JP4959263B2 - 摩擦材の製造方法 - Google Patents

摩擦材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4959263B2
JP4959263B2 JP2006250944A JP2006250944A JP4959263B2 JP 4959263 B2 JP4959263 B2 JP 4959263B2 JP 2006250944 A JP2006250944 A JP 2006250944A JP 2006250944 A JP2006250944 A JP 2006250944A JP 4959263 B2 JP4959263 B2 JP 4959263B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
friction material
friction
thermoplastic resin
blended
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006250944A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008069314A (ja
Inventor
敦 上野
康幸 草間
卓弥 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Akebono Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Akebono Brake Industry Co Ltd filed Critical Akebono Brake Industry Co Ltd
Priority to JP2006250944A priority Critical patent/JP4959263B2/ja
Publication of JP2008069314A publication Critical patent/JP2008069314A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4959263B2 publication Critical patent/JP4959263B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

本発明は、自動車、鉄道車両、産業機械等のブレーキ等に使用されるフェード特性と耐熱劣化特性を両立させた摩擦材に関し、特に、セラミック製のロータ(以下「セラミックロータ」という)との摩擦係合に用いられる摩擦材であって、より具体的には前記の用途に使用されるブレーキパッド、ブレーキライニング、クラッチフェーシング等に関するものである。
車両に搭載されるブレーキロータのような耐摩耗性が求められる部品については、通常鋳鉄が使用されているが、走行安定性を向上させると共に、ブレーキロータの冷却性を改善しつつ、摩擦係数を向上させ制動性を高めるため各種素材の検討が行われている。例えば、SiC(炭化珪素)粒子を分散させたアルミニウム合金製インゴットを使用して製造されたブレーキロータが、一部の車で使用されている。
又、昨今、欧州市場を中心に、長寿命かつ軽量で商品化に成功しているSiC・炭素繊維を基材としたブレーキロータ等の摩擦材として、高温域での使用に耐えうるブレーキパッドの開発は急務となっている。前記したロータは、従来の鋳鉄製ロータと比較して、摩擦界面(ロータと摩擦材界面)での急激な温度上昇を引き起こしやすく、結果としてフェード現象の要因となる。また、そのロータの表面温度上昇によってブレーキ液温度の上昇を引き起こし、さらにべーパロック現象の要因となる。
「特許文献1」では、有機結合材を持つ従来のブレーキライニング又は無機的に結合した従来のブレーキライニングは、耐熱性が不足してくるため、繊維強化C−SiC複合セラミックから成るロータ及びこれと摩擦で作動する同じ材質のブレーキライニングから構成されたブレーキ装置を作成し、ブレーキライニングの表面近傍範囲における硬度をロータより小さく設定した結果、このブレーキ装置は、摩耗が減少し耐熱性が向上したと報告している。
又、「特許文献2」では、摩耗を抑えるため、強化繊維とバインダとを含む混合物をプレス成形し、加熱により前記バインダを硬化させ、プレス成形された本体を酸化物質の排除のもとに750℃〜1300℃の温度まで加熱して炭化させることにより炭化されたコア本体を製造する工程と、強化繊維を含む成形可能な材料を予め製造され炭化された前記コア本体に対してプレス成形し、その後更なる複数工程により摩擦層を製造する工程と、前記摩擦層のための材料を硬化させ、本体全体を炭化させた後、複合した本体に液状シリコンを含浸させる工程により製造したカーボンセラミックロータは、コア本体の上端面近傍の気孔率が高くなり、耐摩耗性に有利であることを見出した。
通常、摩擦材の製造は、摩擦材原料の配合、攪拌、常温における予備成形、熱成形、加熱(アフタキュア)、研磨等の仕上げ加工の各工程を経て行われている。その中でも熱成形工程における成形条件が製品の性能を直接左右するので、熱成形は重要な工程である。熱成形工程では、結合材を熱による反応で硬化させることにより、摩擦材全体を強固に結合させて一体化させ、強度と硬度をもたせるので、この工程の良否で摩擦材の性能が決まってくる。
配合材料としては、有機繊維、ガラス繊維などの無機繊維、鉄あるいは銅繊維などの金属繊維等の繊維基材、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填材、ゴムダスト、カシューダスト、金属酸化物、金属粒子、セラミック粒子等の摩擦調整材、黒鉛、二硫化モリブデン等の潤滑材、フェノール樹脂等の結合材が使用されるが、従来の配合材料を使用した製造方法ではセラミックロータとの係合に適した気孔を有する摩擦材の製造は難しく、耐摩耗性、耐熱劣化特性の確保とフェード特性の両立に課題が残されていた。
特開平11−132270号公報 特開2006−90546号公報
一般に、耐摩耗性、耐熱劣化特性あるいはフェード特性を両立させるために、摩擦材の気孔率を調整することは以前から行われている。しかし、加熱成形時の成形圧力と温度を変えて気孔率を増加させたり単に多孔質無機粒子を使用する方法では、機械的強度及び耐摩耗性が低下することが多い。
従って、本発明の課題は、他の摩擦特性を犠牲にせず、摩擦材の熱処理によって気孔率を調整して、摩擦材が車両のディスクブレーキ等、特にセラミックロータと組み合わされたとき、耐摩耗性とフェード特性とを両立させることのできる摩擦材の製造方法と前記製造方法による摩擦材を提供することである。
本発明は、下記の手段により上記課題を解決した。
(1)セラミックス製のロータとの摩擦係合に用いられる摩擦材の製造方法において、非アスベスト系摩擦材の配合基材に更に熱可塑性樹脂材料を配合し、摩擦材の熱成形後に前記熱可塑性樹脂材料の融点以上の温度で加熱処理することにより、摩擦材内部に空孔を形成することを特徴とする摩擦材の製造方法。
(2)前記熱可塑性材料として、ポリプロピレン又はポリエチレン繊維を用いることを特徴とする前記(1)記載の摩擦材の製造方法。
(3)熱可塑性樹脂材料を、前記熱可塑性樹脂材料を除いた非アスベスト系摩擦材の全配合基材100質量部に対して1〜12質量部配合することを特徴とする前記(1)又は(2)記載の摩擦材の製造方法。
(4)熱可塑性樹脂材料を、熱可塑性樹脂材料を除いた非アスベスト摩擦材の全配合基材100質量部に対して5〜12質量部配合することを特徴とする前記(3)記載の摩擦材の製造方法。
(5)前記摩擦材の加熱処理において、温度200〜300℃で1〜5時間加熱処理を行うことにより、摩擦材内部に空孔を形成することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の摩擦材の製造方法。
(6)セラミックス製のロータとの摩擦係合に用いられる摩擦材の製造方法において、少なくとも繊維基材、摩擦調整材、潤滑材、充填材、結合材からなる非アスベスト系摩擦材の配合基材に更に融点が摩擦材の成形温度以上であり後の加熱工程の加熱処理温度以下である熱可塑性樹脂材料を配合し、摩擦材の熱成形後に前記熱可塑性樹脂材料の融点以上の温度で加熱処理することにより、摩擦材内部に空孔を形成することを特徴とする摩擦材の製造方法。
セラミックロータは、比熱の低い構成材料からなることに起因して、ブレーキ制動によってもたらされる温度変化量が大きい。これによって摩擦材の構成材料の一部がガス化し、ブレーキの効きが低下(フェード)するが、本発明の摩擦材は摩擦材内部に大きな空孔(「気孔」ともいう)を持つことによって発生したガスを界面に貯めることなく排出することが可能であり、フェード現象を防止することが出来る。
又、セラミックロータの急激な温度上昇によって発生した熱エネルギーによって、摩擦材の構成材料の熱劣化が引き起こされ、ブレーキパッドの摩耗が促進される要因となる。本発明では気孔率を調整することによって発生した熱が摩擦材内部まで拡散することを遮断し、摩擦材の摩耗量の増加を防止する。
従って、本発明の製造方法による均一で大きい気孔径の気孔を有する摩擦材の使用により耐摩耗性とフェード特性を両立させることが可能になった。
以下、本発明の実施態様について詳細に説明する。
従来、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂によって成形された摩擦材は、内部に均一で大きい気孔を持ちにくい。本発明においては、ポリプロピレンに代表される低燃焼温度の樹脂を摩擦材に配合し、これを摩擦材の成形後に樹脂の融点以上の温度で高温加熱処理することによって、摩擦材内部に空孔を作ることが可能となる。ここで配合される熱可塑性樹脂の融点は成形温度以上であり、後加熱処理温度(摩擦材の加熱処理工程の温度)以下であることが望ましい。
融点が摩擦材の成形温度以上であり後加熱処理温度以下にある熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂あるいはそれらの混合物等を挙げることができる。
上記の樹脂の中でもポリオレフィン樹脂が好ましく、具体的な樹脂としては炭素数2〜8のモノマーからなるポリオレフィンであり、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−1−ペンテン、ポリ−4−メチルペンテン等を使用することが出来る。中でも、ポリプロピレンあるいはポリエチレンが更に好ましい。ちなみに、ポリプロピレンの融点は165℃であり、ポリエチレンの融点は142℃である。
最も好ましいのは、ポリプロピレンであり、ポリプロピレンは単独重合体であってもよく、プロピレンと、エチレンあるいは1−ブテン、イソプレン等をブロック的に共重合したり、プロピレンとコモノマーをランダムに共重合した共重合体であってもよい。前記したポリオレフィンの物性値はポリオレフィンの製造法と用途により異なるが、摩擦材に配合する際の物性値は、摩擦材の目標性能により当業者の裁量で決定することが出来る。
ポリプロピレンは比重が0.90〜0.91と汎用プラスチックではもっとも小さく、熱成形時の樹脂流動性に優れ、成形収縮率は1〜2%の範囲であり、ポリスチレン等の非晶性樹脂よりも比較的大きく、成形収縮率の異方性バランスも良好である。
本発明においては、熱可塑性樹脂材料を除いた非アスベスト系摩擦材の全配合基材100重量部に対しポリプロピレン、ポリエチエレンに代表される融点が後加熱処理温度以下にある熱可塑性樹脂を1〜12質量部配合することによる気孔率の調整手法が採用されるが、フェード現象に対する効果を明確にするためには、配合量は5〜12質量部配合することが望ましい。一方、撹拌工程における分散性を考慮すると樹脂の形態としては繊維状であることが望ましく、また更に効果を明確にするためには繊維長さは1mm〜15mm、好ましくは3mm〜12mmであり、直径50μm〜2000μm、好ましくは200〜1000μm程度が望ましい。
上記した繊維状の熱可塑性樹脂は気孔率を調整するために非アスベスト系摩擦材の全配合基材と共に配合され、熱成形工程に移される。通常、熱成形は140〜160℃で1〜10分間行われる。この工程で予備成形したワークに製品形状が付与され、次に高温加熱処理工程で200〜300℃で1〜5時間熱処理され、熱可塑性樹脂が融解あるいは熱分解反応を起こし、あるいは一部焼失し、摩擦材に空孔が生ずる。
摩擦材中に形成された気孔径とその分布は水銀圧入法を用いて測定する。最初に摩擦材を適当なサイズに切って測定用試料を用意する。次に、計測機であるポロシメータの試料容器に試験片を収納し、0〜15000psiaまでの測定圧力で、水銀をテストピース中に圧入していき、その変化量を積算することによって測定する。加圧力を次第に高くしていくと、気孔径の大きな部分から気孔が水銀に置換される。気孔径と水銀を圧入する加圧力との間に相関関係があるので、ある気孔径を有する気孔の体積を水銀の加圧力から求めることができる。
従って、水銀の加圧力を連続的に増大させていくことにより、気孔径とその体積が順次積算されていき、積算値を微分するとグラフの縦軸には微分細孔容積が示される。
本発明で用いたポリプロピレン繊維のような熱可塑性樹脂を配合して成形された摩擦材は、内部に均一で気孔径の大きい気孔を有し、気孔径は5μm〜50μmの範囲で調整することが出来る。その場合、セラミックロータ用摩擦材としては気孔径2μm以上の気孔の累積気孔率が4〜12体積%であり、全体の気孔率は15〜25体積%であることが好ましい。
摩擦材の気孔率を大きくすると、ブレーキをかけたときに発生するガス圧を下げることができるため、フェード特性が向上する。本発明の摩擦材は均一で大きい気孔径を有し、しかも所定の気孔率を確保できるため、特に、セラミックロータの急激な温度変化でフェード現象を抑制する摩擦材として有用である。又、セラミックロータの急激な温度変化に対する摩擦材熱伝導率(断熱効果)の調整手法としても有効である。
本発明の摩擦材は、繊維基材、摩擦調整材、潤滑材、充填材、結合材からなる摩擦材用基材を配合し、その配合物を通常の製法に従って予備成形し、熱成形することにより製造される。摩擦材の組成としては、種々の配合割合を採ることができる。すなわち、製品に要求される摩擦特性、例えば、摩擦係数、耐摩耗性、振動特性、鳴き特性等に応じて配合すればよい。
具体的な配合割合を示すなら、補強用の繊維基材は、摩擦材全体の5〜30質量%、摩擦調整材が10〜30質量%、潤滑材が5〜15質量%、充填材が20〜55質量wt%、結合材が5〜15質量%とするのが好ましい。
ディスクブレーキ用摩擦パッドの製造も、通常の摩擦材の製造と同様に周知の製造工程により行われ、例えば、予備成形、熱成形、加熱、研磨等の工程を経て摩擦材を作製することができる。具体的には、板金プレスにより所定の形状に成形され、脱脂処理及びプライマー処理が施され、そして接着剤が塗布されたプレッシャプレートと、耐熱性有機繊維や無機繊維、金属繊維等の繊維基材と、無機・有機充填材、摩擦調整材及び熱硬化性樹脂樹脂等の粉末原料とを配合し、攪拌により十分に均質化した原材料を常温にて所定の圧力で成形(予備成形)して作製した予備成形体とを、熱成形工程において所定の温度及び圧力で熱成形して両部材を一体に固着し、アフタキュアを行い、最終的に仕上げ処理を施す工程が行われている。本発明においては、前記の粉末原料の配合の際に、熱可塑性樹脂を一緒に配合し、かつ前記アフタキュアの際の熱処理温度を高くするか、又はその後に熱可塑性樹脂が融解あるいは熱分解する高い温度で熱処理をする。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1〜3
[摩擦材の作成]
第1表は熱可塑性樹脂材料を除いた非アスベスト系摩擦材の基本摩擦材処方を示す。次に、第2表に示すように、基本摩擦材用基材100質量部に対し、ポリプロピレンを5質量部(実施例1)、9質量部(実施例2)、12質量部(実施例3)配合して定法により摩擦材を作成した。
Figure 0004959263
Figure 0004959263
この時の摩擦材製造条件は熱型温度150℃、ホットプレス法にて成形し、後加熱処理として、300℃雰囲気下で3時間熱処理した。この時使用したポリプロピレンは、原材料の撹拌工程における分散性を考慮し繊維状の形状(長さ:約1mm、直径:約300μm)とした。そして、ポリプロピレンを配合しない(0%)摩擦材を比較用(比較例1)とした。
[気孔径と気孔率の測定]
次に、ポロシメータにより測定したときの気孔径と気孔率の関係を図2に示す。図2から、実施例1の摩擦材は気孔径が5μmに分布のピークがあり、実施例2では20μm付近、実施例3では30μm付近にピークのあることが分かる。
図1から分かるように、ポリプロピレンが配合された摩擦材は配合しないものに対して大きな気孔径を成形物内にもつことが観測され、また配合量を増やすことによって、気孔径をさらに大きくすることが出来る。
又、理解を容易にするために、ポリプロピレンの配合量と摩擦材の気孔率の関係を図6に示したが、実施例3の摩擦材の気孔率が21%であり、比較例1の摩擦材の気孔率が18%であることを考慮すると、本発明の製造方法による摩擦材は均一で気孔径の大きい気孔を有することが理解される。
[摩擦材の評価]
フェード試験の制動条件は、セラミックロータを使用して時速280kmから100km、減速度9.8m/s、45秒間隔で25回制動の摩擦係数を測定し、最小摩擦係数(μ)を計測した。その結果を図1に示す。図1は、ロータの初期温度と最小摩擦係数(μ)との相関を示している。又、ついでにポリプロピレンの配合量と摩擦材の熱伝導率との関係を図3に示したが、ポリプロピレンの配合量が増えても熱伝導率が極端に上昇することはなかった。熱伝導率はQTM法により測定した。
また、図1に示されるようにポリプロピレン繊維を5質量部(実施例1)添加するだけでも最小摩擦係数(μ)が比較例1に対して著しく増加したことが示されており、ポリプロピレンを配合して気孔率を調整することでフェード現象を解決することが出来る。
上述した測定結果により、本発明の製造方法による摩擦材はセラミックロータ用摩擦材として優れていることを確認できた。
鋳鉄(FC)ロータとセラミック(CMC)ロータの性質の違いは、前記のとおりCMCロータの低い熱容量によって引き起こされる制動中の温度上昇量に大きい差があることである。参考までに、フェード試験中の温度上昇量比較を図4に示す。図中、CMCはセラミックロータであり、FC ROTORは鋳鉄ロータであることを示す。又、横軸は制動回数を表し、縦軸は温度上昇量を示す。
更に参考までに、汎用摩擦材Aの鋳鉄ロータ及びセラミックロータでの効力比較結果を図5に示す。鋳鉄ロータ用に配合基材、製法が設計された汎用摩擦材によるセラミックロータとの摩擦は、図5に示されるように、特に初期のフェード現象が顕著に現れ、目標性能を十分に満足することが難しい。
以上、本発明の製法による摩擦材と従来の汎用摩擦材をセラミックロータと組み合わせて制動試験を行い両者を比較した結果、本発明の配合基材と製造方法がセラミックロータ用として不可欠であることが分かった。
本発明により、摩擦材の温度上昇が抑えられ、フェード特性と耐摩耗性が両立した摩擦材の製造方法が実用化された。従って、前記製法による本発明の摩擦材は、産業機械、鉄道車両、荷物車両、乗用車などに使用されるブレーキパッド、ブレーキライニング、クラッチフェーシング等に特に有用なものである。
ロータの初期温度とフェード特性の相関を示す図である。 本発明の摩擦材の気孔径と気孔率をポロシメータにより測定したときの関係を表す図である。 摩擦基材中のポリプロピレンの配合量と摩擦材の熱伝導率との関係を表す図である。 鋳鉄ロータとセラミックロータを使用してフェード試験したときの温度上昇量比較を示す図である。 汎用摩擦材による鋳鉄ロータとセラミックロータのフェード特性を示す図である。 ポリプロピレンの配合量と摩擦材の気孔率の関係を示す図である。

Claims (6)

  1. セラミックス製のロータとの摩擦係合に用いられる摩擦材の製造方法において、非アスベスト系摩擦材の配合基材に更に熱可塑性樹脂材料を配合し、摩擦材の熱成形後に前記熱可塑性樹脂材料の融点以上の温度で加熱処理することにより、摩擦材内部に空孔を形成することを特徴とする摩擦材の製造方法。
  2. 前記熱可塑性材料として、ポリプロピレン又はポリエチレン繊維を用いることを特徴とする請求項1記載の摩擦材の製造方法。
  3. 熱可塑性樹脂材料を、前記熱可塑性樹脂材料を除いた非アスベスト系摩擦材の全配合基材100質量部に対して1〜12質量部配合することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の摩擦材の製造方法。
  4. 熱可塑性樹脂材料を、熱可塑性樹脂材料を除いた非アスベスト摩擦材の全配合基材100質量部に対して5〜12質量部配合することを特徴とする請求項3記載の摩擦材の製造方法。
  5. 前記摩擦材の加熱処理において、温度200〜300℃で1〜5時間加熱処理を行うことにより、摩擦材内部に空孔を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の摩擦材の製造方法。
  6. セラミックス製のロータとの摩擦係合に用いられる摩擦材の製造方法において、少なくとも繊維基材、摩擦調整材、潤滑材、充填材、結合材からなる非アスベスト系摩擦材の配合基材に更に融点が摩擦材の成形温度以上であり後の加熱工程の加熱処理温度以下である熱可塑性樹脂材料を配合し、摩擦材の熱成形後に前記熱可塑性樹脂材料の融点以上の温度で加熱処理することにより、摩擦材内部に空孔を形成することを特徴とする摩擦材の製造方法。
JP2006250944A 2006-09-15 2006-09-15 摩擦材の製造方法 Active JP4959263B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006250944A JP4959263B2 (ja) 2006-09-15 2006-09-15 摩擦材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006250944A JP4959263B2 (ja) 2006-09-15 2006-09-15 摩擦材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008069314A JP2008069314A (ja) 2008-03-27
JP4959263B2 true JP4959263B2 (ja) 2012-06-20

Family

ID=39291183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006250944A Active JP4959263B2 (ja) 2006-09-15 2006-09-15 摩擦材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4959263B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101851102A (zh) * 2010-05-20 2010-10-06 湖南博云汽车制动材料有限公司 陶瓷基刹车片陶瓷化高温处理工艺
JP6135629B2 (ja) * 2014-09-25 2017-05-31 株式会社アドヴィックス 摩擦材及び摩擦材の製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60151435A (ja) * 1984-01-19 1985-08-09 Toyota Motor Corp 摩擦材
JP2782105B2 (ja) * 1990-02-14 1998-07-30 曙ブレーキ工業株式会社 ノンアスベストス摩擦材
JPH06173984A (ja) * 1992-11-30 1994-06-21 Tokico Ltd ブレーキ摩擦材
JPH073248A (ja) * 1993-06-16 1995-01-06 Hitachi Chem Co Ltd 摩擦材組成物及び摩擦材の製造法
JPH108036A (ja) * 1996-06-25 1998-01-13 Akebono Brake Ind Co Ltd 非石綿系摩擦材
JPH108037A (ja) * 1996-06-27 1998-01-13 Akebono Brake Ind Co Ltd 非石綿系摩擦材
JP2002226835A (ja) * 2001-01-31 2002-08-14 Tokico Ltd ブレーキ摩擦材
JP4634479B2 (ja) * 2008-03-14 2011-02-16 曙ブレーキ工業株式会社 摩擦材とその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008069314A (ja) 2008-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4074671B2 (ja) より少なくフィブリル化したアラミド繊維及び人造黒鉛を含む摩擦ライニング材料
JP5797073B2 (ja) 摩擦材の製造方法
JP5852308B2 (ja) 摩擦材の製造方法
EP1943300A1 (en) Carbon friction materials
JP2010077341A (ja) ブレーキ摩擦材
US20170276200A1 (en) Friction material and method for producing friction material
JP2012036932A (ja) ブレーキパッド
JP4959263B2 (ja) 摩擦材の製造方法
JP2007056063A (ja) ステンレス繊維基材の摩擦材
JP4634479B2 (ja) 摩擦材とその製造方法
JP5011557B2 (ja) 摩擦材用複合摩擦調整材
JP7467465B2 (ja) 摩擦材組成物、摩擦材及びディスクブレーキパッド
JP4308054B2 (ja) ブレーキ摩擦材
JP2991970B2 (ja) 摩擦材
JP2020152911A (ja) 結合剤を含まない摩擦ライニング、結合剤を含まない摩擦ライニングを製造するための方法、並びに結合剤を含まない摩擦ライニングの使用
JPH10330732A (ja) 摩擦材組成物及び該摩擦材組成物を用いた摩擦材
JP4044693B2 (ja) 乾式摩擦材
JP2021017522A (ja) 摩擦材
JP3228096B2 (ja) 摩擦材の製造方法
JPS5813684A (ja) 摩擦材
KR102218092B1 (ko) 브레이크 마찰재 조성물
JPS61162537A (ja) 摩擦材組成物
CN110715004B (zh) 一种抗热衰减摩擦材料的制备方法
JP2005232204A (ja) 摩擦材
JP2007112952A (ja) 摩擦材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120313

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120321

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150330

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4959263

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250