JP2002226835A - ブレーキ摩擦材 - Google Patents
ブレーキ摩擦材Info
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Abstract
不安定化、予備成形品の取り扱い性の低下を引き起こさ
ずに、アラミド繊維の使用量を低減可能としたブレーキ
摩擦材を提供する。 【解決手段】 強化繊維、結合材、潤滑材、摩擦調整
材、及び充填材を含有し、さらにケナフ繊維を0.5〜
5重量%含有するものをを圧縮成形及び熱処理してなる
ブレーキ摩擦材。
Description
摩擦材に関し、より詳しくは、摩擦係数の安定性、異音
の低減性、品質安定性に優れたブレーキ摩擦材に関す
る。
料、結合材、潤滑材、摩擦調整材、充填材、及びpH調
整材などを配合して、混合した後、常温にて圧縮成形
(予備成形)し、次いで、予め接着剤を塗布した裏金と
ともに加熱圧縮成形し、さらに熱処理した後、溝加工や
表面研磨を施すことにより製造されている。強化繊維材
料としては、金属繊維、天然または人造の無機繊維、有
機繊維が用いられ、有機繊維としては芳香族ポリアミド
繊維(アラミド繊維)が用いられている。特に、アラミ
ド繊維は、ブレーキ摩擦材の強度の向上、及び、加熱圧
縮成形前の予備成形品の取り扱い性の向上に優れた効果
があることから、ブレーキ摩擦材当たり3%程度のアラ
ミド繊維が配合されていた。
は高価であり、生産量が限られ大量入手が困難であると
いう問題があり、アラミド繊維の使用量を低減したいと
いう要望が高くなってきていた。しかし、単にアラミド
繊維の使用量を低減しただけでは、ブレーキ摩擦材の強
度が不十分となったり、特に、予備成形品の取り扱い性
が大きく低下するという問題があった。予備成形品の取
り扱い性の向上の点では、ポリエステル繊維、ナイロン
繊維など種々の有機繊維を用いることができるが、この
ような有機繊維を用いたブレーキ摩擦材は、摩擦材使用
時にこの有機繊維が溶融したり、分解ガスを発生したり
して、摩擦係数が不安定になるという問題があった。ま
た、綿繊維を用いると、各種配合成分を混合したときに
毛玉が出来て、組成が不均一となって、品質の安定した
ブレーキ摩擦材が得られ難いという問題があった。この
ため、これらの問題を生じさせずにアラミド繊維の使用
量を低減させる方法が強く要望されていた。
状況に鑑み、鋭意検討した結果、本発明に到達した。す
なわち、本発明の要旨は、少なくとも強化繊維、結合
材、潤滑材、摩擦調整材、及び充填材を含有し、さらに
ケナフ繊維を0.5〜5重量%含有する混合物を圧縮成
型及び熱処理してなるブレーキ摩擦材にある。ここで用
いるケナフ繊維は、例えば、ケナフの茎から肉質部分を
除去し、残った繊維質を洗浄、乾燥後、所定の長さ以下
に裁断した平均長さ2〜3mmの短繊維状乃至パルプ状
のものである。本発明のブレーキ摩擦材としては、pH
調整材を含有していてもよく、さらに軟質金属繊維を含
んでいてもよい。
製造に用いる強化繊維材料としてはスチールなどの硬質
金属繊維、チタン酸カリウム繊維などの無機繊維、アラ
ミド繊維などを例示できる。結合材としてはフェノール
樹脂を例示できる。潤滑材としては黒鉛、三硫化アンチ
モン、二硫化モリブデンなどを例示でき、摩擦調整材と
しては、カシューダスト、セラミック粉、金属粉、金属
酸化物粉、ゴム粉などを例示できる。充填材としては、
硫酸化バリウムなど、pH調整材としては水酸化カルシ
ウムなどが用いられる。上記の成分に、ケナフ繊維を
0.5〜5重量%配合したものを常温加圧による予備成
形を行い、次いで加熱圧縮成形、熱処理を行うことによ
り、ブレーキ摩擦材が得られる。ケナフ繊維を添加して
いない場合、アラミド繊維が従来より少ない、例えば1
〜2%程度の配合であると、予備成形品が崩れやすく取
り扱いが困難であるが、ケナフ繊維が添加されている
と、予備成形品は、従来のアラミドが3%程度配合され
たものと同様の良好な取り扱い性を有する。
繊維は熱処理時に少なくともその表面が分解、炭化す
る。このため、ブレーキ摩擦材使用時にケナフ繊維は溶
融しない。また、ブレーキ摩擦材使用時に高温になって
も、ケナフ繊維が炭化しているため、分解ガスの発生は
あまりなく、従って、これによる摩擦係数の不安定化が
ない。また、ケナフ繊維は繊維長が短く、比較的ストレ
ートなので、ブレーキ摩擦材原料混合時に均一に混合で
きるという特徴を有する。また、熱処理時におけるケナ
フ繊維の分解・炭化のため、ブレーキ摩擦材の気孔率が
向上する。気孔率が向上すると、フェード試験時に高温
になることによって生成した分解生成物を気孔に取り込
んで、摩擦係数の低下を抑制し、フェード現象の発生を
抑制することができる。また、気孔率が高くなることに
よってブレーキ摩擦材が柔らかくなって、振動を抑制
し、スキール音の発生を抑制することができる。
る。配合量が0.5重量%未満であると、予備成形品の
取り扱い性が不十分となり、また、ブレーキ摩擦材の気
孔率が不十分となりやすく、そのため、グー音やスキー
ル音が発生しやすくなる。ケナフの配合量を5重量%を
超える量としても、予備成形品の取り扱い性の更なる向
上は必要がなく、むしろ、ブレーキ摩擦材の強度低下や
摩耗量の増加などが生じ易くなる。
しく説明する。なお、実施例において、部は重量部を示
す。 (実施例1)まず、裏金を十分に洗浄した後、接着剤を
塗布し、乾燥した。次いで、以下の材料を配合し、均一
に混合した。 ケナフ繊維(平均長さ2.5mm)2.0部 銅繊維(平均繊維径60μm、平均長さ3mm)10.
0部 チタン酸カリウム繊維20.0部 強化繊維:アラミド繊維1.0部 結合材:フェノール樹脂7.0部 潤滑材:黒鉛及び二硫化モリブデン合計15.0部 有機系摩擦調整材:カシューダスト、ゴム粉合計7.0
部 無機系摩擦調節材:錫粉、黄銅粉、酸化鉄粉、シリカ、
鉱物粉末合計15.0部 pH調整材:水酸化カルシウム3.0部 充填材:硫酸バリウム20.0部(合計100部)
0MPaで冷間圧縮成形して予備成形品を得た。次い
で、接着剤を塗布した裏金と、この予備成形品とを15
0℃に設定した金型に投入し、40MPaの圧力で25
0〜300秒加熱圧縮成形(本成形)した。さらに、こ
の加熱圧縮成形品を220℃、6時間の条件で熱処理
し、研磨、溝加工を施してブレーキ摩擦材(ブレーキパ
ッド)を得た。このブレーキ摩擦材製造工程における予
備成形品の取り扱い性は良好で、取り扱い時に予備成形
品が崩れたものは1つもなかった。ブレーキ摩擦材にお
けるケナフ繊維の状態を調べたところ、摩擦材表層近く
は炭化しているものの、摩擦材中心部は炭化が生じてい
ない部分もあった。このブレーキ摩擦材につき、剪断強
度、摩擦摩耗特性(自動車技術会規格JASO C−4
06)及び実車における異音を調査した。その結果を表
1に示す。
合計98部とした(比較例1)及び、ケナフ繊維を添加
せず、アラミド繊維の添加量を3.0部とした(合計1
00部)(比較例2)以外は実施例1と同様にして、ブ
レーキ摩擦材を作成した。比較例2による予備成形品の
取り扱い性は良好で、取り扱い時に予備成形品が崩れた
ものは1つもなかったが、比較例1による予備成形品は
ブレーキ摩擦材製造工程において崩れるものが約半数発
生し、取り扱い性が不良であった。これらのブレーキ摩
擦材につき、実施例1と同様にして剪断強度、摩擦摩耗
特性、実車による異音を調査した。これらの結果を実施
例1の結果とともに表1に示す。
ード現象が発生しやすくなることを示している。第1フ
ェード、パッド摩耗量、スキール音において許容される
値はそれぞれ、0.25min以上、0.5mm以下、
1%以下である。
キ摩擦材は予備成形品の取り扱い性、摩擦摩耗特性、異
音とも性能に優れるが、アラミド繊維を3部も用いてい
るため材料費が高価となるのに対し、実施例1のブレー
キ摩擦材は比較例2と同等の各性能を示し、しかもアラ
ミド繊維使用量が少ないので材料費節減となる。比較例
2では予備成形品の取り扱い性に劣り、また、第1フェ
ード値が許容範囲ながら若干低くなり、また、スキール
音、グー音が発生していることがわかる。
維の使用量を抑えたことにより材料費を低減できるとい
う効果を有する。しかも、アラミド繊維の使用量を抑え
ながら、アラミド繊維を多量に用いている場合と同等の
予備成形品取り扱い性を有し、剪断強度も同等の性能を
示す。また、ケナフ繊維が熱処理時に部分的に分解・炭
化するため摩擦材の気孔率が向上し、フェード現象を抑
制するとともに、スキール音などの異音を低減できると
いう効果を有する。
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくとも強化繊維、結合材、潤滑材、
摩擦調整材、及び充填材を含有し、さらにケナフ繊維を
0.5〜5重量%含有する混合物を圧縮成型及び熱処理
してなるブレーキ摩擦材。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001024947A JP2002226835A (ja) | 2001-01-31 | 2001-01-31 | ブレーキ摩擦材 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=18890015
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- 2001-01-31 JP JP2001024947A patent/JP2002226835A/ja active Pending
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