JP3851349B2 - 摩擦材料に使用するための組成物及びそれから作られる製品 - Google Patents
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Description
1.発明の分野
本発明は摩擦材料の製造に使用するための組成物及び方法に関する。より詳しく言えば、本発明は摩擦材料の製造における使用に適した電磁エネルギーにより迅速に硬化できる組成物に関する。
2.先行技術の説明
ブレーキパッドとして使用するための摩擦材料は慣用的には、摩擦改質剤、強化用繊維及びマトリックスを必要な配合が達成されるまで混合することにより作られる。その後、その配合物を金型中に入れ、必要な密度にまで圧縮し、慣用的な電気又はスチーム室中で一定期間加熱して硬化剤とマトリックスの間の反応を完了させる。
オーブンの使用を必要としない摩擦材料の製造法も知られている。しかしながら、このような方法では硬化速度が遅い。例えば、米国特許No. 4,617,165を参照のこと(12〜24時間硬化)。硬化前の摩擦材料配合物中に存在する揮発成分を約200〜400℃の温度範囲にセットした慣用的なオーブン中で蒸発させることにより硬化時間が約4時間に短縮できることも知られている。米国特許No. 4,537,823及び4,605,595を参照のこと。これらの方法では時間は長くかからないが、それから製造される材料に対するマトリックスが均質に硬化されない。
公知の方法により製造される多くの摩擦材料はその摩擦表面をさらに改良するために炎及びプラズマによる別個のスコーチ処理も行わなければならない。そのような慣用的なスコーチ処理は費用がかさむだけでなく、それにより作られたスコーチ層は非常に薄いものである。
マイクロ波はある種の化合物に加熱を誘発することが知られている。Newnhamら,“Fundamental Interaction Mechanisms Between Microwave and Matter,”21 Ceramic Transactions, Microwave: Theory And Application in Materials Processing 51, 68(1991)を参照のこと。材料の微細構造を改良するため、すなわち亀裂や気孔のような欠陥のない材料を製造するために電磁エネルギーを利用するという考え方が、米国特許No. 4,412,841に教示されるような圧縮炭質素材の二次成形コークスを製造する方法に利用されている。摩擦材料の分野では、高周波加熱器を使用して樹脂シートを低温で予備加熱し、それらを切断及び硬化する前にそれらの気孔率を減少させかくしてより良好な圧縮度を達成する(米国特許No. 3,950,149を参照のこと;研削砥石製造)と共に金属裏打ちプレートを加熱してそのプレートとそれに付着しているブレーキライニングの間の接着剤層を軟化させてきた。米国特許No. 4,668,850を参照のこと。
摩擦材料の製造における使用に適した製造時間を短縮できるような急速硬化組成物があれば望ましい。また、その組成物を含む摩擦材料が公知の摩擦材料が有するいずれの機械的特性も犠牲にすることなく、厚く均質に硬化され予備磨き仕上げされ又はスコーチされた断面、選択的気孔率、及び調節可能な圧縮率の如き特性を持つような組成物があれば望ましい。
発明の要旨
本発明は、厚く均質に硬化され予備磨き仕上げされた断面、選択的気孔率、及び調節可能な圧縮率の如き特性を持ち、摩擦材料の製造における使用に適した急速硬化組成物を提供すると共に、そのような摩擦材料を迅速に製造する方法を提供するものである。
本発明によって、組成物が提供され、それは、
a)前記組成物の摩擦性能及び耐磨耗性能を調整するための摩擦改質剤;
b)前記組成物を強化するための繊維;
c)前記組成物のコンシステンシーを改良するための充填剤;及び
d)前記組成物の成分を結合させるためのマトリックス
を含み、その際、前記繊維、充填剤、摩擦改質剤及びそれらの組み合わせから成る群より選択される少なくとも1種の有効量の成分は、前記組成物が電磁エネルギーの存在下で急速に硬化されるような有効なアスペクト比を持つ硬化促進化合物を含む。
本発明の別の側面は、摩擦材料を製造する方法であって、
a)材料混合物を製造するための容器中で、マトリックス、繊維、充填剤、及び摩擦改質剤を混合し、その際、繊維、充填剤、摩擦改質剤及びそれらの組み合わせから成る群より選択される少なくとも1種の有効量の前記成分が、前記摩擦材料が電磁エネルギーの存在下で急速に硬化されるような有効なアスペクト比を持つ硬化促進化合物を含むこと;
b)前記混合物を前記摩擦材料に造形すること;及び
c)前記摩擦材料を前記マトリックスを硬化させるのに十分な時間、電磁照射に曝すこと
を含む方法を提供する。
本発明の別の側面は、磨耗表面から裏打ちプレート付連動表面まで変動する摩擦係数を持つブレーキパッドに使用するための摩擦材料を提供し、前記摩擦材料は、
a)繊維、充填剤、摩擦改質剤、結合剤、及び有効なアスペクト比を持ち且つその導電率が電磁エネルギーのカップリングを促進する硬化促進化合物を混合して混合物を形成し;
b)前記混合物を金型に入れ;
c)前記金型中にある前記混合物を、前記硬化促進化合物に必要な熱反応を起こさせて前記結合剤を硬化させるのに十分な時間、電磁照射に付すること
によって製造される。
本発明により製造されるブレーキパッドのような摩擦材料は、in situで迅速で均質且つ直接的に加熱されるだけでなく、勾配のある架橋形態も示す。従って、最大摩擦係数はパッドの摩擦表面に沿って起きることになる。というのは、その位置で摩擦表面部位に最高の度合いの硬化が起きるからである。逆に、最低の度合いの硬化が金属裏打ちプレートに隣接しかつその摩擦表面の反対側のパッド表面に沿って起き、それによって摩擦材料−プレート間の結合の劣化が避けられる。この勾配形態のもう一つの長所は、摩擦材料の防振性、並びにそれによる衝撃及び雑音吸収性も改善されることにある。さらに、単に硬化温度を上げるだけで、本発明の摩擦材料の表面は揮発分が揮発して厚くて均質にスコーチされた層を形成し、それによりこれらの材料のローターとの摩擦相互作用が改善される。
組成物中のある種の化合物を選択的に加熱できる結果、本発明により製造される摩擦材料の性能は、特定の用途に合うように設計することもできる;すなわち、気孔率を調整して退色性能及び耐磨耗性を改良することができる;米国特許No. 4,735,975を参照のこと;或いは、雑音の低下が求められる場合には気孔率を上げることもできる。本発明の組成物内の硬化度、及びそれに付随してそれを含む摩擦材料の全体強度も調整可能となる。
本発明の方法は、迅速かつ同時に硬化及びスコーチ工程が行われ並びに成形後の冷却工程が必要ないために、摩擦材料を製造するための時間サイクルが短くできることも利点である。それから製造される摩擦材料は、形状もサイズもさまざまに作ることができ、従来技術の摩擦材料の特性と同等又はより優れた機械的及び潤滑工学的特性も有する。
【図面の簡単な説明】
本発明の好ましい態様についての以下の詳細な説明及び添付の図面を参照すれば、本発明がより完全に理解され、さらなる利点も明らかになるであろう。
図1(a)〜(c)は本摩擦材料中の硬化促進化合物の異なる配置を表した三次元図である。
発明の詳細な説明
他に指示がない場合には、全ての対照は重量パーセントで表している。
本発明は、組成物に向けられており、それは、a)前記組成物の摩擦性能及び耐磨耗性能を調整するための摩擦改質剤;b)前記組成物を強化するための繊維;c)前記組成物のコンシステンシー及び加工性を改良するための充填剤;及びd)前記組成物の成分を結合させるためのマトリックスを含み、その際、繊維、充填剤、摩擦改質剤及びそれらの組み合わせから成る群より選択される少なくとも1種の有効量の前記成分が、前記組成物が電磁エネルギーの存在下で急速に硬化されるような有効なアスペクト比を持つ硬化促進化合物を含む。
本発明の組成物の第一の成分は摩擦改質剤であって、摩擦粉末、研磨摩擦改質剤又は減摩改質剤として特徴付けることができる。摩擦粉末型の摩擦改質剤の例としては、カシュー、ナッツシェル、及び摩擦ダストが挙げられる。研磨摩擦改質剤の例としては、酸化マグネシウム(MgO)、酸化第二鉄(Fe3O4)、並びに鉄粉、銅ダスト、アルミニウム粉末及びスチール粉末のような金属粉が挙げられる。減摩改質剤の例としては、二硫化モリブデン(MoS2)、三硫化アンチモン(SbS3)、グラファイト、及びそれらの混合物が挙げられる。
本発明の組成物は、その全重量を基準として、約0.1〜約99パーセント、好ましくは約1〜約60パーセント、より好ましくは約2〜約50パーセント、最も好ましくは約3〜約40パーセントの摩擦改質剤を含む。
本発明の組成物の第二の成分は、合成又は有機繊維、セラミック繊維、金属繊維及びそれらの組み合わせから成る群より選択してもよい繊維成分である。
適する合成繊維としては、固体状態で等方性のあらゆるタイプのポリマーが挙げられる。好ましい等方性ポリマーはその分子構造のために異方性であるものである。特に好ましい異方性ポリマーは熱互変性のもの、すなわちそのポリマーに特有の特定温度範囲に加熱すると等方性溶融体を形成する異方性ポリマーである。これらの特に好ましい熱互変性ポリマーは、溶融状態にすると、剪断又は伸び流動傾向を示して剪断又は伸び流動方向に延伸する。このような延伸溶融体は固化の後に等方性ポリマーに比べると相対的に大きな構造的及び機械的異方性を示す。
一般に、本発明の実施に際して使用する異方性ポリマーは、比較的高いポリマー主鎖の芳香度を有する実質的に線形棒状のポリマーである。有用な異方性ポリマーの実例は、例えば、米国特許No. 5,104,599及び5,225,489に記載されているポリエステルのような完全芳香族ポリエステルである。なお、これら両方の特許は、参照により本明細書中に組み入れられる。
有用なポリアゾメチンの代表例は、米国特許No. 4,048,148に記載されているものである;有用なポリエステルアミドの代表例は、米国特許No. 4,272,625に記載されているものである;なお、これら両方の特許は、参照により本明細書中に組み入れられる。
好ましい異方性ポリマーは、芳香族ジオール、芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ヒドロキシ酸及び芳香族アミノ酸から成る群より選択される1又はそれを越える化合物と、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシ酸及び芳香族アミノ酸から成る群より選択される1又はそれを越える化合物との反応から誘導される反復部分を有するものである。より好ましい異方性ポリマーは、芳香族ジオール、芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ヒドロキシ酸及び芳香族アミノ酸から成る群より選択される1又はそれを越える化合物と、1又はそれを越える芳香族ジカルボン酸との反応から誘導される反復部分を有するもの、又は芳香族ヒドロキシ酸若しくは芳香族アミノ酸の自己反応により誘導されるもの、又は芳香族ヒドロキシ酸及び芳香族アミノ酸から成る群より選択される2又はそれを越える酸の間の反応により誘導されるものである。
有用な有機繊維の実例は、ノボラック樹脂、フェノールシアネート樹脂、フェノールエポキシ樹脂等のようなフェノール樹脂又は改質フェノール樹脂から形成されるもの、並びに離液性液晶ポリマーのような芳香族液晶ポリマーから形成されるものである。このような有機繊維の例としては、マトリックス化合物として用いることができるものとして上に述べたものが挙げられる。
本発明の実施に際して使用される他の有機繊維としては、例えば、グラファイト、並びにポリエチレン、ポリビニルアルコール、サラズ、アラミド、ナイロン、ポリベンズイミダゾール、ポリオキサジアゾール、ポリフェニレン("PPR")、石油及び石炭ピッチ(等方性)、中間相ピッチ、セルロース及びポリアクリロニトリルを含む繊維の炭化から誘導されるもののような炭素繊維が挙げられる。
アラミド繊維の場合、主に芳香族ポリアミドから作られる適するアラミド繊維が米国特許No. 3,671,542に記載されており、これは参照により本明細書中に組み入れられる。好ましいアラミド繊維は、少なくとも約20g/dの靱性、少なくとも約400g/dの引張弾性率、及び少なくとも約8ジュール/グラムの破壊エネルギーを持つであろうし、特に好ましいアラミド繊維は、少なくとも約20g/dの靱性、少なくとも約480g/dの弾性率、及び少なくとも約20ジュール/グラムの破壊エネルギーを持つであろう。最も好ましいアラミド繊維は、少なくとも約20g/デニールの靱性、少なくとも約900g/デニールの弾性率、及び少なくとも約30ジュール/グラムの破壊エネルギーを持つであろう。特に有用なアラミド繊維は、ポリ(フェニレンジアミンテレフタルアミド)及びポリ(メタフェニレン)を含むものである。
液晶コポリエステルの場合、適する繊維は、例えば、米国特許No. 3,975,487;4,118,372;及び4,161,470に開示されており、これらは参照により本明細書中に組み入れられる。そのようコポリエステルのうち、約15〜約30g/d、好ましくは約20〜約25g/dの靱性、約500〜1500g/d、好ましくは約1000〜約1200g/dの弾性率を持つものが特に望ましい。
本組成物は、その全重量を基準として、約0.1〜約90重量パーセント、好ましくは約0.1〜約50重量パーセントの上で述べた合成又は有機繊維を含有する。
存在してもよい他の繊維としては、セラミック又は金属繊維のような無機繊維が挙げられる。本発明の実施に際して使用される有用な無機フィラメントの実例は、石英を含むガラス、マグネシアアルモシリケート、非アルカリ性亜鉛ボロアルミナ、非アルカリ性鉄アルミノシリケート、カドミウムボレート、並びにエータ、デルタ、及びシータ相型の“saffil”繊維を含むアルミナ;アスベスト;ボロン;例えば、シリコンカーバイド、チタニウムボライド、ジルコニウムカーバイド及びボロンニトリドのような金属及び非金属酸化物のようなセラミックス;並びにニッケル、スチール、鉄、黄銅、アルミニウム、銅、チタンのような金属;及びマンガン、チタン、ニッケル及びアルミニウムのような合金を含むものである。
本発明の好ましい態様において、有用な無機繊維は、S-ガラス、S2-ガラス、E-ガラス等のガラス繊維;シリコンカーバイド繊維等のセラミック繊維;及びアラミド、液晶コポリエステル等の芳香族ポリアミド又はポリエステル繊維である。本発明の組成物は、約0〜約90パーセント、好ましくは約1〜約60パーセントの非金属無機フィラメント、及び約0〜約90パーセント、好ましくは1〜約65パーセントの金属繊維を含有する。
これら繊維は多様な形状の網状構造に配置することができる。ここで用いる“繊維”という用語は、伸長された物体であって、その長さ寸法の方が幅及び横断面の厚みの寸法よりもずっと大きいものとして定義される。従って、ここで用いる繊維という用語は、規則的又は非規則的横断面を有するモノフィラメント伸長体、マルチフィラメント伸長体、リボン、ストリップ、フィルム等、並びに複数の上記のいずれか1つ又は組み合わせを含む。例えば、複数のフィラメントを一緒に組にして多様な配列の撚り又は非撚り繊維束を形成させてもよい。この複数のフィラメント又は糸は、多様な慣用的技術のいずれかによって、フェルトにする、網状構造に編むか織る(平織り、ファイバーバスケット、サテン及び千鳥綾織など)、不織布に二次加工する、平行なアレイに配置する、層状にする、又は織布に作ることができる。
本発明の好ましい態様においては、これら繊維を実質的に平行に且つ一方向に配列して、マトリックス材が実質的に個々の繊維を被覆する一軸層を形成させる。これら層を2以上使用して、各層が隣接する層に対して回転している被覆非方向性繊維の多重層を有する1層を形成することもできる。一例は、第二、第三、第四及び第五の層が第一の層に対して、必ずしもこの順でなくてもよいが、+45°、-45°、90°及び0°回転している複合材料である。他の例としては、繊維又は複数のフィラメントの0°/90°配置を取る層が挙げられる。このような好ましい網状構造の二次加工のための方法及び材料は、米国特許No. 4,457,985; 4,613,535; 4,748,064; 4,916,000; 4,403,012; 4,623,574;及び4,737,402に詳細に記載されており、これらは参照により本明細書中に組み入れられる。
本発明の組成物の第三の成分は充填剤である。当該技術分野において公知のいずれの充填剤も本発明における使用に適しており、それにはゴム屑、ホワイチング、雲母、シーコール、ワレストナイト、アルミナ、シリコンカーバイド、カイアナイト、クレイ、シリカ、黄銅チップ、銅粉、亜鉛、鉄粉、アルミニウム、バライト(BaSo4)及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本発明の組成物は、その全重量を基準として、約0.1〜約99パーセント、好ましくは約1〜約80パーセント、より好ましくは約5〜約75パーセント、最も好ましくは約3〜約60パーセントの充填剤を含む。
本発明の第四の成分は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及びそれらの組み合わせから選択されるマトリックス(又は“バインダー”)である。使用される樹脂のタイプは重要ではなく、当業者に公知のいずれの熱可塑性又は熱硬化性樹脂も本質的には使用できる。
本発明の組成物のマトリックス成分として使用するのに好ましい樹脂はフェノール樹脂及びフェノール樹脂誘導体、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、並びにポリフェニレン及び中間相ピッチのような他の芳香族ポリマーのような非複素環式芳香族ポリマー、及びそれらのコポリマー及び混合物である。より好ましい樹脂は、フェノール樹脂や、例えば、ヒドロキシル基が例えばシアネート、エポキシ及びアルキル基のような架橋性部分で誘導体化されたフェノール樹脂のような種々の改質フェノール樹脂である。最も好ましい樹脂は、シアネート化フェノール樹脂及びフェノール−トリアジン樹脂のような硬化中に揮発物質を発生しない耐高温性の樹脂であり、より好ましくはシアネート化フェノール樹脂である。シアネート化フェノール樹脂及びフェノール−トリアジン樹脂の例は、例えば、米国特許No. 4,831,086に見ることができる。なお、これは参照により本明細書中に組み入れられる。
本発明の組成物は、その全重量を基準として、約0.5〜約99重量パーセント、好ましくは約3〜約60重量パーセント、より好ましくは約6〜約55重量パーセント、最も好ましくは約6〜約45重量パーセントの上記のマトリックスを含む。
一般に、本発明における使用に適したマトリックス、繊維、充填剤、及び摩擦改質剤成分は市販されているか又はそれぞれの成分について引用してある文献に記載されている方法によって好都合に製造することができる。
本発明の重要な特徴の一つは、摩擦改質剤、充填剤、繊維、及びそれらの組み合わせから成る群より選択された少なくとも1種の十分な量の成分が、本組成物のX-Y平面が望まれる度合いにまで均質に硬化されるように電磁エネルギーを効果的に吸収できる効果的な形状又は“アスペクト比”を有することである。ここで用いる“アスペクト比”という用語は、成分の長さのその直径に対する比を意味する。
もう一つの重要な特徴は、そのように適当なアスペクト比を有する十分な量のそれら成分が“硬化促進”化合物であるということである。ここで用いる“硬化促進”化合物とは約0.000001〜約1.0、好ましくは約0.05〜約0.6の誘電損失を有し、及び/又は約1×10-10〜約1×10+8ohms-cm、好ましくは約1×10-8〜約1×10+4ohms-cmの抵抗率を有する成分を意味する。
本発明における使用に適した“硬化促進”摩擦改質剤及び/又は充填剤成分の例は、1)“粉砕された”、“細断された”又は“短い”円筒形;2)“長い”円筒形;3)板状;4)粒子状;又は5)それらの組み合わせから成る群より選択される形状を有するものである。同様に、適する“硬化促進”繊維成分は、“粉砕された”、“細断された”又は“短い”円筒形状、“長い”円筒形状、又はそれらの組み合わせのうちのいずれかであってもよい。
ここで用いる“細断された”又は“短い”繊維という用語は、長さが約0.01cmに等しいか又はそれより大きく直径が約1cmに等しいか又はそれより小さく、さらに“アスペクト比”が約1.05よりも大きな繊維状又は針状繊維を意味する。この短い繊維のアスペクト比は、好ましくは約1.5〜約3000、最も好ましくは約1〜約2500である。
ここで用いる“長い繊維”は、直径は短い繊維と同等であるが、長さが非常に長く約1cmから無限の繊維を意味する。長い繊維のアスペクト比は、少なくとも約3より大きい。
ここで用いる“粒子”とは、長さが直径にほぼ等しくアスペクト比が約1の摩擦改質剤又は充填剤成分の構造を意味する。
ここで用いる“板状”とは、長さが約0.001cmに等しいか又はそれより大きく直径が約10cm等しいか又はそれより小さく、そして“アスペクト比”が約0.995よりも小さな摩擦改質剤又は充填剤の構造を意味する。
上記成分のアスペクト比又は長さに上限はなく、粒子の直径に下限はないが、本発明における使用に適した“硬化促進”化合物における効果的なアスペクト比は好ましくは約0.1よりも大きく、より好ましくは約0.2よりも大きく、最も好ましくは約0.3よりも大きい。
本発明の好ましい態様において、本発明の硬化促進化合物は、平均の長さが約0.00005cm〜約5cm、より好ましくは約0.005cm〜約1.5cm、最も好ましくは約0.05cm〜約1.25cmであり、この硬化促進化合物の長さの分布は、Xを硬化促進化合物の平均の長さとした場合に、約X±0.1X〜約X±X、好ましくは約X±0.2X〜約X±X、より好ましくは約X±0.3X〜約X±X、最も好ましくは約X±0.4X〜約X±Xでもよく、最良の結果は約X±0.5X〜約X±Xの間で得られる。
硬化促進化合物の平均直径は、約0.0005cm〜約0.05cm、好ましくは約0.00005cm〜約0.025cm、最も好ましくは約0.0005cm〜約0.01cmであり、混合物中のこの硬化促進化合物成分の直径の分布は、Yをその混合物中の硬化促進化合物の平均直径とした場合に、約Y±Yに等しいか又はそれより小さく、好ましくは約Y±0.2Y〜約Y±Y、より好ましくは約Y±0.3Y〜約Y±Y、最も好ましくは約Y±0.4Y〜約Y±Yであり、最良の結果は約Y±0.5Y〜約Y±Yの間で得られる。この直径は、上に示すように、長さの分布に関連して幅広く変えることができる。
種々の形状の硬化促進化合物を形成する技術は、当該技術分野において周知であり、例えば、Savage, Carbon-Carbon Composites(1993)に記載されている。
一般に、本発明における使用に適している“硬化促進”化合物には、その誘電率が電磁エネルギー、好ましくはマイクロ波エネルギーのカップリングを促進する材料が含まれる。マイクロ波は、約0.3GHz〜約300GHzの周波数で約100cm〜約0.1cmの波長を持つ。これらの“硬化促進”化合物の実例としては、フレリン、グラファイト、及びダイアモンド;アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、銅(Cu)、コバルト(Co)、マグネシウム(Mg)、及びモリブデン(Mo)のような金属;酸化第二鉄(FeO3)、酸化第一銅(CuO)、三酸化コバルト(Co2O3)、酸化ニッケル(NiO)のような混成原子価の酸化物;及び硫化鉛(PbS)、硫化鉄(FeS2)、及び硫化鉄銅(CuFeS2)のような硫化半導体;並びにそれらの混合物がある。好ましい硬化促進化合物としては、グラファイト並びに、鉄、酸化第二鉄、硫化鉄、及び硫化鉄銅のような磁性粒子が挙げられ、グラファイトがより好ましい。
本発明者らは、特定の形状のそのような硬化促進成分を有効量加え、そのような成分を特定の範囲で本発明の組成物中に分布させることによって、これらの硬化促進成分が、得られる摩擦材料の性能に有害な作用を及ぼすことなく、成形/硬化サイクル時間の短縮及び前記組成物の加熱効率の上昇に寄与することを見出した。ここで用いる“有効”量の硬化促進化合物とは、望ましい硬化度を得るのに必要な“硬化促進”化合物の量を意味する。当業者は、望ましい硬化度を提供するのに必要とされる硬化促進化合物の適切な量及びサイズを容易に決定できる。それぞれの硬化促進化合物は、電磁エネルギーの存在下で熱を吸収及び発生させ、かくして本発明の組成物の硬化速度を加速させる“導体”として機能すると考えられる。
本発明の組成物は、外観及び特性改善のために別の成分を含んでいてもよい。そのような他の添加物としては、粒状充填剤、着色料、抗酸化剤、安定剤等が挙げられる。そのような添加剤の性質は幅広く変化し、組成物中に含まれる硬化促進化合物又は化合物群及びマトリックスの性質、及び上記組成物の使用目的等に左右されるであろう。このような添加剤の量も幅広く変化してよい。添加剤の量は、組成物の全重量を基準として、約0〜80パーセントの間で変化してもよく、好ましくは約30〜約50パーセントの間で変化してもよい。
ゴム、すなわち粉砕ゴム、及びエラストマーのような市販の耐衝撃性改良剤も本発明の組成物中に場合により使用してもよい。このような耐衝撃性改良剤は、組成物の全重量を基準として、約0〜30パーセント、好ましくは約0.5〜約10パーセントの量で使用してもよい。
水酸化カルシウム(Ca(OH)2)のようなpH調整剤も本発明の組成物中に、組成の全重量を基準として、約0〜35パーセント、好ましくは約0〜約10パーセントの量で使用してもよい。
本発明の組成物は全ての必須成分並びに何らかの任意成分を、乾燥配合、溶融配合、又は押出機や他のタイプの混合器による配合のような当該技術分野において周知の慣用的な混合技術によって、周知条件下で混合することによって製造することができる。
本発明における使用に適した硬化促進化合物は、図1に例示する組み合わせのいずれかで摩擦材料中に配置させることができ、この図は、例えば粒子形態の硬化促進化合物を示している。例えば、摩擦材料は、図1aに示すように全体に均質に分散された硬化促進化合物又は化合物群を含む単一構造をとってもよい。或いは、この材料は:1)硬化促進化合物を含まない本発明の組成物を含む層に隣接する、硬化促進化合物又は化合物群を含む1の層(図1b);又は2)硬化促進化合物を含まない本発明の組成物を含む2又はそれを越える層の間に挟まれた硬化促進化合物又は化合物群を含む1又はそれを越える層(図1c)を含む多層構造体でもよい。
この組成物は硬化されると、French,“Crosslink Density from Sol-Gel Contents,”All(3)J. Macromol. Sci. 643-666(1977)に記載の方法に従ってその硬化組成物をアセトン抽出した場合のアセトン抽出パーセントが低い、これは高い硬化の度合い、すなわち約99パーセントよりも高いことを意味している。これは架橋時に化合物の分子量が増加するにつれて、そのアセトン溶解度が減少するためである。
本発明の組成物は、多様な製品に作ることができ、その例としては自動車、トラック、飛行機、列車、自転車等のドラムライニング、クラッチ、及びブレーキパッドのような摩擦材料が挙げられる。
本発明の組成物の別の態様には、連続炭素及びグラファイト繊維のような硬化促進化合物、並びに炭素−炭素複合配置を取るマトリックスが含まれる。そのような炭素−炭素複合材料は、航空機又はレーシングカーのブレーキに用いるのに特に適している。無限に近いアスペクト比を有する硬化促進化合物、すなわちフィラメントは、炭素−炭素複合材料に使用するのが好ましい。そのような炭素−炭素複合材料は、樹脂トランスファー成形、含浸、及び引抜成形法のような当該技術分野において公知の慣用的な方法により製造することができる。Savage, Carbon-Carbon Composites(1993)を参照のこと。
本発明の別の側面は、マトリックス、充填剤、繊維及び摩擦改質剤、並びに他の何らかの任意成分を、乾燥配合若しくは溶融配合、又は押出機や他のタイプの混合器による配合のような慣用的な技術を用いて配合する開始工程を含む摩擦材料製造法に向けられている。
次いで、得られた配合物を、典型的には望ましい適切な形状とサイズの金型に充填することによって望ましい最終製品の形態に成形する。配合物を金型に入れる方法並びに前記金型又は摩擦材料そのものを加熱室に移す方法には、あらゆる慣用的な方法を用いることができる。そのような方法は当該技術分野において周知であり、米国特許No. 4,617,165、4,537,823及び4,605,595に記載されている。
金型のサイズ、形状、及び組成は、摩擦材料製品の望まれる最終的使用法によって変化してもよい。金型のサイズ、すなわち幅と長さは、製品が重い車両を停止させるためのブレーキパッド又はドラムライニングとして使用される場合には一般に大きく、すなわち約0.05cm3〜約300,000cm3である。反対に、製品がより小さな車両、すなわち自転車を停止させる手段として使用することが意図される場合は、金型は一般に小さくなる。
金型の形状は不規則的でも規則的でもよい。有用な形状の実例としては、例えば、立方体、直方体、円筒形、並びに三角柱、五角柱、及び六角柱のような多角柱が挙げられる。本発明の好ましい態様では、金型は、立方体、直方体又は円筒形である。金型の形状は、さらに硬化促進化合物の配置、すなわち上に述べたような単一又は多層構造に依存する。
金型は、ここで使用する高い硬化温度に耐えられるポリマー複合材料、すなわちガラス繊維強化複合材又は金属のような材料を含むべきである。
加熱室中で、金型に入っているか又は当該技術分野において公知の慣用的な圧縮手段によってそこから押し出された後の摩擦材料を、少なくとも約0.05W、好ましくは約0.05W〜約1000KW、より好ましくは約500W〜約500KWの出力、及び約0.954GHz〜約2.45GHzの周波数で供給される電磁照射に曝す。磁気(又は“誘導”)加熱及び誘電(又は“マイクロ波”)加熱を本発明に必要な電磁エネルギーの発生源として使用することができる。マイクロ波加熱が本発明の組成物中の一定の化合物だけを加熱することに関して高い選択性を有するので好ましい。
本摩擦材料は約10℃〜約2500℃、好ましくは約20℃〜約300℃の温度で、約1〜約3時間、好ましくは約3〜60分の範囲の時間、その摩擦材料中のマトリックスを硬化させるために加熱室中に入れたまま照射する。
上記のような導電性硬化促進化合物を使用することにより、それぞれの硬化促進化合物に隣接して位置する摩擦パッドのマトリックス及び他の成分は、電磁照射に曝した際に加熱され焼け尽くされると考えられる。このことが、マイクロ波エネルギーが物質を内側から外まで加熱する現象と相まって、本発明の摩擦材料が慣用的な手段で硬化した材料と比較して高い気孔形態を取ることに寄与している。
従って、本発明の摩擦材料の気孔率及び全体強度は、硬化中の電磁エネルギーとそれに伴う温度上昇の両方を吸収する硬化促進化合物の適切なアスペクト比及び分布を選択することによって調節することができる。上記硬化促進化合物に近接する有機材料は全て電磁エネルギーに曝す間に“燃え尽き”て、穴又は小孔を摩擦材料中に残すことができる。そのように硬化促進化合物の配置を調整しかくして組成物の気孔率を調整することによって、パッドと固定子の間の摩擦抵抗性並びに“雑音”を調節することができる;すなわち、気孔率が増加するにつれて“雑音”が減少する。
電磁エネルギー波は摩擦材料の表面に吸収されるだけでなく、硬化中にその摩擦材料が位置しているプレート上に反射されるために、得られる摩擦材料は勾配のある架橋形態を持つ。これが、硬化処理中に摩擦材料の表面のほうがより高い温度にさらされて、より高い度合いの硬化を受け、そして約0.0005cm〜約1.5cm、好ましくは約0.01cm〜約0.3cmに変動しうる深さを有するスコーチ表面層を形成する。この摩擦材料−プレートの結合は、裏打ちプレートに隣接する摩擦材料の層だけがそれから反射するエネルギー波のために低温に曝されるので、硬化処理中に弱められることがないという利点もある。
以下の実施例は本発明をより完全に理解するために示すものである。特定の技術、条件、材料、比率、及び本発明の原理と実際を例示するために示す報告データは例であって、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
実施例により製造される硬化済材料の特性を以下のように測定した:
a)強度(Pa)及び密度(gm/cc):環状表面の直径が約1.95cm(0.75インチ)で厚さが約1.905cm(0.25インチ)のサンプルを重量計を用いて密度を試験する。圧縮強さを試験するために、同じ寸法の別のサンプルを力計測器を備えた油圧プレスの定盤中に置く。圧縮強さはサンプルを破壊するのに必要な極限力をサンプルの表面積で割って算出する。曲げ強さはASTM D790に記載の方法により測定する。
b)気孔率:サンプルの気孔率は以下のように密度から計算する:
% 気孔率=100×{理論密度−実際の密度}/理論密度
但し、理論密度は成分に固有の密度の合計に等しい。
c)動的機械的性質:Ferry, “Viscoelastic Properties of Polymers,”124(3rd, ED. 1978年)及びNielsen, Mechanical Properties of Polymers and Composites, 54(1976)に記載の方法を用いて、サンプルのヤング率(Pa)及びTanδ=(損失ヤング率)/(貯蔵ヤング率)を測定する。
約3.8cm×約0.635cm×約0.312cmの寸法のサンプル又はストリップをRheometrics社の流動動的分光計に入れ、アルゴン存在下で約3℃/分の速度及び約1Hzの歪みサイクル頻度で熱した。実験の温度範囲は25℃〜400℃である。
d)硬化熱(J/g):各サンプルを乳鉢と乳棒で粉末形態に粉砕する。約8.5mg〜約10mgの粉末をPerkin-Elmer社の連続温度分析システム示差走査熱量計で2分間、窒素存在下で約10℃〜約250℃の温度、約5.0度数/分の走査速度で加熱する。
e)アセトン抽出:約110℃に予熱したFisher Scientific恒温減圧オーブンでガラス繊維円筒濾紙を約10分間乾燥させる。次にこの円筒濾紙を室温に設定したFisher Scientificデシケーターに入れてさらに10分間置いた後、秤量する。成形品サンプルを破砕して粉末にし、それを冷却した円筒濾紙に入れて秤量する。この粉末を充填した円筒濾紙をFisher Scientific社のガラス還流装置で約2時間還流しながらアセトンで抽出する。粉末充填円筒濾紙をその後、上記の室温のデシケーター中に20分間置いた後、秤量する。
f)摩擦及び磨耗:成形品サンプルの摩擦及び磨耗をチェース試験(試験方法SEA J661)により評価する。
実施例1.摩擦材料組成物の調製
DuPont Chemicalから商標名“Kevlar”で販売されているポリ(芳香族アミド)パルプ3.0gを、約0.03cmの粒子径を持つグラファイト粉末0.4gと、およそ0.5リットル(2クォート)のPatterson-Kelly配合機を用いて3825rpmの速度で約3分間混合する。約0.124cmの粒子サイズを持つグラファイトチップ6.0g及び三硫化アンチモン4.9gをそこに加え、得られた混合物をさらに5分間約3825rpmで混合する。
Borden Chemicals社(オハイオ州)から商標名“Durite FD-2166A”で販売されており約7.5重量%のヘキサメチレンテトラアミン硬化剤を含有する熱硬化性フェノール樹脂6.1g、カシュー・ナッツシェル摩擦ダスト3.4g、粉砕ゴム4.5g、及び硫酸バリウム(BaSO4)33.2gを上記混合物に加え、約3825rpmでさらに6分間混合する。
雲母8.0gをそこに加え、約3835rpmでさらに10分間混合した。
L/D比が約15の炭素繊維1.2g、L/D比が約6の銅繊維20g、粒子径が0.03cmの亜鉛粉末6g及びL/D比が約10のサイザル麻繊維9.0gをそこに加え、約3825rpmでさらに20分間混合した。
実施例2.摩擦材料の成形
実施例1で製造した組成物120gを周囲条件下で#9DT-0035 Raloid Tooles金属型に入れる。この金型を250℃に予熱した40 ton Wabashプレス機の定盤に入れ、このプレス機を密閉する。
密閉プレス機の金型内の圧力を約204atm(3kpsi)におよそ30分間維持した後、金型内の温度を約148℃に上げる。その後プレス機の温度を“自動加熱”に調整し、そのまま約3.5分間維持する。その後、定盤内部に約35分間水を通して金型を室温まで冷却する。
比較例3−1:慣用的な加熱法による熱圧製品の硬化
実施例2に記載にした方法により製造した成形品サンプルを260℃に予熱したFisher Scientificオーブンで14時間、熱風循環により硬化させる。硬化サンプルの性質を評価した結果を表1に纏める。
サンプルの温度はオーブンに入れる時点で約110℃である。硬化後、亀裂やフロートが硬化サンプルに見られる。このことは、初期温度が高い摩擦材料組成物は慣用的なエネルギーを利用する手段ではうまく硬化できないことを明らかにしている。むしろ、亀裂やフロートのない材料を製造するには慣用的なオーブンで硬化させる前におよそ室温まで摩擦材料を冷却することが必要である。
実施例3:マイクロ波エネルギーによる硬化
実施例2に記載した方法により製造した成形品サンプルをCober Electronics社のBPH 700マイクロ波オーブンを用いて、1.2kW、2.45gHz、約1分間の条件でマイクロ波エネルギーにより硬化させる。硬化サンプルの性質を評価した結果を表1に纏める。
表1から、電磁エネルギーで硬化された製品は慣用的な加熱で硬化された製品と同等又は優れた物理的性質及び潤滑工学的性質を有することがわかる。
オーブンに入れる時点のサンプル温度は約110℃である。硬化後、亀裂やフロートはサンプルに見られない。このことは、硬化前温度の高い本発明の摩擦材料組成物がマイクロ波オーブンでうまく硬化できることを明らかにしている。従って、硬化前組成物の冷却工程が省かれ、それにより硬化摩擦材料を製造するサイクル時間が短縮される。さらに、硬化時にオーブン内で組成物を室温から加熱する必要がないのでエネルギー消費量も低下する。
実施例4.1:化学成分−硬化促進剤の効果
約4gの実施例1のフェノール樹脂を150mLビーカー中で1gの種々の硬化促進化合物と配合し、均一になるまで攪拌する。できた配合物5gをパッドに作り、硬化時間が20秒であること以外は実施例3に述べたものと同様の方法及び同様の条件下で硬化させる。硬化した摩擦材料に行ったアセトン抽出試験の結果を表2に示す。
表2から、硬化促進剤のサイズ及びタイプによって摩擦材料の硬化の度合いに影響があることがわかる。明らかに、グラファイト及び銅繊維はマイクロ波エネルギーによるフェノール樹脂の硬化において有効な促進剤であるが、他の成分は硬化反応の促進に対して非常に僅かに寄与するのみである。さらに、グラファイト化合物はアスペクト比が低いほうが有効なことが明らかである。
マイクロ波エネルギーによる硬化反応の調速パラメーターは摩擦材料の質量、比熱、誘電特性、形状寸法、熱損失メカニズム、カップリング効率、及び内部に発生する力;並びにマイクロ波/誘電加熱の出力である。全ての点が同等であれば、硬化速度は電磁加熱ユニットへの出力が増加するのに従って一定の限界内で増加させることができる。例えば、入力を1.2kWから7kWに増加させると本発明の組成物の硬化時間は約20秒から約3秒に短縮されることになる。
実施例4.2:マトリックスの性質の効果
重量平均分子量が約3745、数平均分子量が約1291、分子量分布が約2.9のAlliedSignal社(モーリスタウン、ニュージャージー州)製のPT樹脂50g、及び実施例1の熱硬化性フェノール樹脂50gを成形し、硬化時間が60秒であること以外は実施例2及び3に述べたものと同様の方法及び同様の条件下で硬化させる。硬化した組成物のアセトン抽出性を表3に示す。
表3からフェノール樹脂よりもPT樹脂の方がマイクロ波エネルギーに対して反応性が高いことがわかる;すなわち、アセトン抽出が低いことは硬化度が高いことを意味する。
実施例5:硬化勾配
実施例2に記載の方法により製造された製品サンプルを実施例3のオーブンを用いて3.6kW及び2.45GHzの条件でマイクロ波エネルギーにより約1分間硬化させる。約3.8cm×約0.635cm×約0.312cmの寸法の試験ストリップを硬化サンプルの上面(摩擦表面)、中間部、及び底面(金属プレートに隣接)から取る。サンプルの動的機械的性質及びアセトン抽出性を表4に纏める。
“Tanδ”は摩擦材料の減衰を測定するために用いる。より詳しく言えば、Tanδが高いほど、その材料の硬化の度合いは低く、減衰能は大きくなる。
表4から、マイクロ波エネルギーで硬化された試験ストリップには勾配のある硬化がなされており、底面層は上部表面層よりも硬化の度合いが低く、すなわちアセトン抽出率とガラス転移温度が高く、それにより粘弾性が高い。この底面層は硬化後もその粘弾性の大部分を保持しているため、得られる試験ストリップは実際のブレーキ作動時に生じる大量の振動エネルギーを吸収することができる。従って本発明のパッドの耐衝撃性が改善されるだけでなく、雑音の伝搬もその結果減少する。
対照的に、慣用的なオーブンで硬化されたブレーキパッドは全体を通じて均一に硬化されるために、粘弾性が低く、よって防振性及び耐衝撃性が劣る。
以上、本発明をより詳細に記載したが、そのような詳細に厳密に固執する必要はなく、変更や改良が当業者の念頭に浮かぶものと考えられ、それらはすべて添付の請求項により定義される本発明の範囲内にあると理解すべきである。
Claims (10)
- 組成物であって、下記成分:
a)前記組成物の摩擦性能及び耐磨耗性能を調整するための摩擦改質剤;
b)前記組成物を強化するための繊維;
c)前記組成物のコンシステンシーを改良するための充填剤;及び
d)前記組成物の成分を結合させるためのマトリックス
を含み、前記繊維、充填剤、摩擦改質剤及びそれらの組み合わせから成る群より選択される少なくとも1種の有効量の成分が、前記組成物が電磁エネルギーの存在下で急速に硬化されるような有効なアスペクト比を持つ硬化促進化合物を含み、前記有効なアスペクト比が(i)粉砕された、切断された、又は短い円筒形状を有する成分に関して約1.05より大であり;(ii)長い円筒形状を有する成分に関して約3より大であり;(iii)板形状を有する成分に関して約0.995より小さく;(iv)粒子形状を有する成分に関して約1であると規定される;組成物。 - 硬化促進化合物が約0.000001〜約1.0の誘電損失を有し且つ約1×10-10〜約1×10+80ohms-cmの抵抗率を有する、請求項1に記載の組成物。
- 硬化促進化合物が、フレリン、グラファイト、ダイアモンド、アルミニウム、鉄、銅、コバルト、マグネシウム、モリブデン、酸化第二鉄、酸化第一銅、三酸化コバルト、酸化ニッケル、硫化鉛、硫化鉄、硫化鉄銅及びそれらの混合物から成る群より選択される、請求項2に記載の組成物。
- 繊維が実質的に平行且つ一方向に配列されている、請求項1に記載の組成物。
- 複数の繊維が少なくとも1つの層中に配置されていて、前記層中の前記繊維の間の回転角が約0°〜約90°である、請求項1に記載の組成物。
- 充填剤、繊維、摩擦改質剤、及びそれらの混合物から成る群より選択される少なくとも1種の成分が組成物中に無作為に分散されている、請求項1に記載の組成物。
- アスペクト比が約0.1よりも大きい、請求項1に記載の組成物。
- 請求項1に記載の組成物を含む製品。
- 摩擦材料を製造する方法であって、
a)材料混合物を製造するための容器中で、マトリックス、繊維、充填剤、及び摩擦改質剤を混合し、その際、前記繊維、充填剤、摩擦改質剤及びそれらの組み合わせから成る群より選択される少なくとも1種の有効量の成分が、前記摩擦材料が電磁エネルギーの存在下で急速に硬化されるような有効なアスペクト比を持つ硬化促進化合物を含むこと;
b)前記混合物を前記摩擦材料に成形すること;及び
c)前記マトリックスを硬化させるのに十分な条件下で前記摩擦材料を電磁照射に曝すこと
を含む方法。 - 磨耗表面から裏打ちプレート付連動表面まで変動する摩擦係数を持つブレーキパッドに使用するための摩擦材料であって、
a)繊維、充填剤、摩擦改質剤、結合剤、及び有効なアスペクト比を持ち且つその導電率が電磁エネルギーのカップリングを促進する硬化促進化合物を混合して混合物を形成し;
b)前記混合物を金型に入れ;
c)前記金型中にある前記混合物を、前記硬化促進化合物に必要な熱反応を起こさせて前記結合剤を硬化させるのに十分な時間、電磁照射に付すること
によって製造される摩擦材料。
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