JPH108036A - 非石綿系摩擦材 - Google Patents
非石綿系摩擦材Info
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- JPH108036A JPH108036A JP8164767A JP16476796A JPH108036A JP H108036 A JPH108036 A JP H108036A JP 8164767 A JP8164767 A JP 8164767A JP 16476796 A JP16476796 A JP 16476796A JP H108036 A JPH108036 A JP H108036A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 効力が良好で且つノイズの発生が少ない摩擦
材を提供することを課題とする。 【解決手段】 非石綿系繊維基材、熱硬化性樹脂結合
材、および充填材を主成分とする摩擦材において、前記
繊維基材としてアラミドパルプ、アクリルパルプ、セル
ロース繊維、セピオライト繊維、及びガラス繊維を含有
させる。
材を提供することを課題とする。 【解決手段】 非石綿系繊維基材、熱硬化性樹脂結合
材、および充填材を主成分とする摩擦材において、前記
繊維基材としてアラミドパルプ、アクリルパルプ、セル
ロース繊維、セピオライト繊維、及びガラス繊維を含有
させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業機械、鉄道車
両、荷物車両、自動車用摩擦摺動材(ディスクブレーキ
パッド、ドラムブレーキライニング、クラッチフェーシ
ング、制輪子等)に使用される非石綿系摩擦材に関す
る。
両、荷物車両、自動車用摩擦摺動材(ディスクブレーキ
パッド、ドラムブレーキライニング、クラッチフェーシ
ング、制輪子等)に使用される非石綿系摩擦材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般のブレーキやクラッチ用の摩擦材
(ディスクブレーキパッド、ドラムブレーキライニン
グ、クラッチフェーシング、制輪子等)は、有機繊維、
無機繊維(非石綿系)、金属繊維等の繊維基材、フェノ
ール樹脂等の熱硬化性樹脂結合材、レジンダスト等の摩
擦調整剤や黒鉛等の固体潤滑剤などの充填材等を主成分
として構成されている。
(ディスクブレーキパッド、ドラムブレーキライニン
グ、クラッチフェーシング、制輪子等)は、有機繊維、
無機繊維(非石綿系)、金属繊維等の繊維基材、フェノ
ール樹脂等の熱硬化性樹脂結合材、レジンダスト等の摩
擦調整剤や黒鉛等の固体潤滑剤などの充填材等を主成分
として構成されている。
【0003】摩擦材の重要な性能の一つにノイズ(鳴
き)が発生しにくいこと、すなわちノイズ性が優れてい
ることが挙げられる。ノイズは摩擦面で発生するため、
摩擦面の物理化学的性質や音響的性質等に依存する。ノ
イズの発生機構には、動摩擦係数が静摩擦係数より小さ
いことによって起こるスティック・スリップ現象や、摩
擦材表面の粗さによる凝着、分離、切削などの現象が影
響しているものと考えられている。ノイズの発生は公害
上好ましくないうえ、自動車としての商品価値を低下さ
せる。
き)が発生しにくいこと、すなわちノイズ性が優れてい
ることが挙げられる。ノイズは摩擦面で発生するため、
摩擦面の物理化学的性質や音響的性質等に依存する。ノ
イズの発生機構には、動摩擦係数が静摩擦係数より小さ
いことによって起こるスティック・スリップ現象や、摩
擦材表面の粗さによる凝着、分離、切削などの現象が影
響しているものと考えられている。ノイズの発生は公害
上好ましくないうえ、自動車としての商品価値を低下さ
せる。
【0004】このようなノイズ発生に対する対策とし
て、従来、固体潤滑剤(黒鉛等)や有機摩擦調整剤(レ
ジン、レジンダスト、ゴム等)を増量する方法、研削材
や無機フィラーを減量する方法などをとっていたが、い
ずれの方法においても、ノイズが改良されると効きが低
くなりすぎたり高くなりすぎたりするという問題点があ
り、ノイズと効きとのバランスをとることが困難であっ
た。
て、従来、固体潤滑剤(黒鉛等)や有機摩擦調整剤(レ
ジン、レジンダスト、ゴム等)を増量する方法、研削材
や無機フィラーを減量する方法などをとっていたが、い
ずれの方法においても、ノイズが改良されると効きが低
くなりすぎたり高くなりすぎたりするという問題点があ
り、ノイズと効きとのバランスをとることが困難であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、効きが良好
で且つノイズの発生が少ない摩擦材を提供することを課
題とする。
で且つノイズの発生が少ない摩擦材を提供することを課
題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、繊維基材の少なくとも一部に
アラミドパルプ、アクリルパルプ、セルロース繊維、セ
ピオライト繊維及びガラス繊維を用いることにより、上
記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
に鑑み鋭意検討した結果、繊維基材の少なくとも一部に
アラミドパルプ、アクリルパルプ、セルロース繊維、セ
ピオライト繊維及びガラス繊維を用いることにより、上
記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、非石綿系繊維基材、
熱硬化性樹脂結合材、および充填材を主成分とする摩擦
材において、前記繊維基材の少なくとも一部として、ア
ラミドパルプ、アクリルパルプ、セルロース繊維、セピ
オライト繊維及びガラス繊維を含有することを特徴とす
る非石綿系摩擦材を提供するものである。
熱硬化性樹脂結合材、および充填材を主成分とする摩擦
材において、前記繊維基材の少なくとも一部として、ア
ラミドパルプ、アクリルパルプ、セルロース繊維、セピ
オライト繊維及びガラス繊維を含有することを特徴とす
る非石綿系摩擦材を提供するものである。
【0008】また、本発明は、摩擦材全量に対しアラミ
ドパルプを1〜10重量%、アクリルパルプを1〜10
重量%、セルロース繊維を1〜25重量%、セピオライ
ト繊維を1〜20重量%、及びガラス繊維を1〜10重
量%含有することを特徴とする前記非石綿系摩擦材を提
供するものである。
ドパルプを1〜10重量%、アクリルパルプを1〜10
重量%、セルロース繊維を1〜25重量%、セピオライ
ト繊維を1〜20重量%、及びガラス繊維を1〜10重
量%含有することを特徴とする前記非石綿系摩擦材を提
供するものである。
【0009】また、本発明は、非石綿系繊維基材5〜5
0重量%、熱硬化性樹脂結合材5〜20重量%、及び充
填材30〜80重量%を含有することを特徴とする前記
非石綿系摩擦材を提供するものである。
0重量%、熱硬化性樹脂結合材5〜20重量%、及び充
填材30〜80重量%を含有することを特徴とする前記
非石綿系摩擦材を提供するものである。
【0010】本発明においては、繊維基材としてアラミ
ドパルプ、アクリルパルプ、セルロース繊維、セピオラ
イト繊維、及びガラス繊維を組み合わせて使用すること
により、効きが高く、しかも効きの熱安定性(フェード
特性)が優れており、且つノイズの発生が抑制され、ノ
イズと効きとのバランスが良好な摩擦材を得ることがで
きる。
ドパルプ、アクリルパルプ、セルロース繊維、セピオラ
イト繊維、及びガラス繊維を組み合わせて使用すること
により、効きが高く、しかも効きの熱安定性(フェード
特性)が優れており、且つノイズの発生が抑制され、ノ
イズと効きとのバランスが良好な摩擦材を得ることがで
きる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明の摩擦材は、繊維基材として非石綿系繊維
を使用した非石綿系摩擦材であり、該非石綿系繊維基材
と、熱硬化性樹脂結合材と充填材とを主成分とするもの
である。
する。本発明の摩擦材は、繊維基材として非石綿系繊維
を使用した非石綿系摩擦材であり、該非石綿系繊維基材
と、熱硬化性樹脂結合材と充填材とを主成分とするもの
である。
【0012】本発明においては、繊維基材の少なくとも
一部としてアラミドパルプ、アクリルパルプ、セルロー
ス繊維、セピオライト繊維、及びガラス繊維を含有する
ことを特徴とする。
一部としてアラミドパルプ、アクリルパルプ、セルロー
ス繊維、セピオライト繊維、及びガラス繊維を含有する
ことを特徴とする。
【0013】アラミドパルプは、通常アラミド繊維とし
て知られている、一般にテレフタル酸とパラフェニレン
ジアミンとの縮合によって誘導される芳香族ポリアミド
繊維からなり、この芳香族ポリアミド繊維を極めて短く
高度にフィブリル化することによってアラミドパルプが
得られる。アラミドパルプは市販されており、たとえば
商品名ケブラー(デュポン社製)、商品名トワロン(ア
クゾ社製)等を用いることができる。
て知られている、一般にテレフタル酸とパラフェニレン
ジアミンとの縮合によって誘導される芳香族ポリアミド
繊維からなり、この芳香族ポリアミド繊維を極めて短く
高度にフィブリル化することによってアラミドパルプが
得られる。アラミドパルプは市販されており、たとえば
商品名ケブラー(デュポン社製)、商品名トワロン(ア
クゾ社製)等を用いることができる。
【0014】アクリルパルプは、衣料用繊維として一般
に知られているアクリル系繊維を原料として、これを製
紙用の叩解機、たとえばディスクリファイナーなどでフ
ィブリル化して得ることができる。また、繊維内に、繊
維の長さ方向に沿ってほぼ平行な筋状(ストロー状)の
空隙を有するアクリル系繊維を幹とし、その幹から微細
なヒゲ状繊条が多数枝分かれし、且つ該幹が部分的に幹
の長さ方向に割れて複数の繊維に分割しているアクリル
パルプを用いることもできる。
に知られているアクリル系繊維を原料として、これを製
紙用の叩解機、たとえばディスクリファイナーなどでフ
ィブリル化して得ることができる。また、繊維内に、繊
維の長さ方向に沿ってほぼ平行な筋状(ストロー状)の
空隙を有するアクリル系繊維を幹とし、その幹から微細
なヒゲ状繊条が多数枝分かれし、且つ該幹が部分的に幹
の長さ方向に割れて複数の繊維に分割しているアクリル
パルプを用いることもできる。
【0015】このようなアクリル系繊維は、たとえばア
クリロニトリルを60重量%以上と、アクリロニトリル
と共重合可能なエチレン系単量体を40重量%以下とか
らなるアクリル系重合体、またはこのようなアクリル系
重合体の2種以上の混合物からなる。アクリロニトリル
と共重合可能なエチレン系単量体としては、たとえば、
アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステル類(アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル等)、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、メ
タクリロニトリル、アリルスルホン酸、メタリルスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸などが挙げられる。
クリロニトリルを60重量%以上と、アクリロニトリル
と共重合可能なエチレン系単量体を40重量%以下とか
らなるアクリル系重合体、またはこのようなアクリル系
重合体の2種以上の混合物からなる。アクリロニトリル
と共重合可能なエチレン系単量体としては、たとえば、
アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステル類(アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル等)、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、メ
タクリロニトリル、アリルスルホン酸、メタリルスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸などが挙げられる。
【0016】本発明で用いるアクリルパルプは、製紙工
業でパルプの叩解の程度を表す指標である濾水度に関し
ては特に限定されず、摩擦材の特性に応じて選択できる
が、好ましくは、濾水度が約600〜200ccの範囲
のものを用いる。
業でパルプの叩解の程度を表す指標である濾水度に関し
ては特に限定されず、摩擦材の特性に応じて選択できる
が、好ましくは、濾水度が約600〜200ccの範囲
のものを用いる。
【0017】セピオライトは、天然の繊維状粘土鉱物で
あって、主成分は含水ケイ酸マグネシウムであり、その
ほかに酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミ
ニウム、二酸化珪素、酸化鉄等が含まれ、多くの付着水
分を含んでいる。セピオライトの単繊維の断面は、タル
クを互い違いに積み重ねた結晶構造をしており、繊維中
に無数の細孔を有するため、吸着効果が高い。また、揺
変性を有しており、水中や樹脂中で強力に撹拌すると増
粘効果を示し、剪断力が大きいと低粘度となり小さいと
高粘度となる。更に、セピオライトを水で造粒し乾燥す
ると固結粒子が得られ、これを加熱すると徐々に脱水し
ながらセラミック化し、カオリンのような可塑性を示
す。本発明で用いるセピオライト繊維としては、平均繊
維長が30〜50μm、平均繊維径が0.1〜0.4μ
mのものが好ましい。
あって、主成分は含水ケイ酸マグネシウムであり、その
ほかに酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミ
ニウム、二酸化珪素、酸化鉄等が含まれ、多くの付着水
分を含んでいる。セピオライトの単繊維の断面は、タル
クを互い違いに積み重ねた結晶構造をしており、繊維中
に無数の細孔を有するため、吸着効果が高い。また、揺
変性を有しており、水中や樹脂中で強力に撹拌すると増
粘効果を示し、剪断力が大きいと低粘度となり小さいと
高粘度となる。更に、セピオライトを水で造粒し乾燥す
ると固結粒子が得られ、これを加熱すると徐々に脱水し
ながらセラミック化し、カオリンのような可塑性を示
す。本発明で用いるセピオライト繊維としては、平均繊
維長が30〜50μm、平均繊維径が0.1〜0.4μ
mのものが好ましい。
【0018】セルロース繊維は、平均繊維長及び平均繊
維径については特に制限はないが、繊維長は好ましくは
2〜10mm、特に好ましくは4.5〜6.5mmであ
り、平均繊維径は好ましくは10〜100μm、特に好
ましくは30〜40μmである。特に、高強度で耐熱性
に優れているものが望ましい。このようなセルロース繊
維は、例えばパルプからビスコース法等によって製造さ
れる。
維径については特に制限はないが、繊維長は好ましくは
2〜10mm、特に好ましくは4.5〜6.5mmであ
り、平均繊維径は好ましくは10〜100μm、特に好
ましくは30〜40μmである。特に、高強度で耐熱性
に優れているものが望ましい。このようなセルロース繊
維は、例えばパルプからビスコース法等によって製造さ
れる。
【0019】ガラス繊維は、好ましくはチョップドスト
ランド、より好ましくは平均繊維長1〜5mm、平均繊
維径6〜15μmのものが用いられる。ガラス繊維の表
面はサイジング剤等で処理されていても良い。
ランド、より好ましくは平均繊維長1〜5mm、平均繊
維径6〜15μmのものが用いられる。ガラス繊維の表
面はサイジング剤等で処理されていても良い。
【0020】本発明の繊維基材としては、前記したもの
のほか、スチール繊維、銅繊維、真鍮繊維等の金属繊
維;フェノール繊維、レーヨン等の有機繊維;チタン酸
カリウム繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、ロックウール
等の非石綿系無機繊維等を併用することができる。これ
らのうち1種または2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
のほか、スチール繊維、銅繊維、真鍮繊維等の金属繊
維;フェノール繊維、レーヨン等の有機繊維;チタン酸
カリウム繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、ロックウール
等の非石綿系無機繊維等を併用することができる。これ
らのうち1種または2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
【0021】アラミドパルプの含有量は、摩擦材全量に
対し好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜8
重量%である。アクリルパルプの含有量は、摩擦材全量
に対し好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜
6重量%である。セルロース繊維の含有量は、摩擦材全
量に対し好ましくは1〜25重量%、より好ましくは2
〜20重量%である。セピオライト繊維の含有量は、摩
擦材全量に対し好ましくは1〜20重量%、より好まし
くは2〜10重量%である。ガラス繊維の含有量は、摩
擦材全量に対し好ましくは1〜10重量%、より好まし
くは2〜5重量%である。有機繊維、すなわちアラミド
パルプ、アクリルパルプ及びセルロース繊維の含有量が
上記範囲内より少なすぎると、ノイズ性が悪化する。一
方、無機繊維、すなわちセピオライト繊維及びガラス繊
維の含有量が上記範囲内より少なすぎると、ブレーキの
効き及びフェード特性が低下する。各繊維基材が上記し
た含有量の範囲内であれば、耐熱性や摩擦特性を損なう
ことなく、ノイズ性とブレーキ効きをともに改良するこ
とができる。
対し好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜8
重量%である。アクリルパルプの含有量は、摩擦材全量
に対し好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜
6重量%である。セルロース繊維の含有量は、摩擦材全
量に対し好ましくは1〜25重量%、より好ましくは2
〜20重量%である。セピオライト繊維の含有量は、摩
擦材全量に対し好ましくは1〜20重量%、より好まし
くは2〜10重量%である。ガラス繊維の含有量は、摩
擦材全量に対し好ましくは1〜10重量%、より好まし
くは2〜5重量%である。有機繊維、すなわちアラミド
パルプ、アクリルパルプ及びセルロース繊維の含有量が
上記範囲内より少なすぎると、ノイズ性が悪化する。一
方、無機繊維、すなわちセピオライト繊維及びガラス繊
維の含有量が上記範囲内より少なすぎると、ブレーキの
効き及びフェード特性が低下する。各繊維基材が上記し
た含有量の範囲内であれば、耐熱性や摩擦特性を損なう
ことなく、ノイズ性とブレーキ効きをともに改良するこ
とができる。
【0022】また、繊維基材全体の使用量は、通常、摩
擦材全量に対し好ましくは5〜50重量%、特に好まし
くは20〜45重量%である。本発明においては、繊維
基材を上記範囲内で比較的多量に用いることが好まし
く、これによりノイズ性を格段に改良することができ
る。これは、繊維質自体の柔軟性と繊維による網状構造
によりダンピング特性が大きくなるためと思われる。ま
た、有機繊維と無機繊維とを組み合わせることによって
ダンピングの温度依存性を少なくし、ダンピングの持続
性を持たせることができる。
擦材全量に対し好ましくは5〜50重量%、特に好まし
くは20〜45重量%である。本発明においては、繊維
基材を上記範囲内で比較的多量に用いることが好まし
く、これによりノイズ性を格段に改良することができ
る。これは、繊維質自体の柔軟性と繊維による網状構造
によりダンピング特性が大きくなるためと思われる。ま
た、有機繊維と無機繊維とを組み合わせることによって
ダンピングの温度依存性を少なくし、ダンピングの持続
性を持たせることができる。
【0023】本発明の熱硬化性樹脂結合材は、摩擦材の
各配合成分を結合させる役割を有するものであり、フェ
ノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シアン酸エ
ステル樹脂等が使用される。このうち、好ましくはフェ
ノール樹脂が用いられる。熱硬化性樹脂結合材の使用量
は特に限定されないが、好ましくは摩擦材全量に対し5
〜20重量%とする。
各配合成分を結合させる役割を有するものであり、フェ
ノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シアン酸エ
ステル樹脂等が使用される。このうち、好ましくはフェ
ノール樹脂が用いられる。熱硬化性樹脂結合材の使用量
は特に限定されないが、好ましくは摩擦材全量に対し5
〜20重量%とする。
【0024】本発明で用いられる充填材としては、レジ
ンダスト(例えばカシューダスト)等の有機摩擦調整
剤;アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化クロム等の金
属酸化物の硬質粒子からなる研削材や、銅、真鍮、鉄等
の金属粒子などの金属質系充填材;バーミキュライト、
マイカ等の鱗片状無機物や、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム等の無機化合物などの無機フィラー;黒鉛、二硫化
モリブデン等の固体潤滑剤;等を用いることができる。
充填材の配合量は、摩擦材全量に対し好ましくは30〜
80重量%、より好ましくは40〜70重量%である。
ンダスト(例えばカシューダスト)等の有機摩擦調整
剤;アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化クロム等の金
属酸化物の硬質粒子からなる研削材や、銅、真鍮、鉄等
の金属粒子などの金属質系充填材;バーミキュライト、
マイカ等の鱗片状無機物や、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム等の無機化合物などの無機フィラー;黒鉛、二硫化
モリブデン等の固体潤滑剤;等を用いることができる。
充填材の配合量は、摩擦材全量に対し好ましくは30〜
80重量%、より好ましくは40〜70重量%である。
【0025】本発明の摩擦材は、以上述べた繊維基材、
熱硬化性樹脂結合材及び充填材を均一に撹拌・混合して
得られる配合組成物を、タブレット状等に予備成形した
後、これを金型等に入れて加圧加熱成形し、所定の厚さ
および密度の成形品を得る。次にこの成形品を熱処理
し、更に形状加工等の仕上げを行って本発明の摩擦材を
得る。これらの工程における諸条件は、常法に従って適
宜選択されるが、具体的には、予備成形は通常、面圧1
00〜500kgf/cm2程度で行い、加圧加熱成形
は温度130〜180℃および面圧200〜1000k
gf/cm2程度で行い、また熱処理は温度150〜3
00℃程度で行うのが一般的である。
熱硬化性樹脂結合材及び充填材を均一に撹拌・混合して
得られる配合組成物を、タブレット状等に予備成形した
後、これを金型等に入れて加圧加熱成形し、所定の厚さ
および密度の成形品を得る。次にこの成形品を熱処理
し、更に形状加工等の仕上げを行って本発明の摩擦材を
得る。これらの工程における諸条件は、常法に従って適
宜選択されるが、具体的には、予備成形は通常、面圧1
00〜500kgf/cm2程度で行い、加圧加熱成形
は温度130〜180℃および面圧200〜1000k
gf/cm2程度で行い、また熱処理は温度150〜3
00℃程度で行うのが一般的である。
【0026】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0027】
【実施例1〜3、比較例1〜2】表1に示す種類および
量の配合成分を十分に撹拌、混合し、得られた配合組成
物を金型にて面圧200kgf/cm2で予備成形し、
次いで金型にて温度150℃、面圧200kgf/cm
2で加圧加熱成形し、得られた熱成形品を温度180〜
200℃で熱処理し、更に研磨等の形状加工を行って摩
擦材試験片を作成した。得られた試験片のサイズは22
0mm×190mm×16mmである。
量の配合成分を十分に撹拌、混合し、得られた配合組成
物を金型にて面圧200kgf/cm2で予備成形し、
次いで金型にて温度150℃、面圧200kgf/cm
2で加圧加熱成形し、得られた熱成形品を温度180〜
200℃で熱処理し、更に研磨等の形状加工を行って摩
擦材試験片を作成した。得られた試験片のサイズは22
0mm×190mm×16mmである。
【0028】次に、上述したブレーキライニングを実車
に取り付けて、以下に示す評価試験を行った。
に取り付けて、以下に示す評価試験を行った。
【0029】(1)効力試験 制動初速度(V)=65km/h、減速度0.3Gで1
00回すりあわせた後、V=50km/h、減速度0.
3Gにおいて、入力(ブレーキ液圧P:kgf/c
m2)と出力(ブレーキトルクT:kgf・m)との関
係(T/P)を求めた。尚、T/P値は、数値が大きい
ほどブレーキの効きが高いことを示している。
00回すりあわせた後、V=50km/h、減速度0.
3Gにおいて、入力(ブレーキ液圧P:kgf/c
m2)と出力(ブレーキトルクT:kgf・m)との関
係(T/P)を求めた。尚、T/P値は、数値が大きい
ほどブレーキの効きが高いことを示している。
【0030】(2)フェード試験 制動初速度(V)=60km/h、減速度0.3Gで3
5回連続ブレーキをかけて摩擦材を300℃にさらした
時の効力(T/P)を求め、効力変化を調べた。尚、こ
こでのT/P値は、数値が大きいほどフェード特性が良
好であることを示している。
5回連続ブレーキをかけて摩擦材を300℃にさらした
時の効力(T/P)を求め、効力変化を調べた。尚、こ
こでのT/P値は、数値が大きいほどフェード特性が良
好であることを示している。
【0031】(3)ノイズ発生率 摩擦材試験片を実車に取り付けて、制動初速度(V)=
30〜50km/h、減速度0.1〜0.3Gの条件で
制動したときのノイズ発生の有無を調べ、これを数回行
ってノイズ発生率を求めた。
30〜50km/h、減速度0.1〜0.3Gの条件で
制動したときのノイズ発生の有無を調べ、これを数回行
ってノイズ発生率を求めた。
【0032】上記評価試験の結果を表1に併せて示す。
【0033】
【表1】
【0034】この評価試験の結果からわかるように、レ
ジンダスト等の有機摩擦調整剤や黒鉛等の固体潤滑剤を
増量したのみでは、効力、フェード特性ともに低下する
(比較例1、2参照)。これに対し、繊維基材として更
に高耐熱性のセピオライト繊維(耐熱温度:610℃)
を添加すると、フェード特性が改良され、またノイズ性
も良好である(実施例1参照)。
ジンダスト等の有機摩擦調整剤や黒鉛等の固体潤滑剤を
増量したのみでは、効力、フェード特性ともに低下する
(比較例1、2参照)。これに対し、繊維基材として更
に高耐熱性のセピオライト繊維(耐熱温度:610℃)
を添加すると、フェード特性が改良され、またノイズ性
も良好である(実施例1参照)。
【0035】
【発明の効果】本発明の摩擦材は、効力が大きく、且つ
ノイズの発生が少ないものである。
ノイズの発生が少ないものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 5/14 CFB C08J 5/14 CFB D04H 1/42 D04H 1/42 A F16D 69/02 F16D 69/02 K
Claims (3)
- 【請求項1】 非石綿系繊維基材、熱硬化性樹脂結合
材、および充填材を主成分とする摩擦材において、前記
繊維基材としてアラミドパルプ、アクリルパルプ、セル
ロース繊維、セピオライト繊維、及びガラス繊維を含有
することを特徴とする、非石綿系摩擦材。 - 【請求項2】 摩擦材全量に対し、アラミドパルプを1
〜10重量%、アクリルパルプを1〜10重量%、セル
ロース繊維を1〜25重量%、セピオライト繊維を1〜
20重量%、及びガラス繊維を1〜10重量%含有する
ことを特徴とする、請求項1記載の非石綿系摩擦材。 - 【請求項3】 非石綿系繊維基材5〜50重量%、熱硬
化性樹脂結合材5〜20重量%、及び充填材30〜80
重量%を含有することを特徴とする、請求項1記載の非
石綿系摩擦材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8164767A JPH108036A (ja) | 1996-06-25 | 1996-06-25 | 非石綿系摩擦材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8164767A JPH108036A (ja) | 1996-06-25 | 1996-06-25 | 非石綿系摩擦材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH108036A true JPH108036A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=15799550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8164767A Pending JPH108036A (ja) | 1996-06-25 | 1996-06-25 | 非石綿系摩擦材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH108036A (ja) |
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- 1996-06-25 JP JP8164767A patent/JPH108036A/ja active Pending
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