],7.22−7.33(5H,m)。
【0035】
実施例4 (1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールの製造法(2)。
【0036】
溶媒としてトルエンの代わりにジエチルエーテルを用い、さらに反応時間を24時間にした以外は実施例3と同様に行うことにより、(1R,2R)−2− (ベンジルチオ)シクロヘキサノールを得た。
【0037】
化学収率=86%、光学収率=3%ee。
【0038】
実施例5 (1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールの製造法(3)。
【0039】
溶媒としてトルエンの代わりにジクロロメタンを用い、さらに反応時間を8時間にした以外は実施例3と同様に行うことにより、(1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールを得た。
【0040】
化学収率=75%、光学収率=19%ee。
【0041】
実施例6 (1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールの製造法(4)。
【0042】
溶媒としてトルエンの代わりにペンタンを用い、さらに反応時間を20時間にした以外は実施例3と同様に行うことにより、(1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールを得た。
【0043】
化学収率=66%、光学収率=11%ee。
【0044】
実施例7 (1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールの製造法(5)。
【0045】
溶媒としてトルエンの代わりにアセトニトリルを用い、さらに反応時間を72時間にした以外は実施例3と同様に行うことにより、(1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールを得た。
【0046】
化学収率=10%、光学収率=7%ee。
【0047】
実施例8 (1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールの製造法(6)。
【0048】
実施例2で調製した錯体(Ga−Li−(R)−BINOL)溶液(0.05M)を10ml(0.5mmol)用いる以外は実施例3と同様に行うことにより、(1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールを得た。
【0049】
化学収率=87%、光学収率=88%ee。
【0050】
実施例9 (1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールの製造法(7)。
【0051】
実施例2で調製した錯体(Ga−Li−(R)−BINOL)溶液(0.05M)1.0ml(0.05mmol)を反応容器に入れ、室温下30分間、真空ポンプを用いて溶媒を留去した。残渣に溶媒としてトルエン(1.0ml)、シクロヘキセンオキシド(0.5mmol)を加え、室温にてベンジルチオール (0.6mmol)のトルエン(1ml)溶液をシリンジポンプを用いて4時間かけて添加した。添加後、室温下にて1時間攪拌した。反応混合物はジエチルエーテル(20ml)で希釈し、5%くえん酸水溶液(10ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)、飽和食塩水(10ml)にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:アセトン=10:1)にて精製することにより、(1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールを得た。
【0052】
化学収率=54%、光学収率=62%ee。
【0053】
実施例10 (1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールの製造法(8)。
【0054】
室温にてベンジルチオール(0.6mmol)のトルエン(1ml)溶液をシリンジポンプを用いて4.7時間かけて添加し、添加後、室温下にて48時間攪拌した以外は実施例9と同様に行うことにより、(1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールを得た。
【0055】
化学収率=72%、光学収率=56%ee。
【0056】
実施例11 (1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールの製造法(9)。
【0057】
0℃においてベンジルチオール(0.6mmol)のトルエン(1ml)溶液をシリンジポンプを用いて5時間かけて添加し、添加後、0℃にて35時間攪拌した以外は実施例9と同様に行うことにより、(1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールを得た。
【0058】
化学収率=63%、光学収率=35%ee。
【0059】
実施例12 (1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールの製造法(10)。
【0060】
50℃においてベンジルチオール(0.6mmol)のトルエン(1ml)溶液をシリンジポンプを用いて3時間かけて添加し、添加後、50℃にて1時間攪拌した以外は実施例9と同様に行うことにより、(1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロヘキサノールを得た。
【0061】
化学収率=61%、光学収率=77%ee。
【0062】
実施例13 光学活性2−(フェネチルチオ)シクロヘキサノールの製造法。
【0063】
ベンジルチオールの代わりに、フェネチルチオールを用い、さらに反応時間を48時間にした以外は実施例3と同様に行うことにより、(1R,2R)−2−(フェネチルチオ)シクロヘキサノールを得た。
【0064】
化学収率=76%、光学収率=63%ee。
【0065】
[α]D 24:−36°(c=0.67、CHCl3)。
【0066】
1H−NMR(溶媒:CDCl3、単位:δppm):1.25−1.53 (4H,m),1.64−1.82(2H,m),2.01−2.20(2H,m),2.39(1H,ddd,J=5.9,8.2,9.9Hz),2.77−2.95(5H,m),3.22−3.35(1H,m),7.19−7.34(5H,m)。
【0067】
13C−NMR(溶媒:CDCl3、単位:δppm):24.5,26.3,31.4,32.9,33.8,36.7,53.7,72.2,126.5,128.5,128.5,140.3。
【0068】
実施例14 (1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロペンテノールの製造法。
【0069】
シクロヘキセンオキシドの代わりに、シクロペンテンオキシドを用い、さらに反応時間を72時間にした以外は実施例3と同様に行うことにより、(1R,2R)−2−(ベンジルチオ)シクロペンテノールを得た。
【0070】
化学収率=76%、光学収率=50%ee。
【0071】
1H−NMR(溶媒:CDCl3、単位:δppm):1.44−1.77 (5H,m),1.95−2.18(2H,m),2.81(1H,dt,J=5.0,7.6Hz),[3.74(J=13.2Hz),3.85(J=13.2Hz),each1H],4.03(1H,ddd,J=5.0,6.5,9.9Hz),7.21−7.37(5H,m)。
【0072】
実施例15 光学活性2−(フェネチルチオ)シクロペンテノールの製造法。
【0073】
ベンジルチオールの代わりにフェネチルチオールを、シクロヘキセンオキシドの代わりにシクロペンテンオキシドを用い、さらに反応時間を50時間にした以外は実施例3と同様に行うことにより、(1R,2R)−2−(フェネチルチオ)シクロペンテノールを得た。
【0074】
化学収率=68%、光学収率=64%ee。
【0075】
[α]D 24:−7.60°(c=1.54、CHCl3)。
【0076】
1H−NMR(溶媒:CDCl3、単位:δppm):1.46−1.79 (4H,m),1.96−2.22(3H,m),2.80−2.94(5H,m),4.02(1H,dd,J=5.3,11.2Hz),7.18−7.33(5H,m)。
【0077】
13C−NMR(溶媒:CDCl3、単位:δppm):21.6,31.4,33.1,33.3,36.5,52.2,78.9,126.3,128.4,140.5。

Claims (2)

  1. 一般式(I)
    Figure 0003852122
    [式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基が置換してもよいナフチル基、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。]
    で表される光学活性グリコールオキシドと三塩化ガリウムとから調製されることを特徴とする光学活性ガリウムグリコールオキシド錯体。
  2. 一般式(II)
    Figure 0003852122
    [式中、R、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または互いに連結して、カルボニル基を含んでもよい5〜8員環を示す。]
    で表されるエポキシド類とR4−SH
    (Rは炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、フェネチル基またはフェニルプロピル基を示す。)
    で表されるチオール類とを、請求項1に記載の光学活性ガリウムグリコールオキシド錯体の存在下、反応させることを特徴とする一般式(III)
    Figure 0003852122
    [式中、R、R、Rは前記と同じである。]
    で表される光学活性ヒドロキシスルフィド類の製造方法。
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