JP3851518B2 - 吸気ダクト - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気ダクトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、トラック等の大型の運搬車両は、普通乗用車と比べて未舗装の悪路を走行する機会が多い為、エンジンの吸気としては、塵埃が多く含まれている地面付近の空気ではなく、地面から十分高い部分の清浄な空気を取り入れることが好ましい。
【0003】
この為、大型の運搬車両においては、図7に一例を示すように、エアクリーナ1に直立するよう接続したエアクリーナ入口ダクト2に対し、キャブ3の後面に据え付けられた吸気ダクト4を可撓性のブーツ5を介して接続し、前記吸気ダクト4の上側部分に荷台6側に向けて開口した吸気口7から空気を吸い込み得るようにしてある。
【0004】
ところが、この図7に示されている如く、吸気口7を後方の荷台6側へ向けて開口させた吸気ダクト4においては、万一、荷台6を覆う幌8がしっかりと留められていなかったような場合に、風に煽られた幌8が吸気口7に張り付いて必要量の空気が吸い込めなくなり、これによりエンジンがエンストを起こす虞れがあった。
【0005】
他方、吸気口7を車幅方向外側へ向けて開口させた場合には、車両前方から流れてきた塵埃が吸気口7に吸い込まれ易くなり、短期間のうちに吸気ダクト4内に塵埃の堆積が生じて清掃作業を行わなければならなくという不具合がある。
【0006】
この為、本発明の出願人は、図8に上方から見た平断面図で示す如く、吸気口7を後方の荷台6側へ向けて開口させた吸気ダクト4において、ルーバ9を一体的に備えたカバー10をダクト本体11の上側部分に装着し、このカバー10により吸気口7の車幅方向内側を僅かに開けた状態として吸気口7を被覆するようにした構造を創案し、これを特願平10−110494号(特開平11−301287号)として既に出願している。
【0007】
即ち、この既出願の構造によれば、カバー10を僅かに開けた状態とすることにより補助吸気口12を車幅方向内側に確保し、風に煽られた幌8が吸気口7に張り付いてしまったような場合に、図8中に鎖線の矢印で示すように、前記補助吸気口12から必要最小限の空気量を吸い込むことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かる既出願の吸気ダクト4においては、補助吸気口12から取り込まれた空気がルーバ9を経由せずにダクト本体11内に直接的に導入されてしまうことになる為、補助吸気口12からの空気の流れに随伴して雨水がダクト本体11内に侵入してしまうことが懸念された。
【0009】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、風に煽られた幌が吸気口に張り付いてしまったような場合でも、少なくともエンストを生じない程度の必要最小限の空気量を確保し且つ雨水のダクト本体内への侵入も回避し得るようにした吸気ダクトを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、運搬車両のキャブ後面に据え付けられたダクト本体の上側部分に荷台側へ向け吸気口を開口し且つ該吸気口内に水侵入防止手段を備えて成る吸気ダクトであって、吸気口の周囲に荷台側へ向けて張り出すドリップチャンネルを備えると共に、該ドリップチャンネルの側壁部分の適宜位置に補助吸気口を開口し、該補助吸気口を通して前記ドリップチャンネルの側方から取り込まれた空気が前記水侵入防止手段の前面に導かれるように構成したことを特徴とするものである。
【0011】
而して、このようにすれば、風に煽られた幌が吸気口に張り付いてしまっても、該吸気口と幌との間にドリップチャンネルが介在することにより僅かな空間が確保され、この空間に対しドリップチャンネルの側壁部分に開口した補助吸気口から空気が取り込まれるので、エンストを生じない程度の必要最小限の空気量が確保されることになり、しかも、補助吸気口から取り込まれた空気が水侵入防止手段の前面に導かれて該水侵入防止手段を必ず通過することになる為、補助吸気口からの空気の流れに随伴した雨水が水侵入防止手段を通過する際に分離され、雨水のダクト本体内への侵入が回避されることになる。
【0012】
また、本発明においては、ダクト本体のキャブ側から補助吸気口へ空気を導き得るよう前記ダクト本体の適宜位置に空気連絡口を貫通形成したり、或いは、補助吸気口を開口した側壁部分における吸気口側に面した側面に、該側面に沿って密着するような幌の張り付きを阻止するリブを形成したりしても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1〜図3は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図7及び図8と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0015】
図1〜図3に示す如く、本形態例においては、キャブ3の後面に沿い煙突状に延びるダクト本体11の上側部分に、荷台6側に向け略矩形状に吸気口7が開口されており、該吸気口7の周囲には、ダクト本体11の表面を流下する雨水の吸気口7への侵入を阻止し得るように張り出すドリップチャンネル13が装着されている。
【0016】
ここで、前記ドリップチャンネル13は、その車両後方へ向けた張り出し方向における基端部分を、ダクト本体11の吸気口7の周囲に沿う合わせ面13aとして内向きに曲折しており、この合わせ面13aを前記ダクト本体11の吸気口7の周囲と重ね合わせて相互にボルト締結するようにしてある。
【0017】
尚、ドリップチャンネル13の合わせ面13aを受けるダクト本体11の吸気口7の周囲は、前記合わせ面13aの外形に合わせて若干窪ませた形状となっており、ダクト本体11側に対しドリップチャンネル13を容易に位置決めして締結できるようにしてある。
【0018】
他方、前記ドリップチャンネル13の張り出し方向における先端部分は、前記合わせ面13aと平行に外向きに曲折する鍔部13bとして形成されており、雨水の吸気口7への流れ込みを堰き止める役割を担うようにしてある。
【0019】
そして、合わせ面13aの外周部と鍔部13bの内周部との間を連結してダクト本体11側から荷台6側へ張り出す四辺の側壁部分13cのうち、左右の側壁部分13cに複数の補助吸気口14が開口されるようになっている。
【0020】
ただし、この補助吸気口14については、左右の側壁部分13cの何れか一方にのみ開口するようにしても良いし、或いは、下側の側壁部分13cに開口するようにしても良いが、雨水の吸気口7への流れ込みを防ぐのに最も重要な上側の側壁部分13cに補助吸気口14を開口するのは極力避けるべきである。
【0021】
更に、前記吸気口7内には、雨水の直接的な降り込みを防ぐ為の水侵入防止手段として、複数枚のルーバ9が上下方向に等間隔で且つダクト本体11の内側へ向け上り勾配を成すような傾斜を付されて装備されており、前記補助吸気口14を通してドリップチャンネル13の側方から取り込まれた空気が、前記各ルーバ9の前面に導かれるようにしてある。尚、この種のルーバ9が、異物の侵入を阻む役割を兼ね備えていることは勿論である。
【0022】
而して、このようにすれば、風に煽られた幌8が吸気口7に張り付いてしまっても、該吸気口7と幌8との間にドリップチャンネル13が介在することにより僅かな空間A(図3参照)が確保され、図3中に鎖線の矢印で示すように、この空間Aに対しドリップチャンネル13の側壁部分13cに開口した補助吸気口14から空気が取り込まれるので、エンストを生じない程度の必要最小限の空気量が確保されることになり、しかも、補助吸気口14から取り込まれた空気が各ルーバ9の前面に導かれて該各ルーバ9を必ず通過することになる為、補助吸気口14からの空気の流れに随伴した雨水が各ルーバ9を通過する際に分離され、雨水のダクト本体11内への侵入が回避されることになる。
【0023】
従って、上記形態例によれば、風に煽られた幌8が吸気口7に張り付いてしまったような場合でも、少なくともエンストを生じない程度の必要最小限の空気量を確保することができ、しかも、雨水のダクト本体11内への侵入も回避することができる。
【0024】
図4〜図6は本発明の別の形態例を示すもので、この形態例においては、ダクト本体11の吸気口7の側方に、共鳴式の消音器を成すサイドブランチ部15が形成されており、また、キャブ3の後面の車幅方向外側の隅部を斜めに切り欠くようにして形成した収容スペースに対し、ダクト本体11の一部を収容させた例で図示してある。
【0025】
そして、このようにサイドブランチ部15が形成された吸気ダクト4においては、風に煽られた幌8が吸気口7からサイドブランチ部15にかけての広範囲に張り付いてしまったような場合に、補助吸気口14も幌8により外気と隔絶されて空気の取り込みが不可能となってしまう虞れがあるので、そのような時にもダクト本体11のキャブ3側から補助吸気口14へ空気を導き得るよう前記ダクト本体11における吸気口7とサイドブランチ部15との間に空気連絡口16を貫通形成している。
【0026】
このようにすれば、風に煽られた幌8が吸気口7からサイドブランチ部15にかけての広範囲に張り付いてしまっても、図5中に鎖線の矢印で示すように、ダクト本体11のキャブ3側から空気連絡口16を通して補助吸気口14へ空気を導くことができるので、必要最小限の空気量を支障なく確保することができる。
【0027】
また、ここに図示している例では、補助吸気口14を開口した側壁部分13cにおける吸気口7側に面した側面に、各補助吸気口14の上下に配置されるようリブ17を隆起させて形成しており、このリブ17により前記補助吸気口14を開口した側壁部分13cにおける吸気口7側に面した側面に沿って密着する如き幌8の張り付きを阻止し得るようにしてある。
【0028】
ここで、各リブ17を形成するに際しては、その上部に雨水等が滞留しないようにする為、吸気口7から離間する向きに下り勾配を成すよう傾斜を付して形成しておくことが好ましい。
【0029】
而して、このようにすれば、風に煽られた幌8がドリップチャンネル13内に入り込むように吸気口7に張り付いてしまっても、補助吸気口14を開口した側壁部分13cと幌8との間にリブ17が介在することにより、補助吸気口14を開口した側壁部分13cへの幌8の密着が阻止され、前記補助吸気口14から吸気口7にかけての空間A(図5参照)も潰れてしまわないよう確保されるので、補助吸気口14の閉塞を確実に防止し得て必要最小限の空気量を支障なく確保することができる。
【0030】
尚、本発明の吸気ダクトは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、吸気口内に装備される水侵入防止手段をルーバ以外の構造で構成しても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0031】
【発明の効果】
上記した本発明の吸気ダクトによれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0032】
(I)本発明の請求項1に記載の発明によれば、風に煽られた幌が吸気口に張り付いてしまったような場合でも、少なくともエンストを生じない程度の必要最小限の空気量を確保することができ、しかも、雨水のダクト本体内への侵入も回避することができる。
【0033】
(II)本発明の請求項2に記載の発明によれば、ドリップチャンネルの周囲にダクト本体の幌側に対峙する面が広く形成されているような構造の場合に、風に煽られた幌が吸気口からドリップチャンネルの周囲にかけての広範囲に張り付いてしまっても、ダクト本体のキャブ側から空気連絡口を通して補助吸気口へ空気を導くことができるので、必要最小限の空気量を支障なく確保することができる。
【0034】
(III)本発明の請求項3に記載の発明によれば、ドリップチャンネルの補助吸気口を開口した側壁部分における吸気口側に面した側面に沿って密着するような幌の張り付きをリブにより阻止することができるので、補助吸気口の閉塞を確実に防止し得て必要最小限の空気量を支障なく確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す正面図である。
【図2】図1のII−II方向の矢視図である。
【図3】図1のIII−III方向の矢視図である。
【図4】本発明の別の形態例を示す正面図である。
【図5】図4のV−V方向の矢視図である。
【図6】図4からドリップチャンネル及びルーバを省略して示す説明図である。
【図7】従来例を示す側面図である。
【図8】既に出願されている吸気ダクトの構造を示す平断面図である。
【符号の説明】
3 キャブ
4 吸気ダクト
6 荷台
7 吸気口
8 幌
9 ルーバ(水侵入防止手段)
11 ダクト本体
12 補助吸気口
13 ドリップチャンネル
13c 側壁部分
14 補助吸気口
16 空気連絡口
17 リブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気ダクトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、トラック等の大型の運搬車両は、普通乗用車と比べて未舗装の悪路を走行する機会が多い為、エンジンの吸気としては、塵埃が多く含まれている地面付近の空気ではなく、地面から十分高い部分の清浄な空気を取り入れることが好ましい。
【0003】
この為、大型の運搬車両においては、図7に一例を示すように、エアクリーナ1に直立するよう接続したエアクリーナ入口ダクト2に対し、キャブ3の後面に据え付けられた吸気ダクト4を可撓性のブーツ5を介して接続し、前記吸気ダクト4の上側部分に荷台6側に向けて開口した吸気口7から空気を吸い込み得るようにしてある。
【0004】
ところが、この図7に示されている如く、吸気口7を後方の荷台6側へ向けて開口させた吸気ダクト4においては、万一、荷台6を覆う幌8がしっかりと留められていなかったような場合に、風に煽られた幌8が吸気口7に張り付いて必要量の空気が吸い込めなくなり、これによりエンジンがエンストを起こす虞れがあった。
【0005】
他方、吸気口7を車幅方向外側へ向けて開口させた場合には、車両前方から流れてきた塵埃が吸気口7に吸い込まれ易くなり、短期間のうちに吸気ダクト4内に塵埃の堆積が生じて清掃作業を行わなければならなくという不具合がある。
【0006】
この為、本発明の出願人は、図8に上方から見た平断面図で示す如く、吸気口7を後方の荷台6側へ向けて開口させた吸気ダクト4において、ルーバ9を一体的に備えたカバー10をダクト本体11の上側部分に装着し、このカバー10により吸気口7の車幅方向内側を僅かに開けた状態として吸気口7を被覆するようにした構造を創案し、これを特願平10−110494号(特開平11−301287号)として既に出願している。
【0007】
即ち、この既出願の構造によれば、カバー10を僅かに開けた状態とすることにより補助吸気口12を車幅方向内側に確保し、風に煽られた幌8が吸気口7に張り付いてしまったような場合に、図8中に鎖線の矢印で示すように、前記補助吸気口12から必要最小限の空気量を吸い込むことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かる既出願の吸気ダクト4においては、補助吸気口12から取り込まれた空気がルーバ9を経由せずにダクト本体11内に直接的に導入されてしまうことになる為、補助吸気口12からの空気の流れに随伴して雨水がダクト本体11内に侵入してしまうことが懸念された。
【0009】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、風に煽られた幌が吸気口に張り付いてしまったような場合でも、少なくともエンストを生じない程度の必要最小限の空気量を確保し且つ雨水のダクト本体内への侵入も回避し得るようにした吸気ダクトを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、運搬車両のキャブ後面に据え付けられたダクト本体の上側部分に荷台側へ向け吸気口を開口し且つ該吸気口内に水侵入防止手段を備えて成る吸気ダクトであって、吸気口の周囲に荷台側へ向けて張り出すドリップチャンネルを備えると共に、該ドリップチャンネルの側壁部分の適宜位置に補助吸気口を開口し、該補助吸気口を通して前記ドリップチャンネルの側方から取り込まれた空気が前記水侵入防止手段の前面に導かれるように構成したことを特徴とするものである。
【0011】
而して、このようにすれば、風に煽られた幌が吸気口に張り付いてしまっても、該吸気口と幌との間にドリップチャンネルが介在することにより僅かな空間が確保され、この空間に対しドリップチャンネルの側壁部分に開口した補助吸気口から空気が取り込まれるので、エンストを生じない程度の必要最小限の空気量が確保されることになり、しかも、補助吸気口から取り込まれた空気が水侵入防止手段の前面に導かれて該水侵入防止手段を必ず通過することになる為、補助吸気口からの空気の流れに随伴した雨水が水侵入防止手段を通過する際に分離され、雨水のダクト本体内への侵入が回避されることになる。
【0012】
また、本発明においては、ダクト本体のキャブ側から補助吸気口へ空気を導き得るよう前記ダクト本体の適宜位置に空気連絡口を貫通形成したり、或いは、補助吸気口を開口した側壁部分における吸気口側に面した側面に、該側面に沿って密着するような幌の張り付きを阻止するリブを形成したりしても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1〜図3は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図7及び図8と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0015】
図1〜図3に示す如く、本形態例においては、キャブ3の後面に沿い煙突状に延びるダクト本体11の上側部分に、荷台6側に向け略矩形状に吸気口7が開口されており、該吸気口7の周囲には、ダクト本体11の表面を流下する雨水の吸気口7への侵入を阻止し得るように張り出すドリップチャンネル13が装着されている。
【0016】
ここで、前記ドリップチャンネル13は、その車両後方へ向けた張り出し方向における基端部分を、ダクト本体11の吸気口7の周囲に沿う合わせ面13aとして内向きに曲折しており、この合わせ面13aを前記ダクト本体11の吸気口7の周囲と重ね合わせて相互にボルト締結するようにしてある。
【0017】
尚、ドリップチャンネル13の合わせ面13aを受けるダクト本体11の吸気口7の周囲は、前記合わせ面13aの外形に合わせて若干窪ませた形状となっており、ダクト本体11側に対しドリップチャンネル13を容易に位置決めして締結できるようにしてある。
【0018】
他方、前記ドリップチャンネル13の張り出し方向における先端部分は、前記合わせ面13aと平行に外向きに曲折する鍔部13bとして形成されており、雨水の吸気口7への流れ込みを堰き止める役割を担うようにしてある。
【0019】
そして、合わせ面13aの外周部と鍔部13bの内周部との間を連結してダクト本体11側から荷台6側へ張り出す四辺の側壁部分13cのうち、左右の側壁部分13cに複数の補助吸気口14が開口されるようになっている。
【0020】
ただし、この補助吸気口14については、左右の側壁部分13cの何れか一方にのみ開口するようにしても良いし、或いは、下側の側壁部分13cに開口するようにしても良いが、雨水の吸気口7への流れ込みを防ぐのに最も重要な上側の側壁部分13cに補助吸気口14を開口するのは極力避けるべきである。
【0021】
更に、前記吸気口7内には、雨水の直接的な降り込みを防ぐ為の水侵入防止手段として、複数枚のルーバ9が上下方向に等間隔で且つダクト本体11の内側へ向け上り勾配を成すような傾斜を付されて装備されており、前記補助吸気口14を通してドリップチャンネル13の側方から取り込まれた空気が、前記各ルーバ9の前面に導かれるようにしてある。尚、この種のルーバ9が、異物の侵入を阻む役割を兼ね備えていることは勿論である。
【0022】
而して、このようにすれば、風に煽られた幌8が吸気口7に張り付いてしまっても、該吸気口7と幌8との間にドリップチャンネル13が介在することにより僅かな空間A(図3参照)が確保され、図3中に鎖線の矢印で示すように、この空間Aに対しドリップチャンネル13の側壁部分13cに開口した補助吸気口14から空気が取り込まれるので、エンストを生じない程度の必要最小限の空気量が確保されることになり、しかも、補助吸気口14から取り込まれた空気が各ルーバ9の前面に導かれて該各ルーバ9を必ず通過することになる為、補助吸気口14からの空気の流れに随伴した雨水が各ルーバ9を通過する際に分離され、雨水のダクト本体11内への侵入が回避されることになる。
【0023】
従って、上記形態例によれば、風に煽られた幌8が吸気口7に張り付いてしまったような場合でも、少なくともエンストを生じない程度の必要最小限の空気量を確保することができ、しかも、雨水のダクト本体11内への侵入も回避することができる。
【0024】
図4〜図6は本発明の別の形態例を示すもので、この形態例においては、ダクト本体11の吸気口7の側方に、共鳴式の消音器を成すサイドブランチ部15が形成されており、また、キャブ3の後面の車幅方向外側の隅部を斜めに切り欠くようにして形成した収容スペースに対し、ダクト本体11の一部を収容させた例で図示してある。
【0025】
そして、このようにサイドブランチ部15が形成された吸気ダクト4においては、風に煽られた幌8が吸気口7からサイドブランチ部15にかけての広範囲に張り付いてしまったような場合に、補助吸気口14も幌8により外気と隔絶されて空気の取り込みが不可能となってしまう虞れがあるので、そのような時にもダクト本体11のキャブ3側から補助吸気口14へ空気を導き得るよう前記ダクト本体11における吸気口7とサイドブランチ部15との間に空気連絡口16を貫通形成している。
【0026】
このようにすれば、風に煽られた幌8が吸気口7からサイドブランチ部15にかけての広範囲に張り付いてしまっても、図5中に鎖線の矢印で示すように、ダクト本体11のキャブ3側から空気連絡口16を通して補助吸気口14へ空気を導くことができるので、必要最小限の空気量を支障なく確保することができる。
【0027】
また、ここに図示している例では、補助吸気口14を開口した側壁部分13cにおける吸気口7側に面した側面に、各補助吸気口14の上下に配置されるようリブ17を隆起させて形成しており、このリブ17により前記補助吸気口14を開口した側壁部分13cにおける吸気口7側に面した側面に沿って密着する如き幌8の張り付きを阻止し得るようにしてある。
【0028】
ここで、各リブ17を形成するに際しては、その上部に雨水等が滞留しないようにする為、吸気口7から離間する向きに下り勾配を成すよう傾斜を付して形成しておくことが好ましい。
【0029】
而して、このようにすれば、風に煽られた幌8がドリップチャンネル13内に入り込むように吸気口7に張り付いてしまっても、補助吸気口14を開口した側壁部分13cと幌8との間にリブ17が介在することにより、補助吸気口14を開口した側壁部分13cへの幌8の密着が阻止され、前記補助吸気口14から吸気口7にかけての空間A(図5参照)も潰れてしまわないよう確保されるので、補助吸気口14の閉塞を確実に防止し得て必要最小限の空気量を支障なく確保することができる。
【0030】
尚、本発明の吸気ダクトは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、吸気口内に装備される水侵入防止手段をルーバ以外の構造で構成しても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0031】
【発明の効果】
上記した本発明の吸気ダクトによれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0032】
(I)本発明の請求項1に記載の発明によれば、風に煽られた幌が吸気口に張り付いてしまったような場合でも、少なくともエンストを生じない程度の必要最小限の空気量を確保することができ、しかも、雨水のダクト本体内への侵入も回避することができる。
【0033】
(II)本発明の請求項2に記載の発明によれば、ドリップチャンネルの周囲にダクト本体の幌側に対峙する面が広く形成されているような構造の場合に、風に煽られた幌が吸気口からドリップチャンネルの周囲にかけての広範囲に張り付いてしまっても、ダクト本体のキャブ側から空気連絡口を通して補助吸気口へ空気を導くことができるので、必要最小限の空気量を支障なく確保することができる。
【0034】
(III)本発明の請求項3に記載の発明によれば、ドリップチャンネルの補助吸気口を開口した側壁部分における吸気口側に面した側面に沿って密着するような幌の張り付きをリブにより阻止することができるので、補助吸気口の閉塞を確実に防止し得て必要最小限の空気量を支障なく確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す正面図である。
【図2】図1のII−II方向の矢視図である。
【図3】図1のIII−III方向の矢視図である。
【図4】本発明の別の形態例を示す正面図である。
【図5】図4のV−V方向の矢視図である。
【図6】図4からドリップチャンネル及びルーバを省略して示す説明図である。
【図7】従来例を示す側面図である。
【図8】既に出願されている吸気ダクトの構造を示す平断面図である。
【符号の説明】
3 キャブ
4 吸気ダクト
6 荷台
7 吸気口
8 幌
9 ルーバ(水侵入防止手段)
11 ダクト本体
12 補助吸気口
13 ドリップチャンネル
13c 側壁部分
14 補助吸気口
16 空気連絡口
17 リブ
Claims (3)
- 運搬車両のキャブ後面に据え付けられたダクト本体の上側部分に荷台側へ向け吸気口を開口し且つ該吸気口内に水侵入防止手段を備えて成る吸気ダクトであって、吸気口の周囲に荷台側へ向けて張り出すドリップチャンネルを備えると共に、該ドリップチャンネルの側壁部分の適宜位置に補助吸気口を開口し、該補助吸気口を通して前記ドリップチャンネルの側方から取り込まれた空気が前記水侵入防止手段の前面に導かれるように構成したことを特徴とする吸気ダクト。
- ダクト本体のキャブ側から補助吸気口へ空気を導き得るよう前記ダクト本体の適宜位置に空気連絡口を貫通形成したことを特徴とする請求項1に記載の吸気ダクト。
- 補助吸気口を開口した側壁部分における吸気口側に面した側面に、該側面に沿って密着するような幌の張り付きを阻止するリブを形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の吸気ダクト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001124398A JP3851518B2 (ja) | 2001-04-23 | 2001-04-23 | 吸気ダクト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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