JPH11310773A - 摩擦材組成物、摩擦材組成物の製造法及び摩擦材組成物を用いた摩擦材 - Google Patents

摩擦材組成物、摩擦材組成物の製造法及び摩擦材組成物を用いた摩擦材

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JPH11310773A
JPH11310773A JP11983198A JP11983198A JPH11310773A JP H11310773 A JPH11310773 A JP H11310773A JP 11983198 A JP11983198 A JP 11983198A JP 11983198 A JP11983198 A JP 11983198A JP H11310773 A JPH11310773 A JP H11310773A
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JP
Japan
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friction material
weight
composition
cashew
material composition
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JP11983198A
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English (en)
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Masamichi Shiga
正道 志賀
Makoto Kikuchi
誠 菊地
Takanori Kato
貴則 加藤
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した摩擦係数を有し、かつノイズやジャ
ダーの発生を抑えることが可能な摩擦材に適した摩擦材
組成物、摩擦材組成物の製造法及び摩擦材組成物を用い
た摩擦材を提供する。 【解決手段】 全組成物中にカシュー樹脂又はカシュー
ナット殻液を0.5〜23重量%及びシリカ系粉末充填
剤を0.05〜3.5重量%含有してなる摩擦材組成
物、カシュー樹脂又はカシューナット殻液及びシリカ系
粉末充填剤を混練して予備組成物を得た後、該予備組成
物に結合剤、補強繊維、充填剤及び潤滑剤を配合し、混
合することを特徴とする摩擦材組成物の製造法並びに上
記の摩擦材組成物又は上記の方法で得られた摩擦材組成
物を加熱加圧成形してなる摩擦材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、鉄道車
両、各種産業機械等の制動に用いられるディスクブレー
キパッド、ブレーキライニング等の摩擦材に適した摩擦
材組成物、摩擦材組成物の製造法及び摩擦材組成物を用
いた摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、鉄道車両、各種産業機械等に
は、その制動のためディスクブレーキパッド、ブレーキ
ライニング等の摩擦材が使用されている。この摩擦材と
して、従来は特開昭64−87930号公報、特開平2
−117985号公報等に示されるようにスチール繊維
を主構成繊維としたセミメタリック系摩擦材が主流であ
ったが、自動車産業界の軽量化、高級化への移行に沿っ
て、オートマチック車の発進時や停止時の異音発生、低
温での制動力不足、摩耗粉によるホイール汚れ等の問題
点が出てきた。ここで発生する異音は、速度が30km/
時間程度から減速していく過程で現われる摩擦材の制動
に伴うノイズ(70dB以上の音圧)であり、周波数では
約100(Hz)の乗用者に不快を感ずる領域の音であ
る。
【0003】これらの問題点を解消するため、スチール
繊維の代替として銅繊維、黄銅繊維等の非鉄金属繊維、
アラミド繊維、セラミック繊維等の有機繊維や無機繊
維、さらに安定した摩擦係数(μ≧0.38)を得るた
めに無機材料の研削剤を使用したノンスチール摩擦材へ
の移行が急速に進んで来た。
【0004】従来の技術では、上記の無機材料の研削剤
によって摩擦係数の安定化を図ってきたが、しかしなが
ら該研削剤は相手材の金属(ロータ)を攻撃し、その過
程でスキール音、異音等のノイズやジャダーが発生する
という欠点が生じる。現在の無機材料主体の研削剤以外
のものを使用して、安定した摩擦係数を有し、かつノイ
ズやジャダーの発生を完全に抑制した摩擦材が得られて
いないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、安定した摩擦係数を有し、かつノイズやジャダーの
発生を抑えることが可能な摩擦材に適した摩擦材組成物
及び摩擦材を提供するものである。請求項2記載の発明
は、安定した摩擦係数を有し、かつノイズやジャダーの
発生を抑えることが可能な摩擦材に適した摩擦材組成物
の製造法を提供するものである。請求項3記載の発明
は、安定した摩擦係数を有し、かつノイズやジャダーの
発生を抑えることが可能な摩擦材を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、全組成物中に
カシュー樹脂又はカシューナット殻液を0.5〜23重
量%及びシリカ系粉末充填剤を0.05〜3.5重量%
含有してなる摩擦材組成物に関する。また、本発明は、
カシュー樹脂又はカシューナット殻液及びシリカ系粉末
充填剤を混練して予備組成物を得た後、該予備組成物に
結合剤、補強繊維、充填剤及び潤滑剤を配合し、混合す
ることを特徴とする摩擦材組成物の製造法に関する。さ
らに、本発明は、上記の摩擦材組成物若くは上記の方法
で得られた摩擦材組成物を加熱加圧成形してなる摩擦材
に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、カシュー樹脂又
はカシューナット殻液の含有量は、固形分で全組成物中
に0.5〜23重量%、好ましくは0.6〜22重量
%、より好ましくは1〜20重量%の範囲とされ、0.
5重量%未満であるとノイズやジャダーの発生を抑える
ことが出来ない。一方23重量%を超えると安定した摩
擦係数を得ることができない。
【0008】本発明においては、上記のカシュー樹脂又
はカシューナット殻液の他に必要に応じ、ヘキサメチレ
ンテトラミン、パラホルムアルデヒド等の硬化剤が添加
される。必要に応じ硬化剤が添加される場合、カシュー
樹脂又はカシューナット殻液と硬化剤の配合割合は、カ
シュー樹脂又はカシューナット殻液100重量部に対し
て硬化剤が0.3〜10重量部の範囲が好ましく、カシ
ュー樹脂又はカシューナット殻液100重量部に対して
硬化剤が0.3〜7重量部の範囲であることがさらに好
ましい。
【0009】シリカ系粉末充填剤としては、直径が30
〜300μm、好ましくは75〜150μmの中空球の
シリカ系粉末充填剤が用いられる。該シリカ系粉末充填
剤の含有量は、全組成物中に0.05〜3.5重量%、
好ましくは0.08〜3.3重量%、より好ましくは
0.1〜3.0重量%の範囲とされ、0.06重量%未
満であると安定した摩擦係数を得ることができない。一
方3.5重量%を超えるとノイズやジャダーの発生を抑
えることができない。なお本発明においてシリカ系粉末
充填剤としては、例えば日本フィライト(株)製の商品名
フィライトを用いることが好ましい。
【0010】本発明における摩擦材組成物は、カシュー
樹脂又はカシューナット殻液及びシリカ系粉末充填剤の
他に結合剤、補強繊維、潤滑剤、充填剤等が用いられ、
さらに必要に応じ黄銅、銅等の金属粉が用いられる。
【0011】本発明で用いられる結合剤は、シリコーン
樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、SBR、NBR
等のゴム組成物が用いられる。結合剤は、全組成物中に
5〜30重量%含有することが好ましく、10〜20.
5重量%含有することがさらに好ましい。また必要に応
じ添加される硬化剤は、ヘキサメチレンテトラミン、パ
ラホルムアルデヒド、トリオキサン等が用いられ、結合
剤中に8〜14重量%含有することが好ましく、10〜
12重量%含有することがさらに好ましい。
【0012】補強繊維としては、ガラス繊維、セラミッ
ク繊維、炭素繊維、鉱物繊維等の無機繊維、アラミド繊
維、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維等の有機繊維、銅
繊維、黄銅繊維、スチール繊維等の金属繊維が用いられ
る。補強繊維は、全組成物中に0.5〜20重量%含有
することが好ましく、3〜15重量%含有することがさ
らに好ましい。
【0013】また、潤滑剤としては、黒鉛、硫化アンチ
モン、硫化モリブデン等が、充填剤としては、カシュー
ダスト、ゴムダスト、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、金属粉等が1種又は2種以上混合し
て用いられる。潤滑剤は、全組成物中に2〜8重量%含
有することが好ましく、3〜6重量%含有することがさ
らに好ましい。充填剤は、全組成物中に10〜70重量
%含有することが好ましく、20〜60重量%含有する
ことがさらに好ましい。摩擦材組成物を構成する各成分
の使用割合は、それらの総量が100重量%になるよう
に調整される。
【0014】本発明になる摩擦材は、金型内に裏金及び
摩擦材組成物を挿入及び充填した後、加熱加圧成形法で
成形し、その後熱処理を行って得られる。なお成形する
際の加熱温度は130〜170℃が好ましく、140〜
160℃がさらに好ましい。圧力は30〜60MPaが好
ましく、45〜55MPaがさらに好ましい。熱処理温度
は100〜300℃が好ましく、150〜250℃がさ
らに好ましい。
【0015】
【実施例】以下本発明の実施例を説明するが、本発明は
これに制限するものではない。 実施例1〜10、比較例1〜9 カシュー樹脂(日立化成工業(株)製、非売品)及び直径
が30〜300μmの範囲の中空球のシリカ系粉末充填
剤(日本フィライト(株)製、商品名フィライト)を表
1、表2、表3及び表4に示す量配合し、均一に混合し
た後保温器に入れ、10℃/時間の昇温速度で160℃
まで昇温し、160℃で5時間保持して硬化処理を行い
シリカ系粉末充填剤含有複合物を得た。なお表1、表
2、表3及び表4においてカシュー樹脂は固形分として
の配合量を示す。
【0016】次に上記で得たシリカ系粉末充填剤含有複
合物を粉砕して平均粒径が7μmの予備組成物を得た。
次いで予備組成物を30℃で60分乾燥して水分を除去
した後、表1、表2、表3及び表4に示す量の他の材料
を配合し、混合機で均一に混合して摩擦材組成物を得
た。この後金型内に裏金及び摩擦材組成物を挿入及び充
填し、140℃及び圧力40MPaの条件で12分間加熱
加圧成形し、さらに200℃で5時間熱処理を行ってデ
ィスクブレーキパッドを得た。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】次に本発明になるディスクブレーキパッド
と比較例のディスクブレーキパッドとについて、比較試
験を行った。その試験結果を表5、表6、表7及び表8
に示す。なお試験条件は下記の通りである。 剪断強度 JASO、C427に従い、22℃及び300℃におけ
る強度を測定した。 耐摩耗性 キャリパ型式:コレットタイプ(シリンダ面積28.8
cm2) 試験条件:JASO、C427に従い、イナーシャ…4
9kgm2、制動初速度…60km/時間、減速度…2.94
m/秒2、制動前温度…250℃、制動回数…各100
0回毎の条件で摩耗量を測定した。
【0022】 異音の発生状況及び効力 2000ccのオートマチック車(日産自動車(株)製、車
種名セドリック(Y32))でJASO、C402の実
車試験を行い、試験中の異音を測定し、70dB以上の異
音の発生率及び最大音圧を求めた。また効力について
は、試験中のディスクブレーキとしての効力をμ値で、
相手材表面攻撃量をロータの研削量で評価した。 成形性 ディスクブレーキパッドの外観を目視し、皺及び亀裂の
発生の有無について観察した。
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】
【表8】
【0027】表5及び表6に示されるように、本発明に
なるディスクブレーキパッドは、皺及び亀裂の発生がな
く、全ての特性に優れることが確認された。これに対し
表7及び表8に示されるように、比較例のディスクブレ
ーキパッドは、いずれかの特性に欠点が生じることが確
認された。
【0028】
【発明の効果】請求項1における摩擦材組成物は、安定
した摩擦係数(μ≧0.38)を有し、かつノイズ発生
やジャダー発生を抑えることが可能な摩擦材を提供する
ことができる。請求項2における方法により得られる摩
擦材組成物は、安定した摩擦係数(μ≧0.38)を有
し、かつノイズ発生やジャダー発生を抑えることが可能
な摩擦材を提供することができる。請求項3における摩
擦材は、安定した摩擦係数(μ≧0.38)を有し、か
つノイズ発生やジャダー発生を抑えることが可能で、工
業的に極めて好適である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全組成物中にカシュー樹脂又はカシュー
    ナット殻液を0.5〜23重量%及びシリカ系粉末充填
    剤を0.05〜3.5重量%含有してなる摩擦材組成
    物。
  2. 【請求項2】 カシュー樹脂又はカシューナット殻液及
    びシリカ系粉末充填剤を混練して予備組成物を得た後、
    該予備組成物に結合剤、補強繊維、充填剤及び潤滑剤を
    配合し、混合することを特徴とする摩擦材組成物の製造
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の摩擦材組成物又は請求項
    2の方法で得られた摩擦材組成物を加熱加圧成形してな
    る摩擦材。
JP11983198A 1998-04-30 1998-04-30 摩擦材組成物、摩擦材組成物の製造法及び摩擦材組成物を用いた摩擦材 Pending JPH11310773A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6421511B2 (en) 1999-12-03 2002-07-16 Ricoh Company, Ltd. Transfer device and image formation apparatus
JP2010202732A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Akebono Brake Ind Co Ltd 摩擦調整材およびその製造方法

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US6421511B2 (en) 1999-12-03 2002-07-16 Ricoh Company, Ltd. Transfer device and image formation apparatus
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