JP2005232204A - 摩擦材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 繊維基材と、結合剤と、ゴム組成物と、摩擦調整剤とを含有する組成物を成形、硬化してなる摩擦材において、上記摩擦調整剤として、メラミン粉とメラミンダストとを併用し、メラミン粉の使用量が組成物全体に対して0.5〜8体積%であり、かつメラミン粉とメラミンダストとの合計使用量が組成物全体に対して5〜20体積%であることを特徴とする摩擦材を提供する。
【効果】 本発明によれば、常温から200℃領域のみならず、300℃以上の高温領域でも摩擦係数の低下がなく、耐ジャダー性に優れたものである。
【選択図】 なし
【効果】 本発明によれば、常温から200℃領域のみならず、300℃以上の高温領域でも摩擦係数の低下がなく、耐ジャダー性に優れたものである。
【選択図】 なし
Description
本発明は、自動車、大型トラック、産業用機械等のディスクパッド、ブレーキライニング及びクラッチフェーシング等に好適に使用される摩擦材、特にクラッチフェーシングとして利用される乾式摩擦材に関するものであり、更に詳述すると、常温から200℃領域のみならず、300℃以上の高温領域でも摩擦係数の低下がなく耐ジャダー性に優れた摩擦材に関するものである。
従来のクラッチフェーシングは、300℃以上の高温領域で摩擦係数が低下する事があり、摩擦調整剤として用いられているカシューダストが原因であると考えられた。このため、種々の摩擦材が提案されている。
特公平5−5265号公報には、カシューダストに替えてメラミン樹脂を主成分としたメラミンダストを使用することにより摩擦係数の安定性の維持に効果のある有機系摩擦材が開示されている。また、特開平4−92134号公報には、繊維成分と粉体成分よりなる紐体に結合剤を含浸させ巻き取って成形されたクラッチフェーシングにおいて、カシューダストに替えて、少なくともメラミンダスト、コークス粉末およびグラファイト粉末を含むことが開示されている。
更に、特開平5−112774号公報には、カシューダストやメラミンダストに替えて変性メラミンダストを添加することにより、メラミンダストの欠点である高温時の耐熱性を改善すると共に、ガスが大量に発生することによる摩擦係数の低下が改善できることが記載されている。
しかしながら、上述した種々の摩擦材については、300℃以上の高温領域においては摩擦係数が低下する欠点がある。特に、特開平5−112774号公報に記載された摩擦材では変成メラミンダストが昇華・ガス化する性質を持つので摩擦係数が依然として低下するおそれがある。
また、300℃以上の高温領域においては樹脂やダストが熱により変質・分解してしまい、発生するタール状熱分解物により耐ジャダー性が悪くなってしまう欠点がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、常温から200℃領域のみならず、300℃以上の高温領域でも摩擦係数の低下がなく、耐ジャダー性に優れた摩擦材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、繊維基材、結合剤、ゴム組成物、摩擦調整剤を含有する組成物を成形、硬化してなる摩擦材において、上記摩擦調整剤として、メラミン粉とメラミンダストとを併用し、メラミン粉の使用量を組成物全体に対して0.5〜8体積%の範囲内とし、かつメラミン粉とメラミンダストとの合計使用量を組成物全体に対して5〜20体積%の範囲内に調整することにより300℃以上の高温領域でも摩擦係数の低下がなく、耐ジャダー性に優れ得ることを見い出し、本発明を完成したものである。
本発明の摩擦材は、常温から200℃領域のみならず、300℃以上の高温領域においても摩擦係数の安定性及び耐ジャダー性に優れたものである。
以下、本発明について更に詳しく説明すると、本発明の摩擦材は、繊維基材と、結合剤と、ゴム組成物と、摩擦調整剤とを含有したものである。
ここで、上記繊維基材としては、石綿(アスベスト)以外の摩擦材に通常用いられるものを使用できる。このような繊維基材としては、例えば鉄、銅、真鍮、青銅、アルミニウム等の金属質繊維;ガラス繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウム繊維、ロックウール、ウォラストナイト等の無機質繊維;炭素繊維、アラミドパルプ、フェノール繊維、セルロース繊維、アクリル繊維等の有機質繊維などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、特に、銅系金属線を含むガラス長繊維と、アラミドパルプ、炭素繊維、セルロース繊維等の軽量な短繊維を併用することが強度向上と軽量化の観点から好ましい。
これらの繊維基材の添加量は、摩擦材用組成物全体に対して好ましくは15〜40体積%、より好ましくは20〜35体積%である。
上記結合剤としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂などが使用できる。
上記ゴム組成物は、ゴム材に加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤等を配合して得られる。ゴム材としては、SBR(スチレンブタジエンゴム)、NBR(ニトリルゴム)等の合成ゴム或いは天然ゴムが用いられる。
上記摩擦調整剤としては、メラミン粉を使用する。メラミン粉とは、メラミン樹脂の原料である。メラミン粉は、250℃以上の高温領域になると昇華・ガス化する性質を持つものであり、常温〜260℃の熱処理工程で摩擦材表面近傍のメラミン粉は昇華が進み気孔となる。例えば、日産化学工業(株)の商品名、ニッサンメラミンをメラミン粉として使用した場合、メラミン粉の平均粒径は約60μmであり、大きな気孔を有することとなる。即ち、300℃以上の高温領域では、摩擦材に含有される樹脂やダストが変質・分解してタール状熱分解物が発生するものであるが、メラミン粉の昇華により生成した上記気孔に上記タール状熱分解物を取り込むことにより耐ジャダー性を維持することができる。なお、摩擦材の研磨面上のメラミン粉は目視確認できることから、結合剤として他の原料や他のメラミン粉と架橋・硬化はせず、摩擦調整剤として粒子単独で存在するものと推察される。メラミン粉の平均粒径は20〜120μmが好ましく、30〜90μmがより好ましい。
メラミン粉の含有量は、摩擦材組成物全体に対して0.5〜8体積%の範囲内である。メラミン粉の含有量が0.5体積%より小さいと、300℃以上の高温領域における平均μレベルに劣り、8体積%より大きいと、加熱・加圧成形時及び熱処理時に多量のガスが発生するため摩擦材に膨れが発生することで生産性に劣り、結合力が低下することでバースト強度が低下する可能性がある。
また、摩擦調整剤としてメラミンダストを併用する。メラミンダストとは、メラミン樹脂を完全に硬化させ、粉砕、分級したものである。メラミンダストの平均粒径は40〜150μmが好ましく、60〜120μmがより好ましい。熱分解によりタール状の粘性物質を生成せず、約330℃から急激に昇華・ガス化する特性を持つものである。メラミンダストとしては、カシュー(株)のH−9044(平均粒径95μm)を例示することができる。
本発明では、メラミンダストとメラミン粉とを混合するものであり、これにより、メラミンダストの添加量を抑制することができ、300℃以上の高温領域におけるメラミンダストの昇華ガス発生量を抑制することができ、高い平均μレベルを維持することができるものである。上記メラミン粉と上記メラミンダストとの混合比については、好ましくは、体積比で5:95〜50:50、特に好ましくは、10:90〜45:55である。メラミンダストよりもメラミン粉の含有量が多いと、加熱・加圧成形時及び熱処理時に多量のガスが発生するため、製品に膨れが発生することで生産性に劣り、結合力が低下することでバースト強度が低下する可能性がある。
また、上記メラミン粉と上記メラミンダストとの混合物の含有量については、組成物全体に対して5〜20体積%、好ましくは7〜18体積%である。上記所定の範囲を逸脱することになると、平均μレベル及び実車ジャダー性に劣るという欠点が生じる。
他に使用する摩擦調整剤としては、摩擦特性を向上させ、耐ジャダー性を低下させないものであれば特に制限はなく、硫酸バリウム、カシューダスト、黒鉛、炭酸カルシウム、消石灰、板状チタン酸カリウム、銅粉、マイカ、ケイ酸ジルコニウム、アルミナ等がある。
本発明の摩擦材の製造方法については、ガラス長繊維以外の上記成分と有機溶剤を湿式混合機を用いて均一に溶解混合しゴム溶液を作成し、ガラス長繊維にこのゴム溶液を付着させ、100℃で5〜30分間乾燥後、ランダム編みに巻取って熱成形金型内に配置し、成形温度160〜200℃、成形圧力10〜50MPaで4〜15分間加熱加圧成形するものである。次に、得られた成形品を180〜280℃の温度で3〜12時間熱処理(後硬化)し、研磨処理を施して完成品を得ることができる。
本発明の摩擦材は、自動車、大型トラック、各種産業機械、鉄道車両等のディスクパッド、ブレーキライニング、クラッチフェーシング等の各種用途に幅広く用いることができるものであり、特にクラッチフェーシング用摩擦材として有用である。
以下、本発明の実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例、比較例]
かさ高加工されたガラス長繊維以外の、SBR組成物30体積%(硫黄3%、亜鉛華1%、カーボンブラック2%、加硫促進剤0.5%を含む)、レゾール型フェノール樹脂18体積%、カシューダスト8体積%等の表1に示す原料と有機溶剤を湿式混合機を用いて均一に溶解混合しゴム溶液を作成し、ガラス長繊維にこの配合ゴム溶液を付着させ、100℃で10分間乾燥後、ランダム編みに巻取って熱成形金型内に配置し、圧力20MPa、温度185℃にて加熱加圧し、さらに260℃で8時間熱処理後、表面を研磨して厚さ3.5mmの実施例、比較例のクラッチフェーシング用摩擦材を作成した。なお、ガラス長繊維にはφ0.15mmの真鍮線2本が含まれている。得られた摩擦材の性能を調べ、下記判定基準に従って評価し、その結果を表1に示した。
かさ高加工されたガラス長繊維以外の、SBR組成物30体積%(硫黄3%、亜鉛華1%、カーボンブラック2%、加硫促進剤0.5%を含む)、レゾール型フェノール樹脂18体積%、カシューダスト8体積%等の表1に示す原料と有機溶剤を湿式混合機を用いて均一に溶解混合しゴム溶液を作成し、ガラス長繊維にこの配合ゴム溶液を付着させ、100℃で10分間乾燥後、ランダム編みに巻取って熱成形金型内に配置し、圧力20MPa、温度185℃にて加熱加圧し、さらに260℃で8時間熱処理後、表面を研磨して厚さ3.5mmの実施例、比較例のクラッチフェーシング用摩擦材を作成した。なお、ガラス長繊維にはφ0.15mmの真鍮線2本が含まれている。得られた摩擦材の性能を調べ、下記判定基準に従って評価し、その結果を表1に示した。
生産性:
加熱・加圧成形時及び熱処理時において、膨れが発生した各例の割合を下記の基準に従って評価した。
◎ 0%
○ 0%以上2%未満
△ 2%以上5%未満
× 5%以上
平均μレベル:
回転数:4000rpm/min、イナーシャ:0.39kgm2、温度:300℃を条件として5000回係合のうち1001回目以降のμ平均値を調べた。
◎ 0.21以上
○ 0.18以上0.21未満
△ 0.15以上0.18未満
× 0.15未満
実車ジャダー性:
ハウジング温度:常温〜120℃、係合回数:1000回の条件において、実車の発進時におけるフロア前後方向の最大振動加速度(m/s2)〔(係合回数1000回中の最大値)〕を測定した。
◎ 1.0未満
○ 1.0以上2.0未満
△ 2.0以上4.0未満
× 4.0以上
Claims (3)
- 繊維基材と、結合剤と、ゴム組成物と、摩擦調整剤とを含有する組成物を成形、硬化してなる摩擦材において、上記摩擦調整剤として、メラミン粉とメラミンダストとを併用し、メラミン粉の使用量が組成物全体に対して0.5〜8体積%であり、かつメラミン粉とメラミンダストとの合計使用量が組成物全体に対して5〜20体積%であることを特徴とする摩擦材。
- 上記メラミン粉と上記メラミンダストとの混合比が体積比で5:95〜50:50である請求項1記載の摩擦材。
- クラッチフェーシング用摩擦材である請求項1又は2記載の摩擦材。
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---|---|---|---|---|
JP2007224127A (ja) * | 2006-02-22 | 2007-09-06 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
CN102020977A (zh) * | 2010-11-01 | 2011-04-20 | 陈俊 | 摩擦颗粒及其制备方法 |
JP2018119236A (ja) * | 2017-01-25 | 2018-08-02 | 帝人株式会社 | 摩擦材補強用有機繊維コードおよびそれを用いたクラッチフェーシング |
WO2019230901A1 (ja) * | 2018-05-31 | 2019-12-05 | 株式会社アドヴィックス | 摩擦材及び摩擦材組成物 |
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2004
- 2004-02-17 JP JP2004039267A patent/JP2005232204A/ja active Pending
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